(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
利用者に固有の利用者IDを記憶した利用者カードを所持する利用者が特定の場所に出入りして、該特定場所に設置された電子機器を使用するに際して、管理サーバでプログラムを実行することにより、該場所への出入り及び該利用者が所持するデータを記憶する記憶媒体、及び該記憶媒体を扱うことができる電子機器の使用を許可又は制限する媒体管理システムであって、
該特定場所の出入り口には、該利用者カードの該利用者IDを読取る利用者IDリーダが設置され、該特定場所内には、該記憶媒体の該ICタグのタグ情報及び該利用者カードの該利用者IDを読取るICタグ無線リーダアンテナが設置され、該利用者IDリーダ及び該ICタグ無線リーダアンテナの読取られた情報は該管理サーバへ送られ、
該各記憶媒体は、該記憶媒体を管理する固有の媒体管理情報及び固有の識別情報を有するICタグを備え、該電子機器は該ICタグのタグ情報を読取るICタグリーダと、を有し、
該管理サーバは、該ICタグ情報と記憶媒体の該媒体管理情報とを対応付けて記憶するICタグ管理DBと、該記憶媒体の媒体管理情報に対応して該記憶媒体の使用状況に関する履歴を記憶する媒体管理DBと、複数の電子機器のそれぞれに固有の電子機器管理情報に対応して利用可能な記憶媒体の固有識別情報を記憶する機器管理DBと、該特定場所に出入りする該利用者について、該利用者IDに対応して該利用者が所持する記憶媒体の固有識別情報を記憶する媒体持込・持出管理DBと、該特定場所に出入りする利用者の利用者IDに対応して該利用者の入退出状態及びその時間を記憶する入退室管理DBと、を有し、
更に、該管理サーバでプログラムを実行することにより;
該特定場所に入った該利用者が所持する記憶媒体のタグ情報を、該該ICタグ無線リーダアンテナ又は該ICタグリーダで読取った場合、読取られた該記憶媒体のタグ情報について、該媒体管理DBを参照して、該記憶媒体が登録済みのものであるかを確認する媒体管理部と、
記憶媒体を所持する該利用者が該特定場所を出入りするときに、該利用者IDリーダで利用者カードの利用者IDを読取り、かつ該ICタグ無線リーダアンテナ又はICタグリーダで該記憶媒体のタグ情報を読取り、該媒体持込・持出管理DBを参照して、該記憶媒体が該利用者について持出し又は持込みが許可されているかを確認する持込・持出管理部と、
利用者が使用しようとする該電子機器の該ICタグリーダで読み取られた該ICタグ情報について、該機器管理DBを参照して、利用者が該記憶媒体を該電子機器で使用することを許可するかを判断する機器管理部と、を有する
ことを特徴とする媒体管理システム。
利用者が該特定場所に持込み又は持ち出した該記憶媒体の固有識別情報に対応して媒体管理情報、及び記憶媒体の持込み又は持出しの状態を記憶する状態管理DBを更に有すること
を特徴とする請求項1の媒体管理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献に記載された技術は、利用される電子機器に対して操作制限を行うものであり、利用される記憶媒体を確認し、また保管場所を特定する等の機能を有していないので、記憶媒体のセキュリティの強化の観点から十分とは言い難い。そこで、利用される電機機器、記憶媒体、利用者の3者の関係を厳密に管理することがセキュリティの向上を図る上で最も有効と考えると考えられる。
【0007】
本発明の目的は、記憶媒体の利用が許可されたものであるか判定して、不許可の記憶媒体の利用を制限し、更に記憶媒体が扱われるPC等の電子機器が使用許可された機器か否か判定して、不許可の電子機器については記憶媒体の利用を制限することにある。
本発明はまた、監視対象となる部屋等の領域への入退室者とその入退室者が所持している記憶媒体を確認して、所持者に対する記憶媒体の持ち込み又は持ち出しの許可、不許可を監視することにある。
本発明はまた、監視対象となる部屋等の特定領域への作業者の入室、電子機器を使用する作業者、利用する電子機器、及び使用される記憶媒体の使用許可の判定及びその所在の確認をして、記憶媒体の所在の管理、不正持ち込みや不正持ち出し、及び不正利用の防止を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、好ましくは、データを記憶する複数の記憶媒体、及び該記憶媒体を扱うことができる電子機器を利用者が使用するに際して、管理サーバでプログラムを実行することにより該利用者に対して該記憶媒体及び該電子機器の使用を許可又は制限する媒体管理システムであって、
該各記憶媒体は、該記憶媒体を管理する固有の媒体管理情報及び固有の識別情報を有するICタグを備え、該電子機器は該ICタグのタグ情報を読取るICタグリーダと、利用者に固有の利用者IDを保持する利用者カードの該利用者IDを読取る利用者IDリーダと、を有し、
該管理サーバは、該ICタグ情報と記憶媒体の該管理番号とを対応付けて記憶するICタグ管理DBと、該利用者に固有の利用者IDに対応して該利用者にその使用が許可された電子機器の固有の電子機器管理情報を記憶する利用者管理DBと、複数の電子機器のそれぞれに固有の電子機器管理情報に対応して利用可能な記憶媒体の固有識別情報を記憶する機器管理DBを有し、
更に、該管理サーバでプログラムを実行することにより;
利用者がある電子機器を利用する場合、該利用者IDリーダによって読取られた該利用者IDについて、該利用者管理DBを参照して、該利用者が該電子機器の使用を許可されているかを判断する権限・制限設定部と、
利用者が使用しようとする該電子機器の該ICタグリーダで読み取られた該ICタグ情報について、該機器管理DBを参照して、利用者が該記憶媒体を該電子機器で使用することを許可するか否かを判断する機器管理部と、を有することを特徴とする媒体管理システムとして構成される。
【0009】
好ましい例では、前記機器管理部による判断の結果、該記憶媒体を該電子機器で使用することが不許可の場合、アラームを鳴動し、かつ該管理サーバに接続された管理者用の管理端末へ通知する媒体管理システムとして構成される。
【0010】
また、本発明は、好ましくは、利用者に固有の利用者IDを記憶した利用者カードを所持する利用者が特定の場所に出入りして、該特定場所に設置された電子機器を使用するに際して、管理サーバでプログラムを実行することにより、該場所への出入り及び該利用者が所持するデータを記憶する記憶媒体、及び該記憶媒体を扱うことができる電子機器の使用を許可又は制限する媒体管理システムであって、
該特定場所の出入り口には、該利用者カードの該利用者IDを読取る利用者IDリーダが設置され、該特定場所内には、該記憶媒体の該ICタグのタグ情報及び該利用者カードの該利用者IDを読取るICタグ無線リーダアンテナが設置され、該利用者IDリーダ及び該ICタグ無線リーダアンテナの読取られた情報は該管理サーバへ送られ、
該各記憶媒体は、該記憶媒体を管理する固有の媒体管理情報及び固有の識別情報を有するICタグを備え、該電子機器は該ICタグのタグ情報を読取るICタグリーダと、を有し、
該管理サーバは、該ICタグ情報と記憶媒体の該媒体管理情報とを対応付けて記憶するICタグ管理DBと、該記憶媒体の媒体管理情報に対応して該記憶媒体の使用状況に関する履歴を記憶する媒体管理DBと、複数の電子機器のそれぞれに固有の電子機器管理情報に対応して利用可能な記憶媒体の固有識別情報を記憶する機器管理DBと、該特定場所に出入りする該利用者について、該利用者IDに対応して該利用者が所持する記憶媒体の固有識別情報を記憶する媒体持込・持出管理DBと、該特定場所に出入りする利用者の利用者IDに対応して該利用者の入退出状態及びその時間を記憶する入退室管理DBと、を有し、
更に、該管理サーバでプログラムを実行することにより;
該特定場所に入った該利用者が所持する記憶媒体のタグ情報を、該該ICタグ無線リーダアンテナ又は該ICタグリーダで読取った場合、読取られた該記憶媒体のタグ情報について、該媒体管理DBを参照して、該記憶媒体が登録済みのものであるかを確認する媒体管理部と、
記憶媒体を所持する該利用者が該特定場所を出入りするときに、該利用者IDリーダで利用者カードの利用者IDを読取り、かつ該ICタグ無線リーダアンテナ又はICタグリーダで該記憶媒体のタグ情報を読取り、該媒体持込・持出管理DBを参照して、該記憶媒体が該利用者について持出し又は持込みが許可されているかを確認する持込・持出管理部と、
利用者が使用しようとする該電子機器の該ICタグリーダで読み取られた該ICタグ情報について、該機器管理DBを参照して、利用者が該記憶媒体を該電子機器で使用することを許可するかを判断する機器管理部と、を有することを特徴とする媒体管理システムとして構成される。
【0011】
好ましい例では、該管理サーバに接続された管理者用の管理端末を有し、
前記ICタグ無線リーダアンテナは、一定タイミングで、該特定場所内にある該記憶媒体のICタグ情報を読取り、又は特定場所内にいる利用者の利用者カードの利用者IDを読取り、該記憶媒体の存在又は利用者の存在に関する確認状況を、該管理端末へ通知する媒体管理システムとして構成される。
【0012】
また、好ましくは、利用者が該特定場所に持込み又は持ち出した該記憶媒体の固有識別情報に対応して媒体管理情報、及び記憶媒体の持込み又は持出しの状態を記憶する状態管理DBを更に有する媒体管理システムとして構成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、記憶媒体の不正な持ち込みや持ち出しを検知し、及びその検知に基づく記憶媒体の使用の許可不許可の確認を容易に行うことが可能となる。これにより、不正に持ち込まれた記憶媒体の使用を制限することができ、記憶媒体に保管されたデータの漏洩を防止することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面により説明する。
図1は、一実施例による媒体管理システムの構成を示す。本発明による媒体管理システムは、管理サーバ1に構築される、記憶媒体管理システム11と入室管理システム13から成る。記憶媒体管理システム11及び入室管理システム13の諸機能は、システム構築用のプログラム及びアプリケーションプログラムが、サーバ1のCPUで実行されることで実現される。
【0016】
管理サーバ1には、無線又は有線のネットワーク3を介して、利用者(入館者や記憶媒体所持者等)の静脈等の生体認証を行う生体認証リーダ21,ICタグ付き入館証のICタグを読取るICタグリーダ22,ICタグ付き媒体のICタグを読取るICタグ無線リーダアンテナ23及びICタグリーダ付きPC(パーソナルコンピュータ)24,遠隔作業用管理端末25が接続される。管理サーバ1にはまた、管理者が使用する管理端末14が接続される。
【0017】
ここで、生体認証リーダ21やICタグリーダ22は、サーバ室の入退室扉に設けられ、ICタグ無線リーダアンテナ23はサーバ室内の机上或いは壁等に設置されている。また、サーバ室内にはPC等の利用可能な、複数台の電子機器が配置され、それぞれ記憶媒体のICタグを検知するICタグリーダを備えている。
また、ICタグ付き入館証は、利用者にその使用が許可された利用者カードであり、そのICタグには利用者に固有の利用者番号(利用者カード番号)が記憶されている。また、ICタグ付き媒体は、フレキシブルディスクやUSBメモリ等の記憶媒体であり、それに固定されたICタグには
図7に示すような情報が記憶されている(これについては後述する)。
【0018】
記憶媒体管理システム10は、DB(データベース)として、ICタグ情報管理DB121,媒体管理DB122,権限・制限設定DB123,機器管理DB124,状態管理DB125,持込・持出管理DB126,障害記録DB127を有し、これらのDBに対応して、ICタグ情報管理部111,媒体管理部112,権限・制限設定部113,機器管理部114,状態管理部115,持込・持出管理部116,障害記録部117を有して構成される。各管理部111〜117は、対応する各DBの検索を行い、またDB内の情報の更新等を行う。なお、各DBの構成については、
図8〜
図14を参照して後述する。
【0019】
入室管理システム13は、入室管理システム処理部131と、リーダ/フロア管理DB132と、入退室管理DB133と、カード番号管理DB134と,生体情報管理DB135を有し、入室管理システム処理部131が各DBを参照しながら、入退室者及びその者が所持する記憶媒体を監視して管理する。ここで、リーダ/フロア管理DB132と、入退室管理DB133と、カード番号管理DB134と,生体情報管理DB135の構成については後述する。
【0020】
記憶媒体管理システム11と入室管理システム13は各管理DBに記憶された固有の情報を共有しかつ連携して、記憶媒体に関する各種情報が記録されたICタグ情報を基に利用可能な記憶媒体及び利用されるPC等の電子機器の利用制限又は許可等の管理を行う。また、関係する管理DBを参照することにより、利用者(記憶媒体持込者)と記憶媒体に固定されたICタグのタグ情報を無線リーダ等から読み込み、その記憶媒体の利用制限又は許可の確認を行う。
【0021】
図2は、媒体管理システムの全体的な概要を示す。
この媒体管理システムは、監視領域であるサーバ室に利用者が入退室して、そこで利用者が所持する記憶媒体やPC等の電子機器を使用する場合に、所持する記憶媒体の有無並びにその使用の可否、及び利用可能な電子機器の許可不許可について管理する。
【0022】
サーバ室の出入口には入館証のICタグや記憶媒体のICタグを検知する無線リーダが備えられている。サーバ室に入室する時に、作業者(利用者)が入館証をリーダにかざすと、リーダによって入館証のICタグより利用者番号が読取られ、その読取られたタグ情報と、入室管理システム13のカード番号管理DBの内容が照合されて、作業者が入室許可されている者かを判定する。更に、読み取られた利用者番号や作業者の入室時間が入退室管理DB133に記憶される。
また、利用者が所持する記憶媒体のICタグは、サーバ室内に設置されたICタグ無線アンテナ23によって読取られる。ICタグから読み込まれたタグ情報(
図7)を基に、記憶媒体管理システム11の関係する管理DBを参照して、記憶媒体の持込みの有無、記憶媒体の利用の許可不許可、利用可能な電子機器の有無を判定する。
【0023】
入室後、作業者の作業中は、ICタグ用無線アンテナにより一定時間毎(例えば5秒毎)に作業者が所持する入館証のICタグを検知してその者の在室状態を確認する。作業者の入館証のICタグの検知と並行して、ICタグ用無線アンテナは、記憶媒体のICタグ及び電子機器に固定されたICタグを検知し、検知されたタグ情報と関係する管理DBの情報とを照合することで、記憶媒体や電子機器の有無も合わせて確認する。照合の結果、タグ情報と管理DBの情報とが不一致の場合、管理端末14及び遠隔作業管理端末25へ異常状態である旨を通知する。なお、入館証のICタグ情報の確認と併せて又は入館者が入館証を所持していない場合には、入館時に生体認証リーダ21で入館者の生体情報が読み取られて、その生体情報と予め生体情報管理DB135に登録された利用者の生体情報とが照合され、両者が一致した場合のみ、その者の入館が許される。
【0024】
作業者がサーバ室内に記憶媒体を持ち込んだ場合、扉に設置されたICタグリーダ22によって読取られた入館証のICタグ情報は、リーダアンテナ23によって読取られた記憶媒体のICタグ情報と紐付けされて、作業者と持ち込まれた記憶媒体とが関係付けられて、媒体持込・持出管理DB126に記憶される。この際、持ち込まれた記憶媒体に関する情報と、事前に媒体管理DB122に登録された持込み予定の記憶媒体の情報を照合して、持ち込まれた記憶媒体が許可されているものかを確認する。照合の結果、事前に登録された記憶媒体の情報と、実際に持ち込まれた記憶媒体が不一致の場合には、入室エラーと判断して、管理者端末14及び25にアラームが通知される。
【0025】
作業者がサーバ室から退室するときには、同様にして、扉に設置されたリーダに入館証をかざす。このとき、ICタグリーダ22によって読取られた入館証のICタグ情報は、入退室管理DB
133に反映されて、当該作業者及びその退室した時刻がログとして記録される。また、扉付近に設置されたICタグ無線タグアンテナ23によって、作業者が所持している記憶媒体のICタグ情報が検知されると、そのICタグ情報は、事前に媒体管理DB122に登録された持込み予定の記憶媒体の情報を照合して、持ち出される記憶媒体が許可されているものかを確認する。照合の結果、事前に登録された記憶媒体の情報と、実際に持ち込まれた記憶媒体が不一致の場合には、持出し違反と判断して、扉は開かれず、管理者端末14及び25にアラームが通知される。一方、正当に持ち出された媒体は、媒体持込・持出管理DB126に新たに記憶される。
【0026】
図3は、ICタグ付き記憶媒体を用いて電子機器を利用する例を示す概念図である。
利用者がある電子機器の利用を予定している場合、管理者は管理端末14又は25から機器管理DB123に、利用予定の電子機器に関する情報を事前に登録する。この場合、利用する電子機器の固有な電子機器情報1101と、利用する記憶媒体に付加されたICタグの情報を(媒体情報1103として)登録する。
機器管理部113は、利用者が電子機器を利用するに際して、利用者は電子機器24に接続されたICタグリーダに、自分の入館証のICタグと記憶媒体のICタグを連続して読み込ませる。電子機器に接続されたICタグリーダから読み込まれたICタグ情報と機器管理DB123との内容を照合することで、両者の整合性を確認する。照合の結果、両者が一致すれば、当該利用者に対して予め登録された電子機器の使用を許可する。一方、両者が一致しない場合、当該電子機器の使用は許可されず、利用制限の解除も行なわれない。
【0027】
次に、
図7〜
図14を参照して、各管理DBのデータ構成について説明する。
図7は、記憶媒体に付加されたICタグの記憶構成を示す。ICタグの記憶情報は、ICタグの固有情報701、記憶媒体の種類を示す種別702,記憶媒体に対するICタグの固有情報の割り当て登録日を示す登録日703,当該記憶媒体の使用開始日を示す使用開始日704,記憶媒体を管理するために記憶媒体ごとに付与された固有の管理番号705,その他706として当該記憶媒体の用途を示す情報、の各情報から成る。
【0028】
図8は、ICタグ管理DBの構成を示す。ICタグ管理DB121は、ICタグの記憶情報を管理するDBであり、ICタグの固有情報801、記憶媒体の種類を示す種別802,登録日803,使用開始日804,記憶媒体固有の管理番号805,登録抹消日806、記録媒体の廃棄日を示す廃棄日807、及びその他808の各情報から成る。
【0029】
図9は、媒体管理DBの構成を示す。媒体管理DB112は、記憶媒体を管理するDBであり、
記憶媒体に固有の媒体管理番号901,種別902,登録日903,使用開始日904,当該記憶媒体へのICタグの貼付の有無を示すICタグ利用905,登録抹消日906,媒体廃棄日907,その他908の各情報を記憶する。
【0030】
図10は、利用者管理DBの構成を示す。利用者管理DB123は、利用者とその利用者が利用するPC等の電子機器を登録して管理するDBであり、利用者に固有の利用者番号1001,利用が許可された電子機器の固有情報を示す電子機器情報1002、利用者が電子機器を利用した日時を示す、利用日1003,利用開始時間1004,利用終了時間1005の各情報を記憶する。ここで、利用者番号1101とは利用者に固有の利用者カード番号1303と同じである。
【0031】
図11は、機器管理DBの構成を示す。機器管理DB124は、利用者に利用される電子機器を管理するDBであり、電子機器に固有の情報を示す電子機器情報1101,利用の可否を示す利用権限1102,当該電子機器に対して利用する記憶媒体を示す複数の記憶媒体情報1103,及びその他1104の各情報を記憶する。記憶媒体情報1103は記憶媒体に付加されたICタグから読まれる固有情報である。
【0032】
図12は、状態管理DBの構成を示す。状態管理DB125は、記憶媒体の状態を管理するDBであり、ICタグの固有情報1201,記憶媒体の状態を示す状態1202,状態1202の詳細を示す状態詳細1203、及び媒体管理番号1204の各情報を記憶する。状態1202には、記憶媒体が室内にあるか、持込み待ち状態か、退出済みか、或いはエラーかを示す情報がある。
【0033】
図13は、媒体持込・持出管理DBの構成を示す。媒体持込・持出管理DB126は、室内等の所定の場所から又はその場所に記憶媒体を持出し又は持込むことを管理するDBであり、ICタグ固有情報1301,持出しか持込みかを示す区分1302,利用者に固有の番号を示す利用者カード番号1303,利用者名1304,当該利用者に許可された記憶媒体の管理番号を示す媒体管理番号1305の各情報を記憶する。
【0034】
図14は、障害記録DBの構成を示す。障害記録DB127はICタグ付き記憶媒体の持込み又は持出し、使用に関して発生した障害情報を記憶するDBであり、ICタグ固有情報1401,状態1402,障害の発生日時1403,障害の回復日時1404,障害の詳細情報1405を記憶する。
【0035】
図15は、入退室管理DBの構成を示す。入退室管理DB133は、サーバ室に入退室する利用者を管理するものであり、利用者番号、入室又は退室を示す状態、入室時間及び退室時間を記憶する。利用者番号は、利用者がサーバ室の扉を通過する度にICタグリーダ22によって検知される入館証のICタグ情報である。また、ICタグリーダによってICタグが検知された時間を入退室時間として使用する。入室の許可されていない者(不正者)が入室を試みた場合には、拒絶されるが、その場合、この管理DB133の状態には、「エラー」が記録される。
【0036】
カード番号管理DB134は、入館証を発行した全ての利用者を管理するものであり、利用者に固有の利用者番号(利用者カード番号)に対応して、利用者の氏名、自宅住所、自宅連絡先、配属職場、職場住所、連絡先(電話、メール)、等を記憶する。このカード番号管理DB134は、サーバ室への入館時に検知された、入館証のICタグ情報との照合に使用される。
【0037】
生体情報管理DB135は、利用者番号に対応して、利用者の生体情報例えば指静脈情報を登録する。この生体情報管理DB135は、サーバ室への入館時に生体認証リーダ21によって検知された、利用者の生体情報との照合に使用される。
【0038】
リーダ/フロア管理DB132は、複数のICタグリーダ23が配置された場所(フロア)を管理するものであり、各ICタグに固有のICタグ情報と当該ICタグが配置された部屋の情報(例えば3F西部屋No.1,3F西部屋No.2等)を対応付けて登録する。
【0039】
次に、
図4のフローチャート及び
図1、
図2を参照しながら、サーバ室に入室する時の記憶媒体の確認処理動作について説明する。
媒体管理システムは、監視領域であるサーバ室に利用者(作業者)が入室して、そこで利用者が所持する記憶媒体やPC等の電子機器を使用する場合に、所持する記憶媒体の有無並びにその使用の可否、及び利用可能な電子機器の許可不許可について管理する。
【0040】
サーバ室の出入口(扉付近)には、入館証のICタグを検知するICタグリーダ22、及び生体認証リーダ21が備えられている。利用者がサーバ室に入室する時に、入館証をICタグリーダにかざすと、そのリーダによって入館証のICタグ情報が読取られる。また、生体認証リーダ21によって利用者の生体情報が読み取られる。
【0041】
入室管理システム処理部131は、ICタグリーダ22によって読取られたICタグ情報(利用者番号を含む)、又は生体認証リーダ21によって取得された生体情報について、カード番号管理DB134又は生体情報管理DB135を参照して、当該情報が登録されているかを判断する(S401)。判断の結果、未登録であれば、その利用者の入室を拒絶すべく、扉付近に設置されたアラームを鳴動し(S412)、入退室管理DB133に当該利用者に関してエラー情報が記録される(S413)。サーバ室から全ての者が退室した後、入退室管理DBの入室情報は初期化される(S414)。
上記判断の結果(S401)、ICタグ情報又は生体情報が管理DB134又は135に登録されていれば、取得された利用者番号及び入室時間等の情報が、入退室管理DB402に新たに登録され、管理DB133は更新される(S402)。
【0042】
利用者が記憶媒体を持参している場合、扉付近に設置されたICタグ無線リーダアンテナ23によって記憶媒体のICタグ情報が読み取られる。そして、媒体管理部112は、媒体管理DB122を参照して、利用者が持参した記憶媒体の持込みが許可されているか否かを判断する(S403)。判断の結果、登録されていなければ、(利用者の入室は許可されているので)扉の施錠を解除する(S404)。
【0043】
また、上記判断の結果、媒体管理DB122に当該記憶媒体のICタグ情報が登録されている場合、持込まれた記憶媒体のICタグ情報が時間内に読み込まれたかを判断する(S405)。否の場合には、上記と同様に、アラームを鳴動する(S412)。
【0044】
次に、持ち込まれた記憶媒体と利用者は合っているかの判断をする(S406)。判断の結果、否であれば、上記と同様に、アラームを鳴動する(S412)。
また、この判断の結果、合っていれば、次に、媒体持込み登録情報は最後か、判断する(S407)。判断の結果、最後であれば、入退室管理DBを更新して(S408)、扉の施旋を解除して(S409)、入室を許可する。
【0045】
次に、
図5A,
図5B及び
図1、
図2を参照して、入室後にサーバ室で扱われる記憶媒体の監視動作について説明する。
この処理は、利用者(作業者)がサーバ室に入室した後の、作業者の在室状態の監視、持込み記憶媒体の存在確認を行うことを目的としている。
まず、入室管理システム処理部131は、入退室管理DB133を参照して、入室情報が更新されているかを判断する(S502)。その結果、更新されていれば(即ち新たな利用者が入室又は退室した場合)、入退室管理DB133の「状態」を見て、入室か退室かを判断する(S503)。その結果、退出であれば、媒体管理部112は媒体管理DB122を参照して、利用者が持出し予定の記憶媒体は登録されているかを判断する(S511)。その記憶媒体が登録されていなければ、処理(3)へ移る。一方、その記憶媒体が登録されていれば、ICタグリーダでその記憶媒体のICタグ情報を読取って(S512)、当該ICタグ情報は持出し予定の登録となっているかを判断する(S513)。判断の結果、登録されていなければ、処理(1)へ移る。一方、登録されていれば、状態管理部115は状態管理DB125を更新する(S514)。
【0046】
サーバ室内では、設置されたICタグ無線リーダアンテナ23により一定時間毎(例えば5秒毎)に作業者が所持する入館証のICタグを検知してその者の在室状態が確認され、その結果が管理端末14,25へ通知される。ICタグ無線リーダアンテナ23は、作業者の入館証のICタグの検知と並行して記憶媒体のICタグを検知することも可能である。記憶媒体のICタグはまた、PC24に接続されたICタグリーダによって検知することも可能である。
【0047】
上記入退室の判断の結果(S503)、入室の場合、媒体管理部112は持込み持出し予定の記憶媒体は媒体管理DB122に登録されているかを判断する(S504)。この判断の結果、登録されていなければ、ステップS502に戻り、登録されていれば、ICタグ無線リーダアンテナ23によって、ICタグ情報を取得したかを判断する(S505)。この判断の結果、ICタグ情報を取得していれば、次に、持込・持出管理DB116は、媒体持込/持出管理DB126を参照して、当該記憶媒体から取得されたICタグ情報は持込み予定となっているかを判断する(S506)。この判断の結果、持込み予定となっていると判断した場合には、状態管理部115は、当該記憶媒体のICタグ情報を状態管理DB125に登録して、その内容を更新する(S507)。その後、持込み予定の記憶媒体が最後でなければ(S508)、ステップS505に戻る。
【0048】
上記ステップS505,S506の判断処理において、否の場合には、ステップS521以降の処理に移る(
図5B参照)。即ち、ICタグ情報が取得されなかった記憶媒体か、持込み予定となっていない記憶媒体については、その旨が管理端末14又は25へ通知され(S521)、作業者が使用している(又は使用予定の)PC24に、アラームを鳴動させる。また、障害記録部117により障害記録DB127に、取得されたICタグ情報に対応して、エラー状態、及びその発生日時等が記録される(S522)。その後、鳴動中のアラームを解除するかを判断して(S523)、管理者がその記憶媒体についての問題が解消したと判断したときに(例えば管理者がその記憶媒体の持ち込みを許可した場合)、管理者は管理端末からアラーム解除の指示をする(S524)。アラーム解除の指示が無ければ、アラーム解除待ちの状態が続く(S527)。
その後、持込・持出管理部116は、媒体持込・持出管理DB126を修正するか判断して(S525)、修正要の場合には、媒体持込・持出管理DB126を修正する(S526)。即ち、当該記憶媒体のICタグ情報に対応して、「区分」を「持込」に修正する。併せて、障害記録部117は、障害記録DB127の当該ICタグ情報に対応して、回復日時を記録する。
【0049】
作業者がサーバ室から退室するときの動作に関するフローチャートは示していないが、上記の説明から理解可能であろう。即ち、退室時に、作業者はICタグリーダ22に入館証をかざすと、入館証のICタグ情報はICタグリーダ22によって読取られて、入室管理システム処理部131によって入退室管理DB133に反映され、その作業者の退室及び退室した時刻がログとして記録される。また、扉付近に設置されたICタグ無線タグアンテナ23によって、作業者が所持している記憶媒体のICタグ情報が検知されると、そのICタグ情報は、事前に媒体管理DB122に登録された持込み予定の記憶媒体の情報を照合して、持ち出される記憶媒体が許可されているものかを確認する。照合の結果、事前に登録された記憶媒体の情報と、実際に持ち込まれた記憶媒体が不一致の場合には、持出し違反と判断して、扉は開かれず、アラームが鳴動し、かつ管理端末14及び25に通知される。一方、正当に持ち出された媒体は、持込・持出管理部116により媒体持込・持出管理DB126に記憶される。
【0050】
次に、
図6、及び
図1、
図3を参照して、利用可能な電子機器の確認及びその利用制限の処理動作について説明する。
前提として、各管理DB121〜126が既に用意されている。例えば、利用者管理DB123について言えば、管理者は、各利用者に電子機器の使用を許可するために、予め管理端末14又は25から、利用者番号と使用許可する電子機器情報を入力し、権限・制限設定部113の制御により、利用者管理DB123には入力された利用者番号に対応付けて使用許可する電子機器情報が登録されている。また、機器管理部114の制御により、利用可能な電子機器に対して利用許可された記憶媒体が登録された機器管理DB124が構築されている。
【0051】
さて、サーバ室に入室が許可された利用者は、持参した又は自分の机に保管しておいた記憶媒体を利用するPC24等の電子機器にセットする(S601)。すると、ICタグリーダは記憶媒体のICタグ情報を読み込む(S602)。そして、媒体管理部112は、記憶媒体DB122を参照して当該記憶媒体のICタグ情報のものが登録されているかを判断する(S603)。判断の結果、当該記憶媒体の情報が登録されていない場合、アラームを鳴動して、使用しようとしているPC24の画面に警告画面を表示する(S606)。更に、そのPC24が使用できないように強制ロックする(S607)。併せて管理端末14又は25へ警報を送信する。その後、当該PCはロック解除待ちの状態になり、管理端末からロックの解除が無い限り、使用な不可能である(S608)。
【0052】
一方、上記判断の結果、当該記憶媒体の情報が記憶媒体DB122に登録されている場合には、機器管理部114は、当該記憶媒体のICタグ情報について、機器管理DB124を参照して、利用しようとするPCにセットされた記憶媒体は、使用が許可された記憶媒体であるかを判断する(S604)。この判断の結果、記憶媒体が許可されていないPCにセットされている場合には、上述と同様に、アラームを鳴動してそのPCの使用を強制ロックする(S606−608)。一方、許可されたPCにセットされている場合には、当該PCの使用を開始させる(S605)。
この実施例によれば、記憶媒体の利用が許可された媒体であるかの判定を行い、不許可の記憶媒体についてその利用を制限して警告するができる。また、記憶媒体が扱われるPC等の電子機器が、その記憶媒体について使用許可されているか判定し、不許可の電子機器については記憶媒体の利用を制限して報知することができる。
【0053】
以上説明したように、本実施例によれば、記憶媒体の利用が許可された媒体であるか判定することにより、不許可の記憶媒体の利用を制限することが可能である。また、記憶媒体が扱われるPC等の電子機器が使用許可された機器か否か判定することにより、不許可の電子機器について記憶媒体の利用を制限することが可能である。また、監視対象となる部屋等の領域内に存在する記憶媒体の存在を一定タイミングで確認することができる。
また、監視対象となる部屋等の領域への入退室者とその入退室者が所持している記憶媒体の確認を行うことで、所持者に対する記憶媒体の持ち込み又は持ち出しの許可、不許可を監視することが可能である。また、監視対象となる部屋等の特定領域への作業者の入室、電子機器を使用する作業者、利用する電子機器、及び使用される記憶媒体の使用許可の判定及びその所在の確認を行い、記憶媒体の所在の管理、不正持ち込みや不正持ち出し、及び不正利用の防止を行うことが可能である。
【0054】
なお、本発明は上記実施例に限定されることなく、種々変形、応用して実施することができる。
例えば、
図1に示した媒体管理システムにおける各処理部やDBの名称は一例であって、他の名称で呼ばれることがあるかもしれない。その場合でも上記実施例に記載した構成の機能や動作と同様のものを有していれば、本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0056】
1:管理サーバ 11:記憶媒体管理システム 13:入室管理システム 3:ネットワーク
21:生体認証リーダ 22:ICタグリーダ 23:ICタグ無線リーダアンテナ
24:PC(パーソナルコンピュータ) 25:遠隔作業用管理端末
121:ICタグ情報管理DB 122:媒体管理DB 123:権限・制限設定DB 124:機器管理DB
125:状態管理DB 126:媒体持込・持出管理DB 127:障害記録DB
111:ICタグ情報管理部 112:媒体管理部 113:権限・制限設定部 114:機器管理部
115:状態管理部 116:持込・持出管理部 117:障害記録部
131:入室管理システム処理部 132:リーダ/フロア管理DB
133:入退室管理DB 134:カード番号管理DB 135:生体情報管理DB。