(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ガスを自動車の燃焼機関のシリンダヘッド(12)の入り口空間へと導入するために、シリンダヘッド(12)に前記ガスを供給するためのバルブ(10)を備えており、このバルブが、直接的および熱交換器(14)を介して間接的にシリンダヘッド(12)の入り口空間に連通しているガス取り入れ装置であって、
バルブ(10)および熱交換器(14)が、シリンダヘッド(12)に直接取り付けられるように意図された板(21)に取り付けられ、
バルブが、入り口ダクト(10a)と、板(21)に取り付けられ、シリンダヘッド(12)の入り口空間へと直接開いている直接出口ダクト(10b)と、熱交換器(14)の入り口箱(20)へと開いている間接出口ダクト(10c)とを備えたダブルバルブ(10)であり、
前記入り口箱(20)が、熱交換器(14)に取り付けられていることを特徴とする、ガス取り入れ装置。
板(21)が、バルブ(10)とシリンダヘッド(12)との間の熱交換を可能にするために適した熱伝導性を有する材料で製作され、特に板(21)が、金属材料、例えば鋼、アルミニウム合金、またはアルミニウムで製作されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
板(21)が、シリンダヘッド(12)に取り付けられるように意図された前面(21a)と、熱交換器(14)に取り付けられるように意図された後面(21b)とを備えており、前面(21a)および後面(21b)が、お互いに対して或る角度(α)にある、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
燃焼室(13)と、入り口空間を有するシリンダヘッド(12)と、ガスをシリンダヘッド(12)の入り口空間へと導入するためのガス取り入れ装置(11)とを備えており、ガス取り入れ装置(11)が、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置の特徴を有している自動車の燃焼機関。
【背景技術】
【0002】
自動車の燃焼機関は、一般的には複数のシリンダで形成される燃焼室を備えており、燃焼室において酸化剤と燃料との混合物が燃やされることで、機関の仕事が生み出される。酸化剤は空気を含み、機関にターボチャージャが装備されているか否かに応じて、圧縮されても、圧縮されなくてもよい。空気を、排気ガスと混ぜ合わせることも可能であり、それらはEGR(排気再循環)ガスとして知られている。燃焼室へと入るガスは、吸気ガスと称される。
【0003】
吸気ガスは、吸気マニホールドにおいて受け取られ、英語の用語「吸気マニホールド(intake manifold)」は、すべての当業者に幅広く知られている。マニホールドは、シリンダへの入り口において燃焼室のシリンダヘッドに取り付けられる。ガスを、機関の速度に応じて、冷却しても、部分的に冷却しても、あるいは冷却しなくてもよい。したがって、マニホールドへとつながる2つの管が存在する。一方の管が、吸気ガスをマニホールドへと直接運び、他方の管が、吸気ガスを熱交換器を経由して間接的に運び、熱交換器を、熱交換器を通過するガスを冷却するために使用することができ、あるいは場合によっては、加熱するために使用することができる。
【0004】
従来技術の熱交換器は、通常はプラスチックで製作されたケーシングに収容される。熱交換器を収容するという機能の他に、ケーシングは、多くの場合に、熱交換器の入り口箱および/または出口箱を形成するようにも設計される。さらにケーシングは、通常は、機関の構成に応じて、例えば継ぎ手部品、バルブ、吸気マニホールド、排気ガス取り入れモジュール、などといったいくつかの他の部品を支持する。
【0005】
これらの部品の支持という要件に加えて、ケーシングは、圧縮された吸気ガスの流れに関連した圧力負荷にさらされる。ケーシングの蓋が、特にケーシングの全体を覆い、すべての圧力にさらされる。加えて、このケーシングは、ケーシングによって支持されたすべての部品が生じさせる振動にさらされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようなケーシングを、圧力負荷によって「膨張」することがなく、あるいは振動によって劣化することがないように、強化しなければならない。そのような強化は、高価であり、ケーシングがより重くなることを意味する。
【0007】
さらに、機関の製造者が常に追求している目標の1つは、吸気ガス取り入れ装置を可能なかぎりコンパクトにすることである。
【0008】
本発明は、コンパクトであるにもかかわらず、内部の圧力負荷によく耐えるガス取り入れ装置を提案しようと試みる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のために、本発明は、前記ガスを自動車の燃焼機関のシリンダヘッドの入り口空間へと導入するために、シリンダヘッドにガスを供給するためのバルブを備えており、このバルブが、直接的および熱交換器を介して間接的にシリンダヘッドの入り口空間に連通しているガス取り入れ装置であって、バルブおよび熱交換器が、シリンダヘッドに直接取り付けられるように意図された板に取り付けられていることを特徴とする、ガス取り入れ装置に関する。
【0010】
本発明によれば、従来技術の熱交換器の出口箱(すなわち、マニホールド)が省略される。このマニホールドが、単純な取り付け板に置き換えられる。出口箱によって生み出される空間と板によって生み出される空間との間の差を、補償しても、補償しなくてもよい。一実施形態においては、出口箱に相当する空間の減少を補償するようにシリンダヘッドの空間が増やされ、例えばこの場合には、シリンダヘッドの空間を、従来技術の出口箱の空間に等しい空間だけ増やすことができる。
【0011】
取り付け板によれば、剛性部品である冷却器およびバルブが、振動の影響をきわめて受けやすいプラスチック製のケーシングの内部に収容されている従来技術と異なり、取り付け板に直接取り付けられるため、取り入れ装置の剛性をより高くすることができる。さらに、種々の部品が分離されるため、いかなるボルトも冷却器の空間の内部に位置することがなく、あるいは冷却器の空間に連通して位置することがないようなやり方で、交換器およびバルブを板に取り付けるように工夫できるため、たとえねじが緩んでも、ねじがシリンダに吸い込まれて機関を傷める可能性がない。さらには、ガス取り入れ装置の取り付けが、板(他の部品が取り付けられている)をシリンダヘッドに取り付けるだけでよいため、より簡単になる。
【0012】
一実施形態によれば、バルブが、入り口ダクトと、板に取り付けられ、シリンダヘッドの入り口空間へと直接開いている直接出口ダクトと、熱交換器の入り口箱へと開いている間接出口ダクトとを備えているダブルバルブであり、入り口箱が、好ましくは熱交換器に直接取り付けられている。
【0013】
したがって、装置は、熱交換器およびダブルバルブが取り付けられた板を備えており、入り口箱が、熱交換器に取り付けられ、ダブルバルブへと接続されている。これらの自己完結の部品が、別々でありながら一体に接続されているということが、全体の剛性をさらに高め、適切な場合には、連通空間内へのねじの配置を避けることを可能にしている。
【0014】
一特定の実施形態によれば、熱交換器および板が、取り入れ装置の構造要素を形成している。
【0015】
一実施形態によれば、板が中実な材料で製作され、シリンダヘッドの入り口空間との流体連通を可能にする少なくとも2つの開口が形成されている。
【0016】
一実施形態によれば、板が、バルブとシリンダヘッドとの間の熱交換を可能にするために適した熱伝導性を有する材料で製作され、特に板が、金属材料で製作され、例えば鋼、アルミニウム合金、またはアルミニウムで製作されている。
【0017】
これにより、機関の低温部分である機関のシリンダヘッドに直接取り付けられた板が、バルブとシリンダヘッドとの間の熱の交換を可能にすることによって、バルブの冷却における役割を果たす。金属で製作される場合、板は良好な剛性も有し、振動に比較的影響されにくくなり、構造的な機能を果たすことができるようになる。
【0018】
一特定の実施形態によれば、ダブルバルブが、少なくとも直接出口ダクトの領域において、外表面に冷却フィンを備えている。
【0019】
一実施形態によれば、冷却フィンが、熱交換器の入り口箱の内表面に配置され、入り口箱を通過して流れるガスの予冷の機能を果たす。
【0020】
一実施形態によれば、板および熱交換器が、一体品として形成される。
【0021】
一実施形態によれば、板が、シリンダヘッドに取り付けられるように意図された前面と、熱交換器に取り付けられるように意図された後面とを備えており、前面および後面が、お互いに対して或る角度にある。
【0022】
さらに本発明は、燃焼室と、入り口空間を有するシリンダヘッドと、前記ガスをシリンダヘッドの入り口空間へと導入するためのガス取り入れ装置とを備えており、ガス取り入れ装置が、上述した装置の特徴を有している自動車の燃焼機関に関する。
【0023】
本発明を、添付の図面を参照し、本発明の装置および機関の好ましい実施形態についての以下の説明から、さらによく理解できるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照すると、本発明の機関1が、燃焼室13を備えており、この場合には、燃焼室13が、ピストンが知られているとおりに移動できるように取り付けられた4つのシリンダで構成されている。機関の吸気2が、排気ガス4によって駆動されるタービン3bによって駆動される圧縮機3aを備えているターボチャージャ3を介して進入する。タービン3bを駆動した後で、排気ガス4は、排気管6を介して排出され、あるいは「再循環」させられ、すなわち吸気空気流2へと再び注入される。この排気ガスの再循環は、「低圧」排気再循環と称される。この目的のために、EGRガス7が、バルブ8において取り出され、低圧EGR熱交換器9において冷却され、圧縮機3aの上流において吸気空気流2へと注入される。このようにして吸気2にEGRガス7を混ぜることで、チッ素酸化物の排出を減らすことが可能になる。
【0026】
したがって、吸気ガス2、7は、圧縮機3aに進入するときには、空気2のみまたは空気2と低圧EGRガス7との混合物のいずれかを含み、混合物は、低圧の排気ガス7の再循環を調節するバルブ8によって調節される。これらの吸気ガス2、7が、圧縮機3aにおいて圧縮され、前記ガスを機関のシリンダヘッド12の入り口空間へと導入できるよう、ガス取り入れ装置11のバルブ10へと運ばれる。
【0027】
シリンダヘッド12は、自動車の燃焼機関の知られている部品である。シリンダヘッド12は、機関の上部を形成している。通常は、鋳鉄またはアルミニウムで作られた鋳物であり、ここで説明される例のような4ストロークの機関においては、吸気ダクト、排気ダクト、水チャンバ(液冷の機関の場合)、またはフィン(空冷の機関の場合)を備えている。シリンダヘッド12は、特に、シリンダへとガスを取り入れるための入り口空間を生成している。実際、シリンダヘッド12は、知られているとおり、燃焼室13のシリンダの上部を閉じており、この燃焼室13の空間の一部を形成している。本明細書において、シリンダヘッド12へのガスの導入について述べ、あるいはバルブとシリンダヘッド12との間の直接的および間接的な連通について述べるとき、それは、当然ながら、シリンダヘッドのうちのシリンダへとガスを取り入れる(あるいは、導入する)ための空間への導入、またはそのような空間との連通に関連している。
【0028】
装置11の入り口バルブ10は、ダブルバルブであり、すなわち入り口ダクト10aと2つの出口ダクト10b、10cとを備えている。第1の出口ダクト10bは、シリンダヘッド12の入り口空間へと直接開いており、したがってこのダクトは、直接出口ダクト10bとして知られている。第2の出口ダクト10cは、熱交換器14の入り口へと開いており、熱交換器14の出口が、シリンダヘッド12の入り口空間へと開いている。したがって、この第2の出口ダクト10cは、前記熱交換器14を介して間接的にシリンダヘッド12の入り口空間へと開いており、したがってこのバルブは、間接出口ダクト10cと称される。この場合には、熱交換器は冷却器14であり、すなわち熱交換器を通過して流れるガスを冷却するように設計されている。一特定の実施形態によれば、熱交換器を、機関の使用のいくつかの態様において、ガスを加熱するために使用することも同様に可能である。
【0029】
このように、バルブ10の入り口ダクト10aに進入する吸気ガス2、7を、直接出口ダクト10bを介してシリンダヘッド12へと直接導入することができ、あるいは吸気ガスを熱交換器14に通す間接出口ダクト10cを介して、間接的にシリンダヘッド12へと導入することができる。ダブルバルブ10は、吸気ガス2、7のすべてまたは一部を出口ダクト10b、10cの一方および/または他方に通すことができるように設計され、したがって吸気ガス2、7のうちの熱処理(例えば、冷却)を受ける割合およびそのような処理を受けない割合を調節することが可能である。
【0030】
吸気ガス2、7は、燃料と混ぜ合わされ、燃焼室13において燃やされる。燃焼室13を出るとき、高い圧力にある排気ガス15が、排気マニホールド16に集められ、上述のようにタービン3bに向かって案内される。
【0031】
これらの高圧の排気ガス17の一部も、再循環させることが可能である。したがって、EGRパイプ17が、排気ガスの流れの一部を分岐させるために、排気マニホールド16に形成され、これらのEGRガス17の流量は、バルブ18によって調節される。これらのEGRガス17が、熱交換器19において冷却され、シリンダヘッド12へと直接再注入される。これが、いわゆる「高圧」排気ガス再循環である。
【0032】
このようにして、排気ガスを、低圧EGRを介して圧縮機3aの上流で吸気2に混合でき、あるいは高圧EGRを介してシリンダヘッド12において吸気2に混合することができる。
【0033】
ガス取り入れ装置11は、ダブルバルブ10、熱交換器14、熱交換器14への入り口箱20、ならびに取り付け板21またはソールプレート21を備えている。
【0034】
分かりやすくするために、アイテムが、上(上方)、下(下方)、ならびに右方および左方の横位置に言及しつつ説明され、そのような位置は、
図2における熱交換器14の向きを基準に選択されているが、決して熱交換器14(したがって、ガス取り入れ装置11)を機関に取り付けできるやり方を限定するものではない。
【0035】
熱交換器14は、上壁22、下壁23、右横壁24、および左横壁25を備えている。これらの壁22、23、24、25は、金属で作られており、この場合にはアルミニウムで作られている。これらの壁22、23、24、25が、構造体またはケーシングを形成する金属製の箱を形成しており、金属性の箱の内部に、交換器14が、図示されていないがプレートの積層(または、束)を備えており、プレート間に入り口部26と出口部27との間のガスの通路が生成され、プレートが中空であって、流体(ここでは、例えば水などの冷却剤)がプレートの内部を流れるように設計されている。このようにして、熱交換器14を通過するガスが、充分に薄く設計されたプレートを介して、これらのプレートの内部を流れる水と熱を交換する。すなわち、プレートの積層が、入り口部26から出口部27へと熱交換器14を通過する吸気ガス2、7との熱交換の手段を形成している。冷却剤が、入り口パイプおよび出口パイプ(図示されていない)を介して供給され、すべてのプレートが互いに連通している。したがって、これは、いわゆるプレート型の熱交換器である。
【0036】
要約すると、このような熱交換器14が、筐体を定める金属製の構造体22から25を備えており、筐体内に、入り口部26から出口部27へと筐体を通過するガスとの熱交換の手段が位置している。この構造は、当業者にとって知られており、ここでこの構造についてさらに述べる必要はない。他の任意の適切な種類の熱交換器も使用可能であることは、言うまでもない。
【0037】
図示の実施形態によれば、熱交換器14および取り付け板21が、ガス取り入れ装置11の構造要素を形成している。構造要素とは、装置の負荷を支える構造要素を意味する。特に、そのような要素が、この場合には金属で製作され、当該要素へと取り付けられる装置の他の部品を支持することができる機械強度特性を有する一方で、機関の残りの部分との接続も提供しており、この要素のおかげで、装置全体を機関に取り付けて保持することができる。このようにして、ダブルバルブ10および交換器14の入り口箱20が、交換器14および板21に取り付けられ、板21が、機関のシリンダヘッド12に取り付けられる。
【0038】
取り付け板21は、この場合には一定の厚さであり、この特定の事例においては3cm未満であり、好ましくは0.5から2.5cmの間の厚さである中実な材料で製作される。この事例において、板21には、ダブルバルブ10と交換器14およびシリンダヘッド12の入り口空間との間の流体連通をそれぞれ可能にする少なくとも2つの開口が形成される。左側部分に、矩形の開口28が設けられており、開口28の寸法が、熱交換器14の出口部27の寸法に対応している(この場合には、出口部27の寸法に等しい)。右側部分に、円形の開口29が設けられており、開口29の断面が、ダブルバルブ10の直接出口ダクト10bの出口部に対応している(この場合には、同一である)。
【0039】
ダブルバルブ10の直接出口ダクト10bは、取り付け板21の円形の開口29の領域において、開口29の周囲に取り付けられ、したがってシリンダヘッド12の入り口空間へと直接開く。バルブ10の間接出口ダクト10cは、ガスを熱交換器14の入り口箱20に進入させるガス導入オリフィス20’へと接続される。シリンダヘッド12が、板21の直後において熱交換器14の出口空間を直接形成するため、間接出口ダクト10cは、熱交換器14を介して間接的にシリンダヘッド12の入り口空間に連通する。この目的のために、吸気ガスを熱交換器14へと導入する入り口箱20が、前部20’’が熱交換器14の入り口部26に面するように開いている空間を定めている(この場合には、2つの部位20’’、26が同一である)。したがって、入り口箱20は、その前部20’’の領域において、熱交換器14へと開いており、その入り口オリフィス20’の領域において、バルブ10の間接出口ダクト10cへと開いている。
【0040】
このようにして、ダブルバルブ10の入り口ダクト10aへと供給された吸気ガス2、7は、ダブルバルブ10の直接出口ダクト10bを通って流れて、シリンダヘッド12の入り口空間へと直接開くことができ、あるいは間接出口ダクト10cを通って流れて、熱交換器14の入り口箱20へと開き、次いでこの熱交換器のプレートの間を流れ、交換器14を離れるときに、シリンダヘッド12の入り口空間へと開くことができる。
【0041】
より具体的には、入り口ダクト10aおよび2つの出口ダクト10b、10cを、到来するガスを直接出口ダクト10b、または間接出口ダクト10c、あるいは両方を通って流すことができるようなやり方で設計することができるが、ここで説明される本発明の実施形態においては、バルブ10の構造ゆえに、ガスが両方のダクト10b、10cを通って同時に流れることはできない。
【0042】
この場合、バルブ10が2つのバタフライ(図示されていない)を備えており、その各々がそれぞれの出口ダクト10b、10cに位置している。例えばバルブ要素またはシャッタなど、絶対的に任意の他の流れ規制手段を、バタフライの代わりに想定できることは、言うまでもない。
【0043】
各々のバタフライを、それぞれの駆動モータによって駆動することができる。ここで説明される本発明の実施形態によれば、ただ1つのモータ33が2つのバタフライを駆動する。バルブ10は、この場合には、例えば本出願の出願人企業の名義である2006年4月26日付の特許出願第0603711号明細書に記載のようなバルブであってもよい。このようなバルブは、ダクト10b、10cの開放について考えられるすべての選択肢を可能にするわけではなく、以下の3つの動作モードを可能にするだけである:
直接出口ダクト10bのバタフライが、閉鎖位置と開放位置との間で調節可能に或る程度開き、あるいは全開する一方で、間接出口ダクト10cのバタフライが閉じられている第1のモード、
両方のバタフライが閉じられている第2のモード、
直接出口ダクト10bのバタフライが閉じられており、間接出口ダクト10cのバタフライが開かれている第3のモード。
【0044】
或るモードから別のモードへの切り替えは、上述の特許出願に記載されているように、モータ33をバタフライへと接続する特別な歯車装置によって実現できる。
【0045】
このようなダブルバルブ10によって:
第1の動作モードにおいては、吸気ガス2、7がシリンダヘッド12へと直接案内され、吸気ガスの流量は、直接出口ダクト10bのバタフライがより大きく開かれ、あるいは小さく開かれることによって調節され、
第2の動作モードにおいては、シリンダヘッド12へのガスの供給が遮断され、
第3の動作モードにおいては、吸気ガス2、7が、熱交換器14を介して間接的にシリンダヘッド12へと案内される。
【0046】
このようなダブルバルブ10においては、上述のように、吸気ガス2、7をシリンダヘッド12へとつながる2つの同時の流れ(一方が直接的であって、他方が間接的である)へと分割することは不可能であり、さらには間接的な流れを調節することが不可能である(間接出口ダクト10cのバタフライが、開放または閉鎖のいずれかである)。当然ながら、ダブルバルブ10を、各々が1つのバタフライバルブを駆動する2つのモータを備えること、または他の任意の適切な手段を使用することで、上述の動作モードを可能にするように設計してもよい。ここで使用されるバルブ10によってもたらされる利点は、きわめてコンパクトであること、および使用がきわめて簡単であることである。
【0047】
熱交換器14は、ねじ、溶接、リベット、または他の任意の適切な手段によって、取り付け板21に取り付けられる。同様に、ダブルバルブ10も、任意の適切な手段によって板21に取り付けられ、特に間接出口ダクト10bの端部に設けられた穴30によるねじ留めによって板21に取り付けられる。交換器14の入り口箱20(比較的軽量な部品であり、その壁が薄くてもよい)は、ねじ、溶接、リベット、接着剤、固定具、クリップ、または他の任意の適切な手段によって、交換器14へと取り付けられる。
【0048】
取り付け板21は、この場合にはねじを使用して、機関のシリンダヘッド12に取り付けられる。この理由で、板21は、図示の実施形態においては、取り付けラグ31を有しており、各々の取り付けラグ31を、シリンダヘッド12の該当の穴へとねじ込まれるねじのための穴32が貫いている。
【0049】
この場合に、図示されていない一特定の実施形態によれば、取り付け板21が、板21をシリンダヘッド12にねじ留めするために使用されるねじ穴と同じねじ穴を使用して、交換器14のケーシングへとねじで取り付けられる。より具体的には、この場合には、交換器14のケーシングが、取り付けラグを支持するフランジを出口部27の周囲に備えることができ、そのような取り付けラグが、貫通穴を有しており、板21のラグ31および穴32に面して位置するように設計される。このようにして、交換器14、板21、およびシリンダヘッド12を取り付けるために、同じねじを使用することができる。
【0050】
図示の実施形態によれば、ガス取り入れ装置11が、ダブルバルブ10、熱交換器14、ケーシング20、および板21を上述のように互いに取り付けた状態にあらかじめ組み立てられ、次いで板21が、全体を所定の位置に固定すべくシリンダヘッド12へと取り付けられる。
【0051】
本発明のガス取り入れ装置11は、多数の利点を提供する。
【0052】
第1に、取り付け板21が薄い部材であり、装置11をよりコンパクトにしている。次に、板21が、さらに薄くてもよいように、丈夫な材料で作られている。
【0053】
さらに、ガスをシリンダヘッド12へと導入するための取り入れ装置11の最も重い2つの部品は、熱交換器14およびダブルバルブ10である。これら2つの部品が、シリンダヘッド12に直接取り付けられる剛性のある板21に取り付けられるということが、装置11を振動の影響を受けにくいものにする。
【0054】
さらに、ガス取り入れ装置11の装着が、より容易になる。箱20、交換器14、およびバルブ10を取り付け板21に取り付けた後で、取り付け板21をシリンダヘッド12に取り付けるだけでよい。
【0055】
さらに、一実施形態によれば、取り付け板21が、ダブルバルブ10とシリンダヘッド12との間の熱交換を可能にするために適した熱伝導性を有する材料で製作される。熱伝導性が大きいほど、熱交換が大きくなる。特に、取り付け板21が、この場合には金属材料で製作され、より具体的には鋼、アルミニウム合金、またはアルミニウムで製作される。この熱伝導性のおかげで、板21が、ダブルバルブ10(特に、ダブルバルブ10の駆動モータ33)の冷却の機能を果たす。機関の低温の部品であるシリンダヘッド12とダブルバルブ10との間で、熱の交換が促進される。シリンダヘッド12は、多数の冷却手段が設けられている限りにおいて、機関の低温の部品であり、板21が取り付けられる領域の温度が、典型的には約90°であり、ダブルバルブ10およびダブルバルブ10の駆動モータ33を冷却することが可能である。
【0056】
ダブルバルブ10の本体は、例えば主としてアルミニウムで製作される。したがって、取り付け板21およびダブルバルブ10のアルミニウム製の本体を介して、シリンダヘッド12とダブルバルブ10の駆動モータ33との間で、熱交換が容易に生じる。
【0057】
ここで説明される特定の実施形態によれば、ダブルバルブ10が、少なくとも直接出口ダクト10bの領域において、外表面に冷却フィン34を備えており、これらのフィンが、ダブルバルブ10(特に、ダブルバルブ10の駆動モータ33)からシリンダヘッド12への熱のより良好な抽出をもたらしている。
【0058】
一特定の実施形態によれば、熱交換器14の入り口箱20も、例えば金属など、良好な熱伝導性を有する材料で製作される。したがって、入り口箱20、熱交換器14、ダブルバルブ10の本体、および取り付け板21が、内部での熱の受け渡しが容易である熱交換アセンブリを形成する。
【0059】
一特定の実施形態によれば、冷却フィン(図示されていない)が、熱交換器14の入り口箱20の内面に配置される。このようにして、ガス取り入れ装置11が、入り口箱20を通って流れるガスの予冷の機能を果たす。フィンは、熱交換器14へと進入する前のガスを冷却する他に、このガスを均質にし、後の熱交換器14における熱の交換を促進するようにも機能する。フィンのサイズは、熱効率とフィンに沿って流れるガスの流れに持ち込まれる圧力損失との間の妥協によって決められる。
【0060】
説明される実施形態においては、
図4に見て取ることができるとおり、取り付け板21の前面21aおよび後面21bが、お互いに対して角度αにある。板21は、自身の前面21aによってシリンダヘッド12の上面に取り付けられる。さらに、熱交換器14の出口部27が、板21の後面21bに平行に取り付けられる。したがって、板21の前面21aと後面21bとの間の角度αゆえに、ガス取り入れ装置11がシリンダヘッド12に取り付けられたとき、熱交換器14の出口部27とシリンダヘッド12の上面との間に角度が存在する。この上面はおおむね水平であるため、結果として熱交換器14の出口部27と水平との間に存在する角度が、交換器14において形成される可能性がある凝縮物のシリンダヘッド12における除去を促進する。
【0061】
図2から
図4には示されていないが、
図1に関して上述した実施形態によれば、高圧EGRシステム17を設けることができる。そのような装置は、機関のシリンダの出口から取り出された排気ガスを、シリンダヘッド12の入り口空間へと導入することを可能にする。
【0062】
ここで説明される実施形態においては、シリンダヘッド12の入り口空間が、従来技術のシリンダヘッドの入り口空間と比べて増やされている。これは、従来技術の機関が、熱交換器の出口箱を形成する空気マニホールドを、シリンダヘッド12の入り口空間に取り付けて備えている一方で、本発明の機関は、単に板をシリンダヘッド12の入り口空間に加えて有するだけだからである。ガスが熱交換器の出口部からシリンダへと進入する地点まで通過する空間を、従来技術と同様の大きさにすることが望まれる場合には(これは、厳密には必要がないが)、シリンダヘッド12の入り口空間を、マニホールドから板21への切り替えに起因する空間の減少を補償するように増加させることができ、これを行うために、例えばシリンダヘッド12をより背が高くなるように製作することができる。ここで、シリンダヘッド12の空間が、複数のシリンダにとっての入り口空間を形成し、換言すると、シリンダヘッド12の前記入り口空間が、すべてのシリンダへと開いているただ1つの空間を形成し、その機能がシリンダへのガスの供給にあることに、注意すべきである。
【0063】
図示されていない実施形態によれば、板21および交換器14が、一体品として形成され、換言すると、板21が交換器14のケーシングとの直接的な一部分として形成され、これら2つの部品14、21がただ1つの部品を形成する。実際、そのような事例においては、板21として機能する一部分をケーシングに含んでいる熱交換器14が、中間の部品を存在させずにシリンダヘッド12に直接取り付けられる。そのような場合には、交換器14のケーシングが、好ましくはバルブ10を取り付けるための開口を有しているラグを突き出させることによって延ばされており、このラグが、ダブルバルブ10の直接出口ダクト10bが取り付けられる開口29を有している上述の板21の右側部分と同じ機能を果たす。
【0064】
さらに、本出願の出願人企業は、シリンダヘッドに直接取り付けられる取り付け板を有する交換器として形成された交換器を備える取り入れ装置を、前記装置がシリンダヘッドにガスを供給するためのバルブを備えているか否かにかかわらず、包含することを意図している。そのようなバルブを、取り入れ装置に含まれない場合には、ガス供給回路の他の場所(この場合には、好ましくは交換器の上流)に設けることができる。そのような取り入れ装置の構成要素(熱交換器、板)については、それらの構造が、図面を参照しつつ本明細書において上述した装置の構成要素の構造と同様または完全に同等であるため、説明は不要である。