【実施例】
【0031】
以下は、ある実施の形態による、ガラス体を製造する方法の一例である。810nmで動作する半導体レーザアレイをコヒーレント社(Coherent Inc.)から市販されているINTEGTAレーザシステムの一部としてのファイバ束に接続した。レンズ構成を、所望のガウスビーム形状または最適な別のビーム形状を提供するために、適切な被覆および光焦点距離を有するレンズを備えたレーザのSubMiniatureバージョンA(SMA)コネクタに接続した。レーザを、基板上に堆積されたコージエライト粉末に入射させた。コージエライト粉末を、均一な厚さを有する層に堆積させた。この例において、成形型ほ基板の表面に配置した。成形型にコージエライト粉末を充填し、パテナイフを使用して平らにした。この場合の基板は、コーニング1737ガラス、ディスプレイ用ガラス、例えば、Eagle 2000(商標)またはソーダ石灰ガラスであったが、他の材料も可能である。
【0032】
使用したコージエライト粉末は、直径が7μmから47μmの分布を有する粒子を有した。しかしながら、直径がより小さい(数ナノメートル)またはより大きい(数百マイクロメートル)粒子を有する粉末を使用しても差し支えない。
【0033】
レーザでコージエライト粉末を照射することにより、粉末が急速に溶融し、冷却され、このようにして、粉末がガラス相に変わった。ガラス相は透明であった。マイクロレンズのガラス組成物は、コージエライトの化学組成(すなわち、アルミナおよび酸化マグネシウム、例えば、(Mg;Fe
2+)
2Al
4Si
5O
18)に基づくはずであると予測される。
【0034】
レーザシステムは、位置決めに応じてレシピの記述と出力制御を可能にするx−y−zコントローラおよび3D位置決め装置を備えるように構成した。したがって、光出力、露光時間、および位置を制御することによって、マイクロレンズアレイを形成した。これらのアレイは、一次元(1D)または二次元(2D)であって差し支えない。
【0035】
出力サイクルは基板材料に依存し得る。この例において、本発明のある実施の形態にしたがって、コーニング1737ガラスおよびソーダ石灰ガラス上にマイクロレンズを製造した。マイクロレンズを4×5のアレイに配列した。最適出力サイクルを使用してマイクロレンズを製造した。堆積の異なる均一な層厚(h1)、例えば、250μm、500μm、1000μmおよび1500μmをもたらす異なる成形型を使用して、コージエライト粉末を堆積させた。マイクロレンズは、それぞれ増加したh1値に対する増加した高さおよび増加したh1値に対するより球状を有することが分かった。30分間に亘り超音波浴中でマイクロレンズアレイを洗浄した後、破損態様は検出されなかった。
【0036】
図3aおよび
図3bは、再流動およびガラス化プロセスの再流動形状を示している。
図3aにおいて、高さh1および幅w1でコージエライト粉末が堆積された基板が提供される。レーザからのビームの形状は、コージエライト粉末のw1に等しいw1を有する照射シリンダ形38を有するように変更された。
図3bにおいて、コージエライト粉末のガラス化後のマイクロレンズは、支持された基部w2および内角2θ、半径r、およびh2の最終高さを有する。これらの寸法は、コージエライト粉末の圧縮係数を考慮した体積の等価に基づく。
【0037】
本発明の方法にしたがって製造したマイクロレンズの幾何学特徴のいくつか、例えば、基部の標準化された幅w1/h1の関数としてのθおよび標準化高さh2/h1は、予測できる。
図4において、25%、50%、75%および100%で圧縮比η
圧縮(0から1)を有する曲線の一群(実線と点線)40,42,44,および46がプロットされている。黒のデータ点、例えば、48および白のデータ点、例えば、50は、走査型電子顕微鏡(SEM)および光学共焦点顕微鏡によりマイクロレンズについて行った測定である。測定したマイクロレンズと、25%の圧縮係数によるw1/h1<3の推定値との間には良好な相関関係がある。w1/h1>3について、圧縮係数は、非常に薄い膜の体積での不完全性と粉末の大きな粒径のために、75%までのようである。
【0038】
堆積前のコージエライト粉末のサンプル、および本発明のある実施の形態により製造したマイクロレンズのサンプルを、X線回折(XRD)により分析した。マイクロレンズをシリコンウエハの上面に製造した。ガラス化したマイクロレンズは、シリコンには付着しなかった。
【0039】
約200mgのマイクロレンズを炭化タングステン製ミル(WC)内で粉砕した。コージエライト粉末と粉砕したマイクロレンズの両方をX線に曝露し、回折パターンを記録した。
図5のXRDのプロットは、コージエライト粉末が結晶質材料であることを示しているのに対し、
図6に示された粉砕されたマイクロレンズからのガラス材料のXRDのプロットは、粉砕されたマイクロレンズ材料がほとんど完全に非晶質であることを示している。しかしながら、この非晶質材料はまだ、マイクロレンズからのガラス材料を粉砕するのに用いた炭化タングステン製ミルからの残留物に加えて元のコージエライトの痕跡も有する。これは、ガラス化がレーザ照射によって行われていることを確認するようである。
【0040】
本発明のある実施の形態により製造したマイクロレンズを、可視スペクトルにおける吸収について測定した。コーニング1737ガラス上に製造したマイクロレンズに透過損失スペクトル測定を行った。可視スペクトルの450nmから880nmのスペクトル範囲において、一般に1.5dB辺りの損失が観察された。Ocean Optics分光計に基づく装置により1nmの間隔で行った測定は、可視範囲における吸収の強力なピークは示さなかった。
【0041】
ある実施の形態によれば、光起電装置、発光装置、またはファイバコネクタアレイが、1つのマイクロレンズ、多数のマイクロレンズ、および/またはマイクロレンズのアレイを備え得る。
【0042】
マイクロレンズとして機能するガラス体を評価するために、2つの異なるレーザ光源を使用して試験を行った。
【0043】
第二次高調波DPSグリーンレーザを、高開口数を有するFC/PCコネクタに接続した。レーザからの光ビームを高開口数により分散させ、ガラス基板を通過した後に自由空間を伝搬させた。次いで、レーザを、ガラス基板、この実例においてはディスプレイ用ガラス上に製造したマイクロレンズに直接結合した。マイクロレンズは光ビームを視準することができ、それゆえ、自由空間に伝搬した単一スポットを形成した。このタイプの視準にはいくつか用途があり、例えば、光学素子業界において、光または一般にレーザビームを視準するための用途がある。
【0044】
先の実施例に使用したマイクロレンズは、1018μmの半径、654μmの高さおよびθ=65.15の開口角を有した。投射したビームの直径は、3.5インチ(約8.9cm)のレンズから投射面までの高さについて約3.5インチ(約8.9cm)であり、22.5度の開口角および約0.38の開口数(NA)がもたらされる。
【0045】
非常の高レベルの視準を有する出力を有した赤色半導体レーザを使用した。この実施例において、レーザからの光ビームは、ガラス基板、例えば、ディスプレイ用ガラスを透過したときに、単一スポットを生成した。レーザをマイクロレンズに直接結合し、光をほぼ均一に分布させた光の三次元の錐体を生成した。このタイプの光分布には多くの用途があり、例えば、光学素子業界において、集光装置または分光装置としての用途がある。
【0046】
レーザからの光の平行ビームを三次元に広げた。そのような装置は相互交換できるので、その装置は、反対方向で集光装置として使用しても差し支えない。先の実施例において使用したマイクロレンズは、1018μmの半径、654μmの高さおよびθ=65.15の角度を有した。レーザからの光の投射ビームの直径は、85mmのレンズから投射面までの高さについて約89mmであり、31.3度の開口角および0.519のNAがもたらされた。そのようなマイクロレンズのNAは、マイクロレンズの曲率角θの関数であり得る。
【0047】
本発明により製造したマイクロレンズは、例えば、光起電装置または他の半導体装置のための集光に使用することができる。これらの用途において、ディスプレイ用ガラスまたはソーダ石灰ガラス上のそのようなマイクロレンズのアレイ(1Dおよび2Dの両方)は、特に、光の入射角が集光装置として可変性(空において日中に移動する太陽などの)である用途、または角アライメントの許容誤差が重要であり、これらのタイプのマイクロレンズを使用することによって緩和できる用途において、集光するための安価な媒体を提供できる。
【0048】
1つのマイクロレンズ、多数のマイクロレンズ、および/またはマイクロレンズのアレイのさらに別の用途は、光の抽出、例えば、住居用照明における用途のために有機発光ダイオード(OLED)からの光を均一に分散させるための、例えば、発光装置であり得る。
【0049】
さらに、高NAファイバおよびコネクタなどの高NAまたは平行レーザ、検出器などの低NAのものであり得る光源からの光の抽出および集光装置の組合せは、そのようなマイクロレンズの1Dまたは2Dアレイの組合せにより設計することができる。例えば、CAT−12コネクタなどのファイバリボンコネクタは、マイクロレンズアレイと平行にコネクタ接続でき、いくつかのレーザおよび/またはファイバのための自由空間平行光を同時に提供できる。次いで、この光を、光検出器アレイまたは別のファイバコネクタに再視準し、自由空間の相互接続性を可能にする。
【0050】
本発明の精神または範囲から逸脱せずに、様々な改変および変更が本発明に行えることが当業者には明らかであろう。それゆえ、本発明は、本発明の改変および変更を、それらが添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物に含まれるという条件で包含することが意図されている。