特許第5683196号(P5683196)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5683196
(24)【登録日】2015年1月23日
(45)【発行日】2015年3月11日
(54)【発明の名称】構造用接着テープ
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/02 20060101AFI20150219BHJP
   C09J 133/08 20060101ALI20150219BHJP
【FI】
   C09J7/02 Z
   C09J133/08
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2010-223487(P2010-223487)
(22)【出願日】2010年10月1日
(65)【公開番号】特開2011-80061(P2011-80061A)
(43)【公開日】2011年4月21日
【審査請求日】2013年5月30日
(31)【優先権主張番号】10 2009 048 036.6
(32)【優先日】2009年10月2日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】509120403
【氏名又は名称】テーザ・ソシエタス・ヨーロピア
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・プレンツェル
(72)【発明者】
【氏名】マティアス・ハインス
(72)【発明者】
【氏名】エスター・フォン・ポッセル
(72)【発明者】
【氏名】カイ・ブランデス
【審査官】 澤村 茂実
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0118751(US,A1)
【文献】 特開昭56−159270(JP,A)
【文献】 特開2001−234147(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘弾性第一ポリマー層と、粘弾性第一ポリマー層の上面の第二ポリマー層および下面の第三ポリマー層とを含む両面接着テープにおいて、
粘弾性第一ポリマー層が、
65〜97重量%のエチルヘキシルアクリレートおよび/またはブチルアクリレート、 0〜30重量%のメチルアクリレート、
3〜15重量%のアクリル酸
のモノマー組成物の重合によって得ることができるポリマーをベースにしており、
粘弾性第一ポリマー層が架橋しており、
第二ポリマー層が、
85〜95重量%のエチルヘキシルアクリレートおよび/またはブチルアクリレート、 5〜15重量%のアクリル酸
のモノマー組成物の重合によって得ることができるポリマーをベースにしており、
第二ポリマー層が、0.4重量%までの量で少なくとも1つのエポキシシクロヘキシル誘導体を加えながら促進剤なしで熱架橋されていることを特徴とする接着テープ。
【請求項2】
第三ポリマー層が、
85〜95重量%のエチルヘキシルアクリレートおよび/またはブチルアクリレート、 5〜15重量%のアクリル酸
のモノマー組成物の重合によって得ることができるポリマーをベースにしており、
前記第三ポリマー層が、少なくとも1つのエポキシシクロヘキシル誘導体を加えながら促進剤なしで熱架橋されていることを特徴とする、請求項1に記載の接着テープ。
【請求項3】
第二および第三ポリマー層が、それぞれの層を構成する化学成分に関して同一であることを特徴とする、請求項1または2に記載の接着テープ。
【請求項4】
厚さが少なくとも300μmであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項5】
厚さが少なくとも少なくとも500μmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項6】
厚さが少なくとも1000μmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項7】
第二および/または第三ポリマー層が粘着樹脂が添加されていないことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項8】
1つまたは複数の感圧接着剤層を架橋するためのエポキシシクロヘキシル誘導体が、エポキシシクロヘキシルカルボキシレートであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項9】
1つまたは複数の感圧接着剤層を架橋するためのエポキシシクロヘキシル誘導体が、(3,4−エポキシシクロヘキサン)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレートであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項10】
接着テープの1つの面がまたは両方の面が、それぞれ少なくとも10N/cm以上の鋼への接着力を有することを特徴とする、請求項1〜のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項11】
接着テープの1つの面がまたは両方の面が、それぞれ少なくとも15N/cm以上の鋼への接着力を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項12】
接着テープの1つの面がまたは両方の面が、それぞれ少なくとも17N/cm以上の鋼への接着力を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項13】
粘弾性第一ポリマー層、および粘弾性第一ポリマー層の上面および下面に第二ポリマー層を備えた両面接着テープの製造方法において、
58〜65重量%のエチルヘキシルアクリレート、
28〜35重量%のブチルアクリレート、
5〜15重量%のアクリル酸
のモノマー組成物の重合によって得ることができるポリマーをベースにした少なくとも1つの感圧接着剤層を、架橋剤として0.4重量%までの量で少なくとも1つのエポキシシクロヘキシル誘導体を使用して促進剤なしで熱架橋することを含む製造方法。
【請求項14】
1つまたは複数の感圧接着剤層を架橋するためのエポキシシクロヘキシル誘導体が、エポキシシクロヘキシルカルボキシレートであることを特徴とする、請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
1つまたは複数の感圧接着剤層を架橋するためのエポキシシクロヘキシル誘導体が、(3,4−エポキシシクロヘキサン)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレートであることを特徴とする、請求項13に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持層(中間層)およびこの支持層の少なくとも片面に配置された感圧接着剤層を含む、片面および特に両面の接着テープに関する。この接着テープは、少なくとも感圧接着剤側で非常に高い接着力を備えている。
【背景技術】
【0002】
例えば建築業界、技術製品の工業製造または組立の目的などさまざまな応用分野において、厚いが非常に接着性の強い接着テープ(いわゆる「構造用接着テープ」)がますます必要とされている。接着はしばしば屋外領域で実施されるかまたは接着された製品が屋外の天候の影響下に置かれるため、この種の接着テープの特性に対する期待は往々にして高い。そのため、接着は強力で耐久性および耐候性がなければならず、高い耐湿性、耐熱性および耐湿熱性がしばしば要求され、有利には接着テープが接着部または接着すべき基材の凹凸を補正することができ、厚い接着テープにも高い透明性が求められることが増えている(例えばガラスや透明プラスチックのような透明素材の接着分野)。
【0003】
この種の目的に使用される接着テープには通常、接着剤が施されているが、その接着技術的特性を非常にうまく調整しなければならない。つまり、凝集性、粘着性(「タック」とも呼ばれる)、流れ特性および他の特性を非常に正確に調整しなければならない。感圧接着剤の技術的成形はこれらの特性に影響を与え、個々の特性にしばしば反対の効果を及ぼすので、通常調整は困難であるか、または結果として妥協せざるを得ない。
【0004】
さらに、特に、非常に厚い接着テープでは、非常に均質な接着テープを提供することはしばしば困難である。なぜなら、加工上の制限により、非常に厚い接着テープはしばしば層を貫いてそれほど均質ではないからである。
【0005】
しかしこの特性も望ましくない。なぜなら、その層厚および製造とは無関係に明確に定義された特性を備えた接着テープが必要とされることが多いからである。
【0006】
感圧接着用途に適した粘弾性特性を備えた物質は、機械的変形時に粘性流動も弾性復元力も構成することを特色とする。2つのプロセスはそれぞれの成分に関して、考察する物質の正確な組成、構造および架橋度、ならびに変形の速度および期間と温度に依存して、互いに特定の関係にある。
【0007】
粘性流動成分は、接着を実現するために必要である。比較的大きな可動性をもつ高分子によって引き起こされる粘性成分だけが、接着すべき基材上で良好な濡れおよび流れ特性を可能にする。粘性流動成分が高い場合、高い自己接着性(感圧接着性またはタックとも呼ばれる)が、したがってしばしば高い接着力ももたらされる。強く架橋した系、結晶状またはガラス状の凝固したポリマーは、流動性成分が不足しているため通常は自己接着性がない。
【0008】
弾性復元力成分は、凝集性を実現するために必要である。これは例えば非常に長鎖の、強く絡まった、および物理的または化学的に架橋した高分子によって引き起こされ、接着結合を攻撃する力を伝達することを可能にする。弾性復元力部分は、例えば永続的なせん断負荷の形で接着結合に作用する持続負荷に対して、接着結合が長期間にわたって十分な程度に持ちこたえることができるという結果をもたらす。
【0009】
感圧接着剤が基材から流出する(流れ落ちる)のを防止するため、および接着結合中での感圧接着剤の十分な安定性を保証するために、感圧接着剤には十分な凝集性が必要である。その反面、感圧接着剤は、良好な接着特性を得るためには、他方で基材上に流れ広がり、かつ基材表面の十分な濡れを保証する能力がなければならない。接着継目内部(感圧接着剤層内部)の破壊を回避するために、加えて感圧接着剤にはある種の弾性が必要である。
【0010】
接着テープの感圧接着剤が十分な凝集性を得るために、感圧接着剤は一般に架橋している、つまり個々の高分子が架橋結合によって互いに結び付いている。この架橋は、さまざまな方法で起こすことができ、物理的および化学的(熱による)架橋方法がある。
【0011】
均質な接着テープを製造するためには、ポリマーを熱によって架橋することが有利である。厚い層でも均一に熱エネルギーを供給することは簡単に行うことができる。反対に、化学放射(例えば紫外線、電子線)によって架橋された層は、架橋した層を貫く架橋プロファイルを示す。放射が限られた侵入深度にしか層内に入り込まないことからこの架橋プロファイルが生じ、加えて、その際、放射の強度は吸収プロセスの故に侵入深度が増すにつれて低下する。したがって、放射線架橋させた接着剤層の外側に位置している領域は、それよりも内側に位置した領域よりも強く架橋し、架橋強度は内に向かって低下する。特に、厚い層ではこの効果は非常に顕著である。
【0012】
方法技術的な原因により、非常に厚いポリマー層は、ポリマー溶液からよりもポリマー溶融物(いわゆるホットメルト)からの方が格段にうまく製造できる。これらの層は溶融物からコーティングによって作成され、後続の熱架橋を開始するための熱架橋剤を均質に分配するためには架橋剤をコーティング前に添加しなければならないので、熱架橋剤がポリマー溶融物を製造するための高温にさらされ、それゆえにすでに架橋前から非制御のポリマー架橋(いわゆるゲル化)がもたらされるという問題が生じる。このようなゲル化を大幅に抑制するために、ホットメルト法では通常非常に反応性の低い架橋剤が、コーティングの直前に使用される。しかしそれにもかかわらず、コーティング後に申し分のない架橋結果を得るために、それ以外にいわゆる「促進剤」が混合される。
【0013】
溶液からコーティングされた、熱架橋すべきポリマー系においても、促進剤の添加は有意義であり、しばしば実行される。熱によって開始される架橋過程は、通常、施された層から溶剤が熱によって除去されること(すなわち接着剤層の乾燥)を伴う。溶剤の除去速度が速すぎると、うまく形成されなかった、不均等で不均質な層が生成される。なぜなら急速過ぎる乾燥は例えば気泡生成をもたらすからである。このような理由から、乾燥は中程度の温度で実施される。それにもかかわらず、この温度でも十分急速に進行する良好な架橋を保証するために、溶剤系にも、通常は促進剤が加えられる。
【0014】
結果として生じる層の厚さがあまり厚くないため、塗布されるポリマー溶液の粘性が(ほとんど溶剤を含まない溶融物と比較して)高くても重大な問題を伴わない場合には、溶液からなされるコーティングがしばしば好ましい。
【0015】
促進剤または促進作用のある物質としては、特に、プロトン受容体、電子対供与体(ルイス塩基)および/または電子対受容体(ルイス酸)が使用される。促進剤とは、本発明に従った十分な反応速度をもたらすという点で架橋反応を支援する化合物または化学物質である。このことは、特に触媒的に(架橋反応の活性化により)、および/または架橋剤物質または架橋すべき高分子の官能基を、高分子同士の(架橋結合、網状結合)または別の官能基との結合反応という意味で反応可能な官能基に転換することによって起こる。
【0016】
促進剤自体は、そのような結合反応に参加しない(つまりそれ自体は架橋しない)が、最終的にはそれ自体が、反応生成物の形でまたは断片の形で網状構造に組み込まれるかまたは網状構造と結合することがあり得る。したがって促進剤は架橋反応の反応動力学の大幅な改善に寄与する。
【0017】
それとは逆に、架橋剤はそれ自体の官能基によって、網状構造形成のための架橋結合をもたらす反応、特に付加反応または置換反応に参加することができる物質、または(例えば上記の促進作用または他のプロセス過程によって)架橋反応の枠内で架橋すべきポリマーの高分子間で対応する架橋結合をもたらす官能基に転換される官能基をもつ物質である。
【0018】
促進剤なしでの架橋反応は、選択された反応パラメータのもと、この場合は特に、ポリアクリレートの融点を下回る温度では、全く進行しないか不十分にゆっくりとしか進行しない。架橋剤として使用される多くのエポキシドは、その性質上どちらかと言えば不活性であり、その結果エポキシドは促進剤なしでは満足な架橋結果をもたらさない。
【0019】
プロトン供与体、特にカルボン酸またはカルボン酸基またはその脱プロトン化した誘導体は、本発明の意味では促進剤とは見なされない。
【0020】
しかし、感圧接着剤内に促進剤が存在すると不利である。特に、例えばアミンなどの窒素含有促進剤は、酸化プロセスにより、時間の経過と共に黄変する傾向があり、その結果、この種の促進剤系は、特に、例えば光学用途で使用される透明な感圧接着剤には不都合または不適切である。
【0021】
塩類のまたは塩を形成する促進剤(特に塩基性の促進剤)は、例えば前述のアミンまたは塩化亜鉛も、生成物の保湿能の向上をもたらす。なぜなら塩は通常吸湿特性を備えているからである。特に、意図されている使用分野の故に非常に高い耐湿熱性を備えているべき感圧接着剤には、この種の促進剤は不適切である。
【0022】
したがって、特に空気と接触する層向けの感圧接着剤としてのポリアクリレートの熱架橋が、促進剤を混合せずに達成されることが目指される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】欧州特許出願公開第05792143号
【非特許文献】
【0024】
【非特許文献1】Polymer、1967年第8号、381ページ以降
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明の課題は、特に強接着性の両面感圧接着テープ向けの、アクリレートベースの熱架橋したポリマー(特に感圧接着剤)を提供することである。架橋したポリアクリレートは、黄変傾向が非常に小さいが、高い耐湿熱性を備えているのが有利である。
【0026】
このポリアクリレートは、非常に好ましくはホットメルト法で製造可能、加工可能および/または特にコーティング可能であり、それにもかかわらず熱架橋に適している。
【0027】
本発明の課題はさらに、上記のポリアクリレートを使用して強接着性の接着テープを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明の対象は、ポリアクリレート、特に、モノマー混合物の重合によって得られ、アクリル酸を少なくとも5重量%含むポリアクリレート感圧接着剤の架橋方法であり、その際ポリアクリレートの架橋のための架橋剤として少なくとも1つのエポキシシクロヘキシル誘導体が、促進剤なしで使用される。したがって、架橋すべきポリマーには、促進剤、特にプロトン受容体、電子対供与体(ルイス塩基)および/または電子対受容体(ルイス酸)が存在せず、特に添加されていない。この場合、存在しないとは特に、外部から添加された(すなわち重合導入されていない、またはポリマー骨格に組み込まれていない)促進剤に関することであるが、外部から添加されもせず、重合もしていないことが特に好ましく、促進剤が全く存在しないことが極めて好ましい。
【0029】
前述のように架橋したポリアクリレートは、弾性成分が80%を、好ましくは85%を、非常に好ましくは90%を超えているのが有利である。
【0030】
弾性成分に関するあらゆるデータは、本明細書の実験の部に示された測定方法H3に従って求めた値に関係している。そのためにポリマー層は、本発明による接着テープ内に存在するポリマー層に対応して単独層として厚さ23μmのPETフィルム上で方法H3に従って測定され、弾性成分が決定される。
【0031】
さらに本発明の対象は、上面および下面を有する少なくとも1つの第一粘弾性ポリマー層と、粘弾性ポリマー層の上面にあり特に第一ポリマー層に直接接している少なくとも1つの第二ポリマー層とを含む、接着テープであって、
−粘弾性ポリマー層は、
65〜97重量%のエチルヘキシルアクリレートおよび/またはブチルアクリレート、
0〜30重量%のメチルアクリレート、
3〜15重量%のアクリル酸
のモノマー組成物の重合によって得ることができるポリアクリレートをベースとし、
粘弾性ポリマー層が架橋しており、
−第二ポリマー層は、
85〜95重量%のエチルヘキシルアクリレートおよび/またはブチルアクリレート、
5〜15重量%のアクリル酸
のモノマー組成物の重合によって得ることができるポリマーをベースとし、
第二ポリマー層はエポキシシクロヘキシル誘導体を加えながら促進剤なしで、特に、プロトン受容体、電子対供与体、(ルイス塩基)および/または電子対受容体(ルイス酸)なしで熱架橋されている、接着テープである。
【0032】
第二ポリマー層は、少なくとも形成された接着テープ結合内で外側に向けて感圧接着特性を有するので、第二ポリマー層は以下で感圧接着剤層とも呼ぶ。
【0033】
本発明は、上面および下面を有する第一粘弾性ポリマー層(さらに両面接着テープでは「中間層」とも呼ばれる)と、中間層の上面にある第二ポリマー層および中間層の下面にある第三ポリマー層を含む、特に両面の接着テープであって、
−粘弾性中間層は、
65〜97重量%のエチルヘキシルアクリレートおよび/またはブチルアクリレート、
0〜30重量%のメチルアクリレート、
3〜15重量%のアクリル酸
のモノマー組成物の重合によって得ることができるポリアクリレートをベースとし、
粘弾性中間層が架橋しており、
−少なくとも第二ポリマー層は、
85〜95重量%のエチルヘキシルアクリレートおよび/またはブチルアクリレート、
5〜15重量%のアクリル酸
のモノマー組成物の重合によって得ることができるポリマーをベースとし、
第二ポリマー層は、エポキシシクロヘキシル誘導体を加えながら促進剤なしで、特に、プロトン受容体、電子対供与体、(ルイス塩基)および/または電子対受容体(ルイス酸)なしで熱架橋されている、接着テープである。
【0034】
この場合も、第二ポリマー層は感圧接着剤層であり、したがって少なくとも形成された接着テープ結合内で外側に向けて感圧接着特性を有する。
【0035】
さらに、第三ポリマー層も両面接着テープ内で非常に好ましくは接着性特性を、特に感圧接着性特性を備えている。
【0036】
本発明による接着テープの第二ポリマー層面における(すなわち接着テープ上面での接着力)鋼への接着力は(鋼への接着力のすべての詳細は、本明細書の実験の部に示された90°接着力試験;測定方法V1;によって求めた値に関係している)、特に好ましくは少なくとも10N/cm以上、特に好ましくは少なくとも15N/cm以上、非常に好ましくは17N/cm以上である。
【0037】
上面および下面という概念は、本明細書の枠内では第一ポリマー層の2つの表面の場所の違いを表すためのものにすぎず、それ以上の別の方向情報は含んでいない。「上面」とはすなわち、特に対応する層の一方の面を意味し、下面とは対応する層の他方の面を意味している。
【0038】
従属請求項は、本発明の有利な発展形態および実施形態に関する。
【0039】
ポリマー層の性質およびその物理的特性(例えば粘弾性、凝集性、弾性成分)は、架橋の種類および程度の影響を受ける。
【0040】
本発明の教示は、それに対応してさらに、アクリル酸含有量の高い(すなわち少なくとも5重量%のアクリル酸を含むモノマー組成物の重合によって得られる)ポリアクリレート、特にポリアクリレート感圧接着剤を、それも1つまたは複数のエポキシシクロヘキシル誘導体を、特に単独で、ただし場合によっては他の架橋剤と組み合わせて使用しながら、ただしいずれにせよ促進剤物質、特にプロトン受容体、電子対供与体(ルイス塩基)および/または電子対受容体(ルイス酸)なしで、エポキシシクロヘキシル誘導体で架橋させるべき層内で熱架橋させるという着想を含んでいる。
【0041】
そのような方法により、第二ポリマー層を卓越して作製することができる。
【0042】
架橋剤として1つまたは複数のエポキシシクロヘキシルカルボキシレートを、特に好ましくは(3,4−エポキシシクロヘキサン)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(CAS2386−87−0)を使用すると特に有利であることが判明した。
【0043】
この1つまたは複数のエポキシシクロヘキシル誘導体架橋剤は、架橋すべき感圧接着剤中にあり、好ましくは総量が最大0.4重量部、非常に好ましくは最大0.3重量部(それぞれ架橋すべきポリマー100重量部に対して[感圧接着剤にその他の添加剤または充填剤が加えられていなければ、架橋すべき感圧接着剤100重量部に対して])である。100重量部のポリマーに対して0.3重量部を超える量の架橋剤を加えると、次第に接着力が失われることを考慮に入れなければならない。典型的な架橋剤の量は、(ポリマー100重量部に対し)例えば0.15〜0.25重量部の範囲、特に、0.2重量部である。
【0044】
粘弾性ポリアクリレート層(粘弾性中間層)も、好ましくは熱架橋され、そうすると粘弾性層は非常に均質に形成される。特に好ましくは、1つまたは複数のグリシジルエーテル、特に1つまたは複数のポリグリシジルエーテル、非常に好ましくはペンタエリトリットテトラグリシジルエーテル(CAS 3126−63−4)を架橋剤として使用して熱架橋を行う。架橋は、特に有利には、1つのアミンまたは1つのアミド、特に好ましくはトリエチレンテトラアミン(CAS 112−24−3)を促進剤として組み合わせて行う。粘弾性ポリアクリレート層用の架橋剤は、架橋すべきポリアクリレートに、(架橋すべきポリマー100重量部に対して)好ましくは最大1.0重量部、非常に好ましくは最大0.8重量部の量を添加する。典型的な架橋剤の量は、(ポリマー100重量部に対し)例えば0.1〜0.6重量部、特に、0.15から0.5重量部の範囲である。
【0045】
促進剤は、有利には(ポリマー100重量部に対し)0.1〜0.3重量部の量である。
【0046】
粘弾性ポリアクリレート層内にアミン促進剤が存在することは、特に3つ以上の層が形成される場合には問題ではない。なぜなら中間層はこの場合、外側にある接着剤または感圧接着剤層によって、空気中の酸素のような酸化物質から十分に保護されるからである。
【0047】
粘弾性ポリマー層は、非常に高粘性の液体と見なされ、圧力負荷の下で流れ挙動(「クリープ」とも呼ばれる)を示す。本発明による第一粘弾性ポリマー層の意味での粘弾性ポリマーは、好ましくはすでに重力によって、つまり自重による負荷によって程度の差はあるがゆっくりと流れ、特に基材上へと流れる能力を有する。しかし少なくともこの作用は外部からの圧力の作用下に起こる。例えば基材上で接着テープを押すことによる圧力上昇は、この挙動を格段に加速させる可能性がある。
【0048】
本発明による第一粘弾性ポリマー層の意味での粘弾性のポリマーは、さらに、力の作用が緩慢な状態で、それ自体に作用する力を和らげる能力を有する。粘弾性ポリマーは、力を振動および/または変形(特に、少なくとも部分的には、可逆的であり得る)へと消散させる能力があり、それゆえに作用する力が「緩衝」され、作用する力による機械的破壊が好ましくは回避され、ただし有利には少なくとも低減されるか、または破壊の発生する時点が少なくとも先に延ばされる。非常に高速で作用する力の場合、粘弾性ポリマーは通例弾性挙動、すなわち完全な可逆的変形を示し、その際、ポリマーの弾性能力を超える力は、破壊をもたらす可能性がある。
【0049】
これと対照的なのは、力の作用が緩慢な場合も上記の弾性挙動を示す弾性素材である。
【0050】
本発明による、特に両面の接着テープは、従来技術の接着テープと比べて重大な相違点を有する。
【0051】
熱架橋により、この感圧接着テープは、一方ではその層を貫く架橋プロファイルを示さない。化学放射(紫外線、電子線)によって架橋された粘弾性の層および感圧接着剤層は、それぞれの架橋した層を貫く架橋プロファイルを示す。熱架橋された接着剤層は、この挙動を示さない。なぜなら熱は層内に均等に浸透できるからである。
【0052】
促進剤物質が存在しないことは、分析によって証明できる(促進剤の存在下で架橋した系は、この促進剤の残渣を含んでいる。促進剤としてアミンまたはアミドを使用している場合は例えば窒素化合物、塩化亜鉛またはその類似物)。
【0053】
その上、本明細書の実験の部に示すように、架橋剤としてエポキシシクロヘキシル誘導体を使用して熱架橋したポリアクリレート感圧接着剤は、他の架橋剤を使用して架橋した系よりも高い接着力を有することが証明できた。この特性は、おそらく特別な架橋構造に起因する。したがって、上記の対象物は、他の架橋剤を使用した架橋後により低い接着力およびより不都合な接着技術的特性を有する接着テープとは大きく異なる。
【0054】
本発明による接着テープにとって、この違いは非常に大きな意味をもっている。上記の種類の粘弾性層を使用し、この粘弾性層の少なくとも1つの面上に、少なくとも1つのエポキシシクロヘキシル誘導体を使って熱架橋した、上記の組成のポリアクリレート感圧接着剤を施すと、この接着テープ面上の接着力は以下の系に比べ格段に高くなる。
−弾性ポリマー支持体(例えばPET、PE、PVCなどの従来のフィルム支持体)上に対応する感圧接着剤を備える系、
−または、同じ粘弾性支持体ではあるが、それ自体は(すなわち例えば弾性フィルム基材を支持体として備え)格段に感圧接着性があるものの、他の感圧接着剤を備えている系。
【0055】
驚くべきことに、接着テープの接着力にとって、外側の感圧接着剤だけではなく、粘弾性支持体もある役割を果たしており、したがって際だった接着特性を得るためには系全体が重要である。つまり、本発明の概念は、粘弾性の、比較的軟質のポリマー層と、それ自体は(すなわち例えば弾性フィルム基材を支持体として備えた)それほど感圧接着性が強くない感圧接着剤層との組合せを含んでおり、この2つの層の相互作用によって接着挙動が感圧接着剤層の面上で最適化され、したがって、それ自体感圧接着性が良好な(特に、従来の、特に弾性をもつ支持体上にある)感圧接着剤層よりも格段に優れた接着力が達成される。
【0056】
本発明によれば、それ自体の接着性は比較的わずかである凝集性の感圧接着剤を、非常に接着の強い接着テープ用の感圧接着剤として使用することに成功した。特に、非常に凝集性のある、弾性の支持体上にありどちらかと言えば比較的接着性の低いポリマー層の外部接着力(本条件下での鋼への接着力は<10N/cmまたはこれを著しく下回り、例えばおよそ<7N/cm)を、この凝集性のポリマー層に隣接して、それ自体の接着力も10N/cm未満、特に7N/cm未満である軟質の粘弾性ポリマー層を設けることにより、著しく高めることが(10N/cmを超える、好ましくは15N/cmを超える値に上昇)できる。
【0057】
接着力が外側にある感圧接着剤だけに起因している接着テープでは、接着と凝集性の間でしばしば折り合いを付けなければならない(冒頭部分参照)。驚くべきことに、個別に最適化が可能である2つの異なる層の特性を制御することにより、卓越した総合特性を達成することに成功した。
【0058】
本発明によれば、第二ポリマー層の鋼への接着力に関して、この層が従来の支持体上にある場合よりも、接着テープの鋼への接着力を、2倍を超えて高めることに成功した。粘弾性第一ポリマー層の鋼への接着力に関しても、本発明による接着テープの鋼への接着力は2倍を超える。これに加えて、接着テープは高温時(例えば70℃)に高いせん断寿命を有する。
【0059】
1つの層の粘弾性特性、および別の層の凝集性特性は、その弾性成分を用いて量的に記述することができる。
【0060】
非常に有利には、粘弾性第一ポリマー層は、弾性成分を80%未満、好ましくは75%未満有し、ただしさらに好ましくは50%を超えて、より好ましくは60%を超えている。
【0061】
非常に有利には、第二ポリマー層は弾性成分を80%を超えて、好ましくは85%を超えて、非常に好ましくは90%を超えて有する。
【0062】
非常に有利には、第三ポリマー層は弾性成分を80%を超えて、好ましくは85%を超えて、非常に好ましくは90%を超えて有する。
【0063】
したがって本発明は、弾性成分を最大で80%有する第一粘弾性ポリマー層と、弾性成分を少なくとも80%またはそれ以上有し、第一ポリマー層に隣接する第二ポリマー層とを特徴とする、少なくとも片面が接着性である、少なくとも二層の接着テープを含んでいる。
【0064】
本発明による接着テープの、第二ポリマー層側の鋼への接着力は、ここでも少なくとも10N/cm以上、好ましくは少なくとも15N/cm以上、特に好ましくは17N/cm以上である。
【0065】
基本的に、粘弾性第一ポリマー層にも、第二および第三ポリマー層にも、特に結果として得られる接着テープが外側への接着力に関して条件を満たしている場合、互いに無関係にすべてのポリマーが使用できる。
【0066】
粘弾性第一ポリマー層がポリアクリレートベースまたはポリウレタンベースであると特に有利であることが判明した。しかし、ゴムベース、特に天然ゴムベースの粘弾性第一ポリマー層も実現可能であり、良好な結果をもたらした。
【0067】
第二および/または第三ポリマー層用のポリマーとしては、互いに無関係にポリアクリレート、合成ゴム(例えばスチレン−ブタジエン−スチレン−ゴム;スチレン−イソプレン−スチレン−ゴム、上記のゴムの水素化誘導体)およびポリアクリレートと合成ゴムのポリマー混合物が使用できる。
【0068】
特に好ましいのは、第一および第二ポリマー層も、特に好ましくは第三ポリマー層も、ポリアクリレートをベースにしている(特に、少なくとも50%の、好ましくは少なくとも80%の、特に好ましくはアクリルモノマーおよび/またはメタクリルモノマーのみを含んでいるモノマー混合物から得られる)接着テープである。
【0069】
したがって本発明の概念を実施するためには、少なくとも二層系、すなわち粘弾性第一ポリマー層、有利には請求項1に記載されるような種類の(つまり、65〜97重量%のエチルヘキシルアクリレートおよび/またはブチルアクリレート、0〜30重量%のメチルアクリレート、3〜15重量%のアクリル酸のモノマー組成物の重合によって得ることができる架橋ポリマーをベースにした)第一ポリマー層と、第二ポリマー層(以下では、感圧接着剤層とも呼ぶが、これは接着テープ内で外側に向けて感圧接着性に作用する機能を引き受けているからである)、有利にはやはり請求項1の、この層に関して記載されるような種類の第二ポリマー層(つまり、85〜95重量%エチルヘキシルアクリレートおよび/またはブチルアクリレートおよび5〜15重量%アクリル酸のモノマー組成物の重合によって得ることができるポリマーをベースとしており、感圧接着剤層がエポキシシクロヘキシル誘導体を加えながら熱架橋されている)が有利である。
【0070】
粘弾性ポリマー層の裏面に、安定化および被覆のために例えばライナーまたは従来のフィルム素材を設け、その結果、本発明による少なくとも二層の接着系を含む、少なくとも1つの三層系が存在するようにすることができる。
【0071】
十分に厚い粘弾性ポリマー層では、感圧接着剤層とは反対側の面、二層系内では粘弾性ポリマー層の露出している面を、侵入深度がわずかな架橋プロセスによって強力に架橋することによって安定化させ、その結果、厚い粘弾性支持層の一部だけが強力に架橋され、その一方で粘弾性接着層の別の、感圧接着剤層に対向する側の面は粘弾性特性を保持したままにすることができる。
【0072】
接着テープの適用例には、少なくとも両面接着テープを提供する、すなわち少なくとも三層の接着系を使用するのが有利であり、この三層の接着系では粘弾性第一ポリマー層の別の面(粘弾性ポリマー層の、第二ポリマー層(感圧接着剤層)とは反対側の表面上)に、間接または直接にもう1つ別の接着剤層を設ける。
【0073】
本発明による接着テープの、非常に有利な実施形態では、2つの接着剤層は上記の種類の感圧接着剤層であり、すなわち、弾性成分を80%を超えて有し、および/または特に、それぞれ1つのポリマーをベースにした感圧接着層であり、このポリマーは85〜95重量%のエチルヘキシルアクリレートおよび/またはブチルアクリレートおよび5〜15重量%のアクリル酸からなるモノマー組成物の重合によって得られ、感圧接着剤層はエポキシシクロヘキシル誘導体を加えながら熱架橋されている。
【0074】
この接着テープ系の場合、2つの面は有利な接着技術的特性を有しており、その結果この系は例えば非常に強力な接着力が必要な両面接着に使用可能である。
【0075】
一発展形態では、第二ポリマー層と第三ポリマー層(本発明による両面接着テープの2つの面上の感圧接着剤)は、化学的に、物理的にまたはその広がりが同じである。有利には、第二および第三ポリマー層は同じ添加物(特に機能性添加物および/または充填剤)および/または添加物(特に機能性添加物および/または充填剤)を同量含んでいる(2つの層とも添加物を含まないおよび/または充填剤を含まなくてもよいことも包含される)。
【0076】
非常に好都合には、第二層と第三層が(ほんのわずかな不純物、製造誤差および他の、特に意図していない側面は無視して)完全に同じであってもよい。
【0077】
本発明による接着テープの第三ポリマー層側での鋼への接着力(すなわち接着テープ下面側の接着力)は、好ましくは少なくとも10N/cm以上、特に好ましくは少なくとも15N/cm以上、極めて好ましくは17N/cm以上である。
【0078】
感圧接着剤層が樹脂を含まないと、すなわち1つまたは複数の感圧接着剤に接着力を向上させる樹脂が混ぜられていないと、非常に有利であることが明らかになった。通常接着力を向上させるために感圧接着剤に加えられる樹脂として、例えば脂肪族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、アルキル芳香族炭化水素樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン樹脂(特に、水素化、非水素化または不均化ロジン樹脂)、官能性炭化水素樹脂、天然樹脂および同類のものがある。本発明による感圧接着剤は、感圧接着剤それ自体が非常に凝集性であり、感圧接着性が小さいにもかかわらず、これらおよびその他の粘着樹脂が存在しなくても非常に優れた接着特性を達成できることを特色とする。
【0079】
非常に好ましい手順では、第一粘弾性ポリアクリレート層は、65〜97重量%のエチルヘキシルアクリレートおよび/またはブチルアクリレート、0〜30重量%のメチルアクリレート、3〜15重量%のアクリル酸のモノマー組成物の重合によって得ることができる、ポリマーによって形成され(すなわちその結果、粘弾性第一ポリマー層はポリマーからなり)その際、この列挙がこれで完結し、その他のモノマーがポリマー中に、および/または別の成分が粘弾性ポリアクリレート層に存在しないのが有利である。本発明の有利な実施形態では、粘弾性第一ポリマー層は添加物および/または充填剤も含まない。
【0080】
有利には、感圧接着剤層の1つが、好ましくは2つの感圧接着剤層とも、85〜95重量%のエチルヘキシルアクリレートおよび/またはブチルアクリレート、および5〜15重量%のアクリル酸のモノマー組成物の重合によって得ることができる、それぞれ1つのポリマーから形成され(すなわちその結果、第二および/または第三ポリマー層がポリマーからなり)、その際、この列挙もこれで完結し、すなわちその他のモノマーがポリマー中に、および/またはその他の成分が感圧接着剤に存在しないのが有利である。
【0081】
この粘弾性ポリアクリレート層では、エチルヘキシルアクリレートとブチルアクリレートの比が少なくとも1:1、好ましくは2:1またはそれを超える範囲にあると有利である。
【0082】
各感圧接着剤について、エチルヘキシルアクリレートとブチルアクリレートの比が少なくとも1:1、好ましくは2:1またはそれを超える範囲にあると有利である。
【0083】
基本的に、直鎖アルキル基の比率が大きくなるほど、またアルキル基が直鎖状であるほど、望ましくない側鎖結晶化の傾向が高くなる。エチルヘキシルアクリレートとブチルアクリレートの比は、ポリマーのガラス転移温度にも影響を及ぼすことがある。
【0084】
特に、接着テープの取扱い、保管および/または提供のために、その片面または両面に、剥離材(例えばシリコーン、フィルム、シリコーン処理したフィルムまたは紙、表面処理したフィルムまたは紙および同類のもの;いわゆる ライナー)を設けてもよい。
【0085】
本発明による接着テープは、その他の層を含んでいてもよく、すなわち多層系(層シークエンスは3より大きい)である。その際、ここに記載したような粘弾性層が、特に本明細書に記載の接着力の向上および/または接着技術的特性の改善を保証するために、ここに記載したような感圧接着剤層を直接にまたは場合によっては間接に備えていると特に有利である。
【0086】
本発明による感圧接着テープは、非常に高い接着力を有する非常に厚い生成物として製造できることを特色とする。そのような生成物は、例えば建築業で、または凹凸もしくは空洞をならすべき接着において使用される。
【0087】
粘弾性層の優れた緩和挙動に基づき、本発明による接着テープは、機械的負荷、衝撃および同類の力の作用を受け止めてエネルギーを放散させるのに適している。したがって本発明による接着テープは、例えば電子工学および同類の分野における壊れやすい物体の接着といった、例えば衝撃を吸収するおよび/または振動を吸収する作用が所望される場所ではどこでも非常に適している。異なる熱膨張係数を有する材料を互いに接着することが望まれる場合に本発明による接着テープを使用すると特に有利である。なぜなら、本発明による接着テープは、その緩和特性によって、特に互いに接着された物体または表面の異なる膨張挙動によって熱を生み出す応力を放散させることができるからである。従来の接着テープは、接着された物体の膨張挙動が大きく異なる場合にしばしば機能しなくなる傾向がある。つまり接着機能が低下したりまたは接着箇所が全く破断してしまったりする。
【0088】
本発明による接着テープは、「通常の」接着テープの厚さである数ミクロン〜数百ミクロンでよいが、300μm超、例えば500μm以上、1000μm以上、1500μm以上、2000μm以上、または3000μm以上の厚さでも有利である。さらに厚い生成物も実現可能である。
【0089】
各接着テープのそれぞれの面での接着強さは、一方で当該の接着テープ面上にある感圧接着剤層の厚みの、他方ではしかしまたその下にある粘弾性第一ポリマー層の厚みの影響も受け、この影響は程度の差はあるが大きくなり得ることが確認された。
【0090】
第二および/または第三ポリマー層、特に感圧接着剤層が、好ましくは最大100μm、より良くは最大75μmの層厚に形成するのが有利である。最大50μm、またはそれより小さい層厚が特に有利なことが判明した。したがって例えば両面にそれぞれ厚さ50μmの感圧接着剤層を備える接着テープ、例えば、厚さ400μm、900μm、1400μm、1900μmまたは2400μmの粘弾性中間層を備えるそのような接着テープが実現できる。
【0091】
粘弾性第一ポリマー層、第二ポリマー層および/または第三ポリマー層に使用されるポリマーは、互いに無関係に、好ましくはそれぞれ少なくともM=500.000g/mol、好ましくは少なくともM=700.000g/molの重量平均分子量(GPC;測定方法A3参照)を有する。その重量平均分子量は、好ましくは値M=1.700.000g/molを上回らない。
【0092】
これらのポリマー層用のポリマーは、ラジカル重合によって、好ましくは溶液中で、従来技術に従ってうまく合成できる。場合によってその後に溶融物からの加工が続く場合は、溶剤を重合後に除去する。
【0093】
粘弾性第一ポリマー層は、好ましくは溶融物から層に成形される。好ましくは、ポリマー層の熱架橋が行われる。
【0094】
第二および/または第三ポリマー層も同様に溶融物から成形可能であるが、これらの層は普通最大100μmの層厚にしか作製されないので、溶液からもうまくコーティングしその後乾燥することができる。
【0095】
粘弾性第一ポリマー層、ならびに第二、および場合によっては第三ポリマー層[感圧接着剤層]の熱架橋は、例えば第二ポリマー層および/または第三ポリマー層を、未架橋の第一ポリマー層上にコーティングするかまたはこれらを共通の方法で一緒に層に成形する場合、同時に実施することができる。
【0096】
しかし、個々の層を別々に熱架橋させることも可能であり、例えば第二ポリマー層および/または第三ポリマー層を、すでに熱架橋した第一ポリマー層上にコーティングしてから熱架橋させ場合、または第二および/または第三ポリマー層をある別の場所で成形し熱架橋させてから(例えば剥離材などの仮の支持体上で)すでに架橋した粘弾性第一ポリマー層上にラミネートする場合に可能である。そのために特に、粘弾性ポリマー層および/または第二および/または第三ポリマー層を、例えばコロナ処理および/またはプラズマ処理および/または反応性コロナ処理および/または反応性プラズマ処理(例えば、窒素、酸素、フッ素および/またはその他のガスを使用)および/または火炎処理(Flame−Treatment)によって化学的および/または物理的に事前処理するのが有利であるかもしれない。
【0097】
本発明による両面、特に三層の接着テープの製造は、特に欧州特許出願公開第05792143号(特許文献1)に示された三層または多層系の記載に対応して行うこともできる。そこに記載された製造およびコーティング方法は、同様に、本明細書の接着テープにも適用される。したがって欧州特許出願公開第05792143号(特許文献1)の開示内容は、本願における開示に明確に含まれると見なされる。同様のことが欧州特許出願公開第05792143号(特許文献1)に記載された生成物構造の記載についても適用される。
【0098】
本発明の対象は、本明細書に示された一方法に従って得られる、および/または請求項に示された少なくとも1つの方法に従って得られる接着テープをも含んでいる。本発明の対象は、特に、本明細書に示された方法の1つに従って得られる、および/または請求項に提示された少なくとも1つの方法に従って得られる、本明細書の記述に対応する、および/または請求項の少なくとも1つに対応する接着テープを含んでいる。
【0099】
本発明による接着テープは、高い透明性を有し(黄変傾向が小さい)、外側の層は光開始剤および窒素を含んでおらず、内側の層は外側の層によって酸素の影響から保護されている。
【0100】
特に、意図する使用のために接着テープの高い透明性が重要ではない場合、粘弾性ポリマー層および/または1つまたは2つの感圧接着剤層に充填剤を混合してよい。粘弾性ポリマー層の粘弾性特性を調整するためにも、または第二および/または第三ポリマー層(感圧接着剤層)の特性を調整するためにも、上記に挙げた、および/または別の充填剤を1つまたは複数混合するのが有利であり得る。
【0101】
したがって、例えば本発明による接着テープの有利な発展形態では、粘弾性ポリマー層を発泡させている。この場合、ポリマーに、ポリマー層の発泡に使用できる1つまたは複数の発泡剤を添加すると有利である。
【0102】
特に粘弾性ポリマー層またはこの層が作られるポリマーへの適切な添加剤として、および/または感圧接着剤層への適切な添加剤として、例えば発泡剤を使用することができる(その結果最終的に発泡させた接着テープ、すなわち発泡させた粘弾性ポリアクリレート層および/または発泡させた接着剤層を備える接着テープを得ることができる)。適切な発泡剤は、例えば発泡性ポリマー微小中空体(発泡していない、および/またはすでに完全にまたは部分的に前もって発泡している);特に、熱の供給および/または他のエネルギー供給によって発泡することのできる、特にガスを充てんしたおよび/または液体を充填したポリマー球(その外殻が例えばポリメチルメタクリレートまたはポリスチレンのような熱可塑性材料からなる)のような中空体である。
【0103】
本発明による接着テープの、1つまたは複数の層、特に粘弾性ポリマー層向けの適切な添加剤は、さらにポリマー中空球、ポリマー中実球、ガラス中空球、ガラス中実球、セラミック中空球、セラミック中実球、炭素中実球(「Carbon Micro Balloons」)である。
【0104】
ケイ酸、有利には沈降した、ジメチルジクロロシランで表面処理したケイ酸の添加は、該当するポリマー層の熱間せん断抵抗を調節するために(高めるために;この場合も特に、粘弾性第一ポリマー層への添加が有利である)使用される。このようなケイ酸はまた、透明な生成物への使用にも非常に適している。特に透明な接着テープには、ポリマー100重量部に対して最大15重量部のケイ酸を加えると好都合である。この場合も、粘弾性第一層への添加が好ましい。
【0105】
しかし充填剤は、それが透明性に対して全く影響しないか、ほんの少しだけおよび/または意図された使用のために邪魔にならないような影響しか与えないように選択することもできる。このために、当該ポリマー層の外観を損なわないほどその膨張が小さい、前述の充填剤および/または他の充填剤を選択することが好ましい。
【0106】
本発明による接着テープは、充填剤なしでもうまく使用することができ、その結果、粘弾性第一ポリマー層および/または第二および/または第三ポリマー層(感圧接着剤層)には充填剤および/または添加剤が添加されない。
【0107】
本発明による接着テープは、良好な耐湿性および耐湿熱性を備えている(塩の不在)。この接着テープは非常に高い接着力を備えている;優れた接着剤に不可欠の特性である流れ特性および良好な凝集性を2つの異なる層に「分配」すること、したがってこれらの特性をよりよく調整することに明らかに成功している。この種の効果は期待されていなかった。当業者はむしろ、全体の接着技術的特性に主に影響を与えているのは外側の感圧接着剤の流れ特性ではないかと推測していたはずである。しかし、粘弾性ポリアクリレート層の良好な流れ特性は、基材上への生成物全体の良好な広がりをもたらすので、感圧接着剤層は、接着テープの接着力に不利な影響を与えることなく、比較的高い凝集性を有することができる。
【0108】
実験の結果、本発明による接着テープの有利な特性がはっきりと証明された。
【0109】
本発明による、特に三層以上の接着テープ(構造用接着テープ)は、特に、強力な接着力を必要とする場所、優れた耐老化性および耐候性(ここでは特に小さい黄変傾向および良好な耐湿性および耐熱性)を必要とする場所および/または、基材の凹凸および不揃いをならすべき場所での使用が特に適している。当然ながら、本発明による接着テープは要求がより少ない場所への使用にも非常に適している。
【0110】
本発明による接着テープは、特に、(特に透明な)広告看板および/または広告パネルの接着、室内および/または屋外領域でのガラス壁接着、ならびに室内および/または屋外領域でのガラス板接着に適している。
【0111】
本発明による接着テープが非常に適している他の応用分野は、一部のみ挙げると、例えば建設分野、改築分野、建築設備分野、および建築分野(それぞれ室内および/または屋外)、日曜大工分野、モデル製作、家具製造、自動車産業、船舶および航空機製造、電子および電気事業(例えば娯楽用電子機器、白物家電、褐色物家電、優れた耐熱性により赤物も)、交通分野(道路標識および同類のもの)などがある。
【0112】
本発明による接着テープは、その優れた緩和挙動により、(特に、例えば衝撃のような機械的影響、例えば騒音のような音響的影響に対する)緩衝モジュールとしてまたは緩衝モジュールの製造のために非常に適している。
【図面の簡単な説明】
【0113】
図1図1は、本発明による接着テープの製造、熱架橋およびコーティングのための架橋剤−促進剤系の混合を示す。
図2図2は、2ロールカレンダーを使用した三層構成の製造を示す。
図3図3は、ポリアクリレート感圧接着層(層Aおよび/またはC)の製造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0114】
実験の部
以下の例示的実験は、本発明を詳細に説明しているが、示された例の選択によって本発明が不必要に制限されるものではない。
【0115】
測定方法:
固形分(測定方法A1):
固形分は、ポリマー溶液中の蒸発不可能な成分の比率の尺度である。これは重量測定によって求める。溶液を量ってから2時間120℃で乾燥戸棚に入れて蒸発可能な成分を蒸発させ、残留物の重量を量りなおす。
【0116】
K値(フィケンチャーに準拠)(測定方法A2):
K値は高重合物質の平均分子サイズの尺度である。測定するためには1%の(1g/100ml)重合体のトルエン溶液を作り、VOGEL−OSSAG粘度計を使用してその動粘度を求めた。トルエンの粘性率に合わせて正規化した後、相対粘度が得られ、ここからフィケンチャーに従ってK値を計算する(Polymer、1967年第8号、381ページ以降(非特許文献1))。
【0117】
ゲル透過クロマトグラフィーGPC(測定方法A3):
本明細書における重量平均分子量Mおよび多分散性PDのデータは、ゲル透過クロマトグラフィーによる決定に関連している。この決定は、100μlの透明ろ過試料(試料濃度4g/l)で実施する。溶離剤として0.1体積%のトリフルオロ酢酸を含むテトラヒドロフランを使用する。測定は25℃で実施する。プレカラムとしてカラムタイプPSS−SDV、5μ、10Å、ID8.0mm×50mmを使用する。分離のためにタイプPSS−SDV、5μ、10Åならびに10Åおよび10Åの、それぞれID8.0mm×300mmのカラムを使用する(Polymer Standards Service社のカラムを使用;検出は示差屈折計ShodexRI71を使用)。流量は毎分1.0ml。較正はPMMA標準と比較して行う(ポリメチルメタクリレート較正)。
【0118】
180°接着力試験(測定方法H1):
層としてのポリエステル上に20mm幅に塗布したアクリレート感圧接着剤のストリップを鋼板に付けた。この鋼板は事前にアセトンを使用して2回、イソプロパノールを使用して1回洗浄しておいた。感圧接着剤ストリップを、2kgの重量に相当する接触圧力で2回、基材上に押し付けた。続いて接着テープを300mm/分の速度および角度180°で基材からひきはがした。すべての測定は室温で実施した。
測定結果は単位N/cm、3回の測定値の平均で示す。
【0119】
せん断寿命(測定方法H2):
幅13mm、長さ20mm超の(例えば30mm)の、接着テープのストリップを、アセトンで3回、イソプロパノールで1回洗浄した滑らかな鋼表面に取り付けた。接着面積は20mm×13mm(長さ×幅)で、その際に接着テープは試験板の縁から突き出ている(例えば上記の長さ30mmに対応すると10mm)。続いて接着テープを、2kgの重量に相当する接触圧力で4回、鋼支持体上に押し付けた。突き出た接着テープの端が下を向くようにこの試料を垂直に吊るした。
室温において、1kgの錘を接着テープの端に固定した。測定は標準環境(23℃、空気湿度55%)で、加熱箱内で70℃で実施する。
測定されたせん断寿命(接着テープが基材から完全にはがれるまでの時間;10.000分で測定を中断)は、分単位で、3回の測定値の平均で示す。
【0120】
マイクロせん断試験(測定方法H3)
これは、温度負荷下における接着テープのせん断強度の迅速試験である。
マイクロせん断試験用測定試料の調製:
各試験サンプルから切り取った接着テープ(長さ約50mm、幅10mm)をアセトンで洗浄した試験鋼板に、鋼板が接着テープより左右に突き出ているように、および接着テープが試験板の上縁に2mm突き出ているように貼る。試料の接着面積は、高さ×幅=13mm×10mmである。続いて接着箇所を2kgのスチールローラーで、速度10m/分で6回ロールがけする。接着テープを、経路測定センサー用の覆いとして丈夫な接着ストリップで面一に補強する。試料は試験板を使用して垂直に吊るす。
マイクロせん断試験:
測定すべき試験サンプルの下端に1000gの錘で負荷をかける。試験温度は40℃、試験時間は30分(15分の負荷、および15分の負荷解放)。所与の試験時間経過後一定の温度状態で、せん断距離は結果として単位μmで示し、最大値として[「max」;15分間の負荷での最大せん断距離]、最小値として[「min」、負荷解放から15分後のせん断距離(「残留たわみ」);負荷解放により緩みによる戻り運動が起こる]示す。同様に、弾性成分も単位%で示す[「elast」;弾性成分=(max−min)100/max]。
【0121】
90°鋼への接着力−むきだしのおよび被覆された面(測定方法V1):
鋼への接着力の決定は、温度23℃+/−1℃、相対空気湿度50%+/−5%の試験環境で行う。サンプルを20mm幅に切断し、鋼板上に貼り付けた。鋼板を測定前に洗浄し、適切な状態に整える。そのために、まず板をアセトンでふき、その後5分間空気中に置き、溶剤を蒸発させる。
【0122】
三層複合材:
三層複合材の、試験基材とは反対側の面を50μmのアルミ箔で覆い、サンプルが測定時に伸びるのを防止した。その後、鋼基材上での試験サンプルのロールがけを行った。このために、2kgのローラーを5回往復させ、転がり速度10m/分でテープをロールがけした。ロールがけの直後に、鋼板を特別なホルダー内に押し込み、サンプルが角度90°で垂直に上に向かって引っ張られるようにした。接着力測定は、Zwick引張試験機を使用して行った。被覆された面を鋼板上に貼り付ける際、三層複合材のむきだしの面をまず50μmのアルミ箔に貼り合わせ、剥離材を除去し、鋼板上に貼り付け、同様にロールがけし、測定する。
むきだしのおよび被覆された2つの面の測定結果は単位N/cm、3回の測定値の平均で示す。
【0123】
23μmPETフィルム上のサンプル:
片面だけの試験サンプルを、鋼基材に貼り付け、続いて2kgのローラーで5回、転がり速度10m/分で押し付けた。ロールがけの直後に、鋼板を特別なホルダー内に押し込み、サンプルが角度90°で垂直に上に向かって引っ張られるようにした。接着力測定は、Zwick引張試験機を使用して行った。測定結果は単位N/cm、3回の測定値の平均で示す。
【0124】
せん断寿命−むきだしのおよび被覆された面(測定方法V2):
サンプルの準備は温度23℃+/−1℃、相対空気湿度50%+/−5%の試験環境で行った。試験サンプルを13mmに切断し、鋼板に貼り付けた。接着面積は20mm×13mm(長さ×幅)。測定前に鋼板を洗浄し、適切な状態に整えた。そのために、まず板をアセトンでふき、その後5分間空気中に置き、溶剤を蒸発させる。貼り付けた後、むきだしの面を50μmのアルミ箔で補強し、2kgのローラーで2回往復してロールがけした。続いて三層複合材の突き出した端部に1つのベルトストリップを取り付けた。全体を適切な装置に吊り下げ、10Nの負荷をかけた。吊り下げ装置は、錘が試料に対し179°+/−1°の角度で負荷をかけるように作られている。それによって三層複合材が板の下部エッジからはぎとられることのないよう確保される。測定されたせん断寿命は、サンプルを吊るしてから落下までの間の時間を分で、3回の測定の平均値を示す。被覆された面を測定するには、まずむきだしの面を50μmのアルミ箔で補強し、剥離材を除去し、記述に従って試験板に貼り付ける。測定は標準環境(23℃、空気湿度55%)で実施する。
【0125】
壁フック試験(測定方法V3):
図3はポリアクリレート感圧接着層(層Aおよび/またはC)の製造を示している。2つの磨いた鋼板(3.2)の間に固定した、寸法30mm×30mmの試験サンプル(3.1)を1分間0.9kNで押し付ける(力P)。その後、9cmの長さのレバーアーム(3.3)を最上部の鋼板にねじ付け、続いてこれに1000gの錘(3.4)で負荷をかける。押し付けから負荷までの間の時間が2分を超えないように注意をはらう。(t≦2分)。
【0126】
保持時間、すなわちサンプルを吊るしてから落下までの間の時間を測定する。結果として保持時間を分で、3回の測定の平均値として示す。試験環境は23℃+/−1℃および50%r.F.+/−5%(r.Fは相対湿度)。
それぞれむきだしのおよび被覆された面を測定した。
【0127】
【表1】
【0128】
I.感圧接着剤PA1〜PA5の製造
以下では、原料ポリマーの準備について記述する。調査したポリマーは、従来型のラジカル重合によって溶液中で調製される。
【0129】
ポリアクリレート感圧接着剤1(PA1):
ラジカル重合のための従来型の100リットルのガラス反応器にアクリル酸2.0kg、ブチルアクリレート13.0kg、2−エチルヘキシルアクリレート25.0kg、およびアセトン/ベンジン60/95(1:1)26.7kgを充填した。45分間かき混ぜながら窒素ガスを流した後、反応器の温度を58℃に高め、AIBN30gを加えた。続いて外側の加熱槽を75℃に加温し、反応をこの一定外部温度で行った。1時間の反応時間後、再度AIBN30gを加えた。4時間後および8時間後、それぞれアセトン/ベンジン60/95(1:1)混合物10.0kgで希釈した。残余開始剤を減らすため、8時間後および10時間後にそれぞれビス−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート90gを加えた。24時間の反応時間後に反応を中断し、室温まで冷却した。続いてポリアクリレートに0.2重量%Uvacure(登録商標)1500を混ぜ入れ、固形分30%にまでアセトンで希釈してから溶液を、シリコーン処理した剥離シート(50μmのポリエステル)上または厚さ23μmのエッチングしたPETフィルム上にコーティングとしてかぶせた。(コーティング速度は2.5m/分、乾燥トンネル15m、温度ゾーン1:40℃、ゾーン2:70℃、ゾーン3:95℃、ゾーン4:105℃)塗布量は50g/mであった。
【0130】
ポリアクリレート感圧接着剤2(PA2):
ラジカル重合のための従来型の100リットルのガラス反応器にアクリル酸4.0kg、ブチルアクリレート12.0kg、2−エチルヘキシルアクリレート24.0kg、およびアセトン/ベンジン60/95(1:1)26.7kgを充填した。45分間かき混ぜながら窒素ガスを流した後、反応器の温度を58℃に高め、AIBN30gを加えた。続いて外側の加熱槽を75℃に加温し、反応をこの一定外部温度で行った。1時間の反応時間後、再度AIBN30gを加えた。4時間後および8時間後、それぞれアセトン/ベンジン60/95(1:1)混合物10.0kgで希釈した。残余開始剤を減らすため、8時間後および10時間後にそれぞれビス−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート90gを加えた。24時間の反応時間後に反応を中断し、室温まで冷却した。続いてポリアクリレートに0.2重量%Uvacure(登録商標)1500を混ぜ入れ、固形分30%にまでアセトンで希釈してから溶液を、シリコーン処理した剥離シート(50μmのポリエステル)上または厚さ23μmのエッチングしたPETフィルム上にコーティングとしてかぶせた。(コーティング速度は2.5m/分、乾燥トンネル15m、温度ゾーン1:40℃、ゾーン2:70℃、ゾーン3:95℃、ゾーン4:105℃)塗布量は50g/mであった。
【0131】
ポリアクリレート感圧接着剤3(PA3):
ラジカル重合のための従来型の100リットルのガラス反応器にアクリル酸4.8kg、ブチルアクリレート11.6kg、2−エチルヘキシルアクリレート23.6kg、およびアセトン/ベンジン60/95(1:1)26.7kgを充填した。45分間かき混ぜながら窒素ガスを流した後、反応器の温度を58℃に高め、AIBN30gを加えた。続いて外側の加熱槽を75℃に加温し、反応をこの一定外部温度で行った。1時間の反応時間後、再度AIBN30gを加えた。4時間後および8時間後、それぞれアセトン/ベンジン60/95(1:1)混合物10.0kgで希釈した。残余開始剤を減らすため、8時間後および10時間後にそれぞれビス−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート90gを加えた。24時間の反応時間後に反応を中断し、室温まで冷却した。続いてポリアクリレートに0.2重量%Uvacure(登録商標)1500を混ぜ入れ、固形分30%にまでアセトンで希釈してから溶液を、シリコーン処理した剥離シート(50μmのポリエステル)上または厚さ23μmのエッチングしたPETフィルム上にコーティングとしてかぶせた。(コーティング速度は2.5m/分、乾燥トンネル15m、温度ゾーン1:40℃、ゾーン2:70℃、ゾーン3:95℃、ゾーン4:105℃)塗布量は50g/mであった。
【0132】
ポリアクリレート感圧接着剤比較例4(PA4):
ベース混合物としてPA3を使用し、冷却に続いて0.2重量%のアルミニウム−(III)−アセチルアセトネート(イソプロパノール中3%溶液)を混ぜ入れ、固形分30%にまでアセトンで希釈してから溶液を、シリコーン処理した剥離シート(50μmのポリエステル)上または厚さ23μmのエッチングしたPETフィルム上にコーティングとしてかぶせた。(コーティング速度は2.5m/分、乾燥トンネル15m、温度ゾーン1:40℃、ゾーン2:70℃、ゾーン3:95℃、ゾーン4:105℃)塗布量は50g/mであった。
【0133】
ポリアクリレート感圧接着剤比較例5(PA5):
ベース混合物としてPA3を使用し、冷却に続いて0.25重量%のPolypox(登録商標)R16を架橋剤として、および0.18重量%のEpikure925を促進剤として混ぜ入れ、固形分30%にまでアセトンで希釈してから溶液を、シリコーン処理した剥離シート(50μmのポリエステル)上または厚さ23μmのエッチングしたPETフィルム上にコーティングとしてかぶせた。(コーティング速度は2.5m/分、乾燥トンネル15m、温度ゾーン1:40℃、ゾーン2:70℃、ゾーン3:95℃、ゾーン4:105℃)塗布量は50g/mであった。
【0134】
【表2】
【0135】
粘弾性の支持体なしで感圧接着剤の接着技術的特性を測定するため、厚さ23μmのPETフィルム上に、溶液からポリマーをコーティングさせ、乾燥させた。表2の結果から、感圧接着剤PA1〜3も2つの比較感圧接着剤PA4およびPA5も、鋼への中程度の接着力を備えた、非常に凝集力のある剤であることが分かる。アクリル酸をアルミニウム−(III)−アセチルアセトネートで配位することによる、またはグリシジルエーテルを使用して塩基促進した熱架橋による本発明に従っていない感圧接着剤の架橋は、熱間せん断抵抗を格段に損なう(70℃でのせん断寿命)。
【0136】
【表3】
【0137】
II.例VT1〜19の粘弾性支持体用の原料ポリマーの製造
以下では、原料ポリマーの準備について記述する。調査したポリマーは、従来型のラジカル重合によって溶液中で調製される。
【0138】
ベースポリマーHPT1
ラジカル重合のための従来型の反応器に2−エチル−ヘキシルアクリレート55.2kg、メチルアクリレート20.8kg、アクリル酸4.0kg、およびアセトン/イソプロパノール(94:6)53.3kgを充填した。45分間かき混ぜながら窒素ガスを流した後、反応器の温度を58℃に高め、AIBN40gを加えた。続いて外側の加熱槽を75℃に加温し、反応をこの一定外部温度で行った。1時間後、再度AIBN40gを加え、4時間後にアセトン/イソプロパノール混合物(94:6)10kgで希釈した。
【0139】
5時間後および7時間後、それぞれビス−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)−ペルオキシジカーボネート120gを加えてポスト開始を行った。22時間の反応時間後に重合を中断し、室温まで冷却した。ポリアクリレートのK値は59.5、固形分55.9%、平均分子量はMw=764.000g/mol、多分散性D(Mw/Mn)=8.6、および静的ガラス転移温度は
Tg=−40.0℃。
【0140】
ベースポリマーHPT2
ラジカル重合のための従来型の反応器に2−エチル−ヘキシルアクリレート54.4kg、メチルアクリレート20.0kg、アクリル酸5.6kg、およびアセトン/イソプロパノール(94:6)53.3kgを充填した。45分間かき混ぜながら窒素ガスを流した後、反応器の温度を58℃に高め、AIBN40gを加えた。続いて外側の加熱槽を75℃に加温し、反応をこの一定外部温度で行った。1時間後、再度AIBN40gを加え、4時間後にアセトン/イソプロパノール混合物(94:6)10kgで希釈した。
【0141】
5時間後および7時間後、それぞれビス−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)−ペルオキシジカーボネート120gを加えてポスト開始を行った。22時間の反応時間後に重合を中断し、室温まで冷却した。ポリアクリレートのK値は58.8、固形分55.9%、平均分子量はMw=746.000g/mol、多分散性D(Mw/Mn)=8.9、および静的ガラス転移温度は
Tg=−35.6℃。
【0142】
ベースポリマーHPT3
ラジカル重合のための従来型の反応器に2−エチル−ヘキシルアクリレート52.4kg、メチルアクリレート18.0kg、アクリル酸9.6kg、およびアセトン/イソプロパノール(94:6)53.3kgを充填した。45分間かき混ぜながら窒素ガスを流した後、反応器の温度を58℃に高め、AIBN40gを加えた。続いて外側の加熱槽を75℃に加温し、反応をこの一定外部温度で行った。1時間後、再度AIBN40gを加え、4時間後にアセトン/イソプロパノール混合物(94:6)10kgで希釈した。
【0143】
5時間後および7時間後、それぞれビス−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)−ペルオキシジカーボネート120gを加えてポスト開始を行った。22時間の反応時間後に重合を中断し、室温まで冷却した。ポリアクリレートのK値は57.1、固形分55.9%、平均分子量はMw=714.000g/mol、多分散性D(Mw/Mn)=7.6、および静的ガラス転移温度は
Tg=−27.2℃。
【0144】
ベースポリマーHPT4
ラジカル重合のための従来型の反応器に2−エチル−ヘキシルアクリレート24.0kg、メチルアクリレート53.6kg、アクリル酸2.4kg、およびアセトン/イソプロパノール(96:4)53.3kgを充填した。45分間かき混ぜながら窒素ガスを流した後、反応器の温度を58℃に高め、AIBN40gを加えた。続いて外側の加熱槽を75℃に加温し、反応をこの一定外部温度で行った。1時間後、再度AIBN40gを加え、4時間後にアセトン/イソプロパノール混合物(96:4)10kgで希釈した。
【0145】
5時間後および7時間後、それぞれビス−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)−ペルオキシジカーボネート120gを加えてポスト開始を行った。22時間の反応時間後に重合を中断し、室温まで冷却した。ポリアクリレートのK値は77.8、固形分55.9%、平均分子量はMw=1.040.000g/mol、多分散性D(Mw/Mn)=13.3、および静的ガラス転移温度は
Tg=−45.1℃。
【0146】
ベースポリマーHPT5
HPT2の重合中、追加でさらに5重量%(固体ポリマーに対し)のAerosilR972を加えた。
【0147】
ポリアクリレートのK値は58.8、固形分61.3%、平均分子量はMw=746.000g/mol、多分散性D(Mw/Mn)=8.9、および静的ガラス転移温度はTg=−43.6℃。
【0148】
ベースポリマーHPT6
HPT2の重合中、追加でさらに10重量%(固体ポリマーに対し)のAerosilR972を加えた。
【0149】
ポリアクリレートのK値は58.8、固形分62.4%、平均分子量はMw=746.000g/mol、多分散性D(Mw/Mn)=8.9、および静的ガラス転移温度はTg=−47.2℃。
【0150】
ベースポリマーHPT7
HPT2の重合中、追加でさらに15重量%(固体ポリマーに対し)のAerosilR972を加えた。
【0151】
ポリアクリレートのK値は58.8、固形分62.4%、平均分子量はMw=746.000g/mol、多分散性D(Mw/Mn)=8.9、および静的ガラス転移温度はTg=−49.7℃。
【0152】
本発明による、凝集力のある弱感圧接着性の感圧接着剤と粘弾性の柔らかい支持体との組合せにより初めて、非常に優れた接着技術的特性をもつ接着テープがもたらされることを明確にするために、表3には粘弾性支持体のために使用されるポリマーのデータを挙げている。サンプルは方法1および2に従って層厚900μmの接着剤転写テープとして製造された。架橋剤濃度は例MT1〜MT7に相当する。
【0153】
【表4】
【0154】
方法1:溶融感圧接着剤の濃縮/製造
アクリレート共重合体(ベースポリマーHPT1〜HPT7)から、一軸スクリュー押出機(濃縮押出機、Berstorff GmbH、ドイツ)を使用して、広範囲にわたって溶剤を取り除いた(残留溶剤含有量≦0.3重量%;個々の例を参照)。例としてここではベースポリマーHPT1の濃縮に関するパラメータを示す。一軸スクリューの回転数は150rpm、モーター電流15Aで、処理量は58.0kgの液体/時間で実施された。濃縮のために、3つの異なるドームに負圧が作りだされた。負圧はそれぞれ20mbarから300mbarの間であった。濃縮されたホットメルトの出口温度は約115℃である。この濃縮段階後の固形分は99.8%となった。
【0155】
方法2:本発明による接着テープの製造、熱架橋およびコーティングのための架橋剤−促進剤系の混合
方法1に従って製造されたアクリレート溶融感圧接着剤を、フィード式押出機(一軸スクリュー押出機、TROESTER GmbH & Co KG社、ドイツ)内で溶融し、このフィード式押出機を用いてポリマー溶融物として二軸スクリュー押出機(LEISTRITZ社、ドイツ、名称LSM30/34)に導いた。このユニットは外部から電気で加熱され、さまざまなブロワーで空冷され、架橋剤−促進剤系がポリマーマトリクス内で良好に分散されると同時に接着剤の押出機内での滞留時間が短くなるように企図されている。そのために、二軸スクリュー押出機の混合軸は、運搬用をおよび混合用要素が交替するよう配置されている。各架橋剤および促進剤の添加は、適切な配量装置を使用して必要に応じて複数の箇所で(図1:配量箇所1.1および1.2)、および必要に応じて配量補助手段を使用しながら二軸スクリュー押出機の圧力のかかっていない搬送ゾーン内に行われる。
【0156】
配合が完了した、つまり架橋剤−促進剤系が混合された接着剤が二軸スクリュー押出機から排出された後(出口:丸型ノズル、直径5mm)、図1に従ってベルト状の支持体上にコーティングが行われる。架橋剤−促進剤系の配量から成形またはコーティングまでの間の時間を作業時間と呼ぶ。この作業時間は、架橋剤−促進剤系と混合された接着剤、または粘弾性支持層が、外観的に優れた縞状の(ゲルを含まない、汚れのない)コーティングを形成し得る時間を示す。コーティングはライン速度1m/分から20m/分の間で行われ、2ローラーアプリケーターのドクターローラーは駆動されない。
【0157】
以下の例および表4〜7では、使用された調合および達成された特性がそれぞれ詳細に記述される。
【0158】
方法3:2ロールカレンダーを使用した三層構成の製造
この方法は、図2に記述されたように実施される。分配ノズル(1)を使用して、架橋剤−促進剤系および必要に応じて充填剤を配合済みの粘弾性組成物(3)がローラー隙間に導かれる。粘弾性組成物から粘弾性フィルムへの形成は、カレンダーローラー(W1)と(W2)との間のローラー隙間内で2つの自己接着剤(6a、6b)の間で行われ、その自己接着剤自身は接着防止性が施された支持体材料(5a、5b)上に被覆されて送り込まれる。その際、調整された層厚への粘弾性組成物の形成、および送り込まれた2つの自己接着剤でのコーティングが同時に行われる。成形された粘弾性支持層(4)上へ自己接着剤(6a、6b)がよりよく固定されるように、自己接着剤をローラー隙間に送り込む前にコロナステーション(8)を使用してコロナ処理する(コロナ装置はVITAPHONE社、デンマーク、50W・min/m)。この処理により、三層複合材の製造後に粘弾性支持層への化学的結合が改善される。
【0159】
コーティング装置を通り抜ける時のライン速度は30m/分である。
【0160】
ローラー隙間から出た後、必要に応じて接着防止支持体(5a)をはがし、完成した三層生成物(9)を残った第二接着防止支持体(5b)と共に巻き取る。
【0161】
以下では、本発明による接着テープの自己接着剤およびコーティングを製造するための具体的な例を示す。ここに挙げた調合、構成、プロセスパラメータの選択により、本発明が不必要に制限されることはない。
【0162】
例MT1
ベースポリマーHPT1を方法1に従って濃縮し(固形分99.7%)、続いて方法2に従って二軸スクリュー押出機内で、ペンタエリトリットテトラグリシジルエーテル(Polypox(登録商標)R16;0.34重量%、ポリアクリレートに対し)およびトリエチレンテトラアミン(Epikure(登録商標)925;0.14重量%、ポリアクリレートに対し)から構成される架橋剤−促進剤系を連続的に配合した。
【0163】
シリコーン処理したポリエステルフィルム上に前もってコーティングした組成物層PA3の間にベースポリマーHPT1から粘弾性支持体VT1を製造するためのコーティングは、2ローラーアプリケーターを用いローラー温度100℃で方法3に従って行った。粘弾性支持体VT1の層厚は900μmであった。コロナ出力は50W・min/mであった。7日間室温で保管した後、それぞれむきだしのおよび被覆された面について接着技術的データを測定した。例MT1のデータは表3にまとめている。
【0164】
例MT2
ベースポリマーHPT2を方法1に従って濃縮し(固形分99.8%)、続いて方法2に従って二軸スクリュー押出機内で、ペンタエリトリットテトラグリシジルエーテル(Polypox(登録商標)R16;0.34重量%、ポリアクリレートに対し)およびトリエチレンテトラアミン(Epikure(登録商標)925;0.14重量%、ポリアクリレートに対し)から構成される架橋剤−促進剤系を連続的に配合した。
【0165】
シリコーン処理したポリエステルフィルム上に前もってコーティングした組成物層PA3の間にベースポリマーHPT3から粘弾性支持体VT2を製造するためのコーティングは、2ローラーアプリケーターを用いてローラー温度100℃で方法3に従って行った。粘弾性支持体VT2の層厚は900μmであった。コロナ出力は50W・min/mであった。7日間室温で保管した後、それぞれむきだしのおよび被覆された面について接着技術的データを測定した。例MT2のデータは表3にまとめている。
【0166】
例MT3
ベースポリマーHPT3を方法1に従って濃縮し(固形分99.8%)、続いて方法2に従って二軸スクリュー押出機内で、ペンタエリトリットテトラグリシジルエーテル(Polypox(登録商標)R16;0.34重量%、ポリアクリレートに対し)およびトリエチレンテトラアミン(Epikure(登録商標)925;0.14重量%、ポリアクリレートに対し)から構成される架橋剤−促進剤系を連続的に配合した。
【0167】
シリコーン処理したポリエステルフィルム上に前もってコーティングした組成物層PA3の間にベースポリマーHPT3から粘弾性支持体VT3を製造するためのコーティングは、2ローラーアプリケーターを用いてローラー温度100℃で方法3に従って行った。粘弾性支持体VT3の層厚は900μmであった。コロナ出力は50W・min/mであった。7日間室温で保管した後、それぞれむきだしのおよび被覆された面について接着技術的データを測定した。例MT3のデータは表3にまとめている。
【0168】
例MT4
ベースポリマーHPT4を方法1に従って濃縮し(固形分99.7%)、続いて方法2に従って二軸スクリュー押出機内で、ペンタエリトリットテトラグリシジルエーテル(Polypox(登録商標)R16;0.23重量%、ポリアクリレートに対し)およびトリエチレンテトラアミン(Epikure(登録商標)925;0.14重量%、ポリアクリレートに対し)から構成される架橋剤−促進剤系を連続的に配合した。
【0169】
シリコーン処理したポリエステルフィルム上に前もってコーティングした組成物層PA3の間にベースポリマーHPT4から粘弾性支持体VT4を製造するためのコーティングは、2ローラーアプリケーターを用いてローラー温度100℃で方法3に従って行った。粘弾性支持体VT4の層厚は900μmであった。コロナ出力は50W・min/mであった。7日間室温で保管した後、それぞれむきだしのおよび被覆された面について接着技術的データを測定した。例MT4のデータは表3にまとめている。
【0170】
例MT5
ベースポリマーHPT5を方法1に従って濃縮し(固形分99.7%)、続いて方法2に従って二軸スクリュー押出機内で、ペンタエリトリットテトラグリシジルエーテル(Polypox(登録商標)R16;0.34重量%、ポリアクリレートに対し)およびトリエチレンテトラアミン(Epikure(登録商標)925;0.14重量%、ポリアクリレートに対し)から構成される架橋剤−促進剤系を連続的に配合した。
【0171】
シリコーン処理したポリエステルフィルム上に前もってコーティングした組成物層PA3の間にベースポリマーHPT5から粘弾性支持体VT5を製造するためのコーティングは、2ローラーアプリケーターを用いてローラー温度100℃で方法3に従って行った。粘弾性支持体VT5の層厚は900μmであった。コロナ出力は50W・min/mであった。7日間室温で保管した後、それぞれむきだしのおよび被覆された面について接着技術的データを測定した。例MT5のデータは表3にまとめている。
【0172】
例MT6
ベースポリマーHPT6を方法1に従って濃縮し(固形分99.9%)、続いて方法2に従って二軸スクリュー押出機内で、ペンタエリトリットテトラグリシジルエーテル(Polypox(登録商標)R16;0.34重量%、ポリアクリレートに対し)およびトリエチレンテトラアミン(Epikure(登録商標)925;0.14重量%、ポリアクリレートに対し)から構成される架橋剤−促進剤系を連続的に配合した。
【0173】
シリコーン処理したポリエステルフィルム上に前もってコーティングした組成物層PA3の間にベースポリマーHPT6から粘弾性支持体VT6を製造するためのコーティングは、2ローラーアプリケーターを用いてローラー温度100℃で方法3に従って行った。粘弾性支持体VT6の層厚は900μmであった。コロナ出力は50W・min/mであった。7日間室温で保管した後、それぞれむきだしのおよび被覆された面について接着技術的データを測定した。例MT6のデータは表3にまとめている。
【0174】
例MT7
ベースポリマーHPT7を方法1に従って濃縮し(固形分99.8%)、続いて方法2に従って二軸スクリュー押出機内で、ペンタエリトリットテトラグリシジルエーテル(Polypox(登録商標)R16;0.34重量%、ポリアクリレートに対し)およびトリエチレンテトラアミン(Epikure(登録商標)925;0.14重量%、ポリアクリレートに対し)から構成される架橋剤−促進剤系を連続的に配合した。
【0175】
シリコーン処理したポリエステルフィルム上に前もってコーティングした組成物層PA3の間にベースポリマーHPT7から粘弾性支持体VT7を製造するためのコーティングは、2ローラーアプリケーターを用いてローラー温度100℃で方法3に従って行った。粘弾性支持体VT7の層厚は900μmであった。コロナ出力は50W・min/mであった。7日間室温で保管した後、それぞれむきだしのおよび被覆された面について接着技術的データを測定した。例MT7のデータは表3にまとめている。
【0176】
比較例B1〜7
本発明による、凝集力のある弱感圧接着性の感圧接着剤と粘弾性の柔らかい支持体との組合せにより初めて、非常に優れた接着技術的特性をもつ接着テープがもたらされることを明確にするために、表3aには粘弾性支持体のために使用されるポリマーのデータが挙げられている。サンプルは方法1および2に従って層厚900μmで23μmのPETフィルム上に製造された。架橋剤濃度は例MT1〜MT7に相当する。
【0177】
【表5】
【0178】
例MT8〜11(層厚のバリエーション)
ベースポリマーHPT2を方法1に従って濃縮し(固形分99.7〜99.9%)、続いて方法2に従って二軸スクリュー押出機内で、ペンタエリトリットテトラグリシジルエーテル(Polypox(登録商標)R16;0.34重量%、ポリアクリレートに対し)およびトリエチレンテトラアミン(Epikure(登録商標)925;0.14重量%、ポリアクリレートに対し)から構成される架橋剤−促進剤系を連続的に配合した。
【0179】
シリコーン処理したポリエステルフィルム上に前もってコーティングした組成物層PA3の間にベースポリマーHPT7から粘弾性支持体VT8〜11を製造するためのコーティングは、2ローラーアプリケーターを用いてローラー温度100℃で方法3に従って行った。粘弾性支持体VT8〜11の層厚は400、1400、1900および2900μmであった。コロナ出力は50W・min/mであった。7日間室温で保管した後、それぞれむきだしのおよび被覆された面について接着技術的データを測定した。例MT8〜11のデータは表5にまとめている。
【0180】
例MT12〜15(粘弾性支持体内での架橋剤濃度のバリエーション)
ベースポリマーHPT2を方法1に従って濃縮し(固形分99.7〜99.9%)、続いて方法2に従って二軸スクリュー押出機内で、
MT12:0.28重量%のペンタエリトリットテトラグリシジルエーテル(Polypox(登録商標)R16;ポリアクリレートに対して)および0.14重量%のトリエチレンテトラアミン(Epikure(登録商標)925;ポリアクリレートに対して)、ならびに
MT13:0.38重量%のペンタエリトリットテトラグリシジルエーテル(Polypox(登録商標)R16;ポリアクリレートに対して)および0.14重量%のトリエチレンテトラアミン(Epikure(登録商標)925;ポリアクリレートに対して)
から構成される架橋剤−促進剤系を連続的に配合した。
【0181】
さらに、ベースポリマーHPT4を方法1に従って濃縮し(固形分99.7〜99.9%)、続いて方法2に従って二軸スクリュー押出機内で、
MT14:0.18重量%のペンタエリトリットテトラグリシジルエーテル(Polypox(登録商標)R16;ポリアクリレートに対して)および0.14重量%のトリエチレンテトラアミン(Epikure(登録商標)925;ポリアクリレートに対して)、ならびに
MT15:0.28重量%のペンタエリトリットテトラグリシジルエーテル(Polypox(登録商標)R16;ポリアクリレートに対して)および0.14重量%のトリエチレンテトラアミン(Epikure(登録商標)925;ポリアクリレートに対して)
から構成される架橋剤−促進剤系を連続的に配合した。
【0182】
シリコーン処理したポリエステルフィルム上に前もってコーティングした組成物層PA3の間にベースポリマーHPT2およびHPT4から粘弾性支持体VT12〜15を製造するためのコーティングは、2ローラーアプリケーターを用いてローラー温度100℃で方法3に従って行った。粘弾性支持体VT12〜15の層厚は、900μmであった。コロナ出力は50W・min/mであった。7日間室温で保管した後、それぞれむきだしのおよび被覆された面について接着技術的データを測定した。例MT12〜15のデータは表6にまとめている。
【0183】
例MT16〜19(感圧接着剤のバリエーション)
ベースポリマーHPT2およびHPT4を方法1に従って濃縮し(固形分99.7〜99.9%)、続いて方法2に従って二軸スクリュー押出機内で、ペンタエリトリットテトラグリシジルエーテル(Polypox(登録商標)R16;0.34重量%、ポリアクリレートに対し)およびトリエチレンテトラアミン(Epikure(登録商標)925;0.14重量%、ポリアクリレートに対し)から構成される架橋剤−促進剤系を連続的に配合した。
【0184】
シリコーン処理したポリエステルフィルム上に前もってコーティングした組成物層PA3、PA4およびPA5の間にベースポリマーHPT2およびHPT4から粘弾性支持体VT16〜19を製造するためのコーティングは、2ローラーアプリケーターを用いてローラー温度100℃で方法3に従って行った。粘弾性支持体VT8〜19の層厚は、900μmであった。コロナ出力は50W・min/mであった。7日間室温で保管した後、それぞれむきだしのおよび被覆された面について接着技術的データを測定した。加えて、サンプルを1ヶ月間60℃、相対湿度85%で保管した。例MT16〜19のデータは表7にまとめている。
【0185】
【表6】
【0186】
【表7】
【0187】
【表8】
【0188】
【表9】
図1
図2
図3