(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5679962
(24)【登録日】2015年1月16日
(45)【発行日】2015年3月4日
(54)【発明の名称】コンプレッサのための弁プレート、及びコンプレッサの弁プレート内で、圧縮された空気を冷却する方法
(51)【国際特許分類】
F04B 39/06 20060101AFI20150212BHJP
F04B 39/10 20060101ALI20150212BHJP
F04B 39/12 20060101ALI20150212BHJP
【FI】
F04B39/06 K
F04B39/06 M
F04B39/10 D
F04B39/12 D
F04B39/06 L
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2011-503358(P2011-503358)
(86)(22)【出願日】2009年3月25日
(65)【公表番号】特表2011-516782(P2011-516782A)
(43)【公表日】2011年5月26日
(86)【国際出願番号】EP2009002167
(87)【国際公開番号】WO2009124659
(87)【国際公開日】20091015
【審査請求日】2012年1月30日
(31)【優先権主張番号】102008018467.5
(32)【優先日】2008年4月11日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】597007363
【氏名又は名称】クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr−Bremse Systeme fuer Nutzfahrzeuge GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100112793
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳大
(74)【代理人】
【識別番号】100128679
【弁理士】
【氏名又は名称】星 公弘
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100156812
【弁理士】
【氏名又は名称】篠 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−ルイ メズ
(72)【発明者】
【氏名】イヴァン バプティスト
【審査官】
柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭60−139088(JP,U)
【文献】
特開平11−218079(JP,A)
【文献】
米国特許第02449408(US,A)
【文献】
特開平05−026167(JP,A)
【文献】
実開昭61−197279(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/06
F04B 39/10
F04B 39/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気を生成するコンプレッサ(14)であって、
積層され、互いに結合されるベース(28)及びボディ(30)を備え、該ベース(28)及びボディ(30)は、ピストンケーシング(18)とシリンダヘッド(16)との間に配置される、冷却媒体通路(20)を有する弁プレート(10)を形成し、前記冷却媒体通路(20)は、前記コンプレッサ(14)の、前記ピストンケーシング(18)内に配置されるピストン室(40)から見て、少なくとも部分的に該ピストン室(40)と、前記弁プレート(10)内に配置される空気出口弁(22,24)との間を延び、かつ少なくとも部分的に蛇行状に前記ベース(28)内を延びており、
前記空気出口弁(22,24)は、前記ボディ(30)内に配置されており、該空気出口弁(22,24)を通して、圧縮された空気が前記ピストン室(40)から前記弁プレート(10)内に流入するようになっており、該空気出口弁(22,24)は、ピストン室空気出口(48)とダイヤフラムとから形成されており、かつ、
前記圧縮された空気を前記ピストン室空気出口(48)から空気出口(38)へと案内する空気案内部(12)が、蛇行状に前記ボディ(30)内を延びている、
ことを特徴とする、圧縮空気を生成するコンプレッサ。
【請求項2】
請求項1記載のコンプレッサ(14)の弁プレート(10)内で、圧縮された空気を冷却する方法であって、
冷却媒体を、前記コンプレッサ(14)のピストン室(40)から見て、少なくとも部分的に該ピストン室(40)と、前記弁プレート(10)内に配置される空気出口弁(22,24)との間に沿って案内し、
前記冷却媒体を蛇行状に前記弁プレート(10)のベース(28)内で案内し、
前記圧縮された空気を蛇行状に前記弁プレート(10)のボディ(30)内で案内し、かつ、
前記圧縮された空気を前記空気出口弁(22,24)を通して前記ピストン室(40)から前記弁プレート(10)の前記ボディ(30)内に流入させることを特徴とする、コンプレッサの弁プレート内で、圧縮された空気を冷却する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮空気を生成するコンプレッサのための、冷却媒体通路を備える弁プレートに関する。
【0002】
さらに本発明は、コンプレッサの弁プレート内で、圧縮された空気を冷却する方法であって、前記弁プレートが冷却媒体通路を備える、コンプレッサの弁プレート内で、圧縮された空気を冷却する方法に関する。
【0003】
鉄道交通又は道路交通において使用される現代の商用車両には、圧縮空気を消費する多数の部分システムが装備される。これらの部分システムには、例えば、圧縮空気により運転される常用ブレーキや、エアサスペンションが属する。これらの圧縮空気消費器への圧縮空気の供給は、コンプレッサを備える圧縮空気供給装置によって実現される。周囲空気がコンプレッサによって吸い込まれ、圧縮され、消費器での使用前に、不純物、例えばオイル及び水から、圧縮空気供給装置の別の構成部分内で浄化される。
【0004】
コンプレッサ内で空気を圧縮すると、空気は強く熱せられる。この発熱は、圧送圧力の上昇及びコンプレッサの回転数の上昇とともに増大する。このことは、圧縮空気の後続の処理、特に空気の乾燥に関して不都合である。通常、空気から湿気を、コンプレッサの下流に接続されたエアフィルタカートリッジ内で取り除く。このエアフィルタカートリッジは、最大で80℃までしか空気から湿気を除去することができない乾燥剤を有している。それゆえ、通常は、効果的な乾燥を可能にするために、60℃のより低温の最大許容温度が指定される。しかし、コンプレッサ内での圧縮時、圧縮された空気の、ピストン室の出口開口における温度は、320℃まで達する。コンプレッサの出口でさえ、最大でなお220℃であり得る。このことから、空気をコンプレッサとエアフィルタカートリッジとの間で冷却しなければならないという必要が生じる。この目的のために、従来技術では、数メートルの長さを有する圧力管路が使用される。熱せられた圧縮空気は、コンプレッサからエアフィルタカートリッジに至る圧力管路の通流中に、その他の冷却手段なしに冷却可能である。この場合の欠点は、長い管路による圧力損失と、圧力管路自体が招く構造的な手間あるいはコストである。
【0005】
コンプレッサとフィルタカートリッジとの間の長い圧力管路を短縮可能とするためには、圧縮空気をアクティブな冷却によって冷却することが必要である。この目的で、コンプレッサのシリンダヘッド内には、弁プレートの上側に、いわゆる「スーパークーリングプレート(Supercooling−Platte)」あるいは過冷板が挿入される。スーパークーリングプレートは、冷却媒体によって貫流されて、熱交換器として機能する。スーパークーリングプレートによって、圧縮空気の出口温度を140℃〜150℃に、コンプレッサ出口において低下させ、接続される圧力管路を5〜30%短縮することが可能である。このようなスーパークーリングプレートの一例は、DE19535079C2に記載されている。
【0006】
この場合の欠点は、特にスーパークーリングプレートを別体の構成部品としてコンプレッサのシリンダヘッド内に組み込むことによって生じる手間のかかる構造形式にある。それというのも、このことによって、付加的にシールする必要が生じるからである。
【0007】
本発明の課題は、スーパークーリングプレートなしに、従来慣用の弁プレート及びスーパークーリングプレートの組み合わせと比較して、少なくとも同じ冷却出力をもたらす弁プレートを提供することである。
【0008】
上記課題は、独立請求項に記載の特徴によって解決される。
【0009】
有利な構成及び態様は、従属請求項から看取される。
【0010】
本発明は、上位概念部に記載の形式の弁プレートを基にして、冷却媒体通路が、コンプレッサのピストン室から見て、少なくとも部分的にピストン室と、弁プレート内に配置される空気出口弁との間を延びるようにしている。冷却媒体通路がこのように延びていることによって、弁プレート全体が均等に冷却可能である。特に空気出口弁の領域において、弁プレートの温度は低下可能である。このことは、当然の帰結として、達成可能な冷却出力を向上させる。それゆえ、高温の圧縮された空気は、既に空気出口弁への到達から、冷却媒体通路内に存在する冷却媒体によって冷却される。特に、視線方向がピストン室から垂直に弁プレートに向いているとき、冷却媒体通路が少なくとも部分的に空気出口弁の手前あるいは上流を延びることも可能である。
【0011】
有利には、冷却媒体通路が、少なくとも部分的に蛇行状に、弁プレートのベース内を延びる。弁プレートのベース内での冷却媒体通路の蛇行状の延びにより、弁プレートとの冷却媒体通路の接触面が拡大されることによって、より高い冷却出力が提供可能である。
【0012】
また、空気案内部が蛇行状に、弁プレートのボディ内を延びていてもよい。空気案内部の蛇行状の延びによっても、冷却すべき媒体の、冷却される弁プレートとの接触表面が拡大されるので、達成可能な冷却出力が向上する。
【0013】
有利には、複数の空気出口弁が、弁プレートのボディ内に配置されていてもよい。複数の空気出口弁の同時の使用は、制限される弁横断面により惹起される絞り損失を減じる。この関連において、空気出口弁における発熱も減じられる。
【0014】
さらに本発明は、本発明に係る弁プレートを備えるコンプレッサに関する。
【0015】
上位概念部に記載の方法は、冷却媒体を、コンプレッサのピストン室から見て、少なくとも部分的にピストン室と、弁プレート内に配置される空気出口弁との間に沿って案内することによって発展される。こうして、本発明に係る弁プレートの利点及び特徴が、方法の発明においても実現される。このことは、本発明に係る方法の、以下に述べる特に有利な形態についても言える。
【0016】
本発明に係る発明は、有利には、冷却媒体を蛇行状に弁プレートのベース内で案内することによって発展される。
【0017】
さらに、有利には、圧縮された空気を蛇行状に弁プレートのボディ内で案内する。
【0018】
さらに、圧縮された空気を複数の空気出口弁を通して弁プレートのボディ内に流入させるようにしてもよい。
【0019】
以下に、本発明について、添付の図面に関して、特に有利な実施の形態を参照しながら例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】切開されたピストンケーシングを備えるコンプレッサの外面図である。
【
図2】本発明に係る弁プレートの分解立体図である。
【
図3】本発明に係る弁プレートのベースの平面図である。
【
図4】本発明に係る弁プレートのボディの平面図である。
【0021】
以下の図面において、同一の符号は同一の又は同様の部材を指している。
【0022】
図1は、切開されたピストンケーシングを備えるコンプレッサの外面図である。図示のコンプレッサ14は、シリンダヘッド16及びピストンケーシング18を備える。ピストンケーシング18とシリンダヘッド16との間には、弁プレート10が配置されている。コンプレッサは、軸26を介して駆動される。ピストンケーシング18が弁プレート10の近傍において切開されているので、ピストン室40が可視化されている。ピストン室40の内部で、図面には不可視のピストンが上下に運動可能である。
【0023】
図2は、本発明に係る弁プレートの分解立体図である。図示の弁プレート10は、下から上に、ベース28、ボディ30、シール32及びカバー34を備える。カバー34とボディ30とは、シール32によって密に互いに結合され、ボディ30とベース28とは、ろう接又は接着によって密に互いに結合される。しかし、ベース28とボディ30との間にシールを設置してもよい。ベース28には冷却媒体通路20が設けられている。冷却媒体通路20は、蛇行状にベース28内を延びる。上方に向かって、冷却媒体通路20はボディ30により画成される。さらに、空気入口弁36がベース28の中央の領域に見ることができる。ボディ30内には2つの空気出口弁22,24が配置されている。これらの空気出口弁22,24を介して、圧縮された空気が弁プレート10内に流入する。冷却媒体通路20は、ベース28からボディ30を見て、空気出口弁22,24の一部を覆っている。最終的に、弁プレート10のカバー34内に設けられた空気出口38を通って、圧縮された空気は、弁プレート10を再び後にする。
【0024】
図3は、本発明に係る弁プレートのベースの平面図である。蛇行状に延びる冷却媒体通路20を備える図示のベース28は、複数の孔を備える。これらの孔を通して空気が、ベース28を貫流可能である。中央の領域には、
図3には図示しない空気入口弁36に属する空気入口46が配置されている。さらに、冷却媒体通路20は、
図3には図示しない空気出口弁22,24に属する2つのピストン室空気出口48の周囲を還流する。冷却媒体通路20内に記入した矢印は、ベース28内での冷却媒体の、一例としての流動方向を示す。ピストン室空気出口48は、
図3には図示しないダイヤフラムとともに、空気出口弁22,24を形成する。ダイヤフラムは、
図2から見て取れるように、ピストン室40から見て部分的に冷却媒体通路20によって覆われる。このことは、特に、視線方向が弁プレートの平面に対して垂直にあるときに言える。
【0025】
図4は、本発明に係る弁プレートのボディの平面図である。図示のボディ30は、空気案内部12を備える。空気案内部12内を、ピストン室空気出口48を通して流入した空気が、空気出口38に向かって案内される。ピストン室空気出口48は、空気入口46と同様に、ボディ30を貫く孔である。これに対して、空気出口38は、ボディ30内に設けられる孔ではなく、弁プレートの、
図4には図示しないカバー34内に設けられる孔として存在する。空気案内部12は、圧縮された空気をピストン室空気出口48から空気出口38に案内するために役立つ。さらに、ボディ30内には、冷却媒体入口42及び冷却媒体出口44が示されている。冷却媒体入口42及び冷却媒体出口44を介して、冷却媒体が、
図3に示した冷却媒体通路20を通して循環可能である。
【0026】
前述の発明の詳細な説明、図面及び特許請求の範囲に開示した本発明の特徴は、単独でも、任意の組み合わせでも、本発明の実現に関して本質的なものであり得る。
【符号の説明】
【0027】
10 弁プレート
12 空気案内部
14 コンプレッサ
16 シリンダヘッド
18 ピストンケーシング
20 冷却媒体通路
22 空気出口弁
24 空気出口弁
26 軸
28 ベース
30 ボディ
32 シール
34 カバー
36 空気入口弁
38 空気出口
40 ピストン室
42 冷却媒体入口
44 冷却媒体出口
46 空気入口
48 ピストン室空気出口