(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記前部分は、複数の位置決め部材を備え、該複数の位置決め部材は、横方向における前記前部分の圧縮を容易にするために、隣接する位置決め部材間に少なくとも1つの間隙を規定する、請求項1に記載の外科手術装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この目的のために、様々な弁およびシールが最小侵襲性処置の進行中に用いられ、それらは当該分野において周知である。しかしながら、組織の切開部の中に直接に挿入され得、かつ、通気作業空間の完全性を維持しながら様々な外科手術物体を収容し得るシールアンカ部材に対する継続したニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(概要)
本明細書において開示されるものは、下にある体腔にアクセスする組織路内に位置決めする外科手術装置である。外科手術装置は、前部分と、後部分と、前部分と後部分との間に配置される中間部分とを含むシールアンカ部材を含む。1つ以上の内腔は、前部分と後部分との間に長手方向に延びる。1つ以上の内腔は、実質的に密閉した関係で1つ以上の内腔に器具を受容するように構成され、適合される。
【0007】
シールアンカ部材の前部分は、第1の構成と第2の構成との間で遷移可能である。例えばシールアンカ部材の前部分の要素などの要素間の配置および/または相関は、第1の構成および第2の構成において異なり得る。例えば、互いに対する要素の位置決めは、第1の構成および第2の構成において異なり得る。前部分は、第1の構成および第2の構成の各々に対応する放射状の寸法、直径または幅を規定し得る。一実施形態において、前部分は、複数の位置決め部材を備え、複数の位置決め部材は、横方向における前部分の圧縮を容易にするために、隣接する位置決め部材間に少なくとも1つの間隙を規定する。少なくとも1つの間隙は、前部分を第2の構成に遷移させることを容易にし、第2の構成において前部分は、実質的に平らな外形を有し、それによって、組織路内にシールアンカ部材を挿入することを容易にする。
【0008】
別の実施形態において、シールアンカ部材の前部分は、1つ以上の位置決め区分を含み得、1つ以上の位置決め区分は、シールアンカ部材の中間部分に放射状に連結される。すなわち、1つ以上の位置決め部材は中間部分に動作可能に接続される。シールアンカ部材を組織部材の中に挿入することを容易にするために、1つ以上の位置決め部材は、内側に向けられ、シールアンカ部材の前部分の大きさを最小限にする。一旦組織路内に挿入されると、1つ以上の位置決め部材は、外側に展開し得、それによって、シールアンカ部材の前部分の大きさを増加させ、組織路内にシールアンカ部材を安定させかつ/または固定することを容易にし得る。1つ以上の位置決め部材は、内側に付勢され得、シールアンカ部材の内腔を通る器具の挿入に応答して外側に偏向し得る。
【0009】
さらに別の実施形態において、シールアンカ部材は、前部分と、後部分と、前部分と後部分との間に配置される中間部分とを含み得る。第1の位置決め部材は後部分に関連付けられ得、第2の位置決め部材は前部分に関連付けられ得る。第2の位置決め部材は、例えば長方形の形状または構成などの非円形の形状または構成を有し得る。第2の位置決め部材の非円形形状は、組織路内の適切な位置にシールアンカ部材を導くことによって挿入を容易にする。一旦組織路内に位置を決められると、第2の位置決め部材の非円形形状はまた、組織路内にシールアンカ部材を固定しかつ/または確保することを容易にする。シールアンカ部材はまた、シールアンカ部材の前部分と後部分との間に1つ以上の長手方向に延びる内腔を含み得る。
【0010】
本明細書に開示される装置のこれらおよび他の特徴は、本開示の様々な実施形態の以下の詳細な説明から当業者に、より容易に明らかとなる。
【0011】
本開示の様々な実施形態は、図面を参照して以下に説明される。
(項目1)
下にある体腔にアクセスする組織路内に位置決めするための外科手術装置であって、
シールアンカ部材を備え、該シールアンカ部材は、
前部分と、
後部分と、
該前部分と該後部分との間に配置される中間部分と、
該前部分と該後部分との間に長手方向に延びる1つ以上の内腔と
を備え、
該前部分は、第1の構成と第2の構成との間で遷移可能である、外科手術装置。
(項目2)
上記第1の構成は要素の第1の配列を有し、上記第2の構成は要素の第2の配列を有する、上記項目のいずれかに記載の外科手術装置。
(項目3)
上記前部分は、上記第1の構成における第1の直径と、上記第2の構成における第2の直径とを有し、該第1の直径は該第2の直径とは異なる、上記項目のいずれかに記載の外科手術装置。
(項目4)
上記第1の構成と上記第2の構成との間の遷移は、上記内腔のうちの少なくとも1つを通る外科手術器具の挿入に応答する、上記項目のいずれかに記載の外科手術装置。
(項目5)
上記前部分は、複数の位置決め部材を備え、該複数の位置決め部材は、横方向における上記前部分の圧縮を容易にするために、隣接する位置決め部材間に少なくとも1つの間隙を規定する、上記項目のいずれかに記載の外科手術装置。
(項目6)
上記前部分は、上記第2の構成において実質的に平らな外形を有する、上記項目のいずれかに記載の外科手術装置。
(項目7)
上記前部分は、1つ以上の位置決め区分を含み、該位置決め区分は、上記中間部分に対して放射状に平行移動可能である、上記項目のいずれかに記載の外科手術装置。
(項目8)
上記1つ以上の位置決め区分は、上記前部分を上記組織路の中に挿入することを容易にするために、上記第1の構成にあるときに内側に向けられる、上記項目のいずれかに記載の外科手術装置。
(項目9)
上記1つ以上の位置決め区分は、上記シールアンカ部材を上記組織路内に固定するために、上記第2の構成にあるときに外側に向けられる、上記項目のいずれかに記載の外科手術装置。
(項目10)
上記1つ以上の位置決め区分は、内側に付勢される、上記項目のいずれかに記載の外科手術装置。
(項目11)
上記1つ以上の位置決め区分は、上記1つ以上の内腔を通る器具の挿入に応答して、外側に向けられるように放射状に平行移動する、上記項目のいずれかに記載の外科手術装置。
(項目12)
下にある体腔にアクセスする組織路内に位置決めするための外科手術装置であって、
前部分と後部分とを有するシールアンカ部材と、
該前部分と該後部分との間に配置される中間部分と、
該後部分に関連付けられる第1の位置決め部材と、
該前部分に関連付けられる第2の位置決め部材であって、該第2の位置決め部材は、非円形形状を有する、第2の位置決め部材と
を備えている、外科手術装置。
(項目13)
上記非円形形状は、長方形である、上記項目のいずれかに記載の外科手術装置。
(項目14)
上記前部分の上記長方形形状は、上記組織路の中にそして該組織路を通って該前部分を挿入することを容易にする、上記項目のいずれかに記載の外科手術装置。
(項目15)
上記後部分と上記前部分との間で概ね長手方向に延びる少なくとも1つのポートをさらに備えている、上記項目のいずれかに記載の外科手術装置。
【0012】
(摘要)
下にある体腔にアクセスする組織路内に位置決めする外科手術装置は、前部分と、後部分と、前部分と後部分との間に配置される中間部分とを含むシールアンカ部材を含む。シールアンカ部材の前部分は、シールアンカ部材を組織路の中に容易に挿入するように構成されかつ適合される。シールアンカ部材の挿入後、シールアンカ部材の前部分はまた、組織路内にシールアンカ部材を確保しかつ/または固定することを容易にするように構成されかつ適合される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態の詳細な説明)
図面および以下の説明において、同様な参照数字は類似または同一の要素を識別し、従来のようにそして当該分野において公知であるように、用語「近位」は、使用中における医療従事者に最も近い、装置の端部をいい、一方、「遠位」は、医療従事者に最も遠い端部をいう。
【0015】
図1〜
図3を参照して、シールアンカ部材100がここで説明される。シールアンカ部材100は、長手方向軸「A」を規定し、後(近位)部分102および前(遠位)部分104と、後部分102と前部分104との間に配置される中間部106とを有する本体112を含む。シールアンカ部材100は、後部分102と前部分104との間に概ね長手方向に、かつシールアンカ部材100を通って延びる1つ以上のポート108a、108b、108cを含む。
【0016】
後部分102および前部分104に関連付けられるものは、それぞれ位置決め部材1116および114a〜dである。位置決め部材116、114a〜dは、位置決め部材116、114a〜dの弾性のある変形を容易にするために少なくとも半弾性である任意の適切な材料から構成され得る。位置決め部材116、114a〜dは、任意の適切な構成を表し得、例えば、実質的に環状形状または楕円形状の配列であり得る。
図2に示されるように、前部分104が最初の拡張した状態にあるときに前部分104の直径は、寸法「De」を有する。
【0017】
図2に最も良く示されるように、前部分104に関連付けられるものは、位置決め部材114a〜d間の間隙を規定する表面115a〜dによって分離される位置決め部材114a〜dである。
図1〜
図3に4つの位置決め部材114a〜dが描かれているが、より大きい数またはより小さい数の位置決め部材が、それらの間に間隙を規定するように構成されて、圧縮されたときにシールアンカ部材100の所望の構成を達成するために利用され得る。
【0018】
組織路12内にシールアンカ部材100を挿入するために、位置決め部材114a〜dは、組織路内にシールアンカ部材100を配置することを容易にするために互いにより近くに近接させられる。位置決め部材114a〜d間の分離は、実質的に環状の外形(
図2)から実質的に長方形の外形(
図3)への遠位部分104の遷移を容易にする。位置決め部材114a〜d間の間隙は、実質的により平らな外形への前部分104の遷移を容易にすることを助け、その結果、遠位部分104は、力「F」が加えられると、
図3に示されるように、そのような間隙がない場合に達成され得るよりも平らな外形の寸法「Dc」を有する。特に、遠位部分104が1つのみの環状の位置決め部材を含む場合、遠位端104の圧縮は、結果として、例えばシールアンカ部材100がより大きく圧縮され、例えば力の印加点においてより平らで、その点からより離れた点において平らの程度がより少ないなど、シールアンカ部材100の均一的ではない輪郭(
図3A)をもたらす。
【0019】
組織路内へのシールアンカ部材100の挿入後、位置決め部材114a〜d、116の弾性の性質は、シールアンカ部材100が挿入されたときに位置決め部材が組織路12を接近させるように拡張することを可能にする。位置決め部材114a〜d、116は、体腔を規定する壁を係合し得、体組織「T」内にシールアンカ部材100を固定することをさらに容易にし得る。例えば、前部分104おける位置決め部材114a〜dは、体内の腹膜壁を係合し得、後部分102に隣接した位置決め部材116は、組織「T」内の切開12に隣接した外表皮組織を係合し得る。
【0020】
典型的な最小侵襲性処置の進行中におけるシールアンカ部材100の使用および機能がここで考察される。最初に組織を貫いて切開がなされる。そのような切開は、典型的には外科用メスまたは類似のものを用いてなされ、結果として、概ねスリット形状の開口部をもたらす。次に、例えば腹膜腔などの体腔は、例えば二酸化炭素などの適切な生体適合性気体によって通気され、その結果、腔壁が、腔壁内に収納されている内部の器官および組織から離れるように持ち上げられ、引き上げられ、内部の器官および組織へのより大きなアクセスを提供する。体腔の通気は、当該技術における従来のように、通気針または類似のデバイスを用いて行なわれ得る。
【0021】
図2に示されるように、シールアンカ部材100は、静止した拡張状態にある。シールアンカ部材100を組織路12内に挿入することは、シールアンカ部材100の前部分104を圧縮することによって達成可能である。位置決め部材114は、
図3に見られるように、力「F」が加えられると、(下からみた場合)実質的に平らになるように適合され、構成される。シールアンカ部材100の圧縮は、組織路12の中へのシールアンカ部材100の挿入を容易にする。シールアンカ部材100の挿入後、前部分104、位置決め部材114a〜dおよび中間部分106の少なくとも一部分112は、組織「T」の下に配置される。シールアンカ部材100は、シールアンカ部材100から力「F」を除去することによって、
図3に示されるような圧縮状態から拡張状態(
図1)の方に遷移するようにさせられる。中間部分106の一部分112の拡張は、組織路12を規定する組織表面14(
図1)によって制限され、それによって、内側に向けられた外部の力「F」に中間部分106を従わせる。シールアンカ部材100の内部の付勢力は、シールアンカ部材100が組織路12内に挿入されると、外側に向けられ、組織表面14に対して加えられ、それによって、シールアンカ部材100とシール表面14との間で実質的な流体密閉を容易にし、シールアンカ部材100の周りにおける、そして組織路12を通る通気気体の漏れを実質的に防ぐ。
【0022】
拡張状態において、後部分102の放射状の直径D
1および前部分104の放射状の直径D
2は、中間部分106の放射状の寸法Rより実質的に大きく、それによって、シールアンカ部材100を「細くくびれた」構成にする。挿入後、遠位部分104の放射状の寸法D
2は、増加し、組織路12との妨害の適合を提供する。その結果、シールアンカ部材100は、拡張状態であるとき組織路12から除去されることに抵抗し、従って、シールアンカ部材100は、シールアンカ部材100が圧縮状態に戻り、組織路12から引き出されるまで、組織「T」内に固定されたままである。
【0023】
図1〜
図2に示されるように、オプションで、シールアンカ部材100の遠位部分104における位置決め部材114a〜dの各々は、それぞれ、内腔118a、118b、118c、118dを含み得る。内腔118a〜dは、内腔118a〜dの中に引き締めひも117を受容するように構成され、適合される。シールアンカ部材100は、引き締めひも117を受容するように適合される長手方向に延びる内腔119をさらに含み得る。処置中、外科医は、近位方向に引き締めひも117を引くことによって、内腔119を通って引き締めひも117を動かし得、それによって、内腔118a〜d内に位置を定められる引き締めひも117の長さを減少させ得る。内腔119を通って引き締めひも117を動かすことは、位置決め部材114a〜dを互いの方に動かし、それによって、位置決め部材114a〜d間に規定される間隙を減少させる。
【0024】
外科処置中、外科医は、
図1に示されるように、組織「T」の組織路12に対してシールアンカ部材100を配置する。上記に考察されるように、遠位部分(前部分)104の大きさは、引き締めひも117を近位方向に引くことによって減少させられる。一旦遠位部分104が十分に圧縮されると(
図3)、外科医は、遠位部分104を組織路12の中に挿入する。遠位部分104が圧縮状態で、シールアンカ部材100は、シールアンカ部材100の近位部分(後部分)から遠位部分(前部分)に先細になり得る。遠位部分104の断面の減少およびその結果生じるシールアンカ部材100の先細の両方は、外科医が組織路12の中にシールアンカ部材100を挿入することを容易にする。
【0025】
シールアンカ部材100の内部の付勢は、遠位部分104を最初の寸法「De」に戻るように遷移させる力を加える。従って、シールアンカ部材の挿入中、外科医は、引き締めひも117を近位方向に引き続け得、遠位部分104の圧縮寸法「Dc」を維持し得る。例えば発泡体などのシールアンカ部材100の材料はまた、シールアンカ部材100の最初の形状および寸法への時間設定された遷移を容易にし得、それによって、挿入中、引き締めひも117に張力を加える必要を減少させ得る。一実施形態において、クリップまたは他のロッキング手段は、引き締めひも117を所与の位置に固定するために用いられ得、それによって、内腔119を通る引き締めひも117の平行移動を阻止することによって遠位部分104の所与の寸法を維持し得る。
【0026】
一旦外科医が所望により組織路12内にシールアンカ部材100を配置すると、外科医は引き締めひも117が平行移動することを可能にする。シールアンカ部材100の内部の付勢力は、遠位部分104を拡張寸法「De」に平行移動し始める。拡張状態において、シールアンカ部材100の形状および構成は、組織路12内にシールアンカ部材100を固定することを容易にする。一旦シールアンカ部材100が組織路12内に固定されると、外科手術器具が内腔108a〜cを通って挿入される。
【0027】
処置が完了すると、器具は除去され、引き締めひも117は、再び、内腔119を通って近位方向に平行移動させられ、圧縮寸法「Dc」の方に遠位部分104の寸法を減少させる。その後、外科医は組織路12からシールアンカ部材100を除去する。遠位部分104の寸法の減少は、組織「T」の組織路12内からのシールアンカ部材100の引き込みを容易にする。組織路12は次いで、例えばステープリングまたは縫合などの当該分野において公知の手段によって閉じられ得る。
【0028】
本開示の別の実施形態において、シールアンカ部材200は、
図4および
図5を参照してここで説明される。
図4に最も良く示されるように、シールアンカ部材200は、長手方向軸「B」を規定し、後(または近位)部分202と、前(または遠位)部分204と、後部分202と前部分204との間に配置される中間部206とを有する。シールアンカ部材200は、後部分202と前部分204との間に長手方向に、かつシールアンカ部材200を通って延びる1つ以上のポート208a、208b、208cを含む。位置決め部材213は後部分202に関連付けられ、位置決め部材214は前部分204に関連付けられる。
【0029】
位置決め部材214は、非円形の形状、この場合長方形の形状を有する。
図4に示されるように一実施形態において、位置決め部材214は、長方形の形状を有する。位置決め部材214の長方形の形状は、組織路12の中にシールアンカ部材200を挿入することを容易にする。位置決め部材214の遠位部分214aは、組織路12の中にシールアンカ部材200を導くように構成される。
【0030】
組織路12内へのシールアンカ部材200の配置は、
図5を参照してここで説明される。
図5に見られるように、シールアンカ部材200の導入は、組織路内に遠位部分214aを配置し、組織路12内に前部分204を配置するために方向矢印「D」に沿ってシールアンカポート200を平行移動することによって、達成される。外科手術器具は、シールアンカ部材200の前部分204を掴みそして位置を決めるために用いられ得る。代わりに、外科医は、自分の手でシールアンカ部材200の前部分204を掴みそして位置を決めることを選択し得る。組織路12内にシールアンカ部材200を配置すると、外科医は内腔208a〜c内に器具を配置し得る。
【0031】
処置が完了すると、シールアンカ部材200は組織路12内から除去される。シールアンカ部材200は、方向矢印「D」によって規定される経路とは反対の経路に沿ってシールアンカ部材を平行移動することによって除去され得る。さらに、シールアンカ部材200は、圧縮可能材料から形成され得る。シールアンカ部材200が圧縮可能材料から形成される場合、外科医は、シールアンカ部材200を圧搾することによってシールアンカ部材200の寸法を減少させ得る。シールアンカ部材200の寸法の減少はまた、組織路12内からのシールアンカ部材200の除去を容易にし得る。組織路12は、次いで例えばステープリングまたは縫合などの当該分野において公知の手段によって閉じられ得る。
【0032】
図6A〜
図6Bを参照して、シールアンカ部材300がここで説明される。シールアンカ部材300は、後(近位)部分302と、前(遠位)部分304と、後部分302と前部分304との間に配置される中間部306とを含む。シールアンカ部材300は、1つ以上の長手方向に延びる内腔308a、308bを含む。内腔308a〜bの各々は、実質的に密閉した関係で内腔308a〜bを通って外科手術「I」(
図7B)を受容するように構成されかつ適合される。
【0033】
前部分304は、1つ以上の位置決め区分304a、304bを含む。位置決め区分304a、304bは、それぞれ一体蝶番310a、310bによって中間部306に動作可能に接続される。位置決め区分304a〜bは一体蝶番によって中間部306に動作可能に接続されて示されるが、中間部306と位置決め区分304a〜bとの間で旋回する関係を容易にするために、他タイプの蝶番が用いられ得る。
図6Aに示されるように、シールアンカ部材300は、第1のへこみ位置にあり、第1のへこみ位置において位置決め区分304a、304bは、前部分304が第1の直径D
3を規定するように内側に引っ込められる。第2の拡張位置(
図6B)において、位置決め区分304a、304bは、それぞれ方向矢印G、Hによって示されるように放射状に外側に展開されている。第2の位置にある間、前位置304は、第1の直径D
3より大きい第2の直径D
4を規定する。第1の位置と第2の位置との間のシールアンカ部材300の遷移は、位置決め区分304a、304bを放射状に平行移動させるのに十分な力を加えることを必要とする。
【0034】
図7Aに示されるように、シールアンカ部材300が第1のへこみ位置にあるとき、シールアンカ部材300を組織「T」の開口部「O」内に配置することは、比較的小さい直径を有することによって容易にされる。さらに、比較的小さい直径は、シールアンカ部材300を開口部「O」に配置するのに必要な開口部「O」の全体の大きさを減少させ得る。
図7Bに示されるように、内腔308a、308bを通って外科手術器具「I」を挿入することは、対応する位置決め区分304a、304bの配置をもたらす。特に、内腔308aを通って外科手術器具「I」を挿入することは、矢印Gによって示される方向への位置決め区分304aの放射状の平行移動をもたらす。同様に、内腔308bを通って外科手術器具「I」を挿入することは、矢印Hによって示される方向への位置決め区分304bの放射状の平行移動をもたらす。
【0035】
位置決め区分304a、304bが展開された状態で、シールアンカ部材300は、組織「T」の開口部「O」内に固定される。特に、位置決め区分304a、304bが展開状態にある間、位置決め区分304a、304bの組織「T」との相互作用は、開口部「O」からシールアンカ部材300を除去することを阻止する。特に、前部分304が第2の位置にあるとき、直径D
4は、開口部「O」の開口より大きく、それによって、シールアンカ部材300の除去を阻止する。
【0036】
位置決め区分304a、304bが引っ込められた状態で、シールアンカ部材300は開口部「O」の中に挿入される。その後、器具「I」は、内腔308a、308bの中に挿入される。内腔308a、308bの中に器具「I」を挿入することは、それぞれ矢印G、Hによって示される方向に位置決め区分304a、304bの対応する展開をもたらす。外科手術処置が完了すると、シールアンカ部材300は、ここで説明されるように、開口部「O」から除去される。器具「I」の各々は、器具「I」が配置された内腔308a、308bから除去される。器具「I」を除去することは、位置決め区分304a、304bの引っ込みをもたらす。なぜなら、位置決め区分304a、304bは内側に付勢されるからである。位置決め区分304a、304bの引っ込みは、シールアンカ部材300の前部分304の寸法を減少させること、すなわち、遠位部分304が、開口部「O」の開口より小さい直径D
3を有することによって、シールアンカ部材300の除去を容易にする。その後、外科医は、開口部「O」から外に出すようにシールアンカ部材を近位方向に平行移動させる。開口部「O」は次いで、例えばステープリングまたは縫合などの当該分野において公知の手段によって閉じられ得る。
【0037】
図8〜
図16を参照して、シールアンカ部材400がここで説明される。シールアンカ部材400は、後部分または近位部分416と、前部分または遠位部分414と、後部分416と前部分414との間に配置される中間部406とを含む。シールアンカ部材400は、1つ以上の長手方向に延びる内腔408〜dを含む。各内腔408a〜dは、実質的に密閉した関係で内腔408a〜dを通って外科手術器具「I」(
図14〜
図16)を受容するように構成されかつ適合される。
図9に最も良く示されるように、前部分414は、4つの位置決め区分404a〜dを含む。前部分414は、4つの位置決め区分404a〜dを含むように本明細書において例示されかつ説明されるが、前部分414は、より少ない数またはより大きい数の位置決め区分、例えば3つの位置決め区分を含み得る。各位置決め区分404a〜dは、それぞれ一体蝶番410a〜dによって中間部406に動作可能に接続される。位置決め区分404a〜dは一体蝶番410a〜dによって中間部406に動作可能に接続されて示されるが、中間部406と位置決め区分404a〜dとの間で旋回する関係を容易にするために、他タイプの蝶番が用いられ得る。
【0038】
位置決め区分404a〜dは、位置決め区分404a〜dに作用する力がないときに位置決め区分404a〜dが引っ込められるように内側に付勢される。位置決め区分404a〜dが引っ込み位置にある間、前部分414は、第1の位置にあり、第1の寸法「Q」を規定し、組織「T」内の開口部「O」の中にシールアンカ部材400の挿入を容易にする(
図15)。内腔408a〜dの中に器具「I」を挿入することは、器具「I」が挿入される内腔408a〜dに隣接したそれぞれの位置決め部材の展開をもたらす(
図16)。位置決め区分404a〜dが展開位置にある間、前部分414は、第2の位置にあり、寸法「R」を規定し、この寸法「R」は、開口部「O」内にシールアンカ部材400を固定することを容易にする。特に、前部分414が第1の位置にあるとき(
図15)、寸法「Q」は開口部「O」の開口より小さく、それによって、シールアンカ部材400の開口部「O」の中への挿入を容易にする。前部分414が第2の位置にあるとき(
図16)、寸法「R」は、開口部「O」の開口より大きく、それによって、外科手術シールアンカ400の除去を阻止する。
【0039】
シールアンカ部材400の使用および操作は、
図14〜
図16を参照してここで説明される。
図14に示されるように、シールアンカ部材400が第1のへこみ位置、すなわち位置決め区分404a〜dが引っ込められた状態にあるとき、シールアンカ部材は組織「T」内の開口部「O」内に配置される。上記に考察されるように、位置決め区分404a〜dは引っ込み状態の方に内側に付勢され、その結果、前部分は、寸法「Q」を規定し、組織「T」内の開口部「O」の中にシールアンカ部材400の挿入を容易にする。外科手術器具「I」は、開口部「O」内にシールアンカ部材400を配置中に内腔408a〜d内に部分的に挿入され得るか、または開口部「O」内にシールアンアカ部材400の配置後に内腔408a〜dの中に挿入され得る。
【0040】
内腔408a〜d内への器具「I」の遠位方向の平行移動は、器具「I」が位置決め区分404a〜dに接触すると、位置決め区分404a〜dの展開をもたらす。内腔408a〜dを通る器具「I」の挿入は、対応する位置決め部材404a〜d、すなわち、器具「I」が平行移動する経路に沿った位置決め部材404a〜dの展開をもたらす。
図16に示されるように、内腔408b、408dを通る器具「I」の遠位方向の平行移動は、対応する位置決め区分404b、404dの放射状の外側への偏向をもたらす。開口部「O」内にシールアンカ部材400を固定することは、器具「I」を各内腔408a〜dの中に挿入することによって達成される。しかしながら、いくつかの状況において、内腔408a〜dのいくつかは、内腔408a〜dを通って挿入される器具を有しない場合がある。それらの状況において、シールアンカ部材400の安定化は、器具「I」を対称のパターンで挿入することによって強化され得、すなわち、対の器具「I」は互いに交差している内腔408a〜d内に挿入され得る。
【0041】
処置の完了後、シールアンカ部材400の除去は、各内腔408a〜dから器具「I」を除去することによって容易にされる。位置決め部材404a〜dは、最初の引っ込められた状態の方に付勢されるので、前部分414は、より大きな寸法「R」からより小さな寸法「Q」の方に平行移動する。前部分414の寸法のこの減少は、組織「T」内に形成される切開「I」内からシールアンカ部材400を除去することを容易にする。
【0042】
本開示の例示的実施形態が添付の図面を参照して本明細書に説明されたが、上記の説明、開示および図は、限定するものとして解釈されるべきではなく、特定の実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。従って、本開示が説明された正確な実施形態に限定されないこと、および様々な他の変更および修正が本開示の範囲または精神から逸脱することなく当業者によって本明細書において達成され得ることは理解されるべきである。