(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の冷凍装置では、第2圧縮機の接続先を切り換えることによって、冷蔵熱交換器または空調熱交換器から冷媒を吸い込む圧縮機の台数が、一台から二台へ、あるいは二台から一台へ変化する。このため、冷蔵熱交換器において得られる冷却能力や、空調熱交換器において得られる冷房能力が急激に変化し、冷凍装置の能力を適切に制御するのが困難となるおそれがあった。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷凍装置の能力を適切に制御し易くすることによって、冷凍装置の使い勝手を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1,9,11,13,15の各発明は、一台または複数台の圧縮機(24,25)によってそれぞれが構成される第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)と、熱源側熱交換器(26)と、第1利用側熱交換器(74)と、第2利用側熱交換器(84)とを有して冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)を備えた冷凍装置を対象とする。そして、上記冷媒回路(11)は、上記第1圧縮機部(111)に接続して該第1圧縮機部(111)を上記第1利用側熱交換器(74)に連通させる第1吸入配管(32)と、上記第2圧縮機部(112)に接続する第2吸入配管(34)と、上記第2吸入配管(34)が上記第2利用側熱交換器(84)に連通する状態と該第2吸入配管(34)が上記熱源側熱交換器(26)に連通する状態とを切り換えるための切換機構(110)と、一端が上記第1吸入配管(32)に接続して他端が上記第2吸入配管(34)に接続する接続用配管(47)と、上記接続用配管(47)に設けられた開度可変の調節弁(48)とを備えるものである。
【0008】
第1,9,11,13,15の各発明では、冷凍装置(10)に冷媒回路(11)が設けられる。冷媒回路(11)では、第1圧縮機部(111)を構成する圧縮機(24)が、第1吸入配管(32)を介して第1利用側熱交換器(74)に接続する。第1利用側熱交換器(74)が蒸発器として機能する場合は、第1利用側熱交換器(74)において蒸発した冷媒が、第1吸入配管(32)を通って第1圧縮機部(111)を構成する圧縮機(24)へ吸入される。また、冷媒回路(11)では、第2圧縮機部(112)を構成する圧縮機(25)が第2吸入配管(34)に接続し、第2吸入配管(34)が切換機構(110)を介して第2利用側熱交換器(84)と熱源側熱交換器(26)とに接続する。第2利用側熱交換器(84)が蒸発器として機能する場合は、切換機構(110)が第2吸入配管(34)を第2利用側熱交換器(84)に連通させる状態となり、第2利用側熱交換器(84)において蒸発した冷媒が、第2吸入配管(34)を通って第2圧縮機部(112)を構成する圧縮機(25)へ吸入される。一方、熱源側熱交換器(26)が蒸発器として機能する場合は、切換機構(110)が第2吸入配管(34)を熱源側熱交換器(26)に連通させる状態となり、熱源側熱交換器(26)において蒸発した冷媒が、第2吸入配管(34)を通って第2圧縮機部(112)を構成する圧縮機(25)へ吸入される。
【0009】
第1,9,11,13,15の各発明では、冷媒回路(11)に接続用配管(47)が設けられる。また、接続用配管(47)には、調節弁(48)が設けられる。調節弁(48)が開いた状態では、第1吸入配管(32)を流れる冷媒の一部が第2圧縮機部(112)へ吸入され、あるいは第2吸入配管(34)を流れる冷媒の一部が第1圧縮機部(111)へ吸入される。前者の場合、第1利用側熱交換器(74)から第1吸入配管(32)へ流入した冷媒は、その一部が接続用配管(47)を通って第2圧縮機部(112)へ吸入され、残りが第1圧縮機部(111)へ吸入される。この場合には、調節弁(48)の開度が大きくなるほど、接続用配管(47)を通って第2圧縮機部(112)へ吸入される冷媒の流量が多くなる。一方、後者の場合、第2利用側熱交換器(84)又は熱源側熱交換器(26)から第2吸入配管(34)へ流入した冷媒は、その一部が接続用配管(47)を通って第1圧縮機部(111)へ吸入され、残りが第2圧縮機部(112)へ吸入される。この場合には、調節弁(48)の開度が大きくなるほど、接続用配管(47)を通って第1圧縮機部(111)へ吸入される冷媒の流量が多くなる。
【0010】
第1の発明は、
上記の構成に加えて、上記熱源側熱交換器(26)が凝縮器として機能し、上記第1利用側熱交換器(74)と上記第2利用側熱交換器(84)の両方が蒸発器として機能する第1冷却運転を実行可能であり、上記第1圧縮機部(111)及び上記第2圧縮機部(112)の運転容量と、上記調節弁(48)の開度とを調節する制御器(120)を備え、上記制御器(120)は、上記第1冷却運転中に上記第1圧縮機部(111)及び上記第2圧縮機部(112)の運転容量が所定の基準容量を下回る場合に、上記調節弁(48)を全閉状態に保ち、上記第1吸入配管(32)の冷媒圧力が第1目標低圧となるように上記第1圧縮機部(111)の運転容量を調節し、上記第2吸入配管(34)の冷媒圧力が上記第1目標低圧よりも高い第2目標低圧となるように上記第2圧縮機部(112)の運転容量を調節するものである。
【0011】
第1の発明の冷凍装置(10)は、第1冷却運転を実行できる。第1冷却運転中には、第1利用側熱交換器(74)において蒸発した冷媒が第1吸入配管(32)を通って第1圧縮機部(111)へ吸入され、第2利用側熱交換器(84)において蒸発した冷媒が第2吸入配管(34)を通って第2圧縮機部(112)へ吸入される。また、この発明の冷凍装置(10)には、制御器(120)が設けられる。
【0012】
第1冷却運転中に第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量が所定の基準容量を下回る場合は、第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理することができ、第2利用側熱交換器(84)における冷却負荷を第2圧縮機部(112)だけで処理することができる。そこで、
第1の発明の制御器(120)は、上記調節弁(48)を全閉状態に保つ。この場合、第1利用側熱交換器(74)において蒸発した冷媒は、第1圧縮機部(111)を構成する圧縮機(24)だけに吸入され、第2利用側熱交換器(84)において蒸発した冷媒は、第2圧縮機部(112)を構成する圧縮機(25)だけに吸入される。
【0013】
また、この場合、
第1の発明の制御器(120)は、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が第1目標低圧となるように第1圧縮機部(111)の運転容量を調節し、第2吸入配管(34)の冷媒圧力が第2目標低圧となるように第2圧縮機部(112)の運転容量を調節する。第2目標低圧は、第1目標低圧よりも高い。このため、第2利用側熱交換器(84)における冷媒の蒸発温度は、第1利用側熱交換器(74)における冷媒の蒸発温度よりも高くなる。
【0014】
第2の発明は、上記
第1の発明において、上記制御器(120)は、上記第1冷却運転中に上記第1圧縮機部(111)の運転容量が上記基準容量を下回って上記第2圧縮機部(112)の運転容量が上記基準容量以上である場合に、上記第1吸入配管(32)の冷媒圧力が上記第1目標低圧となるように上記調節弁(48)の開度を調節し、上記第2吸入配管(34)の冷媒圧力が上記第2目標低圧となるように上記第1圧縮機部(111)の運転容量を調節する動作、又は上記第2吸入配管(34)の冷媒圧力が上記第2目標低圧となるように上記調節弁(48)の開度を調節し、上記第1吸入配管(32)の冷媒圧力が上記第1目標低圧となるように上記第1圧縮機部(111)の運転容量を調節する動作を行うものである。
【0015】
第2の発明の制御器(120)は、第1冷却運転中に第1圧縮機部(111)の運転容量が基準容量を下回って第2圧縮機部(112)の運転容量が基準容量以上である場合に、所定の動作を行う。この場合は、第2利用側熱交換器(84)における冷却負荷を第2圧縮機部(112)だけで処理することができず、あるいは第2利用側熱交換器(84)における冷却負荷を第2圧縮機部(112)だけで処理するのが適当ではない。そこで、制御器(120)は、下記第1の動作と第2の動作のいずれか一方を行う。
【0016】
第2の発明の制御器(120)が行う第1の動作は、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が第1目標低圧となるように調節弁(48)の開度を調節し、第2吸入配管(34)の冷媒圧力が第2目標低圧となるように第1圧縮機部(111)の運転容量を調節する動作である。また、この制御器(120)が行う第2の動作は、第2吸入配管(34)の冷媒圧力が第2目標低圧となるように調節弁(48)の開度を調節し、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が第1目標低圧となるように第1圧縮機部(111)の運転容量を調節する動作である。
【0017】
第2の発明の制御器(120)が第1又は第2の動作を行うと、第2吸入配管(34)を流れる冷媒の一部が接続用配管(47)を通って第1圧縮機部(111)へ吸入される。つまり、運転容量が基準容量を下回っている第1圧縮機部(111)が、第1吸入配管(32)を流れる冷媒の全部と、第2吸入配管(34)を流れる冷媒の一部とを吸入する。このため、第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷は、第1圧縮機部(111)だけによって処理される一方、第2利用側熱交換器(84)における冷却負荷は、第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方によって処理される。
【0018】
第3の発明は、上記
第1又は
第2の発明において、上記制御器(120)は、上記第1冷却運転中に上記第1圧縮機部(111)及び上記第2圧縮機部(112)の運転容量が所定の基準容量以上である場合に、上記第1吸入配管(32)の冷媒圧力が上記第1目標低圧となるように上記調節弁(48)の開度を調節するものである。
【0019】
第3の発明の制御器(120)がこの動作を行うと、通常は、調節弁(48)の開度が次第に減少してゆき、その結果、第2吸入配管(34)から接続用配管(47)を通って第1圧縮機部(111)へ吸入される冷媒の流量が減少してゆく。このため、第1圧縮機部(111)が第1吸入配管(32)から吸入できる冷媒の流量が増加し、第1吸入配管(32)の冷媒圧力の上昇が抑えられる。
【0020】
第4の発明は、上記
第1〜
第3のいずれか一つの発明において、上記熱源側熱交換器(26)が凝縮器として機能し、上記第2利用側熱交換器(84)が蒸発器として機能し、上記第1利用側熱交換器(74)が休止する第2冷却運転を実行可能であり、上記制御器(120)は、上記第2冷却運転中に上記第2圧縮機部(112)の運転容量が上記基準容量を下回る場合に、上記調節弁(48)を全閉状態に保ち、上記第1圧縮機部(111)を停止状態に保ち、上記第2吸入配管(34)の冷媒圧力が上記第2目標低圧となるように上記第2圧縮機部(112)の運転容量を調節するものである。
【0021】
第4の発明の冷凍装置(10)は、第2冷却運転を実行できる。第2冷却運転中には、第2利用側熱交換器(84)において蒸発した冷媒が第2吸入配管(34)を通って第2圧縮機部(112)へ吸入される。第2冷却運転中に上記第2圧縮機部(112)の運転容量が上記基準容量を下回る場合は、第2利用側熱交換器(84)における冷却負荷を第2圧縮機部(112)だけで処理することができる。そこで、制御器(120)は、調節弁(48)を全閉状態に保ち、第2吸入配管(34)の冷媒圧力が第2目標低圧となるように第2圧縮機部(112)の運転容量を調節する。この場合、第2利用側熱交換器(84)において蒸発した冷媒は、第2圧縮機部(112)を構成する圧縮機(25)だけに吸入される。
【0022】
第5の発明は、上記
第4の発明において、上記制御器(120)は、上記第2冷却運転中に上記第2圧縮機部(112)の運転容量が上記基準容量以上である場合に、上記第1吸入配管(32)の冷媒圧力が第1目標低圧となるように上記調節弁(48)の開度を調節し、上記第2吸入配管(34)の冷媒圧力が上記第2目標低圧となるように上記第1圧縮機部(111)及び上記第2圧縮機部(112)の運転容量を調節するものである。
【0023】
第5の発明の制御器(120)は、第2冷却運転中に第2圧縮機部(112)の運転容量が基準容量以上である場合に、調節弁(48)の開度と第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量とを調節する。この場合、第2利用側熱交換器(84)において蒸発した冷媒は、その一部が接続用配管(47)を通って第1圧縮機部(111)へ吸入され、残りが第2圧縮機部(112)へ吸入される。つまり、第2利用側熱交換器(84)における冷却負荷は、第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方によって処理される。そして、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が第1目標低圧に保たれ、第2吸入配管(34)の冷媒圧力が第2目標低圧に保たれる。
【0024】
第6の発明は、上記
第5の発明において、上記制御器(120)は、上記第2冷却運転中に上記第1圧縮機部(111)及び上記第2圧縮機部(112)の運転容量が上記基準容量以上である場合に、上記第1吸入配管(32)の冷媒圧力が上記第1目標低圧となるように上記調節弁(48)の開度を調節するものである。
【0025】
第6の発明の制御器(120)がこの動作を行うと、冷媒が調節弁(48)を通過する際にその圧力が第2目標低圧から第1目標低圧へ低下するように、調節弁(48)の開度が調節される。このため、第2冷却運転中に第1圧縮機部(111)の運転容量が上記基準容量以上である場合も、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が第1目標低圧に保たれる。
【0026】
第7の発明は、上記
第1〜
第6のいずれか一つの発明において、上記熱源側熱交換器(26)が凝縮器として機能し、上記第1利用側熱交換器(74)が蒸発器として機能し、上記第2利用側熱交換器(84)が休止する第3冷却運転を実行可能であり、上記制御器(120)は、上記第3冷却運転中に上記第1圧縮機部(111)の運転容量が上記基準容量を下回る場合に、上記調節弁(48)を全閉状態とし、上記第1吸入配管(32)の冷媒圧力が上記第1目標低圧となるように上記第1圧縮機部(111)の運転容量を調節し、上記第2圧縮機部(112)を停止状態に保つものである。
【0027】
第7の発明の冷凍装置(10)は、第3冷却運転を実行できる。第3冷却運転中には、第1利用側熱交換器(74)において蒸発した冷媒が第1吸入配管(32)を通って第1圧縮機部(111)へ吸入される。第3冷却運転中に第1圧縮機部(111)の運転容量が基準容量を下回る場合は、第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理することができる。そこで、制御器(120)は、調節弁(48)を全閉状態に保ち、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が第1目標低圧となるように第1圧縮機部(111)の運転容量を調節する。この場合、第1利用側熱交換器(74)において蒸発した冷媒は、第1圧縮機部(111)を構成する圧縮機(24)だけに吸入される。
【0028】
第8の発明は、上記
第7の発明において、上記制御器(120)は、上記第3冷却運転中に上記第1圧縮機部(111)の運転容量が上記基準容量以上である場合に、上記調節弁(48)を全開状態とし、上記第1吸入配管(32)の冷媒圧力が上記第1目標低圧となるように上記第1圧縮機部(111)及び上記第2圧縮機部(112)の運転容量を調節するものである。
【0029】
第8の発明の制御器(120)は、第3冷却運転中に第1圧縮機部(111)の運転容量が基準容量以上である場合に、調節弁(48)を全開状態に保ち、第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量を調節する。この場合、第1利用側熱交換器(74)において蒸発した冷媒は、その一部が接続用配管(47)を通って第2圧縮機部(112)へ吸入され、残りが第1圧縮機部(111)へ吸入される。つまり、第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷は、第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方によって処理される。そして、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が第1目標低圧に保たれる。
【0030】
第9の発明は、
上記の構成に加えて、上記熱源側熱交換器(26)及び上記第2利用側熱交換器(84)が凝縮器として機能し、上記第1利用側熱交換器(74)が蒸発器として機能する第1併存運転を実行可能であり、上記第1圧縮機部(111)及び上記第2圧縮機部(112)の運転容量と、上記調節弁(48)の開度とを調節する制御器(120)を備え、上記制御器(120)は、上記第1併存運転中に上記第1圧縮機部(111)の運転容量が所定の基準容量を下回る場合に、上記第1吸入配管(32)の冷媒圧力が所定の目標低圧となるように上記第1圧縮機部(111)の運転容量を調節し、上記第2圧縮機部(112)を停止状態に保つものである。
【0031】
第9の発明の冷凍装置(10)は、第1併存運転を実行できる。第1併存運転中には、第1圧縮機部(111)から吐出された冷媒の一部が熱源側熱交換器(26)へ供給されて残りが第2利用側熱交換器(84)へ供給され、第1利用側熱交換器(74)において蒸発した冷媒が第1吸入配管(32)を通って第1圧縮機部(111)へ吸入される。蒸発器として機能する第1利用側熱交換器(74)では、空気等の対象物が冷却され、凝縮器として機能する第2利用側熱交換器(84)では、空気等の対象物が加熱される。
【0032】
第9の発明の冷凍装置(10)には、制御器(120)が設けられる。第1併存運転中に第1圧縮機部(111)の運転容量が基準容量を下回る場合、制御器(120)は、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が目標低圧となるように第1圧縮機部(111)の運転容量を調節する。従って、第1利用側熱交換器(74)における冷媒の蒸発温度が、目標低圧に対応する飽和温度に保たれる。
【0033】
第10の発明は、上記
第9の発明において、上記制御器(120)は、上記第1併存運転中に上記第1圧縮機部(111)の運転容量が上記基準容量以上である場合に、上記調節弁(48)を全開状態に保ち、上記第1吸入配管(32)の冷媒圧力が上記目標低圧となるように上記第1圧縮機部(111)及び上記第2圧縮機部(112)の運転容量を調節するものである。
【0034】
第1併存運転中に第1圧縮機部(111)の運転容量が基準容量以上である場合は、第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理することができず、あるいは第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理するのが適当ではない。そこで、この場合、
第10の発明の制御器(120)は、調節弁(48)を全開状態に保ち、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が目標低圧となるように第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量を調節する。この場合、第1利用側熱交換器(74)において蒸発した冷媒は、その一部が第1圧縮機部(111)へ吸入され、残りが接続用配管(47)を通って第2圧縮機部(112)へ吸入される。このため、第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷は、第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方によって処理される。
【0035】
第11の発明は、
上記の構成に加えて、上記熱源側熱交換器(26)が休止し、上記第2利用側熱交換器(84)が凝縮器として機能し、上記第1利用側熱交換器(74)が蒸発器として機能する第2併存運転を実行可能であり、上記第1圧縮機部(111)及び上記第2圧縮機部(112)の運転容量と、上記調節弁(48)の開度とを調節する制御器(120)を備え、上記制御器(120)は、上記第2併存運転中に上記第1圧縮機部(111)の運転容量が所定の基準容量を下回る場合に、上記調節弁(48)を全閉状態に保ち、上記第1吸入配管(32)の冷媒圧力が所定の目標低圧となるように上記第1圧縮機部(111)の運転容量を調節し、上記第2圧縮機部(112)を停止状態に保つものである。
【0036】
第11の発明の冷凍装置(10)は、第2併存運転を実行できる。第2併存運転中には、第1圧縮機部(111)から吐出された冷媒が第2利用側熱交換器(84)へ供給され、第1利用側熱交換器(74)において蒸発した冷媒が第1吸入配管(32)を通って第1圧縮機部(111)へ吸入される。蒸発器として機能する第1利用側熱交換器(74)では、空気等の対象物が冷却され、凝縮器として機能する第2利用側熱交換器(84)では、空気等の対象物が加熱される。
【0037】
第11の発明の冷凍装置(10)には、制御器(120)が設けられる。第2併存運転中に第1圧縮機部(111)の運転容量が所定の基準容量を下回る場合、制御器(120)は、調節弁(48)を全閉状態に保ち、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が所定の目標低圧となるように第1圧縮機部(111)の運転容量を調節する。従って、第1利用側熱交換器(74)における冷媒の蒸発温度が、目標低圧に対応する飽和温度に保たれる。
【0038】
第12の発明は、上記
第11の発明において、上記制御器(120)は、上記第2併存運転中に上記第1圧縮機部(111)の運転容量が上記基準容量以上である場合に、上記調節弁(48)を全開状態に保ち、上記第1吸入配管(32)の冷媒圧力が上記目標低圧となるように上記第2圧縮機部(112)の運転容量を調節するものである。
【0039】
第2併存運転中に第1圧縮機部(111)の運転容量が基準容量以上である場合は、第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理することができず、あるいは第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理するのが適当ではない。そこで、この場合、
第12の発明の制御器(120)は、調節弁(48)を全開状態に保ち、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が目標低圧となるように第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量を調節する。この場合、第1利用側熱交換器(74)において蒸発した冷媒は、その一部が第1圧縮機部(111)へ吸入され、残りが接続用配管(47)を通って第2圧縮機部(112)へ吸入される。このため、第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷は、第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方によって処理される。
【0040】
第13の発明は、
上記の構成に加えて、上記第2利用側熱交換器(84)が凝縮器として機能し、上記熱源側熱交換器(26)及び上記第1利用側熱交換器(74)が蒸発器として機能する第3併存運転を実行可能であり、上記第1圧縮機部(111)及び上記第2圧縮機部(112)の運転容量と、上記調節弁(48)の開度とを調節する制御器(120)を備え、上記制御器(120)は、上記第3併存運転中に上記第1圧縮機部(111)の運転容量が所定の基準容量を下回る場合に、上記調節弁(48)を全閉状態に保ち、上記第1吸入配管(32)の冷媒圧力が所定の目標低圧となるように上記第1圧縮機部(111)の運転容量を調節し、上記第2利用側熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度が所定の目標温度となるように上記第2圧縮機部(112)の運転容量を調節するものである。
【0041】
第13の発明の冷凍装置(10)は、第3併存運転を実行できる。第3併存運転中には、第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)から吐出された冷媒が第2利用側熱交換器(84)へ供給され、第1利用側熱交換器(74)において蒸発した冷媒が第1吸入配管(32)を通って第1圧縮機部(111)へ吸入され、熱源側熱交換器(26)において蒸発した冷媒が第2吸入配管(34)を通って第2圧縮機部(112)へ吸入される。蒸発器として機能する第1利用側熱交換器(74)では、空気等の対象物が冷却され、凝縮器として機能する第2利用側熱交換器(84)では、空気等の対象物が加熱される。
【0042】
第13の発明の冷凍装置(10)には、制御器(120)が設けられる。第3併存運転中に第1圧縮機部(111)の運転容量が所定の基準容量を下回る場合、制御器(120)は、調節弁(48)を全閉状態に保ち、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が所定の目標低圧となるように第1圧縮機部(111)の運転容量を調節し、上記第2利用側熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度が目標温度となるように上記第2圧縮機部(112)の運転容量を調節する。従って、第1利用側熱交換器(74)における冷媒の蒸発温度が目標低圧に対応する飽和温度に保たれ、第2利用側熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度が目標温度に保たれる。
【0043】
第14の発明は、上記
第13の発明において、上記制御器(120)は、上記第3併存運転中に上記第1圧縮機部(111)の運転容量が上記基準容量以上である場合に、上記調節弁(48)を全開状態に保ち、上記第1吸入配管(32)の冷媒圧力が上記目標低圧となるように上記第2圧縮機部(112)の運転容量を調節するものである。
【0044】
第3併存運転中に第1圧縮機部(111)の運転容量が基準容量以上である場合は、第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理することができず、あるいは第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理するのが適当ではない。そこで、この場合、
第14の発明の制御器(120)は、調節弁(48)を全開状態に保ち、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が目標低圧となるように第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量を調節する。この場合、第1利用側熱交換器(74)において蒸発した冷媒は、その一部が第1圧縮機部(111)へ吸入され、残りが接続用配管(47)を通って第2圧縮機部(112)へ吸入される。このため、第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷は、第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方によって処理される。
【0045】
第15の発明は、
上記の構成に加えて、上記第2利用側熱交換器(84)が凝縮器として機能し、上記熱源側熱交換器(26)が蒸発器として機能し、上記第1利用側熱交換器(74)が休止する加熱運転を実行可能であり、上記第1圧縮機部(111)及び上記第2圧縮機部(112)の運転容量と、上記調節弁(48)の開度とを調節する制御器(120)を備え、上記制御器(120)は、上記加熱運転中に上記第2圧縮機部(112)の運転容量が所定の基準容量を下回る場合に、上記調節弁(48)を全閉状態に保ち、上記第2利用側熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度が所定の目標温度となるように上記第2圧縮機部(112)の運転容量を調節するものである。
【0046】
第15の発明の冷凍装置(10)は、加熱運転を実行できる。加熱運転中には、第2圧縮機部(112)から吐出された冷媒が第2利用側熱交換器(84)へ供給され、熱源用側熱交換器において蒸発した冷媒が第2吸入配管(34)を通って第2圧縮機部(112)へ吸入される。凝縮器として機能する第2利用側熱交換器(84)では、空気等の対象物が加熱される。
【0047】
第15の発明の冷凍装置(10)には、制御器(120)が設けられる。加熱運転中に第2圧縮機部(112)の運転容量が所定の基準容量を下回る場合、制御器(120)は、調節弁(48)を全閉状態に保ち、第2利用側熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度が目標温度となるように第2圧縮機部(112)の運転容量を調節する。従って、第2利用側熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度が目標温度に保たれる。
【0048】
第16の発明は、上記
第15の発明において、上記制御器(120)は、上記加熱運転中に上記第2圧縮機部(112)の運転容量が上記基準容量以上になると、上記調節弁(48)を全開状態とし、上記第2利用側熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度が上記目標温度となるように上記第1圧縮機部(111)の運転容量を調節するものである。
【0049】
加熱運転中に第2圧縮機部(112)の運転容量が基準容量以上である場合は、第2利用側熱交換器(84)における加熱負荷を第2圧縮機部(112)だけで処理することができず、あるいは第2利用側熱交換器(84)における加熱負荷を第2圧縮機部(112)だけで処理するのが適当ではない。そこで、この場合、
第16の発明の制御器(120)は、調節弁(48)を全開状態に保ち、第2利用側熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度が目標温度となるように第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量を調節する。この場合、熱源側熱交換器(26)において蒸発した冷媒の一部が第1圧縮機部(111)へ吸入されて残りが第2圧縮機部(112)へ吸入され、第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)から吐出された冷媒が第2利用側熱交換器(84)へ供給される。このため、第2利用側熱交換器(84)における加熱負荷は、第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方によって処理される。
【発明の効果】
【0050】
本発明の冷凍装置(10)では、第1吸入配管(32)と第2吸入配管(34)を接続する接続用配管(47)が冷媒回路(11)に設けられ、開度可変の調節弁(48)が接続用配管(47)に設けられる。このため、本発明の冷凍装置(10)は、第1圧縮機部(111)だけでは第1利用側熱交換器(74)において必要となる冷媒の流量を確保できない場合に、第1吸入配管(32)を流れる冷媒を第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方へ吸入させることができる。また、本発明の冷凍装置(10)は、第2圧縮機部(112)だけでは第2利用側熱交換器(84)において必要となる冷媒の流量を確保できない場合に、第2吸入配管(34)を流れる冷媒を第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方へ吸入させることができる。
【0051】
第1吸入配管(32)を流れる冷媒が第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方へ吸入される場合には、調節弁(48)の開度を変更することによって、接続用配管(47)を通って第2圧縮機部(112)へ吸入される冷媒の流量を調節することができる。そして、この場合は、調節弁(48)の開度を調節することによって、第1利用側熱交換器(74)を流れる冷媒の流量を、第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷(即ち、単位時間に第1利用側熱交換器(74)で冷媒が吸収すべき熱量)に応じた適切な値に設定することが可能となる。
【0052】
また、第2吸入配管(34)を流れる冷媒が第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方へ吸入される場合には、調節弁(48)の開度を変更することによって、接続用配管(47)を通って第1圧縮機部(111)へ吸入される冷媒の流量を調節することができる。そして、この場合は、調節弁(48)の開度を調節することによって、第2利用側熱交換器(84)を流れる冷媒の流量を、第2利用側熱交換器(84)における冷却負荷(即ち、単位時間に第2利用側熱交換器(84)で冷媒が吸収すべき熱量)に応じた適切な値に設定することが可能となる。
【0053】
このように、本発明では、第1圧縮機部(111)だけでは第1利用側熱交換器(74)において必要となる冷媒の流量を確保できない場合に、調節弁(48)の開度を調節することによって、第1利用側熱交換器(74)を流れる冷媒の流量を、第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷に応じた値に設定することが可能となる。また、本発明では、第2圧縮機部(112)だけでは第2利用側熱交換器(84)において必要となる冷媒の流量を確保できない場合に、調節弁(48)の開度を調節することによって、第2利用側熱交換器(84)を流れる冷媒の流量を、第2利用側熱交換器(84)における冷却負荷に応じた値に設定することが可能となる。従って、本発明によれば、冷凍装置(10)の冷却能力を適切に制御することができ、冷凍装置(10)の使い勝手を向上させることができる。
【0054】
上記
第1の発明において、冷凍装置(10)は、第1利用側熱交換器(74)及び第2利用側熱交換器(84)が蒸発器として機能する第1冷却運転を実行可能である。そして、第1冷却運転中に第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量が基準容量を下回る場合、制御器(120)は、上記調節弁(48)を全閉状態に保ち、第1圧縮機部(111)の運転容量を第1吸入配管(32)の冷媒圧力に基づいて調節し、第2圧縮機部(112)の運転容量を第2吸入配管(34)の冷媒圧力に基づいて調節する。このため、第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理することができ、第2利用側熱交換器(84)における冷却負荷を第2圧縮機部(112)だけで処理することができる場合に、第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量を適切に制御することができる。
【0055】
また、
第1の発明の制御器(120)は、第2吸入配管(34)の冷媒圧力が第1吸入配管(32)の冷媒圧力よりも高くなるように、第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量を制御する。従って、この発明によれば、第2利用側熱交換器(84)における冷媒の蒸発温度を第1利用側熱交換器(74)における冷媒の蒸発温度よりも高く設定できる。
【0056】
上記
第2の発明の制御器(120)は、第1冷却運転中に第1圧縮機部(111)の運転容量が基準容量を下回って第2圧縮機部(112)の運転容量が基準容量以上である場合に、調節弁(48)の開度と第1圧縮機部(111)の運転容量とを調節する所定の動作を行う。このため、第2利用側熱交換器(84)における冷却負荷の一部を、運転容量が基準容量を下回っている第1圧縮機部(111)によって処理することができる。従って、この発明によれば、第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷と、第2利用側熱交換器(84)における冷却負荷とを、第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)を用いて確実に処理できる。
【0057】
上記
第3の発明の制御器(120)は、第1冷却運転中に第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量が所定の基準容量以上である場合に、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が第1目標低圧となるように調節弁(48)の開度を調節する。このため、第1圧縮機部(111)が第1吸入配管(32)から吸入できる冷媒の流量を確保でき、第1吸入配管(32)の冷媒圧力の上昇を抑えることができる。従って、この発明によれば、第1利用側熱交換器(74)における冷媒の蒸発温度の上昇を抑えることができる。
【0058】
上記
第4の発明において、冷凍装置(10)は、第1利用側熱交換器(74)が休止して第2利用側熱交換器(84)が蒸発器として機能する第2冷却運転を実行可能である。そして、第2冷却運転中に第2圧縮機部(112)の運転容量が基準容量を下回る場合、制御器(120)は、調節弁(48)を全閉状態に保ち、第2吸入配管(34)の冷媒圧力が第2目標低圧となるように第2圧縮機部(112)の運転容量を調節する。従って、この発明によれば、第2圧縮機部(112)の運転容量を、第2利用側熱交換器(84)における冷却負荷に応じて適切に調節することができる。
【0059】
ここで、冷凍装置(10)では、第1利用側熱交換器(74)が動作を再開したことを示す信号が制御器(120)へ入力されない場合がある。もし、この場合において、第1利用側熱交換器(74)の休止中に第1吸入配管(32)の冷媒圧力を第1目標低圧と異なる圧力にするための動作を制御器(120)が行うと、第1利用側熱交換器(74)が動作を再開した後も、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が第1目標低圧と異なる圧力に保たれてしまい、第1利用側熱交換器(74)において対象物を充分に冷却できなくなる。
【0060】
これに対し、上記
第5の発明によれば、第1利用側熱交換器(74)が休止する第2冷却運転中に調節弁(48)が開いている状態においても、第1吸入配管(32)の冷媒圧力を第1目標低圧に保つことができる。従って、この発明によれば、第1利用側熱交換器(74)が動作を再開したことを示す信号が制御器(120)へ入力されない場合であっても、第1利用側熱交換器(74)が動作を再開した後に対象物を確実に冷却することができる。
【0061】
上記
第6の発明の制御器(120)は、第2冷却運転中に第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量が所定の基準容量以上である場合に、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が第1目標低圧となるように調節弁(48)の開度を調節する。このため、この場合も第1吸入配管(32)の冷媒圧力を第1目標低圧に保つことができ、第1利用側熱交換器(74)が動作を再開した後に対象物を確実に冷却することができる。
【0062】
上記
第7の発明において、冷凍装置(10)は、第1利用側熱交換器(74)が蒸発器として機能して第2利用側熱交換器(84)が休止する第3冷却運転を実行可能である。そして、第3冷却運転中に第1圧縮機部(111)の運転容量が基準容量を下回る場合、制御器(120)は、調節弁(48)を全閉状態に保ち、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が第1目標低圧となるように第1圧縮機部(111)の運転容量を調節する。従って、この発明によれば、第1圧縮機部(111)の運転容量を、第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷に応じて適切に調節することができる。
【0063】
上記
第8の発明の制御器(120)は、第3冷却運転中に第1圧縮機部(111)の運転容量が基準容量以上である場合に、調節弁(48)を全開状態に保ち、第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量とを調節する。このため、第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷の一部を、運転容量が基準容量以上となっている第1圧縮機部(111)だけでなく、第2圧縮機部(112)によっても処理することができる。従って、この発明によれば、第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷を、第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)を用いて確実に処理できる。
【0064】
上記
第9の発明において、冷凍装置(10)は、熱源側熱交換器(26)及び第2利用側熱交換器(84)が凝縮器として機能し、第1利用側熱交換器(74)が蒸発器として機能する第1併存運転を実行可能である。そして、第1併存運転中に第1圧縮機部(111)の運転容量が基準容量を下回る場合、制御器(120)は、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が目標低圧となるように第1圧縮機部(111)の運転容量を調節する。このため、第1利用側熱交換器(74)における冷媒の蒸発温度を、目標低圧に対応する飽和温度に保つことができ、第1利用側熱交換器(74)において対象物を確実に冷却できる。
【0065】
上記
第10の発明の制御器(120)は、第1併存運転中に第1圧縮機部(111)の運転容量が基準容量以上である場合に、調節弁(48)を全開状態に保ち、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が目標低圧となるように第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量を調節する。このため、第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷を第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方によって処理することができ、第1利用側熱交換器(74)において得られる冷却能力を充分に確保できる。
【0066】
上記
第11の発明において、冷凍装置(10)は、第2利用側熱交換器(84)が凝縮器として機能し、第1利用側熱交換器(74)が蒸発器として機能する第2併存運転を実行可能である。そして、第2併存運転中に第1圧縮機部(111)の運転容量が基準容量を下回る場合、制御器(120)は、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が目標低圧となるように第1圧縮機部(111)の運転容量を調節する。このため、第1利用側熱交換器(74)における冷媒の蒸発温度を、目標低圧に対応する飽和温度に保つことができ、第1利用側熱交換器(74)において対象物を確実に冷却できる。
【0067】
上記
第12の発明の制御器(120)は、第2併存運転中に第1圧縮機部(111)の運転容量が基準容量以上である場合に、調節弁(48)を全開状態に保ち、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が目標低圧となるように第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量を調節する。このため、第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷を第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方によって処理することができ、第1利用側熱交換器(74)において得られる冷却能力を充分に確保できる。
【0068】
上記
第13の発明において、冷凍装置(10)は、第2利用側熱交換器(84)が凝縮器として機能し、熱源側熱交換器(26)及び第1利用側熱交換器(74)が蒸発器として機能する第3併存運転を実行可能である。そして、第3併存運転中に第1圧縮機部(111)の運転容量が基準容量を下回る場合、制御器(120)は、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が目標低圧となるように第1圧縮機部(111)の運転容量を調節する。このため、第1利用側熱交換器(74)における冷媒の蒸発温度を、目標低圧に対応する飽和温度に保つことができ、第1利用側熱交換器(74)において対象物を確実に冷却できる。
【0069】
上記
第14の発明の制御器(120)は、第3併存運転中に第1圧縮機部(111)の運転容量が基準容量以上である場合に、調節弁(48)を全開状態に保ち、第1吸入配管(32)の冷媒圧力が目標低圧となるように第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量を調節する。このため、第1利用側熱交換器(74)における冷却負荷を第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方によって処理することができ、第1利用側熱交換器(74)において得られる冷却能力を充分に確保できる。
【0070】
上記
第15の発明において、冷凍装置(10)は、第2利用側熱交換器(84)が凝縮器として機能し、熱源側熱交換器(26)が蒸発器として機能する加熱運転を実行可能である。そして、加熱運転中に第2圧縮機部(112)の運転容量が基準容量を下回る場合、制御器(120)は、第2利用側熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度が目標温度となるように第2圧縮機部(112)の運転容量を調節する。このため、第2利用側熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度を目標温度に保つことができ、第2利用側熱交換器(84)において対象物を確実に加熱できる。
【0071】
上記
第16の発明の制御器(120)は、加熱運転中に第2圧縮機部(112)の運転容量が基準容量以上である場合に、調節弁(48)を全開状態に保ち、第2利用側熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度が目標温度となるように第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量を調節する。このため、第2利用側熱交換器(84)における加熱負荷を第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方によって処理することができ、第2利用側熱交換器(84)において得られる加熱能力を充分に確保できる。
【発明を実施するための形態】
【0073】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0074】
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態の冷凍装置(10)は、例えばコンビニエンスストアに設置される。そして、この冷凍装置(10)は、食品等を陳列するための冷蔵ショーケースの庫内の冷却と、店内の空調とを同時に行うように構成される。
【0075】
〈冷凍装置の全体構成〉
図1に示すように、冷凍装置(10)は、室外ユニット(20)と、冷蔵ショーケースである冷蔵ユニット(70)と、空調ユニット(80)と、制御器(120)とを備えている。室外ユニット(20)には、室外回路(21)が設けられている。冷蔵ユニット(70)には、冷蔵回路(71)が設けられている。空調ユニット(80)には、空調回路(81)が設けられている。
【0076】
室外回路(21)には、冷蔵側液閉鎖弁(12)、冷蔵側ガス閉鎖弁(13)、空調側液閉鎖弁(14)、及び空調側ガス閉鎖弁(15)が設けられている。冷蔵側液閉鎖弁(12)は、第1連絡配管(16)を介して冷蔵回路(71)の液側端部と接続する。冷蔵側ガス閉鎖弁(13)は、第2連絡配管(17)を介して冷蔵回路(71)のガス側端部と接続する。空調側液閉鎖弁(14)は、第3連絡配管(18)を介して空調回路(81)の液側端部と接続する。空調側ガス閉鎖弁(15)は、第4連絡配管(19)を介して空調回路(81)のガス側端部と接続する。
【0077】
冷凍装置(10)では、冷蔵回路(71)及び空調回路(81)を室外回路(21)に連絡配管(16〜19)を介して接続することによって、冷媒回路(11)が構成される。冷媒回路(11)は、充填された冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。
【0078】
なお、本実施形態の冷凍装置(10)には、複数の冷蔵ユニット(70)が設けられていてもよい。この場合、冷媒回路(11)では、複数の冷蔵回路(71)が互いに並列に接続される。つまり、複数の冷蔵回路(71)は、それぞれの液側端部が第1連絡配管(16)に接続され、それぞれのガス側端部が第2連絡配管(17)に接続される。
【0079】
また、本実施形態の冷凍装置(10)には、複数の空調ユニット(80)が設けられていてもよい。この場合、冷媒回路(11)では、複数の空調回路(81)が互いに並列に接続される。つまり、複数の空調回路(81)は、それぞれの液側端部が第3連絡配管(18)に接続され、それぞれのガス側端部が第4連絡配管(19)に接続される。
【0080】
〈室外ユニット〉
室外ユニット(20)は、室外回路(21)と室外ファン(23)とを備えている。室外回路(21)には、第1圧縮機部(111)を構成する第1圧縮機(24)と、第2圧縮機部(112)を構成する第2圧縮機(25)と、熱源側熱交換器である室外熱交換器(26)と、第1四方切換弁(27)と、第2四方切換弁(28)と、受液器(29)と、過冷却ユニット(50)とが接続されている。本実施形態の第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)は、それぞれが一台の圧縮機(24,25)によって構成されている。
【0081】
第1圧縮機(24)及び第2圧縮機(25)は、いずれもスクロール型の全密閉型圧縮機である。図示しないが、これら圧縮機(24,25)では、スクロール型流体機械である圧縮機構と、圧縮機構を駆動する電動機とが、密閉容器状のケーシングに収容されている。
【0082】
第1圧縮機(24)には、第1吐出配管(31)と第1吸入配管(32)とが接続されている。第1吐出配管(31)は、第1圧縮機(24)の吐出部を後述する第1四方切換弁(27)の第1ポートに接続する。第1吸入配管(32)は、第1圧縮機(24)の吸入部を冷蔵側ガス閉鎖弁(13)に接続する。
【0083】
第2圧縮機(25)には、第2吐出配管(33)と第2吸入配管(34)とが接続される。第2吐出配管(33)は、第2圧縮機(25)の吐出部を後述する第1四方切換弁(27)の第1ポートに接続する。第2吸入配管(34)は、第2圧縮機(25)の吸入部を後述する第2四方切換弁(28)の第2ポートに接続する。
【0084】
各圧縮機(24,25)の電動機には、インバータを介して交流が供給される。インバータの出力周波数(即ち、圧縮機の運転周波数)を変更すると、各圧縮機(24,25)の電動機の回転速度が変化し、その結果、圧縮機(24,25)の運転容量が変化する。具体的には、圧縮機(24,25)の運転周波数を上昇させると圧縮機(24,25)の運転容量が増加し、圧縮機(24,25)の運転周波数を低下させると圧縮機(24,25)の運転容量が減少する。そして、第1圧縮機(24)の運転容量が変化すると第1圧縮機部(111)の運転容量が変化し、第2圧縮機(25)の運転容量が変化すると第2圧縮機部(112)の運転容量が変化する。
【0085】
室外熱交換器(26)は、フィン・アンド・チューブ型の熱交換器である。室外熱交換器(26)の近傍には、室外熱交換器(26)へ室外空気を供給するための室外ファン(23)が設置される。室外熱交換器(26)は、冷媒回路(11)の冷媒を室外空気と熱交換させる。
【0086】
第1四方切換弁(27)は、第1吐出配管(31)及び第2吐出配管(33)に接続する第1ポートと、第2四方切換弁(28)の第4ポートに接続する第2ポートと、室外熱交換器(26)のガス側端部に接続する第3ポートと、空調熱交換器(84)のガス側端部に接続する第4ポートとを有している。第2四方切換弁(28)は、第1吐出配管(31)及び第2吐出配管(33)に接続する第1ポートと、第2吸入配管(34)に接続する第2ポートと、封止された第3ポートと、第1四方切換弁(27)の第2ポートに接続する第4ポートとを有している。
【0087】
各四方切換弁(27,28)は、第1ポートと第3ポートが連通し且つ第2ポートと第4ポートが連通する第1状態(
図1の実線で示す状態)と、第1ポートと第4ポートが連通し且つ第2ポートと第3ポートが連通する第2状態(
図1の破線で示す状態)とにそれぞれ切り換え可能に構成される。第1四方切換弁(27)及び第2四方切換弁(28)は、第2吸入配管(34)が空調熱交換器(84)に連通する状態と該第2吸入配管(34)が室外熱交換器(26)に連通する状態とを切り換えるための切換機構(110)を構成している。
【0088】
受液器(29)は、その内部に余剰の冷媒が貯留される密閉容器である。受液器(29)には、第1液管(41)と、第2液管(42)と、ガス抜き管(36)とが接続される。
【0089】
第1液管(41)は、一端が室外熱交換器(26)の液側端部に接続し、他端が受液器(29)の頂部に接続する。第2液管(42)は、一端が受液器(29)の底部に接続し、他端が過冷却熱交換器(51)に接続する。ガス抜き管(36)は、一端が受液器(29)の頂部に接続し、他端がインジェクション回路(55)の中継管(57)に接続する。
【0090】
過冷却ユニット(50)は、冷蔵ユニット(70)へ供給される冷媒を冷却するものである。過冷却ユニット(50)は、過冷却熱交換器(51)とインジェクション回路(55)とを有している。過冷却熱交換器(51)は、冷却側流路(52)と蒸発側流路(53)とを有する。冷却側流路(52)は、流入端が第2液管(42)に接続し、流出端が冷蔵側液管(37)に接続する。蒸発側流路(53)は、インジェクション回路(55)の一部を構成する。過冷却熱交換器(51)では、冷却側流路(52)を流れる高圧の液冷媒と、蒸発側流路(53)を流れる中間圧の冷媒とが熱交換する。
【0091】
インジェクション回路(55)は、中間圧の冷媒を各圧縮機(24,25)へ導入するものである。インジェクション回路(55)は、流入部が冷蔵側液管(37)に接続し、流出部は2つに分岐して各圧縮機(24,25)の中間圧部に接続する。具体的に、インジェクション回路(55)は、蒸発側流路(53)の流入部に接続する1本の流入管(56)と、蒸発側流路(53)の流出部に接続する1本の中継管(57)と、該中継管(57)の流出部から分岐する2本の導入管(58,59)とを有している。
【0092】
流入管(56)には、高圧の液冷媒を中間圧まで減圧する減圧弁(60)が接続される。減圧弁(60)は、開度可変の電子膨張弁である。2本の導入管(58,59)は、第1圧縮機(24)の圧縮途中の圧縮室に接続する第1導入管(58)と、第2圧縮機(25)の圧縮途中の圧縮室に接続する第2導入管(59)とで構成される。第1導入管(58)には、第1インジェクション弁(61)が設けられ、第2導入管(59)には、第2インジェクション弁(62)が設けられる。各インジェクション弁(61,62)は、開度可変の電子膨張弁であり、各圧縮機(24,25)へ導入する中間圧の冷媒の流量を調節する。
【0093】
室外回路(21)には、冷蔵側液管(37)、空調側液管(38)、第3液管(43)、第4液管(44)、及び第5液管(45)が設けられている。冷蔵側液管(37)は、一端が冷蔵側液閉鎖弁(12)に接続し、他端が過冷却熱交換器(51)の冷却側流路(52)に接続する。空調側液管(38)は、一端が空調側液閉鎖弁(14)に接続し、他端が第2液管(42)に接続する。空調側液管(38)には、液側膨張弁(49)が設けられる。第3液管(43)は、一端が空調側液管(38)に接続し、他端が第1液管(41)に接続する。第4液管(44)は、一端が冷蔵側液管(37)に接続し、他端が第1液管(41)に接続する。第4液管(44)には、室外膨張弁(39)が設けられる。液側膨張弁(49)および室外膨張弁(39)は、それぞれが開度可変の電子膨張弁である。第5液管(45)は、一端が第1液管(41)に接続し、他端が第4液管(44)に接続する。
【0094】
室外回路(21)には、六つの逆止弁(CV1〜CV5)が設けられる。第1逆止弁(CV1)は第1吐出配管(31)に、第2逆止弁(CV2)は第2吐出配管(33)に、第3逆止弁(CV3)は第1液管(41)に、第4逆止弁(CV4)は第3液管(43)に、第5逆止弁(CV5)は第4液管(44)に、第6逆止弁(CV6)は第5液管(45)に、それぞれ設けられる。これらの逆止弁(CV1〜CV6)は、
図1に示す矢印の方向への冷媒の流れを許容し、その逆の方向への冷媒の流れを禁止する。
【0095】
室外回路(21)には、二つの電磁弁(SV1,SV2)が設けられる。第1電磁弁(SV1)は、第1液管(41)における第3逆止弁(CV3)の上流側に設けられる。第2電磁弁(SV2)は、ガス抜き管(36)に設けられる。これらの電磁弁(SV1,SV2)は、開状態と閉状態に切り換わる開閉弁である。
【0096】
室外回路(21)には、接続用配管(47)と流量調節弁(48)とが設けられる。接続用配管(47)は、一端が第1吸入配管(32)に接続し、他端が第2吸入配管(34)に接続する。流量調節弁(48)は、接続用配管(47)に設けられる。流量調節弁(48)は、開度可変の電子膨張弁である。つまり、流量調節弁(48)は、弁体を駆動するためのパルスモータを備えており、弁体を移動させることによってその開度が変化する。
【0097】
室外回路(21)には、各種のセンサが設けられる。
【0098】
第1吐出配管(31)には、第1圧縮機(24)の吐出冷媒の温度を検出する第1吐出温度センサ(90)と、第1吐出配管(31)内の冷媒圧力を検出する吐出圧力センサ(91)とが設けられる。
【0099】
第2吐出配管(33)には、第2圧縮機(25)の吐出冷媒の温度を検出する第2吐出温度センサ(92)が設けられる。
【0100】
第1吸入配管(32)には、第1圧縮機(24)の吸入冷媒の温度を検出する第1吸入温度センサ(93)と、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1を検出する第1吸入圧力センサ(94)とが設けられる。第1吸入配管(32)では、第1吸入配管(32)に対する接続用配管(47)の接続位置の下流側に第1吸入温度センサ(93)が配置され、その上流側に第1吸入圧力センサ(94)が配置されている。
【0101】
第2吸入配管(34)には、第2吸入配管(34)を流れる冷媒の温度を検出する第2吸入温度センサ(95)と、第2吸入配管(34)内の冷媒圧力LP2を検出する第2吸入圧力センサ(96)とが設けられる。第2吸入配管(34)では、第2吸入配管(34)に対する接続用配管(47)の接続位置の上流側に第2吸入温度センサ(95)及び第2吸入圧力センサ(96)が配置されている。
【0102】
室外熱交換器(26)の液側端部には、冷媒の温度を検出する室外側冷媒温度センサ(97)が設けられる。インジェクション回路(55)の中継管(57)には、冷媒の温度を検出する中間側冷媒温度センサ(98)と、冷媒の圧力を検出する中間側冷媒圧力センサ(99)とが設けられる。
【0103】
また、室外ユニット(20)には、外気温度センサ(100)が設けられる。外気温度センサ(100)は、室外熱交換器(26)の近傍に配置され、室外熱交換器(26)へ供給される室外空気の温度を検出する。
【0104】
〈冷蔵ユニット〉
冷蔵ユニット(70)は、食品等を陳列するための冷蔵ショーケースである。冷蔵ユニット(70)は、冷蔵回路(71)と庫内ファン(73)とを備えている。
【0105】
冷蔵回路(71)には、ガス側端部から液側端部に向かって順に、第1利用側熱交換器である冷蔵熱交換器(74)と、庫内膨張弁(75)と、第3電磁弁(SV3)とが設けられる。冷蔵熱交換器(74)は、フィン・アンド・チューブ型の熱交換器である。庫内膨張弁(75)は、感温式の膨張弁である。庫内膨張弁(75)の開度は、冷蔵熱交換器(74)から流出する冷媒の過熱度に応じて調節される、第3電磁弁(SV3)は、開状態と閉状態に切り換わる開閉弁である。
【0106】
庫内ファン(73)は、冷蔵熱交換器(74)の近傍に配置される。庫内ファン(73)は、冷蔵ユニット(70)の庫内の空気を冷蔵熱交換器(74)へ供給する。冷蔵熱交換器(74)は、冷媒回路(11)の冷媒を、庫内ファン(73)によって供給された庫内空気と熱交換させる。
【0107】
冷蔵ユニット(70)には、庫内温度センサ(101)が設けられる。庫内温度センサ(101)は、冷蔵熱交換器(74)の近傍に配置され、冷蔵熱交換器(74)へ供給される庫内空気の温度を検出する。
【0108】
冷蔵ユニット(70)は、庫内温度センサ(101)の検出値に基づいて、起動と停止を行う。具体的に、冷蔵ユニット(70)は、庫内温度センサ(101)の検出値Tsが庫内の設定温度Tssを所定値(例えば、0.5℃)だけ上回ると(Tss+0.5<Ts)、第3電磁弁(SV3)を開いて庫内ファン(73)を作動させ、庫内を冷却するための動作を行う。一方、冷蔵ユニット(70)は、庫内温度センサ(101)の検出値Tsが庫内の設定温度Tssを所定値(例えば、0.5℃)だけ下回ると(Ts<Tss−0.5)、第3電磁弁(SV3)を閉じて庫内ファン(73)を停止させ、庫内を冷却するための動作を停止する。
【0109】
このように、冷蔵ユニット(70)の運転状態は、庫内を冷却するための動作を行うサーモON状態と、庫内を冷却するための動作を休止するサーモOFF状態とに切り換わる。冷蔵ユニット(70)は、その運転状態がサーモON状態とサーモOFF状態のどちらであるかを示すサーモ信号を制御器(120)に対して出力する場合と、サーモ信号を制御器(120)に対して出力しない場合とがある。
【0110】
〈空調ユニット〉
空調ユニット(80)は、空調回路(81)と室内ファン(83)とを備えている。
【0111】
空調回路(81)には、ガス側端部から液側端部に向かって順に、第2利用側熱交換器である空調熱交換器(84)と、室内膨張弁(85)とが設けられる。空調熱交換器(84)は、フィン・アンド・チューブ型の熱交換器である。室内膨張弁(85)は、開度可変の電子膨張弁である。
【0112】
室内ファン(83)は、空調熱交換器(84)の近傍に配置される。室内ファン(83)は、店内の室内空気を空調熱交換器(84)へ供給する。空調熱交換器(84)は、冷媒回路(11)の冷媒を、室内ファン(83)によって供給された室内空気と熱交換させる。
【0113】
空調ユニット(80)には、室内温度センサ(102)が設けられる。室内温度センサ(102)は、空調熱交換器(84)の近傍に配置され、空調熱交換器(84)へ供給される室内空気の温度を検出する。
【0114】
空調ユニット(80)は、室内温度センサ(102)の検出値に基づいて、起動と停止を行う。
【0115】
冷房運転中において、空調ユニット(80)は、室内温度センサ(102)の検出値Trが庫内の設定温度Trsを所定値(例えば、0.5℃)だけ上回ると(Trs+0.5<Tr)、室内膨張弁(85)を開いて室内ファン(83)を作動させ、室内を冷房するための動作を行う。一方、空調ユニット(80)は、室内温度センサ(102)の検出値Trが庫内の設定温度Trsを所定値(例えば、0.5℃)だけ下回ると(Tr<Trs−0.5)、室内膨張弁(85)を閉じて室内ファン(83)を停止させ、室内を冷房するための動作を停止する。
【0116】
暖房運転中において、空調ユニット(80)は、室内温度センサ(102)の検出値Trが庫内の設定温度Trsを所定値(例えば、0.5℃)だけ下回ると(Tr<Trs−0.5)、室内膨張弁(85)を開いて室内ファン(83)を作動させ、室内を暖房するための動作を行う。一方、空調ユニット(80)は、室内温度センサ(102)の検出値Trが庫内の設定温度Trsを所定値(例えば、0.5℃)だけ上回ると(Trs+0.5<Tr)、室内膨張弁(85)を閉じて室内ファン(83)を停止させ、室内を暖房するための動作を停止する。
【0117】
このように、空調ユニット(80)の運転状態は、室内を冷房または暖房するための動作を行うサーモON状態と、室内を冷房または暖房するための動作を休止するサーモOFF状態とに切り換わる。空調ユニット(80)は、その運転状態がサーモON状態とサーモOFF状態のどちらであるかを示すサーモ信号を、制御器(120)に対して出力する。
【0118】
〈制御器〉
制御器(120)は、上述した各種のセンサの検出値に応じて、各種の機器(圧縮機、各種の弁、各種のファン等)を制御する。例えば、制御器(120)は、四方切換弁(27,28)を操作することによって冷凍装置(10)の運転状態を変更する動作と、第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量を調節する動作と、流量調節弁(48)の開度を調節する動作とを行う。制御器(120)が行う動作については、後述する。
【0119】
−運転動作−
冷凍装置(10)の運転動作について説明する。冷凍装置(10)は、冷蔵・冷房運転と冷蔵・暖房運転とを選択的に行う。
【0120】
〈冷蔵・冷房運転〉
冷蔵・冷房運転は、冷蔵ショーケースである冷蔵ユニット(70)の庫内を冷却し、空調ユニット(80)によって室内を冷房するための運転である。冷蔵・冷房運転中の冷凍装置(10)は、第1冷却運転と第2冷却運転と第3冷却運転とを選択的に行う。
【0121】
冷蔵・冷房運転では、第1四方切換弁(27)が第1状態に、第2四方切換弁(28)が第1状態に、第1電磁弁(SV1)が開放状態にそれぞれ設定される。また、冷蔵・冷房運転では、室外膨張弁(39)が全閉状態に、液側膨張弁(49)が全開状態に設定され、流量調節弁(48)、減圧弁(60)、第1インジェクション弁(61)、第2インジェクション弁(62)、及び庫内膨張弁(75)がそれぞれ所定開度に調節される。また、冷蔵・冷房運転では、室外ファン(23)、庫内ファン(73)、及び室内ファン(83)が作動する。
【0122】
〔第1冷却運転〕
図2に示すように、第1冷却運転中の冷凍装置(10)では、冷蔵ユニット(70)と空調ユニット(80)の両方がサーモON状態となる。第1冷却運転では、第3電磁弁(SV3)が開放状態に設定され、室内膨張弁(85)が所定開度に調節される。そして、第1冷却運転中の冷媒回路(11)では、室外熱交換器(26)が凝縮器として機能し、冷蔵熱交換器(74)が蒸発器として機能し、空調熱交換器(84)が蒸発器として機能する。
【0123】
第1圧縮機(24)及び第2圧縮機(25)で圧縮された冷媒は、第1四方切換弁(27)を通過し、室外熱交換器(26)を流れる。室外熱交換器(26)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(26)で凝縮した冷媒は、第1液管(41)、受液器(29)、第2液管(42)を順に通過する。第2液管(42)の高圧液冷媒は、一部が過冷却熱交換器(51)の冷却側流路(52)を流れ、残りは空調側液管(38)を流れる。
【0124】
過冷却熱交換器(51)では、冷却側流路(52)を流れる高圧液冷媒と、蒸発側流路(53)を流れる中間圧冷媒とが熱交換する。この結果、冷却側流路(52)の高圧液冷媒が冷却され、過冷却度が大きくなる。過冷却熱交換器(51)で冷却された高圧液冷媒は、冷蔵側液管(37)に流出する。冷蔵側液管(37)の液冷媒は、一部が流入管(56)に分流し、減圧弁(60)で中間圧まで減圧された後、過冷却熱交換器(51)の蒸発側流路(53)を流れる。蒸発側流路(53)の中間圧冷媒は、冷却側流路(52)の高圧液冷媒から吸熱して蒸発する。蒸発側流路(53)で蒸発した冷媒は、中継管(57)を経由して、各導入管(58,59)に分流し、各圧縮機(24,25)の中間圧部に吸入される。
【0125】
冷蔵側液管(37)から第1連絡配管(16)に流出した冷媒は、庫内膨張弁(75)で減圧された後、冷蔵熱交換器(74)を流れる。冷蔵熱交換器(74)では、冷媒が庫内の空気から吸熱して蒸発する。この結果、冷蔵ユニット(70)の庫内空気が冷却される。冷蔵熱交換器(74)の冷媒の蒸発温度(例えば−5℃)は、後述する空調熱交換器(84)の冷媒の蒸発温度(例えば5℃)よりも低く設定される。冷蔵熱交換器(74)で蒸発した冷媒は、第2連絡配管(17)、第1吸入配管(32)を順に通過し、第1圧縮機(24)に吸入されて圧縮される。
【0126】
第2液管(42)から空調側液管(38)に流出した冷媒は、第3連絡配管(18)を通過し、室内膨張弁(85)で減圧された後、空調熱交換器(84)を流れる。空調熱交換器(84)では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。この結果、室内空気が冷却される。空調熱交換器(84)で蒸発した冷媒は、第4連絡配管(19)、第2吸入配管(34)を順に通過し、第2圧縮機(25)に吸入されて圧縮される。
【0127】
〔第2冷却運転〕
図3に示すように、第2冷却運転中の冷凍装置(10)では、冷蔵ユニット(70)がサーモOFF状態となり、空調ユニット(80)がサーモON状態となる。第2冷却運転では、第3電磁弁(SV3)が閉鎖状態に設定され、室内膨張弁(85)が所定開度に調節される。そして、第2冷却運転中の冷媒回路(11)では、室外熱交換器(26)が凝縮器として機能し、冷蔵熱交換器(74)が休止し、空調熱交換器(84)が蒸発器として機能する。
【0128】
ここでは、第2冷却運転中の冷凍装置(10)の動作について、第1冷却運転中の動作と異なる点を説明する。第2冷却運転中には、原則として、第1圧縮機(24)が停止し、第2圧縮機(25)が作動する。ただし、空調ユニット(80)における冷房負荷を第2圧縮機(25)だけで処理しきれない場合は、流量調節弁(48)が開かれ、第1圧縮機(24)と第2圧縮機(25)の両方が作動する。また、第2冷却運転中には、受液器(29)から流出した冷媒の全てが、空調側液管(38)と第3連絡配管(18)を順に通って空調回路(81)へ流入する。
【0129】
〔第3冷却運転〕
図4に示すように、第3冷却運転中の冷凍装置(10)では、冷蔵ユニット(70)がサーモON状態となり、空調ユニット(80)がサーモOFF状態となる。第3冷却運転では、第3電磁弁(SV3)が開放状態に設定され、室内膨張弁(85)が全閉状態に設定される。そして、第3冷却運転中の冷媒回路(11)では、室外熱交換器(26)が凝縮器として機能し、冷蔵熱交換器(74)が蒸発器として機能し、空調熱交換器(84)が休止する。
【0130】
ここでは、第3冷却運転中の冷凍装置(10)の動作について、第1冷却運転中の動作と異なる点を説明する。第3冷却運転中には、原則として、第1圧縮機(24)が作動し、第2圧縮機(25)が停止する。ただし、冷蔵ユニット(70)における冷却負荷を第1圧縮機(24)だけで処理しきれない場合は、流量調節弁(48)が開かれ、第1圧縮機(24)と第2圧縮機(25)の両方が作動する。また、第3冷却運転中には、受液器(29)から流出した冷媒の全てが過冷却熱交換器(51)の冷却側流路(52)へ流入し、冷却側流路(52)を通過する間に冷却された冷媒の一部が第1連絡配管(16)を通って冷蔵回路(71)へ流入する。
【0131】
〈冷蔵・暖房運転〉
冷蔵・暖房運転は、冷蔵ショーケースである冷蔵ユニット(70)の庫内を冷却し、空調ユニット(80)によって室内を暖房するための運転である。冷蔵・暖房運転中の冷凍装置(10)は、第1併存運転と第2併存運転と第3併存運転と暖房運転とを選択的に行う。
【0132】
〔第1併存運転(熱余剰)〕
第1併存運転は、空調ユニット(80)における暖房負荷に対して冷蔵ユニット(70)における冷却負荷が大きい場合に行われる。
【0133】
図5に示すように、第1併存運転中の冷凍装置(10)では、冷蔵ユニット(70)と空調ユニット(80)の両方がサーモON状態となる。第1併存運転では、第1四方切換弁(27)が第2状態に、第2四方切換弁(28)が第2状態に、第1電磁弁(SV1)が開放状態に、第3電磁弁(SV3)が開放状態にそれぞれ設定される。また、第1併存運転では、室外膨張弁(39)、液側膨張弁(49)、及び第2インジェクション弁(62)がそれぞれ全閉状態に設定され、室内膨張弁(85)が全開状態に設定され、減圧弁(60)、第1インジェクション弁(61)、及び庫内膨張弁(75)がそれぞれ所定開度に調節される。また、第1併存運転では、室内ファン(83)、室外ファン(23)、及び庫内ファン(73)がそれぞれ運転状態となる。
【0134】
第1併存運転中には、原則として、第1圧縮機(24)が作動し、第2圧縮機(25)が停止する。ただし、冷蔵ユニット(70)における冷却負荷を第1圧縮機(24)だけで処理しきれない場合は、流量調節弁(48)が開かれ、第1圧縮機(24)と第2圧縮機(25)の両方が作動する。ここでは、第1圧縮機(24)だけが作動する場合を例に、冷凍装置(10)の動作を説明する。
【0135】
第1併存運転中の冷媒回路(11)では、室外熱交換器(26)及び空調熱交換器(84)が凝縮器として機能し、冷蔵熱交換器(74)が蒸発器として機能する。第1圧縮機(24)で圧縮された冷媒は、一部が第1四方切換弁(27)及び第4連絡配管(19)を通過し、空調熱交換器(84)を流れ、残りは第2四方切換弁(28)を通過し、室外熱交換器(26)を流れる。空調熱交換器(84)では、冷媒が室内空気へ放熱して凝縮する。この結果、室内空気が加熱される。空調熱交換器(84)で凝縮した冷媒は、第3連絡配管(18)、第3液管(43)を順に通過し、第1液管(41)を流れる。また、室外熱交換器(26)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(26)で放熱した冷媒は、第1液管(41)を流れる。
【0136】
第1液管(41)で合流した冷媒は、受液器(29)、第2液管(42)を順に通過し、過冷却熱交換器(51)の冷却側流路(52)を流れる。過冷却熱交換器(51)では、冷却側流路(52)を流れる高圧液冷媒が冷却される一方、蒸発側流路(53)で蒸発した冷媒は、第1圧縮機(24)の中間圧部に吸入される。過冷却熱交換器(51)で冷却された冷媒は、冷蔵側液管(37)及び第1連絡配管(16)を順に通過し、庫内膨張弁(75)で減圧された後、冷蔵熱交換器(74)を流れる。冷蔵熱交換器(74)では、冷媒が庫内の空気から吸熱して蒸発する。この結果、冷蔵ユニット(70)の庫内空気が冷却される。冷蔵熱交換器(74)で蒸発した冷媒は、第2連絡配管(17)、第1吸入配管(32)を順に通過し、第1圧縮機(24)に吸入されて圧縮される。
【0137】
〔第2併存運転(100%熱回収)〕
第2併存運転は、空調ユニット(80)における暖房負荷と冷蔵ユニット(70)における冷却負荷が均衡する場合に行われる。
【0138】
図6に示すように、第2併存運転中の冷凍装置(10)では、冷蔵ユニット(70)と空調ユニット(80)の両方がサーモON状態となる。第2併存運転では、第1四方切換弁(27)が第2状態に、第2四方切換弁(28)が第1状態に、第1電磁弁(SV1)が閉鎖状態に、第3電磁弁(SV3)が開放状態にそれぞれ設定される。また、第2併存運転では、室外膨張弁(39)、液側膨張弁(49)、及び第2インジェクション弁(62)がそれぞれ全閉状態に設定され、室内膨張弁(85)が全開状態に設定され、減圧弁(60)、第1インジェクション弁(61)、及び庫内膨張弁(75)がそれぞれ所定開度に調節される。また、第1運転では、室内ファン(83)、及び庫内ファン(73)がそれぞれ運転状態となる。
【0139】
第2併存運転中には、原則として、第1圧縮機(24)が作動し、第2圧縮機(25)が停止する。ただし、冷蔵ユニット(70)における冷却負荷を第1圧縮機(24)だけで処理しきれない場合は、流量調節弁(48)が開かれ、第1圧縮機(24)と第2圧縮機(25)の両方が作動する。ここでは、第1圧縮機(24)だけが作動する場合を例に、冷凍装置(10)の動作を説明する。
【0140】
第2併存運転中の冷媒回路(11)では、室外熱交換器(26)が休止し、空調熱交換器(84)が凝縮器として機能し、冷蔵熱交換器(74)が蒸発器として機能する。第1圧縮機(24)で圧縮された冷媒は、第1四方切換弁(27)及び第4連絡配管(19)を順に通過し、空調熱交換器(84)を流れる。空調熱交換器(84)では、冷媒が室内空気へ放熱して凝縮する。この結果、室内空気が加熱される。空調熱交換器(84)で凝縮した冷媒は、第3連絡配管(18)、第3液管(43)、受液器(29)、第2液管(42)を順に通過し、過冷却熱交換器(51)の冷却側流路(52)を流れる。
【0141】
過冷却熱交換器(51)では、冷却側流路(52)を流れる高圧液冷媒が冷却される一方、蒸発側流路(53)で蒸発した冷媒は、第1圧縮機(24)の中間圧部に吸入される。過冷却熱交換器(51)で冷却された冷媒は、冷蔵側液管(37)及び第1連絡配管(16)を順に通過し、庫内膨張弁(75)で減圧された後、冷蔵熱交換器(74)を流れる。冷蔵熱交換器(74)では、冷媒が庫内の空気から吸熱して蒸発する。この結果、冷蔵ユニット(70)の庫内空気が冷却される。冷蔵熱交換器(74)で蒸発した冷媒は、第2連絡配管(17)、第1吸入配管(32)を順に通過し、第1圧縮機(24)に吸入されて圧縮される。
【0142】
〔第3併存運転(熱不足)〕
第3併存運転は、空調ユニット(80)における暖房負荷に対して冷蔵ユニット(70)における冷却負荷が小さい場合に行われる。
【0143】
図7に示すように、第3併存運転中の冷凍装置(10)では、冷蔵ユニット(70)と空調ユニット(80)の両方がサーモON状態となる。第3併存運転では、第1四方切換弁(27)が第2状態に、第2四方切換弁(28)が第1状態に、第1電磁弁(SV1)が閉鎖状態に、第3電磁弁(SV3)が開放状態にそれぞれ設定される。また、第3併存運転では、液側膨張弁(49)が全閉状態に設定され、室内膨張弁(85)が全開状態に設定され、室外膨張弁(39)、流量調節弁(48)、減圧弁(60)、第1インジェクション弁(61)、第2インジェクション弁(62)、及び庫内膨張弁(75)がそれぞれ所定開度に調節される。また、第3併存運転では、第1圧縮機(24)、第2圧縮機(25)、室内ファン(83)、室外ファン(23)、及び庫内ファン(73)がそれぞれ運転状態となる。
【0144】
第3併存運転中の冷媒回路(11)では、空調熱交換器(84)が凝縮器となり、室外熱交換器(26)及び冷蔵熱交換器(74)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。第1圧縮機(24)及び第2圧縮機(25)で圧縮された冷媒は、第4連絡配管(19)を通過し、空調熱交換器(84)を流れる。空調熱交換器(84)では、冷媒が室内空気へ放熱して凝縮する。この結果、室内空気が加熱される。空調熱交換器(84)で凝縮した冷媒は、第3連絡配管(18)、第3液管(43)、受液器(29)、第2液管(42)を順に通過し、過冷却熱交換器(51)の冷却側流路(52)を流れる。
【0145】
過冷却熱交換器(51)では、冷却側流路(52)を流れる高圧液冷媒が冷却される一方、蒸発側流路(53)で蒸発した冷媒は、第1圧縮機(24)及び第2圧縮機(25)の中間圧部に吸入される。過冷却熱交換器(51)で冷却された冷媒は、冷蔵側液管(37)と第4液管(44)とに分流する。
【0146】
冷蔵側液管(37)へ流出した冷媒は、第1連絡配管(16)を通過し、庫内膨張弁(75)で減圧された後、冷蔵熱交換器(74)を流れる。冷蔵熱交換器(74)では、冷媒が庫内の空気から吸熱して蒸発する。この結果、冷蔵ユニット(70)の庫内空気が冷却される。冷蔵熱交換器(74)で蒸発した冷媒は、第2連絡配管(17)、第1吸入配管(32)を順に通過し、第1圧縮機(24)に吸入されて圧縮される。
【0147】
第4液管(44)へ流出した冷媒は、室外膨張弁(39)で減圧された後、室外熱交換器(26)を流れる。室外熱交換器(26)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(26)で蒸発した冷媒は、第1四方切換弁(27)、第2四方切換弁(28)、及び第2吸入配管(34)を順に通過し、第2圧縮機(25)に吸入されて圧縮される。
【0148】
〔暖房運転〕
図8に示すように、暖房運転中の冷凍装置(10)では、冷蔵ユニット(70)がサーモOFF状態となり、空調ユニット(80)がサーモON状態となる。この暖房運転は、第1併存運転中、第2併存運転中、又は第3併存運転中に冷蔵ユニット(70)がサーモOFF状態となった場合に行われる。
【0149】
第1併存運転中には、原則として、第1圧縮機(24)が停止し、第2圧縮機(25)が作動する。ただし、空調ユニット(80)における暖房負荷を第2圧縮機(25)だけで処理しきれない場合は、流量調節弁(48)が開かれ、第1圧縮機(24)と第2圧縮機(25)の両方が作動する。
【0150】
ここでは、第2圧縮機(25)だけが作動する場合を例に、冷凍装置(10)の動作を説明する。また、ここでは、暖房運転中の冷凍装置(10)の動作について、第3併存運転中の動作と異なる点を説明する。暖房運転中において、受液器(29)から流出した冷媒は、その全てが第4液管(44)を通って室外熱交換器(26)へ流入する。室外熱交換器(26)において蒸発した冷媒は、第3併存運転中と同様に、第2圧縮機(25)へ吸入される。
【0151】
−制御器の動作−
制御器(120)は、冷凍装置(10)の運転を制御する。ここでは、冷蔵・冷房運転中に制御器(120)が行う動作と、冷蔵・暖房運転中に制御器(120)が行う動作とを説明する。
【0152】
なお、本実施形態の制御器(120)では、第1圧縮機部(111)の基準容量が第1圧縮機部(111)の最大容量に設定され、第2圧縮機部(112)の基準容量が第2圧縮機部(112)の最大容量に設定される。本実施形態において、第1圧縮機部(111)の運転容量は、第1圧縮機(24)の運転周波数が上限値であるときに最大容量となり、第2圧縮機部(112)の運転容量は、第2圧縮機(25)の運転周波数が上限値であるときに最大容量となる。
【0153】
〈冷蔵・冷房運転中の動作〉
冷蔵・冷房運転中に制御器(120)が行う動作について、
図9〜
図11のフロー図を参照しながら説明する。
【0154】
図9に示すように、制御器(120)は、ステップST01において、“冷蔵ユニット(70)がサーモON状態であり、且つ空調ユニット(80)がサーモON状態である”という条件の成否を判断する。この条件が成立する場合、冷凍装置(10)は、第1冷却運転を行っている。そこで、制御器(120)は、ステップST02において、第1冷却運転用の第1制御動作を行う。第1冷却運転中に制御器(120)が行う第1制御動作については、後述する。
【0155】
ここで、制御器(120)は、空調ユニット(80)がサーモON状態であるか否かを、空調ユニット(80)から受信したサーモ信号に基づいて判断する。一方、冷蔵ユニット(70)は、制御器(120)に対してサーモ信号を出力する場合と出力しない場合とがある。冷蔵ユニット(70)がサーモ信号を出力する場合、制御器(120)は、冷蔵ユニット(70)がサーモON状態であるか否かを、冷蔵ユニット(70)から受信したサーモ信号に基づいて判断する。一方、冷蔵ユニット(70)がサーモ信号を出力しない場合、制御器(120)は、冷蔵ユニット(70)がサーモON状態であるか否かを、第1吐出配管(31)内の冷媒圧力LP1(即ち、第1吸入圧力センサ(94)の検出値)に基づいて判断する。具体的に、制御器(120)は、圧力LP1が次第に低下して所定の下限値(例えば、0.1MPa)を下回ると、冷蔵ユニット(70)がサーモON状態からサーモOFF状態に切り換わったと判断する。また、圧力LP1が下限値未満から次第に上昇して所定の基準値(例えば、0.48MPa)を超えると、冷蔵ユニット(70)がサーモOFF状態からサーモON状態に切り換わったと判断する。
【0156】
なお、冷凍装置(10)には、冷蔵ユニット(70)と空調ユニット(80)が複数ずつ設けられている場合がある。この場合、制御器(120)は、少なくとも一つの冷蔵ユニット(70)がサーモON状態であり、且つ少なくとも一つの空調ユニット(80)がサーモON状態である場合に、ステップST01の条件が成立したと判断する。
【0157】
ステップST01の条件が成立しない場合、制御器(120)は、ステップST03において、“冷蔵ユニット(70)がサーモOFF状態であり、且つ空調ユニット(80)がサーモON状態である”という条件の成否を判断する。この条件が成立する場合、冷凍装置(10)は、第2冷却運転を行っている。そこで、この条件が成立する場合、制御器(120)は、第2冷却運転用の制御動作を行う。
【0158】
なお、冷凍装置(10)には、冷蔵ユニット(70)と空調ユニット(80)が複数ずつ設けられている場合がある。この場合、制御器(120)は、全ての冷蔵ユニット(70)がサーモOFF状態であり、且つ少なくとも一つの空調ユニット(80)がサーモON状態である場合に、ステップST03の条件が成立したと判断する。
【0159】
第2冷却運転中に制御器(120)が行う制御動作について説明する。上述したように、第2冷却運転中には、原則として、第1圧縮機(24)によって構成された第1圧縮機部(111)が停止し、第2圧縮機(25)によって構成された第2圧縮機部(112)が作動する。そこで、制御器(120)は、ステップST04において、第2圧縮機部(112)の運転容量(即ち、第2圧縮機(25)の運転周波数)を、第2吸入配管(34)内の冷媒圧力LP2(即ち、第2吸入圧力センサ(96)の検出値)が第2目標低圧(本実施形態では、0.85MPa)となるように調節する。具体的に、制御器(120)は、圧力LP2が第2目標低圧よりも高い場合は、第2圧縮機部(112)の運転容量を増加させ(即ち、第2圧縮機(25)の運転周波数を上昇させ)、圧力LP2が第2目標低圧よりも低い場合は、第2圧縮機部(112)の運転容量を減少させる(即ち、第2圧縮機(25)の運転周波数を低下させる)。
【0160】
次のステップST05において、制御器(120)は、“第2圧縮機部(112)の運転容量が最大容量である”という条件の成否を判断する。この条件が成立する場合は、空調ユニット(80)の冷房負荷を第2圧縮機部(112)だけで処理しきれない状況となっている。そこで、制御器(120)は、ステップST06において、第2制御動作を行う。この第2制御動作については、後述する。一方、この条件が成立しない場合は、空調ユニット(80)の冷房負荷を第2圧縮機部(112)だけで処理できる状況である。そこで、制御器(120)は、ステップST07において、流量調節弁(48)を全閉状態とし、圧力LP2に基づく第2圧縮機部(112)の運転容量の調節を行う。
【0161】
ステップST03の条件が成立しない場合、制御器(120)は、ステップST08において、“冷蔵ユニット(70)がサーモON状態であり、且つ空調ユニット(80)がサーモOFF状態である”という条件の成否を判断する。この条件が成立する場合、冷凍装置(10)は、第3冷却運転を行っている。そこで、この条件が成立する場合、制御器(120)は、第3冷却運転用の制御動作を行う。
【0162】
なお、冷凍装置(10)には、冷蔵ユニット(70)と空調ユニット(80)が複数ずつ設けられている場合がある。この場合、制御器(120)は、少なくとも一つの冷蔵ユニット(70)がサーモON状態であり、且つ全ての空調ユニット(80)がサーモOFF状態である場合に、ステップST08の条件が成立したと判断する。
【0163】
第3冷却運転中に制御器(120)が行う制御動作について説明する。上述したように、第3冷却運転中には、原則として、第1圧縮機(24)が作動し、第2圧縮機(25)が停止する。そこで、制御器(120)は、ステップST09において、第1圧縮機部(111)の運転容量(即ち、第1圧縮機(24)の運転周波数)を、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が第1目標低圧(本実施形態では、0.48MPa)となるように調節する。具体的に、制御器(120)は、圧力LP1が第1目標低圧よりも高い場合は、第1圧縮機部(111)の運転容量を増加させ(即ち、第1圧縮機(24)の運転周波数を上昇させ)、圧力LP1が第1目標低圧よりも低い場合は、第1圧縮機部(111)の運転容量を減少させる(即ち、第1圧縮機(24)の運転周波数を低下させる)。
【0164】
次のステップST10において、制御器(120)は、“第1圧縮機部(111)の運転容量が最大容量である”という条件の成否を判断する。この条件が成立する場合は、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理しきれない状況となっている。
【0165】
そこで、ステップST10の条件が成立する場合、制御器(120)は、ステップST11において、第2圧縮機部(112)の運転容量(即ち、第2圧縮機(25)の運転周波数)を、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が第1目標低圧(0.48MPa)となるように調節する。つまり、制御器(120)は、第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量を、圧力LP1が第1目標低圧となるように調節する。ただし、ステップST11では、第1圧縮機部(111)の運転容量が最大容量に達している。このため、ステップST11において、制御器(120)は、第1圧縮機部(111)の運転容量を最大容量に保ち、第2圧縮機部(112)の運転容量を圧力LP1が第1目標低圧となるように調節する。また、次のステップST12において、制御器(120)は、流量調節弁(48)を全開状態とする。
【0166】
制御器(120)がステップST11とステップST12の動作を行うと、冷蔵熱交換器(74)において蒸発した冷媒は、その一部が第2圧縮機部(112)へ吸入され、残りが第1圧縮機部(111)へ吸入される。従って、この状態では、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷が第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方によって処理される。このため、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理しきれない状況においても、冷蔵ユニット(70)の庫内温度を設定温度に保つことができる。
【0167】
一方、ステップST10の条件が成立しない場合は、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理できる状況である。そこで、制御器(120)は、ステップST13において、流量調節弁(48)を全閉状態とし、第1圧縮機部(111)の運転容量を第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が第1目標低圧(0.48MPa)となるように調節する。
【0168】
ステップST08の条件が成立しない場合は、冷蔵ユニット(70)と空調ユニット(80)の両方がサーモOFF状態となっている。そこで、この場合、制御器(120)は、ステップST14において流量調節弁(48)を全閉状態とし、ステップST15において第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)を停止させる。つまり、ステップST15において、制御器(120)は、第1圧縮機(24)と第2圧縮機(25)の両方を停止させる。
【0169】
〔第1制御動作〕
上述したように、制御器(120)は、第1冷却運転中に第1制御動作を行う。ここでは、第1制御動作について、
図10を参照しながら説明する。
【0170】
第1制御動作は、冷蔵ユニット(70)と空調ユニット(80)の両方がサーモON状態である場合に行われる(
図9を参照)。つまり、第1制御動作は、第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方が作動している状況で行われる。
【0171】
ステップST21において、制御器(120)は、“第2圧縮機部(112)の運転容量が最大容量である”という条件の成否を判断する。この条件が成立しない場合は、空調ユニット(80)の冷房負荷を第2圧縮機部(112)だけで処理できる状況となっている。そこで、ステップST21の条件が成立しない場合、制御器(120)は、ステップST26において流量調節弁(48)を全閉状態とし、ステップST27において第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量を調節する。流量調節弁(48)が全閉状態である場合、第1圧縮機(24)は冷蔵熱交換器(74)において蒸発した冷媒だけを吸入し、第2圧縮機(25)は空調熱交換器(84)において蒸発した冷媒だけを吸入する。
【0172】
ステップST27において、制御器(120)は、第1圧縮機部(111)の運転容量を、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が第1目標低圧(0.48MPa)となるように調節する。つまり、制御器(120)は、圧力LP1が第1目標低圧よりも高い場合は、第1圧縮機部(111)の運転容量を増加させ、圧力LP1が第1目標低圧よりも低い場合は、第1圧縮機部(111)の運転容量を減少させる。
【0173】
また、ステップST27において、制御器(120)は、第2圧縮機部(112)の運転容量を、第2吸入配管(34)内の冷媒圧力LP2が第2目標低圧(0.85MPa)となるように調節する。つまり、制御器(120)は、圧力LP2が第2目標低圧よりも高い場合は、第2圧縮機部(112)の運転容量を増加させ、圧力LP2が第2目標低圧よりも低い場合は、第2圧縮機部(112)の運転容量を減少させる。
【0174】
ステップST21の条件が成立する場合、制御器(120)は、ステップST22において、“第
1圧縮機部(111)の運転容量が最大容量である”という条件の成否を判断する。
【0175】
ステップST22の条件が成立しない場合は、第2圧縮機部(112)の運転容量は最大容量であるが、第1圧縮機部(111)の運転容量は最大容量に達していない。つまり、この条件が成立しない場合は、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理できるが、空調ユニット(80)の冷房負荷を第2圧縮機部(112)だけで処理できない状況となっている。
【0176】
そこで、ステップST22の条件が成立しない場合、制御器(120)は、ステップST24において、流量調節弁(48)の開度を、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が第1目標低圧(0.48MPa)となるように調節する。また、制御器(120)は、次のステップST25において、第1圧縮機部(111)の運転容量を、第2吸入配管(34)内の冷媒圧力LP2が第2目標低圧(0.85MPa)となるように調節する。
【0177】
第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方が作動している状況において流量調節弁(48)が開いている場合、第2吸入配管(34)を流れる冷媒(即ち、空調熱交換器(84)において蒸発した冷媒)は、その一部が接続用配管(47)を通って第1圧縮機(24)へ吸入され、残りが第2圧縮機(25)へ吸入される。つまり、この場合、第1圧縮機(24)は、冷蔵熱交換器(74)において蒸発した冷媒の全部と空調熱交換器(84)において蒸発した冷媒の一部とを吸い込む一方、第2圧縮機(25)は、空調熱交換器(84)において蒸発した冷媒のうち接続用配管(47)へ流入しなかった分を吸い込む。従って、この場合は、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷が第1圧縮機部(111)によって処理され、空調ユニット(80)の冷房負荷が第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方によって処理される。
【0178】
ステップST24における制御器(120)の動作を詳しく説明する。第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が第1目標低圧(0.48MPa)を上回っている場合、制御器(120)は、流量調節弁(48)の開度を縮小する。流量調節弁(48)の開度が小さくなると、接続用配管(47)から第1吸入配管(32)へ流入する冷媒の流量が減少し、圧力LP1が低下する。一方、圧力LP1が第1目標低圧を下回っている場合、制御器(120)は、流量調節弁(48)の開度を拡大する。流量調節弁(48)の開度が大きくなると、接続用配管(47)から第1吸入配管(32)へ流入する冷媒の流量が増加し、圧力LP1が上昇する。
【0179】
ステップST25における制御器(120)の動作を詳しく説明する。第2吸入配管(34)内の冷媒圧力LP2が第2目標低圧(0.85MPa)を上回っている場合、制御器(120)は、第1圧縮機部(111)の運転容量を増加(即ち、第1圧縮機(24)の運転周波数を上昇)させる。第1圧縮機部(111)の運転容量が増加すると、第2吸入配管(34)から接続用配管(47)へ流入する冷媒の流量が増加し、圧力LP2が低下する。一方、圧力LP2が第2目標低圧を下回っている場合、制御器(120)は、第1圧縮機部(111)の運転容量を減少(即ち、第1圧縮機(24)の運転周波数を低下)させる。第1圧縮機部(111)の運転容量が減少すると、第2吸入配管(34)から接続用配管(47)へ流入する冷媒の流量が減少し、圧力LP2が上昇する。
【0180】
ステップST22の条件が成立する場合は、第1圧縮機部(111)の運転容量は最大容量であり、第2圧縮機部(112)の運転容量も最大容量である。つまり、この条件が成立する場合は、第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量を増やすことができない状況となっている。そこで、ステップST22の条件が成立する場合、制御器(120)は、ステップST23において、流量調節弁(48)の開度を、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が第1目標低圧(0.48MPa)となるように調節する。
【0181】
第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量が最大容量である状況において流量調節弁(48)が開いている場合、第2吸入配管(34)を流れる冷媒(即ち、空調熱交換器(84)において蒸発した冷媒)は、その一部が接続用配管(47)を通って第1圧縮機(24)へ吸入され、残りが第2圧縮機(25)へ吸入される。つまり、この場合、第1圧縮機(24)は、冷蔵熱交換器(74)において蒸発した冷媒の全部と、空調熱交換器(84)において蒸発した冷媒の一部とを吸い込む。この場合に圧力LP1が第1目標低圧を上回ると、制御器(120)は、流量調節弁(48)の開度を縮小する。流量調節弁(48)の開度が小さくなると、接続用配管(47)から第1吸入配管(32)へ流入する冷媒の流量が減少するため、圧力LP1が低下する。一方、この場合に圧力LP1が第1目標低圧を下回ると、制御器(120)は、流量調節弁(48)の開度を拡大する。流量調節弁(48)の開度が大きくなると、接続用配管(47)から第1吸入配管(32)へ流入する冷媒の流量が増加するため、圧力LP1が上昇する。
【0182】
〔第2制御動作〕
上述したように、制御器(120)は、第2冷却運転中に
図9のステップST05の条件が成立すると、第2制御動作を行う。ここでは、第2制御動作について、
図11を参照しながら説明する。
【0183】
第2制御動作は、冷蔵ユニット(70)がサーモOFF状態で且つ空調ユニット(80)がサーモON状態であり、更には第2圧縮機部(112)の運転容量が既に最大容量に達している場合に行われる(
図9を参照)。
【0184】
ステップST31において、制御器(120)は、冷蔵ユニット(70)がサーモ信号を出力するものなのか、サーモ信号を出力しないものなのかを判断する。冷蔵ユニット(70)がサーモ信号を出力するものである場合、制御器(120)は、冷蔵ユニット(70)から受信したサーモ信号に基づいて、冷蔵ユニット(70)がサーモON状態であるかサーモOFF状態であるかを判断できる。従って、サーモOFF状態であることを示すサーモ信号を冷蔵ユニット(70)が出力している場合は、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が第1目標低圧(0.48MPa)を上回っていても構わない。そこで、制御器(120)は、ステップST32において流量調節弁(48)を全開状態とする。また、制御器(120)は、ステップST33において、第1圧縮機部(111)の運転容量を、第2吸入配管(34)内の冷媒圧力LP2が第2目標低圧(0.85MPa)となるように調節する。
【0185】
流量調節弁(48)が全開状態である場合、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1は、第2吸入配管(34)内の冷媒圧力LP2と実質的に等しくなる。そして、ステップST33において、制御器(120)は、第2圧縮機部(112)の運転容量を最大容量の保持する一方、、第1圧縮機部(111)の運転容量を圧力LP2が第2目標低圧(0.85MPa)となるように調節する。この状態において、空調熱交換器(84)において蒸発した冷媒は、その一部が接続用配管(47)を通って第1圧縮機(24)へ吸入され、残りが第2圧縮機(25)へ吸入される。
【0186】
一方、冷蔵ユニット(70)がサーモ信号を出力しないものである場合、制御器(120)は、冷蔵ユニット(70)がサーモOFF状態からサーモON状態に切り換わったことを、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1に基づいて判断しなければならない。そのためには、冷蔵ユニット(70)がサーモON状態かサーモOFF状態かに拘わらず、制御器(120)は、圧力LP1を第1目標低圧に保つための動作を行う必要がある。そこで、この場合、制御器(120)は、ステップST34〜ST37の動作を行う。
【0187】
冷蔵ユニット(70)がサーモ信号を出力しないものである場合、制御器(120)は、ステップST34において、“第1圧縮機部(111)の運転容量が最大容量である”という条件の成否を判断する。
【0188】
ステップST34の条件が成立しない場合は、第2圧縮機部(112)の運転容量は最大容量であるが、第1圧縮機部(111)の運転容量は最大容量に達していない。つまり、この条件が成立しない場合は、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理できるが、空調ユニット(80)の冷房負荷を第2圧縮機部(112)だけで処理できない状況となっている。
【0189】
そこで、ステップST34の条件が成立しない場合、制御器(120)は、ステップST36において、流量調節弁(48)の開度を、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が第1目標低圧(0.48MPa)となるように調節する。このステップST36における制御器(120)の動作は、
図10のステップST24における制御器(120)の動作と同じである。また、制御器(120)は、次のステップST37において、第1圧縮機部(111)の運転容量を、第2吸入配管(34)内の冷媒圧力LP2が第2目標低圧(0.85MPa)となるように調節する。このステップST37における制御器(120)の動作は、
図10のステップST25における制御器(120)の動作と同じである。そして、制御器(120)がステップST36及びステップST37の動作を行うと、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷が第1圧縮機部(111)によって処理され、空調ユニット(80)の冷房負荷が第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方によって処理される。
【0190】
ステップST34の条件が成立する場合は、第1圧縮機部(111)の運転容量は最大容量であり、第2圧縮機部(112)の運転容量も最大容量である。つまり、この条件が成立する場合は、第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量を増やすことができない状況となっている。そこで、ステップST34の条件が成立する場合、制御器(120)は、ステップST35において、流量調節弁(48)の開度を、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が第1目標低圧(0.48MPa)となるように調節する。このステップST35における制御器(120)の動作は、
図10のステップST23における制御器(120)の動作と同じである。
【0191】
〈冷蔵・暖房運転中の動作〉
冷蔵・暖房運転中に制御器(120)が行う動作について、
図12〜
図14のフロー図を参照しながら説明する。
【0192】
図12に示すように、制御器(120)は、ステップST41において、“空調ユニット(80)がサーモON状態であり、且つ空調熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度Tcが60℃未満である”という条件の成否を判断する。
【0193】
なお、冷凍装置(10)には、空調ユニット(80)が複数設けられている場合がある。この場合、制御器(120)は、少なくとも一つの空調ユニット(80)がサーモON状態であり、且つ冷媒の凝縮温度Tcが60℃未満である場合に、ステップST41の条件が成立したと判断する。また、制御器(120)は、吐出圧力センサ(91)の検出値に対応する冷媒の飽和温度を算出し、その値を空調熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度Tcとする。
【0194】
ステップST41の条件が成立しない場合、制御器(120)は、ステップST42において、第1併存運転用の制御動作を行う。この制御動作については、後述する。一方、ステップST41の条件が成立する場合、制御器(120)は、ステップST43において、“空調熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度Tcが55℃未満である”という条件の成否を判断する。ステップST43の条件が成立しない場合、制御器(120)は、ステップST44において、第2併存運転用の制御動作を行う。この制御動作については、後述する。一方、ステップST43の条件が成立する場合、制御器(120)は、ステップST45の動作を行う。
【0195】
ステップST45において、制御器(120)は、“冷蔵ユニット(70)がサーモON状態である”という条件の成否を判断する。なお、冷凍装置(10)には、冷蔵ユニット(70)が複数設けられている場合がある。この場合、制御器(120)は、少なくとも一つの冷蔵ユニット(70)がサーモON状態である場合に、ステップST45の条件が成立したと判断する。
【0196】
ステップST45の条件が成立する場合は、冷凍装置(10)が第3併存運転(
図7を参照)を行っている。上述したように、第3併存運転中には、第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方が作動する。そして、ステップST45の条件が成立する場合、制御器(120)は、ステップST46において、“第1圧縮機部(111)の運転容量が最大容量である”という条件の成否を判断する。
【0197】
ステップST46の条件が成立しない場合は、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理できる状況である。そこで、ステップST46の条件が成立しない場合、制御器(120)は、ステップST49において、第1圧縮機部(111)の運転容量(即ち、第1圧縮機(24)の運転周波数)を、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が目標低圧(本実施形態では、0.48MPa)となるように調節する。また、次のステップST50において、制御器(120)は、流量調節弁(48)を全閉状態とする。また、次のステップST51において、制御器(120)は、第2圧縮機部(112)の運転容量(即ち、第2圧縮機(25)の運転周波数)を、空調熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度Tcが目標温度(本実施形態では、55℃)となるように調節する。
【0198】
ステップST51の動作が終了した時点では、流量調節弁(48)を全閉状態となっている。このため、第1圧縮機(24)は、冷蔵熱交換器(74)において蒸発した冷媒だけを吸入し、第2圧縮機(25)は、室外熱交換器(26)において蒸発した冷媒だけを吸入する(
図7を参照)。
【0199】
ステップST49における制御器(120)の動作を詳しく説明する。第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が目標低圧(0.48MPa)を上回っている場合、制御器(120)は、圧力LP1を低下させるために、第1圧縮機部(111)の運転容量を増加させる。一方、圧力LP1が第1目標低圧(0.48MPa)を下回っている場合、制御器(120)は、圧力LP1を上昇させるために、第1圧縮機部(111)の運転容量を減少させる。
【0200】
ステップST51における制御器(120)の動作を詳しく説明する。空調熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度Tcが目標温度(55℃)を上回っている場合、制御器(120)は、第2圧縮機部(112)の運転容量を減少させる。第2圧縮機部(112)の運転容量が減少すると、第1吐出配管(31)及び第2吐出配管(33)の冷媒圧力が低下し、冷媒の凝縮温度Tcが低下する。一方、空調熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度Tcが目標温度(55℃)を下回っている場合、制御器(120)は、第2圧縮機部(112)の運転容量を増加させる。第2圧縮機部(112)の運転容量が増加すると、第1吐出配管(31)及び第2吐出配管(33)の冷媒圧力が上昇し、冷媒の凝縮温度Tcが上昇する。
【0201】
一方、ステップST46の条件が成立する場合は、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理しきれない状況となっている。そこで、この場合、制御器(120)は、ステップST47において、第2圧縮機部(112)の運転容量を、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が目標低圧(0.48MPa)となるように調節する。また、次のステップST48において、制御器(120)は、流量調節弁(48)を全開状態とする。この場合に流量調節弁(48)が全開状態になると、第1吸入配管(32)を流れる冷媒の一部が接続用配管(47)を通って第2吸入配管(34)へ流入する。つまり、冷蔵熱交換器(74)において蒸発した冷媒は、その一部が第2圧縮機(25)へ吸入され、残りが第1圧縮機(24)へ吸入される。
【0202】
ステップST47における制御器(120)の動作を詳しく説明する。第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が目標低圧(0.48MPa)を上回っている場合、制御器(120)は、第2圧縮機部(112)の運転容量を増加させる。第2圧縮機部(112)の運転容量が増加すると、第1吸入配管(32)から接続用配管(47)を通って第2圧縮機(25)へ吸入される冷媒の流量が増加し、圧力LP1が低下する。一方、圧力LP1が目標低圧を下回っている場合、制御器(120)は、第2圧縮機部(112)の運転容量を減少させる。第2圧縮機部(112)の運転容量が減少すると、第1吸入配管(32)から接続用配管(47)を通って第2圧縮機(25)へ吸入される冷媒の流量が減少し、圧力LP1が上昇する。
【0203】
制御器(120)がステップST47の動作を行うと、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1(即ち、冷蔵熱交換器(74)における冷媒の蒸発圧力)が目標低圧に保たれる。なお、制御器(120)がステップST48の動作を行った場合、空調熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度Tcは、成り行きとなる。
【0204】
制御器(120)がステップST47とステップST48の動作を行うと、冷蔵熱交換器(74)において蒸発した冷媒は、その一部が第2圧縮機部(112)へ吸入され、残りが第1圧縮機部(111)へ吸入される。従って、この状態では、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷が第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方によって処理される。このため、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理しきれない状況においても、冷蔵ユニット(70)の庫内温度を設定温度に保つことができる。
【0205】
ステップST45の条件が成立しない場合は、冷凍装置(10)が暖房運転(
図8を参照)を行っている。上述したように、暖房運転中には、原則として、第1圧縮機部(111)が停止し、第2圧縮機部(112)が作動する。この場合、制御器(120)は、ステップST52において、“第2圧縮機部(112)の運転容量が最大容量である”という条件の成否を判断する。
【0206】
ステップST52の条件が成立しない場合は、空調ユニット(80)の暖房負荷を第2圧縮機部(112)だけで処理できる状況である。そこで、ステップST52の条件が成立しない場合、制御器(120)は、ステップST55において、第2圧縮機部(112)の運転容量を、空調熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度Tcが目標温度(55℃)となるように調節する。このステップST55において制御器(120)が行う動作は、ステップST51において制御器(120)が行う動作と同じである。また、次のステップST56において、制御器(120)は、流量調節弁(48)を全閉状態とする。
【0207】
ステップST52の条件が成立する場合は、空調ユニット(80)の暖房負荷を第2圧縮機部(112)だけで処理しきれない状況となっている。そこで、この場合、制御器(120)は、ステップST53において、第1圧縮機部(111)の運転容量を、空調熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度Tcが目標温度(55℃)となるように調節する。また、次のステップST54において、制御器(120)は、流量調節弁(48)を全開状態とする。この場合に流量調節弁(48)が全開状態になると、第2吸入配管(34)を流れる冷媒の一部が接続用配管(47)を通って第1吸入配管(32)へ流入する。つまり、室外熱交換器(26)において蒸発した冷媒は、その一部が第1圧縮機(24)へ吸入され、残りが第2圧縮機(25)へ吸入される。そして、制御器(120)がステップST53の動作を行うことによって、空調熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度Tcが目標温度(55℃)に保たれる。
【0208】
ステップST53における制御器(120)の動作を詳しく説明する。空調熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度Tcが目標温度(55℃)を上回っている場合、制御器(120)は、第1圧縮機部(111)の運転容量を減少させる。第1圧縮機部(111)の運転容量が減少すると、第1吐出配管(31)及び第2吐出配管(33)の冷媒圧力が低下し、冷媒の凝縮温度Tcが低下する。一方、空調熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度Tcが目標温度(55℃)を下回っている場合、制御器(120)は、第1圧縮機部(111)の運転容量を増加させる。第1圧縮機部(111)の運転容量が増加すると、第1吐出配管(31)及び第2吐出配管(33)の冷媒圧力が上昇し、冷媒の凝縮温度Tcが上昇する。
【0209】
制御器(120)がステップST53とステップST54の動作を行うと、室外熱交換器(26)において蒸発した冷媒は、その一部が第1圧縮機部(111)へ吸入され、残りが第2圧縮機部(112)へ吸入される。従って、この状態では、空調ユニット(80)の暖房負荷が第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方によって処理される。このため、空調ユニット(80)の暖房負荷を第2圧縮機部(112)だけで処理しきれない状況においても、空調ユニット(80)が設置された部屋の気温を設定温度に保つことができる。
【0210】
〔第1併存運転用の制御動作〕
冷凍装置(10)が第1併存運転を行っている場合に制御器(120)が行う制御動作について、
図13を参照しながら説明する。
【0211】
上述したように、第1併存運転中の冷凍装置(10)では、冷蔵ユニット(70)と空調ユニット(80)の両方がサーモON状態となり、第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方が作動する(
図5を参照)。
【0212】
ステップST61において、制御器(120)は、“冷蔵ユニット(70)がサーモON状態である”という条件の成否を判断する。なお、冷凍装置(10)には、冷蔵ユニット(70)が複数設けられている場合がある。この場合、制御器(120)は、少なくとも一つの冷蔵ユニット(70)がサーモON状態である場合に、ステップST61の条件が成立したと判断する。
【0213】
ステップST61の条件が成立する場合、制御器(120)は、ステップST62において、“第
1圧縮機部(111)の運転容量が最大容量である”という条件の成否を判断する。
【0214】
ステップST62の条件が成立しない場合は、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理できる状況である。そこで、ステップST62の条件が成立しない場合、制御器(120)は、ステップST65において、第1圧縮機部(111)の運転容量を、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が目標低圧(0.48MPa)となるように調節する。このステップST65において制御器(120)が行う動作は、
図12のステップST49において制御器(120)が行う動作と同じである。また、次のステップST66において、制御器(120)は、流量調節弁(48)を全閉状態と全閉状態のどちらかにする。制御器(120)がステップST66の動作を行う場合は、第2四方切換弁(28)が第1状態となっている(
図5を参照)。従って、この場合、流量調節弁(48)は、全閉状態と全閉状態のどちらであっても構わない。
【0215】
一方、ステップST62の条件が成立する場合は、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理しきれない状況となっている。そこで、この場合、制御器(120)は、ステップST63において、第2圧縮機部(112)の運転容量を、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が目標低圧(0.48MPa)となるように調節する。また、次のステップST64において、制御器(120)は、流量調節弁(48)を全開状態とする。この場合に流量調節弁(48)が全開状態になると、第1吸入配管(32)を流れる冷媒の一部が接続用配管(47)を通って第2吸入配管(34)へ流入する。つまり、冷蔵熱交換器(74)において蒸発した冷媒は、その一部が第2圧縮機(25)へ吸入され、残りが第1圧縮機(24)へ吸入される。なお、ステップST63の動作は、
図12のステップST47の動作と同じである。
【0216】
制御器(120)がステップST63の動作を行うと、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1(即ち、冷蔵熱交換器(74)における冷媒の蒸発圧力)が目標低圧に保たれる。なお、制御器(120)がステップST64の動作を行った場合、空調熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度Tcは、成り行きとなる。
【0217】
制御器(120)がステップST63とステップST64の動作を行うと、冷蔵熱交換器(74)において蒸発した冷媒は、その一部が第2圧縮機部(112)へ吸入され、残りが第1圧縮機部(111)へ吸入される。従って、この状態では、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷が第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方によって処理される。このため、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理しきれない状況においても、冷蔵ユニット(70)の庫内温度を設定温度に保つことができる。
【0218】
ステップST61の条件が成立しない場合は、冷蔵ユニット(70)がサーモOFF状態となっている。第1併存運転中に冷蔵ユニット(70)がサーモOFF状態になると、蒸発器として機能する熱交換器が存在しなくなるため、冷凍装置(10)の運転を継続できなくなる。そこで、ステップST61の条件が成立しない場合、制御器(120)は、ステップST67において流量調節弁(48)を全閉状態とする。また、制御器(120)は、次のステップST68において、冷凍装置(10)の運転を第1併存運転から暖房運転(
図8を参照)に切り換え、空調ユニット(80)による室内の暖房を継続させる。
【0219】
〔第2併存運転用の制御動作〕
冷凍装置(10)が第2併存運転を行っている場合に制御器(120)が行う制御動作について、
図14を参照しながら説明する。
【0220】
上述したように、第2併存運転中の冷凍装置(10)では、冷蔵ユニット(70)と空調ユニット(80)の両方がサーモON状態となる。また、第2併存運転中には、原則として、第1圧縮機部(111)が作動して第2圧縮機部(112)が停止する(
図6を参照)。
【0221】
ステップST71において、制御器(120)は、“冷蔵ユニット(70)がサーモON状態である”という条件の成否を判断する。なお、冷凍装置(10)には、冷蔵ユニット(70)が複数設けられている場合がある。この場合、制御器(120)は、少なくとも一つの冷蔵ユニット(70)がサーモON状態である場合に、ステップST71の条件が成立したと判断する。
【0222】
ステップST71の条件が成立する場合、制御器(120)は、ステップST72において、“第1圧縮機部(111)の運転容量が最大容量である”という条件の成否を判断する。
【0223】
ステップST72の条件が成立しない場合は、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理できる状況である。そこで、ステップST72の条件が成立しない場合、制御器(120)は、ステップST75において、第1圧縮機部(111)の運転容量を、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が目標低圧(0.48MPa)となるように調節する。このステップST75において制御器(120)が行う動作は、
図12のステップST49において制御器(120)が行う動作と同じである。また、次のステップST76において、制御器(120)は、流量調節弁(48)を全閉状態にする。
【0224】
一方、ステップST72の条件が成立する場合は、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理しきれない状況となっている。そこで、この場合、制御器(120)は、ステップST73において、第2圧縮機部(112)の運転容量を、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が目標低圧(0.48MPa)となるように調節する。また、次のステップST74において、制御器(120)は、流量調節弁(48)を全開状態とする。この場合に流量調節弁(48)が全開状態になると、第1吸入配管(32)を流れる冷媒の一部が接続用配管(47)を通って第2吸入配管(34)へ流入する。つまり、冷蔵熱交換器(74)において蒸発した冷媒は、その一部が第2圧縮機(25)へ吸入され、残りが第1圧縮機(24)へ吸入される。なお、ステップST73の動作は、
図12のステップST47の動作と同じである。
【0225】
制御器(120)がステップST73の動作を行うと、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1(即ち、冷蔵熱交換器(74)における冷媒の蒸発圧力)が目標低圧に保たれる。なお、制御器(120)がステップST74の動作を行った場合、空調熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度Tcは、成り行きとなる。
【0226】
制御器(120)がステップST73とステップST74の動作を行うと、冷蔵熱交換器(74)において蒸発した冷媒は、その一部が第2圧縮機部(112)へ吸入され、残りが第1圧縮機部(111)へ吸入される。従って、この状態では、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷が第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方によって処理される。このため、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理しきれない状況においても、冷蔵ユニット(70)の庫内温度を設定温度に保つことができる。
【0227】
ステップST71の条件が成立しない場合は、冷蔵ユニット(70)がサーモOFF状態となっている。第1併存運転中に冷蔵ユニット(70)がサーモOFF状態になると、蒸発器として機能する熱交換器が存在しなくなるため、冷凍装置(10)の運転を継続できなくなる。そこで、ステップST71の条件が成立しない場合、制御器(120)は、ステップST67において流量調節弁(48)を全閉状態とする。また、制御器(120)は、次のステップST78において、冷凍装置(10)の運転を第1併存運転から暖房運転(
図8を参照)に切り換え、空調ユニット(80)による室内の暖房を継続させる。
【0228】
−実施形態1の効果−
本実施形態の冷凍装置(10)では、第1吸入配管(32)と第2吸入配管(34)を接続する接続用配管(47)が冷媒回路(11)に設けられ、開度可変の流量調節弁(48)が接続用配管(47)に設けられる。
【0229】
先ず、本実施形態の冷凍装置(10)は、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を処理する(具体的には、冷蔵ユニット(70)の庫内温度を設定温度に保つ)ために必要な冷媒の流量が、冷蔵熱交換器(74)から第1圧縮機部(111)が吸入できる冷媒の流量を上回る場合に、第1吸入配管(32)を流れる冷媒を第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方へ吸入させることができる。
【0230】
第1吸入配管(32)を流れる冷媒が第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方へ吸入される場合には、流量調節弁(48)の開度を変更することによって、接続用配管(47)を通って第2圧縮機部(112)へ吸入される冷媒の流量を調節することができる。そして、この場合は、流量調節弁(48)の開度を調節することによって、冷蔵熱交換器(74)を流れる冷媒の流量を、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷に応じた適切な値に設定することが可能となる。
【0231】
次に、本実施形態の冷凍装置(10)は、空調ユニット(80)の冷房負荷を処理する(具体的には、空調ユニット(80)が設置された室内空気の気温を設定温度に保つ)ために必要な冷媒の流量が、空調熱交換器(84)から第2圧縮機部(112)が吸入できる冷媒の流量を上回る場合に、第2吸入配管(34)を流れる冷媒を第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方へ吸入させることができる。
【0232】
第2吸入配管(34)を流れる冷媒が第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方へ吸入される場合には、流量調節弁(48)の開度を変更することによって、接続用配管(47)を通って第1圧縮機部(111)へ吸入される冷媒の流量を調節することができる。そして、この場合は、流量調節弁(48)の開度を調節することによって、空調熱交換器(84)を流れる冷媒の流量を、空調ユニット(80)の冷房負荷に応じた適切な値に設定することが可能となる。
【0233】
更に、本実施形態の冷凍装置(10)は、空調ユニット(80)の暖房負荷を処理する(具体的には、空調ユニット(80)が設置された室内空気の気温を設定温度に保つ)ために必要な冷媒の流量が、第2圧縮機部(112)が室外熱交換器(26)から吸入して空調熱交換器(84)へ供給できる冷媒の流量を上回る場合に、第2吸入配管(34)を流れる冷媒を第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方へ吸入させることができる。
【0234】
第2吸入配管(34)を流れる冷媒が第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)の両方へ吸入される場合には、流量調節弁(48)の開度を変更することによって、接続用配管(47)を通って第1圧縮機部(111)へ吸入される冷媒の流量を調節することができる。そして、この場合は、流量調節弁(48)の開度を調節することによって、空調熱交換器(84)を流れる冷媒の流量を、空調ユニット(80)の暖房負荷に応じた適切な値に設定することが可能となる。
【0235】
このように、本実施形態では、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を処理できない場合に、流量調節弁(48)の開度を調節することによって、冷蔵熱交換器(74)を流れる冷媒の流量を、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷に応じた値に設定することが可能となる。また、本実施形態では、第2圧縮機部(112)だけでは空調ユニット(80)の冷房負荷または暖房負荷を処理できない場合に、流量調節弁(48)の開度を調節することによって、空調熱交換器(84)を流れる冷媒の流量を、空調ユニット(80)の冷房負荷または暖房負荷に応じた値に設定することが可能となる。従って、本実施形態によれば、冷凍装置(10)の冷却能力を適切に制御することができ、冷凍装置(10)の使い勝手を向上させることができる。
【0236】
−実施形態1の変形例−
本実施形態の制御器(120)は、第1制御動作として次のような動作を行うものであってもよい。ここでは、本変形例の制御器(120)が行う第1制御動作について、
図10に示す第1制御動作と異なる点を説明する。
【0237】
図15に示すように、本変形例の制御器(120)は、
図10のステップST24の動作に代えてステップST24'の動作を行い、
図10のステップST25の動作に代えてステップST25'の動作を行う。
【0238】
ステップST22の条件が成立しない場合、本変形例の制御器(120)は、ステップST24'において、流量調節弁(48)の開度を、第2吸入配管(34)内の冷媒圧力LP2が第2目標低圧(0.85MPa)となるように調節する。また、本変形例の制御器(120)は、次のステップST25'において、第1圧縮機部(111)の運転容量を、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が第1目標低圧(0.48MPa)となるように調節する。
【0239】
ステップST24'における制御器(120)の動作を詳しく説明する。第2吸入配管(34)内の冷媒圧力LP2が第2目標低圧を上回っている場合、制御器(120)は、流量調節弁(48)の開度を拡大する。流量調節弁(48)の開度が大きくなると、第2吸入配管(34)から接続用配管(47)へ流入する冷媒の流量が増加し、圧力LP2が低下する。一方、圧力LP2が第2目標低圧を下回っている場合、制御器(120)は、流量調節弁(48)の開度を縮小する。流量調節弁(48)の開度が小さくなると、第2吸入配管(34)から接続用配管(47)へ流入する冷媒の流量が減少し、圧力LP2が上昇する。
【0240】
ステップST25'における制御器(120)の動作を詳しく説明する。第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が第1目標低圧を上回っている場合、制御器(120)は、第1圧縮機部(111)の運転容量を増加させる。第1圧縮機部(111)の運転容量が増加すると、第1吸入配管(32)から第1圧縮機部(111)へ吸入される冷媒の流量が増加し、圧力LP1が低下する。一方、圧力LP1が第1目標低圧を下回っている場合、制御器(120)は、第1圧縮機部(111)の運転容量を減少させる。第1圧縮機部(111)の運転容量が減少すると、第1吸入配管(32)から第1圧縮機部(111)へ吸入される冷媒の流量が減少し、圧力LP1が上昇する。
【0241】
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。本実施形態の冷凍装置(10)は、制御器(120)が行う動作の点で、実施形態1の冷凍装置(10)と相違する。ここでは、本実施形態の制御器(120)が行う動作について、実施形態1の制御器(120)が行う動作と異なる点を説明する。
【0242】
本実施形態の制御器(120)では、第1圧縮機部(111)の基準容量が第1圧縮機部(111)の最適容量に設定され、第2圧縮機部(112)の基準容量が第2圧縮機部(112)の最適容量に設定される。ここで、圧縮機(24,25)を構成する圧縮機構は、その回転速度が特定の値(最適回転速度)のときに効率が最も高くなる。そして、圧縮機構の回転速度が最適回転速度であるときの圧縮機(24,25)の運転周波数を、最適周波数とする。本実施形態において、第1圧縮機部(111)の運転容量は、第1圧縮機(24)の運転周波数が最適周波数であるときに最適容量となり、第2圧縮機部(112)の運転容量は、第2圧縮機(25)の運転周波数が最適周波数であるときに最適容量となる。
【0243】
〈冷蔵・冷房運転中の動作〉
冷蔵・冷房運転中において、制御器(120)は、
図16〜
図18のフロー図に示す動作を行う。ここでは、本実施形態の制御器(120)が行う動作について、実施形態1の制御器(120)が行う動作と異なる点を説明する。
【0244】
図16に示すように、本実施形態の制御器(120)は、
図9のステップST05に代えてステップST05'を、
図9のステップST10に代えてステップST10'を、
図9のステップST11に代えてステップST11'を、それぞれ行う。
【0245】
ステップST05'において、制御器(120)は、“第2圧縮機部(112)の運転容量が最適容量以上である”という条件の成否を判断する。この条件が成立する場合は、空調ユニット(80)の冷房負荷を第2圧縮機部(112)だけで処理すると、第2圧縮機部(112)を構成する第2圧縮機(25)の運転効率が低下する状況となっている。そこで、制御器(120)は、ステップST06において、第2制御動作を行う。この第2制御動作については、後述する。一方、この条件が成立しない場合は、空調ユニット(80)の冷房負荷を第2圧縮機部(112)だけで処理できる状況である。そこで、制御器(120)は、ステップST07において、流量調節弁(48)を全閉状態とし、圧力LP2に基づく第2圧縮機部(112)の運転容量の調節を行う。
【0246】
ステップST10'において、制御器(120)は、“第1圧縮機部(111)の運転容量が最適容量以上である”という条件の成否を判断する。この条件が成立する場合は、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理すると、第1圧縮機部(111)を構成する第1圧縮機(24)の運転効率が低下する状況となっている。そこで、ステップST10'の条件が成立する場合、制御器(120)は、ステップST11'の動作を行う。
【0247】
ステップST11'において、制御器(120)は、“第2圧縮機部(112)の運転容量が最適
容量以上である”という条件の成否を判断する。
【0248】
ステップST11'の条件が成立する場合、制御器(120)は、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が第1目標低圧(0.48MPa)となるように、第1圧縮機部(111)の運転容量と第2圧縮機部(112)の運転容量とを同期変化させる。具体的に、制御器(120)は、圧力LP1が第1目標低圧を上回る場合は、第1圧縮機(24)の運転周波数と第2圧縮機(25)の運転周波数とを同じ値だけ上昇させ、圧力LP1が第1目標低圧を下回る場合は、第1圧縮機(24)の運転周波数と第2圧縮機(25)の運転周波数とを同じ値だけ低下させる。また、制御器(120)は、第1圧縮機(24)の運転周波数と第2圧縮機(25)の運転周波数とを同じ値に設定する。
【0249】
一方、ステップST11'の条件が成立しない場合、制御器(120)は、第1圧縮機部(111)の運転容量を最適容量に保持し、第2圧縮機部(112)の運転容量を圧力LP1が第1目標低圧(0.48MPa)となるように調節する。具体的に、制御器(120)は、圧力LP1が第1目標低圧を上回る場合は、第2圧縮機(25)の運転周波数を上昇させ、圧力LP1が第1目標低圧を下回る場合は、第2圧縮機(25)の運転周波数を低下させる。
【0250】
〔第1制御動作〕
実施形態1の制御器(120)と同様に、本実施形態の制御器(120)は、
図16のステップST02において第1制御動作を行う。ただし、本実施形態の制御器(120)が行う第1制御動作は、実施形態1の制御器(120)が行う第1制御動作と相違する。ここでは、本実施形態の制御器(120)が行う第1制御動作について、実施形態1の制御器(120)が行う第1制御動作と異なる点を説明する。
【0251】
図17に示すように、本実施形態の制御器(120)は、
図10のステップST21に代えてステップST21'を、
図10のステップST22に代えてステップST22'を、それぞれ行う。また、本実施形態の制御器(120)は、ステップST81、ステップST82、及びステップST83の動作を行う。
【0252】
ステップST21'において、制御器(120)は、“第2圧縮機部(112)の運転容量が最適容量以上である”という条件の成否を判断する。ステップST21'の条件が成立する場合、制御器(120)は、ステップST22'において、“第1圧縮機部(111)の運転容量が最適容量以上である”という条件の成否を判断する。また、ステップST22'が成立する場合、制御器(120)は、ステップST81において、“流量調節弁(48)が開いている”という条件の成否を判断する。
【0253】
ステップST81の条件が成立しない場合、流量調節弁(48)は実質的に全閉状態となっている。この場合は、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理でき、空調ユニット(80)の冷房負荷を第2圧縮機部(112)だけで処理できる状況である。そこで、この場合、制御器(120)は、ステップST83において、第1圧縮機部(111)及び第2圧縮機部(112)の運転容量を調節する。具体的に、制御器(120)は、第1圧縮機部(111)の運転容量を、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が第1目標低圧(0.48MPa)となるように調節する。また、制御器(120)は、第2圧縮機部(112)の運転容量を、第2吸入配管(34)内の冷媒圧力LP2が第2目標低圧(0.85MPa)となるように調節する。
【0254】
一方、ステップST81の条件が成立する場合は、流量調節弁(48)が既に開いており、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理すると、第1圧縮機部(111)を構成する第1圧縮機(24)の運転効率が低下する状況となっている。そこで、この場合、制御器(120)は、ステップST82において、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が第1目標低圧(0.48MPa)となるように、第1圧縮機部(111)の運転容量と第2圧縮機部(112)の運転容量とを同期変化させる。具体的に、制御器(120)は、圧力LP1が第1目標低圧を上回る場合は、第1圧縮機(24)の運転周波数と第2圧縮機(25)の運転周波数とを同じ値だけ上昇させ、圧力LP1が第1目標低圧を下回る場合は、第1圧縮機(24)の運転周波数と第2圧縮機(25)の運転周波数とを同じ値だけ低下させる。また、制御器(120)は、第1圧縮機(24)の運転周波数と第2圧縮機(25)の運転周波数とを同じ値に設定する。
【0255】
制御器(120)は、ステップST82の動作を行うと、次にステップST23の動作を行う。このステップST23の動作は、
図10のステップST23の動作と同じである。
【0256】
〔第2制御動作〕
実施形態1の制御器(120)と同様に、本実施形態の制御器(120)は、
図16のステップST06において第2制御動作を行う。ただし、本実施形態の制御器(120)が行う第2制御動作は、実施形態1の制御器(120)が行う第2制御動作と相違する。ここでは、本実施形態の制御器(120)が行う第2制御動作について、実施形態1の制御器(120)が行う第2制御動作と異なる点を説明する。
【0257】
図18に示すように、本実施形態の制御器(120)は、
図11のステップST33に代えてステップST33'を、
図11のステップST34に代えてステップST34'を、それぞれ行う。また、本実施形態の制御器(120)は、ステップST84の動作を行う。
【0258】
ステップST33'において、制御器(120)は、“第1圧縮機部(111)の運転容量が最適容量以上である”という条件の成否を判断する。
【0259】
ステップST33'の条件が成立する場合、制御器(120)は、第2吸入配管(34)内の冷媒圧力LP2が第2目標低圧(0.85MPa)となるように、第1圧縮機部(111)の運転容量と第2圧縮機部(112)の運転容量とを同期変化させる。具体的に、制御器(120)は、圧力LP2が第2目標低圧を上回る場合は、第1圧縮機(24)の運転周波数と第2圧縮機(25)の運転周波数とを同じ値だけ上昇させ、圧力LP2が第2目標低圧を下回る場合は、第1圧縮機(24)の運転周波数と第2圧縮機(25)の運転周波数とを同じ値だけ低下させる。また、制御器(120)は、第1圧縮機(24)の運転周波数と第2圧縮機(25)の運転周波数とを同じ値に設定する。
【0260】
一方、ステップST33'の条件が成立しない場合、制御器(120)は、第2圧縮機部(112)の運転容量を最適容量に保持し、第1圧縮機部(111)の運転容量を圧力LP2が第2目標低圧(0.85MPa)となるように調節する。具体的に、制御器(120)は、圧力LP2が第2目標低圧を上回る場合は、第2圧縮機(25)の運転周波数を上昇させ、圧力LP2が第2目標低圧を下回る場合は、第2圧縮機(25)の運転周波数を低下させる。
【0261】
ステップST34'において、制御器(120)は、“第1圧縮機部(111)の運転容量が最適容量以上である”という条件の成否を判断する。ステップST34'の条件が成立しない場合は、第1圧縮機部(111)の運転容量を増やす余地がある。そこで、この場合、制御器(120)は、実施形態1と同様に、ステップST36とステップST37の動作を行う。一方、ステップST34'の条件が成立する場合、制御器(120)は、ステップST84において、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が第1目標低圧(0.48MPa)となるように、第1圧縮機部(111)の運転容量と第2圧縮機部(112)の運転容量とを同期変化させる。ステップST84において制御器(120)が行う動作は、
図17のステップST82において制御器(120)が行う動作と同じである。
【0262】
制御器(120)は、ステップST84の動作を行うと、次にステップST35の動作を行う。このステップST35の動作は、
図11のステップST35の動作と同じである。
【0263】
〈冷蔵・暖房運転中の動作〉
冷蔵・暖房運転中において、制御器(120)は、
図19〜
図21のフロー図に示す動作を行う。ここでは、本実施形態の制御器(120)が行う動作について、実施形態1の制御器(120)が行う動作と異なる点を説明する。
【0264】
図19に示すように、本実施形態の制御器(120)は、
図12のステップST46に代えてステップST46'を、
図12のステップST47に代えてステップST47'を、
図12のステップST52に代えてステップST52'を、
図12のステップST53に代えてステップST53'を、それぞれ行う。
【0265】
ステップST46'において、制御器(120)は、“第1圧縮機部(111)の運転容量が最適容量以上である”という条件の成否を判断する。ステップST46'の条件が成立しない場合は、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理できる状況である。そこで、この場合、制御器(120)は、ステップST49、ステップST50、及びステップST51の動作を行う。これらの動作は、それぞれ
図12のステップST49、ステップST50、及びステップST51の動作と同じである。一方、ステップST46'の条件が成立する場合は、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理すると、第1圧縮機部(111)を構成する第1圧縮機(24)の運転効率が低下する状況となっている。そこで、この場合、制御器(120)は、ステップST47'の動作を行う。
【0266】
ステップST47'において制御器(120)が行う動作は、
図16のステップST11'において制御器(120)が行う動作と同じである。つまり、ステップST47'において、制御器(120)は、“第2圧縮機部(112)の運転容量が最適容量以上である”という条件の成否を判断する。そして、この条件が成立する場合、制御器(120)は、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が第1目標低圧(0.48MPa)となるように、第1圧縮機部(111)の運転容量と第2圧縮機部(112)の運転容量とを同期変化させる。一方、この条件が成立しない場合、制御器(120)は、第1圧縮機部(111)の運転容量を最適容量に保持し、第2圧縮機部(112)の運転容量を圧力LP1が第1目標低圧となるように調節する。
【0267】
ステップST52'において、制御器(120)は、“第2圧縮機部(112)の運転容量が最適容量以上である”という条件の成否を判断する。ステップST52'の条件が成立しない場合は、空調ユニット(80)の暖房負荷を第2圧縮機部(112)だけで処理できる状況である。そこで、この場合、制御器(120)は、ステップST55およびステップST56の動作を行う。これらの動作は、それぞれ
図12のステップST55およびステップST56の動作と同じである。一方、ステップST52'の条件が成立する場合は、空調ユニット(80)の暖房負荷を第2圧縮機部(112)だけで処理すると、第2圧縮機部(112)を構成する第2圧縮機(25)の運転効率が低下する状況となっている。そこで、この場合、制御器(120)は、ステップST53'の動作を行う。
【0268】
ステップST53'において、制御器(120)は、“第1圧縮機部(111)の運転容量が最適容量以上である”という条件の成否を判断する。
【0269】
ステップST53'の条件が成立する場合、制御器(120)は、空調熱交換器(84)における冷媒の凝縮温度Tcが目標温度(55℃)となるように、第1圧縮機部(111)の運転容量と第2圧縮機部(112)の運転容量とを同期変化させる。具体的に、制御器(120)は、冷媒の凝縮温度Tcが目標温度(55℃)を上回っている場合は、第1圧縮機(24)の運転周波数と第2圧縮機(25)の運転周波数とを同じ値だけ低下させ、冷媒の凝縮温度Tcが目標温度(55℃)を下回っている場合は、第1圧縮機(24)の運転周波数と第2圧縮機(25)の運転周波数とを同じ値だけ上昇させる。また、制御器(120)は、第1圧縮機(24)の運転周波数と第2圧縮機(25)の運転周波数とを同じ値に設定する。
【0270】
一方、ステップST53'の条件が成立しない場合、制御器(120)は、第2圧縮機部(112)の運転容量を最適容量に保持し、第1圧縮機部(111)の運転容量を冷媒の凝縮温度Tcが目標温度(55℃)となるように調節する。具体的に、制御器(120)は、冷媒の凝縮温度Tcが目標温度を上回る場合は、第1圧縮機(24)の運転周波数を低下させ、冷媒の凝縮温度Tcが目標温度を下回る場合は、第1圧縮機(24)の運転周波数を上昇させる。
【0271】
〔第1併存運転用の制御動作〕
実施形態1の制御器(120)と同様に、本実施形態の制御器(120)は、第1併存運転用の制御動作を行う。ただし、本実施形態の制御器(120)が行う第1併存運転用の制御動作は、実施形態1の制御器(120)が行う第1併存運転用の制御動作と相違する。ここでは、本実施形態の制御器(120)が行う第1併存運転用の制御動作について、実施形態1の制御器(120)が行う第1併存運転用の制御動作と異なる点を説明する。
【0272】
図20に示すように、本実施形態の制御器(120)は、
図13のステップST62に代えてステップST62'を、
図13のステップST63に代えてステップST63'を、それぞれ行う。
【0273】
ステップST62'において、制御器(120)は、“第1圧縮機部(111)の運転容量が最適容量以上である”という条件の成否を判断する。ステップST62'の条件が成立しない場合は、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理できる状況である。そこで、この場合、制御器(120)は、ステップST65およびステップST66の動作を行う。これらの動作は、それぞれ
図13のステップST65およびステップST66の動作と同じである。一方、ステップST62'の条件が成立する場合は、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理すると、第1圧縮機部(111)を構成する第1圧縮機(24)の運転効率が低下する状況となっている。そこで、この場合、制御器(120)は、ステップST63'の動作を行う。
【0274】
ステップST63'の動作は、
図19のステップST47'の動作と同じである。制御器(120)は、ステップST63'において、“第1圧縮機部(111)の運転容量が最適容量以上である”という条件の成否を判断する。この条件が成立しない場合、制御器(120)は、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が第1目標低圧(0.48MPa)となるように、第1圧縮機部(111)の運転容量と第2圧縮機部(112)の運転容量とを同期変化させる。一方、この条件が成立しない場合、制御器(120)は、第1圧縮機部(111)の運転容量を最適容量に保持し、第2圧縮機部(112)の運転容量を圧力LP1が第1目標低圧となるように調節する。
【0275】
〔第2併存運転用の制御動作〕
実施形態1の制御器(120)と同様に、本実施形態の制御器(120)は、第2併存運転用の制御動作を行う。ただし、本実施形態の制御器(120)が行う第2併存運転用の制御動作は、実施形態1の制御器(120)が行う第2併存運転用の制御動作と相違する。ここでは、本実施形態の制御器(120)が行う第2併存運転用の制御動作について、実施形態1の制御器(120)が行う第2併存運転用の制御動作と異なる点を説明する。
【0276】
図21に示すように、本実施形態の制御器(120)は、
図14のステップST72に代えてステップST72'を、
図14のステップST73に代えてステップST73'を、それぞれ行う。
【0277】
ステップST72'において、制御器(120)は、“第1圧縮機部(111)の運転容量が最適容量以上である”という条件の成否を判断する。ステップST72'の条件が成立しない場合は、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理できる状況である。そこで、この場合、制御器(120)は、ステップST75およびステップST76の動作を行う。これらの動作は、それぞれ
図14のステップST75およびステップST76の動作と同じである。一方、ステップST72'の条件が成立する場合は、冷蔵ユニット(70)の冷却負荷を第1圧縮機部(111)だけで処理すると、第1圧縮機部(111)を構成する第1圧縮機(24)の運転効率が低下する状況となっている。そこで、この場合、制御器(120)は、ステップST73'の動作を行う。
【0278】
ステップST73'の動作は、
図20のステップST63'の動作と同じである。具体的に、制御器(120)は、ステップST73'において、“第1圧縮機部(111)の運転容量が最適容量以上である”という条件の成否を判断する。この条件が成立しない場合、制御器(120)は、第1吸入配管(32)内の冷媒圧力LP1が第1目標低圧(0.48MPa)となるように、第1圧縮機部(111)の運転容量と第2圧縮機部(112)の運転容量とを同期変化させる。一方、この条件が成立しない場合、制御器(120)は、第1圧縮機部(111)の運転容量を最適容量に保持し、第2圧縮機部(112)の運転容量を圧力LP1が第1目標低圧となるように調節する。
【0279】
《その他の実施形態》
実施形態1及び2の冷凍装置(10)では、第1圧縮機部(111)と第2圧縮機部(112)のそれぞれが一台の圧縮機(24,25)によって構成されているが、第1圧縮機部(111)を複数台の圧縮機によって構成してもよいし、第2圧縮機部(112)を複数台の圧縮機によって構成してもよい。
【0280】
ここでは、本変形例の冷凍装置(10)について、第1圧縮機部(111)が二台の圧縮機によって構成され、第2圧縮機部(112)が一台の圧縮機によって構成される場合を例に説明する。また、ここでは、本変形例の冷凍装置(10)について、実施形態1の冷凍装置(10)と異なる点を説明する。
【0281】
図22に示すように、本変形例の冷凍装置(10)では、第1圧縮機部(111)が第1圧縮機(24)と第3圧縮機(113)とによって構成され、第2圧縮機部(112)が第2圧縮機(25)によって構成される。第3圧縮機(113)は、スクロール型の全密閉型圧縮機である。図示しないが、第3圧縮機(113)では、スクロール型流体機械である圧縮機構と、圧縮機構を駆動する電動機とが、密閉容器状のケーシングに収容されている。第3圧縮機(113)の電動機には、商用電源からの交流がそのまま供給される。従って、第3圧縮機(113)は、圧縮機構の回転速度が一定となり、その運転容量が一定となる。
【0282】
本変形例では、第1吐出配管(31)が主吐出管(31a)と補助吐出管(31b)とによって構成され、第1吸入配管(32)が主吸入管(32a)と補助吸入管(32b)とによって構成される。
【0283】
主吐出管(31a)は、第1圧縮機(24)の吐出部を第1四方切換弁(27)の第1ポートに接続する。主吐出管(31a)には、第1圧縮機(24)から第1四方切換弁(27)へ向かって順に、第1吐出温度センサ(90)と、第1逆止弁(CV1)と、吐出圧力センサ(91)とが設けられている。
【0284】
補助吐出管(31b)は、第3圧縮機(113)の吐出部を、主吐出管(31a)における吐出圧力センサ(91)と第1四方切換弁(27)の間に接続する。補助吐出管(31b)には、第3圧縮機(113)から主吐出管(31a)へ向かって順に、第3吐出温度センサ(115)と、第7逆止弁(CV7)とが設けられている。第3吐出温度センサ(115)は、第3圧縮機(113)の吐出冷媒の温度を検出する。第7逆止弁(CV7)は、
図22に示す矢印の方向への冷媒の流れを許容し、その逆の方向への冷媒の流れを禁止する。また、本変形例では、第2吐出配管(33)は、補助吐出管(31b)における第7逆止弁(CV7)の下流側に接続される。
【0285】
本変形例では、第1吸入配管(32)が主吐出管(31a)と補助吐出管(31b)とによって構成され、第1吸入配管(32)が主吸入管(32a)と補助吸入管(32b)とによって構成される。主吸入管(32a)は、第1圧縮機(24)の吸入部を冷蔵側ガス閉鎖弁(13)に接続する。主吸入管(32a)には、冷蔵側ガス閉鎖弁(13)から第1圧縮機(24)へ向かって順に、第1吸入圧力センサ(94)と第1吸入温度センサ(93)とが設けられている。補助吸入管(32b)は、第3圧縮機(113)の吸入部を、主吸入管(32a)における第1吸入温度センサ(93)の下流側に接続する。
【0286】
本変形例のインジェクション回路(55)には、第3導入管(114)が追加されている。第3導入管(114)は、一端が第1導入管(58)における第1インジェクション弁(61)の上流側に接続され、他端が第3圧縮機(113)に接続される。第3導入管(114)は、第3圧縮機(113)の圧縮途中の圧縮室に中間圧の冷媒を供給する。また、第3導入管(114)には、第3インジェクション弁(63)が設けられる。第3インジェクション弁(63)は、開度可変の電子膨張弁であり、第3圧縮機(113)へ導入する中間圧の冷媒の流量を調節する。
【0287】
本変形例において、第1圧縮機部(111)の運転容量は、第1圧縮機(24)の運転周波数が上限値であり、且つ第3圧縮機(113)が作動している場合に、最大容量となる。また、第1圧縮機部(111)の運転容量は、第1圧縮機(24)の運転周波数が最適周波数であり、且つ第3圧縮機(113)が作動している場合に、最適容量となる。