(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(液晶表示装置の場合の例1)
2.変形例
変形例1(液晶表示装置の場合の例2:レンズ部材側に出射側偏光板を設けた例)
変形例2(液晶表示装置の場合の例3:レンズ部材を外装部材で支持する例)
変形例3(液晶表示装置の場合の例4:レンズ部材が液晶レンズからなる例1)
変形例4(液晶表示装置の場合の例5:レンズ部材が液晶レンズからなる例2)
変形例5(有機EL(Electro Luminescence)表示装置の場合の例1)
変形例6(有機EL表示装置の場合の例2:レンズ部材が液晶レンズからなる例)
変形例7(レンズ部材の全ての端辺側にレンズ機能部を設けた例)
3.適用例(表示装置の電子機器への適用例)
4.その他の変形例
【0014】
<実施の形態>
[液晶表示装置1の構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る表示装置(液晶表示装置1)の外観構成を斜視図で模式的に表したものである。また、
図2は、この液晶表示装置1における断面構成例(
図1中におけるII−II線に沿った矢視断面構成例)を表したものである。
【0015】
図1に示したように、液晶表示装置1は、背面(裏面)側から観察面(表示面,前面)側に向かって、バックライト10、液晶表示パネル11およびレンズ部材12をこの順に備えている。液晶表示装置1はまた、
図2に示したように、液晶表示パネル11とレンズ部材12との間に、樹脂層13を備えている。
【0016】
バックライト10は、液晶表示パネル11の背面側に配設されており、液晶表示パネル11に向けて光を照射する光源部である。このようなバックライト10は、例えば、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp:冷陰極蛍光ランプ)やLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等の光源と、各種の光学シートとを含んで構成されている(いずれも図示せず)。
【0017】
(液晶表示パネル11)
液晶表示パネル11は、液晶素子を用いて構成された表示パネルであり、
図1に示したように、複数の画素(図示せず)を含む有効表示領域11aと、この有効表示領域11aの外縁(周縁)に位置する額縁領域(非表示領域)11bとを有している。この液晶表示パネル11はまた、背面側(バックライト10側)から観察面側(レンズ部材12側)に向かって、偏光板111A(入射側偏光板)と、基板110Aと、液晶層112aおよび遮光膜112bと、基板110Bと、偏光板111B(出射側偏光板)とを有する積層構造となっている(
図2参照)。
【0018】
基板110A,110B(一対の基板)はそれぞれ、光透過性を有する基板であり、例えばガラス基板等を用いて構成されている。基板110Aは、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等の素子や配線(いずれも図示せず)が形成されたTFT基板として機能する。一方、基板110Bは、カラーフィルタ(CF:Color Filter)やブラックマトリクス(BM)が形成されたCF基板として機能する。
【0019】
偏光板111A,111Bはそれぞれ、入射光のうちの特定の偏光成分を選択的に透過させると共に他の偏光成分を吸収する機能を有する光学素子である。これらの偏光板111A,111Bは、互いの透過軸同士が直交するように配置される(クロスニコル配置)か、あるいは、互いの透過軸同士が平行となるように配置される(パラレルニコル配置)。
【0020】
液晶層112aは、基板110A,110B間に挿設されており、有効表示領域11aにおいて液晶素子を構成するようになっている。遮光膜112bは、額縁領域11bに配設されている。なお、この額縁領域11bには、例えば各種の周辺回路(駆動回路等)が形成されている。
【0021】
樹脂層13は、液晶表示パネル11とレンズ部材12とを互いに貼り合わせるための接着層として機能するものであり、例えばアクリル等の樹脂材料からなる。なお、このような樹脂層13の代わりに、液晶表示パネル11とレンズ部材12との間に空気層(ギャップ層)を設けるようにしてもよく、以下同様である。
【0022】
(レンズ部材12)
レンズ部材12は、液晶表示パネル11の観察面側に配設されており、少なくとも周縁領域(外端領域)の一部分にレンズ機能部12aを有している。具体的には、本実施の形態では、レンズ部材12における4つの端辺のうちの1つの端辺側に、凸レンズとして機能するレンズ機能部12aが形成されている(
図1参照)。このレンズ部材12は、例えば、BK7等の光学ガラス材料や、アクリル,ポリカーボネートなどの樹脂材料により構成されている。
【0023】
また、本実施の形態では、レンズ部材12におけるレンズ機能部12a側の外形線が、液晶表示パネル11における額縁領域11bの外形線よりも外側に配置されている(
図2参照)。換言すると、レンズ部材12におけるレンズ機能部12a側の外端が、液晶表示パネル11全体(有効表示領域11aおよびと額縁領域11bの双方)の外端(外形)よりも外側に位置するように、レンズ部材12が配置されている。
【0024】
[液晶表示装置1の製造方法]
この液晶表示装置1は、例えば次のようにして製造することができる。すなわち、まず、前述した有効表示領域11aおよび額縁領域11bを有する液晶表示パネル11を形成する。具体的には、ガラス基板等を用いて、TFT基板としての基板110AおよびCF基板としての基板110Bをそれぞれ形成したのち、これらの基板110A,110B間に液晶を注入することにより、液晶層112aを形成する。また、基板110A,110B間における額縁領域11bに、遮光膜112bを形成する。このようにして、液晶表示パネル11が形成される。
【0025】
次いで、液晶表示パネル11の背面側にバックライト10を配置すると共に、液晶表示パネル11の観察面側に、レンズ機能部12aを有するレンズ部材12を形成する。具体的には、そのようなレンズ部材12を、例えばアクリル等を用いて形成したのち、樹脂層13を介してこのレンズ部材12と液晶表示パネル11とを互いに貼り合わせる。その際、前述したように、レンズ部材12におけるレンズ機能部12a側の外形線を、液晶表示パネル11における額縁領域11bの外形線よりも外側に配置するようにする。以上により、
図1および
図2に示した液晶表示装置1が完成する。
【0026】
[液晶表示装置1の作用・効果]
(基本動作)
この液晶表示装置1では、
図1および
図2に示したように、バックライト10から出射された光(例えば、照明光L10,L20)が、駆動回路(図示せず)による制御に従って、液晶表示パネル11において画素ごとに変調される。これにより、液晶表示パネル11における観察面側から表示光L1(例えば、表示光L11,L12)が出射され、レンズ部材12へ入射する。そして、この表示光L2(L11,L12)は、レンズ部材12から表示光L2(例えば、表示光L12,L22)として外部へ出射される。このようにして、液晶表示装置1において映像表示がなされる。
【0027】
この際、
図2に示したように、有効表示領域11aのうちの額縁領域11b側から出射された表示光L11,L21は、レンズ部材12におけるレンズ機能部12aによって光路変換されたのち、表示光L12,L22として外部に出射される。具体的には、レンズ部材12における外側方向に向かってレンズ部材12へ斜方入射した表示光L11,L21が、レンズ機能部12aにおいて屈折されることにより、液晶表示装置1の厚み方向(垂直方向)に光路変換され、観察者側に出射される。このようにして、観察者にとっては、額縁領域11bにおいても表示光が出射されるように見えるため、擬似的な狭額縁化作用がなされる。
【0028】
(比較例)
ここで、
図3は、比較例に係る表示装置(液晶表示装置101)の断面構成を模式的に表したものである。この比較例の液晶表示装置101は、本実施の形態の液晶表示装置1と同様に、背面側から観察面側に向かって、バックライト10、液晶表示パネル11、樹脂層13およびレンズ部材12をこの順に備えている。
【0029】
ただし、この液晶表示装置101では液晶表示装置1とは異なり、レンズ部材12におけるレンズ機能部12a側の外形線が、液晶表示パネル11における額縁領域11b上に位置するように、レンズ部材12が配置されている。換言すると、レンズ部材12におけるレンズ機能部12a側の外形線が、液晶表示パネル11における有効表示領域11aの外形線よりは外側に配置されているものの、額縁領域11bの外形線よりは内側に配置されている。
【0030】
このため、液晶表示装置101では、レンズ部材12における外側方向に向かってレンズ部材12へ斜方入射した表示光の一部(例えば、
図3中に示した表示光L21)が、レンズ部材12におけるレンズ機能部12aではなく、レンズ部材12の側面側で屈折されてしまう。これにより、有効表示領域12a内の額縁領域12b側から出射された表示光の一部(例えば表示光L21)が、液晶表示装置1の厚み方向(垂直方向)には光路変換されず、液晶表示装置101の外側に向かって出射されることになる。すなわち、レンズ部材12(レンズ機能部12a)において光路変換された表示光が、有効表示領域11a内の出射元の領域によっては、観察者側に到達しにくくなる。その結果、観察者にとっては、額縁領域11bの一部(外縁側の一部)の領域(ここでは、
図3中に示した領域101b)が、暗く見える領域となってしまう。つまり、この液晶表示装置101では、レンズ部材12(レンズ機能部12a)を用いた擬似的な狭額縁化の効果が、不十分となってしまう。
【0031】
(本実施の形態の作用)
これに対して本実施の形態の液晶表示装置1では、
図2に示したように、レンズ部材12におけるレンズ機能部12a側の外形線が、液晶表示パネル11における額縁領域11bの外形線よりも外側に配置されている。換言すると、レンズ部材12におけるレンズ機能部12a側の外端が、液晶表示パネル11全体(有効表示領域11aおよびと額縁領域11bの双方)の外端よりも外側に位置するように、レンズ部材12が配置されている。
【0032】
これにより、有効表示領域11a内の額縁領域11b側から出射された表示光(ここでは表示光L11,L21)が、レンズ機能部12aによって観察者側に光路変換され易くなる。すなわち、上記比較例とは異なり、レンズ部材12(レンズ機能部12a)において光路変換された表示光が、有効表示領域11a内の出射元の領域によらず、全体として観察者側に到達し易くなる。このため、本実施の形態では、表示光の一部(例えば表示光L21)が観察者側に到達しにくい比較例と比べ、レンズ機能部12aによる擬似的な狭額縁化作用が強まることになる(額縁領域11b内に暗く見える領域が存在しにくくなる)。
【0033】
以上のように本実施の形態では、レンズ部材12におけるレンズ機能部12a側の外形線を、表示パネル11における額縁領域11bの外形線よりも外側に配置するようにしたので、有効表示領域11aから出射された表示光を、全体として観察者側に到達し易くすることができる。よって、レンズ機能部12aによる擬似的な狭額縁化作用を強めることができ、従来と比べてより狭額縁化を図ることが可能となる。
【0034】
また、例えば、液晶表示装置1内に複数の液晶表示パネル11を並設して用いる場合などにも、隣接する液晶表示パネル11間での繋ぎ目(液晶表示パネル11間の額縁領域)を見えにくくすることができ、その場合には高画質化を図ることも可能となる。
【0035】
<変形例>
続いて、上記実施の形態の変形例(変形例1〜7)について説明する。なお、上記実施の形態と同一の構成要素については同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0036】
[変形例1]
図4は、変形例1に係る表示装置(液晶表示装置1A)の断面構成例を模式的に表したものである。本変形例の液晶表示装置1Aは、背面側から観察面側に向かって、バックライト10、液晶表示パネル11A、樹脂層13、偏光板111Bおよびレンズ部材12をこの順に備えている。また、液晶表示パネル11Aは、背面側から観察面側に向かって、偏光板111Aと、基板110Aと、液晶層11aおよび遮光層11bと、基板110Bとを有している。
【0037】
すなわち、この液晶表示装置1Aは、上記実施の形態の液晶表示装置1において、出射側の偏光板111Bを、液晶表示パネル11内(基板110Bと樹脂層13との間)の代わりに、樹脂層13とレンズ部材12との間に配設させたものであり、他の構成は同様となっている。具体的には、ここでは偏光板111Bは、レンズ部材12の背面側(液晶表示パネル11側)に貼設(接合)されている。
【0038】
このような構成により本変形例の液晶表示装置1Aでは、上記実施の形態における効果に加え、以下の効果を得ることが可能となる。すなわち、本変形例では、偏光板111Bがレンズ部材12の背面側に貼設されることにより、偏光板111Bの外形線が液晶表示パネル11Aの外形線よりも外側に位置することになる。このため、本変形例では上記実施の形態と比べ、偏光板111Bを配置する際の位置ずれの許容度を大きくすることができ、この偏光板111Bの貼り合わせ公差分、更に狭額縁化を図ることが可能となる。
【0039】
[変形例2]
図5は、変形例2に係る表示装置(液晶表示装置1B)の外観構成を斜視図で模式的に表したものである。また、
図6(A),(B)はそれぞれ、この液晶表示装置1Bにおける断面構成例(
図5中におけるIII−III線に沿った矢視断面構成例)を表したものである。
【0040】
本変形例の液晶表示装置1Bは、
図5に示したように、上記実施の形態の液晶表示装置1または上記変形例1の液晶表示装置1Aにおいて、液晶表示パネル11または液晶表示パネル11Aの周囲の少なくとも一部に、外装部材(筺体,枠体)14を更に設けたものとなっている。なお、このような外装部材14は、例えばアルミニウムやステンレス等の金属材料などにより構成されている。
【0041】
具体的には、
図6(A)に示した液晶表示装置1Bの例では、その背面側から観察面側に向かって、バックライト10、液晶表示パネル11、樹脂層13およびレンズ部材12がこの順に設けられている。また、バックライト10の外端領域上の一部に、外装部材14が配設(立設)されている。換言すると、外装部材14はバックライト10に対して物理的に接続(連結)されている。そして、レンズ機能部12aの外端領域において、レンズ部材12が外装部材14によって支持されている。すなわち、
図6(A)に示した液晶表示装置1Bは、液晶表示装置1において外装部材14を更に設けたものに対応している。
【0042】
また、
図6(B)に示した液晶表示装置1Bの例では、その背面側から観察面側に向かって、バックライト10、液晶表示パネル11A、樹脂層13、偏光板111Bおよびレンズ部材12がこの順に設けられている。そして、
図6(A)の例と同様に、レンズ機能部12aの外端領域において、レンズ部材12が外装部材14によって支持されている。すなわち、
図6(B)に示した液晶表示装置1Bは、液晶表示装置1Aにおいて外装部材14を更に設けたものに対応している。
【0043】
このようにして本変形例の液晶表示装置1Bでは、レンズ機能部12aの外端領域において、レンズ部材12が外装部材14によって支持されているようにしたので、液晶表示装置1,1Aにおける効果に加え、以下の効果を得ることが可能となる。すなわち、額縁領域11bに亘ってレンズ部材12を配置すると、物理的な狭額縁化の観点からは、レンズ部材12を支持するスペースを確保しにくくなるため、液晶表示装置における機械的な強度が低下してしまうおそれがある。具体的には、液晶表示パネル11が撓んだときなどに、実用上の強度低下の問題が生じ易くなる。したがって、元々設けられている外装部材14をレンズ部材12の支持部材としても機能させることによって、専用の支持部材を別途設けることなく(部材コストを増加させることなく)、液晶表示装置1Bにおける機械的な強度を向上させることが可能となる。
【0044】
[変形例3]
図7(A),(B)はそれぞれ、変形例3に係る表示装置(液晶表示装置1C)の断面構成例を模式的に表したものである。本変形例の液晶表示装置1Cは、上記実施の形態の液晶表示装置1または上記変形例1の液晶表示装置1Aにおいて、光学ガラス等を用いて構成されたレンズ部材12の代わりに、液晶レンズを用いて構成されたレンズ部材12Cを設けたものに対応し、他の構成は同様となっている。
【0045】
具体的には、
図7(A)に示した液晶表示装置1Cの例では、その背面側から観察面側に向かって、バックライト10、液晶表示パネル11、樹脂層13およびレンズ部材12Cがこの順に設けられている。すなわち、
図7(A)に示した液晶表示装置1Cは、液晶表示装置1においてレンズ部材12の代わりにレンズ部材12Cを設けたものに対応している。
【0046】
一方、
図7(B)に示した液晶表示装置1Cの例では、その背面側から観察面側に向かって、バックライト10、液晶表示パネル11A、樹脂層13、偏光板111Bおよびレンズ部材12Cがこの順に設けられている。すなわち、
図7(B)に示した液晶表示装置1Cは、液晶表示装置1Aにおいてレンズ部材12の代わりにレンズ部材12Cを設けたものに対応している。
【0047】
(レンズ部材12C)
レンズ部材12Cは、上記したように液晶レンズ(例えば、後述する紫外線硬化型の液晶レンズ)を用いて構成されており、その背面側から観察面側に向かって、基板120A、液晶層121および基板120Bをこの順に有している。換言すると、レンズ部材12Cは、一対の基板120A,120B間に液晶層121を挟持した構成となっている。
【0048】
基板120A,120Bはそれぞれ、光透過性を有する基板であり、例えばガラス基板等からなる。液晶層121は、所定の方向に配向された液晶分子を含んで構成されており、例えば紫外線硬化型の液晶レンズの場合、紫外線硬化型のポリマーが、液晶分子とともに設けられている。
【0049】
このような構成のレンズ部材12Cは、例えば紫外線硬化型の液晶レンズの場合、以下のようにして製造することが可能である。すなわち、まず、基板120A,120B上にそれぞれ配設された電極(図示せず)間に所定の電圧を印加することにより、液晶層121内の各液晶分子を所定の方向に配向させる。次いで、その状態において、液晶層121に対して紫外線を照射することにより、液晶層121内の各ポリマーを硬化させ、各液晶分子の配向方向を固定させる(上記電極間に電圧を印加しない状態においても、各液晶分子の配向状態が変化しなくなる)。以上により、紫外線硬化型の液晶レンズを用いたレンズ部材12Cが製造される。
【0050】
ここで、例えば
図8(A)中の左側に示したレンズ部材12Cでは、レンズ部材12Cの外端側から内部方向に向かって、液晶分子LCが垂直配向から水平配向へと徐々に変化する配向構造となっている。このような配向構造の場合、
図8(A)中の右側に示したように、レンズ部材12Cが凸レンズとして機能する。
【0051】
一方、例えば
図8(B)中の左側に示したレンズ部材12Cでは、レンズ部材12Cの外端側から内部方向に向かって、液晶分子LCが水平配向から垂直配向へと徐々に変化する配向構造となっている。このような配向構造の場合、
図8(B)中の右側に示したように、レンズ部材12Cが凹レンズとして機能する。
【0052】
このような構成のレンズ部材12Cが設けられた本変形例の液晶表示装置1Cにおいても、レンズ部材12Cにおけるレンズ機能部12a側の外形線が、表示パネル11における額縁領域11bの外形線よりも外側に配置されている。したがって、上記実施の形態または変形例1と同様の作用により、同様の効果を得ることが可能である。
【0053】
[変形例4]
図9(A),(B)はそれぞれ、変形例4に係る表示装置(液晶表示装置1D)の断面構成例を模式的に表したものである。本変形例の液晶表示装置1Dは、上記変形例3の液晶表示装置1Cにおいて、上記変形例2で説明した外装部材14を更に設けたものに対応し、他の構成は同様となっている。
【0054】
具体的には、
図9(A)に示した液晶表示装置1Dの例では、その背面側から観察面側に向かって、バックライト10、液晶表示パネル11、樹脂層13およびレンズ部材12Cがこの順に設けられている。そして、レンズ機能部12aの外端領域において、レンズ部材12Cが外装部材14によって支持されている。すなわち、
図9(A)に示した液晶表示装置1Dは、
図7(A)に示した液晶表示装置1Cにおいて外装部材14を更に設けたものに対応している。
【0055】
また、
図9(B)に示した液晶表示装置1Dの例では、その背面側から観察面側に向かって、バックライト10、液晶表示パネル11A、樹脂層13、偏光板111Bおよびレンズ部材12Cがこの順に設けられている。そして、
図9(A)の例と同様に、レンズ機能部12aの外端領域において、レンズ部材12Cが外装部材14によって支持されている。すなわち、
図9(B)に示した液晶表示装置1Dは、
図7(B)に示した液晶表示装置1Cにおいて外装部材14を更に設けたものに対応している。
【0056】
このようにして本変形例の液晶表示装置1Dでは、レンズ機能部12aの外端領域において、レンズ部材12Cが外装部材14によって支持されているようにしたので、上記変形例2と同様の作用により同様の効果を得ることが可能となる。
【0057】
[変形例5]
(有機EL表示装置2の構成)
図10(A),(B)はそれぞれ、変形例5に係る表示装置(有機EL表示装置2)の断面構成例を模式的に表したものである。本変形例では、これまで説明した液晶表示装置の代わりに、表示装置の一例として有機EL表示装置が用いられている。
【0058】
具体的には、
図10(A)に示した有機EL表示装置2の例では、その背面側から観察面側に向かって、外装部材24、有機EL表示パネル21、樹脂層13およびレンズ部材12がこの順に設けられている。そして、レンズ機能部12aの外端領域において、レンズ部材12が外装部材14によって支持されている。すなわち、
図10(A)に示した有機EL表示装置2は、
図6(A)に示した液晶表示装置1Bにおいて、液晶表示パネル11の代わりに有機EL表示パネル21を設けたものに対応している。
【0059】
外装部材24は、有機EL表示パネル21の背面側に配設されており、この外装部材24の外縁領域と接続(連結)するように、外装部材14が配設(立設)されている。このような構成により、有機EL表示パネル21が、外装部材14および外装部材24によって収容されるようになっている。すなわち、ここでは、外装部材14および外装部材24が、有機EL表示パネル21の筺体として機能している。なお、このような外装部材24もまた、例えばアルミニウムやステンレス等の金属材料などにより構成されている。
【0060】
有機EL表示パネル21は、有機EL素子を用いて構成された表示パネルであり、液晶表示パネル11と同様に、複数の画素(図示せず)を含む有効表示領域11aと、この有効表示領域11aの外縁に位置する額縁領域11bとを有している。この有機EL表示パネル21はまた、背面側(外装部材24側)から観察面側(レンズ部材12側)に向かって、基板210Aと、有機EL層212aおよび遮光膜112bと、基板110Bと、偏光板111Bとを有する積層構造となっている。なお、偏光板111Bは、ここでは外光反射を抑制するために用いられており、場合によっては設けられていなくてもよい。
【0061】
基板210Aは、ここでは光反射性を有する基板(TFT基板)であり、例えば半導体基板やガラス基板等を用いて構成されている。有機EL層212aは、基板210A,110B間に挿設されており、有効表示領域11aにおいて有機EL素子を構成するようになっている。具体的には、有機EL層212aは、発光層を含む有機層(例えば、正孔入入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層からなる複数の有機層の積層構造)からなる。
【0062】
一方、
図10(B)に示した有機EL表示装置2の例では、その背面側から観察面側に向かって、外装部材24、有機EL表示パネル21C、樹脂層13、偏光板111Bおよびレンズ部材12がこの順に設けられている。そして、
図10(A)の例と同様に、レンズ機能部12aの外端領域において、レンズ部材12が外装部材14によって支持されている。すなわち、
図10(B)に示した有機EL表示装置2は、
図6(B)に示した液晶表示装置1Bにおいて、液晶表示パネル11Aの代わりに有機EL表示パネル21Cを設けたものに対応している。
【0063】
有機EL表示パネル21Cは、上記した有機EL表示パネル12において、偏光板111Bを設けないようにした構成に対応している。これは上記したように、樹脂層13とレンズ部材12との間に偏光板111Bが配設されているためである。すなわち、ここでは偏光板111Bは、レンズ部材12の背面側(有機EL表示パネル21C側)に貼設されている。
【0064】
(有機EL表示装置2の製造方法)
ここで、このような構成の有機EL表示装置2は、例えば以下のようにして製造することが可能である。すなわち、まず、前述した有効表示領域11aおよび額縁領域11bを有する、有機EL表示パネル21または有機EL表示パネル21Cを形成する。次いで、この有機EL表示パネル21または有機EL表示パネル21Cを、外装部材14および外装部材21によって収容させると共に、有機EL表示パネル21または有機EL表示パネル21Cの観察面側に、レンズ機能部12aを有するレンズ部材12を形成する。その際、本変形例においても、レンズ部材12におけるレンズ機能部12a側の外形線を、有機EL表示パネル21,21Cにおける額縁領域11bの外形線よりも外側に配置するようにする。以上により、
図10(A),(B)に示した有機EL表示装置2が完成する。
【0065】
(有機EL表示装置2の作用・効果)
本変形例の有機EL表示装置2では、駆動回路(図示せず)による制御に従って、有機EL表示パネル21または有機EL表示パネル21Cにおける観察面側から発光光(例えば、表示光L11,L21)が出射され、レンズ部材12へ入射する。そして、この表示光L11,L12は、レンズ部材12から表示光L12,L22として外部へ出射される。このようにして、有機EL表示装置2において映像表示がなされる。
【0066】
ここで、本変形例においても上記実施の形態等と同様に、レンズ部材12におけるレンズ機能部12a側の外形線を、有機EL表示パネル21,21Cにおける額縁領域11bの外形線よりも外側に配置するようにしたので、同様の作用により同様の効果を得ることが可能となる。
【0067】
また、本変形例においても、レンズ機能部12aの外端領域において、レンズ部材12が外装部材14によって支持されているようにしたので、上記実施の形態等と同様の作用により同様の効果を得ることが可能となる。
【0068】
なお、本変形例では外装部材14が設けられている場合について説明したが、上記実施の形態と同様に、そのような外装部材14が設けられていないようにしてもよい。
【0069】
[変形例6]
図11(A),(B)はそれぞれ、変形例6に係る表示装置(有機EL表示装置2A)の断面構成例を模式的に表したものである。本変形例の有機EL表示装置2Aは、上記変形例5の有機EL表示装置2において、レンズ部材12の代わりに上記変形例3で説明したレンズ部材12Cを設けたものに対応し、他の構成は同様となっている。
【0070】
具体的には、
図11(A)に示した有機EL表示装置2Aの例では、その背面側から観察面側に向かって、外装部材24、有機EL表示パネル21、樹脂層13およびレンズ部材12Cがこの順に設けられている。レンズ機能部12aの外端領域において、レンズ部材12Cが外装部材14によって支持されている。すなわち、
図11(A)に示した有機EL表示装置2Aは、
図10(A)に示した有機EL表示装置2において、レンズ部材12の代わりにレンズ部材12Cを設けたものに対応している。
【0071】
一方、
図11(B)に示した有機EL表示装置2Aの例では、その背面側から観察面側に向かって、外装部材24、有機EL表示パネル21C、樹脂層13、偏光板111Bおよびレンズ部材12Cがこの順に設けられている。そして、レンズ機能部12aの外端領域において、レンズ部材12Cが外装部材14によって支持されている。すなわち、
図11(B)に示した有機EL表示装置2Aは、
図10(B)に示した有機EL表示装置2において、レンズ部材12の代わりにレンズ部材12Cを設けたものに対応している。
【0072】
このような構成のレンズ部材12Cが設けられた本変形例の有機EL表示装置2Aにおいても、上記変形例5と同様の作用により同様の効果を得ることが可能である。
【0073】
なお、本変形例においても外装部材14が設けられている場合について説明したが、上記実施の形態と同様に、そのような外装部材14が設けられていないようにしてもよい。
【0074】
[変形例7]
図12は、変形例7に係る表示装置(液晶表示装置または有機EL表示装置)の外観構成を斜視図で模式的に表したものである。本変形例の表示装置は、上記実施の形態または変形例1〜6で説明した液晶表示装置1(1A〜1D)または有機EL表示装置2(2A)において、レンズ部材12またはレンズ部材12Cの形状を変更したものとなっている。具体的には、本変形例では、レンズ部材12,12Cにおける周縁領域全体(レンズ部材12,12Cの全ての端辺側)に、レンズ機能部12aが形成されている。
【0075】
このように、レンズ部材12における少なくとも周縁領域(外端領域)の一部分であれば、レンズ機能部12aが形成される領域は特に限定されない。具体的には、例えば、レンズ部材12における4つの端辺のうちの2つあるいは3つの端辺側に、レンズ機能部12aが形成されているようにしてもよい。
【0076】
なお、本変形例では、外装部材14が設けられていない場合について説明したが、そのような外装部材14が設けられているようにしてもよい。
【0077】
<適用例>
次に、
図13〜
図17を参照して、上記実施の形態および各変形例(変形例1〜7)に係る表示装置の適用例について説明する。上記実施の形態等に係る表示装置は、テレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、この表示装置は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0078】
(適用例1)
図13は、上記実施の形態等の表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511およびフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510が上記実施の形態等の表示装置により構成されている。
【0079】
(適用例2)
図14は、上記実施の形態等の表示装置が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部521、表示部522、メニュースイッチ523およびシャッターボタン524を有しており、その表示部522が上記実施の形態等の表示装置により構成されている。
【0080】
(適用例3)
図15は、上記実施の形態等の表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体531,文字等の入力操作のためのキーボード532および画像を表示する表示部533を有しており、その表示部533が上記実施の形態等の表示装置により構成されている。
【0081】
(適用例4)
図16は、上記実施の形態等の表示装置が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部541,この本体部541の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ542,撮影時のスタート/ストップスイッチ543および表示部544を有している。そして、その表示部544が上記実施の形態等の表示装置により構成されている。
【0082】
(適用例5)
図17は、上記実施の形態等の表示装置が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750が、上記実施の形態等の表示装置により構成されている。
【0083】
<その他の変形例>
以上、実施の形態および変形例を挙げて本開示の技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。
【0084】
例えば、上記実施の形態等では、レンズ部材におけるレンズ機能部が、主に凸レンズとして機能する場合について説明したが、これには限られず、例えばレンズ機能部が凹レンズとして機能するようにしてもよい。
【0085】
また、上記実施の形態等では、表示パネルの一例として液晶表示パネルまたは有機EL表示パネルを有する表示装置(液晶表示装置または有機EL表示装置)を例に挙げて説明したが、これには限られない。すなわち、本技術は、他の方式の表示パネル(例えば、無機ELパネルやPDP(Plasma Display Panel)など)を有する表示装置にも適用することが可能である。
【0086】
なお、本技術は以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
有効表示領域と、この有効表示領域の外縁に位置する額縁領域とを有する表示パネルと、
前記表示パネルの観察面側に配設され、少なくとも周縁領域の一部分にレンズ機能部を有するレンズ部材と
を備え、
前記レンズ部材における前記レンズ機能部側の外形線が、前記表示パネルにおける前記額縁領域の外形線よりも外側に配置されている
表示装置。
(2)
前記表示パネルの周囲に外装部材が配設され、
前記レンズ機能部の外端領域において、前記レンズ部材が前記外装部材によって支持されている
上記(1)に記載の表示装置。
(3)
前記表示パネルとしての液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルの背面側に配設された光源部と
を備え、
前記外装部材が、前記光源部に接続されている
上記(2)に記載の表示装置。
(4)
前記表示パネルが有機EL表示パネルであり、
前記有機EL表示パネルは、前記外装部材に収容されている
上記(2)に記載の表示装置。
(5)
前記表示パネルが、一対の基板と、前記一対の基板間に挿設された液晶層と、入射側偏光板とを有する液晶表示パネルであり、
前記レンズ部材における前記液晶表示パネル側に、出射側偏光板が貼設されている
上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の表示装置。
(6)
前記レンズ部材が、液晶レンズを用いて構成されている
上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の表示装置。
(7)
前記レンズ機能部が、前記レンズ部材における周縁領域全体に形成されている
上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の表示装置。
(8)
表示装置を備え、
前記表示装置は、
有効表示領域と、この有効表示領域の外縁に位置する額縁領域とを有する表示パネルと、
前記表示パネルの観察面側に配設され、少なくとも周縁領域の一部分にレンズ機能部を有するレンズ部材と
を備え、
前記レンズ部材における前記レンズ機能部側の外形線が、前記表示パネルにおける前記額縁領域の外形線よりも外側に配置されている
電子機器。
(9)
有効表示領域と、この有効表示領域の外縁に位置する額縁領域とを有する表示パネルを形成する工程と、
前記表示パネルの観察面側に、少なくとも周縁領域の一部分にレンズ機能部を有するレンズ部材を形成する工程と
を含み、
前記レンズ部材における前記レンズ機能部側の外形線を、前記表示パネルにおける前記額縁領域の外形線よりも外側に配置する
表示装置の製造方法。