【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために第1発明に係る検体分析装置は、互いに異なる種類の試薬を収容する複数の試薬容器のそれぞれと流路を経由して接続され、前記複数の試薬容器のそれぞれから移送される試薬を貯留する複数の試薬貯留部と、前記複数の試薬貯留部と流路を経由して接続され、複数の試薬を用いて検体を測定する測定部と、
陽圧又は陰圧を付与することにより、試薬を前記複数の試薬容器のそれぞれから
流路を経由して前記複数の試薬貯留部のそれぞれへ移送し、前記複数の試薬貯留部のそれぞれから
流路を経由して前記測定部へ移送する移送部と、前記複数の試薬容器のそれぞれの残量が所定量以下であることを検知する試薬容器残量検知手段と、該試薬容器残量検知手段で前記複数の試薬容器のうちのいずれかの残量が所定量以下であることを検知した場合、当該試薬容器の交換を促すメッセージを出力する交換メッセージ出力手段と、前記複数の試薬貯留部のそれぞれの残量が所定量以下であることを検知する貯留残量検知手段と、該貯留残量検知手段で前記複数の試薬貯留部のうちのいずれかの残量が所定量以下であることを検知した場合、前記測定部での検体の測定の停止を
示すメッセージを出力する測定停止メッセージ出力手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、第
2発明に係る検体分析装置は、第
1発明において、前記貯留残量検知手段で前記
複数の試薬貯留部の
うちのいずれかの残量が所定量以下であることを検知した場合、前記移送部による
当該試薬貯留部から前記測定部への試薬の移送を停止させる
よう制御することを特徴とする。
【0013】
また、第
3発明に係る検体分析装置は、第
1又は第2発明において、前記貯留残量検知手段は、前記測定部での検体の測定回数に基づいて、前記
複数の試薬貯留部の
それぞれの残量が所定量以下であることを検知することを特徴とする。
【0014】
また、第
4発明に係る検体分析装置は、第1乃至第
3発明のいずれか1つにおいて、前記交換メッセージ出力手段は、前記
複数の試薬容器
のそれぞれについて、交換することなく測定することが可能な検体の数に関する情報を
、前記複数の試薬容器のそれぞれについて出力することを特徴とする。
【0015】
また、第
5発明に係る検体分析装置は、第
4発明において、前記測定部で検体が測定される都度、前記
複数の試薬容器
のそれぞれについて、交換することなく測定することが可能な検体の数に関する情報を更新する更新手段を備えることを特徴とする。
【0016】
また、第
6発明に係る検体分析装置は、第1乃至第
5発明のいずれか1つにおいて、前記試薬容器残量検知手段は、前記移送部で試薬を前記
複数の試薬容器
のいずれかから前記
複数の試薬貯留部
のいずれかへ移送した場合に、
当該試薬貯留部の残量が増加するか否かに基づいて前記試薬容器の残量が所定量以下であることを検知することを特徴とする。
【0017】
また、第
7発明に係る検体分析装置は、第1乃至第
6発明のいずれか1つにおいて、検体を吸引する吸引部と、所定数の検体を受け入れることが可能であり、前記吸引部に検体を供給するよう検体を搬送する検体搬送部とを備え、前記
複数の試薬貯留部は
それぞれ、前記検体搬送部が受け入れることが可能な所定数の検体の測定に必要な量以上の量の試薬を貯留することを特徴とする。
【0018】
また、第
8発明に係る検体分析装置は、第1乃至第
7発明のいずれか1つにおいて、前記
複数の試薬貯留部と、前記移送部とを含み、前記
複数の試薬容器を設置することが可能な試薬容器設置部を備えることを特徴とする。
【0019】
また、第
9発明に係る検体分析装置は、第1乃至第
8発明のいずれか1つにおいて、前記移送部は、前記交換メッセージ出力手段が前記
複数の試薬容器の
うちのいずれかの交換を促すメッセージを出力したのち、
当該試薬容器に接続された試薬貯留部から前記測定部への試薬の移送を継続することを特徴とする。
【0020】
また、第
10発明に係る検体分析装置は、第1乃至第
9発明のいずれか1つにおいて、前記
複数の試薬容器
のうちのいずれかが交換された場合、前記移送部が
交換後の試薬容器から
当該試薬容器に接続された試薬貯留部へ試薬を移送するとともに、前記測定部が検体の測定を継続することを特徴とする。
【0021】
また、第
11発明に係る検体分析装置は、第1乃至第
10発明のいずれか1つにおいて、前記
複数の試薬容器
のそれぞれと前記
複数の試薬貯留部
のそれぞれとを接続する流路が、前記
複数の試薬容器側の第一流体コネクタ及び前記
複数の試薬貯留部側の第二流体コネクタを備え、前記
複数の試薬貯留部
のそれぞれと前記測定部とを接続する流路が、前記
複数の試薬貯留部側の第三流体コネクタ及び前記測定部側の第四流体コネクタを備え、前記第一流体コネクタと前記第二流体コネクタとが着
脱可能に接続され、前記第三流体コネクタと前記第四流体コネクタ
とが着
脱可能に接続されていることを特徴とする。
【0022】
また、第
12発明に係る検体分析装置は、第
11発明において、前記第一流体コネクタと前記第四流体コネクタとが
相互に接続可能に構成されていることを特徴とする。
【0023】
次に、上記目的を達成するために第13発明に係る検体分析装置は、互いに異なる種類の試薬を収容する複数の試薬容器のそれぞれと流路を経由して接続され、前記複数の試薬容器のそれぞれから移送される試薬を貯留する複数の試薬貯留部と、前記複数の試薬貯留部と流路を経由して接続され、複数の試薬を用いて検体を測定する測定部と、
陽圧又は陰圧を付与することにより、試薬を前記複数の試薬容器のそれぞれから
流路を経由して前記複数の試薬貯留部のそれぞれへ移送し、前記複数の試薬貯留部のそれぞれから
流路を経由して前記測定部へ移送する移送部と、前記複数の試薬容器のそれぞれの残量を検知する試薬容器残量検知部と、前記複数の試薬貯留部のそれぞれの残量を検知する貯留残量検知部と、所定の情報を出力する出力部と、前記複数の試薬貯留部、前記測定部、前記移送部、前記試薬容器残量検知部、及び前記出力部の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記試薬容器残量検知部が検知した前記複数の試薬容器のうちのいずれかの残量が所定量以下である場合、前記出力部が、当該試薬容器の交換を促すメッセージを出力するよう制御し、前記貯留残量検知部が検知した前記複数の試薬貯留部のうちのいずれかの残量が所定量以下である場合、前記出力部が、前記測定部での検体の測定の停止を示すメッセージを出力するよう制御することを特徴とする。
【0025】
また、第
14発明に係る検体分析装置は、第
13発明において、前記制御部は、前記貯留残量検知部が検知した前記
複数の試薬貯留部
のうちのいずれかの残量が所定量以下である場合、前記移送部が、
当該試薬貯留部から前記測定部への試薬の移送を停止するよう制御することを特徴とする。
【0026】
また、第
15発明に係る検体分析装置は、第
13又は第14発明において、前記制御部は、前記測定部での検体の測定回数に基づいて、
前記貯留残量検知部が、前記
複数の試薬貯留部の
それぞれの残量が所定量以下であることを検知する
よう制御することを特徴とする。
【0027】
また、第
16発明に係る検体分析装置は、第
13乃至第15発明のいずれか1つにおいて、前記制御部は、前記出力部が、前記
複数の試薬容器
のそれぞれについて、交換することなく測定することが可能な検体の数に関する情報を、前記
複数の試薬容器の
それぞれについて交換を促すメッセージに含めて出力するよう制御することを特徴とする。
【0028】
また、第
17発明に係る検体分析装置は、第
16発明において、前記制御部は、前記測定部で検体が測定される都度、前記出力部が、前記
複数の試薬容器
のそれぞれについて、交換することなく測定することが可能な検体の数に関する情報を更新して出力するよう制御することを特徴とする。
【0029】
また、第
18発明に係る検体分析装置は、第
13乃至第17発明のいずれか1つにおいて、前記制御部は、前記移送部が試薬を前記
複数の試薬容器
のいずれかから前記
複数の試薬貯留部
のいずれかへ移送した場合に
当該試薬貯留部の残量が増加するか否かに基づいて、前記試薬容器残量検知部が、前記試薬容器の残量が所定量以下であることを検知するよう制御することを特徴とする。
【0030】
また、第
19発明に係る検体分析装置は、第
13乃至第18発明のいずれか1つにおいて、前記制御部は、前記出力部が、前記
複数の試薬容器の
うちのいずれかの交換を促すメッセージを出力するよう制御したのち、前記移送部が、
当該試薬容器に接続された試薬貯留部から前記測定部への試薬の移送を継続するよう制御することを特徴とする。
【0031】
また、第
20発明に係る検体分析装置は、第
13乃至第19発明のいずれか1つにおいて、前記制御部は、前記
複数の試薬容器
のうちのいずれかが交換された場合、前記移送部が、
交換後の試薬容器から
当該試薬容器に接続された試薬貯留部へ試薬を移送するよう制御するとともに、前記測定部が、検体の測定を継続するよう制御することを特徴とする。
【0032】
第1発明及び第13発明では、互いに異なる種類の試薬を収容する複数の試薬容器のそれぞれと流路を経由して接続され、複数の試薬容器のそれぞれから移送される試薬を貯留する複数の試薬貯留部と、複数の試薬貯留部と流路を経由して接続され、複数の試薬を用いて検体を測定する測定部と、
陽圧又は陰圧を付与することにより、試薬を前記複数の試薬容器のそれぞれから
流路を経由して前記複数の試薬貯留部のそれぞれへ移送し、前記複数の試薬貯留部のそれぞれから
流路を経由して前記測定部へ移送する移送部とを備え、複数の試薬容器のうちのいずれかの残量が所定量以下であることを検知した場合、試薬容器の交換を促すメッセージを出力する。複数の試薬貯留部を備えることにより、同一種類の試薬を収容した試薬容器を複数接続しておく必要がなく、試薬容器が空になった場合であっても試薬貯留部に貯留された試薬を用いて検体の測定を中断することなく継続することができる。また、複数の試薬容器のうちのいずれかの残量が所定量以下であることを検知した場合に試薬容器の交換を促すメッセージが出力されるので、使用者は測定を中断することなく試薬容器を交換して試薬を補充することが可能となる。
また、複数の試薬貯留部のうちいずれかの残量が所定量以下であることを検知した場合、測定部での検体の測定の停止を
示すメッセージを出力するので、使用者は、試薬容器を交換しなければ検体を測定することができない状態となったことを把握することができる。
【0034】
第
2発明及び第14発明では、
複数の試薬貯留部
のうちのいずれかの残量が所定量以下であることを検知した場合、当該試薬貯留部から測定部への試薬の移送を停止させる。これにより、試薬容器だけでなく試薬貯留部の残量も所定量以下になった場合には、測定を中断するべく測定部への試薬の移送を停止させることができ、検体を無駄に消費することを未然に回避することが可能となる。また、試薬貯留部が完全に空になる前に試薬の移送を停止させることにより、試薬への気泡の混入等を抑制することが可能となる。
【0035】
第
3発明及び第15発明では、測定部での検体の測定回数に基づいて、
複数の試薬貯留部の
それぞれの残量が所定量以下であることを検知することにより、複雑な検知機構を用いることなく試薬貯留部の残量を把握することが可能となる。
【0036】
第
4発明及び第16発明では、
複数の試薬容器
のそれぞれについて、交換することなく測定することが可能な検体の数に関する情報を、
複数の試薬容器の
それぞれについて交換を促すメッセージに含めて出力することにより、継続して検体を測定することができる回数を明確に把握することができ、その間に試薬容器を交換することで測定を継続することが可能となる。
【0037】
第
5発明及び第17発明では、測定部で検体が測定される都度、
複数の試薬容器
のそれぞれについて、交換することなく測定することが可能な検体の数に関する情報を更新することにより、あと何回測定することが可能な試薬が残っているかを明確に把握することができる。
【0038】
第
6発明及び第18発明では、試薬を
複数の試薬容器
のいずれかから
複数の試薬貯留部
のいずれかへ移送した場合に、試薬貯留部の残量が増加するか否かに基づいて、試薬容器の残量が所定量以下であることを検知することにより、使用者に対して試薬容器の交換を促すことが可能となる。
【0039】
第
7発明では、検体を吸引する吸引部と、所定数の検体を受け入れることが可能であり、吸引部に検体を供給するよう検体を搬送する検体搬送部とを備える。
複数の試薬貯留部は
それぞれ、検体搬送部が受け入れることが可能な所定数の検体の測定に必要な量以上の量の試薬を貯留することにより、試薬容器の交換を促すメッセージが出力された時点で検体搬送部に受け入れられている検体については、試薬容器を交換しなくても測定を完了することができ、メッセージが出力された後に測定対象となる検体を新たに受け入れない限り、全ての検体の測定を完了するまで測定を停止させる必要がない。
【0040】
第
8発明では、
複数の試薬貯留部と、移送部とを含み、
複数の試薬容器を設置することが可能な試薬容器設置部を備えることにより、例えば既存の検体分析装置の下部に試薬容器設置部を備えることで設置スペースを増大させることなく試薬貯留部を備えることが可能となる。
【0041】
第
9発明及び第19発明では、
複数の試薬容器の
うちのいずれかの交換を促すメッセージを出力したのち、
試薬容器に接続された試薬貯留部から測定部への試薬の移送を継続することにより、測定を停止させることなく試薬容器を交換することが可能となる。
【0042】
第
10発明及び第20発明では、
複数の試薬容器
のうちのいずれかが交換された場合、移送部が
交換後の試薬容器から
当該試薬容器に接続された試薬貯留部へ試薬を移送するとともに、測定部が検体の測定を継続することにより、試薬容器の交換直後であって、試薬容器と試薬貯留部との間の流路が試薬で充填されるまでの間であっても、測定を停止させる必要がない。
【0043】
第
11発明では、
複数の試薬容器
のそれぞれと
複数の試薬貯留部
のそれぞれとを接続する流路が、
複数の試薬容器側の第一流体コネクタ及び
複数の試薬貯留部側の第二流体コネクタを備え、
複数の試薬貯留部
のそれぞれと測定部とを接続する流路が、
複数の試薬貯留部側の第三流体コネクタ及び測定部側の第四流体コネクタを備えている。第一流体コネクタと第二流体コネクタとが着
脱可能に接続され、第三流体コネクタと第四流体コネクタとが着
脱可能に接続されている。これにより、第二流体コネクタと第三流体コネクタとに挟まれた流体回路を他の流体回路から容易に分離することが可能となる。
【0044】
第
12発明では、第一流体コネクタと第四流体コネクタとが
相互に接続可能に構成されている。これにより、第二流体コネクタと第三流体コネクタとに挟まれた流体回路中の流体要素に障害が発生した場合であっても、第一流体コネクタと第四流体コネクタとを直接接続することにより、試薬容器から測定部に試薬を移送することができ、使用者は測定を継続して行うことが可能となる。