(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
自動車事故の要因のひとつにスピードの出しすぎ、自動車トラブルの要因のひとつに燃料切れが挙げられる。これらの事故やトラブルを未然に防止する方法として、車両の状態をセンタで監視し、異常の発生を予測して、運転者に対して異常が発生する可能があることを音声により報知する方法(特許文献1)や、走り方を評価して燃料が所定の値以下になった場合にドライバに対して給油案内を行う方法(特許文献3)などがある。
【0003】
特許文献1には、車両に故障等の異常が発生する前にその旨を予測して運転者に報知することで人命にかかわる事故を未然に防止できるようにするリアルタイム車両管理サービスシステムが開示されている。このリアルタイム車両管理サービスシステムでは、顧客が利用する車両に車両監視装置及び携帯電話端末を搭載し、携帯電話端末は、車両監視装置でリアルタイムに検出される車両状態情報を受信してセンタ監視装置に送信すると共に、センタ監視装置から車両状態情報に対応してリアルタイムに送られてくる車両管理サービス報知情報を受信して車両監視装置に送出する。更に、車両監視装置は、その車両管理サービス報知情報に基づきスピーカから車両管理結果を音声により報知する。特許文献1の携帯電話端末は、車両監視装置とセンタ監視装置を中継し、車両状態情報および車両管理サービス報知情報を送受信するものである。
【0004】
特許文献2には、運転者にとって煩わしくなくて安全運転に専念できる道路交通情報の受信装置が開示されている。この道路交通情報の受信装置は、受信器が対象電波を受信したとき、GPSモジュールから受信した現在位置および走行方向データと位置登録データメモリから得た現在位置に存在するスピード違反取締機の検出車線情報とを比較し、走行方向データの走行方向と検出車線情報の検出車線とが一致するとき報知部に報知させる。また、走行方向データの走行方向と検出車線情報の検出車線とが不一致のときは、制限速度を超えているときに報知部に報知させ、制限速度以下のときは報知させない。特許文献2の受信装置は、自動車に固定する装置である。
【0005】
特許文献3には、ドライバ毎の走り方、走行している時期、走行している地域に応じて最適な給油タイミングと給油量の案内を行うことができる給油案内方法が開示されている。この給油案内方法では、車載端末は、車速やアクセル開度などの車両情報を車両情報収集部で収集し、運転評価部がその走り方を判定評価し、ドライバ毎の走り方、走行している時期、走行している地域に応じて最適な給油タイミングと最適な給油量を給油方法決定部で決定し、給油案内部を介して最適給油タイミングと最適給油量をドライバに案内することで、ガス欠になることなく、ドライバ毎に適した給油案内を行う。特許文献3に記載の給油を案内する車載システムは、車載端末、出力装置や自動車を制御するECUなど、自動車に固定される装置で構成される。
【0006】
特許文献4には、既存の設備を有効に活用するとともに、アラーム報知を行う対象の移動について個別に特定でき、目的地到着を携帯端末が自動的に検知してアラーム報知を行う携帯端末が開示されている。この携帯端末は、GPS衛星から自機の位置情報を取得するGPS機能を備える携帯端末であって、ユーザの目的地接近に対してアラーム報知を行うための条件として、移動時刻、移動速度、目的地を含む条件を設定し、GPS衛星からの位置情報及び内部時計を用いて、距離、時刻、速度を含むデータを計測する。また、設定した条件と計測したデータとに基づいて、アラーム対象移動及び目的地接近を判定し、アラーム報知対象の移動と判定し、かつ、ユーザが目的地に接近していると判定した場合にアラーム報知を行う。特許文献4に記載の携帯端末は、目的地に到着あるいは接近したことを知らせるものである。
【0007】
特許文献5には、 送信或いは受信の際に、更には通話中であっても、その時の状態(移動速度等)を速やかに判断する手段を有する事により、滑らかな、途切れることのない通信をできる無線通信装置が開示されている。この無線通信装置は、送受信の開始時若しくは通話中に、GPS装置を用いて移動速度を検出し、検出した移動速度とROMに記憶した通話が不能になる可能性のある速度の数値データとを比較する。そして、その比較結果が数値データを越える場合には受信機のスピーカより移動速度の異常を警報として出力する。特許文献5に記載の無線通信装置は、移動速度の異常を警報として出力することによって、途中で通話が切断されることを未然に防ぐことを目的とするものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、事故やトラブルを未然に防止する従来の警告報知方法は、警告報知装置などを車両に固定して利用するものであって、たとえば、警告報知装置などを実装した自分の車以外の車に乗車する際には警告報知機能を利用できないという問題があった。
【0010】
特許文献4に記載の携帯端末は、自動車の速度超過や燃料補給に対し、警告するものではない。
【0011】
特許文献5に記載の無線通信装置は、速度超過や燃料補給を警告することによって、自動車事故やトラブルを未然に防止することを目的とするものではない。
【0012】
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、ユーザが乗車する車両を問わず警告機能を利用できる携帯端末、警告報知方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の観点に係る携帯端末は、
警告モードを開始することを示す情報を取得する取得手段と、
測位情報を受信する受信手段と、
前記警告モードであるとき、前記測位情報に基づいて、携帯端末の
移動速度を算出する算出手段と、
前記
移動速度と所定の
速度の閾値とを比較して、警告を行うか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が警告を行うと判定した場合に、
速度が超過していることを報知する警告を出力する出力手段と、
前記閾値を設定する設定手段と、
を備え
、
前記設定手段は、前記移動速度が所定の時間、前記閾値の速度を一定量超え続けた場合は前記超過した一定量の値を前記閾値に加算し、前記移動速度が所定の時間、前記閾値の速度を一定量下回り続けた場合は前記下回った一定量の値を前記閾値から減算することを特徴とする。
【0014】
本発明の第2の観点に係る警告報知方法は、
携帯端末が実行する警告報知方法であって、
警告モードを開始することを示す情報を取得する取得ステップと、
測位情報を受信する受信ステップと、
前記警告モードであるとき、前記測位情報に基づいて、携帯端末の
移動速度を算出する算出ステップと、
前記
移動速度と所定の
速度の閾値とを比較して、警告を行うか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップが警告を行うと判定した場合に、
速度が超過していることを報知する警告を出力する出力ステップと、
前記閾値を設定する設定ステップと、
を備え
、
前記設定ステップでは、前記移動速度が所定の時間、前記閾値の速度を一定量超え続けた場合は前記超過した一定量の値を前記閾値に加算し、前記移動速度が所定の時間、前記閾値の速度を一定量下回り続けた場合は前記下回った一定量の値を前記閾値から減算することを特徴とする。
【0015】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、コンピュータに、
警告モードを開始することを示す情報を取得する取得ステップと、
測位情報を受信する受信ステップと、
前記警告モードであるとき、前記測位情報に基づいて、携帯端末の
移動速度を算出する算出ステップと、
前記
移動速度と所定の
速度の閾値とを比較して、警告を行うか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップが警告を行うと判定した場合に、
速度が超過していることを報知する警告を出力する出力ステップと、
前記閾値を設定する設定ステップと、
を実行させ
、
前記設定ステップでは、前記移動速度が所定の時間、前記閾値の速度を一定量超え続けた場合は前記超過した一定量の値を前記閾値に加算し、前記移動速度が所定の時間、前記閾値の速度を一定量下回り続けた場合は前記下回った一定量の値を前記閾値から減算することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の携帯端末、警告報知方法およびプログラムによれば、ユーザが乗車する車両を問わず事故やトラブルを未然に防止する警告機能を利用できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明において、携帯端末の位置に関する物理量とは、ユーザが乗車している車両の移動速度や移動距離をいう。警告モードとは、携帯端末の警告報知機能が起動している状態をいう。
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について図を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
【0020】
図1は、本実施の形態に係る警告報知システムの構成例を示すブロック図である。警告報知システム100は、車両2と、車両2に車載された携帯端末1と、GPS衛星3とから構成される。携帯端末1はGPS衛星3から測位情報を所定の周期で受信し、GPS衛星3からの測位情報に基づいて現在位置を計測する。車両2がA地点からB地点に移動したとすると、携帯端末1は、A地点の位置情報およびB地点の位置情報と、A地点からB地点まで移動する間の経過時間とに基づいて、移動距離や移動速度を算出する。たとえば、移動距離は、計測の開始から所定の周期で得られる現位置情報と前位置情報との間の距離を累積加算して算出する。あるいは、移動距離は移動速度を積分して求める。移動速度は、現位置情報と前位置情報との間の距離を所定の周期で除算して算出する。
【0021】
図2は、本実施の形態に係る携帯端末の構成例を示すブロック図である。携帯端末1は、入力部11、記憶部12、GPS受信部13、判定部14、鳴動部15および表示部16を備える。
【0022】
入力部11は、警告を報知する閾値となる速度や距離の設定を受け付ける。携帯端末1は、ユーザによる閾値の設定をトリガとして警告モードを開始する。なお、携帯端末1は、ユーザが入力部11に警告モードの開始を指示する情報を入力したことをトリガとして警告モードを開始してもよい。また、たとえばユーザが車両と接続する充電器を利用する場合、携帯端末1は、ユーザが携帯端末1を充電器に接続したことをトリガとして警告モードを開始することとしてもよい。
【0023】
閾値の設定は、キーボードやテンキーなどで数字を入力してもよいし、音声入力してもよい。たとえば、一般道から高速道路に進入する場合など、制限速度が異なる道路に移動した場合、閾値を変更する必要がある。音声入力であれば、ユーザが運転中であっても車両を一時停車させることなく閾値の設定の変更を容易に行うことができる。また、入力部11は、ユーザにより入力された閾値を記憶部12に記憶させる。
【0024】
記憶部12は、警告を報知する閾値となる速度や距離の設定を記憶する。また、表示部16に表示するための警告メッセージを記憶する。また、記憶部12は、後述する位置情報を時系列で記憶する。なお、記憶部12は、警告を報知する閾値となる速度や距離をあらかじめ記憶していることとしてもよい。
【0025】
GPS受信部13は、アンテナを備え、携帯端末1が警告モードを開始すると、GPS衛星3から測位情報を受信する。なお、GPS受信部13は、常にGPS衛星3から測位情報を受信しており、携帯端末1が警告モードを開始すると、測位情報を判定部14に送ることとしてもよい。
【0026】
判定部14は、GPS受信部13が受信した測位情報を処理(測位処理)して携帯端末1の位置情報を得る。得られた位置情報は時系列で記憶部12に格納する。判定部14は、位置情報に基づいて所定の基準地からの移動距離を算出する。なお、警告モードを開始時の携帯端末1の現在地を基準地としてもよいし、ユーザが任意に基準地を設定できることとしてもよい。判定部14は、移動距離と経過した時間から移動速度を算出する。判定部14は、記憶部12が記憶する速度や距離の閾値を呼び出し、算出した移動距離や移動速度が閾値を超えたか否かを判定する。閾値を超えたと判定した場合、判定部14は、閾値を超えたことを示す情報を鳴動部15に送る。さらに、判定部14は、記憶部12から警告メッセージを呼び出し、表示部16に表示させる。
【0027】
なお、判定部14は、閾値を超えたと判定した場合、閾値を超えたことを示す情報を表示部16に送り、表示部16が光の点滅でユーザの注意を喚起することとしてもよい。あるいは、判定部14は、記憶部12から警告メッセージを呼び出し、音声として鳴動部15に出力させることとしてもよい。
【0028】
さらに、前述のように、一般道から高速道路に進入する場合など、制限速度が異なる道路に移動した場合、速度の閾値を変更する必要がある。閾値として速度が設定された場合において、判定部14が、所定の時間、閾値を超えたと判定し続けた場合、閾値を超過した量に基づいて速度の閾値を一定の値加算し、所定の時間、閾値を下回ったと判定し続けた場合、閾値を下回った量に基づいて速度の閾値を一定の値減算することとしてもよい。たとえば、ユーザが乗車する車両が制限速度50km/hの一般道から制限速度80km/hの高速道路に進入した場合に、一般道における速度の閾値が50km/hに設定されていたとする。高速道路に進入して車両が80km/h で走行したとすると、判定部14は、閾値を30km/h超えたと判定し続け、所定の時間10分が経過すると、超過した30km/hを加算して速度の閾値を50km/h+30km/h=80km/hとする。
【0029】
鳴動部15は、判定部14から閾値を超えたことを示す情報を受け取ると、警告音を鳴らす。判定部14から警告メッセージを受け取った場合は、当該警告メッセージを音声で出力する。
【0030】
表示部16は、判定部14から受け取った警告メッセージを表示する。判定部14から閾値を超えたことを示す情報を受け取った場合は、光を点滅させてユーザの注意を喚起する。
【0031】
図3は、本実施の形態に係る警告メッセージの例を示す図である。ユーザが入力部11に閾値の速度として50km/hを入力したとする。移動距離と経過した時間から算出した移動速度が80km/hであった場合、判定部14は、記憶部12から
図3(a)のような警告メッセージを呼び出し、表示部16に表示させる。
図3(a)の警告メッセージは、速度超過であることをユーザに警告する情報と、現在の移動速度を示す情報と、閾値からどのくらい超過しているかを示す情報とで構成される。
【0032】
ユーザが入力部11に閾値の距離として600kmを入力したとする。算出した移動距離が600kmになった場合、判定部14は、記憶部12から
図3(b)のような警告メッセージを呼び出し、表示部16に表示させる。
図3(b)の警告メッセージは、燃料補給に対する注意を喚起する情報と、現在の移動距離を示す情報とで構成される。なお、ユーザは入力部11に閾値の燃料量と車両2の燃費を入力し、判定部14は、入力された燃料量と燃費から、閾値の距離を算出することとしてもよい。
【0033】
図4は、実施の形態に係る速度超過警告の動作の一例を示すフローチャートである。速度超過警告は警告モードが開始されることにより実行される処理である。まず、GPS受信部13が測位情報を受信する(ステップS11)。判定部14は、測位情報に基づいて位置情報を割り出し(ステップS12)、移動距離及び経過時間から移動速度を算出する(ステップS13)。次に、判定部14は、記憶部12から閾値の速度を呼び出し(ステップS14)、算出した移動速度と閾値の速度を比較して、閾値の速度を超過しているか否かを判定する(ステップS15)。
【0034】
閾値の速度を超過していない場合、(ステップS15;NO)、判定部14は、警告モードが解除されたか否かを判定する(ステップS17)。警告モードが解除されていない場合(ステップS17;NO)、ステップS11に戻り、ステップS11〜ステップS17を繰り返す。警告モードが解除された場合(ステップS17;YES)、処理を終了する。
【0035】
一方、閾値の速度を超過している場合、(ステップS15;YES)、表示部16は速度超過を報知する警告メッセージを表示し、鳴動部15は警告音を鳴らす(ステップS16)。そして、判定部14は、警告モードが解除されたか否かを判定する(ステップS17)。警告モードが解除されていない場合(ステップS17;NO)、ステップS11に戻り、ステップS11〜ステップS17を繰り返す。警告モードが解除された場合(ステップS17;YES)、処理を終了する。
【0036】
図5は、実施の形態に係る燃料補給警告の動作の一例を示すフローチャートである。燃料補給警告は警告モードが開始されることにより実行される処理である。まず、GPS受信部13が測位情報を受信する(ステップS21)。判定部14は、測位情報に基づいて位置情報を割り出し(ステップS22)、移動距離を算出する(ステップS23)。次に、判定部14は、記憶部12から閾値の距離を呼び出し(ステップS24)、算出した移動距離と閾値の距離を比較して、閾値の距離を超過しているか否かを判定する(ステップS25)。
【0037】
閾値の距離を超過していない場合、(ステップS25;NO)、判定部14は、警告モードが解除されたか否かを判定する(ステップS27)。警告モードが解除されていない場合(ステップS27;NO)、ステップS21に戻り、ステップS21〜ステップS27を繰り返す。警告モードが解除された場合(ステップS27;YES)、処理を終了する。
【0038】
一方、閾値の距離を超過している場合、(ステップS25;YES)、表示部16は燃料補給に対する注意を喚起する警告メッセージを表示し、鳴動部15は警告音を鳴らす(ステップS26)。そして、判定部14は、警告モードが解除されたか否かを判定する(ステップS27)。警告モードが解除されていない場合(ステップS27;NO)、ステップS21に戻り、ステップS21〜ステップS27を繰り返す。警告モードが解除された場合(ステップS27;YES)、処理を終了する。
【0039】
以上説明したように、本実施の形態の携帯端末1によれば、あらかじめ携帯端末1に設定した速度や燃料切れ前までの目安となる移動距離をオーバーした際、運転者に警告を促すことができる。これにより、事故やトラブルを未然に防止することが期待できる。また、携帯端末1に警告機能を搭載したことで、旅先や仕事などで自分の自動車ではない自動車に乗る場合など、ユーザが乗車する車両を問わず警告機能を利用できる。
【0040】
図6は、本発明の実施の形態に係る携帯端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。携帯端末1は、
図6に示すように、制御部21、主記憶部22、外部記憶部23、操作部24、表示部25、受信部26および音響出力装置27を備える。主記憶部22、外部記憶部23、操作部24、表示部25、受信部26および音響出力装置27はいずれも内部バス20を介して制御部21に接続されている。
【0041】
制御部21はCPU(Central Processing Unit)等から構成され、外部記憶部23に記憶されている制御プログラム30に従って、入力部11、GPS受信部13、判定部14、鳴動部15および表示部16の各処理を実行する。
【0042】
主記憶部22はRAM(Random-Access Memory)等から構成され、外部記憶部23に記憶されている制御プログラム30をロードし、制御部21の作業領域として用いられる。
【0043】
外部記憶部23は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等の不揮発性メモリから構成され、携帯端末1の処理を制御部21に行わせるためのプログラムをあらかじめ記憶し、また、制御部21の指示に従って、このプログラムが記憶するデータを制御部21に供給し、制御部21から供給されたデータを記憶する。記憶部12は、外部記憶部23に構成される。
【0044】
操作部24はキーボードやテンキーなどのポインティングデバイス等と、キーボードやテンキー等を内部バス20に接続するインタフェース装置から構成されている。さらに操作部24は音声入力装置を備えることとしてもよい。警告を報知する閾値となる速度や距離の設定をする場合は、操作部24を介して、指示が制御部21に供給される。操作部24は入力部11である。
【0045】
表示部25は、CRT(Cathode Ray Tube)またはLCD(Liquid Crystal Display)などから構成され、警告を報知する閾値となる速度や距離の設定をする場合は、操作画面を表示する。また、表示部25は、制御部21から受け取った警告メッセージを表示したり、光の点滅でユーザの注意を喚起したりする。表示部25は表示部16である。
【0046】
受信部26は、携帯端末1の位置情報を得るための情報を測位情報として、アンテナを介して無線でGPS衛星3からのGPS信号を取得する。
【0047】
音響出力装置27は、音信号源とアンプを備え、ブザー、スピーカなどで構成される。音響出力装置27は、音声によって制御部21から受け取った警告メッセージを出力したり、音響でユーザの注意を喚起したりする。音響出力装置27は、鳴動部15である。
【0048】
図2に示す携帯端末1の入力部11、GPS受信部13、判定部14、鳴動部15および表示部16の処理は、制御プログラム30が、制御部21、主記憶部22、外部記憶部23、操作部24、表示部25、受信部26および音響出力装置27などを資源として用いて処理することによって実行する。
【0049】
その他、前記のハードウェア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
【0050】
制御部21、主記憶部22、外部記憶部23、操作部24、内部バス20などから構成される情報機器データ連携処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。たとえば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する携帯端末1を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで携帯端末1を構成してもよい。
【0051】
また、携帯端末1の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0052】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS, Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0053】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0054】
(付記1)
警告モードを開始することを示す情報を取得する取得手段と、
測位情報を受信する受信手段と、
前記警告モードであるとき、前記測位情報に基づいて、携帯端末の位置に関する物理量を算出する算出手段と、
前記物理量と所定の閾値とを比較して、警告を行うか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が警告を行うと判定した場合に、警告を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする携帯端末。
【0055】
(付記2)
前記物理量は速度を含み、
前記算出手段は、前記測位情報に基づいて、移動速度を算出し、
前記判定手段は、前記移動速度と前記閾値の速度とを比較して、警告を行うか否かを判定し、
前記判定手段が警告を行うと判定した場合に、前記出力手段は、速度が超過していることを報知する警告を出力することを特徴とする付記1に記載の携帯端末。
【0056】
(付記3)
前記閾値を設定する設定手段を備え、
前記設定手段は、前記移動速度が所定の時間、前記閾値の速度を超えた場合は閾値を所定の値上げ、前記移動速度が所定の時間、前記閾値の速度を下回った場合は閾値を所定の値下げることを特徴とする付記2に記載の携帯端末。
【0057】
(付記4)
前記物理量は距離を含み、
前記算出手段は、前記測位情報に基づいて、所定の基準地からの移動距離を算出し、
前記判定手段は、前記移動距離と前記閾値の距離とを比較して、警告を行うか否かを判定し、
前記判定手段が警告を行うと判定した場合に、前記出力手段は、燃料補給に対する注意を喚起する警告を出力することを特徴とする付記1ないし3のいずれか一項に記載の携帯端末。
【0058】
(付記5)
携帯端末が実行する警告報知方法であって、
警告モードを開始することを示す情報を取得する取得ステップと、
測位情報を受信する受信ステップと、
前記警告モードであるとき、前記測位情報に基づいて、携帯端末の位置に関する物理量を算出する算出ステップと、
前記物理量と所定の閾値とを比較して、警告を行うか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップが警告を行うと判定した場合に、警告を出力する出力ステップと、
を備えることを特徴とする警告報知方法。
【0059】
(付記6)
前記物理量は速度を含み、
前記算出ステップでは、前記測位情報に基づいて、移動速度を算出し、
前記判定ステップでは、前記移動速度と前記閾値の速度とを比較して、警告を行うか否かを判定し、
前記判定ステップで警告を行うと判定した場合に、前記出力ステップでは、速度が超過していることを報知する警告を出力することを特徴とする付記5に記載の警告報知方法。
【0060】
(付記7)
前記閾値を設定する設定ステップを備え、
前記設定ステップでは、前記移動速度が所定の時間、前記閾値の速度を超えた場合は閾値を所定の値上げ、前記移動速度が所定の時間、前記閾値の速度を下回った場合は閾値を所定の値下げることを特徴とする付記6に記載の警告報知方法。
【0061】
(付記8)
前記物理量は距離を含み、
前記算出ステップでは、前記測位情報に基づいて、所定の基準地からの移動距離を算出し、
前記判定ステップでは、前記移動距離と前記閾値の距離とを比較して、警告を行うか否かを判定し、
前記判定ステップで警告を行うと判定した場合に、前記出力ステップでは、燃料補給に対する注意を喚起する警告を出力することを特徴とする付記5ないし7のいずれか一項に記載の警告報知方法。
【0062】
(付記9)
コンピュータに、
警告モードを開始することを示す情報を取得する取得ステップと、
測位情報を受信する受信ステップと、
前記警告モードであるとき、前記測位情報に基づいて、携帯端末の位置に関する物理量を算出する算出ステップと、
前記物理量と所定の閾値とを比較して、警告を行うか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップが警告を行うと判定した場合に、警告を出力する出力ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。