(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5681639
(24)【登録日】2015年1月16日
(45)【発行日】2015年3月11日
(54)【発明の名称】可撓性竜骨を有する整形インプラント
(51)【国際特許分類】
A61F 2/44 20060101AFI20150219BHJP
A61L 27/00 20060101ALN20150219BHJP
【FI】
A61F2/44
!A61L27/00 F
!A61L27/00 L
【請求項の数】22
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-542463(P2011-542463)
(86)(22)【出願日】2009年12月18日
(65)【公表番号】特表2012-513245(P2012-513245A)
(43)【公表日】2012年6月14日
(86)【国際出願番号】US2009068636
(87)【国際公開番号】WO2010075195
(87)【国際公開日】20100701
【審査請求日】2012年12月14日
(31)【優先権主張番号】61/139,964
(32)【優先日】2008年12月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505377463
【氏名又は名称】ジンテス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(72)【発明者】
【氏名】ライヘン マルク
(72)【発明者】
【氏名】シュムラ カート
【審査官】
北村 英隆
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2007/140382(WO,A1)
【文献】
特表2006−509585(JP,A)
【文献】
特表2006−514558(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0215198(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/44
A61L 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨組織内に固定されるように構成された整形インプラントであって、前記整形インプラントは、
縦前方方向に沿って前記骨組織内に挿入されるように構成された端板であって、前記端板が骨接触面と、前記骨接触面から横断方向に外方に延びかつ前記骨組織内に形成されたスロットに配置されるように構成された竜骨とを呈し、前記竜骨が、前記骨接触面から外方に延びる基部と、前記基部によって支持された竜骨本体と、前記竜骨本体から縦後方方向に延びる第1の翼とを含み、前記第1の翼が、前記基部から空隙によって離間され、前記竜骨本体は前記スロットを形成する前記骨組織に面する側壁を有し、前記第1の翼が、前記スロットを形成する前記骨組織と接触するように形成された外面を有する第1のフレア部分を含み、前記外面が、前記外面が前記側壁から縦後方方向に延びるとき、前記側壁に対して角度を付けられて横方向の外側に延びる、前記端板を有することを特徴とする整形インプラント。
【請求項2】
前記第1のフレア部分は、空隙によって前記骨接触面から離間していることを特徴とする請求項1に記載の整形インプラント。
【請求項3】
前記第1のフレア部分は、可撓性であり且つ前記骨接触面に対して移動するように構成されることを特徴とする請求項2に記載の整形インプラント。
【請求項4】
前記竜骨本体は、前記基部から横断方向に外方に延びることを特徴とする請求項2に記載の整形インプラント。
【請求項5】
前記第1のフレア部分は、前記基部に対して移動するように可撓性であることを特徴とする請求項4に記載の整形インプラント。
【請求項6】
前記基部は、縦前方付勢力を受け取るために挿入ツールに当接するように構成された係合面を有することを特徴とする請求項5に記載の整形インプラント。
【請求項7】
前記竜骨は、更に、前記第1の翼から横方向に離間した第2の翼を有することを特徴とする請求項1に記載の整形インプラント。
【請求項8】
前記第2の翼は、前記第1のフレア部分と反対の方向に横方向外方に突出する第2のフレア部分を有することを特徴とする請求項7に記載の整形インプラント。
【請求項9】
前記第1及び第2のフレア部分は、互いの方向に屈曲するように構成されることを特徴とする請求項8に記載の整形インプラント。
【請求項10】
前記第1及び第2の翼は、前記第1及び第2のフレア部分を互いの方向に付勢する器具からの力を受け取るように構成されたそれぞれの係合面を更に有することを特徴とする請求項9に記載の整形インプラント。
【請求項11】
前記係合面は、前記第1及び第2のフレア部分の間に配置された位置で前記第1の翼及び前記第2の翼から延びることを特徴とする請求項10に記載の整形インプラント。
【請求項12】
前記整形インプラントは椎間インプラントであることを特徴とする請求項1に記載の整形インプラント。
【請求項13】
骨組織内に固定されるように構成された整形インプラントであって、前記整形インプラントは、
縦前方方向に沿って前記骨組織内に挿入されるように構成された端板であって、前記端板が骨接触面と、前記骨接触面から横断方向に外に延びかつ前記骨組織内に形成されたスロットに配置されるように構成された竜骨とを呈し、前記竜骨が、竜骨本体と、前記竜骨本体から後方に延びる第1の翼と、前記骨接触面から横断方向に外に延びる基部であって、前記第1の翼が前記基部から横断方向に離間する、前記基部とを含み、前記第1の翼が、前記スロットを形成する前記骨組織と接触するように形成された外面を有し、前記第1の翼が、前記竜骨が前記スロット内に挿入されるとき、前記外面が前記第1の翼を前記竜骨本体に対して移動させる前記骨組織と接触するように、可撓性である、前記端板を有することを特徴とする整形インプラント。
【請求項14】
前記第1の翼は、空隙によって前記基部から離間していることを特徴とする請求項13に記載の整形インプラント。
【請求項15】
更に、前記第1の翼から横方向に離間した第2の翼を有することを特徴とする請求項14に記載の整形インプラント。
【請求項16】
前記第1の翼は、第1のフレア部分を有し、前記第2の翼は前記第1のフレア部分から離れる方向に横方向外方に突出する第2のフレア部分を有することを特徴とする請求項15に記載の整形インプラント。
【請求項17】
前記第1及び第2の翼は、前記第1のフレア部分及び前記第2のフレア部分を互いの方向に付勢する器具からの力を受け取るように構成されたそれぞれの係合面を更に有することを特徴とする請求項16に記載の整形インプラント。
【請求項18】
前記整形インプラントは椎間インプラントであることを特徴とする請求項13に記載の整形インプラント。
【請求項19】
椎骨インプラントの端板であって、
前記端板は、縦前方方向に沿って椎間腔内に挿入されるように構成され、前記端板は、骨接触面と、前記骨接触面から横断方向に外方に延び、かつ椎骨に形成されたスロットに配置されるように構成された竜骨とを呈し、前記竜骨が、基部と、前記基部から上方に延びる竜骨本体であって、そのために前記基部が前記竜骨本体から縦後方方向に延びる前記竜骨本体と、前記竜骨本体から縦後方方向に延びる翼とを含み、前記翼は、空隙によって縦前方方向から角度を付けられた横断方向に前記基部から離間され、前記竜骨本体は前記骨組織に面する側壁を有し、前記翼は、前記外面が前記側壁から縦後方方向に延びるとき、前記側壁に対して横方向外方に突出する可撓性フレア部分を含む、ことを特徴とする端板。
【請求項20】
前記横方向は、前記縦前方方向に対してほぼ垂直であることを特徴とする請求項1に記載の整形インプラント。
【請求項21】
前記横断方向は、前記縦前方方向に対してほぼ垂直であることを特徴とする請求項13に記載の整形インプラント。
【請求項22】
骨組織内に固定されるように構成された整形インプラントであって、前記整形インプラントは、
縦前方方向に沿って前記骨組織内に挿入されるように構成された端板であって、前記端板が骨接触面と、前記骨接触面から横断方向に外方に延びかつ前記骨組織内に形成されたスロットに配置されるように構成された竜骨とを呈し、前記竜骨が、竜骨本体と、第1の及び第2の翼とを有し、前記第1の及び第2の翼の各々が、互いから横方向に離間され、且つ互いに向かって曲がるように構成され、且つ前記竜骨本体から後方に延び、前記第1の及び第2の翼が、第1のフレア部分及び第2のフレア部分をそれぞれ有し、前記第1のフレア部分及び前記第2のフレア部分の各々が縦後方方向に対して反対の方向に横方向外方に突出し、前記第1及び第2の翼は、前記第1のフレア部分及び前記第2のフレア部分を互いの方向に付勢する器具からの力を受け取るように構成されたそれぞれの係合面を更に有し、前記係合面は、前記第1のフレア部分及び前記第2のフレア部分の間に配置された位置で前記第1及び第2の翼からそれぞれ延び、前記第1のフレア部分及び前記第2のフレア部分は空隙によって前記骨接触面から離間されていることを特徴とする整形インプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、2008年12月22日出願の米国特許出願出願番号第61/139,964号明細書に対する優先権を請求するものであり、この特許の開示内容は、あたかも本明細書にその全体が示されるようにここに引用により組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
従来的に、隣接椎骨間からの椎間板の完全な除去は、隣接椎骨の互いの融合をもたらすものである。今日依然として使用されているこの「脊椎融合」処置は、症候性腰部及び子宮頸部変性椎間板疾患に関する広く受け入れられている外科治療である。より最近では、椎間板関節形成術は、隣接椎骨間の椎間腔内に人工椎間板インプラントを挿入するのに利用される場合がある。このような椎間板インプラントは、互いに対して隣接椎骨の限定的な自在な移動しか許容しない。全体椎間板置換の目的は、痛み発生(変質した椎間板により引き起こされる)を除去し、解剖学的構造(椎間板高さ)を回復させ、かつ脊椎が適応サジタル均衡に留まるように機能的脊椎ユニットで移動度を維持することである。サジタル均衡は、調和したサジタル曲線及び従って脊椎の減衰効果を維持するための脚及び骨盤との胴体の平衡として定められる。融合技術とは対照的に、全体椎間板置換は、運動セグメントにおける移動度を維持し、かつ生理的条件を模倣しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願出願番号第61/139,964号明細書
【特許文献2】米国特許第6,936,071号明細書
【特許文献3】米国特許出願出願番号第12/375,710号明細書
【特許文献4】米国特許出願出願番号第11/669、273号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1つのこのような椎間インプラントは、隣接椎骨に取り付けられた上部部分、別の隣接椎骨に取り付けられた下部部分、及びこれらの2つの部分の間に位置するインサートを含む。このような全体椎間板置換椎間インプラントの例は、「椎間インプラント(Intervertebral Implant)」という名称の米国特許第6,936,071号明細書に示されており、この特許の内容は、その全体が本明細書において引用により組み込まれている。隣接椎骨に上部部分及び下部部分を取り付けるアンカーをもたらすために、各部分は、垂直に延びる竜骨を含む。この及び他の公知のインプラントは、人工椎間インプラントの当業技術における改良を表すが、これらのタイプのインプラントの改良に対する継続的な必要性が存在する。すなわち、修正又は外植処置に適応した全体椎間板置換インプラントのような整形インプラントと共に使用される骨固定竜骨を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様により、整形インプラントは、骨組織内に固定されるように構成される。インプラントは、縦前方方向に沿って骨組織内に挿入されるように構成された端板を含む。端板は、骨接触面を呈し、竜骨が、骨接触面から出て延び、かつ骨組織内に形成されたスロット内に配置されるように構成される。竜骨は、竜骨本体及び竜骨本体から後方に延びる翼を含み、翼は、縦後方方向に対して横方向外方に突出するフレア部分を含む。フレア部分は、空隙によって骨接触面から離間している。
【0006】
以上の概要、並びに本出願の好ましい実施形態の以下の詳細説明は、添付の図面と共に読むとより良く理解されるであろう。本出願の可撓性固定竜骨及び関連の器具を示すために、好ましい実施形態を図面に示している。しかし、本出願は、図示の構成及び手段通りであることに限定されないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】竜骨スロットが各々形成されて椎間腔によって分離された1対の椎体の斜視図である。
【
図1B】
図1に示す椎体と2つの椎体間の椎間腔内に挿入された椎間インプラントとの斜視図である。
【
図2】
図1B示し、かつ第1及び第2の端板を含む一実施形態によって構成された椎間インプラントの斜視図である。
【
図6】
図4の線6−6に沿って切り取ったインプラントの断面図である。
【
図7】
図5の線7−7に沿って切り取ったインプラントの断面図である。
【
図8】一実施形態によって構成されたフォーク型骨刀器具の斜視図である。
【
図9A】
図2に示す第1のインプラント端板に連結された
図8に示すフォーク型骨刀器具の斜視図である。
【
図9B】
図2に示す第1のインプラント端板に連結された
図8に示すフォーク型骨刀器具の斜視図である。
【
図10A】端板の一方に対する代替的な実施形態によって構成された骨刀器具の連結を示す、代替的な実施形態によって構成された1対の端板を含む椎間インプラントの上面図である。
【
図10B】端板に連結された骨刀器具を示す
図10Aに示す椎間インプラントの上面図である。
【
図11A】別の代替的な実施形態によって構成された椎間インプラントの斜視図である。
【
図12A】更に別の代替的な実施形態によって構成された椎間インプラントの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ある一定の用語は、便宜上に限り以下の説明に使用するものであり、制限的なものではない。単語「右」、「左」、「下部」、及び「上部」という語は、参照する図面の方向を指す。「内方に」又は「遠位に」、及び「外方に」又は「近位に」という語は、それぞれ、インプラントアセンブリ及びその関連の部分の幾何学的な中心に向う方向及び幾何学的な中心から離れる方向を指す。「前方」、「後方」、「上方」、「下方」、及び関連の単語及び/又は語句は、参照する人体の好ましい位置及び向きを指定するものであり、制限的であることを意図していない。用語は、先に記載の単語及びその派生語及び類似の趣旨を有する語を含む。
【0009】
図1A〜
図2を参照すると、上椎体12a及び下椎体12bを含む1対の隣接椎体12は、その間に配置された椎間腔14を形成する。図示のように、椎間板切除後の椎間腔14が示されており、椎間腔14を準備して
図2に示す椎間インプラント10のような椎間インプラントを受け取るために椎間板材料が除去されている。すなわち、インプラント10は、椎間腔14に挿入されて椎体12間の安定性の改善を達成するように構成される(融合又は非融合処置のために)。椎間腔14は、脊椎に沿ってどこにでも配置することができるが、一実施形態により脊椎の頸部領域内に配置される。
【0010】
縦方向「L」及び横方向「A」に沿って水平に、及び横断方向「T」に沿って垂直に延びるインプラント10及びインプラントの様々な構成要素を本明細書に説明する。本明細書に特に断らない限り、「横の」、「縦の」、及び「横断の」という用語は、様々な構成要素の直交方向の構成要素を説明するのに使用している。
【0011】
縦方向及び横方向は、水平面に沿って延びるように示され、かつ横断方向は、垂直面に沿って延びるように示されているが、様々な方向を包含する平面は、使用中に異なる場合があることを認めるべきである。従って、「垂直の」及び「水平の」という方向に関する用語は、単に明瞭さ及び例示の目的で示すようにインプラント10及びその構成要素を説明するために使用している。
【0012】
図示の実施形態では、縦方向Lは、前後方向に延び、横方向Aは、内側から横方向に延び、横断方向Tは、尾部から頭蓋の方向に延びる。しかし、インプラント10により定められる様々な方向は、代替的に、内側から横方向及び前後方向及び横断方向に関して0°と180°の間のあらゆる望ましい角度に向けることができることを認めるべきである。
【0013】
全体的に
図1〜
図7をここで参照すると、インプラント10は、一般的に第1の又は上部の端板20及び第2の又は下部の端板22を含む。端板20及び22及びその構成要素は、多孔性プラズマ溶射チタンコーティングを有するコバルトクロムモリブデン(CoCrMo)、チタン、ステンレス鋼、セラミック、又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のようなポリマーのような様々な生体適合性材料で形成することができる。端板20及び22は、それぞれ、実質的に平面の外側横断骨接触面24及び26と、表面24及び26から横断方向に外に延びるそれぞれの可撓性竜骨28及び30とを形成する。図示の実施形態では、竜骨28及び30は、表面24及び26に対して垂直である。表面24及び26は、滑らかとすることができ、又は関連の椎体12との融合を容易にするためにテクスチャド加工とすることができる。インプラント10は、インプラント10の椎間腔14への挿入の方向に対して縦方向前端部11及び縦方向後端部13を形成する。従って、インプラント10は、後端部13から前端部11に向けて延びる縦前方方向に沿って椎間腔14に挿入されるように構成される。従って、「前方」及び「後方」という用語及びその派生語は、インプラント10の構成要素に関して使用する時にインプラント10の前端部及び後端部11及び13を基準にして使用される。
【0014】
椎間板空間14内にインプラント10を位置決めするために、竜骨28及び30のサイズ及び形状に全体的に適合してそこに延びる竜骨切れ目又はスロット18をもたらすように下椎体並びに上椎体12内に切れ目が作られる。竜骨切れ目又はスロット18は、2009年1月30日出願の米国特許出願出願番号第12/375,710号明細書に開示されているタイプののみ又は穿孔/フライス削りシステムのような所望するあらゆる方法及び装置を使用して提供することができ、この特許の開示内容は、あたかも本明細書にその全体が示されるようにここに引用により組み込まれる。スロット18は、椎体12a〜b内に形成され、スロットは、代替的に、特に断らない限り、所望する人体内のあらゆる骨に関連の骨組織に配置することができることを認めるべきである。
【0015】
インプラント10は、下端板22に接続されかつ下端板22と上端板20の間に配置されたプラスチックインサート又はインレー116を更に含むことができる。インプラント10は、約15〜19mmの間とすることができる横方向Aに沿って延びる幅、約12〜16mmとすることができる縦寸法Lに沿って延びる長さ、及び約5〜9mmとすることができる横断方向Tに沿って外面24及び26間に延びる高さを形成することができる。従って、インプラント10は、子宮頸部の椎間腔の比較的小さい寸法のために精度の必要性によって特徴付けられる脊椎の頸部内の椎間腔における埋め込みに適切である。
【0016】
図示の実施形態においてインプラント10に関して上述した寸法は、インプラントが異なる脊髄領域、例えば、仮に腰部領域内の椎間腔内に挿入される場合のインプラント10の寸法とは対照的なものである。腰部への埋め込みのために構成されたインプラント10は、約27〜30mmの間の幅、約34〜39mmの長さ、及び約10〜14mmの高さを有することができる。
【0017】
インプラント10は、脊椎に沿ってあらゆる椎間腔の埋め込みに対して望ましいあらゆる寸法で製造することができ、かつ特に断らない限り、子宮頸部領域及び腰部領域に限定されるものではないことは理解されるものとする。更に、インプラント100は、全体椎間板置換デバイスとして構成されているが、本明細書に説明する教示内容によって構成されるインプラントは、椎体間スペーサ、股関節置換インプラント、及び膝関節置換インプラントなどのような様々な骨固定式整形プロテーゼとの使用に向けて容易に構成可能である。
【0018】
ここで、特に
図2A〜
図5を参照して第1の端板20を以下に説明する。「横断方向に中に」及び「横断方向に外に」という方向及びその派生語は、端板20が図示のように上端板として設けられる時に、それぞれ、上方の方向及び下の方向を説明するために第1の端板20に対して使用するものであることを認めるべきである。特に、上端板20は、上椎骨体12aと係合してそれを支持する外面24を形成する。外面24は、全体を通して僅かに面取りされた縁部32によって境界付けられ、斜面の最大部分は、インプラント10の前端部11にある。端板20は、面取り縁部32から横断方向に中に突出する周囲側壁34、及び側壁34が外面24と内面36の間に延びるように位置決めされた内側横断表面36を含む。
【0019】
竜骨28は、一体的に上端板20の外面24に接続することができ、かつ上椎体12aのような椎体12の一方に形成されたスロット18に挿入されるようにサイズ決めされかつそのように構成される。この点に関しては、竜骨28は、スロット18内に配置されるように構成された固定竜骨と解釈することができる。スロット18は、上述の方法で予め形成することができ、又は竜骨28を椎体に挿入している間に切り込むことができる。上端板20は、上椎体12aに関連しているように示され、下端板22は、下椎体12bに関連しているように説明されているが、インプラント10の向きに基づいて、端板20は、代替的に、下椎体12bに装着することができ、下端板22は、代替的に、上椎体12aに装着することができることを認めるべきである。
【0020】
竜骨28は、インプラント10の前端部11の近くに配置された近位端38、及びインプラント10の後端部13の近くに配置された遠位端40を定める。竜骨28は、竜骨本体42及び基部44を含む。竜骨本体42は、外面24から横断方向に外に離間している。特に、竜骨本体42は、外面24に一体的に接続されかつそこから横断方向に外に延びる基部44から横断方向に外に延びる。竜骨本体42は、基部44から横断方向に外に延びかつ基部44の対向側壁45と同一平面上とすることができる1対の対向側壁43を定める。基部44は、外側横断表面24から横断方向に外に延びかつ側壁45の遠位端又は後端部の間に横方向に延びる遠位係合面47を更に含む。
【0021】
竜骨28の近位端は、1対のV字形上部斜面46a、46b、及び上部斜面46a、46bから横断方向に中に延びる1対のV字形垂直斜面48a、48bを含む。斜面46a及び48aは、実質的に平坦な横方向に延びる前面50により、斜面46b及び48bによって互いに離間している。斜面46、48及び前面50は、実質的に「矢印」形状である前部竜骨プロフィールを形成する。「矢印」形状は、対応する椎体12aに形成されたスロット18内への竜骨28の挿入を容易にする。
【0022】
第1の開口52は、竜骨本体42の遠位端の中に横断方向に延びて基部44で終端する。開口52は、縦方向に細長であり、かつ本体42の遠位端が開放であるように本体42を通って遠位に延びる。開口52は、竜骨28の第1の翼54及び第2の翼56を形成する。第1及び第2の翼54及び56は、竜骨本体42から後方に延びる。第2の翼56は、開口52を通じて第1の翼54から横方向に離間している。翼54及び56は、開口52により互いから横方向に離間しており、それによって翼54及び56を分離する空隙がもたらされる。各翼54及び56は、図示のように可撓性であり、かつ外側横断表面24に対して移動するように構成することができる。図示の実施形態により、各翼54及び56は、それぞれ、第1の可撓性フレア状遠位領域58及び第2の可撓性フレア状遠位領域60でのその遠位端で終端する。フレア状領域58及び60は、フレア状領域58及び60に沿って遠位又は後方の方向に側壁43に対して横方向外方に突出する。
【0023】
チャンネル62は、横断方向に基部44と翼54及び56との間の位置で竜骨28の遠位端から縦方向前方に延びる。チャンネル62は、竜骨28の中に縦方向に延び、しかし縦方向に貫通せずに、開口52の縦方向の境界に対して遠位である距離で終端する。チャンネル62は、更に、竜骨28を通って横方向に延びる。従って、フレア状領域58及び60を含む翼54及び56は、チャンネル62により基部44及び外側横断表面24から横断方向に離間している。チャンネル62は、従って、翼54及び56を基部44及び外面24から分離する空隙を形成する。翼54及び56は、従って、基部44から離間しており、すなわち、第1の端板20が上椎体12aと係合した時に基部44の上方に吊り下げられるが、第1の端板20が下椎体12bと係合した場合には、基部44の下方に吊り下げることができると考えられる。
【0024】
竜骨28は、従って、それぞれ、横断方向に基部44と翼54及び56との間に延びる1対の遠位に向く表面64及び66を形成する。必要に応じて、係合面64及び66は、図示のように横断方向に沿って湾曲させることができる。竜骨28は、凹部68が開口52を通じてアクセス可能であるように、翼54及び56間の位置で基部44の中に横断方向に突出する凹部68の形態の器具係合特徴部を更に含むことができる。
【0025】
引き続き
図2A〜
図5を参照して第2の端板22を説明する。「横断方向に中に」及び「横断方向に外に」という方向及びその派生語は、端板22が図示のように下端板として設けられた時に、それぞれ、下方向及び上方向を説明するために第2の端板22に対して使用していることを認めるべきである。特に、上端板20は、下椎骨体12bと係合してそれを支持する外面26を形成する。第2の端板22は、第2の端板22の外側横断表面26から横断方向に外へ延びる構造的特徴部が、第1の端板20の外側横断表面24から横断方向に外に延びる同様の構造的特徴部と整列するように、実質的に第1の端板20に関して説明するように構成されることは認められるであろう。
【0026】
外面26は、全体を通して僅かに面取りされた縁部70によって境界付けられ、斜面の最大部分は、インプラント10の前端部11にある。端板22は、面取り縁部70から横断方向に中に突出する周囲側壁72、及び側壁72が外面26と内面74の間に延びるように位置決めされた内側横断表面74を含む。
【0027】
竜骨30は、一体的に第2の端板22の外面26に接続することができ、かつ下椎体12bのような椎体12の一方に形成されたスロット18に挿入されるようにサイズ決めされかつそのように構成される。スロット18は、上述の方法で予め形成することができ、又は竜骨30を椎体に挿入している間に切り込むことができる。上端板22は、下椎体12bに関連しているように示され、上端板20は、上椎体12aに関連しているように説明されているが、インプラント10の向きに基づいて、端板22は、代替的に、上椎体12aに装着することができ、上端板20は、代替的に、下椎体12bに装着することができることを認めるべきである。
【0028】
竜骨30は、インプラント10の前端部11の近くに配置された近位端76、及びインプラント10の後端部13の近くに配置された遠位端78を定める。竜骨30は、外面26から横断方向に外に離間した竜骨本体80を含む。特に、竜骨本体80は、外面26に一体的に接続されかつ外面26から横断方向に外に延びる基部82から横断方向に外に延びる。竜骨本体80は、基部82から横断方向に外に延びかつ基部82の対向側壁82と同一平面上とすることができる1対の対向側壁81を定める。基部82は、外側横断表面26から横断方向に外に延びる遠位係合面85を更に含み、かつ側壁83の遠位端又は後端部の間を横方向に更に延びる。
【0029】
竜骨28の近位端は、1対のV字形上部斜面84a、84b、及び上部斜面84a、84bから横断方向に中に延びる1対のV字形垂直斜面86a、86bを含む。斜面84a及び86aは、実質的に平坦な横方向に延びる前面88により、斜面84b及び86bによって離間している。斜面84、86及び前面88は、実質的に「矢印」形状である前部竜骨プロフィールを形成する。「矢印」形状は、対応する椎体12b内に形成されたスロット18への竜骨20内の挿入を容易にする。
【0030】
第1の開口90は、竜骨本体80の遠位端78の中に横断方向に延び、かつ基部82で終端する。開口52は、縦方向に細長であり、かつ本体42の遠位端が、開放であって第1の翼92及び竜骨30の遠位端78に配置された第2の翼94を形成するように、本体80を通って遠位に延びる。第1及び第2の翼92及び94は、竜骨本体80から後方に延びる。翼92及び94は、開口52により互いから横方向に離間しており、それによって翼92及び94を分離する空隙がもたらされる。各翼92及び94は、図示のように可撓性であり、かつ外側横断表面26に対して移動するように構成することができる。図示の実施形態により、各翼92及び94は、それぞれ、第1の可撓性フレア状遠位領域96及び第2の可撓性フレア状遠位領域98での遠位端で終端する。フレア状領域96及び98は、それぞれ、フレア状領域96及び98に沿って遠位又は後方の方向に側壁81に対して横方向外方に突出する。
【0031】
チャンネル100は、横断方向に基部82と翼92及び94との間の位置で竜骨30の遠位端から縦方向前方に延びる。チャンネル100は、竜骨30の中に縦方向に延びるが、しかし竜骨30を縦方向に貫通せず、開口90の縦方向の境界に対して遠位である距離で終端する。チャンネル100は、更に、竜骨30を通って横方向に延びる。従って、フレア状領域96及び98を含む翼92及び94は、チャンネル100により基部82及び外側横断表面26から離間している。チャンネル100は、従って、翼92及び94を基部44及び外面24から分離する空隙を形成する。翼92及び94は、従って、第2の端板22が下椎体12bと係合した時に基部82の下方に吊り下げられるが、第2の端板22が上椎体12aと係合した場合は基部82の上方に吊り下げることができると考えられる。
【0032】
竜骨30は、従って、それぞれ、基部82と翼92及び94との間に横断方向に延びる1対の遠位に向く表面102及び104を形成する。必要に応じて、表面102及び104は、図示のように横断方向に沿って湾曲させることができる。竜骨30は、凹部106が開口90を通じてアクセス可能であるように、翼92及び94間の位置で基部82の中に横断方向に突出する凹部106の形態の器具係合特徴部を更に含むことができる。
【0033】
図4〜
図7をここで参照すると、端板20及び22は、各端板20及び22を他方の端板に対してあまねく約360°ピボット回転させるように構成された連接継ぎ手として設けられた継ぎ手106で嵌合される。継ぎ手106は、開示内容があたかも本明細書にその全体が示されるように本明細書において引用により組み込まれる米国特許出願出願番号第11/669、273号明細書に説明されているように、又はあらゆる適切な代替的な実施形態によって構成することができる。
【0034】
端板20及び22の各々は、従って、それぞれ、それぞれの合わせ継ぎ手部材108及び110を含む。特に、下端板22は、内面74から横断方向内方に延びる1対のC字形支持部材112を含む。支持部材112は、プラスチック製インレー116を受け取るように構成された横方向内方に向く受け取りチャンネル114を呈する。インレー116は、チャンネル114の内側に適合するようにサイズ決めされた横方向外側端部120を有する基部118を含む。従って、インレー116は、端板22の後端部13から端板22の前端部11に向う方向にチャンネル114内に挿入することができる。端板22は、インレー116の過度の挿入を防止するために前端部11に配置された停止具を含むことができる。インレー116は、不慮の除去を防止するためにインレー116を所定の位置にスナップ留めすることができるように、内側横断表面74内に延びるスナップイン凹部124と係合するスナップイン突起122を含むことができる。
【0035】
インレー116は、更に、基部118上に中心に配置されかつ基部118から横断方向に中に延びるドーム状上面126を含む。第1の端板20は、内面36から横断方向に中に延びる隆起した表面128を含む。隆起した表面128は、ドーム状上面126を受け取りかつそれと嵌合するような輪郭を有し、かつそのように構成された突出するドーム状凹部130を形成する。従って、端板20及び22は、360°の運動の範囲に関して互いにあまねくピボット回転するように構成される。
【0036】
継ぎ手106を一実施形態により説明したが、インプラントは、あらゆる方向に端板20及び22間の相対的な運動を可能にするか又は端板20及び22に固定的に装着されたあらゆる代替的に構成された継ぎ手を含むことができることを認めるべきである。この点に関して、第1の端板20は、インレー116を担持することができ、第2の端板22は、インレー116と係合する隆起した表面128のような隆起した表面を担持することができることを認めるべきである。
【0037】
図8をここで参照すると、フォーク型骨刀器具132が、端板20及び22の一方又は両方を上述の椎間腔14内に挿入するように準備され、かつそのように構成することができる。竜骨28及び30が実質的に同一に構成されるので、器具132は、第1の端板20の竜骨28と係合するように本明細書に説明しており、この説明は、第2の端板22との器具の係合に適用されることは認められるものとする。この点に関して、上下端板20及び22と係合する1対の器具132を設けることができ、又はそれぞれ両方の端板20及び22の竜骨28及び30と係合するように構成された1対の横断方向に離間したアーム140及び142を有する単一の器具を設けることができることを更に認めるべきである。
【0038】
器具132は、縦軸Lに沿って細長であるシャフト134を含み、かつハンドル137を形成する近位端136及び対向する遠位端138を形成する。器具は、更に、第1の又は外側横断表面119、及び第1の表面119の反対側にある第2の又は内側横断表面121を形成する。器具132は、第1のアーム140及びシャフト134から遠位に延びる第2のアーム142を含む。アーム140及び142は、器具が分岐した遠位端138を形成するように、間隙144により横方向に(又は水平に)離間している。各アーム140及び142は、それぞれ、横断方向に縦後方に面取りされているか又はフレア状である遠位縁部146及び148を形成することができる。特に、遠位縁部146及び148は、遠位端138から近位端136に向けて縁部146及び148に沿って内側横断表面121から外側横断表面119へ横断方向に面取りされる。面取り縁部146及び148は、インプラント10を椎間腔14内に挿入する時に補助することができる。器具132は、それぞれ、アーム140及び142の縦方向に延びかつ横方向に対向する内側ガイド面150及び152と、アーム140及び142の間を横方向に延びる内側停止面154とを形成する。
【0039】
図示の実施形態では、遠位縁部146及び148は、それぞれ、近位端136から遠位端138に向う縦方向に沿って内側ガイド面150及び152に対して横方向外方に面取りされているか又はフレア状である横方向内側の表面147及び149を呈する。従って、遠位縁部146及び148は、内側ガイド面150及び152の間に配置された横方向幅を超える横方向幅をその間に定める。アーム140及び142間に配置された幅は、従って、器具132の遠位端138で縦軸Lに対して外方にテーパ付きである。テーパ付き幅は、端板20との器具132の係合を容易にする。
【0040】
図2及び
図8をここで参照すると、間隙144は、竜骨本体42の対向側壁43を分離する横方向幅に実質的に等しいか又はこれを僅かに超える横寸法を有し、従って、同じく竜骨本体42の対向側壁45を分離する横方向幅に実質的に等しいか又はこれを僅かに超える横寸法を有する。別の言い方をすると、内側停止面154は、竜骨本体42の対向側壁43を分離する横方向幅に実質的に等しいか又はこれを僅かに超える横寸法を有し、従って、同じく竜骨本体42の対向側壁45を分離する横方向幅に実質的に等しいか又はこれを僅かに超える横寸法を有する。
【0041】
竜骨28と係合する器具132の少なくとも一部、例えば、アーム140及び142及び/又はシャフト134の一部は、基部44又は係合面47の横断方向高さに実質的に等しいとすることができる高さ(又は端板20の外側横断表面24と基部44又は係合面47の外側横断表面との間の横断方向距離)を定める。代替的に、この高さは、アーム140及び142が、作動中に竜骨28と係合するように構成されるように、基部44又は係合面47の高さを超えるか又は下回ることができる。
【0042】
代替的な実施形態により、竜骨と係合する器具132の部分の高さは、基部44と翼54及び56との間の横断方向距離に等しいか又はこれを僅かに下回る高さを有することができる。別の言い方をすると、竜骨28と係合する器具132の部分の高さは、チャンネル62内に適合するように構成することができる。代替的に、器具132がチャンネル62に挿入されるのを防止することが必要な場合には、内側停止面154は、チャンネル62を超える高さを有することができる。
【0043】
図9A〜
図9Bをここで参照すると、器具132は、端板20の椎間腔14への挿入を容易にするために端板20の竜骨28と係合する。特に、器具132は、第2の表面121が端板20の外側横断表面24によって支持されるように位置決めされるような向きに置かれる。器具132は、アーム140及び142を分離する間隙144が基部44の係合面47と整列するように位置決めされる。器具132は、内側横断表面121が係合面47とほぼ整列するような向きに置くことができる。
【0044】
器具132は、次に、間隙144がその中に基部44を受け取るように、矢印Fによって示される縦前方方向に端板20に対して平行移動させることができる。斜面147及び149は、挿入中に間隙144と基部44の間のいくらかのミスアラインメントがあれば補正することができる。従って、器具132が端板20と係合すると、アーム140及び142の内面150及び152は、基部44がアーム140及び142の間に捕捉されるまで基部44の側壁45に沿って乗っていく。器具132は、竜骨28との完全嵌合位置まで縦方向前方に平行移動し、それによって停止面154は、係合面47に当接する。器具132の前方運動の継続により、次に、端板20は、椎間腔14内に平行移動する、従って、係合面47は、停止面154に当接し、縦前方方向に端板を付勢する停止面154からの縦方向前方付勢力を受け取るように構成される。
【0045】
器具132及び端板20が完全に嵌合した時、面取り縁部146及び148は、外側横断表面24から横断方向に外に広がり、インプラント10を椎間腔14に挿入する時にそれを補助する。一実施形態では、面取り縁部146及び148は、斜面32がまず椎間腔と、次に、面取り縁部146及び148と係合するように端板20の面取り前縁32の背後に配置される。斜面32、146、及び148は、従って、協働して端板10の椎間腔14への挿入を容易にする。
【0046】
第1及び第2のフレア状領域58及び60を含む翼54及び56は、翼54及び56のフレア状領域58及び60が、それぞれ、スロット18を形成する椎骨壁と係合するように椎体12a内に形成されたスロット18に挿入される。開口52がフレア状領域58及び60を分離するので、フレア状領域58及び60は、可撓性であり、かつ端板20の残りに対して互いの方向に屈曲することができる。従って、フレア状領域58及び60は、骨接触外側横断表面24及び基部44に対して移動することができる。フレア状領域58及び60が表面24及び基部44から横断方向に離間しているので、フレア状領域58及び60の横断方向内側縁部は、表面24及び基部44に対して可撓性である。可撓性竜骨28の介在により、従来の非可撓性竜骨を特徴とするインプラントと比較すると、竜骨28を特徴とするデバイスを移植するのに必要な挿入力を低減することができる。翼54及び56のフレア状領域58及び60が基部44から横断方向に外に離間しているので、挿入器具132とフレア状領域58の間の干渉は、端板20が椎間腔14に挿入されるので回避される。
【0047】
上述の可撓性竜骨28及び30と類似である竜骨は、代替的に、骨組織内に固定されるように設計された椎体間スペーサ又は他の整形インプラントとの使用のために構成することができることを認めるべきである。代替インプラントは、次に、可撓性竜骨28を備えた端板10を有するインプラントに対して上述したものと類似の方法を用いて修正及び/又は外植することができる。従って、インプラント10は、整形インプラントと考えることができる。
【0048】
図10A〜
図10Bを参照すると、端板20は、椎間腔14からの端板20の容易な除去を容易にするように、代替的な実施形態によって構成することができる。特に、竜骨28は、翼54及び56のそれぞれの横方向内側表面57及び59から横方向内方に延びる1対の係合壁160及び162を含む。係合壁160及び162は、それぞれ、表面164及び166に沿って横方向内方の方向に沿って内面57及び59から縦後方に角度を付けられた後部係合面164及び166を呈する。
【0049】
除去器具170は、シャフト172と、各々がそれぞれの遠位係合面178及び180を有する1対の横方向に離間したそれぞれアーム174及び176を含む。各係合面178及び180は、表面178及び180に沿った横方向内方の方向に沿って縦後方に角度を付けられる。従って、係合面178及び180は、係合面164及び166と整列しかつそれらと嵌合するように構成される。アーム174及び176は、矢印Fの方向に沿った端板20に対する除去器具170の前方の運動により、係合面170及び180が係合面164及び166と係合するように横方向の移動に対して少なくとも剛性である。前方移動の継続により、表面164及び166は、係合面170及び180に沿って横方向内方に乗っていく。表面164及び166が係合面170及び180と一緒に乗ると、係合面170及び180は、係合面170及び180に対して及び従って翼54及び56の対応するフレア状領域58及び60に対して横方向内方の付勢力を与え、この付勢力により、フレア状領域58及び60は、矢印Iの方向に沿って互いに向けて横方向内方に屈曲するか又は引っ込む。従って、係合面164及び166は、フレア状領域58及び60間に配置され、かつ互いに向けてフレア状領域58及び60を付勢する器具からの力を受け取るように構成される。
【0050】
すなわち、フレア状領域58及び60は、
図10Aに示す第1の外側位置から引っ込むように構成され、それによって領域58及び60は、スロット18を形成する椎体12aの表面に当接し、かつ
図10Bに示す第2の内側位置に係合するように構成され、それによってフレア状領域58及び60は、スロット18を形成する椎体12aの表面から離れて横方向内方に屈曲し、従って、これらの表面から分離される。従って、フレア状領域58及び60は、端板20の修正及び/又は外植を容易にするために椎骨表面から分離させることができる。
【0051】
第2の端板22は、実質的に端板20に関して上述したように構成することができることを認めるべきである。従って、第2の端板は、上述の方法で翼92及び94の横方向内側表面から延びる係合壁160及び162に関して説明したような係合壁を含むことができる。
【0052】
竜骨28及び30は、ある一定の実施形態により説明したものであり、かつ竜骨28及び30は、竜骨28及び30の少なくとも一方又は両方が可撓性及び/又はフレア状翼を含むようにあらゆる代替的な実施形態によって構成することができることを認めるべきである。例えば、
図11A及び
図11Bを参照すると、竜骨28は、代替的な実施形態に従って示されており、竜骨30も同様に構成することができることが認められる。竜骨28は、実質的には上述のように構成されるが、翼の一方(図示では翼54)は、竜骨本体42から出て縦方向に延び、従って、縦方向の長さ全体に沿って竜骨本体42の外面43と同一平面上である横方向外側表面55を形成する。従って、遠位領域58は、横方向に外方にフレア状ではなく、実際には、横方向構成要素を有する方向には延びず、むしろ遠位端13に向けて縦後方に延びる。対向する翼56は、上述の方法でフレア状領域60を含むことができる。
【0053】
図12A〜
図12Bをここで参照すると、別の代替的な実施形態により、竜骨28及び30の少なくとも一方又は両方は、翼の遠位領域の一方がなく、更に翼の一方の全体がない。例えば、図示のように、竜骨28は、実質的に上述のように構成されるが、竜骨28は、翼の一方(図示では翼54)がない。竜骨本体42は、更に、端板20を通じて中心を延びる縦軸L1に対して欠損翼54と同じ横方向の側の位置で基部44から出て横断方向に延びる竜骨本体42の横方向部分全体がないとすることができる。対向する翼56は、上述の方法でフレア状領域60を含むことができる。
【0054】
本明細書に説明する実施形態のいずれかによって構成された竜骨28及び30は、対向する横方向最外表面間の横方向距離として定められる最大横方向幅を定めることを認めるべきである。例えば、
図2に示すように、竜骨28の最大横方向幅は、フレア状領域58及び60の遠位縁部でフレア状領域58及び60の横方向外側表面間に横方向に延びる。
図11A〜
図11Aに示すように、最大幅は、フレア状領域60の遠位縁部及び翼54の横方向外側表面55でフレア状領域60の横方向外側表面間に延びるように示されている。
図12A〜
図12Bに示すように、最大幅は、フレア状領域60の遠位端及び竜骨本体42の横方向外側表面43でフレア状領域60の横方向外側表面間に延びるように示されている。上述の実施形態の各々の竜骨28及び30の最大幅は、他の実施形態のいずれかの最大幅と同じか、最大幅を超えるか、又は最大幅よりも小さいとすることができる。従って、竜骨28及び30は、必要に応じて、同じ大きさのスロット28又は大きさが異なるスロット内に嵌合することができる。
【0055】
図示の実施形態に関連して説明した実施形態は、例示として示したものであり、従って、本発明は、開示する実施形態に限定することを意図したものではない。更に、上述の実施形態の各々の構造及び特徴は、特に断らない限り、本明細書に説明した他の実施形態に適用することができる。従って、当業者は、本発明が、例えば特許請求の範囲によって定める本発明の精神及び範囲に含まる全ての変更及び代替構成を包含するように意図していることを認識するであろう。
【符号の説明】
【0056】
10 整形インプラント
28 可撓性竜骨
54、56 翼
58−60 外方フレア