特許第5681808号(P5681808)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5681808
(24)【登録日】2015年1月16日
(45)【発行日】2015年3月11日
(54)【発明の名称】タッチパネルスタックアップ
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20150219BHJP
【FI】
   G06F3/041 450
   G06F3/041 490
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-538036(P2013-538036)
(86)(22)【出願日】2011年3月14日
(65)【公表番号】特表2013-546076(P2013-546076A)
(43)【公表日】2013年12月26日
(86)【国際出願番号】CN2011071773
(87)【国際公開番号】WO2012062074
(87)【国際公開日】20120518
【審査請求日】2013年5月9日
(31)【優先権主張番号】12/942,056
(32)【優先日】2010年11月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511219674
【氏名又は名称】ティーピーケイ タッチ ソリューションズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】リウ チェン−ユー
(72)【発明者】
【氏名】リウ チュヨン−ピーン
【審査官】 田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−018226(JP,A)
【文献】 特開2010−117903(JP,A)
【文献】 特開2008−083491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01〜048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に透明な領域と前記実質的に透明な領域に隣接する隣接領域とを有する単一で一体的な基板と、
前記基板の前記隣接領域上に構成され、不透明なマスキング要素と、
接触信号を検出する電極と、
信号処理器に前記接触信号を伝送する導電回路と、を備え、
前記電極と前記マスキング要素とは、一体的に形成され、
前記一体的に形成された電極とマスキング要素とは、前記基板の一方の面上に形成されているタッチパネルスタックアップ。
【請求項2】
前記電極は、前記導電回路に電気的に接続されている請求項1のタッチパネルスタックアップ。
【請求項3】
前記導電回路は、前記マスキング要素上に構成されている請求項1又は2のタッチパネルスタックアップ。
【請求項4】
前記マスキング要素の一部は、前記電極上に構成されている請求項1乃至3のいずれか1項のタッチパネルスタックアップ。
【請求項5】
前記導電回路は、前記電極と共に前記基板の一方の面上に構成されている請求項1乃至4のいずれか1項のタッチパネルスタックアップ。
【請求項6】
前記導電回路は、前記マスキング要素上に構成され、
前記マスキング要素の一部は、前記電極上に構成されている請求項1乃至5のいずれか1項のタッチパネルスタックアップ。
【請求項7】
誘電要素をさらに備え、
前記誘電要素が前記マスキング要素と前記導電回路との間に構成されている、又は前記誘電要素が前記マスキング要素と前記導電回路の間、及び前記マスキング要素と前記電極との間に構成されている、又は前記誘電要素及び前記マスキング要素が前記電極と共に前記基板の一方の面上に構成されている、又は前記導電回路は前記誘電要素上に構成されている、又は前記電極の一部が前記誘電要素上に構成されている、又は前記導電回路の一部が前記電極上に構成されている請求項1乃至6のいずれか1項のタッチパネルスタックアップ。
【請求項8】
前記電極は、
第1の検出電極パターンと、
第2の検出電極パターンと、
第1の電気配線と、
第2の電気配線と、
絶縁体と、を備える請求項1のタッチパネルスタックアップ。
【請求項9】
前記絶縁体は、前記第1の電気配線を前記第2の電気配線から電気的に絶縁する請求項8のタッチパネルスタックアップ。
【請求項10】
前記絶縁体は前記第1の電気配線上に構成され、
前記第2の電気配線は、前記絶縁体上に構成され、前記第2の電気配線は、前記第1の検出電極パターン及び前記第2の検出電極パターンに電気的に接続されている請求項8又は9のタッチパネルスタックアップ。
【請求項11】
前記絶縁体はスルーホールをさらに備え、
前記第2の電気配線は、前記スルーホールを介して前記第1の検出電極パターン及び前記第2の検出電極パターンに電気的に接続されている請求項8乃至10のいずれか1項のタッチパネルスタックアップ。
【請求項12】
前記第1の電気配線は、基板上に構成され、
前記絶縁体は、前記第1の電気配線上に構成され、
前記第2の電気配線は前記絶縁体上に構成されている請求項8乃至11のいずれか1項のタッチパネルスタックアップ。
【請求項13】
前記電極は、検出電極パターンと第1の電気配線とをさらに備え、
前記検出電極パターンと前記第1の電気配線とは、同じ材料で作られている請求項1のタッチパネルスタックアップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルスタックアップに関する。さらに言えば、本発明は、単一の基板上に一体的に形成されるタッチパネルスタックアップに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルは一般的に入力装置である。ユーザが表示装置の表面下の文章や図面に対応するタッチパネルの所定の位置に接触すると、タッチパネルは接触信号を検出し、信号処理のためにコントローラに当該接触信号を伝送する。コントローラは、接触信号を処理し、接触位置に対応する信号を出力する。例えば抵抗膜方式、静電容量方式、赤外線方式、超音波表面弾性波方式等の幾つかの方式のタッチパネルがあり、例えば静電容量タッチパネルは、タッチパネルの静電容量の違いを検出する。ユーザがタッチパネルに接触したとき、対応位置の静電容量が変化する。タッチパネルとコントローラは、静電容量の違いを検出して算出し、対応信号を出力する。 【0003】
従来のタッチパネルは、検出電極、導電回路、マスキング要素、支持基板、及びアンチスクラッチ、アンチグレア、及び/又はアンチリフレクティブ機能をもたらす保護レンズの一以上の層を含む。従来のタッチパネルの二次加工において、構成要素は支持基板と保護レンズ基板とに別々に形成される。その後、支持基板と保護レンズ基板とは、タッチパネルを形成するために積層される。例えば、検出電極は支持基板に形成され、マスキング素子及び導電回路は保護レンズ基板に形成される。支持基板と保護レンズ基板とを積層した後、導電回路は接触入力を伝送するために検出電極に電気的に接続される。マスキング素子は、ユーザがディスプレイの情報を見るとき導電回路の視認障害を取り除くために当該導電回路を覆うことができる。従来の近接させる二つの基板はタッチパネルの厚さを増加させる。特に、正確な位置決めは、検出電極と導電回路とを適切に接続するための積層工程を必要とする。そのため、製造の複雑さを増加させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】米国特許第7339579号
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/141110号
【特許文献3】米国特許出願公開第2009/102814号
【特許文献4】米国特許出願公開第2008/165158号
【特許文献5】米国特許第6814452号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
タッチパネルスタックアップの実施形態が開示されており、タッチパネルスタックアップは、実質的に透明な第1の領域と実質的に不透明な隣接領域とを有する単一の一体化された基板と、接触信号を検出する検出電極と、前記検出電極と電気的に接続された導電回路と、前記基板の前記隣接領域に構成されたマスキング要素と、前記検出電極、前記導電回路及び前記マスキング要素は、前記基板に一体的に形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示の上述及び他の特徴は、添付の図面と共に詳細な形態の記載によってより明らかにされる。
図1図1は本発明の第1の実施の形態に係るタッチパネルの上面図である。
図2図2は本発明の第1の実施の形態に係るタッチパネルの断面図である。
図3図3は本発明の第2の実施の形態に係るタッチパネルの断面図である。
図4図4は本発明の第3の実施の形態に係るタッチパネルの断面図である。
図5図5は本発明の第4の実施の形態に係るタッチパネルの断面図である。
図6図6は本発明の第5の実施の形態に係るタッチパネルの断面図である。
図7図7は本発明の第6の実施の形態に係るタッチパネルの断面図である。
図8図8は本発明の第7の実施の形態に係るタッチパネルの断面図である。
図9図9は本発明の第8の実施の形態に係るタッチパネルの断面図である。
図10図10は本発明の第9の実施の形態に係るタッチパネルの断面図である。
図11図11は本発明の第10の実施の形態に係るタッチパネルの断面図である。
図12図12は本発明の第11の実施の形態に係るタッチパネルの断面図である。
図13図13は本発明の第12の実施の形態に係るタッチパネルの断面図である。
図14図14は本発明の第13の実施の形態に係るタッチパネルの断面図である。
図15図15は本発明の第14の実施の形態に係るタッチパネルの断面図である。
図16図16は本発明の第15の実施の形態に係るタッチパネルの断面図である。
図17図17は本発明の第16の実施の形態に係るタッチパネルの断面図である。
図18図18は本発明の第17の実施の形態に係るタッチパネルの断面図である。
図19図19は本発明の第18の実施の形態に係るタッチパネルの断面図である。
図20図20は本発明の第19の実施の形態に係るタッチパネルの断面図である。
図21図21は本発明の第20の実施の形態に係るタッチパネルの断面図である。
図22図22は本発明の他の実施の形態に係るタッチパネルの上面図である。
図23図23は本発明の更なる他の実施の形態に係るタッチパネルの上面図及び断面図である。
図24図24は本発明の更なる他の実施の形態に係るタッチパネルの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の第1の実施の形態のタッチパネル100の上面図は図1に示される。複数の検出電極20、複数の導電回路30及びマスキング素子40は、基板10上に一体的に形成されている。本実施の形態では、X方向に構成された検出電極20及び導電回路30が用いられる。検出電極20及び導電回路30は、Y方向及び/又はX方向とY方向に構成されてもよい。
【0007】
本発明は単一の基板を用いてタッチパネルを製造することを目的とする。基板は支持及び保護機能を有し、視認可能領域と当該視認可能領域に隣接する隣接領域とを備える。タッチパネルは、種々の表示装置に用いることができる。薄型タッチパネルを製造する方法は、単一の基板上に組み上げられる、検出電極、導電回路、マスキング要素及び他の要素を有するためのものである。タッチパネルは、表示装置に直接に搭載することができる。その結果、一つの基板の厚さ及びコストを削減することができ、積層工程を除外することができる。
【0008】
基板10は、プラスチックやガラス等の有機又は無機の非導電材料で作ることができる。非導電基板10は、実質的に透明である。アンチスクラッチ、アンチグレア、及び/又はアンチリフレクティブ要素は、基板に貼り付け、印刷、着色、スパッタ、又はコートされることができる。本出願によれば、基板10として適切な硬さの材料、例えば強化ガラス、弾性伸縮材料等が選択される。基板10における実質的に透明な視認可能領域11は、表示装置の表面下に情報を示すために用いられる。実質的に不透明な隣接領域12は、視認可能領域11と基板10の周縁との間に配置されている。隣接領域12は、表示装置の表面下に示された情報を妨げる要素を覆う。
【0009】
検出電極20は、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)、アルミニウム亜鉛酸化物(Aluminum Zinc Oxide)、亜鉛スズ酸化物(Zinc Tin Oxide)、又は他の実質的に透明な導電材料、例えば導電ガラス、導電ポリマー、カーボンナノチューブ等である。検出電極20は、視認可能領域11及び隣接領域12上に構成又は配置されており、接触入力を入力するための電気的なパターンを有する。導電回路30は、コントローラ80に検出された接触信号を伝送するために隣接領域12の検出電極20に電気的に接続されている。導電回路30は、検出電極20と同様に、アルミニウム、銀、銅、又は導電材料で作ることができる。
【0010】
メタリックカラー又は他の不透明色を有する導電回路30は、表示装置の表面下に示される情報を視覚的に妨げる。マスキング要素40は、導電回路30及び表示装置のバックライトを実質的に覆うために隣接領域12上に構成又は配置されている。そのため、視認障害が軽減される。マスキング要素40は、全てが不透明である必要はない。不透明さの程度は、種々選択される。例えば、黒、又は他の実質的に不透明なフォトレジスタ、樹脂、又はインクを表示装置のバックライトの漏れを防ぎ、導電回路30の視認障害を軽減するために用いることができる。マスキング要素40は、基板10に貼り付け、印刷、着色、スパッタ、又はコートされることができる。本実施の形態及び以下の他の実施の形態の要素は、上述の材料又は本願の種々の要件に対応する他の適切な材料を用いて作ることができる。
【0011】
図1において、隣接領域12は、タッチパネル100の周辺に構成又は配置されている。隣接領域12は、基板10の周辺に構成することもでき、又は隣接領域12の配置及び形状は、製品の形状に基づいて選択することができる。図22において、タッチパネル2200の視認可能領域11は、専用の機能、例えば携帯電話のダイヤル及びハンドアップ機能のためにデザインされた不透明領域13及び14を有し、検出電極20及び導電回路30の幾何分布を適宜デザインすることができる。導電回路30は、不透明領域13及び14の下に構成又は配置することができる。検出電極20の配置は適宜変更することができる。そのため、タッチパネル2200は広い視認可能領域11を有することができ、表示装置と境界なく用いることができる。
【0012】
図1の実施の形態は、水平検出電極20のみを用いている。水平検出電極20と鉛直検出電極21とを同時に用いる場合、検出電極21から検出電極20を電気的に絶縁するために用いる必要がある絶縁要素、又は電極パターンが固有の形状を用いる必要がある。図23に示す実施の形態では、水平検出電極20と鉛直検出電極21とが用いられている。図23の右下における絶縁要素96とコンダクタ94とは、コンダクタ92と他の要素との相対的な位置を示すために取り除かれている。検出電極20は、複数の電極パターン92と複数のコンダクタ94とを含む。検出電極21も、複数の電極パターン90とコンダクタ92とを含む。絶縁要素96は、コンダクタ92をコンダクタ94から電気的に絶縁する。検出電極20及び21は、相互に絶縁され、誤った導電信号を防ぐことができる。(A)断面で示される本実施の形態において、絶縁要素96はコンダクタ92を覆う。コンダクタ94は、絶縁要素96上に構成又は配置され、電極パターン90と電気的に接続されている。(B)断面で示される別の本実施の形態において、絶縁要素96はコンダクタ92及び電極パターン90の少なくとも一部を覆う。コンダクタ94は、絶縁要素96上に構成又は配置され、スルーホール98を介して電極パターンと電気的に接続されている。(C)断面で示される異なる本実施の形態において、絶縁要素96はコンダクタ92を覆う。コンダクタ94及び電極パターン90は、同時に同じ材料で作られる。または、電極パターン90は最初に構成され、同じ材料で作られたコンダクタ94と電気的に接続されてもよい。
【0013】
図24に示すように、左側の二つの検出電極20は、複数のコンダクタ92と異なる形状の複数の電極パターン90とが一つにまとめられている。右側の二つの検出電極20夫々は、一つの電極パターン90のみを備えている。図24の本実施の形態は、静電容量方式のタッチパネルであり、検出電極20は、Y方向に配置されている。Y座標を示すことが可能な電極パターン20の異なる位置にユーザが接触したとき、異なる容量変化を生成する。そのため、電極パターン20は、X方向及びY方向における接触信号を検出することができる。しかも、電極パターン90は、電極パターン90が第1及び第2の方向における接触信号を検出できるように、種々の導電性又はアドレズコードの他の種類の組み合わせを採用することができるが、同じサイズ及び形状で作ることもできる。本発明の他の形態として、ジオコードされた電極パターン(geocoded electrode pattern)を用いることもできる。
【0014】
図2は、図1のタッチパネル100におけるA―A'線に沿った断面図である。タッチパネルスタックアップ200は、支持及び保護機能を有し、例えばガラス、プラスチック等の透明な非導電材料で作られた単一の一体化された基板10を備えている。基板10は、視認可能領域及び当該視認可能領域に隣接する隣接領域を備えている。ITO又は他の適切な材料で作られた検出電極20は、接触信号を検出するために基板の下に構成又は配置されている。実質的に不透明で非導電性のマスキング要素40は、検出電極20の下に構成又は配置されている。スルーホール50は、導電回路30と検出電極20とを接続するためにマスキング要素40の適切な位置に構成又は配置され、検出された接触信号をそれらに伝送する。マスキング要素40は、導電回路30の大部分を覆う。スルーホール50の大きさ及び導電回路30の材料は、スルーホール50から導電回路30の視認可能領域を減少するために適宜選択される。μmレベルの大きさ、例えば直径が30μmより小さいスルーホール50は、導電回路30の視認障害を低減できる。または、検出電極20は、導電回路30と接続するためのスルーホール50を構成又は配置されることができる。
【0015】
第2の実施の形態のタッチパネル300は図3に示される。検出電極20、導電回路30、マスキング要素40及びスルーホール50は、単一の基板10上に一体的に形成されている。基板10は、視認可能領域及び当該視認可能領域に隣接する隣接領域を備えており、支持及び保護機能を有する。導電回路30は、基板10とマスキング要素40との間に構成又は配置されている。導電回路30の材料、大きさ、視認可能領域及び位置は、視認障害を低減できるように適宜選択される。例えば、導電回路30の視認可能領域はμmレベルに制限され、又は導電回路30の位置は、表示装置の枠によって覆われるために選択される。本実施の形態において、検出電極20は、導電回路30と接続するためのスルーホール50が構成又は配置されている。または、導電回路30は、検出電極20と接続するためのスルーホール50を構成又は配置されることができる。
【0016】
第3の実施の形態のタッチパネル400は図4に示される。検出電極20、導電回路30及びマスキング要素40は、単一の一体化された基板10上に一体的に形成されている。基板10は、視認可能領域及び当該視認可能領域に隣接する隣接領域を備えており、支持及び保護機能を有する。マスキング要素40は、不透明で異方性導電材料で作られている。領域41における異方性導電材料の処理、例えばY方向へのクランプによって、検出電極20と導電回路30との間のマスキング要素40は、Y方向に導電性である。そのため、X方向のマスキング要素40の抵抗は高く、マスキング要素40は非導電性とみなすことができる。その結果、検出電極20及び導電回路30は、X方向の他の検出電極又は導電回路と接続しない。したがって、誤った導電信号は防ぐことができる。例えば幾つかの異方性導電材料は、処理された領域で15kΩより小さい抵抗を有する。マスキング要素40のX方向における検出電極20又は導電回路30と共有される当該マスキング要素40の抵抗は、10Ω/30μmのように高くでき、非導電とみなすことができる。スルーホールは、本実施の形態においてマスキング要素40に必要ない。代わりに異方性導電材料で作られたマスキング要素40が導電回路30を覆い、検出電極20と導電回路30とを接続するために用いられる。一方、二つの導電回路30の間の距離は、導電回路30と検出電極20との間の距離よりも遠くに構成することができる。したがって、導電回路30と検出電極20との間のインピーダンスは、二つの導電回路30の間のインピーダンスより小さい。誤った導電信号は防ぐことができる。
【0017】
第4の実施の形態のタッチパネル500は図5に示される。検出電極20、導電回路30及びマスキング要素40は、単一の基板10上に一体的に形成されている。基板10は、視認可能領域及び当該視認可能領域に隣接する隣接領域を備えており、支持及び保護機能を有する。導電回路30は、基板10とマスキング要素40との間に構成又は配置されている。導電回路30の材料、大きさ、視認可能領域及び位置は、視認障害を低減できるように適宜選択される。例えば、導電回路30の視認可能領域はμmレベルに制限され、導電回路30の位置は、表示装置の枠によって覆われるために選択される。本実施の形態において、異方性導電材料は、検出電極20と導電回路30とを接続するためのマスキング要素40として用いられる。領域41における異方性導電材料の処理、例えばY方向へのクランプによって、検出電極20と導電回路30との間のマスキング要素40は、Y方向に導電性である。そのため、X方向のマスキング要素40の抵抗は高く、マスキング要素40は非導電性とみなすことができる。その結果、検出電極20及び導電回路30は、X方向で他の検出電極又は導電回路と接続しない。したがって、誤った導電信号は防ぐことができる。一方、二つの導電回路30の間の距離は、導電回路30と検出電極20との間の距離よりも遠くに構成することができる。したがって、導電回路30と検出電極20との間のインピーダンスは、二つの導電回路30の間のインピーダンスより小さい。誤った導電信号は防ぐことができる。
【0018】
第5の実施の形態のタッチパネル600は図6に示される。検出電極20、導電回路30、マスキング要素40は、単一の基板10上に一体的に形成されている。基板10は、視認可能領域及び当該視認可能領域に隣接する隣接領域を備えており、支持及び保護機能を有する。検出電極20は、導電回路30とマスキング要素40との間に構成又は配置されている。マスキング要素40は、実質的に導電回路30を覆う。検出電極20及び導電回路30は、マスキング要素40の下で直接接続されている。導電接着剤は、強固な接続のために検出電極20と導電回路30との間に任意に貼り付けることができる。
【0019】
第6の実施の形態のタッチパネル700は図7に示される。検出電極20、導電回路30及びマスキング要素40は、単一の基板10上に一体的に形成されている。基板10は、視認可能領域及び当該視認可能領域に隣接する隣接領域を備えており、支持及び保護機能を有する。導電回路30は、検出電極20とマスキング要素40との間に構成又は配置されている。マスキング要素40は、実質的に導電回路30を覆う。検出電極20と導電回路30とは、マスキング要素40の下で直接接続されている。導電接着剤は、強固な接続のために検出電極20と導電回路30との間に任意に貼り付けることができる。
【0020】
第7の実施の形態のタッチパネル800は図8に示される。検出電極20、導電回路30、マスキング要素40及び誘電要素60は、単一の基板10上に一体的に形成されている。基板10は、視認可能領域及び当該視認可能領域に隣接する隣接領域を備えており、支持及び保護機能を有する。検出電極20は、導電回路30と誘電要素60との間に構成又は配置されている。マスキング要素40は、実質的に導電回路30を覆う。検出電極20と導電回路30とは、マスキング要素40の下で直接に、又は導電接着剤によって電気的に接続されている。誘電要素60は、検出電極20とマスキング要素40との間、及び導電回路30とマスキング要素40との間に構成又は配置されている。したがって、検出電極20及び導電回路30は、マスキング要素40から絶縁されていることが好ましく、マスキング要素40を介して他の検出電極又は導電回路と接続されていない。誘電要素60は、シリコン、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SixNy)、非導電ポリマー等で作ることができる。他の形態において、誘電要素60は、検出電極20とマスキング要素40との間、及び/又は導電回路30とマスキング要素40との間に構成又は配置することもできる。本形態において誘電要素60が採用されたとき、マスキング要素40は低い絶縁要件を有し、多くの材料から選択することができる。
【0021】
第8の実施の形態のタッチパネル900は図9に示される。検出電極20、導電回路30、マスキング要素40及び誘電要素60は、単一の基板10上に一体的に形成されている。基板10は、視認可能領域及び当該視認可能領域に隣接する隣接領域を備えており、支持及び保護機能を有する。導電回路30は、検出電極20と誘電要素60との間に構成又は配置されている。マスキング要素40は、実質的に導電回路30を覆う。検出電極20と導電回路30とは、マスキング要素40の下で直接に、又は導電接着剤を介して電気的に接続されている。誘電要素60は、検出電極20とマスキング要素40との間、及び導電回路30とマスキング要素40との間に構成又は配置されている。したがって、検出電極20及び導電回路30は、マスキング要素40から絶縁されていることが好ましく、マスキング要素40を介して他の検出電極又は導電回路と接続されていない。
【0022】
第9及び第10の実施の形態のタッチパネル1000及びタッチパネル1100は夫々図10及び図11に示される。これらの実施の形態において、検出電極20、導電回路30及びマスキング要素40は、単一の基板10に一体的に形成されている。基板10は、視認可能領域及び当該視認可能領域に隣接する隣接領域を備えており、支持及び保護機能を有する。導電回路30の材料、大きさ、視認可能領域、及び/又は位置は、視認障害を低減するために適宜選択される。検出電極20と導電回路30とは、直接に、又は導電接着剤を介して電気的に接続され、基板10とマスキング要素40との間に構成又は配置されている。
【0023】
第11及び第12の実施の形態のタッチパネル1200及びタッチパネル1300は夫々、図12及び図13に示される。これらの実施の形態において、検出電極20、導電回路30、マスキング要素40及び誘電要素60は、単一の基板10上に一体的に形成されている。基板10は、視認可能領域及び当該視認可能領域に隣接する隣接領域を備えており、支持及び保護機能を有する。二つの実施の形態は、第9及び第10の実施の形態と同様の構成を有する。適切な大きさの導電回路30は、基板10と誘電要素60との間に構成又は配置されている。導電回路30の材料、大きさ、視認可能領域、及び/又は位置は、視認障害を低減するために適宜選択される。検出電極20と導電回路30とは、直接に、又は導電接着剤を介して電気的に接続され、基板10と誘電要素60との間に構成又は配置されている。誘電要素60は、検出電極20とマスキング要素40との間、導電回路30とマスキング要素40との間に構成又は配置されている。したがって、検出電極20と導電回路30とは、マスキング要素40から絶縁されていることが好ましく、マスキング要素40を介して他の検出電極又は導電回路と接続されていない。
【0024】
第13の実施の形態のタッチパネル1400は図14に示される。検出電極20、導電回路30及びマスキング要素40は、単一の基板10上に一体的に形成されている。マスキング要素40は、実質的に導電回路30を覆う。検出電極20と導電回路30とは、直接に、又は導電接着剤を介して電気的に接続されている。導電回路30の材料、大きさ、視認可能領域、及び/又は位置は、視認障害を低減するために適宜選択される。
【0025】
第14の実施の形態のタッチパネル1500は図15に示される。検出電極20、導電回路30、マスキング要素40及び誘電要素60は、単一の基板10上に一体的に形成されている。基板10は、視認可能領域及び当該視認可能領域に隣接する隣接領域を備えており、支持及び保護機能を有する。マスキング要素40は、実質的に導電回路30を覆う。導電回路30の材料、大きさ、視認可能領域、及び/又は位置は、視認障害を低減するために適宜選択される。検出電極20と導電回路30とは、直接に、又は導電接着剤を介して電気的に接続されている。誘電要素60は、絶縁するために検出電極20とマスキング要素40との間、及び導電回路30とマスキング要素40との間に構成又は配置されている。
【0026】
図2乃至図15に示すように、上述の実施の形態において、検出電極20、導電回路30、マスキング要路40、及び/又は誘電要素60は、基板10の等しい面上に組み上げられている。スタンドアローン型のタッチパネルに加えて、本発明は、単一の基板を有する他のタッチ検出装置、例えば一体的に形成されたタッチ検出ディスプレイに実施することができる。アンチスクラッチ、アンチグレア、及び/又はアンチリフレクティブ材料のような他の種類の材料を適用することもできる。以下の実施の形態において、タッチパネルは単一の基板10の二つの面に組み上げられる。
【0027】
第15の実施の形態のタッチパネル1600は図16に示される。検出電極20、導電回路30、マスキング要素40及び保護要素70は、単一の基板10上に一体的に形成されている。基板10は、視認可能領域及び当該視認可能領域に隣接する隣接領域を備えており、支持及び保護機能を有する。検出電極20と導電回路30とは、基板10の一方の面上で直接に、又は導電接着剤を介して電気的に接続されている。検出電極20は、基板10と導電回路30との間に構成又は配置されている。マスキング要素40は、基板10の他方の面上に構成又は配置されており、実質的に導電回路30を覆う。保護要素70は、上述の実質的に透明な材料で作ることができる。保護要素70は、実質的にマスキング要素40を覆う。任意に、保護要素は、アンチスクラッチ、アンチグレア、及び/又はアンチリフレクティブ機能を備えることができる。または、保護要素70は、省略することができる。保護要素70は、基板10と同じ材料で作ることができる。または、基板10、マスキング要素40及び保護要素70は、他の要素を構成する前に一体的に形成することができる。マスキング要素40は、検出電極20と導電回路30とを有する当該一方の面と異なる面上に構成又は配置されている。マスキング要素40の絶縁要件及び耐熱性要件は低くでき、より多くの材料から選択することができる。
【0028】
第16の実施の形態のタッチパネル1700は図17に示される。検出電極20、導電回路30、マスキング要素40及び保護要素70は、単一の基板10上に一体的に形成されている。基板10は、視認可能領域及び当該視認可能領域に隣接する隣接領域を備えており、支持及び保護機能を有する。検出電極20と導電回路30とは、基板10の一方の面上で直接に、又は導電接着剤を介して電気的に接続されている。導電回路30は、基板10と検出電極20との間に構成又は配置されている。マスキング要素40は、基板10の他方の面上に構成又は配置されており、実質的に導電回路30を覆う。保護要素70は、上述の実質的に透明な材料で作ることができる。保護要素70は、実質的にマスキング要素40を覆う。任意に、保護要素70は、アンチスクラッチ、アンチグレア、及び/又はアンチリフレクティブ機能を備えることができる。または、保護要素70は省略することができる。
【0029】
第17の実施の形態のタッチパネル1800は図18に示される。検出電極20、21、導電回路30、マスキング要素40及び保護要素70は、単一の基板10上に一体的に形成されている。基板10は、視認可能領域及び当該視認可能領域に隣接する隣接領域を備えており、支持及び保護機能を有する。検出電極20及び21は、基板10の異なる面上に構成又は配置されている。検出電極20は第1の方向の接触入力を検出し、検出電極21は第2の方向の接触入力を検出する。検出電極20と導電回路30とは、基板10の一方の面上で直接に、又は導電接着剤を介して電気的に接続されている。検出電極20は、基板10と導電回路30との間に構成又は配置されている。マスキング要素40は、基板10の他方の面と保護要素70との間に構成又は配置されており、実質的に導電回路30を覆う。または、検出電極21は、保護要素70とマスキング要素40との間に構成又は配置することができ、又は保護要素70は検出電極21とマスキング要素40との間に構成又は配置することができる。検出電極21とマスキング要素40とは、保護要素70と基板10との間で重なることなく構成することもでき、又は保護要素は基板10と検出電極21との間で重なることなく構成することもできる。保護要素70は、実質的にマスキング要素40を覆う、又は基板10全体の表面を覆う。任意に、保護要素は、検出電極21の屈折率に近い屈折率を有することができ、及び/又はアンチスクラッチ、アンチグレア、及び/又はアンチリフレクティブ機能を備えることができる。または、保護要素70は省略することができる。
【0030】
第18の実施の形態のタッチパネル1900は図19に示される。検出電極20、21、導電回路30、マスキング要素40及び保護要素70は、単一の基板10上に一体的に形成されている。基板10は、視認可能領域及び当該視認可能領域に隣接する隣接領域を備えており、支持及び保護機能を有する。検出電極20及び21は、基板10の異なる面上に構成又は配置されている。検出電極20と導電回路30とは、基板10の一方の面上で直接に、又は導電接着剤を介して電気的に接続されている。導電回路30は、基板10と検出電極20との間に構成されている。マスキング要素40は、基板10の他方の面上に構成又は配置されており、基板10と保護要素70との間に構成又は配置されている。マキング要素40は、実質的に導電回路30を覆う。または、検出電極21は保護要素70とマスキング要素40との間に構成又は配置することができ、又は保護要素70は検出電極21とマスキング要素40との間に構成又は配置することができる。検出電極21とマスキング要素40とは、保護要素70と基板10との間で重なることなく構成又は配置することもでき、保護要素70上に重なることなく構成することもできる。保護要素70は、実質的にマスキング要素40及び検出電極21を覆う。任意に、保護要素70は、検出電極21の屈折率に近い屈折率を有することができ、及び/又はアンチスクラッチ、アンチグレア、及び/又はアンチリフレクティブ機能を備えることができる。または、保護要素70は省略することができる。
【0031】
第19の実施の形態のタッチパネル2000は図20に示される。検出電極20、21、導電回路30、マスキング要素40、誘電要素60及び保護要素70は、単一の基板10上に一体的に形成されている。基板10は、視認可能領域及び当該視認可能領域に隣接する隣接領域を備えており、支持及び保護機能を有する。検出電極20及び21は、基板10の異なる面上に構成又は配置されている。検出電極20と導電回路30とは、基板10の一方の面上で直接に、又は導電接着剤を介して電気的に接続されている。検出電極20は、基板10と導電回路30との間に構成又は配置されている。マスキング要素40は、保護要素70と誘電要素60との間に構成又は配置されており、実質的に導電回路30を覆う。または、保護要素70は、誘電要素60とマスキング要素40との間に構成又は配置されてもよい。一方、検出電極21、誘電要素60及びマスキング要素21は、保護要素70と基板10との間で重ならないように構成することができ、又は保護要素70上に重ならないように構成することもできる。保護要素70は、アンチスクラッチ、アンチグレア、及び/又はアンチリフレクティブ機能を備えるために、実質的にマスキング要素40及び検出電極21を覆う。または、保護要素70は、省略することができる。加えて、誘電要素60は、絶縁性を備えるために、検出電極21とマスキング要素40との間に構成されている。したがって、検出電極21は、マスキング要素40を介して他の検出電極と接続しない。任意に、誘電要素60は、検出電極21の視認障害を低減するために、検出電極21の屈折率に近い屈折率を有することができる。
【0032】
第19の実施の形態のタッチパネル2000は図20に示される。検出電極20、21、導電回路30、マスキング要素40、誘電要素60及び保護要素70は、単一の基板10上に一体的に形成されている。基板10は、視認可能領域及び当該視認可能領域に隣接する隣接領域を備えており、支持及び保護機能を有する。検出電極20及び21は、基板10の異なる面上に構成又は配置されている。検出電極20と導電回路30とは、基板10の一方の面上で直接に、又は導電接着剤を介して電気的に接続されている。検出電極20は、基板10と導電回路30との間に構成又は配置されている。マスキング要素40は、保護要素70と誘電要素60との間に構成又は配置されており、実質的に導電回路30を覆う。または、保護要素70は、誘電要素60とマスキング要素40との間に構成又は構成されてもよい。一方、検出電極21、誘電要素60及びマスキング要素40は、保護要素70と基板10との間で重ならないように構成することができ、又は保護要素70上に重ならないように構成することもできる。保護要素70は、アンチスクラッチ、アンチグレア、及び/又はアンチリフレクティブ機能を備えるために、実質的にマスキング要素40及び検出電極21を覆う。または、保護要素70は、省略することができる。加えて、誘電要素60は、絶縁性を備えるために、検出電極21とマスキング要素40との間に構成されている。したがって、検出電極21は、マスキング要素40を介して他の検出電極と接続しない。任意に、誘電要素60は、検出電極21の視認障害を低減するために、検出電極21の屈折率に近い屈折率を有することができる。


【0033】
本発明は実施の形態を参照して述べられた。本発明が理解され、しかしながら、代替の改変や変化は上述の記載を踏まえれば当業者であれば明らかである。その結果、本発明は添付した特許請求の範囲の精神及び範囲内において代替の改変や変化の何れもが含まれる。
図1
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図5
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