【実施例】
【0045】
本発明を、実施例1〜実施例48、及び表1〜表9に提示したデータにより、より詳細に説明する。
【0046】
しかしながら、これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。これらの実施例において、「%」で測定される全ての量は、問題の物質の質量分率、すなわち混合物の質量に対するその物質の質量の比率である。「%」で記載される濃度は、溶液又は混合物中に存在する問題の溶質又は物質の質量(単位:g)と溶液又は混合物の100gの量との比率である。
【0047】
中間体1
6−(4−メトキシフェニル)−3−(trans−4−ヘプチル(hepty)シクロヘキシルフェニル)−シクロヘキサ−2−エン−1−オン
【0048】
【化6】
【0049】
1−(3−ジメチルアミノプロパノイル)−4−(trans−4−ヘプチルシクロヘキシルベンゼン)塩酸塩(0.167mol)、4−メトキシフェニルアセトン(0.17mol)、水酸化カリウム(0.51mol)及びジオキサン(250ml)の混合物を、撹拌しながら約5時間〜6時間還流し、室温まで冷却した後、硫酸の10%水溶液で処理した。生成物を酢酸エチルで2回抽出し、通常の手順の後で溶液をシリカゲルにより濾過し、溶媒を真空中で除去した。残留物をイソプロパノールから再結晶化した。
【0050】
中間体2
4−(trans−4−ヘプチルシクロヘキシル)−3’−クロロ−4’’−メトキシテルフェニル
【0051】
【化7】
【0052】
150mlのトルエン中における6−(4−メトキシフェニル)−3−(trans−4−ヘプチルシクロヘキシルフェニル)シクロヘキサ−2−エノン(中間体1、26.2mmol)の撹拌した溶液に、五塩化リン(39.3mmol)を添加した。反応混合物を撹拌しながら約5時間還流し、室温まで冷却した後、100mlの水を添加し、混合物をさらに1時間撹拌した。反応混合物を、水(約300ml)中に注ぎ、塩化メチレンで2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、シリカゲルにより濾過した。溶媒を除去した。得られた生成物を、さらなる精製を全く行わずに、さらなる変換のために使用した。
【0053】
中間体3
4−(trans−4−ヘプチルシクロヘキシル)−3’−クロロ−4’’−ヒドロキシテルフェニル
【0054】
【化8】
【0055】
4−(trans−4−ヘプチルシクロヘキシル)−3’−クロロ−4’’−メトキシテルフェニル(中間体2)を、100mlの酢酸及び5mlの59%ヨウ化水素酸水溶液と混合した。混合物を約12時間還流し、室温まで冷却し、水中に注いだ。生成物を塩化メチレンで2回抽出した。結合した有機層を、チオ硫酸ナトリウムの希釈溶液、水により洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去した後、生成物をトルエン−ヘプタン混合物から再結晶化した。
【0056】
中間体4
4−デシル−3’’−メチル−4’’’−メトキシクアテルフェニル
【0057】
【化9】
【0058】
80mlのTHF中における6−(4−メトキシフェニル)−3−(4−デシルビフェニル)シクロヘキサ−2−エノン(33mmol)の溶液を、撹拌しながら、1.6g(66mmol)のマグネシウムから調製したヨウ化メチルマグネシウムのエーテル溶液で処理した。反応混合物を、35℃で3時間撹拌し、その後終夜維持した。通常の酸処理の後、対応するジエンのエーテル溶液を得た。エーテルをその後蒸留により除去し、トルエンで置き換えた。対応する芳香族化合物への酸化のために、空気を還流下で5時間ジエン溶液に通過させた。室温まで冷却した後、溶液をシリカゲルにより濾過し、トルエンを真空中で蒸留により除去した。得られた生成物を、さらなる精製を全く行わずに、さらなる変換のために使用した。
【0059】
中間体5
4−デシル−3’’−メチル−4’’’−ヒドロキシクアテルフェニル
【0060】
【化10】
【0061】
4−デシル−3’’−メチル−4’’’−メトキシクアテルフェニル(中間体4)を、100mlの酢酸及び5mlの59%ヨウ化水素酸水溶液と混合した。混合物を12時間還流し、室温まで冷却し、水中に注いだ。生成物を塩化メチレンで2回抽出した。結合した有機層を、チオ硫酸ナトリウムの希釈溶液、水により洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去した後、生成物をトルエン−ヘプタン混合物から再結晶化した。
【0062】
実施例1. S−4−(trans−4−ヘプチルシクロヘキシル)−3’−クロロ−4’’−(1−メチルヘプチルオキシ)テルフェニル
【0063】
【化11】
【0064】
5℃〜10℃の温度で、20mlのTHF中における3’−クロロ−4’’−ヒドロキシ−4−(trans−4−ヘプチルシクロヘキシル)テルフェニル(中間体3)(3.26mmol)、R−2−オクタノール(3.76mmol)及びトリフェニルホスフィン(3.76mmol)の撹拌した混合物に、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(3.76mmol)を10分間〜15分間添加した。混合物を室温で終夜撹拌した。THFをその後真空中で蒸留により除去し、残留物をヘキサンで複数回洗浄して、所望の生成物を抽出した。生成物を酸化アルミニウムにおけるフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル、50:1)により精製し、その後2−プロパノールから結晶化した。収率は57%であった。
【0065】
実施例2. S−4−デシル−3’’−メチル−4’’’−(1−メチルペンチルオキシ)クアテルフェニル
【0066】
【化12】
【0067】
5℃〜10℃の温度で、25mlのTHF中における4−デシル−3’’−メチル−4’’’−ヒドロキシクアテルフェニル(中間体5)(4.41mmol)、R−2−ヘキサノール(5.01mmol)及びトリフェニルホスフィン(5.0mmol)の撹拌した混合物に、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(5.01mmol)を10分間〜15分間添加した。混合物を室温で終夜撹拌した。THFをその後真空中で蒸留により除去し、残留物をヘキサン−酢酸エチル(50:1)混合物で複数回洗浄して、所望の生成物を抽出した。生成物を酸化アルミニウムにおけるフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル50:1)により精製し、その後アセトンから結晶化した。収率は63%であった。
【0068】
実施例3. S−4−ノニル−3’−フルオロ−4’’’−(2−クロロプロピルオキシ)クアテルフェニル
【0069】
【化13】
【0070】
この化合物を、対応するヒドロキシクアテルフェニルのR−(−)−2−クロロプロパノールとの反応により合成した。収率は55%であった。
【0071】
同様の変換、並びにスキーム1及びスキーム2に提示される変換を使用して、以下の化合物を合成した。
【0072】
実施例4. ブチルS−2−[4−オクチル−2’−フルオロ−3’’−トリフルオロメチル−4’’’−クアテルフェニルオキシ]−プロピオネート
【0073】
【化14】
【0074】
実施例5. R−4−オクチル−3’’−クロロ−4’’’−(1−メチルヘキシルオキシ)クアテルフェニル
【0075】
【化15】
【0076】
実施例6.(比較(comparative)) R−4−(trans−4−ヘプチルシクロヘキシル)−3’−メトキシ−4’’−(1−トリフルオロメチルヘプチル−オキシカルボニル)テルフェニル
【0077】
【化16】
【0078】
実施例7.(比較) R−4−(4−ノニル−2−トリフルオロメチル)シクロヘキサ−1−エニル)−3’−クロロ−4’’−(1−メチルヘプチルオキシ)テルフェニル
【0079】
【化17】
【0080】
実施例8.(比較) S−2−[4−(2−フルオロヘキシルオキシ)ビフェニル−4’]−5−(trans−4−ヘキシルシクロヘキシル)−1−フルオロシクロヘキサ−1−エン
【0081】
【化18】
【0082】
実施例9. S−2−[2’−メチル−4’’−(1−メチルヘプチルオキシ)テルフェニル−4]−5−ヘプチルピリジン
【0083】
【化19】
【0084】
実施例10. S−2−[2−フルオロ−4’’−(1−メチルヘプチルオキシ)テルフェニル−4]−5−オクチルピリミジン
【0085】
【化20】
【0086】
これらの化合物並びに他のピリジン及びピリミジン誘導体を、置換ブロモ(ヨード)ピリジン又はピリミジンの対応するアリールボロン酸とのクロスカップリング反応により調製した。
【0087】
スキーム1及びスキーム2に提示される変換、並びにクロスカップリング反応を、以下の5つの環化合物の合成にも使用した。
【0088】
実施例11. S−4−ノニル−3’,2’’−ジフルオロ−3’’’−クロロ−4’’’’−(1−メチルヘプチルオキシ)ペンタフェニル
【0089】
【化21】
【0090】
実施例12.(比較) S−4−(trans−4−オクチルシクロヘキシル)−3,3’’−ジクロロ−4’’’−(1−メチルペンチルオキシ)−クアテルフェニル
【0091】
【化22】
【0092】
実施例13.(比較) S−2−[4−(1−メチルヘプチルオキシ)−3’−クロロテルフェニル−4’’]−5−(trans−4−ヘプチルシクロヘキシル)−1−トリフルオロメチルシクロヘキサ−1−エン
【0093】
【化23】
【0094】
実施例14. R−2−[2−フルオロ−4’’−(1−メチルヘプチルオキシ)テルフェニル−4]−5−オクチルピリミジン
【0095】
【化24】
【0096】
対応する3,6−二置換シクロヘキサ−2−エノンの同様の変換を使用して、化合物1.1〜化合物1.19、並びに表1及び表2に提示される化合物を、合成した。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】
実施例15(比較)
以下の組成の強誘電性LC混合物A−1を調製した:
【0100】
【化25】
転移温度:Cr−6.3℃SmC
*52.4℃SmA68.1℃I
【0101】
実施例16(比較)
以下の組成の強誘電性LC混合物A−2を調製した:
【0102】
【化26】
転移温度:Cr7.3℃SmC
*67.7℃SmA74.2℃I
【0103】
実施例17(比較)
以下の組成の強誘電性LC混合物B−1を調製した:
【0104】
【化27】
転移温度:Cr5.6℃SmC
*54.2℃SmA71.1℃I
【0105】
実施例18(比較)
以下の組成の強誘電性LC混合物B−2を調製した:
【0106】
【化28】
転移温度Cr-7.3℃SmC
*85.0℃SmA109.3℃N114.0℃I
【0107】
実施例19(比較)
以下の組成の強誘電性LC混合物A−3を調製した:
【0108】
【化29】
転移温度:Cr9.5℃SmC
*50.4℃SmA61.3℃I
【0109】
実施例20(比較)
以下の組成の強誘電性LC混合物A−4を調製した:
【0110】
【化30】
転移温度:Cr11.2℃SmC
*61.4℃SmA79.1℃I
【0111】
実施例21(比較)
以下の組成の強誘電性LC混合物B−3を調製した:
【0112】
【化31】
転移温度:Cr8.3℃SmC
*56.1℃SmA71.1℃I
【0113】
実施例22(比較)
以下の組成の強誘電性LC混合物B−4を調製した:
【0114】
【化32】
転移温度:Cr15.5℃SmC
*63.1℃SmA94.7℃I
【0115】
実施例23
以下の組成の強誘電性LC混合物C−1を調製した:
【0116】
【化33】
転移温度:Cr-23.4℃SmC
*65.7℃SmA81.2℃
【0117】
実施例24
以下の組成の強誘電性LC混合物C−2を調製した:
【0118】
【化34】
転移温度:Cr-15.7℃SmC
*89.5℃SmA109.5℃113.0℃I
【0119】
実施例25
以下の組成の強誘電性LC混合物D−1を調製した:
【0120】
【化35】
転移温度:Cr-17.1℃SmC
*59.3℃SmA71.5℃I
【0121】
実施例26
以下の組成の強誘電性LC混合物D−2を調製した:
【0122】
【化36】
転移温度:Cr-9.7℃SmC
*79.4℃SmA89.0℃100.0℃I
【0123】
既知のキラル化合物を含有する強誘電性混合物(混合物A−1、A−2;B−1、B−2)、及び本発明によるキラル化合物を含有する強誘電性混合物(混合物C−1、C−2;D−1、D−2)の調査により、本発明によるキラル材料及びこれらを含む混合物、並びにこのような混合物を含むディスプレイセルが、SmC
*相の広い温度範囲、並びに非常に良好な熱的及び機械的安定性を有することが示された(表3を参照されたい)。得られた結果により、機械的衝撃(本発明者らの実験においては、機械的圧力下で、セルの厚みを3.5μmから1.3μmまで(その元の幅の最大60%)減少させた)が、既知のキラル化合物に基づくFLC混合物(混合物A−1、A−2;B−1、B−2)を含有するセルとの比較において、本発明によるFLCセルの不可逆的な配向破壊を引き起こさないことが示された。本発明者らは、多数の非常に厳しい試験の後にも、配向状態の変化を見出さなかった。全てのセルが同じ配向の質、コントラストを有しており、30cmの高さから平坦な表面上にセルを落下させた場合の機械的圧力及び機械的衝撃の後でも欠陥を有しなかった。
【0124】
表3.機械的圧力に対するFLCセルのコントラスト比の依存性
*
【表3】
*混合物の電気光学パラメータの測定は、室温(22.5℃)で行った。
【0125】
実施例27
以下の組成の強誘電性LC混合物C−2.2を調製した:
【0126】
【化37】
転移温度:Cr-15.3℃SmC
*69.2℃SmA90.1℃I
【0127】
本発明の化合物に基づくFLC混合物(C−2.2)、及び既知の化合物に基づくFLC混合物(A−2)の電気光学パラメータ及び動的パラメータの調査により、新たな強誘電性LCDが、より低い作動電圧、高速のレスポンス時間(t
on+t
off)、高コントラスト比(300:1を超える)を特徴とし、強誘電性LC相の広い温度範囲を有することが示された(表4)。
【0128】
表4.FLC混合物の物理学的パラメータ
*
【表4】
*混合物の電気光学パラメータの測定は、室温(22.5℃)で行った。
【0129】
これらのディスプレイのタイプは、他のディスプレイ技術に対して多くの利点を有し、将来的に広く使用することができる。
【0130】
ITO電極(抵抗率150Ω/cm
2を有する)及びSiO
2絶縁層(170nm厚)を備えたガラスセルにおいて、電気光学的研究を行った。市販の配向層(ナイロン6又はAL−1254又はPL−3001)をスピンコートし(spinned)、平行に又は一方向にラビングした(rubbed)。セルの厚み(1.5μm〜30μm)を、各々の場合において干渉法により測定した。電気光学的測定中、セルの温度は±0.3℃の精度で制御され、試料を横切る勾配は1℃を超えなかった。透過率(transmission)が10%から90%まで対応して変化した時に、レスポンス時間(t
on及びt
off)を測定した。
【0131】
式(1)の化合物を種々のネマティック液晶化合物と混合することにより、本発明による新たなコレステリック(すなわちキラルネマティック)混合物を調製した。
【0132】
新たなコレステリック材料は、−30℃から+100℃までのキラルネマティック相の温度範囲を有しており、螺旋ピッチは10nm〜300μmである。
【0133】
本発明による新たな様式(効果)の単安定又は双安定のキラルネマティックLCDを、セルの2つの配向層において平行、逆平行又はねじれラビング方向で作製した。市販のポリアミド、ナイロン、及び他のポリマー材料を配向層として使用した。種々のギャップ(1.5μm〜20μm)を有するセルに、本発明のキラルネマティック材料を充填した。対応する駆動波形を使用して、スイッチングを行い、単安定又は双安定の状態を得た。キラルネマティックセルの詳細なパラメータを、次の実施例及び表5〜表9に列挙する。
【0134】
実施例28(比較)
以下の組成のネマティック混合物M−1を調製した:
【0135】
【化38】
【0136】
実施例29(比較)
以下の組成のネマティック混合物M−3を調製した:
【0137】
【化39】
【0138】
実施例30(比較)
以下の組成のコレステリック混合物M−1.1を調製した:
【0139】
【化40】
【0140】
実施例31
以下の組成のコレステリック混合物M−1.2を調製した:
【0141】
【化41】
【0142】
実施例32(比較)
以下の組成のコレステリック混合物M−2.1を調製した:
【0143】
市販の「Merck」混合物MLC−6657−100 90%
【化42】
【0144】
実施例33
以下の組成のコレステリック混合物M−2.2を調製した:
【0145】
MLC−6657−100 90%
【化43】
【0146】
実施例34(比較)
以下の組成のコレステリック混合物M−3.1を調製した:
【0147】
【化44】
【0148】
実施例35
以下の組成のコレステリック混合物M−3.2を調製した:
【0149】
【化45】
【0150】
ネマティック混合物(混合物M−1、Merck社から入手した市販の混合物「MLC−6657−100」、M−3)、並びに既知のキラル化合物を含有するコレステリック混合物(混合物M−1.1、M−2.1、M−3.1)、及び本発明によるキラル化合物を含有するコレステリック混合物(混合物M−1.2、M−2.2、M−3.2)の調査により、本発明による組成物が、既知のキラル化合物に基づくコレステリック材料(混合物M−1.1、M−2.1、M−3.1)と比較して、1.0ms未満の非常に高速のレスポンス時間t
on及びt
offを特徴とすることが示された(表5を参照されたい)。これらの材料の最も高速のレスポンス時間t
on及びt
offは、約20msでしかない。
【0151】
表5.ネマティック混合物及びキラルネマティック混合物のレスポンス時間(t
on及びt
off)
*
【表5】
*混合物の電気光学パラメータの測定は、室温(22.5℃)で行った。
【0152】
実施例36(比較)
以下の組成のコレステリック混合物M−1.3を調製した:
【0153】
【化46】
【0154】
実施例37
以下の組成のコレステリック混合物M−1.4を調製した:
【0155】
【化47】
【0156】
実施例38(比較)
以下の組成のコレステリック混合物M−2.3を調製した:
【0157】
【化48】
【0158】
実施例39
以下の組成のコレステリック混合物M−2.4を調製した:
【0159】
【化49】
【0160】
実施例40(比較)
以下の組成のコレステリック混合物M−3.3を調製した:
【0161】
【化50】
【0162】
実施例41
以下の組成のコレステリック混合物M−3.4を調製した:
【0163】
【化51】
【0164】
既知のキラル化合物を含有するコレステリック混合物(混合物M−1.3、M−2.3、M−3.3)、及び本発明によるキラル化合物を含有するコレステリック混合物(混合物M−1.4、M−2.4、M−3.4)の調査により、本発明による組成物が、既知のキラル化合物に基づくコレステリック材料(混合物M−1.1、M−2.1、M−3.1)、及び既知のSTNディスプレイ用のキラルネマティック材料と比較して、電気光学曲線の非常に良好なシャープネス、及び同時に高速のレスポンス時間(t
on+t
off)を特徴とすることが示された(表6を参照されたい)。
【0165】
これらの材料のタイプは、他の材料に対して利点を有し、例えばデューティ比が1:64の多重化駆動スキームを有するLCDの製造において広く使用することができる。
【0166】
表6.キラルネマティック混合物のシャープネス及びレスポンス時間(t
on及びt
off)
*
【表6】
*混合物の電気光学パラメータの測定は、室温(22.5℃)で行った。
【0167】
実施例42(比較)
以下の組成のコレステリック混合物M−2.5を調製した:
【0168】
【化52】
【0169】
実施例43
以下の組成のコレステリック混合物M−2.6を調製した:
【0170】
【化53】
【0171】
実施例44(比較)
以下の組成のコレステリック混合物M−3.5を調製した:
【0172】
【化54】
【0173】
実施例45
以下の組成のキラルネマティック混合物M−3.6を調製した:
【0174】
【化55】
【0175】
ネマティック混合物(混合物MLC−6657−100、M−3)、並びに既知のキラル化合物を含有するキラルネマティック混合物(混合物M−2.5、M−3.5)、及び本発明によるキラル化合物を含有するキラルネマティック混合物(混合物M−2.6、M−3.6)の調査により、本発明の組成物が、既知のキラル化合物に基づくコレステリック材料(混合物M−2.5、M−3.5)と比較して優れた双安定性(長期間にわたり安定な画像記憶)、及び同時に非常に高速のレスポンス時間t
on及びt
offを特徴とすることが示された(表7を参照されたい)。
【0176】
これらの材料のタイプは、他の材料に対して利点を有し、将来的に広く使用することができる。一度表示されると、情報は、そのアプリケーションの必要性に応じて数秒から数年の範囲で長時間記憶される。この固有の記憶は、双安定デバイスの主な利点である。それにより、特にアプリケーションが頻繁なアップデートを必要としない場合に、電力消費を低減することが可能となる。幾つかのモバイルアプリケーション、例えば電子書籍に関しては、そのエネルギー節約は、バッテリーの寿命を数オーダー増大させる決定的な改善であり得る。
【0177】
ネマティック混合物(混合物M−3)、及び本発明によるキラル化合物を含有するコレステリック混合物(混合物M−3.6)のさらなる調査により、本発明による組成物のレスポンス時間t
on及びt
offが、ネマティック材料(混合物M−3)と比較してセルの厚みにそれほど強く依存しないことが示された(表8を参照されたい)。
【0178】
表7.ネマティック混合物及びコレステリック混合物の双安定性及びレスポンス時間(t
on及びt
off)
*
【表7】
*混合物の電気光学パラメータの測定は、室温(22.5℃)で行った。
**双安定性の評価:
・乏しい:1分間以下の画像記憶
・優れている:長期間(2週間を超える)にわたる安定な画像記憶
【0179】
表8.セルギャップに対するネマティック混合物及びキラルネマティック混合物のレスポンス時間(t
on及びt
off)の依存性
*
【表8】
*混合物の電気光学パラメータの測定は、室温(22.5℃)で行った。
【0180】
実施例46(比較)
以下の組成のコレステリック混合物M−1.5を調製した:
【0181】
【化56】
【0182】
実施例47(比較)
以下の組成のコレステリック混合物M−1.6を調製した:
【0183】
【化57】
【0184】
実施例48
以下の組成のコレステリック混合物M−1.7を調製した:
【0185】
【化58】
【0186】
コレステリック混合物(混合物M−1.5、M−1.6、M−1.7、表9を参照されたい)の調査により、本発明によるキラル組成物(混合物M−1.7)を含有する選択反射セルが、既知のキラル化合物に基づく材料(混合物M−1.5、M−1.6)を含有するセルと比較して、より低い作動電圧を有することが示された。
【0187】
表9.キラルネマティックセルのしきい値電圧
*
【表9】
*混合物の電気光学パラメータの測定は、室温(22.5℃)で行った。
【0188】
本発明による式(1)の液晶化合物により、種々の値の螺旋ピッチ及び光学異方性(Δn)、正の又は負の誘電異方性(Δε)、所要の値の弾性定数(特にK
22)、並びにキラルネマティック相の広い温度範囲を有するキラルネマティック混合物を作り出すことが可能となる。この混合物により、配向材料と組み合わせて、新たな様式(効果)の、パッシブマトリクス(静的若しくは多重化)又はアクティブマトリクス(TFT)アドレス指定による高速スイッチング、低作動電圧、単安定又は双安定のコレステリックLCDを作り出すことが可能となる。
【0189】
これらのディスプレイのタイプは、特に高速スイッチング、低作動電圧及び双安定性のために、他のディスプレイ技術に対して多くの利点を有し、将来的に広く使用することができる。この固有の記憶は、双安定デバイスの主な利点である。これにより、特にアプリケーションが頻繁なアップデートを必要としない場合に、電力消費を低減する(the low)ことが可能となる。幾つかのモバイルアプリケーションに関しては、このエネルギー節約は、バッテリーの寿命を数オーダー増大させる決定的な改善であり得る。
【0190】
特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14及び特許文献15に提示されるキラル化合物のさらなる調査により、これらの化合物が、式(I)の化合物とは対照的に、分子の堅固なロッド形状の中心コアを有さず、10℃から154℃までの温度範囲全体においてスメクティックC相を形成する訳ではないことが示されたことに留意すべきである。調査により、これらの化合物を、
−コレステリック相の広い温度範囲(−30℃から100℃まで)、良好な動的パラメータ(5ms又は10ms未満のレスポンス時間を含む)、低いしきい値電圧及び飽和電圧(20V未満)、電気光学曲線の良好なシャープネス、並びに双安定テクスチャの良好な機械的、熱的及び長期的安定性を有するコレステリック液晶混合物、並びに
−種々の値の光学異方性(Δn)及び自発分極、並びに強誘電性相の広い温度範囲を有する強誘電性液晶混合物、又は種々の値の螺旋ピッチ及び光学異方性(Δn)、正の若しくは負の誘電異方性(Δε)、所要の値の弾性定数(特にK
22)、並びにコレステリック相の広い温度範囲を有するキラルネマティック混合物
の調製のために使用することができないことが示された。
【0191】
特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14及び特許文献15の化合物及び液晶混合物では、配向材料と組み合わせて、低作動電圧及び高コントラスト比を有する衝撃に安定な強誘電性液晶ディスプレイ(LCD)、又は高速スイッチング、低作動電圧、単安定若しくは双安定のキラルネマティックLCDを作り出すことは可能とならない。