特許第5683263号(P5683263)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5683263
(24)【登録日】2015年1月23日
(45)【発行日】2015年3月11日
(54)【発明の名称】非イオン性水溶性添加剤
(51)【国際特許分類】
   C08F 290/06 20060101AFI20150219BHJP
   C08F 220/00 20060101ALI20150219BHJP
   C08F 212/08 20060101ALI20150219BHJP
   C08F 226/06 20060101ALI20150219BHJP
【FI】
   C08F290/06
   C08F220/00
   C08F212/08
   C08F226/06
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2010-506835(P2010-506835)
(86)(22)【出願日】2008年4月29日
(65)【公表番号】特表2010-526892(P2010-526892A)
(43)【公表日】2010年8月5日
(86)【国際出願番号】EP2008003455
(87)【国際公開番号】WO2008138485
(87)【国際公開日】20081120
【審査請求日】2011年4月18日
(31)【優先権主張番号】102007021868.2
(32)【優先日】2007年5月10日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】398056207
【氏名又は名称】クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】フェヒナー・ビェルン
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー・カルステン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルンドレ・アレクサンダー
【審査官】 内田 靖恵
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−209275(JP,A)
【文献】 特開平10−153599(JP,A)
【文献】 特表2008−511713(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 290/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノマー(A)、(B)及び(C)を重合して得られるコポリマーであって、
ここで、
(A)は式(I)で示されるモノマーであり、
【化1】
式中、Aは、C−〜C−アルキレンを表し、そして、
Bは、Aとは異なるC−〜C−アルキレンを表し、
Rは、水素又はメチルを表し、
mは、1〜500であり;
nは、1〜500であり、
ここでm+nの合計は、2〜1000であり
ノマー(B)が、式(IIa)又は式(IIb)で表される化合物であり、
【化2】
式中、
は、3〜30個のC原子を有する芳香族基又は芳香脂肪族基を表して、ヘテロ原子N、O及びSのうちの一つか二つ以上を任意に含んでいても良く、
は、H又は(C−C)−アルキルを表し、
は、H又は(C−C)−アルキルを表し、そして、
は、H又は(C−C)−アルキルを表し;
【化3】
式中、Rは、水素又はメチルを表し、
は、3〜30個のC原子を有する芳香族基又は芳香脂肪族基であり、ヘテロ原子N、O及びSのうちの一つか二つ以上を任意に含んでいても良く、
は、酸素又はNH基を表し、
モノマー(C)が、式(III)で表され:
【化4】
式中、
は、水素又はメチルを表し、
Yは、1〜30個のC原子を有する脂肪族炭化水素基を表し、直鎖、分岐鎖、又は環状構造であることができ、ヘテロ原子O、N及び/又はSのうち一つか二つ以上を任意に含んでいても良く、また、不飽和であってもよく、
は、酸素又はNH基であり
こで、モノマー(A)が、モノマー(A)、モノマー(B)及びモノマー(C)の総質量に対して、44.2〜89.2質量%であることを特徴とするコポリマー。
【請求項2】
モノマー(A)、(B)及び(C)を重合して得られるコポリマーであって、
ここで、
(A)は式(I)で示されるモノマーであり、
【化5】
式中、Aは、C−〜C−アルキレンを表し、そして、
Bは、Aとは異なるC−〜C−アルキレンを表し、
Rは、水素又はメチルを表し、
mは、1〜500であり;
nは、1〜500であり、
ここでm+nの合計は、2〜1000であり;
モノマー(C)が、式(III)で表され:
【化6】
式中、
は、水素又はメチルを表し、
Yは、1〜30個のC原子を有する脂肪族炭化水素基を表し、直鎖、分岐鎖、又は環状構造であることができ、ヘテロ原子O、N及び/又はSのうち一つか二つ以上を任意に含んでいても良く、また、不飽和であってもよく、
は、酸素又はNH基であり、
モノマー(B)が、スチレン、1−ビニルイミダゾール、ベンジルメタクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート又はフェネチルメタクリレートであり、
ここで、モノマー(A)が、モノマー(A)、モノマー(B)及びモノマー(C)の総質量に対して、44.2〜89.2質量%であることを特徴とするコポリマー。
【請求項3】
アルキレンオキシド単位(A−O)及び(B−O)がブロック状に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のコポリマー。
【請求項4】
(A−O)がプロピレンオキサイド単位であり、そして(B−O)がエチレンオキサイド単位であるか、または、(A−O)がエチレンオキサイド単位であり、そして(B−O)がプロピレンオキサイド単位であり、そしてエチレンオキサイド単位のモル分率が、エチレンオキサイド単位とプロピレンオキサイド単位との合計を基準として50〜98%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のコポリマー。
【請求項5】
エチレンオキサイド単位のモル分率が、エチレンオキサイド単位とプロピレンオキサイド単位との合計を基準として60〜95%であることを特徴とする請求項に記載のコポリマー。
【請求項6】
モノマー(C)が、アクリル酸及びメタクリル酸のアルキルエステル又はアルキルアミドであり、そしてアルキルがメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、2−エチルヘキシル、2−エトキシエチル、ミリスチル、ラウリル又はオクタデシルであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項7】
モノマー(A)、(B)及び(C)をフリーラジカル重合することを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載のコポリマーの製造方法。
【請求項8】
分散剤としての、顔料又はフィラーのための、請求項1〜のいずれか一項に記載のコポリマーの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、水性顔料配合物のための分散剤として使用される新規の非イオン性コポリマー及びそのコポリマーを製造するための方法である。
【背景技術】
【0002】
液体媒体中での顔料の分散には、通常分散剤が必要である。分散剤は、湿潤剤としても知られる適切な界面活性剤により補助され、界面活性剤として作用し、分散される顔料の湿潤化を促進し、顔料分散体を製造する際の凝集体及び凝塊体の分解を促進するが、これは通常粉砕による補助により達成され、それにより高い機械的な力がシステムに導入される。分散剤は、アニオン性、カチオン性、両性、又は中性構造をとることができる。これらは低分子量であることもでき、また重合したモノマーがランダム構造、交互構造、ブロック状構造、櫛形構造、若しくは星型構造を構成するような高分子量ポリマーであることもできる。特に商業的に重要な分散剤の例としては、分散体の着色、レーキ顔料の着色、ペイント、コーティング剤、及び印刷インク、並びに、また、紙の着色、厚紙の着色、及び繊維の着色に使用される濃縮顔料の製造における顔料の分散である。
【0003】
櫛形ポリマーは、大部分は、コモノマーとしてのモノ(メタ)アクリル酸エステルをベースとしたマクロモノマーを使用して製造され、そして、疎水性部分及び親水性部分又は両極性部分が主鎖及び側鎖上に配置できるように明確に順序付けられた構造を有しており、他のポリマー性分散剤と区別される。
【0004】
欧州特許第1293523号明細書においては、重量平均分子量が約5000〜100000であり、20〜80重量%の親水性骨格を含み、そして80〜20重量%のマクロモノマー側鎖を含むポリマーである分散体が記載されている。その骨格は、骨格の重量に対して70〜98重量%のカルボキシル基を含有しない重合したエチレン性不飽和モノマー並びに2〜30重量%のカルボキシル基を有する重合したエチレン性不飽和モノマーから成り、ここで、少なくとも10%のカルボンキシ基はアミン又は無機塩基により中和されている。この骨格は、側鎖と比べて親水性である。側鎖は重合したエチレン性不飽和モノマーのマクロモノマーより成る。
【0005】
欧州特許第1081169号明細書には、以下のモノマー混合物由来の分岐ポリマーが記載されている:
(A)50〜93重量%の少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマー
(B)2〜25重量%の、少なくとも一つの分子量1000〜20000のエチレン性不飽和マクロモノマー
(C)5〜25重量%の少なくとも一つの重合可能なイミダゾール誘導体。
【0006】
欧州特許第1562696号明細書には、水性の乳化重合において、ポリアルキレングリコール−モノ(メタ)アクリレートから成るマクロモノマーを使用して合成されるポリマー性分散剤について記載されている。このポリマーの主鎖は、少なくとも一つのアミノ基を有するエチレン性不飽和モノマーを含んでいなければならない。
【0007】
独国特許発明10 2005 019 384号明細書(国際公開第2006/114303号A1)には、アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートなどのエチレン性不飽和モノマーと純粋なポリエチレングリコール−モノ(メタ)アクリレートとの組み合わせから合成された櫛形ポリマーが分散剤として使用されることが記載されている。
【0008】
しかし、上記に引用した引例中のポリマー性分散剤が、非イオン性のノボラック分散剤に要求される以下の要件のすべてを満たすことはできない:
(i)低粘度分散体への40%を超える高濃度の有機顔料を分散すること;
(ii)高い色彩強度と再生可能な色彩強度を有する分散体を形成すること;
(iii)顔料粒子の再凝集を防止すること;及び
(iv)広い相溶性を有する泡の形成が全くない分散体。
この分散体は、50℃で4週間の貯蔵中に通常、凝固する。
【0009】
しかしながら、これまでの一般的なノボラック分散剤は、その製造過程の結果として、アルキルフェノールの残渣、しばしばノニルフェノールの残渣、及びそれらのエトキシレートの残渣を含んでいる。アルキルフェノールエトキシレート又はこれらの分解生成物は、環境中で殆ど分解されないで、蓄積する。これらは水生生物に対してホルモン効果を有し問題となる。従って、多くの国が、開放ループ系でのアルキルフェノール又はそれのエトキシレート材料の使用を制限するか又は禁止する法律(例えば、2003/53/EC)を導入している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許第1293523号明細書
【特許文献2】欧州特許第1081169号明細書
【特許文献3】欧州特許第1562696号明細書
【特許文献4】独国特許発明10 2005 019 384号明細書(国際公開第2006/114303号A1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来の研究が示すところは、非イオン性のノボラックシステムと同等の分散剤を合成するのは未だ非常に困難であるということである。従って、低粘度分散体への40%を超える高濃度の有機顔料の分散を可能とする新規の分散剤の需要が存在している。これらの分散体は容易に製造できる必要がある:すなわち顔料が容易に湿潤され、容易に水性媒体に組み込まれる必要がある。分散体は、数年の間にわたり安定性を有する高い色彩強度と再生可能な色彩強度を有する必要がある。同様に、さらなる色彩パラメータ、例えば、色相角及び色度、も再生可能で安定性を有する必要がある。さらに、分散体は、低い粘度を有する必要があり;顔料は凝集や綿状沈殿を起こしてはならず、発泡や沈殿を起こしてもならない。分散体は、適用媒体中で、発泡してはならず、また、発泡体を生じさせても、発泡を促進させてもならない。さらに、種々の適用媒体中での分散体の広い相溶性に貢献する必要がある。さらに、分散体は、せん断安定性を備えている必要がある。すなわち、色彩強度又は色調がせん断の下に変化してはならず、また分散体は、これらの条件下で綿状沈殿とならない安定性を保有する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
驚くべきことに、ポリエチレン/ポリプロピレングリコール−モノ(メタ)アクリル酸エステルから成るマクロモノマーにより製造された特定の非イオン性櫛形ポリマーによりこの目的を達成できることを見出した。
【0013】
従って、本発明の対象はモノマー(A)、(B)及び(C)を重合して得られるコポリマーであり、ここで、
(A)は式(I)で示されるモノマーであり、
【化1】
式中、Aは、C−〜C−アルキレンを表し、そして、
Bは、Aとは異なるC−〜C−アルキレンを表し、
Rは、水素又はメチルを表し、
mは、1〜500、好ましくは1〜50であり;
nは、1〜500、好ましくは1〜50であり、
ここでm+nの合計は、2〜1000であり;
(B)は芳香族基を有するエチレン性不飽和モノマーを表し;そして、
(C)はアルキル基を有するエチレン性不飽和モノマーを表す。
【0014】
本発明のコポリマーは、フリーラジカル重合の開始、連鎖移動反応、連鎖停止反応により形成される慣用の末端基を有し、例えば、プロトン、フリーラジカル開始剤由来の基、又は連鎖移動剤由来の硫黄含有基である。
【0015】
モノマーのモル分率は、モノマー(A)が1〜80%、モノマー(B)が0.1〜80%及びモノマー(C)が0.1〜80%であるのが好ましい。モノマーのモル分率は、特に好ましくは、モノマー(A)が10〜70%、モノマー(B)が10〜60%及びモノマー(C)が10〜60%である。
【0016】
アルキレンオキシド単位(A−O)及び(B−O)は、ランダムな形態、又は好ましい実施形態においては、ブロック状に配置されているができる。ある好ましい実施形態においては、(A−O)プロピレンオキサイド単位であり、(B−O)エチレンオキサイド単位であり、または、(A−O)はエチレンオキサイド単位であり、(B−O)はプロピレンオキサイド単位であり、その際、エチレンオキサイド単位のモル分率は、エチレンオキサイド単位とプロピレンオキサイド単位との合計(100%)を基準として、好ましくは50〜98%、より好ましくは60〜95%、特に好ましくは70〜95%である。原則として、アルキレンオキサイド単位の合計は、n+m=2〜1000であり、好ましくは2〜500、特に2〜100、特に好ましくは5〜100である。
【0017】
好ましいモノマー(B)は、式(IIa)又は式(IIb)で示される:
【化2】
ここで、
は、3〜30のC原子を有する芳香族基又は芳香脂肪族基を表し、ヘテロ原子N、O及びSのうちの一つか二つ以上を任意に含んでいても良く、
は、H又は(C−C)−アルキルを表し、
は、H又は(C−C)−アルキルを表し、そして、
は、H又は(C−C)−アルキルを表し;
【化3】
ここで、
は、水素又はメチルを表し、
は、3〜30のC原子を有する芳香族基又は芳香脂肪族基を表し、ヘテロ原子N、O及びSのうちの一つか二つ以上を任意に含んでいても良く、
は、酸素又はNH基を表す。
【0018】
モノマー(B)としては、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸の以下のエステル及びアミドを包含している:フェニル、ベンジル、トリル、2−フェノキシエチル、フェネチル。さらにモノマー(B)としては、スチレン及びその誘導体などのビニル芳香族モノマーであり、例えば、ビニルトルエン、α−メチルスチレンである。芳香族単位としては、また、複素芳香族とすることもでき、例えば、1−ビニルイミダゾールである。特に好ましいモノマー(B)として以下のものとすることができる:スチレン、1−ビニルイミダゾール、ベンジルメタクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート及びフェネチルメタクリレート。
【0019】
好ましいモノマー(C)は、式(III)で示される:
【化4】
式中、
は、水素又はメチルを表し、
Yは、1〜30個のC原子、好ましくは6〜30個のC原子、特に好ましくは9〜20個のC原子を有する脂肪族炭化水素基であって、直鎖、分岐鎖、又は環状構造であることができ、ヘテロ原子O、N及び/又はSのうち一つか二つ以上を任意に含んでいても良く、また、不飽和とすることもでき、
は、酸素又はNH基を表す。
【0020】
モノマー(C)としては、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸の以下のエステル及びアミドが挙げられる:メチル−、エチル−、プロピル−、イソプロピル−、n−ブチル−、イソブチル−、t−ブチル−、ペンチル−、ヘキシル−、2−エチルヘキシル−、3,3−ジメチルブチル−、ヘプチル−、オクチル−、イソオクチル−、ノニル−、ラウリル−、セチル−、ステアリル−、ベヘニル−、シクロヘキシル−、トリメチルシクロヘキシル−、t−ブチルシクロヘキシル−、ボルニル−、イソボルニル−、アダマンチル−、(2,2−ジメチル−1−メチル)プロピル−、シクロペンチル−、4−エチル−シクロヘキシル−、2−エトキシエチル−、テトラヒドロフルフリル−及びテトラヒドロピラニル。
【0021】
好ましいモノマー(C)としては、アルキルが以下のアルキルであるアクリル酸及びメタクリル酸のアルキル−エステル及びアルキル−アミドが挙げられる:メチル−、エチル−、プロピル−、ブチル−、イソブチル−、2−エトキシエチル−、ミリスチル−、オクタデシル−、及び、特に好ましくは2−エチルヘキシル−及びラウリル−。
【0022】
本発明のコポリマーは、10g/mol〜10g/mol、より好ましくは10〜10g/mol、特に好ましくは10〜10g/molの分子量を有する。
【0023】
本発明のポリマーの重要な特性としては、ポリアルキレングリコール側鎖が単一のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールではないことである。むしろ、ポリアルキレングリコールは、プロピレンオキサイド単位及びエチレンオキサイド単位から成るランダム又はブロック状のポリアルキレングリコールである。このEO/PO比の微調整によってのみ、低粘度の高濃度顔料分散体を製造するのに使用できるポリマー性分散剤を提供することができる。芳香族及び芳香脂肪族モノマー(B)及び(C)と組み合わせたモノマー(A)中でのEO/PO比の最適比により、ノボラックと極めて類似した特性プロフィールを有するノボラックタイプの分散剤の特性を得ることができる。
【0024】
周知技術により提案されるポリマーとは異なり、本発明のポリマーは、フリーのカルボキシレート基を有するモノマーを含有していない。本発明のポリマーとは対照的に、ポリマー骨格にカルボキシレート基を有するポリマーは、非常に高い粘度を有するので、40%を超える高濃度の有機顔料を有する顔料分散体を製造するのに適さない。
【0025】
本発明のコポリマーはフリーラジカル重合によって製造することができる。重合反応は、連続式、バッチ式、又は半連続式により行うことができる。重合反応は、沈殿重合、乳化重合、溶液重合、バルク重合又はゲル重合により実施することが有利である。本発明のコポリマーの特性プロフィールには、溶液重合が特に有利である。
【0026】
重合反応の溶液としては、実質的にフリーラジカル重合反応に不活性であるすべての有機又は無機溶媒を使用することができ、例えば、エチルアセテート、n−ブチルアセテート又は1−メトキシ−2−プロピルアセテート、並びにアルコール、例えば、エタノール、i−プロパノール、n−ブタノール、2−エチルヘキサノール又は1−メトキシ−2−プロパノールばかりでなく、ジオール、例えば、エチレングリコール及びプロピレングリコールである。また、ケトン、例えば、アセトン、ブタノン、ペンタノン、ヘキサノン及びメチルエチルケトン、並びに、酢酸、プロピオン酸、及び酪酸のアルキルエステル、例えば、エチルアセテート、ブチルアセテート及びアミルアセテート、並びに、エーテル、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、及びエチレングリコール−及びポリエチレングリコールのモノアルキルエーテル及びジアルキルエーテルが使用することができる。同じく、芳香族溶剤、例えば、トルエン、キシレン、高沸点アルキルベンゼンも使用することができる。本発明のコポリマーの使用予定によって溶媒を選択する場合、同じく、溶媒混合物の使用も考えられる。水;低級アルコール;好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、イソ−、sec−及びt−ブタノール、2−エチルヘキサノール、ブチルグリコール並びにブチルジグリコール、特に好ましくはイソ−プロパノール、t−ブタノール、2−エチルヘキサノール、ブチルグリコール及びブチルジグリコール;5〜30個の炭素原子を有する炭化水素、並びにこれらの混合物及びエマルジョンの使用が好ましい。
【0027】
重合反応は、大気圧、又は減圧下若しくは昇圧下で0〜180℃の温度範囲、より好ましくは10〜100℃で行うことが好ましい。適切であれば、重合は保護ガス雰囲気下、好ましくは窒素雰囲気下で行うこともできる。
【0028】
重合は、高エネルギー線、電磁波、機械的エネルギー又は慣用の化学重合開始剤、例えば、有機ペルオキサイド、例えば、ベンゾイルペルオキサイド、tert−ブチルヒドロペルオキサイド、メチルエチルケトン−ペルオキサイド、クモイル(Cumoyl)ペルオキサイド、ジラウロイルペルオキサイド(DLP)、又は、アゾ開始剤、例えば、アゾジイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスアミドプロピル−ヒドロクロライド (ABAH)及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(AMBN)を使用して誘導することができる。同様に、無機ペルオキサイド化合物を使用することができ、例えば、(NH、K又はHを使用することができ、適切であれば、還元剤(例えば、亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸、硫酸鉄(II))又は、還元剤として脂肪族又は芳香族スルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸)を含む酸化還元系との組み合わせを使用することができる。
【0029】
分子量制御剤として、慣用の化合物が使用される。適当な慣用の制御剤としては、例えば、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピル、n−ブタノール、sec−ブタノール及びアミルアルコール、アルデヒド、ケトン、アルキルチオール、例えば、ドデシルチオール及びtert−ドデシルチオール、チオグリコール酸、イソオクチルチオグリコレート、及び幾つかのハロゲン化合物、例えば、四塩化炭素、クロロホルム、及び、メチレンクロライドが挙げられる。
【0030】
本発明は、さらに、特に、顔料又はフィラー向け、例えば、分散体の着色、レーキ顔料の着色、ペイント、コーティング剤、及び印刷インク、並びに、また、紙の着色、厚紙の着色及び繊維の着色に使用される濃縮水性顔料の製造において、分散剤としての本発明のコポリマーの使用を提供する。
【実施例】
【0031】
合成例1
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、258gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量750、EO/POモル比6.3)、136.4gの2−エチルヘキシルメタクリレート、71.6gのスチレン及び660mlのtert−ブタノール中の16.5gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、130mlのイソブタノール中に溶解した16.5gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=15100g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0032】
合成例2
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、210gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量350、EO/POモル比1.7)、79.2gの2−エチルヘキシルメタクリレート、41.6gのスチレン及び470mlのtert−ブタノール中の13.4gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、95mlのイソブタノール中に溶解した13.4gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=6900g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0033】
合成例3
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、258gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量750、EO/POモル比6.3)、87.5gのラウリルメタクリレート、35.8gのスチレン及び530mlのtert−ブタノール中の9.9gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、110mlのイソブタノール中に溶解した9.9gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=14000g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0034】
合成例4
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、210gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量350、EO/POモル比1.7)、101.6gのラウリルメタクリレート、41.6gのスチレン及び500mlのtert−ブタノール中の13.4gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、100mlのイソブタノール中に溶解した13.4gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=7700g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0035】
合成例5
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、363gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量1100、70%のt−ブタノール中EO/POモル比10.2)、117.3gのラウリルメタクリレート、48.0gのスチレン及び730mlのtert−ブタノール中の11.1gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、150mlのイソブタノール中に溶解した11.1gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=22000g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0036】
合成例6
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、452gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量2000、70%のt−ブタノール中EO/POモル比20.5)、80.4gのラウリルメタクリレート、32.9gのスチレン及び780mlのtert−ブタノール中の7.6gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、160mlのイソブタノール中に溶解した7.6gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=30500g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0037】
合成例7
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、210gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量350、EO/POモル比1.7)、202.8gのステアリルメタクリレート、62.4gのスチレン及び660mlのtert−ブタノール中の11.5gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、130mlのイソブタノール中に溶解した11.5gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=8100g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0038】
合成例8
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、258gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量750、EO/POモル比6.3)、38.2gのイソボルニルメタクリレート、30.3gのベンジルメタクリレート及び470mlのtert−ブタノール中の13.2gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、100mlのイソブタノール中に溶解した13.2gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=15000g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0039】
合成例9
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、363gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量1100、70%のt−ブタノール中EO/POモル比10.2)、39.3gのテトラヒドロフルフリルメタクリレート、87.8gのフェネチルメタクリレート及び670mlのtert−ブタノール中の8.9gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、130mlのイソブタノール中に溶解した8.9gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=25800g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0040】
合成例10
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、452gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量2000、70%のt−ブタノール中EO/POモル比20.5)、25.0gの2−エトキシエチルメタクリレート、29.7gの1−ビニルイミダゾール及び700mlのtert−ブタノール中の6.1gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、140mlのイソブタノール中に溶解した6.1gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=26000g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0041】
合成例11
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、210gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量350、EO/POモル比1.7)、69.0gのラウリルアクリレート、52.8gのベンジルメタクリレート及び480mlのtert−ブタノール中の15.3gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、100mlのイソブタノール中に溶解した15.3gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=7700g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0042】
合成例12
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、258gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量750、EO/POモル比6.3)、38.2gの1−ビニル−2−ピロリドン、107.3gのスチレン及び580mlのtert−ブタノール中の16.5gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、120mlのイソブタノール中に溶解した16.5gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=12100g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0043】
合成例13
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、452gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量2000、70%のt−ブタノール中EO/POモル比20.5)、31.3gの2−エチルヘキシルメタクリレート、27.8gのベンジルメタクリレート及び700mlのtert−ブタノール中の4.6gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、140mlのイソブタノール中に溶解した4.6gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=27000g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0044】
合成例14
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、363gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量1100、70%のt−ブタノール中EO/POモル比10.2)、58.7gのラウリルメタクリレート、43.9gのフェネチルメタクリレート及び630mlのtert−ブタノール中の6.7gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、130mlのイソブタノール中に溶解した6.7gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=23000g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0045】
合成例15
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、258gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量750、EO/POモル比6.3)、116.3gのステアリルメタクリレート、70.9gの2−フェノキシエチルメタクリレート及び620mlのtert−ブタノール中の9.9gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、120mlのイソブタノール中に溶解した9.9gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=11200g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0046】
合成例16
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、210gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量350、EO/POモル比0.43)、72.0gのラウリルアクリレート、52.8gのベンジルメタクリレート及び480mlのtert−ブタノール中の11.1gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、100mlのイソブタノール中に溶解した11.1gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=8400g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0047】
合成例17
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、258gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量750、EO/POモル比0.22)、87.5gのラウリルメタクリレート、35.8gのスチレン及び530mlのtert−ブタノール中の9.9gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、110mlのイソブタノール中に溶解した9.9gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=10700g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0048】
合成例18
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、363gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量1100、70%のt−ブタノール中EO/POモル比0.30)、58.7gのラウリルメタクリレート、43.9gのフェネチルメタクリレート及び630mlのtert−ブタノール中の6.7gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、130mlのイソブタノール中に溶解した6.7gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=24000g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0049】
合成例19
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、388gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量750、EO/POモル比6.3)、68.2gの2−エチルヘキシルメタクリレート、35.8gのスチレン及び660mlのtert−ブタノール中の11.6gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、130mlのイソブタノール中に溶解した11.6gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=15000g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0050】
合成例20
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、517gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量750、EO/POモル比6.3)、68.2gの2−エチルヘキシルメタクリレート、35.8gのスチレン及び470mlのtert−ブタノール中の13.2gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、100mlのイソブタノール中に溶解した13.2gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=10000g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0051】
合成例21
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、280gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量350、EO/POモル比1.7)、79.2gの2−エチルヘキシルメタクリレート、41.6gのスチレン及び480mlのtert−ブタノール中の15.3gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、100mlのイソブタノール中に溶解した15.3gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=13500g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0052】
合成例22
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、387gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量750、EO/POモル比6.3)、87.5gのラウリルメタクリレート、35.8gのスチレン及び660mlのtert−ブタノール中の11.6gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、130mlのイソブタノール中に溶解した11.6gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=9700g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0053】
合成例23
攪拌器、還流冷却器、内部温度計及び窒素注入口を有するフラスコ中に、最初に、267gのポリアルキレングリコールモノメタクリレート(モル質量350、EO/POモル比1.7)、101.6gのラウリルメタクリレート、41.6gのスチレン及び480mlのtert−ブタノール中の15.3gの1−ドデカンチオールを窒素雰囲気下投入した。その後、投入物を攪拌しながら80℃に加熱した。反応温度に到達したところで、100mlのイソブタノール中に溶解した15.3gのAMBN開始剤を1時間にわたり添加した。これに続けてその温度でさらに5時間攪拌した。室温まで冷却した後、減圧下で溶剤を除去した。得られたポリマーのモル質量M=12000g/mol(GPCによる、対照試料:ポリエチレングリコール)
【0054】
比較合成例1
独国特許発明10 2005 019 384号明細書(国際公開第2006/114303号A1)の実施例1に従い合成したコポリマー
温度計、窒素流入口及び加圧冷却器を有する1Lの三首フラスコを使用して、テトラヒドロフラン中に、291.8gのスチレン、603.3gのメタクリル酸及び209.8gのメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(1.000g/mol)(MPEG1000MA)(水中50%)を攪拌しながら溶解した。その後、30.2gのジベンゾイルペルオキサイド(水中75%)を添加し、緩い窒素流の下にフラスコ中の内容物を65℃にした。混合物を還流下に18時間加熱した。その後、室温まで冷却した。激しく攪拌しつつ、73.75gの固体NaOH及び1.25Lの脱イオン水を添加した。フラスコの内容物を再び溶解した後、テトラヒドロフラン、水、未反応のスチレンを減圧下に蒸留することによって除去した。この時点での圧力は混合物の温度が40℃を超えないように選択した。濃縮したポリマー溶液は水により調整され、約33重量%の固体量で得られた。
【0055】
使用の実施例
顔料配合物の製造
粉末、顆粒又はプレスケーキの何れかの形態の顔料を、分散剤及びその他の補助剤と共に脱イオン水でペースト化し、その後、溶解器(例えば、Firma VMA−Getzmann GmbH、Type AE3-M1)又は他の適切な装置を使用して、均質化し、そして前分散させた。その後、ビーズミル(例えば、VMA-GetzmannのAE3-M1)又はその他の適当な分散ユニットを使用して微分散を生じさせ、ここで、粉砕は、大きさd=1のシリ珪岩(Siliquarzitperlen)ビーズ又はジルコニウム混合酸化物ビーズにより、冷却しつつ、所望の色彩強度及び色調が得られるまで行った。その後、所望の顔料最終濃度となるように分散体を脱イオン水で調整し、粉砕媒体を分離し、そして、顔料配合物を単離した。
【0056】
顔料配合物の評価
色彩強度及び色相はDIN55986に従い測定した。摩擦試験(Rub−Out−Test)は、分散ペイントと顔料分散体とを混合した後、分散ペイントをペイントカードに塗布した。その後、適用されたコーティングのうちペイントカードの下部を指で摩擦した。その時、近接の後処理していない部分と比較して摩擦部分が強い色又は輝く色を有している場合は、不適合性が存在した(独国特許発明2638946号明細書に記載の摩擦試験(Rub−Out−Test))。色彩強度と適合性は着色すべき媒体と共に、外装用の分散ペイントを使用して測定した(水性20%TiO)。
【0057】
粘度は、Firma Haake製のコーンプレート粘度計(Roto Visco 1)により20℃(チタンコーン:A60mm、1°)で測定し、粘度とせん断速度との間の関係を0〜200s−1の範囲で調べた。粘度は、せん断速度60s−1で測定した。分散体の貯蔵安定性を評価するために、配合物を製造した後すぐに粘度を測定し、そして、また、50℃で4週間貯蔵した後にも、粘度を測定した。
【0058】
以下の実施例に記載された顔料配合物を上記の方法で製造した。ここで、顔料配合物が100部となるように以下の組成が使用された。この実施例中の部は重量部である:
50.0部 C.I.ピグメントブルー15
7.0部 合成例19のポリマー
2.0部 湿潤剤
8.0部 エチレングリコール
0.2部 保存剤
32.8部 水
【0059】
顔料配合物は、白色の分散体中で高い色彩強度を有し、安定である。摩擦試験は、摩擦した部分と比較して色彩強度の差を示さなかった。分散体は、50℃で28日間の貯蔵後でも未だに容易に流動したので、良好な流動性と貯蔵安定性を有することがわかった。生成物の最終的な粘度は642mPa・sであった。