(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ネットワークに接続されており、前記ネットワークにおいて識別子によって相互に識別可能とされた複数のサーバから前記ネットワークに接続された通信端末に提供される第1コンテンツに第2コンテンツを配信する情報配信システムであって、
前記通信端末に前記通信端末を識別する端末識別情報を生成する識別情報生成サーバと、
前記通信端末がアクセスした第1コンテンツの履歴と前記端末識別情報とを紐付けたアクセス履歴を格納するアクセス履歴記憶装置と、
前記第1コンテンツに掲載する第2コンテンツを配信する配信サーバと、
を備え、
前記複数のサーバに含まれる所定のサーバと、前記配信サーバとを含む、所定のアドネットワークが構成されており、
前記第1コンテンツには、前記第1コンテンツにアクセスした通信端末に、前記識別情報生成サーバにアクセスする処理を実行させるスクリプトが設定されており、
前記識別情報生成サーバは、
前記所定のサーバから提供される前記第1コンテンツを経由してアクセスしてきた通信端末を前記配信サーバに接続させるコマンドと、前記生成した前記端末識別情報と、を前記通信端末に送信するように構成されており、
前記配信サーバは、
前記識別情報生成サーバを経由してアクセスしてきた前記通信端末から取得した前記端末識別情報と、前記アクセス履歴記憶装置に格納された前記アクセス履歴と、に基づいて第2コンテンツを選択し、前記通信端末がアクセスした前記所定のサーバから提供される第1コンテンツに掲載するように構成されている情報配信システム。
ネットワークに接続されており、前記ネットワークにおいて識別子によって相互に識別可能とされた複数のサーバから前記ネットワークに接続された通信端末に提供される第1コンテンツに第2コンテンツを配信する情報配信システムであって、
前記通信端末に前記通信端末を識別する第1端末識別情報を生成する識別情報生成サーバと、
前記通信端末を識別する第2端末識別情報を生成するとともに、前記第1コンテンツに掲載する第2コンテンツを配信する配信サーバと、
前記通信端末がアクセスした第1コンテンツの履歴であるアクセス履歴、前記第1端末識別情報、及び前記第2端末識別情報を紐付けて格納するアクセス履歴記憶装置と、
を備え、
前記複数のサーバに含まれる所定のサーバと、前記配信サーバとを含む、所定のアドネットワークが構成されており、
前記所定のサーバから提供される前記第1コンテンツには、前記識別情報生成サーバにアクセスする処理を前記第1コンテンツにアクセスした通信端末に実行させる第1スクリプトと、前記識別情報生成サーバにおいて生成された前記第1端末識別情報を前記配信サーバに送信する処理を前記第1コンテンツにアクセスした通信端末に実行させる第2スクリプトが設定されており、
前記配信サーバは、
前記通信端末から取得した前記第1端末識別情報及び前記第2端末識別情報と、前記アクセス履歴記憶装置に格納された前記アクセス履歴とに基づいて第2コンテンツを選択し、前記通信端末がアクセスした前記所定のサーバから提供される第1コンテンツに掲載するように構成されている情報配信システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る広告配信システムについて、図面を参照して説明する。具体的には、(1)広告配信システムの概略構成、(2)広告配信方法の説明、(3)その他の実施形態、(4)広告配信の応用例について説明する。
【0014】
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
【0015】
(1)広告配信システムの概略構成
図1は、広告配信システム1の概略構成について説明する図である。広告配信システム1は、コンピュータネットワーク10に接続可能な複数のクライアント端末20
1,20
2,…,20
nを備える。クライアント端末20
1,20
2,…,20
nは、例えば、携帯型電話機、パーソナルコンピュータ、デジタルTVなどを含み、クライアント端末20
1,20
2,…,20
nを総称してクライアント端末20と記す。
【0016】
広告配信システム1は、ウェブサーバ30,40を有する。ウェブサーバ30,40には、コンピュータネットワーク上にクライアント端末20によってアクセス可能なコンテンツが格納されたコンテンツ格納部101,102,103…、コンテンツ格納部201,202,203…が接続されている。
【0017】
実施形態では、コンピュータネットワーク10において、ウェブサーバ30,40は、それぞれ、識別子によって相互に識別可能とされている。識別子としては、いわゆるドメインネームがあげられる。実施形態では、コンテンツ格納部101,102,103は、ドメインネームaaa.comを有するウェブサーバ30に接続されている。ウェブサーバ30は、ウェブページに広告などのコンテンツを提供する提供業者Aによって管理される。
【0018】
また、コンテンツ格納部201,202,203は、ドメインネームbbb.comを有するウェブサーバ40に接続されている。ウェブサーバ40は、ウェブページに広告などのコンテンツを提供する提供業者Bによって管理される。
【0019】
コンテンツ格納部101には、ウェブページ111,112,113など…のデータが格納されている。コンテンツ格納部102,103には、ウェブページ111,112,113などに組み込まれる、例えば、映像データ(Flash、MPEG等)、画像データ、テキストデータなどのコンテンツが含まれる。コンテンツ格納部201には、ウェブページ211,212,213など…のデータが格納されている。コンテンツ格納部202,203も同様に、複数のコンテンツが格納されている。
【0020】
コンテンツ格納部101,102,103…,201,202,203…などに格納されるウェブページ111,112,113,211,212,213には、予めスクリプトが組み込まれている。例えば、スクリプトは、HTMLタグとしてウェブサイトを構成するウェブページに組み込まれる。また、HTMLドキュメントの中でジャバスクリプト(JavaScript)のタグとして規定されている。
【0021】
スクリプトは、ウェブページ111,112,113,211,212,213にアクセスしてきたクライアント端末20を、後述する広告配信管理サーバ51に送信させる処理を実行させる。
【0022】
広告配信システム1は、広告配信管理サーバ51と、アクセス履歴データベース(アクセス履歴DB)52とを有する。広告配信管理サーバ51は、クライアント端末20に対して、クライアント端末20を識別する端末識別情報を生成する生成部を有する(不図示)。すなわち、実施形態では、広告配信管理サーバ51は、識別情報生成サーバを構成する。
【0023】
また、広告配信管理サーバ51は、スクリプトが実行されることによって、スクリプトが埋め込まれたウェブページを経由してアクセスしてきたクライアント端末20に対して、クライアント端末20を広告配信サーバ31,41に接続させるコマンドと、生成した端末識別情報とを送信するように構成されている。
【0024】
広告配信システム1は、広告配信サーバ31と、広告配信サーバ41とを有する。広告配信サーバ31,41には、動画像データ、バナーなどの広告コンテンツが格納された広告DB32,42が接続されている。広告配信サーバ31,41は、クライアント端末20によって取得されたウェブページに掲載する広告を選択し、クライアント端末20に送る。
【0025】
実施形態では、端末識別情報として、いわゆるクッキー(cookie)、及びクッキーを識別するクッキーIDが使用される。実施形態では、クッキーを識別するクッキーIDがクライアント端末20に送信される。クッキーIDは、クライアント端末20が広告配信管理サーバ51にアクセスした際に生成され、クライアント端末20に送信される。
【0026】
アクセス履歴DB52には、クライアント端末20がウェブサーバ30,40から提供されるウェブページにアクセスした履歴と、このときウェブサーバ30,40がクライアント端末20に発行したクッキーIDとが紐付けられたアクセス履歴テーブル(
図2(a)、(b)参照)が格納されている。
【0027】
図2(a)には、提供業者Aによって管理されるウェブサーバ30において生成されたクッキーのクッキーIDである、a00001,a00002,…,c00007などが例示されている。
図2(a)に示されたテーブルは、クライアント端末20がウェブサーバ30において提供されるウェブサイトのURLにアクセスした時間と、ウェブサーバ30において作成されたクッキーのクッキーIDとが紐付けされたテーブルになっている。例えば、時間:20100331093005に、URL:videor.jp/ankete.001.htmlにアクセスしたクライアント端末20に対して、クッキーID:a00001を発行したことが示されている。
【0028】
アクセス履歴には、アドネットワークNAにおいて提供される全てのウェブサイト(URL)に対して、アクセスされた時間と、アクセスしたクライアント端末20に対して送信したクッキーとが対応付けされている。
図2(b)には、提供業者Bによって管理されるウェブサーバ40において生成されたクッキーのクッキーIDである、9abcd4,9abcd5,…,7zqpc3,…,6cdfg3などが例示されている。
【0029】
また、アクセス履歴DB52には、クライアント端末20に対してウェブサーバ30において生成されたクッキーIDと、同一のクライアント端末20に対してウェブサーバ40において生成されたクッキーIDとを紐付けたマッチングテーブル(
図2(c)参照)が格納される。
【0030】
実施形態では、アクセス履歴DB52へのAPI(Application Program Interface)は、広告配信サーバ31,41に開示されている。
【0031】
広告配信サーバ31,41は、広告配信管理サーバ51を経由してアクセスしてきたクライアント端末20から取得したクッキーIDと、アクセス履歴DB52に格納されたアクセス履歴とに基づいて、広告DB32,42から広告を選択する。広告配信サーバ31,41は、選択した広告をクライアント端末20がアクセスしたウェブページに掲載する。
【0032】
本実施形態では、ウェブサーバ30、コンテンツ格納部101,102,103、広告配信サーバ31、広告DB32から構成されるネットワークグループをアドネットワーク(AD−Network)NAという。また、ウェブサーバ40、コンテンツ格納部201,202,203、広告配信サーバ41、広告DB42から構成されるネットワークグループをアドネットワークNBという。
【0033】
広告配信サーバ31は、アクセス履歴DB52に格納されたアクセス履歴に基づいて、ウェブページ111,112,113に組み込む広告コンテンツを、広告DB32から選択する。広告配信サーバ41は、アクセス履歴DB52に格納されたアクセス履歴に基づいて、ウェブページ211,212,213に組み込む広告コンテンツを、広告DB42から選択する。
【0034】
具体的には、広告配信サーバ31は、自身のアドネットワークNAにおいて提供されたウェブページ111,112,113,…や、他のアドネットワークNBにおいて提供されるウェブサイトへのクライアント端末20の閲覧履歴、閲覧回数に基づいて、ウェブページ111,112,113に設定された広告表示枠に表示する広告コンテンツを選択するように構成されている。
【0035】
(2)広告配信方法の説明
参考の実施形態では、3通りの広告配信方法が挙げられる。
図3〜
図5を用いて、広告配信方法について説明する。
【0036】
(2−1)第1の広告配信方法
図3は、第1の広告配信方法を説明するシーケンス図である。第1の広告配信方法は、HTTPリダイレクト機能を用いる方法である。第1の広告配信方法を実現する上での前提として、ウェブページ111,112,113,…,211,212,213,…には、アクセスしてきたクライアント端末20を、広告配信管理サーバ51にアクセスさせるスクリプトがタブとして組み込まれている。また、アクセス履歴DB5へのAPI(Application Program Interface)は、広告配信サーバ31,41に開示されている。
【0037】
(2−1−1)広告配信処理
ウェブサイトの閲覧者(視聴者という)がクライアント端末20を操作して、スクリプトが組み込まれたウェブページにアクセスする(S1)。
【0038】
ウェブページを提供するウェブサーバ(例えば、ウェブサーバ30)は、クライアント端末20にリプライとしてウェブページのHTMLデータを送信する(S2)。
【0039】
ウェブページのHTMLデータには、広告を掲載するスペースに当て嵌める広告コンテンツを要求するスクリプトが組み込まれている。スクリプトは、ウェブページにアクセスしてきたクライアント端末20を、広告配信管理サーバ51にアクセスさせる処理である。すなわち、クライアント端末20は、ウェブページにアクセスすると、広告配信管理サーバ51に誘導される(S3)。
【0040】
広告配信管理サーバ51は、スクリプトが組み込まれたウェブページを経由してアクセスしてきたクライアント端末20にクッキーID(X−cookieと表記する)を発行する。本実施形態では、広告配信管理サーバ51には、スクリプトが組み込まれたウェブページを経由してアクセスしてきたクライアント端末20を広告配信サーバ31にアクセスさせるリダイレクトが設定されている。
【0041】
これにより、スクリプトが組み込まれたウェブページを経由して広告配信管理サーバ51にアクセスしてきたクライアント端末20は、リダイレクトにしたがって、広告配信管理サーバ51において発行されたクッキーID(X−cookie)をパラメータとして、広告配信サーバ31にアクセスさせられる(S5)。ここで、クライアント端末20が既にウェブサーバ30にアクセスしたことがある場合には、ウェブサーバ30から発行されたクッキーIDを広告配信サーバ31に送信する。
【0042】
広告配信サーバ31は、クライアント端末20からパラメータとして渡されたクッキーID(X−cookie)を用いて、アクセス履歴DB52に問い合わせる(S6)。広告配信管理サーバ51は、クッキーID(A−cookie)に対応する、ドメインの異なるウェブサーバから発行されたクッキーIDに基づいて、アクセス履歴DB52からアクセス履歴を抽出する(S7,8)。
【0043】
広告配信サーバ31は、抽出されたアクセス履歴に基づいて、アクセス履歴に関連する広告コンテンツを、広告配信サーバ31に接続された広告DB32から選択し、選択した広告コンテンツをクライアント端末20がアクセスしたウェブページに掲載する(S9)。
【0044】
(2−1−2)第1の広告配信方法による作用・効果
第1の広告配信方法によれば、クライアント端末20がウェブサーバ30によって提供されるウェブページにアクセスしたとき、クライアント端末20がアクセスしたウェブページに広告を提供する広告配信サーバ31は、クライアント端末20がウェブサーバ40(すなわち、別のドメインネームによって区別されるウェブサーバ)から提供されたウェブページにアクセスしたアクセス履歴情報を参照して、当該ウェブサーバ30によって提供されるウェブページに提供する広告を選択して、配信することができる。
【0045】
従って、ウェブサイトの視聴者のクライアント端末20において、例えば、ドメインネームなどの識別子によるサーバ間の隔たりなく、より多くのアクセス履歴に基づいて、クライアント端末20に映像データ、画像データ、テキストデータを含むコンテンツや、広告コンテンツを提供できる。すなわち、ネットワークにおけるコンテンツのターゲッティング配信の精度を向上させることができる。
【0046】
なお、第1広告配信方法として、HTTPリダイレクト機能を使用する方法について説明したが、このほかにクッキーリダイレクト手法を使用することもできる。
【0047】
(2−2)第2の広告配信方法
第2の広告配信方法は、HTTPリダイレクト機能を用いる方法であり、第1の広告配信方法のように、アクセスしてきたクライアント端末20を広告配信管理サーバ51にアクセスさせるスクリプトを、ウェブページ111,112,113,…,211,212,213,…に組み込むことが困難な場合に有効である。
【0048】
第2の広告配信方法では、異なるウェブサーバにおいて発行されたクッキーIDを紐付けるための特定のウェブサイト(マッチングページという)を設定し、アクセスしてきたクライアント端末20を広告配信管理サーバ51にアクセスさせるスクリプトを組み込む。なお、第2の広告配信方法でも同様に、アクセス履歴DB5へのAPI(Application Program Interface)は、広告配信サーバ31,41に開示されている。
【0049】
(2−2−1)クッキーIDの紐付け処理
図4は、クッキーIDの紐付け処理を説明するシーケンス図である。クッキーIDの紐付け処理では、ウェブサイトの閲覧者(視聴者という)がクライアント端末20を操作して、スクリプトが組み込まれた特定のウェブページ(例えば、ウェブサーバ30)にアクセスする(S11)。
【0050】
ウェブサーバ30は、クライアント端末20にリプライとして特定ウェブページのHTMLデータを送信する(S12)。
【0051】
クライアント端末20が特定ウェブページにアクセスすると、スクリプトが実行され、広告配信管理サーバ51にビーコンを要求する(S13)。
【0052】
広告配信管理サーバ51は、スクリプトが組み込まれた特定ウェブページを経由してアクセスしてきたクライアント端末20にクッキーID(X−cookieと表記する)を発行する。広告配信管理サーバ51には、スクリプトが組み込まれたウェブページを経由してアクセスしてきたクライアント端末20を広告配信サーバ31にアクセスさせるリダイレクトが設定されている(S14)。
【0053】
これにより、スクリプトが組み込まれたウェブページを経由して広告配信管理サーバ51にアクセスしてきたクライアント端末20は、リダイレクトにしたがって、広告配信管理サーバ51において発行されたX−cookieをパラメータとして、広告配信サーバ31にアクセスさせられる(S15)。
【0054】
広告配信サーバ31は、クライアント端末20にクッキーID(A−cookieという)を発行する(S16)とともに、図示しない情報収集部において、A−cookieと、X−cookieとを紐付けてマッチングテーブルを作成する(S17)。
【0055】
(2−2−2)広告配信処理
図5は、第2の広告配信方法を説明するシーケンス図である。第2の広告配信方法では、
図4の処理によって作成されたマッチングテーブルを用いてクライアント端末20に広告が配信される。
図5では、クライアント端末20がウェブサーバ30によって提供されるウェブサイトにアクセスした場合について説明する。
【0056】
広告ウェブサイトの閲覧者(視聴者という)がクライアント端末20を操作して、スクリプトが組み込まれたウェブページにアクセスする(S21)。
【0057】
ウェブページを提供するウェブサーバ(例えば、ウェブサーバ30)は、クライアント端末20にリプライとしてウェブページのHTMLデータを送信する(S22)。
【0058】
ウェブページのHTMLデータには、広告を掲載するスペースに当て嵌める広告コンテンツを要求するスクリプトが組み込まれており、広告配信サーバ31に広告コンテンツを要求する(S23)。
【0059】
広告配信サーバ31は、クッキーID(A−cookie)に対応するクッキーID(X−cookie、すなわちドメインの異なるウェブサーバから発行されたクッキーID)に関する情報をアクセス履歴DB52に問い合わせる(S24)。広告配信管理サーバ51は、
図2(c)のテーブルに基づいて、アドネットワークNBのクッキーID(ウェブサーバ40において生成されたクッキーID)を検索し、アドネットワークNAのクッキーIDに紐付けられたアドネットワークNBのクッキーIDがある場合には、
図2(b)のテーブルに基づいて、アドネットワークNBにおいて提供されるウェブページに対するクライアント端末20のアクセス履歴をアクセス履歴DB52から抽出する(S25)。
【0060】
広告配信サーバ31は、抽出されたアクセス履歴に基づいて、広告DB32から広告コンテンツを選択し、選択した広告コンテンツをクライアント端末20がアクセスしたウェブページに掲載する(S26)。
【0061】
(2−2−3)第2の広告配信方法による作用・効果
第2の広告配信方法では、ウェブページ111,112,113,…,211,212,213,…の全てに、アクセスしたクライアント端末20を広告配信管理サーバ51にアクセスさせるスクリプトを組み込むことが困難な場合であっても、異なるドメインネームのサーバにおいてそれぞれ取得されたクライアント端末20のアクセス履歴を使用して広告を配信することができる。
【0062】
従って、ウェブサイトの視聴者のクライアント端末20において、例えば、ドメインネームなどの識別子によるサーバ間の隔たりなく、より多くのアクセス履歴に基づいて、クライアント端末20に映像データ、画像データ、テキストデータを含むコンテンツや、広告コンテンツを提供できる。すなわち、ネットワークにおけるコンテンツのターゲッティング配信の精度を向上させることができる。
【0063】
(2−3)第3の広告配信方法
第3の広告配信方法は、第2の広告配信方法同様に、異なるウェブサーバにおいて発行されたクッキーIDを紐付けるための特定のウェブサイト(マッチングページ)を設定し、アクセスしてきたクライアント端末20を広告配信管理サーバ51にアクセスさせるスクリプトを特定のウェブサイトに組み込む。
【0064】
第3の広告配信方法では、ウェブサーバ30,40には、図示しないが、クライアント端末20からウェブサーバ30,40において作成したクッキーIDと、クライアント端末20のウェブページへのアクセス履歴を収集する情報収集サーバが接続されている。
【0065】
なお、第2の広告配信方法でも同様に、アクセス履歴DB5へのAPI(Application Program Interface)は、広告配信サーバ31,41に開示されている。
【0066】
(2−3−1)クッキーIDの紐付け処理
図6は、クッキーIDの紐付け処理を説明するシーケンス図である。クッキーIDの紐付け処理では、ウェブサイトの閲覧者(視聴者という)がクライアント端末20を操作して、スクリプトが組み込まれた特定ウェブページにアクセスする(S31)。
【0067】
ウェブページを提供するウェブサーバ(例えば、ウェブサーバ30)は、クライアント端末20にリプライとして特定ウェブページのHTMLデータを送信する(S32)。
【0068】
クライアント端末20が特定ウェブページにアクセスすると、スクリプトが実行され、広告配信管理サーバ51にビーコンを要求する(S33)。
【0069】
広告配信管理サーバ51は、スクリプトが組み込まれた特定ウェブページを経由してアクセスしてきたクライアント端末20にクッキーID(X−cookieと表記する)を発行する(S34)。
【0070】
クライアント端末20は、X−cookieをパラメータ(変数Y)として、ビーコンを広告配信サーバ41に要求する(S35)。
【0071】
広告配信サーバ41は、リプライとしてクライアント端末20にクッキーID(B−cookieという)を発行する(S36)とともに、図示しない情報収集部において、B−cookieと、X−cookieとを紐付けてマッチングテーブルを作成する(S37)。
【0072】
(2−3−2)広告配信処理
図7は、第3の広告配信方法を説明するシーケンス図である。第3の広告配信方法では、
図6の処理によって作成されたマッチングテーブルを用いてクライアント端末20に広告が配信される。
図7では、クライアント端末20がウェブサーバ40によって提供されるウェブサイトにアクセスした場合について説明する。
【0073】
広告ウェブサイトの閲覧者(視聴者という)がクライアント端末20を操作して、スクリプトが組み込まれたウェブページにアクセスする(S41)。
【0074】
ウェブページを提供するウェブサーバ(例えば、ウェブサーバ40)は、クライアント端末20にリプライとしてウェブページのHTMLデータを送信する(S42)。
【0075】
ウェブページのHTMLデータには、広告を掲載するスペースに当て嵌める広告コンテンツを要求するスクリプトが組み込まれており、広告配信サーバ41に広告コンテンツを要求する(S43)。
【0076】
広告配信サーバ41は、クッキーID(B−cookie)に対応するクッキーID(X−cookie、すなわちドメインの異なるウェブサーバから発行されたクッキーID)に関する情報をアクセス履歴DB52に問い合わせる(S44)。広告配信管理サーバ51は、
図2(c)のテーブルに基づいて、アドネットワークNBのクッキーID(ウェブサーバ40において生成されたクッキーID)を検索し、アドネットワークNAのクッキーIDに紐付けられたアドネットワークNBのクッキーIDがある場合には、
図2(b)のテーブルに基づいて、アドネットワークNBにおいて提供されるウェブページに対するクライアント端末20のアクセス履歴をアクセス履歴DB52から抽出する(S45)。
【0077】
広告配信サーバ41は、抽出されたアクセス履歴に基づいて、広告DB42から広告コンテンツを選択し、選択した広告コンテンツをクライアント端末20がアクセスしたウェブページに掲載する(S46)。
【0078】
(2−3−3)第3の広告配信方法による作用・効果
第3の広告配信方法では、ウェブページ111,112,113,…,211,212,213,…の全てに、アクセスしたクライアント端末20を広告配信管理サーバ51にアクセスさせるスクリプトを組み込むことが困難な場合に、異なるドメインネームのサーバにおいてそれぞれ取得されたクライアント端末20のアクセス履歴を使用して広告を配信することができる。
【0079】
従って、ウェブサイトの視聴者のクライアント端末20において、例えば、ドメインネームなどの識別子によるサーバ間の隔たりなく、より多くのアクセス履歴に基づいて、クライアント端末20に映像データ、画像データ、テキストデータを含むコンテンツや、広告コンテンツを提供できる。すなわち、ネットワークにおけるコンテンツのターゲッティング配信の精度を向上させることができる。
【0080】
(3)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、本発明は、この開示の一部をなす論述及び図面によって限定されない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0081】
本発明の実施形態では、クッキーIDを使用して通信端末を特定すると説明した。しかし、通信端末を特定する情報は、クッキーIDに限定されない。また、実施形態では、クライアント端末20が、例えば、携帯型電話機であれば、携帯型電話機を特定するために設定された携帯型電話機に独自の装置ID(International Mobile Subscriber Identity)等の識別情報を使用することができる。
【0082】
このように、本発明は、ここに記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0083】
(4)広告配信の応用例
(4−1)広告取引システムの概略説明
以下、本実施形態に係る広告配信システム1の応用例を図面を用いて説明する。具体的に、ウェブサイトに設定された広告コンテンツを提供可能な広告表示枠に、広告コンテンツを配信する方法について説明する。応用例として、広告コンテンツを提供する提供業者に、広告表示枠の売買を可能にする広告取引モデルについて説明する。
【0084】
図8は、広告配信システム1を使用した広告取引システム2を説明する概略図である。広告取引システム2は、広告配信システム1の構成に加えて、広告コンテンツを提供する広告提供業者の広告配信サーバ90
1,90
2,…,90
nを有する。広告配信サーバ90
1,90
2,…,90
nには、
図8には図示されていないが、広告コンテンツを格納したコンテンツサーバが接続されている。また、広告取引システム2は、広告取引を管理する取引管理サーバ80を有する。
【0085】
図9は、広告取引システム2において取引される広告表示枠を説明するウェブサイト1000の構成図である。ウェブサイト1000は、他のウェブサイトへのリンクの一覧が表示された表示領域1100、ウェブサイト1000において利用可能なコンテンツの一覧が表示された表示領域1200などが表示されている。また、ウェブサイト1000には、広告表示枠1301,1302,1303…などが設定されている。広告表示枠1301,1302,1303…には、時間帯、期間によって表示される広告コンテンツが予め決められた規定広告表示枠と、例えば、ウェブサイト1000が表示されるたびに変更される自由広告表示枠とが設定されている。
【0086】
(4−2)取引管理サーバ80の構成
図10は、取引管理サーバ80を説明する構成図である。取引管理サーバ80は、制御部801と、通信部802と、通信部803と、表示部804と、記憶部805と、音声出力部806とを備える。また、取引管理サーバ80は、広告表示枠に関するデータを保持する広告表示枠データ保持部807を有する。制御部801は、出稿受付部811と、取引制御部812と、課金制御部813とを有する。
【0087】
出稿受付部811は、アドネットワークNA,NBにおいて提供されるウェブコンテンツに対して広告コンテンツを出稿するサーバ(広告配信サーバ31,41,90
1,90
2,…,90
nを含む)から出稿条件を受け付ける。出稿条件は、広告コンテンツの出稿を希望する広告提供者によって入力されるものであり、例えば、出稿回数、出稿にかかる料金の合計の上限値、出稿を希望するアドネットワーク、出稿を希望するウェブサイト(広告表示枠)アクセス履歴(条件)などである。出稿受付部811によって受け付けた出稿条件は、広告表示枠データ保持部807に保持される(後述する)。
【0088】
取引制御部812は、ウェブサイト1000の広告表示枠1301,1302,1303…などのうち規定広告表示枠、及び自由広告表示枠に掲載条件を設定するとともに、ウェブサイト1000の広告表示枠1301,1302,1303…などのうち自由広告表示枠に設定された掲載条件と、広告コンテンツを出稿するサーバから受け付けた出稿条件とをマッチングし、掲載条件に適合した出稿条件を呈示したサーバに対して自由広告表示枠を割り当てる。規定広告表示枠、及び自由広告表示枠に対して設定された掲載条件は、後述する規定広告表示枠テーブル821、或いは自由広告表示枠テーブル822に格納される。
【0089】
課金制御部813は、取引制御部812によって自由広告表示枠に広告コンテンツを提供できるようになったサーバに対して、掲載条件に基づいて課金情報を作成し、広告コンテンツを提供するサーバに送信する。
【0090】
広告取引システム2の広告表示枠データ保持部807には、規定広告表示枠テーブル821と、自由広告表示枠テーブル822と、出稿条件テーブル823とが保持される。
【0091】
広告表示枠データ保持部807は、アドネットワークNA、アドネットワークNBにおいて提供される全ウェブサイトの広告表示枠に関するデータを保持する。例えば、広告表示枠には、広告表示枠を識別するための識別情報が付され、管理されている。また、広告表示枠に表示される広告コンテンツにも識別情報が付されている。
【0092】
規定広告表示枠テーブル821は、アドネットワークNA、アドネットワークNBにおいて提供される全てのウェブサイトに設定された全ての規定広告表示枠と、規定広告表示枠に表示される広告コンテンツに関する情報の一覧が示されている。例えば、規定広告表示枠のウェブサイトURL、規定広告表示枠の表示サイズ、ウェブサイト1000における規定広告表示枠の表示位置、使用料金、使用期間、規定広告表示枠に提供される広告名、広告主…などである。
【0093】
自由広告表示枠テーブル822は、アドネットワークNA、アドネットワークNBにおいて提供される全てのウェブサイトに設定された全ての自由広告表示枠と、自由広告表示枠に表示される広告コンテンツの条件の一覧が示されている。例えば、自由広告表示枠のウェブサイトURL、自由広告表示枠の表示サイズ、ウェブサイト1000における自由広告表示枠の表示位置、使用料金などである。
【0094】
出稿条件テーブル823は、広告コンテンツを出稿するサーバから受け付けた出稿条件が格納される。
【0095】
(4−3)広告表示枠取引モデルの説明
本応用例として説明する広告取引システム2では、広告表示枠1301,1302,1303などを広告コンテンツの提供業者間で取引することができる。以下では、広告表示枠の取引モデルの一例として、2つの方法について説明する。
【0096】
広告配信システム1を応用した広告取引システム2では、取引管理サーバ80は、
図3,5,7における広告配信サーバ31,41の位置にあって、出稿する広告を配信する権利を与える広告配信サーバを、以下の方法で決定することができる。
【0097】
(4−3−1)第1の広告表示枠取引モデルによる広告取引の説明
第1の広告表示枠取引モデルでは、ウェブサイト1000の閲覧者のプロファイル、及び閲覧者の通信端末のアクセス履歴によって、広告表示枠1301,1302,1303に付加価値を付ける方法である。具体的に、広告の提供を望む広告提供者は、所定の条件に合致した閲覧者がウェブサイト1000にアクセスしてきた場合には、広告表示枠に上乗せ料金を支払って広告表示枠を使用できる。ウェブサイト1000にアクセスする閲覧者のプロファイル、及び閲覧者の通信端末のアクセス履歴は、広告配信システム1により取得可能である。
【0098】
図10は、自由広告枠テーブル812の一例を説明する図である。自由広告表示枠テーブル822は、アドネットワークNA、アドネットワークNBにおいて提供される全てのウェブサイトに設定された全ての自由広告表示枠と、自由広告表示枠に表示される広告コンテンツの条件の一覧が示されている。
【0099】
図12は、出稿受付部811によって受け付け、出稿条件テーブル823に格納された出稿条件を説明する図である。
【0100】
広告提供者aは、識別情報a001で特定される標準料金¥0.80円が設定された広告表示枠に対して、次の出稿条件を指定している。広告識別情報XXXX1で特定される広告コンテンツを、配信回数3回、上限金額¥20円、配信先アドネットワークNAに配信する。更に、閲覧者(通信端末)が3日以内にaaa.comにアクセスした場合、上乗せ金額¥0.10を支払う(条件1)。閲覧者(通信端末)が3日以内に液晶テレビについて検索していれば、上乗せ金額¥0.10を支払う(条件2)。閲覧者(通信端末)が30代男性であれば、上乗せ金額¥0.10を支払う(条件3)。
【0101】
また、識別情報a002で特定される標準料金¥0.80円が設定された広告表示枠に対して、次の出稿条件を指定している。広告識別情報XXXX2で特定される広告コンテンツを、配信回数4回、上限金額¥20円、配信先アドネットワークNA,Bに配信する。更に、閲覧者(通信端末)が2日以内にaaa.comにアクセスした場合、上乗せ金額¥0.20を支払う(条件1)。閲覧者(通信端末)が2日以内に車について検索していれば、上乗せ金額¥0.20を支払う(条件2)。閲覧者(通信端末)が40代男性であれば、上乗せ金額¥0.20を支払う(条件3)。
【0102】
取引制御部812は、ウェブサイト1000の自由広告表示枠に、上述の出稿条件でサーバに自由広告表示枠を割り当てる。また、課金制御部813は、取引制御部812によって自由広告表示枠に広告コンテンツを提供できるようになったサーバに対して、掲載条件に基づいて課金情報を作成し、課金情報を送信する。
【0103】
第1の広告表示枠取引モデルによれば、広告配信システム1を適用することにより、より精度の高い広告コンテンツのターゲッティング配信が可能になる。また、広告提供者に対して、広告提供者が望む条件に合致した閲覧者(通信端末)がウェブサイトにアクセスしたときには、広告提供者が指定する範囲で上乗せした広告料金が設定されるため、広告提供者の要求に応じて、広告表示枠に付加価値を付けることができる。
【0104】
(4−3−2)第2の広告表示枠取引モデルによる広告取引の説明
第2の広告表示枠取引モデルでは、ウェブサイト1000の広告表示枠1301,1302,1303…などのうち自由広告表示枠の使用権をオークション形式で広告提供者に与える方法である。
【0105】
取引管理サーバ80は、自由広告表示枠テーブル822において、アドネットワークNA、アドネットワークNBにおいて提供される全てのウェブサイトに設定された全ての自由広告表示枠と、自由広告表示枠に表示される広告コンテンツの条件の一覧が示されている。例えば、自由広告表示枠のウェブサイトURL、自由広告表示枠の表示サイズ、ウェブサイト1000における自由広告表示枠の表示位置、初期設定料金(スタート単価)などを公開する。
【0106】
広告提供者は、公開された自由広告表示枠に対して、アクセスする閲覧者のプロファイル、或いは閲覧者の通信端末のアクセス履歴の条件を設定して入札する。ウェブサイト1000にアクセスする閲覧者のプロファイル、及び閲覧者の通信端末のアクセス履歴は、広告配信システム1により取得可能である。
【0107】
広告提供者は、同じ条件を入力した広告提供者との間で自由広告表示枠の使用権を競り合うことになる。すなわち、広告提供者は、最高値を入札している間、広告表示枠を使用できる。
【0108】
例えば、広告表示枠1301が自由広告表示枠に設定されており、初期設定料金¥0.01円が設定されているとする。広告表示枠1301に対して初期設定料金、2日以内に、aaa.comにアクセスし、液晶テレビを検索した閲覧者(通信端末)に対して、上限金額¥0.20円で出稿するという条件を設定した広告提供者xは、他に入札者がいなければ、該当する条件の閲覧者(通信端末)がウェブサイト1000にアクセスしてきたときに、広告表示枠1301を¥0.01円で使用できる。
【0109】
広告提供者yが出現し、¥0.05円を入札したとする。このとき、広告提供者xの方が高値を付けているため、広告表示枠1301には、広告提供者xの広告コンテンツが表示されるが、課金金額が¥0.06円まで引き上げられる。
【0110】
更に、別の広告提供者zが出現し、¥0.30円を入札したとする。このとき、広告表示枠1301の使用権は、広告提供者zに与えられる。このように、広告提供者は、最高値を付けている間は、広告表示枠1301を使用できき、最高値が更新されると、最高値を付けた広告提供者の広告コンテンツが表示される。
【0111】
第2の広告表示枠取引モデルによれば、広告配信システム1を適用することにより、より精度の高い広告コンテンツのターゲッティング配信が可能になる。また、広告提供者に対して、広告提供者が望む条件に合致した閲覧者(通信端末)がウェブサイトにアクセスしたときには、広告提供者により高額な広告料金が設定されるため、広告提供者の要求に応じて、広告表示枠に付加価値を付けることができる。