特許第5680282号(P5680282)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5680282
(24)【登録日】2015年1月16日
(45)【発行日】2015年3月4日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1345 20060101AFI20150212BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20150212BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20150212BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20150212BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20150212BHJP
【FI】
   G02F1/1345
   G02F1/133 550
   G09G3/36
   G09G3/20 611E
   G09G3/20 621M
   G09G3/20 624C
   G09G3/20 680G
   G09F9/30 338
   G09G3/20 642P
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2009-93633(P2009-93633)
(22)【出願日】2009年4月8日
(65)【公開番号】特開2010-55059(P2010-55059A)
(43)【公開日】2010年3月11日
【審査請求日】2012年3月22日
(31)【優先権主張番号】10-2008-0085401
(32)【優先日】2008年8月29日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】李 昌 洙
(72)【発明者】
【氏名】ベ 有 漢
【審査官】 鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−070541(JP,A)
【文献】 特開2007−212610(JP,A)
【文献】 特開平09−218388(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1345
G02F 1/1368
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲートラインにゲート信号を出力するゲート駆動部と、
データ信号を出力するデータ駆動部と、
前記ゲート信号と前記データ信号とに応答して画像を表示する表示領域と、前記表示領域を囲む周辺領域とに区分され、第1基板及び前記第1基板と対向し共通電極を具備する第2の基板を含む表示パネルと、
共通電圧を生成して前記表示パネルに供給する電源供給部と、
前記表示領域を囲むように前記周辺領域に配置され、前記電源供給部に隣接する両端部を有し、両端部のうち、他端部より前記ゲート駆動部から遠い距離に配置された一端部が前記共通電圧の供給を受けるために前記電源供給部に接続される共通電圧ラインと、を含み、
前記周辺領域は、前記ゲート駆動部が配置され、第1キックバック電圧が発生される第1区画、及び、前記表示領域を介在して前記第1区画と対向し、前記第1キックバック電圧より低い第2キックバック電圧が発生される第2区画を含み、
前記共通電圧ラインは、前記第1区画に位置する前記共通電極の部分に第1共通電圧を提供し、前記第2区画に位置する前記共通電極の部分に前記第2キックバック電圧に対応され前記第1共通電圧よりも高い第2共通電圧を提供し、
前記第1共通電圧と前記第2共通電圧との差は前記第1キックバック電圧と前記第2キックバック電圧との差に対応する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記ゲート駆動部は、前記周辺領域に形成されるアモルファスシリコントランジスタを含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示パネルは
前記第1基板と前記第2の基板の間に介在される液晶層含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示パネルは、
前記共通電圧ラインと、前記共通電極との間に介在されるスペーサーと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記スペーサーは、前記共通電圧ラインと重なるように配置されて前記共通電極と接続されることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
画像を表示する表示領域と、前記表示領域を囲む周辺領域とを含む表示パネルと、
共通電圧を生成して、前記表示パネルに前記共通電圧を供給する電源供給部と、を含み、前記表示パネルは、
第1基板と、
前記第1基板と対向し共通電極を具備する第2の基板と、
前記第1基板と前記第2の基板との間に介在される液晶層と、
前記表示領域の第1側に隣接した前記周辺領域の第1領域に配置され、前記表示パネルにゲート信号を供給するゲート駆動部と、
前記表示領域の第2側に隣接した前記周辺領域の第2領域と、
前記表示領域を介在して前記周辺領域の第1領域に対向する前記周辺領域の第3領域と、
前記表示領域を囲むように前記周辺領域に配置され、電源供給部に隣接する二つの端部を含み、前記二つの端部のうち、他端部より前記ゲート駆動部から遠い距離に配置された一端部が前記共通電圧の供給を受けるために前記電源供給部に接続される共通電圧ラインと、
前記第1基板と前記第2の基板との間に介在されて、前記共通電圧ラインと重なる少なくとも一つのスペーサーと、を含み、
前記第1領域には第1キックバック電圧が発生し、前記第3領域には前記第1キックバック電圧より低い第2キックバック電圧が発生し、
前記共通電圧ラインは、前記第1領域に位置する前記共通電極の部分に第1共通電圧を提供し、前記第3領域に位置する前記共通電極の部分に前記第2キックバック電圧に対応され前記第1共通電圧よりも高い第2共通電圧を提供し、
前記第1共通電圧と前記第2共通電圧との差は前記第1キックバック電圧と前記第2キックバック電圧との差に対応する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項7】
前記周辺領域に配置され、フィードバック共通電圧を供給するフィードバックラインと、前記フィードバック共通電圧に基づいて補償信号を生成する共通電圧補償部と、をさらに含み、
前記電源供給部は、前記補償信号に基づいて補償共通電圧を生成し、前記共通電圧ラインに前記補償共通電圧を供給することを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記共通電圧ラインは、最初に前記周辺領域の第2領域で前記電源供給部から前記補償共通電圧の供給を受け、
前記フィードバックラインは、前記第2領域に配置されることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記共通電圧ラインは、前記周辺領域の第2領域、第3領域、及び第1領域を連続的に通過して配置され、
前記第3領域は、前記表示領域の第3側に隣接し、前記第1領域と前記第3領域は、互いに対向することを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、より詳細には、より向上された映像表示品質を有する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、二つの基板の間に電界を形成して、二つの基板の間に介在される液晶を透過する光の量を調節することによって、所望の映像を表示する。液晶表示装置は、二つの基板のうち、下部基板に複数のゲートライン、複数のデータライン、複数の画素を具備し、上部基板に共通電極を具備する。液晶表示装置は、複数のゲートラインを順次に駆動させて当該ゲートラインに接続された複数の画素に当該データラインに印加されるデータ電圧を供給する。
【0003】
液晶表示装置では、ゲートラインにおいて寄生キャパシタンスと配線抵抗によって信号遅延が発生しうる。信号遅延は、データ電圧の変動を誘発することもある。このような電圧の変動は、液晶表示装置で画面がちらつくフリッカー(flicker)現象を発生させるキックバック電圧として現れることもある。したがって、キックバック電圧によって発生するフリッカー現象を減らす、或いは防止することができる液晶表示装置が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国特許公開第2005−0086921号公報
【特許文献2】韓国特許公開第2007−0060660号公報
【特許文献3】特開1999−288001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、キックバック電圧の差に対応して、異なる共通電圧を印加する表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明の一実施形態に係る表示装置は、ゲート駆動部と、データ駆動部と、表示パネルと、電源供給部と、共通電圧ラインとを含む。ゲート駆動部は、ゲート電圧を出力し、データ駆動部は、データ電圧を出力する。表示パネルは、ゲート電圧と、データ電圧とに応答して画像を表示する表示領域と、表示領域を囲む周辺領域に区分される。周辺領域は、表示領域の上に配置される第1周辺領域と、表示領域の下に配置される第2周辺領域とを含む。電源供給部は、共通電圧を生成して表示パネルに供給する。共通電圧ラインは、表示領域を囲むように周辺領域に配置される。共通電圧ラインは、電源供給部に隣接する両端部を有する。両端部のうち、他端部よりゲート駆動部から遠い距離にある一端部が、共通電圧の供給を受けるために電源供給部に接続される。
【0007】
表示パネルは、共通電圧ラインと共通電極との間に介在されるスペーサーを含んでもよい。スペーサーは、共通電圧ラインと重なるように配置されて、共通電極と接続してもよい。
【0008】
したがって、表示パネルに発生するキックバック電圧の差に対応させて、異なる共通電圧を印加して補償することにより、フリッカーのような表示不良を防止する、或いは減らすことができる。
【0009】
上述の課題を解決するために、本発明の他の実施形態に係る表示装置は、表示パネルと、電源供給部と、共通電圧ラインと、少なくとも一つのスペーサーとを含む。電源供給部は、共通電圧を生成して、表示パネルに共通電圧を供給する。表示パネルは、映像を表示する表示領域と表示領域を囲む周辺領域とを含む。表示パネルは、第1基板と、第1基板に対向する第2基板と、第1基板と第2基板との間に介在される液晶層とを含む。共通電圧ラインは、表示領域を囲んで周辺領域に配置される。共通電圧ラインは、電源供給部に隣接する二つの端部を含み、二つの端部のうち、一方の端部よりゲート駆動部から遠い距離にある他の一端部が共通電圧の供給を受けるために電源供給部に接続される。スペーサーは、第1基板と第2基板との間に介在して、共通電圧ラインと重なるように配置される。
【0010】
表示装置は、フィードバックライン及び共通電圧補償部をさらに含んでもよい。フィードバックラインは、周辺領域に配置されて、フィードバック共通電圧を供給することができる。共通電圧補償部は、フィードバック共通電圧に基づいて補償信号を生成することができる。電源供給部は、補償信号に基づいて補償共通電圧を生成して、共通電圧ラインに補償共通電圧を供給することができる。
【発明の効果】
【0011】
上述の表示装置によると、ゲート駆動部から遠い距離にある共通電圧ラインの一端部が電源供給部に接続されて、共通電圧の供給を受け、ゲート駆動部からの距離によって異なる共通電圧を表示パネルに印加する。これによって、表示パネルで発生するキックバック電圧の差に対応させて、異なる共通電圧を印加して補償しているため、フリッカーなどの表示不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置を示す図である。
図2図1に示した表示装置のA領域を拡大して示した断面図である。
図3図1に示した表示装置のI−I’線に沿った断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態をより詳細に説明する。上述の本発明が解決しようとする課題、課題解決手段、及び効果は、添付の図面に関する実施形態を通じて容易に理解されるはずである。本発明は、ここで説明される実施形態に限定されず、多様な形態に応用されて変形されうる。以下の実施形態は、本発明によって開示された技術思想をより明確にして、かつ、本発明が属する分野で平均の知識を有する当業者に本発明の技術思想が十分に伝えられるように提供されることである。したがって、本発明の範囲が後述の実施形態に限定されることと解釈されてはいけない。一方、図は明確な説明のために一部が簡略化される、或いは誇張されて表現される。図に表現された同一の参照番号は同一の構成要素を示す。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置を示す図であり、図2は、図1に示した表示装置のA領域を拡大して示した断面図であり、図3は、図1に示した表示装置のI−I’線に沿った断面を示す断面図である。
【0015】
図1乃至図3を参照すると、本発明の一実施形態に係る表示装置10は、表示パネル100と、ゲート駆動部150と、データ駆動部170と、電源供給部200とを含む。
【0016】
表示パネル100は、画像を表示する表示領域DA及び表示領域DAを囲む周辺領域PAに区分される。また、表示パネル100は、カラーフィルタ基板110と、カラーフィルタ基板110と対向するアレイ基板120と、カラーフィルタ基板110とアレイ基板120との間に介在される液晶119とを含む。
【0017】
カラーフィルタ基板110は、第1ベース基板111と、カラーフィルタ113と、共通電極115とを含む。カラーフィルタ基板110は、アレイ基板120と結合し、第1ベース基板111上に具備されたカラーフィルタ113と共通電極115とを含む。カラーフィルタ113は、赤、緑、青の色画素からなる。共通電極115は、カラーフィルタ基板110の全面に形成され、外部から共通電圧Vcomを供給される。
【0018】
アレイ基板120の表示領域DAには、複数の画素がマトリックス形態に具備される。具体的には、表示領域DAには、第2ベース基板121上に複数のゲートラインGL1〜GLm、及び複数のデータラインDL1〜DLnが具備される。複数のゲートラインGL1〜GLmは、第1方向に延長され、互いに一定の間隔に配列される。複数のデータラインDL1〜DLnは、第1方向に直交する第2方向に延長され、互いに一定の間隔に配列される。複数のゲートラインGL1〜GLmと複数のデータラインDL1〜DLnとは、互いに異なる層に具備され、互いに絶縁して交差する。
【0019】
ゲートラインGL1〜GLmとデータラインDL1〜DLnとによって表示領域DAには、複数の画素領域が定義される。各画素領域には、一つの画素が配置され、各画素は、薄膜トランジスタ128、及び薄膜トランジスタ128に接続されて共通電極115と電界を形成して液晶コンデンサClcを形成する画素電極132を含む。
【0020】
薄膜トランジスタ128は、第2ベース基板121上に具備されたゲート電極122と、ゲート電極122上に具備された絶縁層123と、絶縁層123上にゲート電極122と重なって具備された半導体層124と、絶縁層123と半導体層124上に具備されたソース電極125とドレイン電極126とを含む。また、薄膜トランジスタ128は、保護層129によって絶縁され、外部の衝撃から保護される。画素電極132は、保護層129を貫通して形成された第1コンタクトホール131を通じてドレイン電極126に接続される。
【0021】
アレイ基板120の周辺領域PAは、ゲート駆動部150が具備された第1セクション141と、データ駆動部170が接続される第2セクション143と、表示領域DAを介在して第1セクション141に対向する第3セクション145とを含む。また、周辺領域PAには、共通電圧ライン130と、導電性スペーサー135が具備される。
【0022】
共通電圧ライン130は、表示領域DAを囲んで配置される。共通電圧ライン130は、第1セクション141でゲートラインGL1〜GLmと交差するように配置される。共通電圧ライン130は、データラインDL1〜DLnと同一の層に配置される。例えば、共通電圧ライン130は、絶縁層123を間に介在させてj番目ゲートラインGLjと交差し、1番目データラインDL1と平行に配置される。共通電圧ライン130に対する追加説明は後述する。
【0023】
導電性スペーサー135は、アレイ基板120とカラーフィルタ基板110の間に介在される。例えば、導電性スペーサー135は、共通電圧ライン130と重なって、共通電圧ライン130と接続するパッド電極134上に7個が配置されてもよい。ここで、パッド電極134は、保護層129に形成された第2コンタクトホール133を通じて共通電圧ライン130と接続され、画素電極132と同一の層に形成される。導電性スペーサー135は、多角形の柱状形態を有する導電性物質からなり、パッド電極134と共通電極115とを電気的に接続する。
【0024】
ゲート駆動部150は、第1セクション141に形成されるアモルファスシリコントランジスタ(amorphous silicon transistor)を含んでもよい。ゲート駆動部150は、薄膜トランジスタ128とともにアレイ基板120上に直接形成されてもよい。ゲート駆動部150は、周辺領域PAに具備され、ゲートラインGL1〜GLmにゲートオン電圧とゲートオフ電圧を含むゲート信号を順次に印加する。
【0025】
データ駆動部170は、一つのチップからなり、フレキシブル回路フィルム180に実装される。
【0026】
データ駆動部170は、フレキシブル回路フィルム180を通じて第2セクション143に具備されたデータラインDL1〜DLnに接続される。ここで、フレキシブル回路フィルム180は、柔軟性のある材質からなり、信号を伝達するための複数の配線を含む。データ駆動部170は、複数のデータラインDL1〜DLnにデータ信号を供給する。また、データ駆動部170は、画素電極132にデータ信号の極性を反転させて供給してもよい。
【0027】
電源供給部200は、印刷回路基板190に実装されてデータ駆動部170が実装されたフレキシブル回路フィルム180と電気的に接続される。電源供給部200は、フレキシブル回路フィルム180を通じて共通電圧ライン130に直流電圧の共通電圧Vcomを供給する。また、電源供給部200は、ゲート駆動部150とデータ駆動部170に駆動電圧を供給してもよい。電源供給部200を実装する印刷回路基板190は、信号を伝達するための配線とフレキシブル回路フィルム180が接続されるパッド電極を含んでもよい。
【0028】
本発明の一実施形態に係る表示装置10は、アレイ基板120の周辺領域PAに具備されたフィードバックライン210と、電源供給部200に補償信号を供給する共通電圧補償部220とをさらに含んでもよい。
【0029】
フィードバックライン210は、周辺領域PAに具備されてフィードバック導電性スペーサー205と接続される。フィードバックライン210は、共通電圧ライン130と同一の層に形成されてフレキシブル回路フィルム180と接続される。フィードバックライン210は、フィードバックされる共通電圧Vcomを共通電圧補償部220に供給する。
【0030】
共通電圧補償部220は、フィードバックライン210からフィードバック共通電圧VcomFの供給を受けてフィードバック共通電圧VcomFに含まれたリップル成分を抽出する。また、共通電圧補償部220は、リップル成分と反対の位相を有する補償信号を電源供給部200に供給する。これによって、電源供給部200は、補償された共通電圧Vcomを出力することができる。共通電圧補償部220は、電源供給部200のうちに具備されてもよい。
【0031】
以下では、表示装置10において共通電極115に異なる共通電圧Vcomが印加されることを詳細に説明する。
【0032】
共通電極115は、表示パネル100に発生するキックバック電圧(kick back voltage)の差に対応して、異なる共通電圧Vcomが印加される。
【0033】
キックバック電圧は、薄膜トランジスタ128でゲート電極122とドレイン電極126との間の寄生キャパシタンス(parasitic capacitance)によって、データ信号の電圧シフト(voltage shift)が発生し、この際に発生するデータ信号の電圧差を意味する。キックバック電圧は、式1のように示すことができる。
【数1】
【0034】
式1で、Vkはキックバック電圧であり、Cgdはゲート電極122とドレイン電極126の間の寄生キャパシタンスである。また、式1で、CLcは液晶キャパシタンスであり、Vonはゲートオン電圧であり、Voffはゲートオフ電圧である。
【0035】
ゲートラインGL1〜GLmにおいて、ゲートオン電圧Vonは、第1セクション141から遠くなるほど、抵抗と寄生キャパシタンスによって減少する。これによって、ゲートオン電圧Vonとゲートオフ電圧Voffの差は、ゲートラインGL1〜GLmにおいて、第1セクション141から遠くなるほど小さくなる。従って、キックバック電圧Vkは、ゲートオン電圧Vonとゲートオフ電圧Voffの差に比例するので、第1セクション141に配置されたゲートラインGL1〜GLmの第1端部より、第3セクション145に隣接して配置されたゲートラインGL1〜GLmの第2端部の方が、キックバック電圧Vkが相対的に小さくなる。
【0036】
共通電圧Vcomは、キックバック電圧Vkによって発生するフリッカー現象を防止するために、第1セクション141と第3セクション145とで、互いに異なる電圧となるように印加される。キックバック電圧Vkが大きい第1セクション141では、低い共通電圧Vcomが印加され、キックバック電圧Vkが小さい第3セクション145では、高い共通電圧Vcomが印加される。キックバック電圧Vkが小さい第3セクション145に、高い共通電圧Vcomが印加されることによって、寄生キャパシタンスCgdのカップリング効果が減り、フリッカー現象を減少させることができる。
【0037】
共通電圧ライン130は、キックバック電圧Vkに対応する共通電圧Vcomを印加するために第2セクション143に配置される第1端部が電源供給部200と接続される。また、共通電圧ライン130は、表示領域DAを囲んで第3セクション145及び第1セクション141に延長されて、第2端部は電源供給部200と隣接した第2セクション143に配置される。共通電圧Vcomは、第1端部から第2端部にかけて印加されるにつれて、共通電圧ライン130の抵抗と寄生キャパシタンスによって徐々に減少する。これによって、共通電圧ライン130は、導電性スペーサー135を経由して共通電極115に、異なる共通電圧Vcomを印加することができる。
【符号の説明】
【0038】
10 表示装置
100 表示パネル
110 カラーフィルタ基板
119 液晶
120 アレイ基板
128 薄膜トランジスタ
130 共通電圧ライン
135 導電性スペーサー
141 第1セクション
143 第2セクション
145 第3セクション
150 ゲート駆動部
170 データ駆動部
180 フレキシブル回路フィルム
190 印刷回路基板
200 電源供給部
205 フィードバック導電性スペーサー
210 フィードバックライン
220 共通電圧補償部
図1
図2
図3