(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フロントアクスルハウジング(60)を左右に設ける帯鉄状の左右サイドフレーム(80L),(80R)で支持し、このフロントアクスルハウジング(60)の前側であって左右のサイドフレーム(80L),(80R)に挟まれた支持台(81)上に増速切換モータ(82)を配置すると共に、左右前輪(6),(6)を第一クラッチ(66)により駆動する4輪駆動状態と増速クラッチ(71)により増速して駆動する増速4輪駆動状態とに切り換える増速機構(105)を構成し、該増速機構(105)を作動させる増速切換軸(70)を配置し、前記増速切換モータ(82)のギヤ減速機構(84)の出力軸(84a)は、順番に第一プレート(84b)、第一ロッド(83)、第二プレート(110)、第二ロッド(112)、第三プレート(113)、第三プレート(113)に連結する軸(114)及び第四プレート(115)を介して引張バネ(99)の一端に連結する構成とし、引張バネ(99)の他端は第五プレート(117)を介して増速切換軸(70)に連結する構成とし、
前記増速切換モータ(82)の非駆動時は前記第一クラッチ(66)を入位置に保持すると共に増速クラッチ(71)をクラッチ切位置に付勢保持し、増速切換モータ(82)の駆動で第一クラッチ(66)を切りにすると共に引張バネ(99)を介して増速切換軸(70)を前輪増速に切換えるようにしたことを特徴とする作業車の前輪増速装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の作業車の前輪増速装置は、後輪近くに配置されているために機体後部に装着する耕耘装置等から土塊や泥水等が飛来して付着し易く、電動モータや増速作動機構が作動不良になることがある。
【0005】
このために、本発明では、増速機構を作動する増速切換モータに土塊や泥水等が付着し難くすることで、泥水による増速切換モータの作動不良を防ぎ、さらに、例え増速機構が泥で作動不良になっても破損しないようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、フロントアクスルハウジング60を左右に設ける帯鉄状の左右サイドフレーム80L,80Rで支持し、このフロントアクスルハウジング60の前側であって左右のサイドフレーム80L,80Rに挟まれた支持台81上に増速切換モータ82を配置すると共に、左右前輪6,6
を第一クラッチ66により駆動する4輪駆動状態と増速クラッチ71により増速して駆動する増速4輪駆動状態とに切り換える増速機構105を構成し、該増速機構105を作動させる増速切換軸70
を配置し、前記増速切換モータ82のギヤ減速機構84の出力軸84aは、順番に第一プレート84b、第一ロッド83、第二プレート110、第二ロッド112、第三プレート113、第三プレート113に連結する軸114及び第四プレート115を介して引張バネ99の一端に連結する構成とし、引張バネ99の他端は第五プレート117を介して増速切換軸70に連結する構成とし、
前記増速切換モータ82の非駆動時は前記第一クラッチ66を入位置に保持すると共に増速クラッチ71をクラッチ切位置に付勢保持
し、増速切換モータ82の駆動で
第一クラッチ66を切りにすると共に引張バネ99を介して増速切換軸70を前輪増速に切換えるようにしたことを特徴とする作業車の前輪増速装置とした。
【0007】
この構成で、増速切換モータ82に対して後方の後輪や作業機から飛びかかる泥水をフロントアクスルハウジング60で防ぎ、左右や下から飛びかかる泥水を左右サイドフレーム80R,80Lと支持台81で防ぐと共に、前輪6の増速を増速切換モータ82の回転駆動力
で引張バネ99を介して増速切換軸70を増速に切換えるので、例え増速切換軸70が泥で固着することが有っても引張バネ99が伸び
ることで増速切換モータ82や連結構成が破損することを防ぐ。
【0008】
請求項2に記載の発明は、増速切換モータ82の作動を検出するモータストップセンサ104を増速切換軸70と増速切換モータ82の出力軸の連結部に設け、
前記第三プレート113に設けるセンサピン106がモータストップセンサ104のセンサアーム105に接触すると、増速切換モータ82の回転を停止させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の作業車の前輪増速装置とした。
【0009】
この構成で、請求項1の作用に加えて、
第三プレート113の動きをモータストップセンサ104で検出することで、増速切換モータ82の回転を停止する。
【0010】
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明
で、増速切換モータ82に機体後部から飛散する泥水が当たるのを防ぎ、増速切換モータ82が漏電によって故障することを効果的に防止でき
る。また、増速切換軸70や該増速切換軸70と増速切換モータ82の連結部が泥で固着するようなことが有っても増速切換モータ82が強制的に駆動する駆動力を引張バネ99が吸収することで連結部や増速切換軸70が破損することを防止する。
請求項2の発明で、第三プレート113の動きをモータストップセンサ104で検出することで増速切換モータ82の回転を停止するので、増速切換軸70の動き過ぎを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に示す実施例に基づいて、本発明の実施例を説明する。
図1と
図2は、本発明でいう作業車の一例として示すトラクタの全体図で、機体の前部のボンネット1内に搭載したエンジン2の動力をミッションケース3内で適宜に変速して前輪軸4と後輪軸5に伝動して前輪6と後輪7の両方或は後輪7のみを駆動し、機体上に設ける座席10に座った作業者が中央に立設するステアリングハンドル8で前輪6を操向しながら走行する。機体の後方へ突出するヒッチ9には、ロータリ耕運機などの作業機を装着し、ミッションケース3から後方へ向かって突出するリアPTO軸11でヒッチ9に装着する作業機を駆動し、ミッションケース3の後部から前方へ向かって突出するミッドPTO軸12で前輪6と後輪7の間に装着する芝刈り機などの作業機を駆動する。
【0014】
図3は、動力伝動機構の断面図で、エンジン側ケース13から後方へ突出するメイン出力軸18とミッションケース3から前方へ突出する入力軸20をジョイント19で連結し、繋ぎカバー21で上側を覆っている。
【0015】
エンジン側ケース13の内部では、エンジン2の動力をメインクラッチ14で断続可能に第一出力軸15へ伝動し、第一ギヤ16と第二ギヤ17でやや減速してメイン出力軸18に伝動している。
【0016】
図13は、エンジン側ケース13の別実施例を示し、メイン出力軸18の第二ギヤ17の隣にオイル跳ね上げギヤ142を軸支し、その上部のエンジン側ケース13内にオイルガイド突起140を形成し、オイル跳ね上げギヤ142が跳ね上げるオイルを第一ギヤ16の中心に設けたオイル孔16aに導き、オイルシール141を通して第二ギヤ17へ流すようにして潤滑している。
【0017】
ミッションケース3は、前からフロントケース36とミッドケース37とリアケース45の三つの中空ケースを一体に連結して構成している。
フロントケース36内では、入力軸20の回転が第三ギヤ22と第四ギヤ23で第一伝動軸25に伝動する。
【0018】
ミッドケース37内では、第一伝動軸25の回転がそのまま第二ジョイント40でPTO伝動軸41に伝動され、さらに、第一伝動軸25に固着の第一変速ギヤ27と第二変速ギヤ29と第三変速ギヤ31が噛み合う走行軸24に嵌合した第四変速ギヤ26と第五変速ギヤ28と第六変速ギヤ30と逆転ギヤ50(この逆転ギヤ50が図示省略のギヤで第一変速ギヤ27と噛み合っている)がキーシフトクラッチ46で適宜に軸に固定されて一速から三速及び逆回転まで変速して走行軸24に伝動される。
【0019】
キーシフトクラッチ46は、
図12に示す如く、二個のシフトキー129,130を走行軸24に形成するキー溝に枢支し、このシフトキー129,130の開き側の内部に大小圧縮バネ133,134を介在させている。小圧縮バネ133は大圧縮バネ134よりも小径で短く、ギヤのキー溝をスライドする際にまず大圧縮バネ134が軽くキーシフトクラッチ46を開いてスライドし易く、やがて小圧縮バネ133が作用してキー溝から外れないようにしている。
【0020】
走行軸24の回転は、第十四ギヤ57で第一伝動軸25に遊嵌したギヤ筒69の大ギヤ部59へ伝動され、ベベルギヤ軸121にスプライン嵌合した高低クラッチギヤ32が第十四ギヤ57に噛み合ったりギヤ筒69の小ギヤ部68と噛み合ったりすることでベベルギヤ軸121が高低に変速して伝動され、ベベルギヤ軸121の回転がベベルギヤ38と車軸ベベルギヤ39で後輪軸5に伝動され、さらに、ベベルギヤ軸121にスプライン嵌合する第十五ギヤ122と第五ギヤ33とクラッチギヤ34で前輪駆動軸35に伝動され、この前輪駆動軸35の回転が
図4に示すフロントアクスルハウジング60の第二前輪駆動軸101に伝動する。
【0021】
前記のPTO伝動軸41の回転は、後輪軸5よりも後側に設けるリアPTO軸11とミッドPTO軸12の伝動部に伝動される。
PTO伝動軸41には第十ギヤ55がスプライン嵌合し第一カウンタギヤ42が遊嵌し、リアPTO軸11には第十一ギヤ48がスプライン嵌合し第一クラッチギヤ56が遊嵌し、この第一クラッチギヤ56にPTOクラッチギヤ43が遊嵌し第十二ギヤ58がスプライン嵌合している。そして、第十一ギヤ48に常時に噛み合い第一クラッチギヤ56とPTOクラッチギヤ43に適宜噛み合うコンスタントメッシュ方式のクラッチ切換ギヤ47が外嵌している。第二クラッチギヤ43と第十一ギヤ48とクラッチ切換ギヤ47でPTOクラッチ150を構成し、このPTOクラッチ150のシフト操作は、座席10の近傍に設ける一本のPTO切換レバー149で行う。
【0022】
第一カウンタギヤ42の回転は、第一カウンタ軸50の第二カウンタギヤ49と第二カウンタ軸51の第三カウンタギヤ44と第三カウンタ軸53の第四カウンタギヤ52を介してミッドPTO軸12に形成した第十三ギヤ54に伝動されてミッドPTO軸12を駆動する。
【0023】
図4は、フロントアクスルハウジング60の断面図で、フロントアクスルハウジング60の後側に増速ケース61をボルト77で取り付け、フロントアクスルハウジング60と増速ケース61を一体として前ピポットケース96と後ピポットケース62で支持し、左右揺動可能にしている。フロントアクスルハウジング60と増速ケース61を一体化することで、軽量化出来て、トラクタ全体の前後バランスを良くしている。
【0024】
増速ケース61の後ピポットケース62側に軸支した第二前輪駆動軸101に、
図3で説明した前輪駆動軸35からの動力が入力する構成である。増速ケース61内に第一増速ギヤ63を形成し、この第一増速ギヤ63の端面に形成したクラッチ爪63aに前輪ベベル軸78にスプライン嵌合した第一クラッチ66がクラッチばね67で押圧されて係合して第二前輪駆動軸101の回転を前輪ベベル軸78に伝動する(等速4輪駆動)。
【0025】
前輪ベベル軸78の前小ベベルギヤ74とフロントアクスルハウジング60内の前大ベベルギヤ75が噛み合ってデフギヤ組76を回転し、前輪駆動軸4R,4Lを駆動する。
増速ケース61内の増速機構105は、前輪ベベル軸78と平行に増速軸64を軸支し、前記第一増速ギヤ63と噛み合う第二増速ギヤ65をスプライン嵌合し、湿式クラッチ71を装着してこの湿式クラッチ71のクラッチギヤ72を前輪ベベル軸78へスプライン嵌合した第三増速ギヤ73と噛み合わせている。第二増速ギヤ65と湿式クラッチ71との間にクラッチ押圧リング102を増速軸64に嵌合し、このクラッチ押圧リング102と前記第一クラッチ66の両方係合するクラッチ切換プレート103を設け、クラッチ切換プレート103を移動させる増速切換軸70を設けている。クラッチ切換プレート103は、ガイドピン91に増速軸64の軸方向へスライド可能に支持している(
図5)。即ち、増速切換軸70が回転するとクラッチ切換プレート103を介してクラッチ押圧リング102が湿式クラッチ71方向に移動すると共に、第一クラッチ66のクラッチ爪63aが切り状態となる。その後、クラッチ押圧リング102が湿式クラッチ71に当接して該湿式クラッチ71を入り状態にする。これにより、等速4輪駆動から前輪が増速する増速4輪駆動となる。
【0026】
増速機構105は、増速切換軸70を増速切換モータ82で回動させると、第一クラッチ66が第一増速ギヤ63から離れて前輪ベベル軸78の回転伝動を断ち、クラッチ押圧リング102が湿式クラッチ71を押して増速軸64の回転をクラッチギヤ72から第三増速ギヤ73に伝動して前輪ベベル軸78を増速駆動し、前輪6,6が増速して駆動される。
【0027】
前輪ベベル軸78には、軸中心を通る第一潤滑孔97を設け、増速軸64には、湿式クラッチ71にオイルを供給する第二潤滑孔98を設けて、増速機構の潤滑性と冷却性を良くしている。
【0028】
図6に示す如く、増速切換軸70は増速ケース61から上方に突出しており、突出した増速切換軸70の軸端にカム軸アーム92を固着し、このカム軸アーム92に増速切換モータ82に連結する増速入切ワイヤ95のインナーワイヤを引張バネ99を介して連結している。この増速入切ワイヤ95のアウターワイヤは、増速ケース61のボス部93に取り付けたワイヤ取付プレート94に取り付けている。引張バネ99の引張力でクラッチ押圧リング102を湿式クラッチ71に押しつけることで湿式クラッチ71が摩耗しても押圧力が持続してクラッチの入り状態として伝動する。
【0029】
図7に、フロントアクスルハウジング60のトラクタ機体への装着構成を示している。
トラクタ機体の前後方向に設ける左右サイドフレーム80L,80Rにフロントアクスルハウジング60を取り付け、該フロントアクスルハウジング60の前上側で左右サイドフレーム80L,80Rの間に板状の支持台81を取り付け、この支持台81上に増速切換モータ82を搭載し、この増速切換モータ82の回転をギヤ減速機構84とロッド83や引張バネ99を介して前記の増速切換軸70に伝動して前輪増速クラッチの切換を行えるようにしている。前述した
図6の増速入切ワイヤ95については、ロッド83の替わりに増速入切ワイヤ95をギヤ減速機構84に連結する構成である。そして、
図7〜
図9はロッド83で増速切換軸70を回転させる構成である。
【0030】
次に、ロッド83と増速切換軸70の連動構成を詳しく説明する。
前記ギヤ減速機構84から出力される軸84aに第一プレート84bが固着しているので、軸84aが回転すると、第一プレート84bも回転する。第一プレート84bには第一ロッド83が遊嵌しており、第一プレート84bが回転すると第一ロッド83は前後に動く。これらの部材は支持台81の下方にあるので、
図7では点線で示し、第一ロッド83の後側は支持台81の後方まで延びているので実線で示している。
【0031】
第一ロッド83の後端は第二プレート110に遊嵌している。第二プレート110はフロントアクスルハウジング60上に立設した回動支点軸111を中心に回動する構成としている。そして、第二プレート110には第二ロッド112が遊嵌しており、第二ロッド112の他端には第三プレート113が遊嵌している。第三プレート113には軸114が連結されている。軸114はフロントアクスルハウジング60の中を通過する構成として操向シリンダ160と干渉しないようにしている。軸114の他端にはプ第四プレート115が連結しており、第四プレート115には引張バネ99が設けられており、引張バネ99の他端は第五プレート117に掛けられている。そして、第五プレート117に増速切換軸70が連結している。
【0032】
これにより、増速切換モータ82が回転して第一ロッド83が前後に動くと、第二プレート110が回動支点軸111を中心にして回動し、第二ロッド112が左右方向に動き、第三プレート113を介して軸114が回動する。軸114が回動すると、第四
プレート115が左右方向に動き、引張バネ99を経由し、第五プレート117を介して増速切換軸70が回転する。
【0033】
増速切換モータ82の駆動を停止すると、引張バネ99により増速切換軸70は元の位置に戻る。
図11の如く、第三プレート113の先端にセンサピン106を設け、このセンサピン106の動きでモータストップセンサ104のセンサアーム105に接触して増速切換モータ82の回転を止める。モータストップセンサ104が増速切換軸70の近くに設けられているので、増速切換軸70の回動を正確に検出する。
【0034】
図示を省略しているが、第一プレート84bにエンジン2のガバナに連結するワイヤを設けて、第一プレート84bの回動時即ち前輪増速時にエンジン2の回転を低下させるようにする。
【0035】
なお、増速切換モータ82を接点内蔵式のモータとして、2パルスを検出して1.5回転すると停止するようにしても良い。この場合に、最初の2パルスで正転させ次の2パルスで逆回転させるが、それぞれ正逆回転信号として不揮発メモリに記憶しておき、突然の停電が有っても通電再開時に記憶した正逆回転信号を読み出して回転させることで、正常に増速切換軸70を回転させる。
【0036】
図10は、見易くするために前記点線で示している部材を省略した図である。
図14の実施例には増速切換モータ82の出力軸124に第一ガイド片126と第二ガイド片127を設けたガイド体125を取り付け、第一ガイド片126の第一円弧ガイド孔126aにエンジン2のガバナに連結するスロットルワイヤ130を係合し、第二ガイド片127の第二円弧ガイド孔127aに前記増速切換モータ82に連結するロッド83を係合している。出力軸124の回転は第一ガイド片126に突設したピン128の動きをポテンショメータ129で検出する。
【0037】
図14の(a)は増速切換モータ82が中立位置で、(b)は左回りしてロッド83を押して前輪増速にした状態で、(c)は右回りしてスロットルワイヤ130を引きエンジン2の回転を低下させた状態である。
【0038】
また、左右前輪6,6のナックルアーム86,86をタイロッド87で連結して操向シリンダ160の作動で左右前輪6,6を操向するが、いずれか片方のナックルアーム86に取り付けるセンサロッド88とセンサプレート89で支持台81上に取り付けた前輪切れ角センサ90を回動して前輪切れ角を検出するようにしている。
【0039】
そして、支持台81の上には増速切換モータ82とギヤ減速機構84と前輪切れ角センサ90を覆う箱型の防護カバー85を取り外し可能に取り付けている。
この構成で、支持台81上に設ける増速切換モータ82とギヤ減速機構84と前輪切れ角センサ90が、支持台81と左右サイドフレーム80L,80Rとフロントアクスルハウジング60及び防護カバー85で囲まれて、泥水の付着による作動不良が無くなる。
【0040】
なお、上記の実施例では、増速機構105を増速クラッチの入・切で説明したが、前輪6の回転速度を変速する増速機構にしても良い。
図16に示す如く、支持台81を箱状にして左右サイドフレーム80R,Lの間に側枠に形成する第一長孔131と第二長孔132に嵌合するボルト133で固定する。前側の第一長孔131が後側の第二長孔132よりも長く、ボルト133を緩めると図示の如く前下り状態になって、蝶ボルト134を外すと防護カバー85が取り外しでき、前側から内部の増速切換モータ82等のメンテナンスが可能となる。
【0041】
図17は、ラジエータ135の支持構成で、ラジエータ135の下部が左右サイドフレーム80R,Lにゴムマウント137で支持され、上部がエンジン2にステー138で連結され、ラジエータ135の上部にボンネット1の内面に接着された弾性遮熱部材136を設けてエンジンルームを囲うと共にボンネット1の振動止めとしている。
【0042】
図18から
図20には、マフラー144の取り付け構成を示している。
マフラー144のインプットパイプ144aはエキゾーストマニホルド146に連結し、エギゾーストパイプ144b側をL字状のブラケット148でスタータブラケット145に支持する。ブラケット148には大きめの取付孔を設け、スタータブラケット145側のボルトに嵌合して左右上下の取付位置を調整可能にしている。
【0043】
また、インプットパイプ144aは、マフラー144内の第一仕切板147aと第二仕切板147bに溶接し、エギゾーストパイプ144bは、第二仕切板147bと第三仕切板147cに溶接して強固に取り付けている。
【0044】
図21は、燃料タンクへの給油を行う燃料ポリタンク154を載せ置く載置台153をボンネット1の側部に設けた実施例で、車体フレームから立設した支柱151の上端ネジ部に載置台ボス部152を上下高さを変更可能で水平回動可能に捻じ込んで取り付けている。
【0045】
また、載置台153から側方へカップホルダー156を設け、コーヒーカップ155等を差し込んで保持出来るようにしている。
図21は、載置移動台153bを載置支持台153aに対してボンネット1上にスライド可能にした構成である。なお、載置支持台153aをボンネット1の左右側部に立設する支柱で支持し、載置移動台153bをボンネット1上で左右全幅を移動可能にすることも出来る。