(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基板主面及び基板裏面を有し、複数の樹脂絶縁層及び複数の導体層を積層してなる構造を有し、チップ部品を接続可能な複数のチップ部品接続端子が前記基板主面上に配設された多層配線基板であって、
前記基板主面側にて露出する最外層の樹脂絶縁層が、該最外層の樹脂絶縁層の表面の色の濃淡の差によって形成された認識マークを備えていることを特徴とする多層配線基板。
前記基板主面側の外縁部において導体部を露出させてなり、前記最外層の樹脂絶縁層の樹脂表面と前記導体部表面との光反射率の差によって認識される位置決め用マークをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の多層配線基板。
前記基板主面側にて露出する最外層の樹脂絶縁層において、樹脂表面の色の濃淡の差によって形成され、所定パターンの絵柄が規則正しく配列した模様をさらに備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の多層配線基板。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来の多層配線基板では、最外層の樹脂絶縁層に開口部を形成し、露出した導体層にめっきを施すことで認識マークが形成されている。この認識マークは、めっき層表面と樹脂絶縁層表面とにおける光反射率の差によって認識されるマークである。また、認識マークとして、ICチップ用のアライメントマーク以外に、配線基板自体の位置決めを行うための位置決め用マーク、製品番号、製造ロッド番号などの認識マークが形成される多層配線基板も実用化されている。このような認識マークを形成する場合、導体層や開口部の形成工程やめっき工程が必要となる。また一般に、認識マークに対するめっきは、ICチップ接続端子に対するめっきと同じめっき工程で行われる。このめっき工程では、はんだ濡れ性を確保するために比較的にコストが高い金めっき等が施される場合がある。このため、多層配線基板の製造コストが嵩んでしまうといった問題が生じてしまう。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板主面に認識マークを低コストで形成することができる多層配線基板を提供することにある。また、別の目的は、上記多層配線基板を製造するのに好適な多層配線基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段(手段1)としては、基板主面及び基板裏面を有し、複数の樹脂絶縁層及び複数の導体層を積層してなる構造を有し、チップ部品を接続可能な複数のチップ部品接続端子が前記基板主面上に配設された多層配線基板であって、前記基板主面側にて露出する最外層の樹脂絶縁層が、
該最外層の樹脂絶縁層の表面の色の濃淡の差によって形成された認識マークを備えていることを特徴とする多層配線基板がある。
【0008】
手段1に記載の発明によると、チップ部品の搭載面となる基板主面上に、
最外層の樹脂絶縁層の表面の色の濃淡の差によって認識マークが形成される。この場合、従来技術のように導体層や開口部を形成しなくても認識マークを認識することができるので、多層配線基板の製造コストを抑えることができる。
【0009】
基板主面側の外縁部において導体部を露出させてなり、最外層の樹脂絶縁層の樹脂表面と導体部表面との光反射率の差によって認識される位置決め用マークをさらに備えていてもよい。この場合、色の濃淡の差による認識マークと光反射率の差による位置決め用マークとを用途に応じて形成することができる。なおここで、光反射率の差による位置決め用マークの形成個数を最小限とし、他の認識マークを色の濃淡の差によって形成すると、多層配線基板の製造コストの増加を低く抑えることができる。また、色の濃淡の差によって形成した認識マークをチップ部品等の位置決め用マークとして利用することもできる。
【0010】
基板主面側にて露出する最外層の樹脂絶縁層において、樹脂表面の色の濃淡の差によって形成され、所定パターンの絵柄が規則正しく配列した模様をさらに備えていてもよい。このように、基板主面上に模様を形成することにより、多層配線基板の意匠性を高めることができる。
【0011】
また、上記課題を解決するための別の手段(手段2)としては、手段1に記載の多層配線基板を製造する方法であって、前記基板主面側にて露出する最外層の樹脂絶縁層の表面に、前記複数のチップ部品接続端子となる製品めっき層を形成するとともに、前記認識マークに対応した形状を有するダミーめっき層を形成するめっき層形成工程と、前記最外層の樹脂絶縁層を熱処理することで、該最外層の樹脂絶縁層の表面を変色させる認識マーク形成工程と、前記基板主面側にて前記製品めっき層を覆うようにエッチングレジストを形成した後、前記ダミーめっき層をエッチングにより除去するダミーめっき層除去工程とを含むことを特徴とする多層配線基板の製造方法がある。
【0012】
手段2に記載の発明によると、めっき層形成工程にてダミーめっき層を形成した後、認識マーク形成工程において最外層の樹脂絶縁層を熱処理すると、露出した最外層の樹脂絶縁層の表面が変色する一方、ダミーめっき層で覆われている樹脂絶縁層の表面は変色しない。この後、ダミーめっき層除去工程により、ダミーめっき層をエッチング除去することで、変色していない樹脂絶縁層の表面が露出する。この結果、樹脂表面にはダミーめっき層のパターン形状に応じて色の濃淡の差が生じ、その濃淡の差によって認識マークを形成することができる。
【0013】
認識マーク形成工程は、樹脂絶縁層のアニーリングを兼ねることが好ましい。具体的には、認識マーク形成工程における熱処理は、露出した樹脂絶縁層の表面に熱風を当てる処理である。この場合、従来の基板製造時に行っていたアニール工程と、認識マーク形成工程とを別々の熱処理で行う必要がなく、多層配線基板の製造コストを低く抑えることができる。
【0014】
また、コア基板を有さないコアレス配線基板の製造方法として本発明の製造方法を適用することが好ましい。具体的には、コアレス配線基板の製造方法は、支持基材上に金属箔を介して複数の樹脂絶縁層及び複数の導体層を積層する積層工程と、金属箔の界面にて支持基材を分離して基板裏面側に金属箔を露出させる基材分離工程とをさらに含む。そして、基材分離工程の後にめっき層除去工程を行うと、基板主面側のダミーめっき層をエッチングで除去するのと同時に、基板裏面側の金属箔をエッチングにより除去することができる。このため、従来の製造方法と同じ工数で配線基板を製造することができ、製造コストを低く抑えることができる。
【0015】
多層配線基板を構成する樹脂絶縁層は、熱硬化性樹脂を主体とするビルドアップ材を用いて形成されることが好ましい。樹脂絶縁層の形成材料の具体例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料、あるいは、連続多孔質PTFE等の三次元網目状フッ素系樹脂基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂−樹脂複合材料等を使用してもよい。
【0016】
多層配線基板を構成する導体層は、主として銅からなり、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、フルアディティブ法などといった公知の手法によって形成される。具体的に言うと、例えば、銅箔のエッチング、無電解銅めっきあるいは電解銅めっきなどの手法が適用される。なお、スパッタやCVD等の手法により薄膜を形成した後にエッチングを行うことで導体層を形成したり、導電性ペースト等の印刷により導体層を形成したりすることも可能である。
【0017】
なお、チップ部品としては、ICチップやチップコンデンサ以外に、チップ抵抗やチップインダクタなどの電子部品を挙げることができる。また、ICチップとしては、コンピュータのマイクロプロセッサとして使用されるICチップ、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory )などのICチップを挙げることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1の実施の形態]
以下、本発明を多層配線基板に具体化した第1の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の多層配線基板の概略構成を示す拡大断面図であり、
図2は、上面側から見た多層配線基板の平面図である。
【0020】
図1及び
図2に示されるように、本実施の形態の多層配線基板10は、コア基板を含まずに形成されたコアレス配線基板である。多層配線基板10は、同じ樹脂絶縁材料を主体とした複数の樹脂絶縁層20,21,22,23,24,25,26,27と銅からなる複数の導体層28とを交互に積層して多層化した配線積層部30を有している。各樹脂絶縁層20〜27は、例えば、熱硬化性エポキシ樹脂を主体としたビルドアップ材を用いて形成されている。
【0021】
本実施の形態の多層配線基板10において、配線積層部30の上面31側(基板主面側)には、接続対象がICチップ(チップ部品)である複数のICチップ接続端子41(チップ部品接続端子)と、接続対象がチップコンデンサ(チップ部品)である複数のコンデンサ接続端子42(チップ部品接続端子)とが配置されている。配線積層部30の上面31側において、複数のICチップ接続端子41は、基板中央部に設けられたチップ搭載領域43にてアレイ状に配置されている。また、コンデンサ接続端子42は、ICチップ接続端子41よりも面積の大きい接続端子であり、チップ搭載領域43よりも外周側に配置されている。
【0022】
複数のICチップ接続端子41及び複数のコンデンサ接続端子42は最外層の樹脂絶縁層27上にて凸設されている。これらICチップ接続端子41及びコンデンサ接続端子42は、銅層を主体として構成されており、銅層の上面及び側面を銅以外のめっき層46(具体的には、ニッケル−金めっき層)で覆った構造を有している。
【0023】
一方、配線積層部30の下面32側(基板裏面側)には、接続対象がマザーボード(母基板)である複数の母基板接続端子45がアレイ状に配置されている。これら母基板接続端子45は、上面31側のICチップ接続端子41及びコンデンサ接続端子42よりも面積の大きな接続端子である。
【0024】
配線積層部30の下面32側において最外層の樹脂絶縁層20には複数の開口部37が形成されており、それら複数の開口部37に対応して母基板接続端子45が配置されている。具体的には、母基板接続端子45は、端子外面の高さが樹脂絶縁層20の表面よりも低くなるような状態で開口部37内に配置されており、端子外面の外周部が最外層の樹脂絶縁層20により被覆されている。母基板接続端子45は、銅層を主体として構成されており、開口部37内にて露出する銅層の下面のみを銅以外のめっき層48(具体的には、ニッケル−金めっき層)で覆った構造を有している。
【0025】
樹脂絶縁層21〜27には、それぞれビア穴33及びフィルドビア導体34が設けられている。各ビア導体34は、いずれも同一方向に(
図1では下面側から上面側に向かうに従って)拡径した形状を有し、各導体層28、ICチップ接続端子41、コンデンサ接続端子42、及び母基板接続端子45を相互に電気的に接続している。
【0026】
図2に示されるように、多層配線基板10において、上面31側にて露出する最外層の樹脂絶縁層27は、樹脂表面の色の濃淡の差によって形成された認識マーク71,72,73を備えている。本実施の形態では、認識マークとして、社名等を表す文字のマーク71や製造番号を表す数字のマーク72が外縁部(
図2では左上の縁部)に形成されるとともに、チップ搭載領域43の角部近傍にICチップの位置決め用マーク73が形成されている。さらに、最外層の樹脂絶縁層27は、樹脂表面の色の濃淡の差によって形成され、網目状のパターンが規則正しく配列した模様74を備えている。この模様74は、上面31側にて露出した樹脂絶縁層27のほぼ全面に形成されている。
【0027】
また、多層配線基板10において、上面31側の外縁部となる基板角部(
図2では基板右上の角部)には、導体部75を露出させてなる位置決め用マーク76を備えている。本実施の形態では、位置決め用マーク76の導体部75は、最外層の樹脂絶縁層27上にめっきを施すことで形成されている。この位置決め用マーク76は、最外層の樹脂絶縁層27の樹脂表面と導体部75表面との光反射率の差を図示しない検出装置で検出することにより認識される。
【0028】
上記構成の多層配線基板10は例えば以下の手順で作製される。
【0029】
先ず、十分な強度を有する支持基板50(ガラスエポキシ基板など)を準備し、その支持基板50上に、樹脂絶縁層20〜27及び導体層28をビルドアップして配線積層部30を形成する。
【0030】
詳述すると、
図3に示されるように、支持基板50上に、エポキシ樹脂からなるシート状の絶縁樹脂基材を貼り付けて下地樹脂絶縁層51を形成することにより、支持基板50及び下地樹脂絶縁層51からなる基材52を得る。そして、基材52の下地樹脂絶縁層51の上面に、積層金属シート体54を配置する。ここで、下地樹脂絶縁層51上に積層金属シート体54を配置することにより、以降の製造工程で積層金属シート体54が下地樹脂絶縁層51から剥がれない程度の密着性が確保される。積層金属シート体54は、2枚の銅箔55,56を剥離可能な状態で密着させてなる。具体的には、金属めっき(例えば、クロムめっき、ニッケルめっき、チタンめっき、またはこれらの複合めっき)を介して銅箔55、銅箔56が配置された積層金属シート体54が形成されている。
【0031】
次に、基材52上において、積層金属シート体54を包むようにシート状の樹脂絶縁層20を配置し、樹脂絶縁層20を貼り付ける。ここで、樹脂絶縁層20は、積層金属シート体54と密着するとともに、その積層金属シート体54の周囲領域において下地樹脂絶縁層51と密着することで、積層金属シート体54を封止する(
図4参照)。そして、例えばエキシマレーザーやUVレーザーやCO
2レーザーなどを用いてレーザー加工を施すことによって樹脂絶縁層20の所定の位置に銅箔55の一部を露出させる開口部37を形成する。その後、無電解銅めっきを行い、開口部37内及び樹脂絶縁層20を覆う全面めっき層を形成する。
【0032】
そして、樹脂絶縁層20の上面にめっきレジスト形成用のドライフィルムをラミネートし、同ドライフィルムに対して露光及び現像を行うことで、樹脂絶縁層20上にめっきレジストを形成する。その後、めっきレジストを形成した状態で選択的に電解銅めっきを行って、積層金属シート体54の銅箔55上に金属導体部58を形成するとともに樹脂絶縁層20上に導体層28を形成した後、めっきレジストを剥離する(
図5参照)。さらに、めっきレジストの剥離により露出する、樹脂絶縁層20を覆う全面めっき層を除去する。
【0033】
金属導体部58及び導体層28が形成された樹脂絶縁層20の上面にシート状の樹脂絶縁層21を配置し、樹脂絶縁層21を貼り付ける。そして、例えばエキシマレーザーやUVレーザーやCO
2レーザーなどを用いてレーザー加工を施すことによって樹脂絶縁層21の所定の位置(金属導体部58の上部の位置)にビア穴33を形成する。次いで、過マンガン酸カリウム溶液などのエッチング液を用いて各ビア穴33内のスミアを除去するデスミア工程を行う。なお、デスミア工程としては、エッチング液を用いた処理以外に、例えばO
2プラズマによるプラズマアッシングの処理を行ってもよい。
【0034】
デスミア工程の後、従来公知の手法に従って無電解銅めっき及び電解銅めっきを行うことで、各ビア穴33内にビア導体34を形成する。さらに、従来公知の手法(例えばセミアディティブ法)によってエッチングを行うことで、樹脂絶縁層21上に導体層28をパターン形成する(
図6参照)。
【0035】
また、他の樹脂絶縁層22〜27及び導体層28についても、上述した樹脂絶縁層21及び導体層28と同様の手法によって形成し、樹脂絶縁層21上に積層していく。そして、最外層の樹脂絶縁層27に対してレーザー穴加工を施すことによりビア穴33を形成する(
図7参照)。次いで、過マンガン酸カリウム溶液などのエッチング液を用いて各ビア穴33内のスミアを除去するデスミア工程を行う。さらに、無電解銅めっきを行い、樹脂絶縁層27のビア穴33内及び樹脂絶縁層27を覆う全面めっき層を形成する。
【0036】
そして、樹脂絶縁層27の上面にめっきレジスト形成用のドライフィルムをラミネートし、同ドライフィルムに対して露光及び現像を行うことで、樹脂絶縁層27上にめっきレジストを形成する。この後、めっきレジストを形成した状態で選択的に電解銅めっきを行う(めっき層形成工程)。この結果、
図8に示されるように、樹脂絶縁層27のビア穴33内にビア導体34を形成するとともにビア導体34の上部にICチップ接続端子41及びコンデンサ接続端子42の銅層となる製品めっき層61を形成する。また、基板角部となる位置に位置決め用マーク76の導体部75となる製品めっき層61を形成する。さらに、各製品めっき層61の周囲にダミーめっき層62を形成する。この後、樹脂絶縁層27の上面にて製品めっき層61及びダミーめっき層62を残しつつ全面めっき層を除去する。
【0037】
図9に示されるように、本実施の形態のダミーめっき層62は、樹脂絶縁層27の上面において、ICチップ接続端子41の形成領域(チップ搭載領域43)やコンデンサ接続端子42の形成領域を除くほぼ全面を覆うようにプレーン状パターンの導体層として形成されている。このダミーめっき層62は、模様74に対応する網目状の抜きパターンであるメッシュ63を有して形成される。さらに、ダミーめっき層62において、外縁部となる位置に文字の認識マーク71や数字の認識マーク72に応じた抜きパターン64,65が形成されるとともに、チップ搭載領域43の角部近傍となる位置に位置決め用の認識マーク73に応じた抜きパターン66が形成される。
【0038】
めっき層形成工程後、
図10に示されるように、最外層の樹脂絶縁層27の樹脂表面に対してその上方から例えば180℃の熱風68を加える熱処理を行う(認識マーク形成工程)。この熱処理によって、ダミーめっき層62にメッシュ63や抜きパターン64〜66が形成されて露出している樹脂絶縁層27の樹脂表面を変色させる。また、ここでの熱処理は、アニーリングを兼ねるものであり、樹脂絶縁層27を硬化させるとともに製品めっき層61に加わる内部応力を開放する。
【0039】
上述したビルドアップ工程を行うことにより、基材52上に積層金属シート体54、樹脂絶縁層20〜27、導体層28、製品めっき層61及びダミーめっき層62を積層した配線積層体60が形成される。
【0040】
そして、配線積層体60の上面にエッチングレジスト形成用のドライフィルムをラミネートし、同ドライフィルムに対して露光及び現像を行うことにより、製品めっき層61の表面を覆うようにエッチングレジスト69(
図11参照)を形成する。
【0041】
エッチングレジスト69の形成後、配線積層体60をダイシング装置(図示略)により切断し、配線積層部30となる部分の周囲領域を除去する。この切断によって、樹脂絶縁層20にて封止されていた積層金属シート体54の外縁部が露出した状態となる。つまり、周囲領域の除去によって、下地樹脂絶縁層51と樹脂絶縁層20との密着部分が失われる。この結果、配線積層部30と基材52とは積層金属シート体54のみを介して連結した状態となる。
【0042】
ここで、
図12に示されるように、積層金属シート体54における一対の銅箔55,56の界面にて剥離することで、配線積層部30から基材52を除去して配線積層部30の下面32上にある銅箔55を露出させる(基材分離工程)。
【0043】
その後、配線積層部30に対してエッチングを行うことで、配線積層部30の上面31側にて露出しているダミーめっき層62を除去する(ダミーめっき層除去工程)。またこれと同時に、配線積層部30の下面32側にて露出している銅箔55を全体的に除去するとともに、金属導体部58の下側の一部を除去する。この結果、樹脂絶縁層24に開口部37が形成されるとともに、開口部37内に残った金属導体部58が母基板接続端子45となる(
図13参照)。また、配線積層部30(樹脂絶縁層27)の上面31には、ダミーめっき層62をエッチング除去することで、変色していない樹脂絶縁層27の表面が露出する。この結果、樹脂表面にはダミーめっき層62のメッシュ63や抜きパターン64〜66の形状に応じて色の濃淡の差が生じ、その濃淡の差によって認識マーク71〜73や網目状の模様74が形成される。
【0044】
さらに、配線積層部30の上面31に形成されているエッチングレジスト69を除去する。その後、ICチップ接続端子41の表面、コンデンサ接続端子42の表面、母基板接続端子45の表面に対し、無電解ニッケルめっき、無電解金めっきを順次施す。この結果、各接続端子41,42,45の表面にめっき層46,48が形成される。以上の工程を経ることで
図1の多層配線基板10を製造する。
【0045】
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0046】
(1)本実施の形態の多層配線基板10では、ICチップが搭載される上面31上に、樹脂表面の色の濃淡の差によって認識マーク71〜73が形成される。この場合、従来技術のように導体層や開口部を形成しなくても認識マーク71〜73を認識することができるので、多層配線基板10の製造コストを抑えることができる。
【0047】
(2)本実施の形態の多層配線基板10では、上面31側の外縁部において導体部75を露出させてなり、最外層の樹脂絶縁層27の樹脂表面と導体部75表面との光反射率の差によって認識される位置決め用マーク76をさらに備えている。このように、色の濃淡の差による認識マーク71〜73と光反射率の差による位置決め用マーク76とを用途に応じて形成することができる。また、位置決め用マーク76の形成位置は、光反射率の差によって迅速かつ確実に認識できる。このため、多層配線基板10の位置決めをより正確に行うことができる。さらに、認識マーク73は、ICチップを位置決めするためのマークであり、チップ搭載領域43の近傍に設けられている。この認識マーク73は、色の濃淡の差によって形成されており、導体部75は形成されていない。このため、ICチップが誤って導体部75に接続されるといった問題を回避することができる。
【0048】
(3)本実施の形態の多層配線基板10では、最外層の樹脂絶縁層27において、樹脂表面の色の濃淡の差によって形成される網目状の模様74を備えている。この模様74は、樹脂絶縁層27の上面全体に規則正しく形成されているため、多層配線基板10の意匠性を高めることができる。
【0049】
(4)本実施の形態では、認識マーク71〜73を形成するために、樹脂絶縁層27の樹脂表面を変色させる熱処理を行っているが、この熱処理は、樹脂絶縁層27のアニーリングを兼ねている。この場合、従来から行っていたアニール工程と、認識マーク形成工程とを別々の熱処理で行う必要がなく、多層配線基板10の製造コストを低く抑えることができる。
【0050】
(5)本実施の形態では、基材分離工程の後にダミーめっき層除去工程を行うようにしている。この場合、多層配線基板10の上面31側のダミーめっき層62をエッチングにより除去するのと同時に、下面32側の銅箔55をエッチングにより除去することができる。このようにすると、従来の製造方法と同じ工数で多層配線基板10を製造することができ、製造コストを低く抑えることができる。
【0051】
(6)本実施の形態では、多層配線基板10の上面31上において、ICチップ接続端子41及びコンデンサ接続端子42となる製品めっき層61に加えてその製品めっき層61の周囲にダミーめっき層62が形成される。このようにすると、多層配線基板10の上面31におけるめっき層61,62の面積割合を増やすことができる。このため、めっき時における電流集中が回避され、製品めっき層61の厚さバラツキが解消される。この結果、多層配線基板10において複数のICチップ接続端子41及び複数のコンデンサ接続端子42を均一の厚さで形成することができる。従って、多層配線基板10を用いれば、ICチップ及びチップコンデンサのチップ部品と各接続端子41,42との接続信頼性を向上させることができる。
[第2の実施の形態]
【0052】
以下、本発明を多層配線基板に具体化した第2の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図14は、本実施の形態の多層配線基板の概略構成を示す拡大断面図である。上記第1の実施の形態では、コア基板を含まずに形成されたコアレス配線基板に具体化したが、本実施の形態では、コア基板を有する多層配線基板に具体化している。
【0053】
図14に示されるように、本実施の形態の多層配線基板100は、矩形板状のコア基板101と、コア基板101のコア主面102上に形成される第1ビルドアップ層111と、コア基板101のコア裏面103上に形成される第2ビルドアップ層112とからなる。
【0054】
本実施の形態のコア基板101は、例えば補強材としてのガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させてなる樹脂絶縁材(ガラスエポキシ材)にて構成されている。コア基板101には、複数のスルーホール導体106がコア主面102及びコア裏面103を貫通するように形成されている。なお、スルーホール導体106の内部は、例えばエポキシ樹脂などの閉塞体107で埋められている。また、コア基板101のコア主面102及びコア裏面103には、銅からなる導体層121がパターン形成されており、各導体層121は、スルーホール導体106に電気的に接続されている。
【0055】
コア基板101のコア主面102上に形成された第1ビルドアップ層111は、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)からなる3層の樹脂絶縁層133,135,137と、銅からなる導体層122とを交互に積層した構造を有している。基板主面となる最外層の樹脂絶縁層137の上面141上には、上記第1の実施の形態と同様に基板中央部に複数のICチップ接続端子41(チップ部品接続端子)がアレイ状に配置されるとともに、ICチップ接続端子41よりも外側に複数のコンデンサ接続端子42(チップ部品接続端子)が配置されている。これらICチップ接続端子41及びコンデンサ接続端子42は、銅層を主体として構成されており、銅層の上面及び側面をめっき層46で覆った構造を有している。また、樹脂絶縁層133,135,137には、それぞれビア穴33及びフィルドビア導体34が形成されている。各ビア導体34は、導体層121,122や各接続端子41,42に電気的に接続している。
【0056】
コア基板101のコア裏面103上に形成された第2ビルドアップ層112は、上述した第1ビルドアップ層111とほぼ同じ構造を有している。即ち、第2ビルドアップ層112は、3層の樹脂絶縁層134,136,138と、導体層122とを交互に積層した構造を有している。基板裏面となる最外層の樹脂絶縁層138の下面142上には、複数の母基板接続端子45が形成されている。これら母基板接続端子45は、銅層を主体として構成されており、銅層の下及び側面をめっき層48で覆った構造を有している。また、樹脂絶縁層134,136,138にもビア穴33及びビア導体34が形成されている。各ビア導体34は、導体層121,122や接続端子45に電気的に接続されている。
【0057】
本実施の形態の多層配線基板100においても、第1ビルドアップ層111の上面側にて露出する最外層の樹脂絶縁層137には、第1の実施の形態の多層配線基板10と同様に、樹脂表面の色の濃淡の差によって形成された認識マーク71,72,73(
図2参照)が設けられている。また、最外層の樹脂絶縁層137には、樹脂表面の色の濃淡の差によって形成された網目状の模様74が形成されている。
【0058】
さらに、第2ビルドアップ層112の下面側にて露出する最外層の樹脂絶縁層138にも、樹脂表面の色の濃淡の差によって形成された網目状の模様74が設けられている。なお、多層配線基板100において、認識マーク71,72,73のうち社名を表す文字のマーク71や製造番号を表す数字のマーク72は、第1ビルドアップ層111の上面側ではなく、第2ビルドアップ層112の下面側に形成してもよい。
【0059】
次に、本実施の形態の多層配線基板100の製造方法について述べる。
【0060】
まず、ガラスエポキシからなる基材の両面に銅箔が貼付された銅張積層板を準備する。そして、ドリル機を用いて孔あけ加工を行い、銅張積層板の表裏面を貫通する貫通孔(図示略)を所定位置にあらかじめ形成しておく。そして、銅張積層板の貫通孔の内面に対する無電解銅めっき及び電解銅めっきを行うことで、貫通孔内にスルーホール導体106を形成する。その後、スルーホール導体106の空洞部を絶縁樹脂材料(エポキシ樹脂)で穴埋めし、閉塞体107を形成する。
【0061】
さらに、無電解銅めっき及び電解銅めっきを行うことで、閉塞体107の露出部分を含む銅張積層板の表面に銅めっき層を形成した後、その銅めっき層及び銅箔を例えばサブトラクティブ法によってパターニングする。この結果、
図15に示されるように、導体層121及びスルーホール導体106が形成されたコア基板101を得る。
【0062】
そして、上記第1の実施の形態と同様のビルドアップ工程を行うことで、コア基板101のコア主面102の上に第1ビルドアップ層111を形成するとともに、コア基板101のコア裏面103の上にも第2ビルドアップ層112を形成する。この際、第1ビルドアップ層111の最外層となる樹脂絶縁層137の上面141に、各接続端子41,42となる製品めっき層61を形成するとともにその製品めっき層61の周囲にダミーめっき層62を形成する(
図16参照)。また、第2ビルドアップ層112の最外層となる樹脂絶縁層138の下面142に、母基板接続端子45となる製品めっき層61を形成するとともにその製品めっき層61の周囲にもダミーめっき層62を形成する(
図16参照)。
【0063】
ここで、樹脂絶縁層137の上面141に形成されるダミーめっき層62には、模様74に対応したメッシュ63が形成されるとともに、各認識マーク71〜73に対応した抜きパターン64〜66(
図9参照)が形成されている。また、樹脂絶縁層138の下面142上に形成されるダミーめっき層62には、模様74に対応したメッシュ63が形成される。
【0064】
各めっき層61,62の形成後、第1ビルドアップ層111の最外層となる樹脂絶縁層137の樹脂表面に対してその上方から熱風68を加える熱処理を行う(
図17参照)。この熱処理により、ダミーめっき層62にメッシュ63や抜きパターン64〜66が形成されて露出している樹脂絶縁層137の樹脂表面を変色させる。またこれと同時に、第2ビルドアップ層112の最外層となる樹脂絶縁層138の樹脂表面に対してその下方から熱風68を加える熱処理を行う(
図18参照)。この熱処理により、ダミーめっき層62にメッシュ63が形成されて露出している樹脂絶縁層138の樹脂表面を変色させる。
【0065】
その後、第1ビルドアップ層111における樹脂絶縁層137の上面141にエッチングレジスト形成用のドライフィルムをラミネートし、同ドライフィルムに対して露光及び現像を行うことにより、製品めっき層61の表面を覆うエッチングレジスト69を形成する(
図19参照)。さらに、第2ビルドアップ層112における樹脂絶縁層138の下面142にエッチングレジスト形成用のドライフィルムをラミネートし、同ドライフィルムに対して露光及び現像を行うことにより、製品めっき層61の表面を覆うエッチングレジスト69を形成する(
図19参照)。
【0066】
エッチングレジスト69の形成後にエッチングを行うことで、各ビルドアップ層111,112の表面に露出しているダミーめっき層62を除去し、その後、エッチングレジスト69を除去する。このとき、ダミーめっき層62の除去により、第1ビルドアップ層111の上面141には、変色していない樹脂絶縁層137の表面が露出するとともに、第2ビルドアップ層112の下面142にも、変色していない樹脂絶縁層138の表面が露出する。この結果、樹脂絶縁層137の樹脂表面には、ダミーめっき層62のメッシュ63や抜きパターン64〜66の形状に応じて色の濃淡の差が生じ、その濃淡の差によって認識マーク71〜73や網目状の模様74が形成される。また、樹脂絶縁層138の樹脂表面には、ダミーめっき層62のメッシュ63の形状に応じて色の濃淡の差が生じ、その濃淡の差によって網目状の模様74が形成される。
【0067】
その後、ICチップ接続端子41の表面、コンデンサ接続端子42の表面、母基板接続端子45の表面に対し、無電解ニッケルめっき、無電解金めっきを順次施す。この結果、各接続端子41,42,45の表面にめっき層46,48が形成される。以上の工程を経ることで
図15の多層配線基板100を製造する。
【0068】
従って、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0069】
(1)本実施の形態の多層配線基板100では、ICチップが搭載される第1ビルドアップ層111の上面141上に、樹脂表面の色の濃淡の差によって認識マーク71〜73が形成される。この場合、従来技術のように導体層や開口部を形成しなくても認識マーク71〜73を認識することができるので、多層配線基板100の製造コストを抑えることができる。
【0070】
(2)本実施の形態の多層配線基板100では、第1ビルドアップ層111の上面141の上面141に加えて、第2ビルドアップ層112の下面142にも、樹脂表面の色の濃淡の差によって網目状の模様74が形成されている。このようにすると、多層配線基板100の意匠性を十分に高めることができる。
【0071】
なお、本発明の各実施の形態は以下のように変更してもよい。
【0072】
・上記各実施の形態では、樹脂絶縁層27,137,138の表面において、各接続端子41,42,45の形成領域を除くほぼ全面を覆うようにダミーめっき層62を形成したが、これに限定されるものではない。例えば、認識マーク71〜73の形成領域のみにダミーめっき層62を形成してもよい。但し、上記各実施の形態のように、面積の広いプレーン状のダミーめっき層62を形成する場合、各接続端子41,42,45となる製品めっき層61の厚さバラツキを抑えることができる。またこの場合、ダミーめっき層62にメッシュ63を形成することによって、基板の表面全体に模様74を形成することができる。なお、模様74としては、網目状以外の模様であってもよく、例えば、円や多角形状の絵柄や花柄などが規則正しく配列した模様であってもよい。
【0073】
・上記各実施の形態では、多層配線基板10,100の上面31,141の外縁部に、社名等を表す認識マーク71や製造番号を表す認識マーク72が形成されていたが、これら認識マーク71,72の形成位置は適宜変更することができる。例えば、製造番号を表す認識マーク72をチップ搭載領域43の近傍に形成してもよい。また、模様74を形成しない場合には、樹脂絶縁層27,137の露出した表面全体を使って社名等を表す認識マーク71を形成してもよい。これら認識マーク71,72は、樹脂表面の色の濃淡の差によって形成される。このため、各接続端子41,42や位置決め用マーク76の近傍に各認識マーク71,72を設けた場合でも、各接続端子41,42の接続や位置決め用マーク76の検出等に、影響を及ぼすことはない。
【0074】
・上記第1の実施の形態の多層配線基板10では、最外層となる樹脂絶縁層27の表面に、樹脂表面と導体部75表面との光反射率の差によって認識される位置決め用マーク76を形成していたが、これに限定されるものではない。例えば、第2層の樹脂絶縁層26の表面に導体部75を設けるとともに、最外層の樹脂絶縁層27に導体部75の表面を露出させる開口部を設けて位置決め用マーク76を形成してもよい。このようにしても、樹脂表面と導体部75表面との光反射率の差によって位置決め用マーク76を認識することができる。
【0075】
・上記各実施の形態において、多層配線基板10,100の上面31,141には、ICチップ接続端子41及びコンデンサ接続端子42がチップ部品接続端子として設けられていたが、コンデンサ接続端子42を省略し、ICチップ接続端子41のみが形成されていてもよい。また、多層配線基板10,100の上面31,141には、ICチップ接続端子41やコンデンサ接続端子42以外に、チップインダクタなどのチップ部品を搭載するための他のチップ部品接続端子を設けてもよい。
【0076】
・上記各実施の形態では、銅めっきにて製品めっき層61及びダミーめっき層62を形成したが、スズめっきやニッケルめっきなどの他のめっきにて製品めっき層61及びダミーめっき層62を形成してもよい。但し、製品めっき層61及びダミーめっき層62を銅めっきにて形成する場合、ICチップ接続端子41やコンデンサ接続端子42の電気抵抗を低く抑えることができ、実用上好ましいものとなる。
【0077】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した各実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0078】
(1)手段1において、前記認識マークは位置決め用マークであることを特徴とする多層配線基板。
【0079】
(2)手段2において、前記製品めっき層及び前記ダミーめっき層が銅めっきにて形成されることを特徴とする多層配線基板の製造方法。
【0080】
(3)手段2において、前記認識マーク形成工程はアニーリングを兼ねることを特徴とする多層配線基板の製造方法。
【0081】
(4)手段2において、前記認識マーク形成工程における熱処理は、露出した樹脂絶縁層の表面に熱風を当てる処理であることを特徴とする多層配線基板の製造方法。
【0082】
(5)手段2において、前記樹脂絶縁層は、熱硬化性樹脂を主体とするビルドアップ材を用いて形成されることを特徴とする多層配線基板の製造方法。
【0083】
(6)手段1に記載の多層配線基板を製造する方法であって、支持基材上に金属箔を介して前記複数の樹脂絶縁層及び複数の導体層を積層する積層工程と、前記基板主面側にて露出する最外層の樹脂絶縁層の表面に、前記複数のチップ部品接続端子を構成する製品めっき層を形成するとともに、前記認識マークに対応した形状を有するダミーめっき層を形成するめっき層形成工程と、前記最外層の樹脂絶縁層を熱処理することで、該最外層の樹脂絶縁層の表面を変色させるとともにアニーリングを行う認識マーク形成工程と、前記基板主面側にて、前記製品めっき層を覆うようにエッチングレジストを形成するレジスト形成工程と、前記金属箔の界面にて前記支持基材を分離して前記基板裏面側に前記金属箔を露出させる基材分離工程と、前記基板主面側にて露出している前記ダミーめっき層をエッチングにより除去するのと同時に、前記基板裏面側にて露出している前記金属箔をエッチングにより除去する除去工程とを含むことを特徴とする多層配線基板の製造方法。