(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
本発明の一実施の形態にかかる吸込ヘッドは、被清掃面に対向する底部と、底部に開口する吸込開口部と、電気掃除機本体側に接続する継手と、吸込開口部と継手とを連通する吸込室と、を有し、吸込仕事率がJIS C 9108における吸込仕事率の測定方法によって測定された値(W)であり、ダストピックアップ率がJIS C 9802における家庭用電気掃除機の性能測定方法のじゅうたんからのじんあい除去によって測定された5往復時の百分率(%)であるとき、吸込仕事率(W)に対するダストピックアップ率(%)の比(ダストピックアップ率/吸込仕事率)が2.0以上5.0以下であることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の一実施の形態にかかる電気掃除機は、電動送風機を有する電気掃除機本体と、前記電気掃除機本体に接続された筒状の吸引管と、前記吸引管の先端に接続された前記吸込ヘッドと、を具備したことを特徴とする。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態にかかる電気掃除機70の斜視図である。
図2は、本発明の一実施形態にかかる吸込ヘッド1の平面図である。
図3は、本発明の一実施形態にかかる吸込ヘッド1の底面図である。
図4は、本発明の一実施形態にかかる吸込ヘッド1の正面図である。
図5は、
図2におけるA−A断面図である。
図6は、
図2におけるB−B断面図である。
【0027】
図1に示すように、本発明の一実施の形態にかかる電気掃除機70は、図示しない電動
送風機を有する電気掃除機本体71と、電気掃除機本体71に接続された筒状の吸引管75と、吸引管75の先端に接続された吸込ヘッド1と、を具備したことを特徴とする。吸込ヘッド1は、電気掃除機70に吸引管75としての蛇腹状のホース72及び剛性のある合成樹脂製の延長管73を介して接続される。延長管73の前端には吸込ヘッド1が接続し、延長管73の後端はハンドル74を有すると共にホース72の前端が接続される。ホース72は、その後端に剛性のある合成樹脂製の接続部76が設けられ、接続部76が電気掃除機本体71に接続する。
【0028】
ホース72および延長管73は内部が中空の筒状になっており、電気掃除機本体71の内部に配置されている図示しない電動送風機によって内部の空気が吸気、排出されることにより負圧がかかることで吸込ヘッド1及び吸引管75内に吸込気流を発生させることができる。
【0029】
ハンドル74には図示しない操作スイッチが設けられ、例えば、電動送風機の電源のONとOFF及び吸引力の強弱の切り替えなどの操作が可能である。使用者は、ハンドル74を把持して吸引管75及び吸込ヘッド1を被清掃面に対して移動し、操作することができる。
【0030】
図2及び
図3に示すように、吸込ヘッド1は、吸込ヘッド1の幅方向に延びる上カバー1a及び下カバー1bと、
図1に示す電気掃除機本体71の延長管73と連結される継手4と、を有し、平面視形状が略T字状をなしている。なお、本明細書において、上下方向は吸込ヘッド1で被清掃面を掃除する状態における床面側を下として説明し、前後方向は延長管73に連通する継手4のある側を後方として説明し、幅方向は前後方向及び上下方向に直交する方向として説明する。
【0031】
下カバー1bは、合成樹脂製であって、上下に貫通する貫通孔を有する略長方形の枠状である。下カバー1bの下面は、吸込ヘッド1の底部20である。下カバー1bの貫通孔の底部20側の開口が吸込開口部10である。
【0032】
上カバー1aは、合成樹脂製であって、下カバー1bの貫通孔を上方から覆う蓋のように載置して固定されている。上カバー1aの上面は、吸込ヘッド1の上壁部2である。上カバー1aの幅方向の中央部には、上壁部2から取付部3に延びかつ上方に突出した突出部2aが形成されている。
【0033】
継手4は、合成樹脂製であって、吸込ヘッド1の幅方向の中央部であってかつ後方に突出する取付部3において上カバー1aと下カバー1bとに挟み込まれるように取り付けられている。継手4は、取付部3に対して継手4の縦軸を中心に回転可能である。
【0034】
図3に示すように、吸込ヘッド1は、被清掃面である例えば床面(以下、被清掃面は単に「床面」という)に対向する底部20と、底部20に開口する吸込開口部10と、底部20の前方に2つの前車輪6aと、取付部3の後端に2つの後車輪6bと、を有する。吸込ヘッド1の内側には、吸込開口部10と継手4とを連通する吸込室21が形成される。
【0035】
吸込開口部10は、吸込ヘッド1の幅方向の全体に渡って形成され、吸込ヘッド1の全幅に吸引力を生じさせることができる。吸込開口部10は、吸込ヘッド1の前側の前縁10aと、吸込ヘッド1の幅方向両端側の側方縁10b、10bと、吸込ヘッド1の後側の後縁10cと、を有し、これらが連結して環状の開口を形成する。吸込開口部10は、吸込ヘッド1の中心部分において前後方向に広く、吸込ヘッド1の幅方向両端部分において中心部分よりも前後方向に狭い。
【0036】
前縁10aは、吸込ヘッド1の前側両端付近に配置された前車輪6a,6aを避けて形成されている。後縁10cは、吸込ヘッド1の幅方向に直線状に延びて形成されている。側方縁10b、10bは、前縁10aと後縁10cとを接続する部分であって、前縁10a及び後縁10cに比べて短い。側方縁10b、10bは、後縁10c寄りに吸込溝22を有する。吸込溝22については、
図5及び
図6を用いて後述するが、側方縁10b、10bに吸込溝22が形成されることで吸込開口部10が吸込ヘッド1の両端側及び上方へわずかに広がる。
【0037】
底部20は、吸込ヘッド1の下面に吸込開口部10を囲むように形成され、床面に対向する。底部20は、吸込ヘッド1の前側の前端部20aと、吸込ヘッド1の幅方向両端側の側方部20b,20bと、吸込ヘッド1の後側の後端部20cと、を有する。前端部20a、側方部20b,20b及び後端部20cにおける吸込開口部10に臨む部分がそれぞれ前縁10a、側方縁10b、10b及び後縁10cである。
【0038】
前車輪6a,6aは、前端部20aの幅方向の両端付近に回転自在に取り付けられ、吸込ヘッド1の前後方向に転がることができる。後車輪6b,6bは、取付部3の後ろ端に回転自在に取り付けられ、前車輪6a,6aと同様に吸込ヘッド1の前後方向に転がることができる。
【0039】
後端部20cは、起毛部23をさらに有することができる。起毛部23は、後端部20cの幅方向の中央付近において、後端部20cから床面側へ短く起毛した合成繊維である。起毛部23は、リントブラシのような塵埃を吸着する静電気除去機能があるものでもよい。起毛部23の幅方向長さは、20mm〜40mmであることができ、さらに25mm〜35mmであることができる。後端部20cの幅方向の中央付近は、各車輪6a,6bから最も離れた位置にあり、しかも清掃時には継手4によって負荷のかかりやすい取付部3の近くにである。そのため、ここに起毛部23を設けることによって、底部20と床面との隙間が小さい吸込ヘッド1であっても、底部20が変形して後端部20cの中央付近が直接床面に接触することはない。したがって、起毛部23は、後端部20cが床面に接触することによる床面の傷つき防止機能を有する。なお、起毛部23は、他の図には示していない。
【0040】
図4に示すように、吸込ヘッド1は、清掃時において、前車輪6a,6a及び後車輪6b,6bが床面Gに接地する。床面Gと底部20との間には、隙間Hを有する。隙間Hは、0.3mm〜1.5mmであることができ、さらに0.5mm〜1.5mmであることができ、特に0.5mm〜1.0mmであることができる。このように隙間Hを小さくすることによって床面Gがカーペット等である場合にも高いダストピックアップ率/吸込仕事率(%/W)を有する吸込ヘッドを実現できる。
【0041】
吸込仕事率は、電気掃除機における空気を吸い込む能力を表す指標で、空気力学的動力曲線の最大値である。吸込仕事率は、吸込ヘッドを外した状態で測定されるため、吸込ヘッドの性能は考慮されない。吸込仕事率は、JIS C 9108付属書A「吸込仕事率の測定方法」によって測定し、下記式で算出する。
【0042】
吸込仕事率A(W)=0.01666×風量Q(m
3/min)×真空度h
s(Pa)
ダストピックアップ率は、国際電気標準会議が定めた規格IEC 60312を元に作製したJIS C 9802「家庭用電気掃除機の性能測定方法」によって測定することができ、電気掃除機におけるゴミを吸い込む能力を表す。JIS C 9802における測定の方法は、6種類あるが、本実施の形態においてダストピックアップ率(%)は、「じゅうたんからのじんあい除去」に従って測定する。「じゅうたんからのじんあい除去」の測定方法は、じゅうたんの床面に撒かれたゴミを一定の速度・動作・回数(5往復とす
る)で吸引し、除去されたゴミの量をパーセントで計測するものである。
【0043】
吸込仕事率がJIS C 9108における吸込仕事率の測定方法によって測定された値(W)であり、ダストピックアップ率がJIS C 9802における家庭用電気掃除機の性能測定方法のじゅうたんからのじんあい除去によって測定された5往復時の百分率(%)であるとき、吸込仕事率(W)に対するダストピックアップ率(%)の比(ダストピックアップ率/吸込仕事率)が2.0以上5.0以下である。
【0044】
吸込仕事率は電気掃除機本体71の能力を示す指標であり、ダストピックアップ率も吸込仕事率が高くなれば高くなる傾向にある。本実施形態の吸込ヘッド1によれば、吸込仕事率に対するダストピックアップ率の比(以下、「ダストピックアップ率/吸込仕事率(%/W)」という)が2.0以上5.0以下であることにより、床面がじゅうたんやカーペット等である場合に優れたダストピックアップ率を達成する吸込ヘッド1を実現できる。
【0045】
さらに、吸込ヘッド1は、このダストピックアップ率/吸込仕事率(%/W)が2.2以上4.8以下であることができる。
【0046】
この範囲のダストピックアップ率/吸込仕事率(%/W)は、吸込仕事率が10(W)〜30(W)という低い範囲で達成することができる。比較的低い吸込仕事率の範囲において高いダストピックアップ率を達成することができるため、低消費電力の電気掃除機であっても確かな塵埃除去能力を得ることができる。
【0047】
図5及び
図6に示すように、吸込ヘッド1の内側に形成された吸込室21は、吸込開口部10と継手4とを連通する空間である。吸込室21は、吸込開口部10から上方へ立上る壁部24を有する。壁部24は、下カバー1bの下側壁部25と下側壁部25と接続する上カバー1aの上側壁部26によって構成される。吸込室21は、上壁部2と壁部24の内壁面によって形成される。壁部24は、吸込開口部10の前縁10aから上方へ立上る第1前壁部24a及び第2前壁部24dと、吸込開口部10の側方縁10bから上方へ立上る側壁部24bと、吸込開口部10の後壁開口部12側の端部である後縁10cが板状に構成されている後壁部24cと、を有する。後壁部24cは、吸込開口部10から後壁開口部12へ向かって、弓なりに湾曲して立上る。また、
図5に示す例では、後壁部24cは、吸込開口部10の後縁10cから後方へ水平に延びた後に上方へ緩やかに湾曲して立ち上がっている。
【0048】
吸込室21の継手4側には取付部3の内側に形成された後壁開口部12があり、吸込開口部10から吸い込んだ空気は吸込室21を経て後壁開口部12から継手4へと導くことができる。
【0049】
本実施形態によれば、吸込室21が、吸込開口部10から後壁開口部12に向かって弓なりに湾曲して立ち上がる後壁部24cを有するので、急峻に立ち上がる場合に比べて、吸込開口部10からスムースに後方へ流れる吸い込み気流を発生させることができる。これによって、吸込開口部10の端部(後縁10c)付近で巻き上げられた塵埃を後壁開口部12までスムースに引きこむことができる。したがって、低い消費電力でありながら優れた塵埃の除去性能を有する吸込ヘッド1を実現できる。
【0050】
後壁開口部12は、取付部3に形成された上カバー1aの上開口部12aと、取付部3に形成された下カバー1bの下開口部12bと、が接続して略円形に形成される。
【0051】
後壁開口部12の開口面(上開口部12a及び下開口部12bを通る面)は、法線ベク
トルが水平方向成分を有する面であることが好ましい。
図5に示す例では、後壁開口部12の開口面は、略垂直な面である。すなわち、
図5に示す例では、後壁開口部12の開口面の法線ベクトルは、略水平方向である。
【0052】
本実施形態によれば、後壁開口部12の開口面が、法線ベクトルが水平方向成分を有する面であるので、後壁部24cに沿って移動した塵埃を後壁開口部12へ効果的に吸い込むことができる。したがって、低い消費電力でありながら優れた塵埃の除去性能を有する吸込ヘッド1を実現できる。
【0053】
壁部24は、吸込ヘッド1の幅方向両端側に側壁部24b,24bを有する。側壁部24b、24bは、吸込開口部10側の端部(側方縁10b)が板状に構成されている。側壁部24b,24bの端部が板状に構成されているので、側壁部24b,24bの端部がカーペット等のパイルの間に入り込みやすい。これによって、被清掃面と底部との隙間を小さくできる。したがって、床面がカーペット等である場合にも高いダストピックアップ率/吸込仕事率(%/W)を有する吸込ヘッドを実現できる。
【0054】
側壁部24b,24bは、下端が吸込開口部10に向けて吸込ヘッド1の内側に湾曲する下端部を有することができる。
【0055】
側壁部24bは、所定の幅と高さで切り欠いた吸込溝22を有する。吸込溝22は、
図5及び
図6によく表れており、隙間Hよりも床面Gとの間隔が大きくなるため、吸込ヘッド1の幅方向両端側から中央へ向けての空気の流れを生成する。
【0056】
後壁部24cは、吸込開口部10から後壁開口部12に向かって、弓なりに湾曲して立ち上がる。また、
図5に示す例では、後壁部24cは、吸込開口部10の後縁10cから後方へ水平に延びた後に上方へ緩やかに湾曲して立ち上がっている。また、後壁部24cは、板状に構成されている。
【0057】
図6に示すように、吸込室21は吸込ヘッド1の幅の全体にわたって形成され、吸込室21の下方には吸込開口部10が開口し、吸込室21の中央後方には後壁開口部12が開口する。上壁部2は、吸込室21を形成する内側の面が突出部2aを除いてほぼ平坦であり、床面Gと平行である。下カバー1bの底部20は、特に床面Gと対向する側が吸込溝22を除いてほぼ平坦であり、床面Gに対してわずかな隙間Hを隔てて平行である。
【0058】
図7は、仮想立体形状を模式的に示す斜視図である。
【0059】
図7に示すように、床面Gと底部20との隙間Hに仮想立体形状30があると考えて説明する。仮想立体形状30は、吸込開口部10を上面32として、被清掃面である床面Gから吸込開口部10へ垂直に延びる側壁36と、上面32に対向する床面Gに形成された底面34と、から仮想的に形成される。なお、
図7において隙間Hは、側壁36を説明しやすくするために、
図4〜
図6における隙間Hに比べて高くしているが、隙間Hが
図4〜
図6と同様にわずかな距離であることに変わりはない。
【0060】
仮想立体形状30の上面32は、吸込開口部10の開口であり、吸込開口部10の前縁10aと、側方縁10b、10bと、後縁10cとに囲まれた平坦な面である。側方縁10b、10bには、吸込溝22,22が上方に突出して形成される。
【0061】
仮想立体形状30の底面34は、床面G上に上面32を投影した形状である。そして、上面32は、底面34の周縁から上方へ垂直に延びる側壁36の上端に形成される。側壁36の高さは、隙間Hと同じ高さである
仮想立体形状30の側壁36は、前縁10aから床面Gに向かって延びる前側壁36aと、側方縁10b、10bから床面Gに向かって延びる横側壁36b、36bと、後縁10cから床面Gに向かって延びる後側壁36cと、から構成される。横側壁36b、36bは、吸込溝22,22によって上方に突出するように形成された部分の面積を含む。
【0062】
側壁36の面積は、床面Gと吸込ヘッド1との隙間Hに形成された実質的な開口面積であるといえる。つまり、側壁36の面積は、吸込ヘッド1を床面Gに置いて清掃する場合における吸込ヘッド1の実質的な開口面積である。したがって、側壁36の面積を所定範囲に設定することによって、優れたダストピックアップ率を有する吸込ヘッド1を得ることができる。
【0063】
仮想立体形状の側壁36の面積は、140mm
2〜800mm
2である。吸込ヘッドの実質的な開口面積である仮想立体形状30の側壁36の面積が140mm
2〜800mm
2であることによって、床面Gがカーペット等である場合にも高いダストピックアップ率/吸込仕事率(%/W)を有する吸込ヘッドを実現できる。
【0064】
側壁36の面積が140mm
2〜800mm
2であるとき、床面Gと底部20との隙間Hは、0.3mm〜1.5mmであることができる。
【0065】
また、例えば、床面Gと底部20との隙間Hが0.5mm〜1.5mmであるとき、仮想立体形状30の側壁36の面積が240mm
2〜750mm
2であることができる。このような吸込ヘッド1によれば、床面Gがカーペット等である場合に優れたダストピックアップ率を達成することができると共に、カーペット等の清掃時にも吸込ヘッド1の摺動性に優れる。さらに、このような吸込ヘッド1において、仮想立体形状30の側壁36の面積に対する継手4の後端部の開口面積の比が0.7〜2.3であることができる。吸込ヘッド1を管体であると捉えたときに、入り口である側壁36の面積に対して、出口である継手4の後端部の開口面積が大きいほど吸込開口部10における風速が速くなり、結果としてダストピックアップ率も向上する。
【0066】
図8は、本発明の一実施形態にかかる吸込ヘッド1の側壁部24bを正面から見た一部拡大断面図である。
図9は、従来の吸込ヘッドの側壁部240bの一部拡大図である。
【0067】
図8に示すように、側壁部24b,24bの板状の端部(側方縁10b)は、吸込ヘッド1を前後に移動して清掃する際に、カーペット等のパイル(下地から出ている部分の繊維)Pの間に入り込み易く、パイルPの根元であるカーペット等の下地表面Gc付近まで入り込むことができる。そのため、吸込ヘッド1と床面Gとの間に形成されるわずかな隙間Hは、床面Gがカーペット等になっても極端に大きくなることがない。
【0068】
図9に示すように、例えば、従来の吸込ヘッドのように側壁部240bが板状体に形成されない場合には、吸込ヘッドがカーペット等のパイルPの上に載ったままでパイルPの間に入り込みにくい。そのため、吸込ヘッドと床面Gとの間に設定された隙間Hがカーペット等の上では極端に大きくなり、所定の吸込み力を得ることができず、硬い床(例えば平坦なフローリング等)に比べてカーペット等におけるダストピックアップ率が極端に低下する。
【0069】
吸込ヘッド1は、側壁部24b,24bの板状の端部(側方縁10b)によって、カーペット等の上においてもカーペット等の下地表面Gcから吸込ヘッド1の底部20までの隙間Hを小さいまま維持することができるため、高い吸込力を得ることができ、したがって、優れたダストピックアップ率を達成することができる。
【0070】
側壁部24b、24bは、板状に構成された部分の板厚Taが1.5mm〜3mmであることができる。さらに、側壁部24b、24bは、板状に構成された部分の板厚Taが2mm〜3mmであることができる。側壁部24b、24bの板厚Taが3mm以下であることによって、側壁部24b、24bがカーペット等のパイルPの間に入り込み易く、パイルPの根元であるカーペット等の下地表面Gc付近まで入り込むことができる。また、側壁部24b、24bの板状に構成された部分の板厚Taが1mm以下の場合には強度不足による変形の恐れがあったが、1.5mm以上であることで強度不足による変形を防止することができ、2mm以上であることでさらに高い強度を確保することができる。
【0071】
側壁部24b、24bは、床面Gと対向する下端である端部(側方縁10b)から少なくとも10mm以上、例えば下端から上壁部2と接続する上端までが同じ厚さであることができる。一般的なカーペット等は、パイル長さが10mm以下のものが多いため、側壁部24b,24bは下端から少なくとも10mm以上の高さまで同じ板厚Taの板状体であることができる。また、通常、吸込ヘッド1は上カバー1aと下カバー1bとを連結して構成するため、吸引風によって吸い上げた塵埃の流れを妨げないように、側壁部24b、24bの内側面に大きな段差や突起部がなく滑らかに連続して形成されることが好ましい。
【0072】
側壁部24b,24bは、下端が吸込開口部10に向けて吸込ヘッド1の内側に湾曲する下端部を有することができる。
図8において、側壁部24b、24bの下端部は底部20の側方部20bであり、湾曲して内側に向いた端面は吸込開口部10の側方縁10bである。通常、側壁部24b,24bは、吸込ヘッド1の中心付近に設けられた継手4から最も遠くなるため、カーペット等の上の塵埃を除去する能力も低下する。このように側壁部24b,24bに湾曲した下端部を設けることによって、側壁部24b,24bの近くで巻き上げられた塵埃を湾曲面に沿った吸引風によって上方へ運ぶことができる。また、側壁部24b,24bの湾曲した下端部がカーペット等のパイルPに対して横方向から接触することになり、下端部が湾曲せず真上からパイルPに接触する場合に比べてパイルPを痛めにくい。
【0073】
下端部は、側壁部24b,24bの吸込ヘッド1の幅方向端部から吸込開口部10に向けて内側に3mmを超え5mm以下の幅を有することができる。下端部の内側に向かう幅が3mmを超えることによって、側壁部24b、24bからわずかに内側に湾曲した下端部を形成することができる。また、下端部の内側に向かう幅を5mm以下にすることによって、側壁部24b,24bがカーペット等のパイルPの間に入り込み易く、パイルPの根元であるカーペット等の下地表面Gc付近まで入り込むことができる。
【0074】
このように、本実施形態によれば、吸込開口部10の側壁部24b、24bの板状の下端部がカーペット等のパイルの間に入り込みやすいため、床面Gと底部20との隙間を小さくできる。したがって、優れたダストピックアップ率を有する吸込ヘッド1を実現できる。
【0075】
図10は、本発明の一実施形態にかかる吸込ヘッド1の後壁部24cを側面から見た一部拡大断面図である。
図11は、従来の吸込ヘッドの後壁部240cの一部拡大図である。
【0076】
図10に示すように、板状体の後壁部24cは、吸込ヘッド1を前後に移動して清掃する際に、カーペット等のパイル(下地から出ている部分の繊維)Pの間に入り込み易く、パイルPの根元であるカーペット等の下地表面Gc付近まで入り込むことができる。そのため、吸込ヘッド1と床面Gとの間に形成されるわずかな隙間Hは、床面Gがカーペット等になっても極端に大きくなることがない。
【0077】
図11に示すように、例えば、従来の吸込ヘッドのように後壁部240cが板状体に形成されない場合には、吸込ヘッドがカーペット等のパイルPの上に載ったままでパイルPの間に入り込みにくい。そのため、吸込ヘッドと床面Gとの間に設定された隙間Hがカーペット等の上では極端に大きくなり、所定の吸込み力を得ることができず、硬い床(例えば平坦なフローリング等)に比べてカーペット等におけるダストピックアップ率が極端に低下する。
【0078】
吸込ヘッド1は、板状体の後壁部24cによって、カーペット等の上においてもカーペット等の下地表面Gcから吸込ヘッド1の底部20までの隙間Hを小さいまま維持することができるため、高い吸込力を得ることができ、したがって、優れたダストピックアップ率を達成することができる。
【0079】
このように、本実施形態によれば、吸込開口部10の後壁開口部12側の端部10cが板状に構成されている後壁部24cを有するので、吸込開口部10の後壁開口部12側の端部(後端部20c)が、カーペット等のパイルの間に入り込みやすい。これによって、被清掃面と底部20との隙間を小さくできる。したがって、低い消費電力であっても優れた塵埃の除去性能を有する吸込ヘッド1を実現できる。
【0080】
図5に示す例では、後壁部24cは、吸込開口部10の後壁開口部12側の端部(後端部20c)が被清掃面(床面G)に対して略平行である。
【0081】
本実施形態によれば、吸込開口部10の後壁開口部12側の端部(後端部20c)が被清掃面(床面G)に対して略平行であるので、吸込開口部10からスムースに後方へ流れる吸い込み気流を発生させることができる。これによって、吸込開口部10の後壁開口部12側の端部(後端部20c)付近で巻き上げられた塵埃を後壁開口部12までスムースに引きこむことができる。したがって、低い消費電力であっても優れた塵埃の除去性能を有する吸込ヘッド1を実現できる。
【0082】
後壁部24cは、吸込開口部10の後壁開口部側の端部(後端部20c)の厚さTbは、1.5mm以上3mm以下であることができる。さらに、後壁部24cは、吸込開口部10の後壁開口部側の端部(後端部20c)の厚さTbは、2mm以上3mm以下であることができる。後壁部24cの吸込開口部10の後壁開口部側の端部(後端部20c)の厚さTbが3mm以下であることによって、後壁部24cがカーペット等のパイルPの間に入り込み易く、パイルPの根元であるカーペット等の下地表面Gc付近まで入り込むことができる。また、後壁部24cの吸込開口部10の後壁開口部側の端部(後端部20c)の厚さTbが1mm以下の場合には強度不足による変形の恐れがあったが、1.5mm以上であることで強度不足による変形を防止することができ、2mm以上であることでさらに高い強度を確保することができる。
【0083】
図5に示す例では、後壁部24cは、吸込開口部10から後壁開口部12に向かって、弓なりに湾曲して立ち上がる。また、
図5に示す例では、後壁部24cは、吸込開口部10の後縁10cから後方へ水平に延びた後に上方へ緩やかに湾曲して立ち上がっている。
【0084】
本実施形態によれば、後壁部24cは、吸込開口部10から後壁開口部12に向かって弓なりに湾曲して立ち上がるので、急峻に立ち上がる場合に比べて、吸込開口部10からスムースに後方へ流れる吸い込み気流を発生させることができる。これによって、吸込開口部10の端部(後縁10c)付近で巻き上げられた塵埃を後壁開口部12までスムースに引きこむことができる。したがって、低い消費電力でありながら優れた塵埃の除去性能を有する吸込ヘッド1を実現できる。
【0085】
後壁開口部12の開口面(上開口部12a及び下開口部12bを通る面)は、法線ベクトルが水平方向成分を有する面であることが好ましい。
図5に示す例では、後壁開口部12の開口面は、略垂直な面である。すなわち、
図5に示す例では、後壁開口部12の開口面の法線ベクトルは、略水平方向である。
【0086】
本実施形態によれば、後壁開口部12の開口面が、法線ベクトルが水平方向成分を有する面であるので、後壁部24cに沿って移動した塵埃を後壁開口部12へ効果的に吸い込むことができる。したがって、低い消費電力でありながら優れた塵埃の除去性能を有する吸込ヘッド1を実現できる。
【0087】
底部20には、前車輪6a及び後車輪6b以外に床面Gに向かって突出するものが存在しないことが望ましい。例えば、吸込開口部10の後方にゴム製のシートを底部から突出するように設けて特に硬い床に対するダストピックアップ率を向上することができるが、このようなゴム製のシートはカーペット等の上での摺動性を阻害するため、別途カーペット等用の吸込ヘッドを用意しなければならず、本実施の形態の吸込ヘッド1に採用することは好ましくない。また、例えば、吸込開口部10の周囲に短く起毛した合成樹脂製のブラシ(いわゆるリントブラシ)を下方に突出するように設けて塵埃を吸着させる技術もあるが、カーペット等の上での摺動性を阻害するため、本実施の形態の吸込ヘッド1に採用することは好ましくない。さらに、例えば、吸込開口部10内に回転するブラシを設けることによって塵埃を掻き上げてダストピックアップ率を向上させる技術が一般的であるが、消費電力や騒音の増加などの問題があり、本実施の形態の吸込ヘッド1に採用することは好ましくない。
【0088】
本実施の形態にかかる吸込ヘッド1によれば、床面Gがカーペット等である場合に優れたダストピックアップ率を達成することができる。また、本実施の形態にかかる電気掃除機70によれば、床面Gがカーペット等である場合に優れたダストピックアップ率を達成することができる。
【0089】
本実施の形態にかかる吸込ヘッド1は、
図1に示すキャニスター型の電気掃除機70の中でも特にバッテリー駆動による電気掃除機に有利である。バッテリー駆動による電気掃除機は、バッテリーに蓄積された電力によりできるだけ長時間清掃することが求められるため、低消費電力でも高い塵埃除去を達成する必要がある。本実施の形態にかかる吸込ヘッド1を用いることによって、低い吸込仕事率すなわち低い消費電力であっても高いダストピックアップ率を達成することができるため、バッテリー駆動による電気掃除機において有利となる。
【0090】
以上のように、本実施の形態において、電気掃除機70は、電気掃除機本体71に車輪が設けられたいわゆるキャニスター型の電気掃除機70として説明したが、
図9に示すような使用者が電気掃除機本体71aを把持して片手で操作するいわゆるスティック型の電気掃除機70aであってもよい。
【0091】
図12は、本発明の他の実施形態にかかる電気掃除機の斜視図である。
【0092】
図12に示すスティック型の電気掃除機70aは、図示しない電動送風機を有する電気掃除機本体71aと、電気掃除機本体71aに接続された筒状の吸引管75aと、吸引管75aの先端に接続された吸込ヘッド1と、を具備している。吸引管75aは、内部が中空の筒状で剛性のある合成樹脂製である。電気掃除機本体71aの内部に配置されている図示しない電動送風機によって内部の空気が吸気、排出されることにより負圧がかかることで吸込ヘッド1及び吸引管75a内に吸込気流を発生させることができる。
【0093】
ハンドル74aには操作スイッチが設けられ、例えば、電動送風機の電源のONとOFF及び吸引力の強弱の切り替えなどの操作が可能である。電気掃除機本体71aの内部には、図示しないバッテリーを有することができる。使用者は、ハンドル74aを把持して電気掃除機70aを持ち運ぶことができると共に、吸込ヘッド1を被清掃面に対して移動し、操作することができる。
【0094】
本実施の形態にかかる吸込ヘッド1は、このようなスティック型の電気掃除機70aの中でも特にバッテリー駆動による電気掃除機に有利である。スティック型の電気掃除機70aにおいては、キャニスター型の電気掃除機に比べてバッテリーも小型化せざるを得ないため、より効率の良い吸込ヘッド1が求められることになる。したがって、本実施の形態にかかる吸込ヘッド1をスティック型の電気掃除機70aに用いることによって、低い消費電力であっても高いダストピックアップ率を達成することができるため、有利である。
【0095】
なお、上記のように本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。
【実施例】
【0096】
上記実施の形態において説明した吸込ヘッドを市販されている電気掃除機に取り付けて、底部と床面との隙間Hを0.5mm、1.5mm、2.5mmと変えて、JIS C 9802における「溝がある硬い床面からのじんあい除去」に従ってダストピックアップ率(%)を測定した。「溝がある硬い床面からのじんあい除去」の測定方法において、溝がある硬い床面に撒かれたゴミに対し、吸込ヘッドを5往復して吸引し、除去されたゴミの量をパーセントで計測した。測定の結果は、
図13に示した。
【0097】
図13は、横軸を吸込ヘッドの底部と床面との隙間H、縦軸を「溝がある硬い床面からのじんあい除去」におけるダストピックアップ率である。丸い点で示したグラフは消費電力120Wのスティック型の電気掃除機に取り付けたときのダストピックアップ率であり、四角い点で示したグラフは消費電力80Wのスティック型の電気掃除機に取り付けたときのダストピックアップ率である。
【0098】
図13によれば、隙間Hを0.5mmと1.5mmに設定した吸込ヘッドにおいて、90%以上のダストピックアップ率を示した。なお、
図13には示していないが、さらに低い吸込仕事率の電気掃除機に吸込ヘッドを取り付けた場合、0.5mmの隙間Hではほとんど変化がなかったが、1.5mmの隙間Hになるとダストピックアップ率が低下する傾向が見られた。
【0099】
このとき、吸込ヘッドにおける仮想立体形状の側壁の面積は、隙間Hが0.5mmのとき247.5mm
2であり、隙間Hが1.5mmのとき742.5mm
2であり、隙間Hが2.5mmのとき1237.5mm
2であった。吸込ヘッドの側壁部に形成された吸込溝の面積は、側壁の面積に含んで計算した。また、継手の後端部の開口面積は約531mm
2であり、仮想立体形状の側壁の面積に対する継手の後端部の開口面積の比は、隙間Hが0.5mmのとき2.15であり、隙間Hが1mmのとき1.07であり、隙間Hが1.5mmのとき0.72であった。
【0100】
上記実施の形態において説明した吸込ヘッドを市販されている複数の電気掃除機に取り付けて、JIS C 9802における「じゅうたんからのじんあい除去」に従ってダストピックアップ率(%)を測定した。「じゅうたんからのじんあい除去」の測定方法にお
いて、じゅうたんの床面に撒かれたゴミに対し、吸込ヘッドを5往復して吸引し、除去されたゴミの量をパーセントで計測した。測定の結果は、実施例1〜4として表1及び
図14に示した。
【0101】
このとき、吸込ヘッドの隙間Hは1mmであり、仮想立体形状の側壁の面積は495mm
2であった。したがって、仮想立体形状の側壁の面積に対する継手の後端部の開口面積の比は、1.07であった。
【0102】
このとき、吸込室の壁部における側壁部は高さ(26mm)方向全体に渡り板厚が2mmの板状体であり、吸込ヘッドの内側に5mmの幅で湾曲する下端部を有していた。板状に構成されている側壁部の有無については、「板状の側壁部」として表2に示した。
【0103】
各電気掃除機の吸込ヘッドにおける、吸込開口部の後壁開口部側の端部が板状に構成されている後壁部の有無については、「板状の後壁部」として表2に示した。
【0104】
各電気掃除機の吸込ヘッドにおける、吸込開口部から後壁開口部に向かって、弓なりに湾曲して立ち上がる後壁部の有無については、「湾曲した後壁部」として表2に示した。
【0105】
また、市販されている他社製の電気掃除機のダストピックアップ率を測定した。測定に用いた全ての他社製の電気掃除機には、吸込ヘッドに回転するブラシがあった。測定の結果は、参考例1〜9として表1及び
図14に示した。
【0106】
各電気掃除機の吸込ヘッドの仮想立体形状の側壁の面積については、140mm
2〜800mm
2範囲内であれば「有」、範囲外であれば「無」として表2の「側壁の面積」の欄に示した。なお、実施例1〜4の仮想立体形状の側壁の面積は495mm
2であり、参考例1〜9の仮想立体形状の側壁の面積は2400mm
2以上であった。
【0107】
また、
図14における横軸は実験に用いた市販の電気掃除機の吸込仕事率(W)、縦軸はダストピックアップ率/吸込仕事率(%/W)とした。吸込仕事率は電気掃除機本体の能力を示す指標であり、ダストピックアップ率も吸込仕事率が高くなれば高くなる傾向にある。ダストピックアップ率/吸込仕事率(%/W)を求めることで、吸込ヘッドの能力を判断することができる。ダストピックアップ率/吸込仕事率(%/W)は、表1におけるB/A(%)である。
図14において、実施例1〜4はE1〜E4で表示し、参考例1〜9はR1〜R9で表示した。
【0108】
【表1】
【0109】
【表2】
【0110】
表1に示す通り、実施例1〜4の吸込ヘッドを備えた電気掃除機は、単位吸込仕事率あたりのダストピックアップ率が参考例1〜9の電気掃除機よりも、優れていた。
【0111】
さらに、参考例9の電気掃除機を用いて、回転ブラシを駆動した場合と停止した場合におけるダストピックアップ率を測定したところ、ダストピックアップ率が約10%程度低下した。
【0112】
以上、本実施形態あるいは変形例について説明したが、本発明はこれら本実施形態あるいは変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
【0113】
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
本発明の吸込ヘッド1は、被清掃面Gに対向する底部20と、底部20に開口する吸込開口部10と、電気掃除機本体側に接続する継手4と、吸込開口部10と継手4とを連通する吸込室21と、を有する。吸込仕事率がJIS C 9108における吸込仕事率の測定方法によって測定された値であり、ダストピックアップ率がJIS C 9802における家庭用電気掃除機の性能測定方法のじゅうたんからのじんあい除去によって測定された5往復時の値であるとき、ダストピックアップ率/吸込仕事率(%/W)が2.0以上5.0以下である。