(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
【0014】
本実施形態では、歯科医師が患者を診察・治療する際に用いる画面上に、歯周治療がどの段階まで進んでいるのかを視覚的に表示するものとする。
【0015】
図1は、本実施形態の歯周治療支援システム1の構成図である。図示する歯周治療支援システム1は、治療情報生成部11と、フロー生成部12と、表示部13と、処置データ記憶部15と、検査情報記憶部16と、変換テーブル17と、表示条件テーブル18と、基本フロー記憶部19とを備える。
【0016】
治療情報生成部11は、処置データ記憶部15の所定の患者の処置データから直近の歯周治療に関する処置データを抽出し、抽出した処置データを用いて歯周治療情報を生成する。
【0017】
フロー生成部12は、処置データ記憶部15の所定の患者の処置データを用いて、歯周治療のフローチャートにおける現在の治療項目と、過去に行った治療項目と、次に進むことが可能な治療項目とを特定し、特定した現在の治療項目の図形を第1の色で、過去に行った治療項目の図形を第2の色で、次に進むことが可能な治療項目の図形を第3の色で着色し、当該患者の治療状態に応じた歯周治療のフローチャートを生成する。また、フロー生成部12は、現在の治療項目または過去に行った治療項目に歯周組織検査が含まれている場合、当該歯周組織検査の治療項目の図形に、検査情報記憶部16から取得した対応する検査値を設定する。
【0018】
表示部13は、フロー生成部12が生成したフローチャートと、治療情報生成部11が生成した歯周治療情報とを、1つの画面で表示する。なお、表示部13は、フロー生成部12が生成したフローチャートのみを画面に表示することとしてもよい。
【0019】
処置データ記憶部15には、過去に行った歯科治療の処置データが患者毎に記憶される。検査情報記憶部16には、過去に行った歯周組織検査の検査情報が患者毎に記憶される。変換テーブル17は、各処置と分類とを対応付けたテーブルである。表示条件テーブル18は、歯周治療のフローチャートの各図形をどの色に着色するの条件が設定されたテーブルである。
【0020】
基本フロー記憶部19には、基本的な歯周治療の流れを示すフローチャート(以下、「基本フローチャート」という)が記憶されている。基本フローチャートには、歯周治療に必要な複数の治療項目(治療ステップ、治療段階)、および順番が表現されている。
【0021】
以上説明した歯周治療支援システム1は、少なくともCPU(中央演算装置)とメモリ(主記憶装置)とを備えた汎用的なコンピュータシステムを用いることができる。このコンピュータシステムにおいて、CPUがメモリ上にロードされた、歯周治療支援システム1用のプログラムを実行することにより、各機能が実現される。また、歯周治療支援システム1は、ハードディスク等の記憶装置と、入力装置と、ディスプレイやプリンタなどの出力装置とを備えるものとする。
【0022】
また、歯周治療支援システム1の各種処理を実行するプログラムは、メモリまたは記憶装置に格納されているものである。そして、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD、MOなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することも、ネットワークを介して配信することも可能である。
【0023】
図2は、基本フロー記憶部19に記憶される基本フローチャートの一例を示す図である。図示する基本フローチャートの歯周治療は、「初診」、「検査1(歯周組織検査1)」、「スケーリング」、「検査2(歯周組織検査2)」、「再スケーリング」、「SRP(スケーリング・ルートプレーニング)・PCur(歯周ポケット掻爬)」、「検査3(歯周組織検査3)」、「SRP・PCur」、「部分的再評価1」、「外科手術」、「部分的再評価2」、「検査4(歯周組織検査4)」、「STP(プラークコントロール、スケーリング、SRP等)」の各治療項目を示す図形(処理ボックス)から構成される。
【0024】
そして、本実施形態では、後述するように、過去に行った治療の処置データに基づいて、現在の歯周治療が図示する基本フローチャートのどの治療項目(段階)にあるのかを判定し、各治療項目の図形の色を変えて表示する。ここでは、一例として以下のように図形の色を設定するものとする。
【0025】
[ピンク] :過去に行った治療項目
[オレンジ]:現在、行っている治療項目
[ホワイト]:次に進むことができる治療項目
[グレー] :次に進むことができない治療項目
図3は、歯周治療支援システム1のディスプレイに表示される画面例である。図示する画面は、処置データ記憶部15の処置データに基づいて生成した治療情報31と、歯周治療の流れを示すフローチャート32とが、1つの画面で表示されている。治療情報31はは、治療情報生成部11に生成される最新の歯周治療に関する内容が表示される。
【0026】
フローチャート32には、フロー生成部12により基本フローチャート(
図2参照)を用いて生成されたフローチャートが表示される。すなわち、歯周治療の流れの中で当該患者の治療が現在どの段階にあるのかが視覚的に把握できるように、各図形が複数の色で色付けされたフローチャートが表示される。
【0027】
図示するフローチャート32では、検査2の図形34が現在の治療項目であって、当該治療項目であることを示す第1の色(例えば、オレンジ)で表示され、初診からスケーリングの図形33が過去の治療項目であって、当該治療項目であることを示す第2の色(例えば、ピンク)で表示され、スケーリングおよびSRP・PCurの図形35が次の治療項目であって、当該治療項目であることを示す第3の色(例えば、ホワイト)で表示され、検査3からSPTの図形36が次に進めない治療項目であって、当該治療項目であることを示す第4の色(例えば、グレー)で表示されている。
【0028】
次に、
図3に示す画面の生成処理について説明する。
【0029】
まず、
図3の治療情報31の生成処理について説明する。治療情報生成部11は、処置データ記憶部15の中から、直近の歯周治療に関する処置データを抽出し、抽出した処置データを用いて治療情報31を生成する。
【0030】
図4は、処置データ記憶部15に記憶される処置データの一例を示すものである。処置データ記憶部15には、患者毎に、当該患者に対して過去に行った処置(治療)の内容が記憶されている。図示する処置データは、処置を行った日付、処置を行った部位、登録行番号、処置項目名称、点数などが含まれる。
【0031】
登録行番号は、処置毎にあらかじめ定められた番号であって、歯科医が各処置を処置データ記憶部15に登録する際に、対応する登録行番号が設定される。
【0032】
治療情報生成部11は、処置データ記憶部15を参照し、対象となる患者の処置データの中から歯周治療を行った最新(直近)の日の処置データを抽出する。その際に、治療情報生成部11は、変換テーブル17を用いて歯周治療に関する処置データか否かを判別する。
【0033】
図5は、変換テーブル17の一例を示す図である。図示する変換テーブル17は、登録行番号、処置項目名称、歯周治療フラグ、歯周治療の分類が記憶されている。歯周治療フラグは、対応する登録行番号の処置が、歯周治療に関する処理であるか否かを示すフラグである。例えば、歯周治療フラグに「1」が設定されている場合は歯周治療に関する処置であり、歯周治療フラグに「0」が設定されている場合は歯周治療以外の処置であるものとする。
【0034】
歯科治療の分類は、各処置データを所定のカテゴリーに分類するものであって、フローチャートの生成に必要なものである。具体的には、基本フローチャートにおける各治療項目が、過去の治療項目、現在の治療項目、次の治療項目等であるかを判別するために用いるものである。本実施形態では、「1検査」、「2部分的再評価」、「3SC(スケーリング)」、「4SRP・PCur」、「5歯周外科」、「6SPT」の6つのカテゴリーに分類するものとする。
【0035】
治療情報生成部11は、処置データの最新の日付けの各登録行番号毎に、当該登録行番号を検索キーとして変換テーブル17を検索し、当該登録行番号に対応する歯周治療フラグを取得する。そして、少なくとも1つの登録行番号の歯周治療フラグが歯周治療であることを示す場合、当該日付けの処置データを用いて治療情報31を生成する。
【0036】
いずれの登録行番号の歯周治療フラグも歯周治療以外であることを示す場合、次に新しい日付けの各登録行番号毎に、当該登録行番号を検索キーとして変換テーブル17を検索し、当該登録行番号に対応する歯周治療フラグを取得し、少なくとも1つの登録行番号の歯周治療フラグが歯周治療であることを示す場合、当該日付けの処置データを用いて治療情報31を生成する。なお、全ての日付けで歯周治療に関する処置データが存在しない場合は、最新の日付けの処置データを用いて治療情報31を生成する。
【0037】
次に、
図3のフローチャート32(歯周治療の流れ)の生成処理について説明する。
【0038】
図6は、歯周治療の流れのフローチャート32の生成処理を説明するためのフロー図である。まず、フロー生成部12は、基本フロー記憶部19に記憶された基本フローチャート(テンプレート)を読み出す(S11)。
【0039】
そして、フロー生成部12は、変換テーブル17を用いて、処置データ記憶部15から対象となる患者の歯周治療に関する処置データおよび初診の処置データを抽出する(S12)。歯周治療に関する処置データについては、フロー生成部12は、当該患者の処置データ毎に、当該処置データの登録行番号を検索キーとして変換テーブル17を検索し、対応する歯周治療フラグが歯周治療であることを示す処置データを全て抽出する。
【0040】
また、フロー生成部12は、抽出した各処置データに、変換テーブル17の対応する登録行番号のレコードのデータを付加した付加後の処置データを、図示しない付加後処置データ記憶部に記憶する。すなわち、
図4に示す処置データに、
図5に示す分類などが付加され処置データが付加後処置データ記憶部に記憶される。
【0041】
そして、フロー生成部12は、S12で抽出し、付加後処置データ記憶部に記憶した処置データに基づいて、S11で読み出した基本フローチャートの各治療項目の図形(ボックス)に設定する色を決定し、決定した色で基本フローチャートの各図形を着色する(S13)。ここでは、表示条件テーブル18を用いて、現在の治療項目と、過去に行った治療項目と、次に進むことが可能な治療項目とを特定し、それぞれ異なる色で特定した各治療項目の図形を着色するものとする。なお、その他の治療項目(次に進むことができない治療項目)については、所定の色を着色するものとする。
【0042】
フロー生成部12は、付加後処置データ記憶部の処理データを現在から過去に遡って読み込み、表示条件テーブル18のいずれかの条件を満たすパターンに設定された色で着色する。
【0043】
図7から
図11は、表示条件テーブルの一例を示すものである。
図7から
図11に示する表示条件テーブルでは、パターン1からパターン13まで設定されている。例えば、パターン1では、初診の処置データが存在するが、歯周治療に関する処置データが存在しない場合(付加後処置データ記憶部に初診の処置データのみが存在する場合)、現在の治療項目は「初診」であると判別し、「初診」の図形を現在の治療項目の色(例えばオレンジ)に、「検査1」の図形を次に進むことができる治療項目の色(例えばホワイト)に、「スケーリング」以下の全ての図形を次に進むことができない治療項目の色(例えばグレー)に決定し、着色する。
【0044】
なお、初診の処置データが存在しない場合、すなわち、処置データ記憶部15に対象となる患者の処置データが存在しない場合、現在の治療項目はないと判別し、「初診」の図形を次に進むことができる治療項目の色(例えばホワイト)に、「検査1」以下の全ての図形を次に進むことができない治療項目の色(例えばグレー)に決定し、着色する。
【0045】
また、パターン2では、付加後処置データ記憶部の処置データを現在から過去に遡って読み込み、初診の処置データまでの間に歯周治療の分類が「1検査」の処置データのみが存在する場合、現時点の治療項目は「検査1」であると判別し、「初診」の図形を過去の治療項目の色(例えばピンク)に、「検査1」の図形を現在の治療項目の色(例えばオレンジ)に、「スケーリング」の図形を次に進むことができる治療項目の色(例えばホワイト)に、「検査2」以下の全ての図形を次に進むことができない治療項目の色(例えばグレー)に決定し、着色する。
【0046】
また、パターン3では、付加後処置データ記憶部の処置データを現在から過去に遡って読み込み、歯周治療の分類が「3SC(スケーリング)」の処置データが最初に検出され、当該処置データから初診の処置データまでの間に歯周治療の分類が「1検査」の処置データが1件のみ存在する場合、現在の治療項目は「スケーリング」であると判別する。そして、「初診」および「検査1」の図形を過去の治療項目の色(例えばピンク)に、「スケーリング」の図形を現在の治療項目の色(例えばオレンジ)に、「検査2」の図形を次に進むことができる治療項目の色(例えばホワイト)に、「再スケーリング」以下の全ての図形を次に進むことができない治療項目の色(例えばグレー)に決定し、着色する。
【0047】
また、パターン4では、付加後処置データ記憶部の処置データを現在から過去に遡って読み込み、歯周治療の分類が「1検査」の処置データが最初に検出され、当該処置データから初診の処置データまでの間に歯周治療の分類が「1検査」の他の処置データがさらに検出され、最初の「1検査」の処置データと他の「1検査」の処置データとの間に、歯周治療の分類が「3SC」の処置データが存在する場合、現在の治療項目は「検査2」であると判別する。そして、「初診」から「スケーリング」までの図形を過去の治療項目の色(例えばピンク)に、「検査2」の図形を現在の治療項目の色(例えばオレンジ)に、「再スケーリング」および「SRP・PCur」の図形を次に進むことができる治療項目の色(例えばホワイト)に、「検査3」以下の全ての図形を次に進むことができない治療項目の色(例えばグレー)に決定し、着色する。
【0048】
パターン5からパターン13の表示条件についても、
図7から
図11の表示条件テーブルに記載されているとおりである。なお、パターン1からパターン13のいずれの表示条件にも該当しない場合、全ての治療項目の図形を所定の色(例えば「グレー」)に決定する。
【0049】
そして、フロー生成部12は、基本フローチャートの「初診」、「検査1」から「検査4」、「部分的再評価1」、「部分的再評価2」および「SPT」の各図形については、これらの図形が、S13で過去の治療項目または現在の治療項目であると判別された場合、日付けおよび検査値を図形に設定する(S14)。
【0050】
検査値は、次の治療項目(治療段階)に進むか否かを歯科医師が判断するために必要な歯周検査値であって、
図2および
図3に示する例では、PCR、EPPおよび出血点とする。検査値は、検査情報記憶部16に記憶されており、処置データと、検査情報記憶部16に記憶された検査値とは、患者コード、日付けなどにより紐付け(対応付け)られている。
【0051】
なお、PRC(プラークコントロールレコード)は、磨き残しを%で表示するものであり、検査情報記憶部16から取得したPRC値(%)をそのまま設定する。EPPは、ポケットの深さを表し、取得したEPP値のうち1つでも4mm以上のEPP値が存在する場合は(+)を設定し、4mm以上のEPP値が1つも存在しない場合は(−)を設定する。出血点については、出血点が1つでも存在する場合は(+)を設定し、出血点が1つも存在しない場合は(−)を設定する。
【0052】
具体的には、「初診」の図形については、フロー生成部12は、付加後処置データ記憶部の中から、最新の初診の治療データの日付けを設定する。
【0053】
「検査1」の図形については、フロー生成部12は、付加後処置データ記憶部を初診の処置データから現在に向かって分類「3SC」の処置データが検出されるまで検索し、その中で最新の日付けの分類「1検査」の処置データに対応する検索値(PCR、EPP、出血点)を検査情報記憶部16から取得し、当該処置データの日付けとともに「検査1」の図形に設定する。
【0054】
「検査2」の図形については、フロー生成部12は、付加後処置データ記憶部を初診の処置データから現在に向かって検索し、「1検査」の処置データおよび分類「3SC」の処置データを検出した後、分類「4SRP・PCur」の処置データが検出されるまで間で最新の日付けの分類「1検査」の処置データに対応する検索値(PCR、EPP、出血点)を検査情報記憶部16から取得し、当該処置データの日付けとともに「検査2」の図形に設定する。
【0055】
「検査3」の図形については、フロー生成部12は、付加後処置データ記憶部を初診の処置データから現在に向かって検索し、分類「4SRP・PCur」の処置データを検出してから分類「2部分的再評価」、「5歯周外科」または「6SPT」の処置データが検出されるまで間で最新の日付けの分類「1検査」の処置データに対応する検索値(PCR、EPP、出血点)を検査情報記憶部16から取得し、当該処置データの日付けとともに「検査3」の図形に設定する。
【0056】
「検査4」の図形については、フロー生成部12は、付加後処置データ記憶部を初診の処置データから現在に向かって検索し、分類「2部分的再評価」、「5歯周外科」または「6SPT」の処置データを検出した後の最新の日付けの分類「1検査」の処置データに対応する検索値(PCR、EPP、出血点)を検査情報記憶部16から取得し、当該処置データの日付けとともに「検査4」の図形に設定する。
【0057】
「部分的再評価1」の図形については、フロー生成部12は、付加後処置データ記憶部を初診の処置データから現在に向かって検索し、分類「4SRP・PCur」の処置データを検出してから分類「5歯周外科」または「1検査」の処置データが検出されるまで間で最新の日付けの分類「2部分的再評価」の処置データに対応する検索値(EPP、出血点)を検査情報記憶部16から取得し、当該処置データの日付けとともに「部分的再評価1」の図形に設定する。
【0058】
「部分的再評価2」の図形については、フロー生成部12は、付加後処置データ記憶部を初診の処置データから現在に向かって検索し、分類「5歯周外科」の処置データを検出してから「1検査」の処置データが検出されるまで間で最新の日付けの分類「2部分的再評価」の処置データに対応する検索値(EPP、出血点)を検査情報記憶部16から取得し、当該処置データの日付けとともに「部分的再評価2」の図形に設定する。
【0059】
「SPT」の図形については、フロー生成部12は、付加後処置データ記憶部を初診の処置データから現在に向かって検索し、最新の日付けの分類「6SPT」の処置データの日付けを「SPT」の図形に設定する。
【0060】
なお、上述した検査値が設定された図形をクリックした場合、フロー生成部12は、詳細な検査情報を検査情報記憶部16から取得し、
図12に示すような検査情報を画面上に表示するものとする。
【0061】
そして、フロー生成部12は、基本フローチャートの「スケーリング」、「再スケーリング」、「SRP・PCur」および「外科手術」の各図形については、これらの図形が、S13で過去の治療項目または現在の治療項目であると判別された場合、処置データの部位を参照して治療を行った部位を当該図形に設定する(S15)。
図13は、基本フローチャートの「スケーリング」の治療を行った部位の表示例である。
【0062】
なお、「スケーリング」については、「検査1」と「検査2」の間に存在する付加後処置データ記憶部の処置データであって、分類「3SC」の処置データの部位を合体したものである。「再スケーリング」については、「検査2」と「検査3」の間に存在する付加後処置データ記憶部の処置データであって、分類「3SC」の処置データの部位を合体したものである。「SRP・PCur」については、「検査2」と「検査3」の間に存在する付加後処置データ記憶部の処置データであって、分類「4SRP・PCur」の処置データの部位をSRP毎、PCur毎に合体したものである。「再SRP・PCur」については、「検査3」と「検査4」の間に存在する付加後処置データ記憶部の処置データであって、分類「4SRP・PCur」の処置データの部位をSRP毎、PCur毎に合体したものである。「外科手術」については、「検査3」の以降の付加後処置データ記憶部の処置データであって、分類「5歯周外科」の最新の処置データの部位である。
【0063】
以上説明した本実施形態の歯周治療支援システム1では、処置データ記憶部15および変換テーブル17を用いて、歯周治療の流れのフローチャートの各図形を色付けするなどして、患者の歯周治療が現在どの段階にあるのかを視覚的に把握できるようにする。これにより、歯科医師は、診療前に歯周治療がどの段階まで進んでいるかを容易に短時間で把握することができ、これに基づいて今後の歯周治療の方針を決定することができる。すなわち、本実施形態の歯周治療支援システム1は、患者の治療状態に応じた歯周治療のフローチャートを生成し、歯科医師の治療治療を支援することができる。
【0064】
また、本実施形態では、歯周治療の流れのフローチャートと、直近の歯周治療に関する治療内容とを1つの画面で表示することにより、歯周治療がどの段階まで進んでいるかだけでなく、前回の歯周治療の内容を把握できるため、迅速に今回の治療内容を決定することができる。
【0065】
また、本実施形態では、歯周治療の流れのフローチャートにおける「検査」の図形に、過去に行った歯周検査の検査値を設定することで、次の治療項目(治療段階)に進むか否かの判断に役立てることができる。
【0066】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができる。例えば、上記実施形態では、
図3に示すように、フロー生成部12が生成したフローチャート32と、治療情報生成部11が生成した治療情報31とを1つの画面で表示することとしたが、フロー生成部12が生成したフローチャート32のみを画面に表示することとしてもよい。
【0067】
また、
図14に示すように、
図3に示すフローチャート32の部分を、フローチャートだけでなく日付けと治療内容と示す部分とに分けて表示することとしても良い。フローチャートの部分については、上記実施形態と同様に処置データに基づいて、現在の治療項目等を判別して着色する。そして、日付けと治療内容と示す部分についても、フローチャートと同様に着色するものとする。例えば現在の治療項目が「スケーリング」の場合、フローチャートおよび日付けと治療内容と示す部分の「スケーリング」を例えばオレンジで着色し、フローチャートおよび日付けと治療内容と示す部分の「基本治療」を例えばピンクで着色する。