【実施例1】
【0014】
(実施例1の構成)
図1は、本発明の実施例1における画像形成装置を示す概略の構成図である。
【0015】
図1において、実線は装置間の通信と装置内の制御の流れを示し、破線はファイルやデータベースへの入出力を示し、一点鎖線はコンピュータ100のウエブブラウザ130から画像形成装置10に対するアクセスを示している。
【0016】
画像形成装置10は、認証印刷データを受信して印刷を行う装置であり、ネットワークインタフェース通信部20と、受信部である認証印刷データ受信部31と、認証印刷データ解析部32と、格納部である認証印刷データ格納部33と、印刷管理部である認証印刷データ管理部34と、印刷部35と、印刷完了の通知(例えば、メール)を送信する印刷完了メール送信部36と、USB(Universal Serial Bus)インタフェース通信部41と、RFID(Radio Frequency IDentification)カード情報読取部42と、認証印刷認証部43と、操作パネル制御部44と、サーバ部であるウエブサーバ部51と、認証部であるログイン認証部52と、認証印刷データ表示部53と、権限委譲実行部54と、権限委譲の通知(例えば、メール)を送信する権限委譲メール送信部55と、ログ記録部61とを有している。画像形成装置10は、USB経由でICカードリーダ40に接続されており、後述する
図2に示すネットワーク70経由で複数のコンピュータ100(=100−1〜100−3)と、LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)サーバ200と、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバ201に接続されている。
【0017】
ネットワークインタフェース通信部20は、後述する
図2に示すネットワーク70と相互に通信可能に接続されている。ネットワークインタフェース通信部20は、ネットワーク70に接続されているコンピュータ100(=100−1〜100−3)と、LDAPサーバ200と、SMTPサーバ201と通信可能である。
【0018】
認証印刷データ受信部31は、ネットワークインタフェース通信部20の出力側と、認証印刷データ解析部32に接続されている。認証印刷データ受信部31は、コンピュータ100(=100−1〜100−3)から送られた印刷者の個人識別情報を有している認証印刷データ300Aをネットワークインタフェース通信部20を介して受信し、認証印刷データ解析部32に送信する。
【0019】
認証印刷データ解析部32は、認証印刷データ受信部31の出力側と、認証印刷データ格納部33に接続されている。認証印刷データ解析部32は、認証印刷データ受信部31から受信した認証印刷データ300Aを解析して、この認証印刷データ300A中に含まれている印刷データ管理情報及び個人識別情報を抽出して、認証印刷データ格納部33に送信する。
【0020】
認証印刷データ格納部33は、認証印刷データ解析部32の出力側と、認証印刷データ管理部34に接続されている。認証印刷データ格納部33は、認証印刷データ300Aを印刷データファイル300Bに格納し、印刷データ管理情報及び個人識別情報を認証印刷データ管理部34に送信する。
【0021】
認証印刷データ管理部34は、認証印刷データ格納部33の出力側と、認証印刷認証部43と、印刷部35と、ログ記録部61と、印刷完了メール送信部36に接続されている。認証印刷データ管理部34は、印刷データファイル300Bと、この印刷データファイル300Bに係る個人識別情報と管理情報とを印刷データ管理テーブル400で管理している。認証印刷データ管理部34は、この個人識別情報が印刷データファイル300Bに係る印刷データ管理者の識別情報と一致したならば、印刷データファイル300Bを印刷する。
【0022】
USBインタフェース通信部41は、USBインタフェースを介してICカードリーダ40の出力側に接続されていると共に、RFIDカード情報読取部42に接続されている。USBインタフェース通信部41は、USBインタフェースを介してICカードリーダ40と通信する。
【0023】
RFIDカード情報読取部42は、USBインタフェース通信部41の出力側と、認証印刷認証部43に接続されている。RFIDカード情報読取部42は、USBインタフェース通信部41を介してICカードリーダ40に翳されたRFIDカードが有している所定の情報を読み取る。所定の情報とは、例えばRFIDカードの所有者に係る識別情報である。
【0024】
認証印刷認証部43は、RFIDカード情報読取部42の出力側と、認証印刷データ管理部34と、操作パネル制御部44に接続されている。認証印刷認証部43は、認証印刷データ管理部34が管理している個人識別情報と、RFIDカード情報読取部42が読み取った情報から生成した個人識別情報とを照合して、認証印刷データ300Aの印刷の可否を判断する。
【0025】
操作パネル制御部44は、認証印刷認証部43に接続されている。操作パネル制御部44は、操作パネル45に情報を表示すると共に、操作パネル45から入力された実行指示を受け付ける。
【0026】
ログ記録部61は、認証印刷データ管理部34の出力側に接続されており、印刷を行った認証印刷データ300Aの個人識別情報と管理情報とをログファイル500に記録する。
【0027】
ウエブサーバ部51は、ネットワークインタフェース通信部20と、ネットワークインタフェース通信部20と、ログイン認証部52と、認証印刷データ表示部53と、権限委譲実行部54と、権限委譲メール送信部55と接続されている。ウエブサーバ部51は、後述する
図3に示すコンピュータ100(=100−1〜100−3)のウエブブラウザ130と相互に通信して、ウエブブラウザ130に画面を表示すると共に、ウエブブラウザ130からの要求に対するサービスを提供する。
【0028】
ログイン認証部52は、ウエブサーバ部51と、ネットワークインタフェース通信部20に接続されている。ログイン認証部52は、ウエブサーバ部51を介して、後述する
図3に示すコンピュータ100(=100−1〜100−3)のウエブブラウザ130からのログイン要求を受け付ける。更に、このログイン要求に係るIDとパスワードとが正しいか否かをLDAPサーバ200に問いあわせ、ログイン要求を受け付けるか否かを判定する。
【0029】
認証印刷データ表示部53は、ウエブサーバ部51と、ネットワークインタフェース通信部20の出力側と、権限委譲実行部54の出力側に接続されている。認証印刷データ表示部53は、ウエブサーバ部51を介して、後述する
図3に示すコンピュータ100(=100−1〜100−3)のウエブブラウザ130からの要求を受け付ける。更に、印刷データ管理テーブル400に基づいてログイン認証部52で認証されたIDに係る個人識別情報を有する認証印刷データ300Aの一覧表示画面と管理権限を委譲する権限被委譲者の個人識別情報とを入力する画面を作成し、コンピュータ100のウエブブラウザ130に送信する。
【0030】
権限委譲実行部54は、ウエブサーバ部51と、認証印刷データ表示部53と、権限委譲メール送信部55に接続されている。権限委譲実行部54は、ウエブサーバ部51を介して、後述する
図3に示すコンピュータ100(=100−1〜100−3)のウエブブラウザ130から、管理権限を委譲する認証印刷データ300Aと管理権限を委譲する権限被委譲者の個人識別情報との入力を受け付ける。更に、印刷データ管理テーブル400を更新して管理権限を委譲し、管理権限委譲履歴テーブル600を更新する。
【0031】
権限委譲メール送信部55は、権限委譲実行部54の出力側と、ネットワークインタフェース通信部20に接続されている。権限委譲メール送信部55は、権限委譲実行部54によって管理権限が委譲された際、印刷データ作成者と権限被委譲者である印刷データ管理者の双方に、権限委譲された旨の
書き換え通知メールとしての第1のメールを送信する。
【0032】
印刷完了メール送信部36は、認証印刷データ管理部34の出力側と、ネットワークインタフェース通信部20に接続されている。印刷完了メール送信部36は、権限委譲が実行された認証印刷データ300Aの印刷が完了した際、印刷データ作成者と権限被委譲者である印刷データ管理者の双方に印刷完了した旨の
印刷完了メールとしての第2のメールを送信する。
【0033】
図2は、本発明の実施例1における画像形成装置のネットワークシステムの構成を示す図である。
【0034】
このネットワークシステムは、複数のコンピュータ100(=100−1〜100−3)と、LDAPサーバ200と、SMTPサーバ201と、画像形成装置10と、ネットワーク70とを有している。このネットワーク70には、コンピュータ100(=100−1〜100−3)と、LDAPサーバ200と、SMTPサーバ201と、画像形成装置10とが接続されている。更に、画像形成装置10には、ICカードリーダ40がUSBインタフェースを介して接続されている。コンピュータ100−1には、ネットワーク70上で識別するために「HOSTPC1」という名称が付与されている。コンピュータ100−1のユーザの識別情報は、「User1」である。コンピュータ100−2には、ネットワーク70上で識別するために「HOSTPC2」という名称が付与されている。コンピュータ100−2のユーザの識別情報は、「User2」である。コンピュータ100−3には、ネットワーク70上で識別するために「HOSTPC3」という名称が付与されている。コンピュータ100−3のユーザの識別情報は、「User3」である。
【0035】
図3は、本発明の実施例1におけるコンピュータを示す概略の構成図である。
コンピュータ100は、印刷アプリケーション150と、ドライバ140と、外部操作手段であるウエブブラウザ130と、メールクライアント160と、通信部120とを有している。印刷アプリケーション150は、文書作成ソフトウエアやDTPソフトウエア等であり、ドライバ140に文書や図面や画像の印刷を指示する。ドライバ140は、印刷アプリケーション150からの要求を受けて、通常印刷データ又は認証印刷データ300Aを作成する。通信部120は、ドライバ140によって作成された通常印刷データ又は認証印刷データ300Aを画像形成装置10に送信する。
【0036】
ドライバ140は、認証印刷指定部141と、識別情報生成部142と、印刷データ作成部143とを有している。
【0037】
認証印刷指定部141は、通常印刷データと認証印刷データ300Aのいずれを作成するかを指定する。識別情報生成部142は、認証印刷指定部141によって認証印刷データ300Aの作成が指定された際、この認証印刷データ300Aに印刷データ作成者の個人識別情報を付加する。印刷データ作成部143は、認証印刷指定部141によって指定された形式で、印刷データを作成する。
【0038】
ウエブブラウザ130は、ネットワーク70に接続された画像形成装置10のウエブサーバ部51より通信部120を介して受信したデータを表示する。更に、図示しないキーボードやマウスによって入力したデータを、画像形成装置10のウエブサーバ部51に送信する。
【0039】
メールクライアント160は、ネットワーク70に接続されたSMTPサーバ201から受信したメールデータを表示し、図示しないキーボードやマウスによって入力したメールデータをSMTPサーバ201に送信する。
【0040】
図4は、本発明の実施例1における認証印刷データの形式を示す図である。
認証印刷データ300Aは、認証印刷モード指定情報301と、ジョブ名302と、印刷者識別情報303と、印刷データ作成日時304と、印刷データ作成コンピュータ名305と、印刷データ本体306とを有している。
【0041】
認証印刷モード指定情報301は、この印刷データが認証された印刷データであることを示す情報である。画像形成装置10は、認証印刷モード指定情報301により、印刷データを受信した際に直ちに印刷するか、印刷せずに格納するかを判定する。
【0042】
ジョブ名302は、印刷アプリケーション150から指定された名称、又は、印刷データ作成者の指定によりドライバ140が設定した名称であり、印刷データ作成者が、複数の印刷データをそれぞれ区別する際に用いられる情報である。
【0043】
印刷者識別情報303は、印刷データを作成した印刷データ作成者を一意に識別可能な情報であり、ドライバ140の識別情報生成部142によって作成される。印刷者識別情報303は、RFIDカードに記録されている情報、又はRFIDカードに記録されている情報をキーに所定のデータベースを介して得られる情報に対応している。
【0044】
印刷データ作成日時304は、印刷データ作成者が印刷データを作成した日時を示す情報であり、操作者が印刷データを識別するために用いられる。印刷データ作成コンピュータ名305は、印刷データ作成者が印刷データを作成したコンピュータ100をネットワーク70上で識別する情報であり、画像形成装置10の操作者が印刷データを識別するために用いられる。印刷データ本体306は、ドライバ140によって生成された印刷コマンドデータであり、画像を形成して記録媒体に印字するために用いられる。
【0045】
図5は、本発明の実施例1における印刷データ管理テーブルを示す図である。
印刷データ管理テーブル400は、各印刷ジョブに対応する複数のレコードからなる。各レコードは、それぞれ
図5の各行に対応している。各レコードは、ジョブ名402と、印刷データ作成者識別情報403と、印刷データ管理者識別情報404と、印刷データ作成日時405と、印刷コンピュータ名406と、印刷データファイル名407と、印刷データ作成者メールアドレス408と、印刷データ管理者メールアドレス409と、印刷データ削除時処理フラグ410とを有している。
【0046】
ステータス401には、認証印刷データ300Aの現在の状況である「認証待」、「印刷中」、「ロック中」のいずれかの状態が格納される。「認証待」は、認証が行われれば印刷が可能な状態を示している。「印刷中」は、印刷部35により印刷が行われている状態を示している。「ロック中」は、状態変化中でアクセス禁止である状態を示している。ステータス401の初期値は「認証待」である。
図5では、全てのレコードに「認証待」の状態が格納されている。
【0047】
ジョブ名402には、認証印刷データ300Aに係るジョブ名302が格納されている。
【0048】
印刷データ作成者識別情報403には、認証印刷データ300Aの印刷者識別情報303が格納されている。
【0049】
印刷データ管理者識別情報404には、認証印刷データ300Aの印刷者識別情報303が格納されている。印刷データ作成者識別情報403の初期値と印刷データ管理者識別情報404の初期値には、必ず同じ情報が格納されている。
【0050】
印刷データ作成日時405には、認証印刷データ300Aの印刷データ作成日時304が格納されている。
【0051】
印刷コンピュータ名406には、認証印刷データ300Aの印刷データ作成コンピュータ名305が格納されている。
【0052】
印刷データファイル名407には、印刷データファイル300Bのファイル名が格納されている。印刷データファイル300Bは、認証印刷データ格納部33によって作成される。
【0053】
印刷データ作成者メールアドレス408には、認証印刷データ300Aの管理権限が委譲された際に、LDAPサーバ200から取得した印刷データ作成者メールアドレス408が格納される。
図5では、印刷データ作成者メールアドレス408には何も格納されていない。
【0054】
印刷データ管理者メールアドレス409には、認証印刷データ300Aの管理権限が委譲された際に、LDAPサーバ200から取得した権限被委譲者のメールアドレスが格納される。
図5では、印刷データ管理者メールアドレス409には何も格納されていない。
【0055】
図6は、本発明の実施例1における画像形成装置の操作パネルを示す図である。
操作パネル45は、操作パネル表示部46と、上下左右ボタン47と、Enterボタン48aと、Onlineボタン48bと、Cancelボタン48cとを有している。操作パネル表示部46には、文字や図形や画像が表示される表示部である。上下左右ボタン47と、Enterボタン48aと、Onlineボタン48bと、Cancelボタン48cとは、画像形成装置10の操作者の指示を受け付ける操作部である。
【0056】
図7は、本発明の実施例1におけるウエブサーバ部の初期画面を示す図である。
初期画面80は、文字列「ID」と、その「ID」の右側に配置されているID入力フィールド81と、文字列「ID」の下側に配置されている文字列「パスワード」と、その「パスワード」の右側に配置されているパスワード入力フィールド82と、文字列「パスワード」の下側に配置されている送信ボタン83とを有している。
【0057】
図8は、本発明の実施例1におけるウエブサーバ部の認証印刷データ一覧画面を示す図である。
【0058】
認証印刷データ一覧画面90は、印刷データ管理テーブル400から得られたログインしたユーザが管理権限を持つ認証印刷データ300Aの情報が、選択可能な状態で一覧表示されている。その下側には、認証印刷データ300Aの管理権限を委譲する場合のガイドが記載されている。
【0059】
更にその下側には、コンボボックス93と入力フィールド94とが表示されている。コンボボックス93は、右側の三角形が表示された部位をクリックすることで、過去に管理権限を委譲した個人識別情報のリストが選択可能にプルダウン表示される。入力フィールド94は、管理権限を委譲した個人識別情報を入力するフィールドである。更に下側には、権限委譲実行ボタン95が配置されている。
【0060】
(実施例1の動作)
図1を元に、画像形成装置10の動作を説明する。
【0061】
認証印刷データ受信部31は、ネットワーク70を通じて印刷データを受信する。受信した印刷データは認証印刷データ解析部32に送信される。
【0062】
認証印刷データ解析部32は、印刷データの認証印刷モード指定情報301を参照し、通常印刷データか認証印刷データ300Aであるかを判定する。通常印刷データの場合は受信した印刷データを印刷部35に送信して印刷を開始する。認証印刷データ300Aであった場合には、認証印刷データ格納部33に送信する。
【0063】
認証印刷データ格納部33は、画像形成装置10内で一意な名前のファイル名を有する印刷データファイル300Bを生成し、認証印刷データ300Aを格納する。認証印刷データ300Aから、ジョブ名302と、印刷者識別情報303と、印刷データ作成日時304と、印刷データ作成コンピュータ名305とを抽出し、格納した印刷データファイル300Bのファイル名と合わせて認証印刷データ管理部34に送信する。認証印刷データ管理部34は、印刷データ管理テーブル400に送信された情報に係るレコードを追加記録する。
【0064】
図2を元に、認証印刷システムにおける全体動作を説明する。
コンピュータ100で作成された認証印刷データ300Aは、ネットワーク70を介して画像形成装置10に送信される。
【0065】
画像形成装置10は、送信された認証印刷データ300AがRFIDカードによって認証されると、この認証印刷データ300Aを印刷する。画像形成装置10は、コンピュータ100(=100−1〜100−3)からアクセス可能なウエブサーバとして機能し、認証印刷データ300Aの管理権限の委譲を可能としている。認証印刷データ300Aの管理権限の委譲の際には、LDAPサーバ200から権限被委譲者と印刷データ作成者の情報を取得して、SMTPサーバ201に
書き換え通知メールとしての第1のメールを送信する。この管理権限が委譲された認証印刷データ300Aの印刷の際には、SMTPサーバ201に
印刷完了メールとしての第2のメールを送信する。
【0066】
図3を元に、コンピュータ100内のソフトウエアの動作を説明する。
コンピュータ100の印刷アプリケーション150は、ユーザからの印刷指示を検知すると、ドライバ140の認証印刷指定部141の設定にしたがって、印刷データ作成部143により印刷データを作成する。更に、この印刷データを、ドライバ140のインストール時に予め設定されている画像形成装置10に送信する。
【0067】
認証印刷指定部141によって認証印刷が指定された場合、識別情報生成部142によって個人を特定できる識別情報を生成し、印刷データ作成部143に送信する。印刷データ作成部143は、印刷データ作成者の個人識別情報が付加された認証印刷データ300Aを作成する。個人識別情報は運用形態により変化し得るが、例としてログインIDや、予め設定しておいた認証IDや、従業員番号や、メールアドレスが挙げられる。
【0068】
図1及び
図5を元に、認証印刷を行う動作を説明する。
認証印刷を行う操作者は、
図1に示すICカードリーダ40にRFIDカードを翳す。RFIDカードが翳されたことを検知したRFIDカード情報読取部42は、USBインタフェース通信部41を介してRFIDカードより個人識別情報を取得し、認証印刷認証部43に送信する。
【0069】
認証印刷認証部43は、印刷データ管理テーブル400のうち、取得した個人識別情報と印刷データ管理者識別情報404とが一致し、且つステータス401が「認証待」の印刷データファイル300Bを示すレコードが存在するか否かを検索する。適合するレコードが存在した場合、操作パネル制御部44によって確認メッセージを表示する。
【0070】
図6を元に、認証印刷データ300Aを受信した画像形成装置10の動作を説明する。
【0071】
操作パネル表示部46には、情報が適合したジョブ名402が表示される。操作パネル制御部44は、ジョブ名402の表示から一定時間内に印刷実行を示すEnterボタン48aの押下を検出したならば、認証印刷データ管理部34に通知する。ジョブ名402の表示から一定時間内において、Cancelボタン48cの押下を検出した場合や、Enterボタン48a又はCancelボタン48cの押下を検出しなかった場合には、画像形成装置10は、何も実施せずRFIDカードを翳す前のアイドル状態に戻る。
【0072】
認証印刷データ管理部34は、操作パネル表示部46からの印刷の通知を受けたならば、
図5に示す印刷データ管理テーブル400中のステータス401を「認証待」から「印刷中」に更新し、認証印刷データ300Aが格納された印刷データファイル300Bを印刷部35に送信する。
【0073】
印刷部35は、送信された認証印刷データ300Aを画像形成して記録媒体に印刷する。印刷終了後には、印刷が終了したことと、印刷によって得られた印刷後情報とを、認証印刷データ管理部34に送信する。印刷後情報とは、例えば、印刷開始日時や、印刷終了日時や、印刷実行枚数や、印刷用紙サイズである。
【0074】
認証印刷データ管理部34は、印刷が終了した認証印刷データ300Aの印刷データ管理テーブル400で管理している管理情報と、印刷部35から送信された印刷後情報とを、ログ記録部61と印刷完了メール送信部36とに送信する。これらの情報を送付した後、認証印刷データ管理部34は、印刷データ管理テーブル400から認証印刷データ300Aの情報が記録されているレコードを削除し、認証印刷データ300Aを格納した印刷データファイル300Bを削除する。ログ記録部61は、認証印刷データ管理部34から受信した情報をログファイル500に格納する。印刷完了メール送信部36では管理権限が委譲されていない認証印刷データ300Aの印刷が完了しても何も行わない。以上の動作によって、印刷者は、記録媒体に印刷された印刷結果を得る。
【0075】
次に、管理権限の委譲について説明する。
画像形成装置10に認証印刷データ300Aが格納された状態である認証待ちの状態において、印刷者が認証印刷データ300Aを印刷する権限を他人に委譲したい場合がある。例えば、印刷者が印刷アプリケーション150を用いて認証印刷を行ったのち、部下や秘書にこれを依頼するという場合である。記録媒体への印刷には、相応の時間を要するためである。
【0076】
印刷者は、コンピュータ100のウエブブラウザ130より、認証印刷データ300Aが記録されている画像形成装置10のウエブサーバ部51にアクセスする。ウエブサーバ部51は、ログイン認証画面である初期画面80を表示する。
【0077】
図7を元に、ウエブサーバ部51の初期画面の動作を説明する。
ID入力フィールド81とパスワード入力フィールド82とが入力された後、送信ボタン83がクリックされると、ID入力フィールド81に入力されたIDとパスワード入力フィールド82に入力されたパスワードとが、
図1に示すログイン認証部52に送信される。
【0078】
ログイン認証部52は、LDAPサーバ200に対して、送信されたIDとパスワードの認証を依頼する。LDAPサーバ200から肯定応答が送信されたならば、LDAPサーバ200から、このIDとパスワードに対応した個人識別情報を取得し、認証印刷データ表示部53に送信する。
【0079】
認証印刷データ表示部53は、印刷データ管理テーブル400を参照し、個人識別情報と印刷データ管理者識別情報404が同じで、且つステータス401が「認証待」である認証印刷データ300Aの情報を取得する。更に、過去に権限を委譲した者の個人識別情報を記録している管理権限委譲履歴テーブル600から、印刷データ作成者が過去に権限を委譲した者の個人識別情報を取得して、認証印刷データ一覧画面90を生成して送信する。
【0080】
図8を元に、認証印刷データ一覧画面90の動作を説明する。
権限委譲実行ボタン95をクリックすると、チェックボックス92で選択した認証印刷データ300Aの情報と、コンボボックス93で選択した管理権限を委譲する個人識別情報や入力フィールド94で入力された管理権限を委譲した個人識別情報は、画像形成装置10のウエブサーバ部51を介して権限委譲実行部54に送信される。
【0081】
図9は、本発明の実施例1における画像形成装置10の認証印刷データ受信動作を示すフローチャートである。
【0082】
ステップS61において、認証印刷データ受信部31は、ネットワークインタフェース通信部20を介して、認証印刷データ300Aを受信する。ステップS62において、認証印刷データ解析部32は、この認証印刷データ300Aを解析し、印刷データと個人識別情報を得る。
【0083】
ステップS63において、認証印刷データ格納部33は、認証印刷データ300Aを印刷データファイル300Bに格納する。ステップS64において、認証印刷データ管理部34は、印刷データ管理テーブル400に、認証印刷データ300Aの情報を記録し、
図9の処理を終了する。
【0084】
図10は、本発明の実施例1における画像形成装置10の印刷動作を示すフローチャートである。
【0085】
ステップS70において、RFIDカード情報読取部42は、RFIDカードに格納されている識別情報を取得する。
【0086】
ステップS71〜
S81において、印刷データ管理テーブル400の全レコードについて処理を繰り返す。
【0087】
ステップS72において、認証印刷認証部43は、RFIDカードの個人識別情報と当該レコードが一致するか否かを判断する。
【0088】
ステップS73において、操作パネル制御部44は、操作パネル表示部46に認証結果を表示する。ステップS74において、所定時間内にEnterボタン48aが押下されたことを検知したならば、ステップS75の処理を行う。所定時間内に何も押されていないか、又はCancelボタン48cが押下されたことを検知したならば、ステップS81の処理を行う。
【0089】
ステップS75において、印刷部35は、当該レコードに係るステータス401を「印刷中」に変更し、ステップS76において、当該レコードに係る認証印刷データ300Aを画像形成する。
【0090】
ステップS77において、RFIDカードの個人識別情報は権限被委譲者であるか否かを判定する。権限被委譲者でなかったならば、ステップS80の処理を行う。
【0091】
ステップS78において、印刷完了メール送信部36は、印刷データ作成者メールアドレス408と権限被委譲者である印刷データ管理者メールアドレス409の双方に印刷完了した旨のメールを送信する。
【0092】
ステップS79において、ログ記録部61は、認証印刷データ管理部34より受け取った情報をログファイル500に格納する。
【0093】
ステップS80において、認証印刷データ管理部
34は、印刷データ管理テーブル400から、当該レコードを削除する。
【0094】
ステップS81において、印刷データ管理テーブル400の全レコードについて繰り返したならば、
図10の処理を終了する。
【0095】
図11は、本発明の実施例1における画像形成装置10の権限委譲動作を示すフローチャートである。
【0096】
処理が開始すると、画像形成装置10は、ステップS10において、認証印刷データ一覧画面90Aのデータを受け取り、チェックボックス92で指定された認証印刷データ300Aの情報を取得し、コンボボックス93又は入力フィールド94で指定された認証印刷データ300Aの管理権限を委譲される権限被委譲者の個人識別情報を取得する。
【0097】
ステップS11において、権限被委譲者の個人識別情報がLDAPサーバ200に登録されているかを調べる。LDAPサーバ200に登録されていなければ入力ミスと見なし、ステップS12においてエラー応答する。応答メッセージは、「指定ユーザは登録されていません。」である。LDAPサーバ200に登録されていれば、ステップS13の処理を行う。
【0098】
ステップS13において、画像形成装置10は、権限被委譲者の個人識別情報を、LDAPサーバ200より取得する。この個人識別情報には、権限被委譲者のメールアドレスが含まれている。ステップS14において、指定された認証印刷データ300Aの情報リストを全て取得する。
【0099】
ステップS15〜S25において、指定された認証印刷データ300Aの全てを処理するまで繰り返す。
【0100】
ステップS16において、認証印刷データ300Aに係るステータス401が「認証待」であるか否かを判断する。認証印刷データ300Aが「認証待」でない場合は、ステップS17においてエラー応答する。応答メッセージは、「指定認証印刷データは既に印刷済みか管理権限委譲済です。」である。
【0101】
ステップS18において、画像形成装置10は、印刷データ管理テーブル400から、認証印刷データ300Aの印刷データ作成者識別情報403の情報を取得する。
【0102】
ステップS19において、画像形成装置10は、印刷データ作成者識別情報403の情報を元に、LDAPサーバ200から印刷データ作成者識別情報403のメールアドレスを取得する。
【0103】
ステップS20において、画像形成装置10は、当該レコードの印刷データ管理者識別情報404を、権限被委譲者の個人識別情報に変更する。
【0104】
ステップS21において、画像形成装置10は、当該レコードの印刷データ作成者メールアドレス408を、LDAPサーバ200から取得した印刷データ作成者のメールアドレスに変更する。
【0105】
ステップS22において、画像形成装置10は、当該レコードの印刷データ管理者メールアドレス409を、LDAPサーバ200から取得した権限被委譲者のメールアドレスに変更する。
【0106】
ステップS23において、画像形成装置10は、LDAPサーバ200から取得した印刷データ作成者識別情報403の個人識別情報と、LDAPサーバ200から取得した権限被委譲者の個人議別情報を管理権限委譲履歴テーブル600に記録する。これは、次回の管理権限の委譲の際に、個人識別情報の入力を補助するためである。
【0107】
ステップS24において、画像形成装置10は、印刷データ管理テーブル400の情報を権限委譲メール送信部55に通知する。通知を受けた権限委譲メール送信部55は、メールの宛先「Bcc:」を印刷データ作成者メールアドレス408と印刷データ管理者メールアドレス409とし、メールの本文を権限委譲実行部54より通知された認証印刷データ300Aの情報を所定の形式で成型したものを、第1のメールである電子メールとしてSMTPサーバ201に送信する。これにより、印刷データ管理者メールアドレス409を有する者は、このSMTPサーバにアクセスして、この第1のメールを受け取ることが可能となる。
【0108】
ステップS25において、指定された認証印刷データ300Aの全てを処理するまでステップS15の処理に戻る。
【0109】
ステップS26において、認証印刷データ表示部53は、更新後の認証印刷データ一覧表示画面を再描画し、
図11の処理を終了する。
【0110】
図11のフローチャートが示す処理では、認証印刷データ300Aを作成した者と、認証印刷データ300Aの管理権限を委譲された人とに、この認証印刷データ300Aの情報を第1のメールである電子メールで通知している。第1のメールの目的は、管理権限を委譲された人にその事実を通達することであり、且つ、管理権限を委譲された人が、更に別の第三者に管理権限を委譲した場合に、認証印刷データ300Aを作成した者が、その管理権限の委譲を把握可能とするためである。
【0111】
図12(a),(b)は、本発明の実施例1における管理権限委譲前後の印刷データ管理テーブルを示す図である。
図12(a)は、管理権限委譲前の印刷データ管理テーブル400を示している。
図12(b)は、管理権限委譲後の印刷データ管理テーブル400を示している。
【0112】
図12(a)の印刷データ管理テーブル400において、ジョブ名402がJobName3である認証印刷データ300Aを示すレコードである。この印刷データの作成者であるUser1の指示により、認証印刷データ300Aの管理権限がUser3に委譲された場合を考える。
【0113】
図12(b)は、管理権限委譲後の印刷データ管理テーブル400のレコードである。この管理権限の委譲により、認証印刷データ300Aに係るレコードが変更される。当該レコードの印刷データ管理者識別情報404は、権限被委譲者の個人識別情報に変更される。当該レコードの印刷データ作成者メールアドレス408は、LDAPサーバ200から取得した印刷データ作成者識別情報403のメールアドレスに変更される。当該レコードの印刷データ管理者メールアドレス409は、LDAPサーバ200から取得した被権限委識者のメールアドレスに変更される。
【0114】
印刷データ管理テーブル400の変更後は、権限委譲した個人識別情報を有するRFIDカードをICカードリーダ40に翳すことで認証印刷が行われ、印刷終了後に印刷実施者として権限被委譲者の情報がログファイル500に記録される。これにより、印刷データを作成した者の個人識別情報と、印刷を実施した者の個人識別情報の両方がログファイル500に記録されるため、印刷によるセキュリティ事故が発生した際の追跡調査に於いて、印刷作成者と印刷実施者とを特定することが可能である。
【0115】
管理権限が委譲されたレコードには、印刷データ作成者メールアドレス408と印刷データ管理者メールアドレス409に、それぞれメールアドレスが格納されている。これを管理権限が委譲されたか否かの判断条件とする。管理権限が委譲された認証印刷データ300Aを印刷した場合、印刷完了メール送信部36は、第2のメールである電子メールをSMTPサーバ201に送付する。この第2のメールの宛先「Bcc:」は、印刷データ作成者メールアドレス408と印刷データ管理者メールアドレス409である。この第2のメールの本文は、印刷が完了した認証印刷データ300Aの情報と印刷後情報とを所定の形式で成型したものである。
【0116】
管理権限が委譲されていないレコードにおいて、印刷データ作成者メールアドレス408と印刷データ管理者メールアドレス409には何も格納されていない。このとき、印刷完了メール送信部36は何も行わない。
【0117】
本実施例1の画像形成装置10は、ウエブサーバ部51を有しており、コンピュータ100のウエブブラウザ130を操作することにより、認証印刷データ300Aの管理権限を委譲可能である。アプリケーションの印刷操作と印刷操作後の管理権限委譲操作を同一のコンピュータ100で行えるので、離席の必要が無く、作業効率が高くなる。
【0118】
本実施例1の画像形成装置10では、認証印刷データ300Aの管理権限を委譲するにあたり、格納している認証印刷データ300Aの表示と、管理権限を委譲する個人識別情報の入力にウエブブラウザ130を用いている。これにより、画像形成装置10が備えている操作パネル表示部46が狭小で、情報の入力に際してボタンが数個しか無い等の効率の悪い入力手段しか持たない場合であっても対応可能である。
【0119】
図13は、本発明の実施例1における権限委譲時に送信される第1のメールを示す図である。
【0120】
この第1のメールの差出アドレスを示す「From:」には、「Printer」が記載されている。メールの宛先アドレスを示す「To:」と、写しの宛先アドレスを示す「Cc:」には、何も記載されていない。非表示の写し宛先アドレスを示す「Bcc:」には、「User1_印刷データ作成者<User1@XXXXX.jp>,User3_権限被委譲者<User3@XXXXX.jp>」が記載されている。メールの表題を示す「Title:」には、「認証印刷の権限委譲通知」が記載されている。
【0121】
メールの本文には、「このメールはPrinterより送られています。User1さんからUser3さんに以下の認証印刷の管理権限が委譲されました。日時:2010/10/02
【0122】
17:25:37 装置:Printer ドキュメント:AuthDocument.txt」が記載されている。
【0123】
図14は、本発明の実施例1における印刷完了時に送信される第2のメールを示す図である。
【0124】
この第2のメールの差出アドレスを示す「From:」には「Printer」が記載されている。メールの宛先アドレスを示す「To:」と、写しの宛先アドレスを示す「Cc:」には、何も記載されていない。非表示の写し宛先アドレスを示す「Bcc:」には、「User1_印刷データ作成者 <User1@XXXXX.jp>,User3_権限被委譲者 User3@XXXXX.jp」が記載されている。
【0125】
メールの本文には、「このメールはPrinterより送られています。User3さんからUser1さんに管理権限を委譲した認証印刷データの印刷が完了しました。日時:2010/11/02 11:01:00 装置:Printer(XXX.XXX.XXX.XXX) 印刷者:User3 ドキュメント:AuthDocument.txt 印刷実行枚数:50」が記載されている。
【0126】
(実施例1の効果)
本実施例1の画像形成装置10及び認証印刷データ300Aの管理権限委譲方法によれば、次の(A)〜(C)のような効果がある。
【0127】
(A) コンピュータ100での認証印刷操作実行後に、認証印刷データ300Aの管理権限を、指定したユーザに対して、安全に委譲することができる。
【0128】
(B) 本実施例1の画像形成装置10は、ウエブサーバ部51を有し、コンピュータ100からウエブブラウザ130を操作することにより、認証印刷データ300Aの管理権限を委譲可能である。これにより、アプリケーションの印刷操作と、この印刷操作後の管理権限委譲操作を同一のコンピュータ100で行えるので離席の必要が無く、作業効率が高くなる。
【0129】
(C) 本実施例1の画像形成装置10は、ウエブサーバ部51を有している。管理権限を委譲するにあたり、格納している認証印刷データ300Aの表示と管理権限を委譲する個人識別情報の入力に、コンピュータ100のウエブブラウザ130を用いている。これにより、画像形成装置10が備えている操作パネル表示部46が狭くて小さ
く、情報の入力に際してボタンが数個しか無い等の効率の悪い入力手段しか持たない場合であっても対応可能である。
【実施例2】
【0130】
(実施例2の構成)
本実施例2の画像形成装置10は、
図1に示す実施例1の画像形成装置10と同様の構成を有している。本実施例2のコンピュータ100は、
図3に示す実施例1のコンピュータ100と同様の構成を有している。本実施例2の認証印刷データ300Aの形式は、
図4に示す実施例1の認証印刷データ300Aの形式と同様である。
【0131】
図15は、本発明の実施例2における印刷データ管理テーブルの例を示す図であり、実施例1を示す
図5中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0132】
本実施例2の印刷データ管理テーブル400Aは、実施例1の印刷データ管理テーブル400と同様の構成に加えて、印刷データ削除時処理フラグ410を有している。
【0133】
図16は、本発明の実施例2における認証印刷データ一覧画面を示す図である。
本実施例2の認証印刷データ一覧画面90Aは、実施例1の認証印刷データ一覧画面90とは異なり、複数のコンボボックス93A(=93A−1〜93A〜5)と複数の入力フィールド94A(=94A−1〜94A〜5)と、ラジオボタン96,97とを有している他は、実施例1の認証印刷データ一覧画面90と同様の構成を有している。
【0134】
コンボボックス93A(=93A−1〜93A〜5)は、右側の矩形部をクリックすることによりプルダウンメニューが表示され、このプルダウンメニューには個人識別情報がリスト表示される。ユーザは、この個人識別情報を選択することで管理権限が委譲可能である。プルダウンメニューに表示される個人識別情報は、過去に管理権限を委譲した者である。コンボボックス93A(=93A−1〜93A〜5)は、縦方向に5個配置されており、複数人に権限を委譲することが可能である。
【0135】
入力フィールド94A(=94A−1〜94A〜5)は、管理権限を委譲するユーザの個人識別情報を入力する部位である。入力フィールド94A(=94A−1〜94A〜5)は、縦方向に5個配置されており、複数人に権限を委譲することが可能である。本実施例2のコンボボックス93A(=93A−1〜93A〜5)と入力フィールド94A(=94A−1〜94A〜5)は、縦方向に5個を配置しているが、6個以上又は5個未満を画面に配置しても良い。
【0136】
ラジオボタン96を選択した場合、管理権限を委譲した者のうち何れか一人の印刷が完了した時に、認証印刷データ300Aに係る印刷データ管理テーブル400の全てのレコードと、認証印刷データ300Aに係る印刷データファイル300Bとを削除する。このとき、管理権限を委譲した者のうち何れか一人が印刷結果を得る。
【0137】
ラジオボタン97を選択した場合、管理権限を委譲した者の印刷が完了する毎に、認証印刷データ300Aを印刷した者が印刷データ管理者識別情報404に記載されている印刷データ管理テーブル400のレコードを削除する。認証印刷データ300Aに係る印刷データ管理テーブル400のレコードが全て削除されたとき、印刷データファイル300Bを削除する。このとき、管理権限を委譲した者の全員が印刷結果を得る。
【0138】
権限委譲実行ボタン95をクリックすると、チェックボックス92によって指定された認証印刷データ300Aの情報と、コンボボックス93A(=93A−1〜93A〜5)で選択された管理権限を委譲する権限被委譲者の情報と、入力フィールド94A(=94A−1〜94A〜5)に入力された管理権限を委譲する権限被委譲者の情報と、印刷データの削除方式としてラジオボタン97とラジオボタン97のいずれが選択されたかの情報とが、画像形成装置10のウエブサーバ部51を介して、権限委譲実行部54に送信される。
【0139】
(実施例2の動作)
本実施例2における、管理権限を複数の権限被委譲者に委譲する例について以下に記載する。
【0140】
印刷データ作成者は、実施例1と同様に、コンピュータ100の印刷アプリケーション150に対して印刷操作を行う。ドライバ140は、認証印刷指定部141の指定にしたがって、前述した
図4に示されている認証印刷データ300Aを作成する。通信部120は、作成された認証印刷データ300Aを画像形成装置10に送信する。
【0141】
画像形成装置10は、この認証印刷データ300Aを受信し、実施例1と同様に、認証印刷データ受信部31と、認証印刷データ解析部32と、認証印刷データ格納部33とを介して認証印刷データ管理部34に送信する。
【0142】
認証印刷データ管理部34は、印刷データ管理テーブル
400Aに新たなレコードを作成し、受信した認証印刷データ300Aのジョブ名302と、印刷者識別情報303と、印刷データ作成日時304と、印刷データ作成コンピュータ名305と、格納した印刷データファイル300Bを、この新たなレコードに記録する。
【0143】
実施例1と同様、認証印刷データ管理部34は、ステータス401に「認証待」を格納する。ジョブ名302に、この認証印刷データ300Aに係るジョブの名称を格納する。印刷データ作成者識別情報403に、印刷者識別情報303を格納する。印刷データ管理者識別情報404に、印刷者識別情報303を格納する。印刷データ作成日時405に、印刷データ作成日時304を格納する。印刷コンピュータ名406に、印刷データ作成コンピュータ名305を格納する。印刷データファイル名407に、認証印刷データ300Aを格納したファイル名を格納する。印刷データ作成者メールアドレス408と印刷データ管理者メールアドレス409には何も格納しない。
【0144】
印刷データ削除時処理フラグ410には、この印刷データが印刷完了後に印刷データ管理テーブル400から削除する際に、このレコードだけ削除する場合には0を格納し、同一の印刷データファイル名407を持つレコードを全て削除する場合には1を格納する。このレコード生成時の印刷データ削除時処理フラグ410の初期値は0である。
【0145】
印刷データ作成者が印刷する際には、実施例1と同様にRFIDカードをICカードリーダ40に翳して認証させる。印刷完了後、認証印刷データ管理部34は、印刷データ管理テーブル400から印刷が完了したレコードを参照し、印刷データ削除時処理フラグ410の値を調べる。
【0146】
このレコードの印刷データ削除時処理フラグ410が0の場合には、このレコードを削除する。削除したレコードの印刷データファイル名407に格納されていたファイル名と同一の印刷データファイル名407を有する他レコードが存在しない場合には、更に印刷データファイル300Bを削除する。
【0147】
レコードの印刷データ削除時処理フラグ410が1の場合は、このレコードの印刷データファイル名407を取得する。この印刷データファイル名407と同じ内容の印刷データファイル名407をもつ他の全レコードを全て削除し、印刷データファイル300Bを削除する。
【0148】
ログ記録部61は、実施例1と同様に、認証印刷データ管理部34から受け取った情報をログファイル500に格納する。認証印刷データ管理部34は、メモリに退避した情報を、印刷完了メール送信部36に送信する。
【0149】
印刷完了メール送信部36は、受信した認証印刷データ300Aの管理情報から第2のメールである印刷完了メールを作成する。この印刷完了メールを印刷データ作成者メールアドレス408と印刷データ管理者メールアドレス409に対してSMTPサーバ201を介して送信する。印刷データ作成者メールアドレス408や印刷データ管理者メールアドレス409に何も格納されていない場合は、管理権限が委譲されていないことを示している。このとき、印刷完了メール送信部36は何も行わない。
【0150】
次に、管理権限委譲について説明する。
実施例1は、印刷データ作成者が1名の権限被委譲者を指定して権限を委譲して
いた。しかし、印刷データ作成者が複数の人間に対して権限を委譲し、権限を委譲した人の何れか一人に印刷結果を取得して欲しいと考える場合がある。例えば、印刷データ作成者が部下複数人に対して管理権限を委譲し、印刷操作を依頼する人を後で調整するという場合である。
【0151】
印刷データ作成者は、複数の人間に対して権限を委譲し、権限を委譲した全員に印刷結果を取得して欲しいと考える場合もある。例えば、会議の出席者の全員に、会議で用いる機密文書の印刷を依頼するという場合である。
【0152】
実施例1と同様、印刷データ作成者はコンピュータ100のウエブブラウザ130より、認証印刷データ300Aが記録されている画像形成装置10のウエブサーバ部51にアクセスを行う。更に、前述した
図7に示すログイン認証画面への入力によるログイン認証を行う。
【0153】
図17は、本発明の実施例2における画像形成装置10の権限委譲動作(その1)を示すフローチャートであり、実施例1を示す
図11中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0154】
処理が開始すると、画像形成装置10は、ステップS10Aにおいて、認証印刷データ一覧画面90Aの情報を受け取る。画像形成装置10は、チェックボックス92で指定された認証印刷データ300Aの情報を取得し、コンボボックス93又は入力フィールド94で指定された認証印刷データ300Aの管理権限を委譲される権限被委譲者の個人識別情報を取得する。更に、印刷完了時の認証印刷データ削除方式としてラジオボタン96とラジオボタン97のどちらが選択されたかの情報を取得する。
【0155】
画像形成装置10は、ステップS30〜S31の処理を、権利を委譲する権利被委譲者全てについて繰り返す。
【0156】
ステップS11において、当該権限被委譲者の個人識別情報がLDAPサーバ200に登録されているかを調べる。LDAPサーバ200に登録されていなければ入力ミスと見なし、ステップS12においてエラー応答する。応答メッセージは、「指定ユーザは登録されていません。」である。LDAPサーバ200に登録されていれば、ステップS13Aの処理を行う。
【0157】
ステップS13Aにおいて、画像形成装置10は、当該権限被委譲者の個人識別情報を、LDAPサーバ200より取得する。この個人識別情報には、当該権限被委譲者のメールアドレスが含まれている。画像形成装置10は、このステップS30〜S31の処理を、管理権限を委譲する権限被委譲者全てについて繰り返す。
【0158】
ステップS14において、指定された認証印刷データ300Aの情報リストを全て取得する。画像形成装置10は、ステップS15〜S34の処理を、指定された認証印刷データ300A全てについて繰り返す。
【0159】
ステップS16において、認証印刷データ300Aがステータス401が「認証待」であるか否かを判断する。認証印刷データ300Aが「認証待」でない場合は、ステップS33において、現在の認証印刷データ300Aのステータス401を「認証待ち」に変更し、ステップS17においてエラー応答する。応答メッセージは、「指定認証印刷データは既に印刷済みか管理権限委譲済です。」である。
【0160】
ステップS32において、現在の認証印刷データのステータスを「ロック中」に変更する。
【0161】
ステップS18〜S19の処理は、実施例1のステップS18〜S19の処理と同様である。画像形成装置10は、このステップS15〜S34の処理を、指定された認証印刷データ300A全てについて繰り返し、後述する
図18に示すノード1の処理に移行する。
【0162】
図18は、本発明の実施例2における画像形成装置10の権限委譲動作(その2)を示すフローチャートであり、実施例1を示す
図11中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0163】
ノード1の処理が開始すると、ステップS40〜52において、指定された認証印刷データ300A全てについて処理を繰り返す。
【0164】
ステップS41〜S49において、権限を委譲する人全てについて処理を繰り返す。
【0165】
ステップS42において、画像形成装置10は、印刷データ管理テーブル400から、当該レコードをメモリ上に複写する。
【0166】
ステップS20Aにおいて、画像形成装置10は、複写したレコードの印刷データ管理者識別情報404を、権限被委譲者の個人識別情報に変更する。
【0167】
ステップS21Aにおいて、画像形成装置10は、複写したレコードの印刷データ作成者メールアドレス408を、LDAPサーバ200から取得した印刷データ作成者のメールアドレスに変更する。
【0168】
ステップS22Aにおいて、画像形成装置10は、複写したレコードの印刷データ管理者メールアドレス409を、LDAPサーバ200から取得した権限被委譲者のメールアドレスに変更する。
【0169】
ステップS23において、画像形成装置10は、実施例1のステップS23の処理と同様に、LDAPサーバ200から取得した印刷データ作成者識別情報403の個人識別情報と、LDAPサーバ200から取得した権限被委譲者の個人議別情報とを、管理権限委譲履歴テーブル600に記録する。
【0170】
ステップS43において、画像形成装置10は、認証印刷データ一覧画面90Aの削除形式情報を判定する。ラジオボタン97が選択されており、削除形式情報が「権限委譲した全ての人の印刷が完了した時に削除」ならば、ステップS44の処理に移行し、複写したレコードの印刷データ削除時処理フラグ410を0に設定する。ラジオボタン96が選択されており、削除形式情報が「権限委譲した人のうち、何れか一人の印刷が完了した時に削除」ならば、ステップS45の処理に移行し、複写したレコードの印刷データ削除時処理フラグ410を1に設定する。
【0171】
ステップS46において、複写したレコードのステータス401を、「認証待」に変更する。
【0172】
ステップS43において、削除形式情報を判定する。この削除形式情報が「権限委譲した全ての人の印刷が完了した時に削除」ならば、ステップS48の処理に移行する。そして、当該認証印刷データ300Aの情報を、当該権限被委譲者である印刷データ管理者と印刷データ作成者に送信するように権限委譲メール送信部55に通知する。権限委譲メール送信部55は、この認証印刷データ300Aの情報を所定の形式で成型したものを本文とする第2のメールを、SMTPサーバ201を介して送信する。削除形式情報が「権限委譲した人のうち、何れか一人の印刷が完了した時に削除」ならば、ステップS49の処理に移行する。
【0173】
ステップS41〜S49において、権限を委譲する人全てについて処理を繰り返す。
【0174】
ステップS50において、削除形式情報を判定する。削除形式情報が「権限委譲した人のうち、何れか一人の印刷が完了した時に削除」ならば、ステップS51の処理に移行し、当該認証印刷データ300Aの情報を権限被委譲者全員と印刷データ作成者とに送信するように、権限委譲メール送信部55に通知する。削除形式情報が「権限委譲した全ての人の印刷が完了した時に削除」ならば、ステップS52の処理に移行する。
【0175】
ステップS40〜52において、指定された認証印刷データ300A全てについて処理を繰り返す。
【0176】
ステップS26において、認証印刷データ表示部53は、更新後の認証印刷データ一覧画面90Aを再描画し、
図18の処理を終了する。
【0177】
図19(a),(b)は、本発明の実施例2における管理権限委譲前後の印刷データ管理テーブルを示す図であり、実施例1を示す
図12中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
図19(a)は、管理権限委譲前の印刷データ管理テーブル400Aを示している。
図19(b)は、管理権限委譲後の印刷データ管理テーブル400Aを示している。
【0178】
図19(a)の印刷データ管理テーブル400Aは1つのレコードを有している。このレコードのジョブ名402は
JobName1であり、印刷データ作成者識別情報403はUser1である。この印刷データの作成者であるUser1の指示により、このレコードの認証印刷データ300Aの管理権限がUser2とUser3とに委譲された場合を考える。
【0179】
図19(b)は、管理権限委譲後の印刷データ管理テーブル400Aである。管理権限の委譲により、認証印刷データ300Aに係るレコードは、管理権限が委譲された者の人数と等しくなるよう複写されている。これらのレコードの印刷データ管理者識別情報404は、それぞれUser2とUser3の権限被委譲者の個人識別情報に変更される。これらのレコードの印刷データ作成者メールアドレス408は、LDAPサーバ200から取得した印刷データ作成者識別情報403のメールアドレスに変更されている。これらのレコードの印刷データ管理者メールアドレス409は、LDAPサーバ200から取得したそれぞれUser2とUser3の権限被委譲者のメールアドレスに変更されている。
【0180】
印刷データ削除時処理フラグ410は、管理権限が委譲された時に指定された印刷データ削除方式を示している。「権限委譲した人のうち、何れか一人の印刷が完了した時に削除」の場合は1が格納される。「権限委譲した全ての人の印刷が完了した時に削除」の場合は0が格納される。
【0181】
印刷データ管理テーブル400の変更後には、実施例1と同様に、権限委譲した個人識別情報を有する全てのRFIDカードをICカードリーダ40に翳すことで認証印刷が行われる。印刷終了後には、印刷実施者として権限被委譲者の情報がログファイル500に記録される。
【0182】
管理権限が委譲されたレコードの印刷データ削除時処理フラグ410が1の場合、即ち印刷データの削除方式として「権限委譲した人のうち、何れか一人の印刷が完了した時に削除」が指定された場合は、印刷データ作成者と権限委譲した全員を宛先「Bcc:」とし、印刷した認証印刷データ300Aの情報と印刷後情報とを所定の形式に成型したものを本文とする
第2のメールを作成する。
【0183】
管理権限が委譲されたレコードの印刷データ削除時処理フラグ410が0の場合、即ち印刷データの削除方式として「権限委譲した全ての人の印刷が完了した時に削除」が指定された場合は、印刷データ作成者と印刷した権限被委譲者を宛先「Bcc:」とし、印刷した認証印刷データ300Aの情報と印刷後情報とを所定の形式に成型したものを本文とする
第2のメールを作成する。後述する
図21に
第2のメールの例を示す。
【0184】
本実施例2の画像形成装置10によれば、印刷削除方式として「権限委譲した人のうち、何れか一人の印刷が完了した時に削除」が選択されている場合には、印刷データ作成者と管理権限を委譲した全員に
第2のメールで通知する。管理権限が委譲された認証印刷データ300Aの印刷が完了した際には、印刷データ作成者と実際に印刷を行った権限被委譲者の両方に、
第2のメールで通知する。
第2のメールは、ネットワーク70を介してSMTPサーバ201に送信される。
【0185】
これにより、印刷データ作成者は、印刷が完了したことを把握可能である。更に、権限被委譲者は、印刷の完了を印刷データ作成者識別情報403が把握していることを認識可能である。
【0186】
権限委譲時に印刷データの削除方式として「権限委譲した人のうち、何れか一人の印刷が完了した時に削除」が選択された場合には、印刷が完了したことにより、この認証印刷データ300Aは画像形成装置10より削除されたことを周知可能である。
【0187】
印刷データ削除時処理フラグ410が0の場合における
第2のメールは、メール送信先は印刷データ作成者と管理権限を委譲した全員である。このときの
第2のメールは、前述した
図14に示す実施例1の印刷完了メールと同様である。
【0188】
図20は、本発明の実施例2における権限委譲時に送信される第1のメールを示す図であり、印刷データ削除方式が「権限委譲した人のうち、何れか一人の印刷が完了した時に削除」である場合に作成される第1のメールを示している。
【0189】
この第1のメールの差出アドレスを示す「From:」には「Printer」が記載されている。メールの宛先アドレスを示す「To:」と、写しの宛先アドレスを示す「Cc:」は空白である。非表示の写し宛先アドレスを示す「Bcc:」には、「User1_印刷データ作成者<User1@XXXXX.jp>,User2_権限被委譲者1<User2@XXXXX.jp>,User3_権限被委譲者<User3@XXXXX.jp>」が記載されている。メールの表題を示す「Title:」には、「認証印刷の権限委譲通知」が記載されている。
【0190】
この第1のメールの本文には、「このメールはPrinterより送られています。User1さんからUser2さん User3さんに以下の認証印刷の管理権限が委譲されました。日時:2010/10/02 17:25:37 装置:Printer ドキュメント:AuthDocument.txt 管理権限が委譲された何れかのユーザにより印刷が行われると蓄積されていた認証印刷データは削除されます。」が記載されている。
【0191】
指定された印刷データ削除方式が「権限委譲した全ての人の印刷が完了した時に削除」である場合に作成される権限委譲実行メールは、宛先が印刷データ作成者と権限被委譲者のうち一人であるため、前述した
図13に示す実施例1の第1のメールと同様である。
【0192】
本実施例2の画像形成装置10は、管理権限を委譲した者と管理権限を委譲された者とに、管理権限を委譲した認証印刷データ300Aの情報をメールで通知する。これにより、実施例1と同様に権限委譲された者にその事実を通達することが可能である。管理権限を委譲された者が、印刷データ作成者とは別の第三者に更に権限を委譲した場合でも、認証印刷データ300Aを作成した印刷データ作成者は、管理権限が委譲されたことを把握可能となる。
【0193】
図21は、本発明の実施例2における印刷完了時に送信される第2のメールを示す図である。
【0194】
この第2のメールの差出アドレスを示す「From:」には「Printer」が記載されている。メールの宛先アドレスを示す「To:」と、写しの宛先アドレスを示す「Cc:」は空白である。非表示の写し宛先アドレスを示す「Bcc:」には、「User1_印刷データ作成者<User1@XXXXX.jp>,User2_権限被委譲者1<User2@XXXXX.jp>,User3_権限被委譲者<User3@XXXXX.jp>」が記載されている。メールの表題を示す「Title:」には、「認証印刷の完了通知」が記載されている。
【0195】
第2のメールの本文には、「このメールはPrinterより送られています。User1さんからUser2さん User3さんに管理権限を委譲した認証印刷データの印刷が完了し、蓄積されていた認証印刷データは削除されました。日時:2010/11/02 11:01:00 装置:Printer(XXX.XXX.XXX.XXX) 印刷者:User2 ドキュメント:AuthDocument.txt 印刷実行枚数:50」が記載されている。
【0196】
本実施例2の画像形成装置10は、実施例1の効果に加えて更に、複数人に対して管理権限を委譲可能である。権限を委譲する対象者が複数になったことにより、印刷データの削除方式を指定可能である。指定した複数人のうちの一人が印刷した時に印刷データを削除する方式か、指定した複数人の全員が印刷した時に印刷データを削除する方式を選択できる。これにより、印刷操作を複数の候補者のうちの誰かに依頼したい場合には前者を選択し、セキュリティや版数管理の問題より印刷元のファイルは渡せないが印刷結果は各々の認証の上渡したい場合には後者を選択することが可能である。
【0197】
(実施例2の効果)
本実施例2の画像形成装置10及び認証印刷データの管理権限委譲方法によれば、次の(D),(E)のような効果がある。
【0198】
(D) コンピュータ100で印刷操作を実行した後に、複数の指定したユーザに認証印刷データ300Aの管理権限を安全に委譲することができる。
【0199】
(E) 管理権限の委譲にあたり、複数の指定したユーザのうちの一人が印刷した時に印刷データを削除する方式か、複数の指定したユーザの全員が印刷した時に印刷データを削除する方式かを選択可能であり、印刷の状況によりこれらを使い分けることができる。
【0200】
(変形例)
本発明は、上記実施例に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(f)のようなものがある。
【0201】
(a) 実施例2の画像形成装置10は、複数の指定したユーザのうちの一人が印刷した時に印刷データを削除する方式か、複数の指定したユーザの全員が印刷した時に印刷データを削除する方式かを選択可能である。しかし、これに限定されず、複数の指定したユーザのうち所定人数が印刷した時に印刷データを削除する方式か、複数の指定したユーザの全員が印刷した時に印刷データを削除する方式かを選択可能としても良い。
【0202】
(b) 実施例1,2の画像形成装置10では、認証印刷データ300Aの管理権限を印刷データ作成者から権限被委譲者に移動している。しかし、これに限られず、管理権限を委譲する際に移動か複写を選択させても良い。管理権限を複写した場合には、印刷データ作成者と権限被委譲者の双方が印刷結果を得ることが可能である。
【0203】
(c) 実施例1,2の画像形成装置10は、個人識別情報をRFIDカードから直接読み取っている。しかし、これに限定されず、RFIDカードから社員番号や会員番号等の個人情報と一対一に対応している情報を読み取り、個人識別情報のデータベースや予め定義されている個人識別情報の対応表を用いて個人識別情報に変換して取得しても良い。
【0204】
(d) 実施例1,2の画像形成装置10では、RFIDカードによって認証して印刷している。しかし、これに限られず、個人識別情報に変換可能な入力手段であれば良い。例えば、操作パネル45からのID及びパスワードの入力による認証や、例えば指紋認証や虹彩認証や静脈認証である生体認証デバイスを用いた認証でも良い。
【0205】
(e) 実施例1,2の画像形成装置10では、コンピュータ100から認証印刷データ300Aを送信し、この認証印刷データ300Aを格納する装置を画像形成装置10とした。しかし、これに限られず、認証印刷データ300Aを格納する装置をプリントサーバとし、このプリントサーバにネットワーク70を介して接続可能な画像形成装置10を有するシステムとして構成しても良い。これにより、権限委譲時に画像形成装置10やコンピュータ100の設置場所を意識する必要が無くなり、更に利便性が増すという効果を奏する。この変形例の場合には、認証印刷データ300Aは暗号化されている。この暗号化された認証印刷データ300Aは、画像形成装置10とプリントサーバ間でネットワーク70を通じて送受信される。
【0206】
(f) 実施例1,2の画像形成装置10では、外部操作手段であるウエブブラウザ130は、ネットワーク70に接続された画像形成装置10のウエブサーバ部51より通信部120を介して受信したデータを表示する。更に、図示しないキーボードやマウスによって入力したデータを、画像形成装置10のウエブサーバ部51に送信する。しかし、これに限定されず、外部操作手段は、画像形成装置10をネットワーク70経由で操作する手段であれば良く、例えば画像形成装置10をリモート制御する専用アプリケーションや、専用端末であっても良い。