(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面により本発明を実施するための形態について説明していく。まず、
図1を用いて、本発明のシステム構成について説明する。
図1は、本発明の画像印刷システムの概概略を示す図である。
【0014】
本発明の画像印刷システムは、画像管理サーバ101、クライアント端末102、撮像装置103、携帯端末104、印刷装置105を備えているものとする。
【0015】
画像管理サーバ101は、ユーザの撮像装置103で撮影され、クライアント端末102からアップロードされる画像データの管理および表示を制御する。クライアント端末102は、ユーザの撮像装置103で撮影された画像データを、画像管理サーバ101に沿アップロードする役目をもっている。撮像装置103は、撮像部を備える端末のことを指し、例えば、カメラや、携帯電話のことを指す。なお、撮像装置103が画像管理サーバ101と直接通信可能な送受信機能を備えている端末であれば、クライアント端末102を省いた構成で、画像管理サーバ101に画像データのアップロードを実行することが可能である。
【0016】
携帯端末104は、画像データを受信するユーザが保有することを想定している。印刷装置は、画像管理サーバ101から送信されるメールを解析して動画像が投稿されたことを確認し、受信側のユーザがシームレスに画像を印刷できるよう、印刷装置の電源を自動的にオンにする制御を実行する。印刷装置105は、携帯端末104が画像管理サーバ101からダウンロードした画像データの印刷を実行する。
【0017】
なお、本発明の画像印刷システムの概略処理を示すと以下の通りとなる。
1.ユーザは撮像装置103を用いて画像を撮影する。
2.撮像装置103に記録されている画像データをクライアント端末102にコピーする(撮像装置103が通信機能を有していれば、本処理は不要。)
3.画像管理サーバ101に対し各種情報を設定する。
4.携帯端末104、印刷装置105に対し各種情報を設定する。
5.クライアント端末102にコピーされたを画像データを画像管理サーバ101の所定の記録場所へアップロードする。
6.画像管理サーバ101は投稿者から画像が投稿されたことを受信ユーザの携帯端末104へメールで通知する。
7.受信ユーザの携帯端末104は、受信したメールを解析し、画像が投稿されたことを判断する。
8.受信ユーザの携帯端末104は印刷装置の電源をオンにする。
9.受信ユーザの携帯端末104は画像管理サーバ101よりメールでダウンロード指示のあった画像データをダウンロードする。
10.受信ユーザの携帯端末104は、画像管理サーバ101よりダウンロードした画像を印刷装置105に送信する。
11.印刷装置105は、携帯端末104から送信された画像データを印刷する。
【0018】
次に、
図2を用いて、本発明の画像印刷システムを構成する画像管理サーバ101、クライアント端末102および携帯端末104のハードウエア構成について説明をする。
【0019】
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0020】
ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0021】
203はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0022】
205は入力コントローラで、キーボード(KB)209や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示器への表示を制御する。なお、
図2では、CRT210と記載しているが、表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。
【0023】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶するハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0024】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワーク(例えば、
図1に示したLAN600)を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0025】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0026】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
【0027】
また、画像管理サーバ101はネットワークへ接続し、他のPCから閲覧可能なウェブサイトを提供する。携帯端末104はネットワークへ接続し、画像管理サーバ101へのアクセスや通信会社が提供するメールサーバへのアクセスを行なう。印刷装置105は、ネットワークへの接続が可能であれば、クレードルを介して携帯端末104と接続する。
【0028】
212は外部インターフェースコントローラで、外部端末との接続を実行する。携帯端末104であれば、クレードルや印刷装置との接続制御の役割を果たす。
次に、
図3を用いて本発明の画像印刷システムの各装置における機能構成について説明する。
【0029】
画像管理サーバ101では、外部との通信機能を備える通信機能301とユーザがウェブを介して利用するための画面を備えるウェブUI機能302、ウェブUI機能302を介してサーバの基本動作情報の設定をするためのサーバ設定機能303、ウェブUI機能302を介してユーザデータの設定をするためのユーザ情報管理機能304、ウェブUI機能302を介して印刷先の情報設定をするための印刷先管理機能305、ウェブUI機能302を介して画像を登録するための画像投稿機能306、画像投稿機能306により登録された画像の記録と管理をするための画像データ管理機能307、画像データ管理機能307によって記録された画像の編集を行なう画像処理機能308、通信機能301を通してメールの送信を行なうメール送信機能309からなる。
【0030】
携帯端末104では、外部との通信機能を備える通信機能310と通信機能310を通してメールの受信を行なうメール受信機能311、通信機能310を通して画像管理サーバ101との通信を行なうサーバアクセス機能312、ウェブを介して利用するための画面を備えるウェブUI機能313、ウェブUI機能313を介して携帯電話の基本動作情報の設定をするための携帯情報管理機能315、メール受信機能311とサーバアクセス機能312の情報を元にプリンタへ指示を行うプリンタ制御機能314からなる。
【0031】
印刷装置105では、携帯端末104との通信のためのクレードルとの通信機能を備えるクレードルインターフェース機能320とクレードルインターフェース機能320を通して携帯端末104からの印刷要求を受信する印刷要求受信機能321、携帯端末104を介して画像管理サーバ101から取得した画像を印刷する印刷機能322からなる。各端末が上記構成を備えることにより、本発明の画像印刷システムを実現させる。
【0032】
次に、
図4〜
図15を用いて本発明の画像印刷システムが行う処理について説明する。
図4〜
図7は、画像印刷システムの処理を示すフローチャートである。
図4は、クライアント端末102が、画像管理サーバ101に接続をして、利用アカウントの設定を行う処理フローを示している。
【0033】
まず、クライアント端末102のCPU201は、本画像印刷システムのアカウント申請をすべく、ブラウザを介して画像管理サーバ101にアクセスする(ステップS401)。すると、画像管理サーバ101のサーバ設定機能303は、クライアント端末102に対して、アカウント設定画面を提供する(ステップS402、S403)。
【0034】
この情報は、本画像印刷システムのサービスを受けようとするユーザが利用を申し込む際に、ユーザから本システムのサービスプロバイダ(ビジネス提供者)に対し提供された情報から構成される。具体的には、画像管理サーバ101で記憶管理されているサーバ設定情報のうち、
図11の基本情報テーブルの、ユーザを識別するためのユーザ名(H11)、ユーザの連絡先や課金方法などの個人情報を含むユーザ情報(H12)、ユーザが利用するサーバにアクセスするためのサーバアドレス(H13)などである。
【0035】
次に、クライアント端末102のCPU201は、画像管理サーバ101からアカウント設定画面を受信すると(ステップS404)、ユーザ情報管理機能304ではユーザからの設定情報の入力を受け付ける(ステップS405)。ここで受け付ける情報は
図12のユーザ情報テーブルに設定される項目であり、ユーザを識別するためのユーザ名(H21)、ユーザの権限を表す権限(H22)、画像管理サーバ101からの情報を連絡するためのユーザごとのメールアドレス(H23)、システムログインのためのパスワード(H24)、投稿する画像サイズをユーザごとに制限するための投稿制限サイズ(H25)、ユーザごとの設定情報の変更許可/不許可の設定選択(H26)、ユーザからの投稿許可/不許可の設定選択(H27)、ユーザによる画像編集機能の使用許可/不許可の設定選択(H27)、ユーザによる画像削除の許可/不許可の設定選択(H28)である。
【0036】
ユーザ権限情報(H22)の設定では、管理者と投稿者の区別を選択する。管理者は基本的には本発明の画像印刷システムを利用するユーザグループの管理者としての役割を持つ。例えば、先述の使用例のように、家族間での画像共有を目的としている場合には、一つのユーザグループには、家族ユーザが登録され、家族間での代表者(例えば父)が管理者として設定されることになる。また、投稿者は管理者より本画像印刷システムの画像管理サーバ101への投稿を認められたユーザとして一つのグループアカウント間で複数存在する。
【0037】
メールアドレス(H23)設定は、各ユーザごとに設定されている画像管理サーバ101からのメールが送信されるアドレスの入力を受け付ける。投稿制限サイズ(H26)設定では、ユーザからの投稿サイズを制限するための情報を設定する。一日あたりの利用枚数や一日あたりの画像サイズによる制限、無制限といった設定内容が考えられる。
【0038】
ユーザ管理の可/不可(H26)の設定は、管理者は常に可であるほか、管理者から認められた一部もしくは全部のユーザがとなる。投稿可/不可設定(H27)、画像編集可/不可設定(H28)、画像削除可/不可設定(H29)においては、ユーザ管理設定の値(H26)において、「可」と設定されているユーザが、それぞれのユーザごとに設定を行うことが可能である。
【0039】
クライアント端末102のCPU201は、ユーザ情報テーブルの設定値を画像管理サーバ101に送信し、画像管理サーバ101は、ユーザ情報を受信する。画像管理サーバ101でユーザ情報の登録が完了すると、次に、画像管理サーバ101の印刷先管理機能305では、印刷先情報(
図13)の入力を受け付けるべく、印刷先情報入力画面の画面情報をクライアント端末102に送信する。
【0040】
クライアント端末102のCPU201は、印刷先情報入力画面を表示部に表示し、ユーザから印刷先情報の入力を受け付ける。ここで受け付ける印刷先情報とは、
図13のデータテーブルで示すとおり印刷先を識別する識別名(H31)、印刷先で利用するプリンタの機種(H32)、印刷先が印刷可能な量を表す印刷制限(H33)、通信量を削減するために自動的に画像サイズを縮小する必要があるかどうかを示す自動ダウンサイズ(H34)、印刷要求を通知するための印刷先ごとの携帯メールアドレス(H35)、印刷要求を識別するために印刷先ごとに設定する印刷要求キーワード(H36)などの情報である。
【0041】
印刷制限設定(H33)は、印刷プリンタごとに印刷の受付が可能なファイルサイズ若しくは件数の制限を設定する。
図12のユーザ情報テーブルの投稿制限サイズ(H25)と同様に一日あたりの印刷枚数や一日あたりの画像サイズによる制限、無制限といった設定内容が考えられる。
【0042】
これらの情報の入力受付が終了すると、画像管理サーバ101にユーザアカウントの登録要求を送信し(ステップS406)、画像管理サーバ101はアカウント情報を受信し、データテーブルに記憶する(ステップS407)。以上が画像管理サーバ101の設定フローであり、本発明の画像印刷システムの利用前に必要な準備処理である。
図12のユーザ情報テーブルに示すように、本発明の画像印刷システムを利用する際には、まず、管理者によるアカウント設定が必要であり、また、ユーザ毎に、画像を出力するための印刷先情報テーブル(
図13)を設定しておく必要がある。
【0043】
次に、
図5を用いて、ユーザが撮影した画像を画像管理サーバ101にアップロードをする処理フローについて説明をする。まず、ステップS501において、撮像装置103のCPU201は、ユーザ操作によりシャッターボタンの押下を受け付けると、画像の撮影を実行する。撮影された画像は、クライアント端末102の情報端末で利用できる電子ファイルとして得られるものである。
【0044】
ステップS502において、撮像装置103のCPU201は、画像管理サーバ101に画像を投稿すべく、クライアント端末102と接続して、画像管理サーバ101にアップロードする画像データをクライアント端末102にコピーする。接続の方法は、従来技術として既に用いられているUSBインターフェースによる接続や、撮像装置103に格納されている記録媒体(SDカードなど)を、直接クライアント端末102に装着させて、記録されている画像データをコピーする方法がある。また、撮像装置103が、例えば、ネットワーク通信機能を備える携帯端末である場合には、電子メールに所望の画像を添付して、クライアント端末102で送受信可能なメールアドレス宛に送信する方法がある。
【0045】
ステップS503において、クライアント端末102のCPU201は、撮像装置103からの画像データの取り込みが完了すると、ステップS504において、ブラウザを介して画像管理サーバ101にアクセスして表示部に
図8のログイン画面を表示し、画像投稿機能306を用いて、ユーザIDとパスワードの入力受付の状態でスタンバイする。
【0046】
認証方法は、
図12のユーザ情報テーブルに登録しているユーザ名(H21)とパスワード(H24)(以下、この二つを合わせてログイン情報とする)の入力を受け付け、画像管理サーバ101にログイン情報を送信し、画像管理サーバ101でログイン情報を受信し、ログイン認証を行う(ステップS505)。
【0047】
ステップS506において、画像管理サーバ101のCPU201は、
図12のユーザ情報テーブルを読み込み、撮像装置103より送信されたログイン情報がユーザ情報テーブルに登録されているか否かを判定する。
【0048】
ステップS507において、画像管理サーバ101のCPU201は、ユーザ認証の結果をクライアント端末102に送信する。画像管理サーバ101よりログインの承認がなされると、ステップS508において、クライアント端末102のCPU201は、画像管理サーバ101から送信される
図9の画像投稿画面の画面を表示部に表示させ、画像投稿機能306にて画像データの投稿をユーザに求める状態でスタンバイする(ステップS508)。
【0049】
ログイン情報が登録されていなければ(ユーザの入力ミスの場合など)、ステップS504に戻って、ログイン情報の再受付を行う。
【0050】
ステップS508において、クライアント端末102のCPU201は、
図9の画像投稿画面の参照ボタン(G22)の押下イベントを受け付けると、OS標準のファイル選択ダイアログを表示する。ファイル選択ダイアログで選択された画像のファイルパスをアップロード画像(G20)に表示すると共に、画像表示エリア(G23)に、選択された画像のイメージを表示する。このとき選択する画像が複数の場合は、アップロード画像(G21)の枚数に応じて画像表示エリア(G23)を分割して表示する。
【0051】
また、
図9のG24〜G29の各ボタンは、選択された画像に対して補正をする場合に用いられる。表示した画像に対し画像の補正、例えばトリミング(G24)や赤目防止処理(G25)、美肌処理(G26)を求める。これら画像の補正はそれぞれ独自のエンジンを使用する。サイズ縮小(G27)においては、
図12のユーザ情報テーブルの投稿制限サイズ(H25)の設定値に応じて、画像のサイズを自動縮小するための機能である。これらの機能はクライアント端末102の画像処理機能308にて実施する。
【0052】
また、
図9の画像投稿画面において、画像の印刷要求をする印刷先情報の選択を受け付ける(G30)。ここで選択可能な印刷先情報は、先述の
図4において、印刷先情報テーブルに登録がされている宛先である。また、コメントテキストボックス(G28)は、印刷先に画像を送信する時に同時に添付させるコメントの入力を受け付ける。
【0053】
ステップS510において、クライアント端末102のCPU201は、投稿ボタン(G29)の押下イベントを受けることにより、画像データ管理機能307で画像データを画像管理サーバ101にアップロードする。
【0054】
ステップS511において、画像管理サーバ101のCPU201は、クライアント端末102からアップロードされた画像を受信すると、
図14の画像データ情報テーブルに必要情報を登録する(ステップS512)。
【0055】
図14の画像データ情報テーブルは、アップロードされた画像データのファイル名(H41)、画像データの格納先情報(H41)、投稿した画像を印刷する先を示す印刷先情報(H42)、印刷すべき枚数を示す印刷要求枚数(H43)、複数の画像を印刷する場合の印刷順を示す優先度(H45)、画像データと共に記録されているコメント(H46)の項目を備えている。また、コメント(G28)は、
図9の画像投稿画面による画像投稿時にユーザにより入力されたテキスト値が設定される。
【0056】
実際に印刷がなされた数を表す印刷枚数(H44)は画像データを送信する現段階の値は「0」である。印刷先情報(H42)は印刷先情報テーブルからの選択を促し、要求枚数(H43)はユーザ情報テーブルで設定されている投稿制限サイズ(H25)を限度とした枚数の入力を受け付ける。
【0057】
ステップS513において、画像管理サーバ101のCPU201は、メール送信機能309を用いて、アップロードされた画像を印刷先情報に設定されたユーザに通知して印刷をさせるべく、印刷要求メールの生成を行う。
【0058】
この時のメールの宛先は、
図13の印刷先情報テーブルに登録されているのメールアドレス(H35)が設定される。メール件名は、
図13の印刷先情報テーブルの印刷要求キーワード(H36)が設定され、メール本文は、
図14の画像データ情報テーブルに登録されているコメント(H46)と、システムとして通知が必要な情報、例えば、本画像印刷システムの説明やサービス提供会社情報、その他連絡・注意事項などが記載されるものとする。
【0059】
図10は、ステップS513で生成される印刷要求メールの一例を示す図である。メールの差出人(From情報)欄には、メールを送信するユーザ(画像管理サーバ101に接続中のユーザ)のアドレスが設定される。本アドレスは、
図12のユーザ情報テーブルのうちの、メールアドレス(H23)の値が設定される。メールの宛先(To情報)欄には、先述の通り、画像投稿画面で設定された印刷先情報のメールアドレスが設定される。メールの件名、本文についても先述の通りである。
【0060】
本図に記載の処理によれば、投稿者により画像管理サーバ101に画像データが登録されると、画像データを設定された受取者の元へ送信すべく、メールを自動的に生成してくれるため、投稿者にとってもシームレスな操作で所望の画像を相手先に送信することが可能になる。
【0061】
次に、
図6を用いて、画像管理サーバ101から送信される印刷要求メールを受信する携帯端末104および、メール受信後の印刷装置105の処理について説明をする。
図6の(1)のフローは、携帯端末104がクレードル106に挿入される前にメールを受け取る場合にあたる。
【0062】
まず、
図6の(1)のステップS601において、携帯端末104のCPU201は、ウェブUI機能313が提供する画面から携帯情報管理機能315を使用し、必要情報の入力を受け付ける。ここで登録する内容は、
図15の携帯設定情報テーブルに記載のとおり、画像管理サーバ101のアドレスを示す接続先サーバアドレス(H51)、メールを受信した時に、印刷要求メールであるか否かを識別するために、携帯端末104ごとに設定する判別キーワード(H52)である。
【0063】
なお、最後に印刷した画像を記憶するためのの印刷済み番号(H53)は、画像管理サーバ101からの指示に従い書き換える情報であるため、ここでは設定しない。なお、ステップS601におけるこれらの作業は、本発明の画像印刷システムの利用前に必要な準備作業である。
【0064】
その後、携帯端末104は、メール受信のスタンバイ状態(ステップS602)となり、メール受信機能311はメールサーバに対し定期的にメールのチェックを行ない、携帯端末104のユーザのメールアドレス宛に送られてきたメールを受信する(ステップS603)。ステップS604において、画像管理サーバ101から送信されたメールの件名に印刷要求キーワード(H36)が含まれているか否かの判定をする。
【0065】
ステップS604で、受信したメールの件名に印刷要求キーワード(H52)が含まれるか判定し、含まれない場合には、メールを通常処理で受信し、ステップS602に戻り次のメール受信に備える。印刷要求キーワード(H52)が含まれると判定された場合には、次のステップS605へと進む。
【0066】
携帯端末104から印刷装置105に印刷要求を出すためには、クレードル106にささっている必要がある。ステップS605において、携帯端末104のプリンタ制御機能314は、携帯端末104がクレードル106に装着されているか否かを確認をする。
【0067】
ステップS605において、携帯端末104がクレードル106にささっている、つまり印刷装置105との通信が可能と判断した場合は、印刷(ステップS0606)へと進む。印刷装置105との通信が不可能と判断した場合は可能となるまでステップS0605をループして繰り返すこととなる。
【0068】
ステップS606において、携帯端末104のCPU201は、印刷要求メールと共に受信した画像を印刷装置105へ送信し、画像の印刷を実行する。印刷が終了すると印刷装置105は自動的に電源をオフにする。電源がオフになったことをプリンタ制御機能314にて検出(ステップS0607)することで携帯端末104の一連の処理は終わりとなり、再びS0602へと戻りメールの受信を待つこととなる。なお、印刷機能(ステップS0606)については、次の
図7に示されている印刷機能フローで説明する。
【0069】
また、
図6の(2)は、メールが受信される前にクレードル106に携帯端末104が装着されている場合の印刷要求受信機能フローである。
【0070】
ステップS611ではステップS0601と同じく、画像印刷システムの利用前に必要な情報の入力を受け付け、
図15の携帯設定情報テーブルに登録する。
【0071】
次に、ステップS612において、携帯端末104のプリンタ制御機能314は、携帯端末104がクレードル106に装着されてているか否かの確認をする。装着されている、つまり、印刷装置105との通信が可能と判断した場合は、次のステップS613へと進む。印刷装置105との通信が不可能と判断した場合は、可能となるまでS612をループして繰り返すこととなる。ここでのフローは、携帯端末104がメールを受け取る前にクレードル106に挿入される場合にあたる。
【0072】
その後、
図6の(1)と同様に、携帯端末104のメール受信機能311はメールサーバに対し定期的にメールのチェックを行ない(ステップS613)、携帯端末104の使用者宛に送られてきたメールを受信する(ステップS614)。受信したメールの件名に印刷要求キーワード(H52)が含まれるか確認し(ステップS615)、含まれない場合は、該当メールを通常処理で処理した後、ステップS613に戻り次のメール受信に備える。
【0073】
ステップS615で印刷要求キーワード(H52)が含まれると判断した場合は、印刷機能(S616)へと進む。印刷機能(ステップS616)については、
図7の印刷機能フローで説明する。印刷機能(ステップS616)が終了すると、印刷装置105は電源オフとなる。これをプリンタ制御機能314にて検出(ステップS617)することで携帯端末104の一連の処理は終わりとなり、再びS0612へと戻りクレードルへの挿入を確認することとなる。
【0074】
次に、
図7を用いて、ステップS606およびステップS616の印刷機能についての詳細処理を説明する。まず、印刷装置105は携帯端末104のプリンタ制御機能314から、電源オン指示を受けて電源オンとする(ステップS701)。電源が投入された印刷装置105は、クレードルインターフェース機能320から携帯端末104のプリンタ制御機能314、サーバアクセス機能312を通じて、画像管理サーバ101に対して画像データの取得要求を行う(ステップS702、S703)。
【0075】
画像データの取得要求を受け取った画像管理サーバ101は、画像データ管理機能307において、
図13の印刷先情報テーブルから携帯メールアドレス(H35)を用いて印刷要求者を特定し、送信する画像のファイル名を
図14の画像データ情報テーブルの画像ファイル(H41)より特定し、送信する。(ステップS704)。このとき、
図15の携帯設定情報テーブルにある印刷済み番号(H53)より大きな番号のうち一番小さな番号を持つ画像ファイルが対象となる。ただし、印刷要求枚数(H43)が印刷枚数(H44)を超えない場合は、印刷済み番号(H53)と同じ番号を対象とする。
【0076】
また、自動ダウンサイズ(H34)がオンに設定されている場合は、プリンタ機種情報(H32)に応じたサイズ圧縮を行う。印刷制限(H33)に設定された制限(一日あたりの印刷枚数や一枚あたりおよび一日あたりのデータ送信量)を超過する場合は、送信を中止する。
【0077】
画像データは、携帯端末104のサーバアクセス機能312とプリンタ制御機能314、印刷装置105のクレードルインターフェース機能320を通じて、印刷装置105の印刷機能322へ伝えられる(ステップS705)。印刷装置105の印刷機能322では、画像管理サーバ101から画像が送信されたか否かを確認し(ステップS0706)、送られてこない場合、つまり、印刷すべき画像データが存在しないと判断した場合は、ステップS0714へ進み印刷装置105の電源をオフにし印刷機能を終了する。ステップS706で印刷すべき画像データが得られた場合、印刷を実施する(ステップS707)。
【0078】
印刷において紙切れや紙詰まりなどのエラーが無く正常に印刷できたことを確認し(ステップS708)、印刷装置105は、クレードルインターフェース機能320から携帯端末104のプリンタ制御機能314、サーバアクセス機能312を通じて、画像管理サーバ101へ印刷済みとしての登録を要求する(ステップS711およびS712)。
【0079】
印刷済みの情報を受けた画像管理サーバ101は、
図14の画像データ情報テーブルの印刷枚数(H44)を一つ加算する(ステップS713)。また、この情報を携帯端末104では
図15の携帯設定情報テーブルにある印刷済み番号(H53)へ記録する。
【0080】
ステップS711において印刷済みの画像データを登録した印刷装置105は、ステップS702へ進み再度画像データの要求を行うことで、一連の印刷処理を印刷対象データがなくなるまで繰り返す。
【0081】
ステップS708で印刷エラーを検出する場合、携帯端末104のメール送信機能を利用し管理者へ印刷エラーが発生したことを知らせるメールを送信する(ステップS710)。
【0082】
以上が画像印刷システムの処理の流れである。
図6および
図7のフローチャートに示す処理によれば、携帯端末104は、印刷要求メールを受信した際に、クレードル106に装着するだけで、自動的に画像の印刷処理を実行するために印刷装置105の電源を投入する。また、印刷装置105は、携帯端末104からの電源投入指示を受け付けると、画像管理サーバ101に画像要求をして、印刷要求メールで要求された画像を取得して印刷を実行する。
【0083】
また、印刷が全て完了すれば、印刷装置105は電源をオフにして画像印刷システムを終了する。これら一連の処理によれば、全て携帯端末104および印刷装置105のに対して、特定のイベントをきっかけに制御指示を送信することで、ユーザに煩雑な操作をさせることなく、メールの受信から印刷までを実行させることが可能になる。
【0084】
以上、本発明によれば、電子機器の操作に慣れていないユーザに対して、画像共有システムに投稿された画像を、煩雑な操作をさせることなく受信から印刷まで導くシステムを提供することが可能になる。
【0085】
以上説明したように、本発明におけるプログラムは、
図4〜
図7に示すフローチャートの処理に従って、画像管理サーバ101、クライアント端末102、撮像装置103、携帯端末104および印刷装置105としてのコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は
図4〜
図7の処理方法を画像管理サーバ101、クライアント端末102、撮像装置103、携帯端末104および印刷装置105が実行可能なプログラムを記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは
図4〜
図7の各装置の処理方法ごと、別の独立したプログラムであってもよい。
【0086】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0087】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0088】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0089】
また、画像管理サーバ101、クライアント端末102、撮像装置103、携帯端末104および印刷装置105が読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0090】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0091】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0092】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0093】
また上記のソフトウェアで実現する各処理を、ファームウェアやハードウェア構成にして、各処理を各手段として実現することも可能であり、本発明の技術的範囲はこのようなファームウェアやハードウェア構成による実現も含むものである。