(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1部分は前記第1画素電極と隣接した第1データ配線および第2データ配線のうちの前記第1データ配線と容量結合され、前記第2部分は前記第2データ配線と容量結合される、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示装置。
前記データ配線は複数回屈折しており、前記第1画素電極と前記第2画素電極は屈折した枝部を有し、前記第1画素電極と前記第2画素電極の屈折した枝部を構成する各直線部は、前記データ配線を構成する直線部のうちの少なくとも1つと平行である、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示装置。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルに入射する入射光の強さ対最大透過光の強さとして定義される透過率は、最終製品の消費電力と輝度に決定的な影響を与える液晶表示パネルの重要な性能因子のうちの1つである。透過率は色々な変数によってその値が変化し、そのうちの代表的なものとしてカラーフィルタの性能、液晶モードの種類、薄膜トランジスタ基板の開口率などが挙げられる。
【0003】
既存の液晶モードに対する透過率を向上させたものとして、韓国特許出願公開第10−2009−0024031号(特許文献1と称す)に係る液晶モードがある。この特許文献1に記載された液晶モードは、垂直初期配向、横電界、高電圧駆動が結合された構成であって、当初は高速応答広視野モードの観点で開発されたが、最近の研究結果によれば、応答速度を従来の技術水準で設計すれば、透過率が従来技術に比べて10%以上向上することが確認された。
【0004】
しかし、上述したような新規の液晶モードは、高電圧駆動のために1つのピクセルごとに2つのデータ配線が必要な構造なので、データ駆動ドライバチャンネル数の増加により原価が上昇するという問題があるだけでなく、韓国特許公開第10−2008−0025498号(特許文献2と称す)に係る液晶表示装置のように、高精細高速駆動のために2つのゲート配線を同時に導通して駆動マージンを確保する構造を併用する場合には、必要なデータ配線の数が1つのピクセル当り4つに増加するため、高精細高速駆動に対する対応力が落ちるという問題があった。
【0005】
そのために韓国特許出願公開第10−2009−0130610号(特許文献3と称す)に係る液晶表示装置は、当該出願明細書の
図41、42、49、50およびこれに対する詳細な説明の部分で確認できるように、共有データ配線を導入して、ピクセル1つ当り実質的なデータ配線数を1つに減らすことによって、上記新規の液晶モードの問題点を解決しようとした。しかし、このような構造は、対向する一対の画素電極がそれぞれ互いに異なるデータ配線と容量結合されるため、データ配線によるキックバック電圧(Vkb)が互いに異なって画質不良が発生するという問題があった。特に、上記出願特許のように高電圧の二重極性駆動を適用する場合、隣接したデータ配線間の電圧差が非常に大きくなるため、上述したキックバック電圧(Vkb)による画質低下問題が非常に深刻化する。
【0006】
そのために、韓国特許出願第10−2009−0043720号に係る液晶表示装置は、当該出願明細書の
図12〜
図16およびこれに対する詳細な説明で確認できるように、一対の画素電極が隣接した2つのデータ配線の両方に同一に容量結合するように構成することによって、上述した画質不良問題を改善した。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面および実施形態を通じて、本発明について具体的に説明する。
【0017】
[第1実施形態]
最初に、
図2〜
図6を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
【0018】
図2は、第1実施形態に係る薄膜トランジスタ基板の表示領域に位置する隣接した2つの画素を示した平面図である
図2に示されているように、本実施形態の薄膜トランジスタ基板は、データ配線(Dn、Dn+1、Dn+2)とゲート配線(Gn、Gn+1)によって定義される画素それぞれに、第1薄膜トランジスタ(T1)と第2薄膜トランジスタ(T2)が形成される。
【0019】
第1薄膜トランジスタ(T1)のソース電極はデータ配線(Dn、Dn+1、Dn+2)から延長されて形成され、ドレイン電極は第3コンタクトホール(CT3)を通じて第1画素電極(P1)と接続され、ゲート電極はゲート配線(Gn、Gn+1)から延長されて形成される。第2薄膜トランジスタ(T2)のソース電極は、第5コンタクトホール(CT5)および第6コンタクトホール(CT6)を通じて画素別に第1基準電圧配線(V1)または第2基準電圧配線(V2)と交互に接続され、ドレイン電極は第4コンタクトホール(CT4)を通じて第2画素電極(P2)と接続され、ゲート電極はゲート配線(Gn、Gn+1)から延長されて形成される。
【0020】
第1基準電圧配線(V1)と第2基準電圧配線(V2)には互いに異なる電圧が印加され、毎フレーム(frame)ごとに第1基準電圧配線(V1)と第2基準電圧配線(V2)に印加される電圧が交番する。
【0021】
この時、第1基準電圧配線(V1)と第2基準電圧配線(V2)を画素電極(P1、P2)とゲート配線(Gn+1)との間の領域に位置させて、第5コンタクトホール(CT5)および第6コンタクトホール(CT6)を第3コンタクトホール(CT3)と第4コンタクトホール(CT4)との間に位置させるのが、配線間の重畳を最少化して、開口率を極大化することに有利である。
【0022】
また、図示したように、第1薄膜トランジスタ(T1)のゲート電極と第2薄膜トランジスタ(T2)のゲート電極との間に一定の空間が確保されるので、第2基準電圧配線(V2)をこの確保された空間方向に曲げて、画素電極(P1、P2)の領域を損失することなく、第5コンタクトホール(CT5)および第6コンタクトホール(CT6)を形成する領域を確保することが、開口率の極大化のために望ましい。一方、第5コンタクトホール(CT5)と第6コンタクトホール(CT6)は、第2薄膜トランジスタ(T2)のソース電極を第1基準電圧配線(V1)または第2基準電圧配線(V2)と直接接触させずに、画素電極(P1、P2)と同一層に形成されるコンタクト電極を通じて電気的に接続させる。このような構成は工程を単純化するためである。
【0023】
第1画素電極(P1)と第2画素電極(P2)は、画素の外周に沿って形成された骨組み電極(LBE1、RBE1、LBE2、RBE2)と、骨組み電極から延長されて、互いに接触せずに交互に噛み合う複数の平行な可視電極(SE1、SE2)で構成される。可視電極(SE1、SE2)の延長方向は、液晶表示装置の完成品において偏光板(図示せず)の透過軸とほぼ45度および135度をなしており、第1および第2画素電極(P1、P2)間に形成される電界方向の平均的な方位角を基準として、大きく2つのドメインを形成することによって、視野角特性を向上させる。
【0024】
また、図示したように、可視電極(SE1、SE2)の間の間隔を多様に形成することで、可視電極(SE1、SE2)の間に発生する電界の強さを多様にすることができ、液晶表示装置の視野角特性をさらに向上させることができる。
【0025】
第1画素電極(P1)の左側骨組み電極(LBE1)は隣接した左側データ配線(Dn+1)の下部と容量結合し、右側骨組み電極(RBE1)は隣接した右側データ配線(Dn+2)の上部と容量結合して、第2画素電極(P2)の左側骨組み電極(LBE2)は隣接した左側データ配線(Dn+1)の上部と容量結合し、右側骨組み電極(RBE2)は隣接した右側データ配線(Dn+2)の下部と容量結合する。
【0026】
この時、第1画素電極(P1)と第2画素電極(P2)を同一層に形成した状態で、第1画素電極(P1)の左側骨組み電極(LBE1)が隣接した左側データ配線(Dn+1)と重畳する面積を、第2画素電極(P2)の左側骨組み電極(LBE2)が隣接した左側データ配線(Dn+1)と重畳する面積と実質的に同一とし、第1画素電極(P2)の右側骨組み電極(RBE1)が隣接した右側データ配線(Dn+2)と重畳する面積を、第2画素電極(P2)の右側骨組み電極(RBE2)が隣接した右側データ配線(Dn+2)と重畳する面積と実質的に同一に形成することにより、第1画素電極(P1)と隣接した左側データ配線(Dn+1)との間に形成される容量結合値と、第2画素電極(P2)と隣接した左側データ配線(Dn+1)との間に形成される容量結合値とが同一になり、第1画素電極(P1)と隣接した右側データ配線(Dn+2)との間に形成される容量結合値と、第2画素電極(P2)と隣接した右側データ配線(Dn+2)との間に形成される容量結合値とが同一になるので、隣接したデータ配線(Dn+1、Dn+2)それぞれに印加される電圧が独立して変わっても、第1画素電極(P1)と第画素電極との間にかかる電圧に実質的な変動がなくなる。
【0027】
ただし、重畳する面積が完全に同一であるとき、厳密には、第1コンタクトホール(CT1)と第2コンタクトホール(CT2)および連結橋(CB)により、第1画素電極(P1)の寄生容量値が第2画素電極(P2)の寄生容量に比べてさらに若干大きくなるので、これを考慮して重畳する面積を調節することも可能である。
【0028】
一方、第1画素電極(P1)の左側骨組み電極(LBE1)は、第1コンタクトホール(CT1)を通じて連結橋(CB)と接続され、右側骨組み電極(RBE1)は第2コンタクトホール(CT2)を通じて連結橋(CB)と接続されることによって、左側骨組み電極(LBE1)と右側骨組み電極(RBE2)とが電気的に接続される。この時、電界が明確に定義されないため、透過率が相対的に劣る上下ドメインの境界領域に連結橋(CB)を形成することによって、透過率の損失を最少化することができる。
【0029】
このような構成により、第1画素電極(P1)と第2画素電極(P2)の寄生容量値を同一に維持すると共に、
図1の従来の構造と比べて、画素電極の形態および連結構造を単純化することができ、透過領域に発生するテクスチャーを大幅に減少することができる。
【0030】
図3は、
図2のE部分を拡大図示した平面図である。
【0031】
図3に示されているように、第2画素電極(P2)の可視電極(SE2)は、連結橋(CB)と交差する部分で連結橋(CB)の延長方向に沿って突出する突出部(PP)を含む。突出部(PP)の外郭線は、突出部(PP)を中心に両側に延びた可視電極(P2)の2つの部分とそれぞれ135°以上の鈍角をなして接続され、突出部(PP)に相当する部分は連結橋(CB)の幅より広く形成されており、第1画素電極(P1)の可視電極(SE1)と横電界を形成する。
【0032】
連結橋(CB)は、第1画素電極(P1)と接続されて、第1画素電極(P1)と同一の電位が印加されるので、前述したような突出部(PP)がない場合、連結橋(CB)と第1画素電極(P1)とが交差して鋭角をなす部分には十分な電界が形成されなくなる。したがって、一定の階調電圧が印加されても、この部分の液晶が初期配向状態(垂直配向)にあるようになって、これがテクスチャーとして視認されることとなる。したがって、本実施形態の構成のように、突出部(PP)を形成して突出部(PP)と第1画素電極(P1)との間に電界を形成することが好ましい。
【0033】
図4は、第2画素電極(P2)の可視電極(SE2)に突出部(PP)を形成した場合と形成しない場合のテクスチャーの発生程度を比較するためのシミュレーション図である。
【0034】
図4に示すように、突出部(PP)が形成されたG部分では黒く現れるテクスチャー領域が少ないが、突出部(PP)が形成されていないF部分では広い領域にわたってテクスチャーが発生する。
【0035】
図5は、
図2のD部分を拡大した平面図である。
【0036】
図5に示されているように、1つの画素の第2コンタクトホール(CT2)は隣接した画素の第1コンタクトホール(CT1)と上下に配置されている、データ配線(Dn+1)は、第2コンタクトホール(CT2)と第1コンタクトホール(CT1)とを回避してその間を通過するように配置されており、第1および第2コンタクトホール(CT1、CT2)によって画素電極(P1、P2)が突出した部分に沿って配置されることによって、開口率の減少を最少化する。
【0037】
また、図示するように、第2画素電極(P2)は、第1および第2コンタクトホール(CT1、CT2)の間を通過するように配置されるデータ配線(Dn+1)の周縁と重畳するように、その幅と傾斜方向が決定される。画素電極の上部が画素電極の間の領域より相対的に透過率が劣るので、上述した構成によってコンタクトホールによる開口率の損失を最少化することができる。
【0038】
万一、第1および第2コンタクトホール(CT1、CT2)が図における上下方向に配置されずに左右に配置された場合には、これらコンタクトホールによって透過領域が多く損失して、開口率の減少が相対的に大きくなる。また、データ配線(Dn+1)が、第1および第2コンタクトホール(CT1、CT2)の間を通過する方向が逆であった場合にも、データ配線(Dn+1)によって透過領域が多く損失して、開口率の減少が相対的に大きくなる。
【0039】
図6は、
図5のI−J線に沿った断面図である。
【0040】
以下、
図2および
図6を参照して、本実施形態による薄膜トランジスタ基板の層構造を説明する。
【0041】
まず、透明絶縁基板10の上に、ゲート配線(Gn、Gn+1)、第1および第2薄膜トランジスタ(T1、T2)のゲート電極、第1および第2基準電圧配線(V1、V2)、並びに連結橋(CB)を含む第1導電パターン20が形成される。
【0042】
第1導電パターン20は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよく、その他に、公知である構造及び材料、今後公知となる多様な構造および材料を用いることができる。
【0043】
第1導電パターン20の上には第1絶縁膜30が全面的に形成される。第1絶縁膜30も単層または多層とすることができ、公知の、または今後公知となる多様な構造および材料を用いることができる。
【0044】
第1絶縁膜30の上には第1および第2薄膜トランジスタ(T1、T2)のチャネルを含む半導体パターン40が形成される。一般に、半導体パターン40は、真性半導体パターンと、相対的に厚さの薄いオーミック半導体パターンの二重層で構成される。
【0045】
半導体パターン40の材料としては、アモルファスシリコンが一般的であり、その他、必要に応じてポリシリコン、酸化物半導体など半導体性質を有する全ての公知である、または今後公知になる多様な物質が適用できる。
【0046】
半導体パターン40の上にはデータ配線(Dn、Dn+1、Dn+2)、第1および第2薄膜トランジスタ(T1、T2)のドレイン電極およびソース電極を含む第2導電パターン50が形成される。第2導電パターン50も単層または多層構造とすることができ、その他、公知である、または今後公知になる多様な構造および材料を用いることができる。
【0047】
一方、
図6に示されているように、工程の選択によって第2導電パターン50の下部の全面にかけて半導体パターン40を形成することも可能である。このような構造は、一般に、第2導電層と半導体層を連続して積層した後、1つのマスクを通じて一括エッチングして、第2導電パターン50と半導体パターン40を同時に形成することができる。
【0048】
次に、第2導電パターン50の上に第2絶縁膜60を全面的に形成する。
【0049】
第2絶縁膜60も単層または多層とすることができ、公知である、または今後公知になる多様な構造および材料を用いることができる。
【0050】
第2絶縁膜60の上にはカラーフィルタ層70が形成される。カラーフィルタ層70は、一般的に、画素によって赤色、緑色、青色フィルタが反復的に配置される形態であり、必要に応じて他の多様な形態の組み合わせが可能である。
【0051】
カラーフィルタ層70も、公知である、または今後公知になる多様な構造および材料が適用可能である。
【0052】
図5に示したように、第1および第2コンタクトホール(CT1、CT2)を一列に配置する場合、カラーフィルタパターンを単純化することができるので、工程性が向上する。
【0053】
カラーフィルタ層70の上には第3絶縁膜80が形成される。第3絶縁膜80としては、SiNx、SiOxなどの無機絶縁膜が一般的であるが、その他に、公知である、または今後公知になる多様な構造および材料が適用できる。
【0054】
第3絶縁膜80の上には、第1および第2画素電極(P1、P2)および第1、第2、第3、第4、第5および第6コンタクトホール(CT1、CT2、CT3、CT4、CT5、CT6)の接触電極を含む第3導電パターン90が形成される。第3導電パターン90には、一般的に、ITO、IZOなどの透明導電物質が用いられ、その他に、公知である、または今後公知になる多様な構造および材料が適用可能である。
【0055】
本実施形態においては、画素電極(P1、P2)とデータ配線(Dn、Dn+1、Dn+2)との間にカラーフィルタ層70と第2絶縁膜60が位置するため、
図2に示されたように、画素電極(P1、P2)をデータ配線(Dn、Dn+1、Dn+2)と相当部分が重畳するように配置できるので、開口率を極大化することに有利である。
【0056】
万一、画素電極(P1、P2)とデータ配線(Dn、Dn+1、Dn+2)との間にカラーフィルタ層70および第3絶縁膜80がなくて、第2絶縁膜60だけを形成する場合には、上述した平面レイアウトの構成によって第1および第2画素電極(P1、P2)間の寄生容量の差に関する問題は解決できるものの、データ配線(Dn、Dn+1、Dn+2の全体寄生容量増加によって多様な問題が発生し、第1および第2画素電極(P1、P2)がデータ配線(Dn、Dn+1、Dn+2)と十分に重畳するように形成できないため、開口率を極大化することに対しても不利である。
【0057】
また、本実施形態のように、薄膜トランジスタをはじめとする配線構造とカラーフィルタが同一の基板に形成される場合、上下絶縁基板の間の整列誤差によって発生する不良および品質低下を最少化することができる長所がある。カラーフィルタ層70は、液晶表示装置の上下絶縁基板のうちの一方に少なくとも一度は形成しなければならない必須の層であるので、工程や材料が追加的に増加することでもない。
【0058】
一方、本実施形態においては、連結橋(CB)として第1導電パターン20を利用したが、これに限定されず、第2導電パターン50を含む他の導電パターンを利用することもできる。ただし、第2導電パターン50の場合、画素電極(P1、P2)との垂直距離が第1導電パターン20に比べて相対的に近くて、画素電極(P1、P2)間の電界に相対的にさらに大きいわい曲を与えうる。
【0059】
以上、上述した層構造を形成するためのフォトリソグラフィ工程を含む具体的な工程順序は、当業者によって多様に選択でき、これは公知された技術であるため詳細な説明は省略する。
【0060】
図7は、
図1の従来技術に係る薄膜トランジスタ基板を用いた液晶表示装置の透過率と、本実施形態に係る薄膜トランジスタ基板を用いた液晶表示装置の透過率とを比較するためのシミュレーション図である。図面を通じて確認できるように、従来技術に係る液晶表示装置の場合、H領域とD領域で激しいテクスチャーが発生する反面、本実施形態はそのような領域がないだけでなく、K領域の分だけ画素電極領域が広くなって、全般的に透過率が向上する。一方、本実施形態のJ領域の場合、連結橋によって開口率が減少するが、これに対応する従来構造のI領域も電界が明確に定義されないために透過率が劣る領域であるので、これによる透過率の減少は大きくない。
【0061】
[第2実施形態]
以下、
図8および
図9を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
【0062】
図8は、第2実施形態に係る薄膜トランジスタ基板の表示領域に位置した1つの画素を示した平面図であり、
図9は
図8のK−L線に沿った断面図である。第1実施形態の構成要素に対応する構成要素は同一の符号で表わした。
【0063】
本実施形態は、長方形状の画素構造である第1実施形態とは異なって、折曲構造の画素が適用された場合である。また、第1実施形態とは異なって、画素電極(P1、P2)とデータ配線(Dn、Dn+1)との間にカラーフィルタの代わりに有機膜70’が形成されている。
【0064】
折曲構造の画素の場合、画素電極(P1、P2)の間の電界方向と画素境界線が90度をなして、画素境界領域で発生するテクスチャーが最少化される長所がある反面、折曲構造によってデータ配線(Dn、Dn+1)の長さが増加してデータ配線(Dn、Dn+1)にかかる負荷が増加する短所がある。
【0065】
ただし、本実施形態のように画素電極(P1、P2)とデータ配線(Dn、Dn+1)との間に有機膜70’などを位置させて寄生容量を最少化する場合、データ配線(Dn、Dn+1)を折曲しないで画素電極(P1、P2)の下を直線状に通過するように構成することもできる。ただし、本発明のように第1および第2画素電極(P1、P2)と隣接した左右データ配線(Dn、Dn+1)間の寄生容量を同一にすることを目的とする場合には、そのような構成を適用しにくい。
【0066】
図8で確認できるように、本実施形態に係る画素電極(P1、P2)は、それぞれ上部水平電極(UHE1、UHE2)および下部水平電極(DHE1、DHE2)と、これから延長された垂直屈折電極(VBE1、VBE2)で構成される。垂直屈折電極(VBE1、VBE2)は画素の形状によって互いに一定の間隔をおいて平行に屈曲する形状で構成される。
【0067】
図面に明確に示していないが、垂直屈折電極(VBE1、VBE2)の間の間隔は、第1実施形態と同様に多様に決めることができる。
【0068】
第1画素電極(P1)は画素電極(P1、P2)の下を通過する連結橋(CB)を通じて左右が連結されるものであり、第2画素電極(P2)は中央に位置した垂直屈折電極(VBE2)を通じて上部水平電極(UHE2)と下部水平電極(DHE2)を連結することによって左右が連結される。
【0069】
第1画素電極(P1)の最左側の垂直屈折電極(VBE1)は隣接した左側データ配線(Dn)の上部と容量結合し、最右側の垂直屈折電極(VBE1)は隣接した右側データ配線(Dn+1)の下部と容量結合し、第2画素電極(P2)の最左側の垂直屈折電極(VBE2)は隣接した左側データ配線(Dn)の下部と容量結合し、最右側の垂直屈折電極(VBE2)は隣接した右側データ配線(Dn+1)の上部と容量結合する。
【0070】
この時、第1画素電極(P1)と第2画素電極(P2)を同一層に形成した状態で、第1画素電極(P1)の最左側の垂直屈折電極(VBE1)が隣接した左側データ配線(Dn)と重畳する面積を、第2画素電極(P2)の最左側の垂直屈折電極(VBE2)が隣接した左側データ配線(Dn)と重畳する面積と実質的に同一に形成し、第1画素電極(P1)の最右側の垂直屈折電極(VBE1)が隣接した右側データ配線(Dn+1)と重畳する面積を、第2画素電極(P2)の最右側骨組み電極(VBE2)が隣接した右側データ配線(Dn+1)と重畳する面積と実質的に同一に形成することにより、第1実施形態と同様に、隣接したデータ配線(Dn+1、Dn+2)それぞれに印加される電圧が独立的に変わっても、第1画素電極(P1)と第2画素電極との間にかかる電圧に実質的な変動がない。
【0071】
ただし、第1および第2コンタクトホール(CT1、CT2)と連結橋(CB)による効果は第1実施形態で説明したものと同一である。
【0072】
本実施形態の場合、第1実施形態のように連結橋(CB)と第2画素電極(P2)の交差部に突出部を形成するようになると、突出部と第2画素電極(P2)との間に形成される角が全て鈍角にならず、鋭角も含むようになる。これによって当該領域にテクスチャが形成されるようになるため、突出部を形成する実益がなくなる。
【0073】
一方、連結橋を中央に位置させなければ、第1、2画素電極の寄生容量を対称に構成するのが非常に難しくなるので、中央に形成するのが基本である。本実施形態は、画素が偶数回(2回)折曲した構造なので、電界方向が変わる境界線に連結橋(CB)が位置していないが、本実施形態とは異なって画素が奇数回折れる構造であれば、連結橋(CB)を電界の方向が変わる境界線のうちの中央に位置した境界線に形成することによって、透過率の減少を最少化することができる。
【0074】
その他の本実施形態による薄膜トランジスタ基板の各構成要素間の連結関係は第1実施形態と同様であり、具体的な説明は省略する。
【0075】
[第3実施形態]
以下、
図10および
図11を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。
【0076】
図10は、第3実施形態に係る薄膜トランジスタ基板の表示領域に位置した隣接した2つの画素を示した平面図であり、
図11は、
図10のM−N線に沿った断面図である。
【0077】
第1実施形態の構成要素に対応する構成要素は、同一の符号で表わした。
【0078】
本実施形態は、第3絶縁膜80の上に光遮断パターン100が形成されるのを除いては、第1実施形態とその構成が同一である。図示したように、光遮断パターン100は画素電極(P1、P2)によって電界が明確に定義されない領域の全体にわたって形成される。カラーフィルタ層70と光遮断パターン100を全て薄膜トランジスタ基板に形成する場合、上下板の誤整列問題を完全に解決することができる。
【0079】
本実施形態による薄膜トランジスタ基板の各構成要素間の連結関係は第1実施形態と変わらないので、具体的な説明は省略する。
【0080】
[第4実施形態]
以下、
図12および
図13を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。
【0081】
図12は、第4実施形態に係る薄膜トランジスタ基板の表示領域に位置した1つの画素を示した平面図であり、
図13は
図12のO−P線に沿った断面図である。第2実施形態の構成要素に対応する構成要素は同一の符号で表わした。
【0082】
本実施形態は基本的に第2実施形態と同一であるが、有機膜70’の上に光遮断パターン100を形成するという点で第2実施形態とは異なる。図示したように、光遮断パターン100は画素電極(P1、P2)によって電界が明確に定義されない領域の全体にかけて形成される。
【0083】
本実施形態による薄膜トランジスタ基板の各構成要素間の連結関係は第1実施形態と変わらないので、具体的な説明は省略する。
【0084】
[第5実施形態]
以下、
図14および
図15を参照して、本発明の第5実施形態について説明する。
【0085】
図14は、第5実施形態に係る薄膜トランジスタ基板の表示領域に位置した1つの画素を示した平面図であり、
図15は、
図14のQ−R線に沿った断面図である。第2実施形態の構成要素に対応する構成要素は同一の符号で表わした。
【0086】
本実施形態は基本的に第2実施形態と類似しているが、
図14に示したように、垂直屈折電極(VBE1、VBE2)が1回だけ屈曲し、連結橋(CB)が屈曲部に位置して透過率の減少が最少化される。
【0087】
第2画素電極(P2)の垂直屈折電極(VBE2)は連結橋(CB)と交差する部分で、連結橋(CB)の延長方向に沿って突出する突出部(PP)を含む。突出部(PP)の外郭線は、突出部(PP)を中心として両側に延びた垂直屈折電極(P2)の外郭線とそれぞれ135°以上の鈍角をなして連結され、突出部(PP)に相当する部分は連結橋(CB)の幅より広く形成されて第1画素電極(P1)の垂直屈折電極(VBE1)と横電界を形成する。
【0088】
また、
図15に示したように、本実施形態は第2実施形態および第4実施形態とは異なって有機膜70’がない。有機膜70’が除去されることに伴って、
図14で確認できるように、最外郭垂直屈折電極(VBE1、VBE2)と左右側データ配線(Dn、Dn+1)との間に一定の間隔を形成して、寄生容量を減少させる。
【0089】
その他に、各構成要素間の連結関係は第1実施形態と変わらないので、具体的な説明は省略する。
【0090】
以上、上述した本発明による薄膜トランジスタ基板は、上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態以外に他の種々の形態の画素構造と積層構造を有する薄膜トランジスタ基板にも多様な形態に変形して適用できるのはもちろんである。また、上述した実施形態においては、1つの導電層を通じて連結橋を構成したが、2つ以上の導電層を通じて連結橋を構成することも可能である。