特許第5682337号(P5682337)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5682337-洗米タンクの点検窓の水洩れ防止装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5682337
(24)【登録日】2015年1月23日
(45)【発行日】2015年3月11日
(54)【発明の名称】洗米タンクの点検窓の水洩れ防止装置
(51)【国際特許分類】
   B02B 7/00 20060101AFI20150219BHJP
   B02B 1/06 20060101ALI20150219BHJP
【FI】
   B02B7/00 H
   B02B1/06 D
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-18435(P2011-18435)
(22)【出願日】2011年1月31日
(65)【公開番号】特開2012-157805(P2012-157805A)
(43)【公開日】2012年8月23日
【審査請求日】2013年12月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】長谷 喜八郎
(72)【発明者】
【氏名】吉居 輝
(72)【発明者】
【氏名】山本 和彦
【審査官】 柴田 和雄
(56)【参考文献】
【文献】 特許第2659922(JP,B2)
【文献】 特開2006−297280(JP,A)
【文献】 実開平08−001649(JP,U)
【文献】 特開平03−089950(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02B 1/00 − 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗米タンク(11)の側面に点検窓(11a)を開口し、洗米タンク(11)には該点検窓(11a)と点検窓(11a)の周辺部を外側から覆う開閉蓋(12)を開閉自在に設け、該開閉蓋(12)の内側面に水洩れ防止用の前記点検窓(11)よりも広い弾性板(14)を接合して設け、
該開閉蓋(12)と弾性板(14)とを頭部(15a)を内側にしたピン(15,…)で着脱自在に取り付け、前記ピン(15,…)の取付位置を弾性板(14)の凹部である周縁部で且つ洗米タンク(11)の点検窓(11a)の近くの外側面に対向するようにし
開閉蓋(12)を閉じると、弾性体(14)の中央内側面と洗米タンク(11)の内側面が面一状態で接合すると共に、点検窓(11a)の周縁部の洗米タンク(11)面に弾性板(14)の凹部である周縁部が圧接される構成とすることを特徴とする洗米タンクの点検窓の水洩れ防止装置。
【請求項2】
請求項1の発明において、前記開閉蓋(12)には点検窓(11a)を洗米タンク(11)の外側面に圧接閉鎖状態で係止する止め具を設け、前記ピン(15,…)の頭部(15a)を洗米タンク(11)の外側面と前記弾性板(14)の内側面との間に配設し、前記ピン(15,…)の頭部(15a)が洗米タンク(11)の外側面に当接し外側に押されると、前記弾性板(14)が圧縮されピン(15,…)の先端側が開閉蓋(12)の外側面から外側へ突出する方向に移動可能に構成したことを特徴とする洗米タンクの点検窓の水洩れ防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、洗米タンクの点検窓の水洩れ防止構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
洗米装置の点検窓において、洗米タンク内に米及び水を収納し、攪拌装置で攪拌しながら米を洗う洗米装置において、洗米タンクに点検窓を形成し、この点検窓を開閉する窓蓋を設け、窓蓋を洗米タンクに枢支した板材の内面に、洗米タンクの内周面と略面一になる内面を有する弾性シール板を添点着形成し、この弾性シール板を窓よりも大きな面積に形成したものは、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2659922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記先行技術の発明は、洗米タンクに形成した点検窓を開閉する窓蓋を設け、この窓蓋を洗米タンクに枢支した板材の内面に、洗米タンクの内周面と略面一になる内面を有する弾性シール板を接着剤で添点着形成した構成であるので、弾性シール板が損傷し交換する際に窓蓋から弾性シール板を取り除くのに手間がかかり迅速に交換できないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点を解消しながら、洗米タンクの点検窓の水洩れを効果的に防止しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、洗米タンク(11)の側面に点検窓(11a)を開口し、洗米タンク(11)には該点検窓(11a)と点検窓(11a)の周辺部を外側から覆う開閉蓋(12)を開閉自在に設け、該開閉蓋(12)の内側面に水洩れ防止用の前記点検窓(11)よりも広い弾性板(14)を接合して設け、該開閉蓋(12)と弾性板(14)とを頭部(15a)を内側にしたピン(15,…)で着脱自在に取り付け、前記ピン(15,…)の取付位置を弾性板(14)の凹部である周縁部で且つ洗米タンク(11)の点検窓(11a)の近くの外側面に対向するようにし、開閉蓋(12)を閉じると、弾性体(14)の中央内側面と洗米タンク(11)の内側面が面一状態で接合すると共に、点検窓(11a)の周縁部の洗米タンク(11)面に弾性板(14)の凹部である周縁部が圧接される構成とすることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記開閉蓋(12)には点検窓(11a)を洗米タンク(11)の外側面に圧接閉鎖状態で係止する止め具を設け、前記ピン(15,…)の頭部(15a)を洗米タンク(11)の外側面と前記弾性板(14)の内側面との間に配設し、前記ピン(15,…)の頭部(15a)が洗米タンク(11)の外側面に当接し外側に押されると、前記弾性板(14)が圧縮されピン(15,…)の先端側が開閉蓋(12)の外側面から外側へ突出する方向に移動可能に構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によると、開閉蓋(12)と弾性板(14)とをピン(15,…)により着脱自在に取り付けたので、開閉蓋(12)から弾性板(14)を容易に取り外し交換することができる。また、開閉蓋(12)と弾性板(14)とを頭部(15a)を内側にしたピン(15,…)で着脱自在に取り付け、ピン(15,…)の取付位置を弾性板(14)の周縁部で且つ洗米タンク(11)の点検窓(11a)近くの外側面とし、開閉蓋(12)を閉じると、弾性体(14)の中央内側面と洗米タンク(11)の内側面が面一状態で接合すると共に、点検窓(11a)の周縁部の洗米タンク(11)面に弾性板(14)の凹部である周縁部が圧接される構成としたので、ピン(15,…)が洗米タンク(11)の内側面に対向しないため、ピン(15,…)の取付部からの水洩れを防止し、ピン(15,…)が外れても洗米タンク(11)内への落下を防止することができる。
【0009】
請求項2の発明によると、請求項1の発明の前記効果に加えて、止め具により開閉蓋(12)を洗米タンク(11)の外側面に圧接閉鎖状態で係止した際には、ピン(15,…)の頭部(15a)が洗米タンク(11)の外側面に当接し外側に押され弾性板(14)が圧縮されと、ピン(15,…)の先端側が開閉蓋(12)の外側面から外側へ突出する方向に移動するので、開閉蓋(12)の内側面に弾性板(14)の外側面が強く圧接されて水洩れを効果的に防止し、また、弾性板(14)を交換するときには、開閉蓋(12)を開放しピン(15,…)を取り外すことにより簡単に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】洗米炊飯機の正面図。
図2】洗米タンクの開閉蓋部の斜視図、切断平面図。
図3】洗米タンクの開閉蓋部の斜視図。
図4】洗米タンクの開閉蓋部の斜視図、切断平面図。
図5】洗米タンクの開閉蓋部の斜視図。
図6】洗米タンクの開閉蓋部の斜視図。
図7】洗米タンクの開閉蓋部の斜視図。
図8】洗米タンクの開閉蓋部の斜視図。
図9】洗米タンクの開閉蓋部の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に示すこの発明の実施例について説明する。
まず、図1に基づき本実施例を備えた洗米炊飯装置の全体構成について説明する。
洗米炊飯機1は、内部に計量部を備えている貯米装置2と、この貯米装置2から所定量の米を受けて洗米および水加減の調節をする洗米装置3と、この洗米装置3によって水加減された洗米を受ける炊飯機4と、引出式の架台5等から構成されている。
【0012】
そして、貯米装置2の正面に操作パネル7を備え、操作パネル7にはコントローラに接続されている表示画面と操作用のスイッチを設け、スイッチ操作により、貯米装置2から指示に応じた分量の米を洗米装置3に供給し、洗米装置3で洗米し、水加減をした洗米を炊飯機4に投下供給する自動処理がなされる構成である。
【0013】
洗米装置3の洗米タンク11は、その天井部に前記貯米装置2から計量供給された米を受ける漏斗状の受け部(図示省略)と、中間部の円筒状の胴部と、下部のホッパ部を備えている。洗米タンク11の中心部に鉛直方向の軸回りに回転する撹拌羽根及び螺旋羽根を設け、洗米モータにより回転し洗米するように構成している。
【0014】
次に、図2に基づき洗米タンク11の点検蓋の水洩れ防止構成について説明する。
洗米タンク11の側面に点検窓11aを開口し、洗米タンク11にはこの点検窓11aよりやや広い開閉蓋12をヒンジ13により開閉自在に設けている。この開閉蓋12の内側面に水洩れ防止用のシリコンゴムやスポンジ材からなる弾性板14を介装し、開閉蓋12を閉鎖した状態で洗米タンク11の点検窓11a及びその周縁部を開閉蓋12と弾性板14により覆うように構成している。そして、開閉蓋12と弾性板14とを周辺部に設けた頭部15aを内側にしたピン15,…で着脱自在に取り付け、ピン15の先端側を洗米タンク11の外側面から外側に突出するようにしている。
【0015】
また、弾性板14の内側面全周縁部に切除した内側凹部14dを構成し、この内側凹部14dの内側面にピン15の頭部15aが位置するように取り付け、ピン15の先端部を開閉蓋12の外側面から外側へ突出するように取り付けている。そして、開閉蓋12の圧接閉鎖状態では、洗米タンク11の点検窓11aの周縁部に弾性板14の内側凹部14dの内側面が対向して圧接され、洗米タンク11の内側面と弾性板14の中央内側面とが面一状態で接合するように構成している。
【0016】
前記構成によると、開閉蓋12と弾性板14とをピン15,…により取り付けているので、開閉蓋12から弾性板14を容易に取り外し交換することができる。また、開閉蓋12が点検窓11aを閉鎖するときに弾性板14支持用のピン15,…が邪魔にならず、弾性板14を洗米タンク11に確実に圧接し閉鎖することができる。また、ピン15,…の頭部15aを洗米タンク11の内側にしたので、弾性板14のピン15,…の取付周縁部からの水洩れを効果的に防止し、ピン15,…の頭部15aの洗米による摩耗を防止しながら、ピン15,…の洗米タンク11内への落下を防止することができる。
【0017】
次に、図3の実施例について説明する。
開閉蓋12の内側面に弾性板14を介装し、開閉蓋12及び弾性板14の周縁部に6本のピン15,…を挿通し、ピン15の頭部15aを内側にした状態で接合固着している。しかして、洗米タンク11内に異物の侵入を防止し、弾性板14が汚れると簡単に取り外し取り換えることができる。
【0018】
次に、図4の実施例について説明する。
洗米タンク11の点検窓11aを開閉蓋12により開閉自在に構成し、この開閉蓋12を点検窓11aよりも少し広く構成し、開閉蓋12の内側面に点検窓11aよりも広い弾性板14を介装し、弾性板14の内側面に弾性板14と略同じ広ささの閉鎖板17を接合し、これらの四隅部に設けたピン孔にピン15,…の頭部15aを内側にして挿入支持し、ピン15,…の先端側を開閉蓋12の外側面から外側に突出させ、ピン15,…の先端側をクリップ18で係止している。そして、開閉蓋12及び弾性板14の取付孔を丸孔とし、閉鎖板17の取付孔をピン15,…の頭部15aが通過不能な大形孔と、頭部15a以外は通過できる小径部とで構成し、弾性板14及び閉鎖板17を簡単に交換できるようにしている。
【0019】
また、開閉蓋12に弾性板14を取り付けた状態でピン15,…の開閉蓋12から外側に突出した部位をクリップ18で係止しているので、ピン15,…からクリップ18が落下しても洗米中の米に混入することがなく安心である。また、弾性板14が洗米中に内側から押圧されると、ピン15,…の先端が外側に突出移動するので、弾性板14が開閉蓋12と閉鎖板17とで圧縮され、水洩れを効果的に防止することができる。また、弾性板14の内側面を閉鎖板17で被覆しているので、弾性板14の摩耗劣化を防止し、耐久性を高めることができる。
【0020】
次に、図5の実施例について説明する。
洗米タンク11の点検窓11aを開閉蓋12により開閉自在に構成し、開閉蓋12の内側面に略同じ広さの弾性板14を非接着状態で重ね、弾性板14の内側面にステンレス製の点検窓11aと略同じ広さの閉鎖板17を非接着状態で重ね、ボルト・蝶ナット20,…で取り付けている。
【0021】
前記構成によると、開閉蓋12の内側に装着した弾性板14の内側をステンレス製の閉鎖板17で被覆したので、弾性板14への米の衝突を防止し弾性板14の劣化を防止しながら交換を容易に行なうことができる。
【0022】
次に、図6について説明する。
洗米タンク11の点検窓11aを開閉蓋12により開閉自在に構成し、開閉蓋12の内側面に弾性板14を接着している。洗米タンク11の内側面には、点検窓11aを開閉でき、且つ、弾性板14の内側面を内側から覆うことのできるステンレス製の閉鎖板17をヒンジ13より開閉自在に設けている。そして、閉鎖板17を点検窓11aと略同じ広さにし、点検窓11aを開閉できるようにしている。
【0023】
前記構成によると、閉鎖板17で点検窓11aを閉鎖し係止具17aで係止すると、開閉蓋12の内側に設けた弾性板14の内側面をステンレス製の閉鎖板17で覆うことができ、弾性板14への米の衝突による劣化を防止しながら、洗米タンク11内への異物の侵入を防止することができる。
【0024】
次に、図7について説明する。
洗米タンク11の点検窓11aを開閉蓋12により開閉自在に構成し、開閉蓋12を点検窓11aの周縁部を覆うように少し広く構成している。開閉蓋12の周縁部に外側に屈折する周縁屈曲部12aを構成し、開閉蓋12の閉鎖状態では周縁屈曲部12aが点検窓11aの周縁部を外側から覆う状態で閉鎖するようにしている。そして、開閉蓋12の周縁屈曲部12a全体に断面U字型のゴム体21を嵌合装着し、開閉蓋12の閉鎖状態でゴム体21の内側面が洗米タンク11の点検窓11aの周辺部外側面に接触状態で閉鎖すれるようにしている。
【0025】
前記構成によると、開閉蓋12の周縁屈曲部12aとゴム体21が洗米タンク11の点検窓11aの周縁部近傍の外側面に圧接され、開閉蓋12の周縁屈曲部12a以外の中央盤面部12bが洗米タンク11の内側面と面一状で洗米中の米と接触し、ゴム体21には米が接触しないので、ゴム体21の傷みや変形を防止し、耐久性を高めながら洗米タンク11の水洩れを防止することができる。また、開閉蓋12からゴム体21の着脱が容易で、ゴム体21の清掃を容易にすることができる。
【0026】
また、図8に示すように、洗米タンク11における点検窓11aの周縁全体をフラットな面に形成し、断面U字型のゴム体21を嵌合装着している。また、開閉蓋12の周縁部全体に外側にL字状に屈折する周縁屈曲部12aを構成し、開閉蓋12の閉鎖状態では周縁屈曲部12aの内側面が洗米タンク11側のゴム体21の外側面に圧接され、開閉蓋12の周縁屈曲部12aを除く中央盤面部12bの内側面が内側に突出して洗米タンク11の内側面と面一の洗米面を形成するようにしても、前記と同様の効果が期待できる。
【0027】
次に、図9の実施例について説明する。
洗米タンク11の点検窓11aを開閉蓋12により開閉自在に構成し、開閉蓋12の周縁部をフラットに構成し、開閉蓋12の内側面に弾性板14を沿わせて介装し、弾性板14の全周縁内側面部に断面U字形凹部14cを形成し、開閉蓋12の周縁部に嵌合装着し、弾性板14の内側面全周縁部に切除した内側凹部14dを構成している。しかして、開閉蓋12の閉鎖状態では洗米タンク11の点検窓11a周縁部に弾性板14の内側凹部14dの内側面が洗米タンク11の外側面に圧接され、洗米タンク11の内側面と弾性板14の中央内側面とが面一状態となるように構成している。従って、開閉蓋12から弾性板14の着脱を容易にし、弾性板14の清掃性を高めることができる。
【符号の説明】
【0028】
1 洗米炊飯機
11 洗米タンク
11a 点検窓
12 開閉蓋
14 弾性板
15 ピン
15a 頭部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9