【実施例1】
【0009】
図1は、前面に便器4と手摺り5と背もたれを取り付けた配管ユニット2の設置状態の斜視構成図であり、
図2は、その正面概略構成図である。
配管ユニット2は、内部に給・排水用の配管が設けられて、背壁1bに背面を当接させて床面1a上に立設され、両側の側壁1c,1d間に隙間なく設置される。
配管ユニット2の前面には、便器4を取り付ける下側前パネル3aと、その上方の上側前パネル3bと、手摺り5を取り付ける右側前パネル3cが取り付けられており、下端には幅木6が設けられ、また、側壁1dとの隙間を無くすために間口調整用のフィラー7が右端側に取り付けられている。
【0010】
この配管ユニット2は、
図3に斜視図で示すようなフレーム9で構成されている。
フレーム9は、複数の縦材9a,9a,9aと複数の横材9b,9bが枠組みされ、更に奥行き材9c,9cが組み合わされて形成されている。
このフレーム9の図示右端側の縦材9aに、上下方向に間隔をおいて3個のフィラー取付部材10,10,10がそれぞれビス11,11で取り付けられ、このフィラー取付部材10,10,10の前面に前記フィラー7が両面テープによって取り付けられるものである。
【0011】
なお、
図4は、上端側のフィラー取付部材10とフレーム9の要部分解拡大構成図であり、
図5は、
図4をフレーム側から見た分解拡大構成図である。また、
図6は、フィラー取付部材10の拡大斜視図である。
【0012】
上端のフィラー取付部材10は、
図2に示すように、その上端がフレーム9の上面に設置されるカウンター8の底面に当接するような位置に取り付け固定される。これにより、上からの荷重によるカウンター8の変形を、この上端のフィラー取付部材10で良好に防ぐことができる。
【0013】
また、下端側のフィラー取付部材10は、
図2および
図3に示すように、縦材9aの下端側に設けられている三角部材15に、幅木6の右端側が当接する位置に取り付け固定されて、幅木6に正面からの応力がかかった時の幅木6の剥がれや変形を防げるように配置される。
フィラー取付部材10はL型の断面形状に形成され、横幅の広い長片10aと、その一端側から90度折曲して一体形成された横幅の狭い短片10bで構成されている。
なお、
図2,
図3,
図4および
図5では、側壁1c,1d間の間口調整幅が広い場合に、フィラー取付部材10の長片10aを正面側にして短片10bを縦材9aに当接させて取り付ける場合を例示している。
【0014】
更に
図6の大型のフィラー取付部材10を用いる場合でも、側壁1cと側壁1d間の間口調整幅が狭い場合、即ち、フレーム9の右端と側壁1dとの間の寸法が狭い場合には、
図7に示すように、各フィラー取付部材10の短片10b側を正面にして長片10aを縦材9aに当接させて取り付けることができる。
図7の場合の要部拡大図は、
図8に示し、フレーム9側から見た要部拡大図は、
図10に示す。
なお、
図9に示すような小型のフィラー取付部材10Bを用いることもできる。
【0015】
各フィラー取付部材10の長片10aおよび短片10bには、それぞれ2個の大開口12a,12bと2個の小開口13a,13bが形成されたものとなっている。
フィラー取付部材10の短片10bに形成された開口を
図11の拡大図で説明する。
大開口12a,12bは、略水平な第一中心線上に左右に間隔をおいて2個貫通形成されている。この大開口12a,12bを結ぶ第一中心線の中央に交差する第二中心線上には、上下方向に間隔をおいて2個の小開口13a,13bが貫通形成されている。即ち、小開口13a,13bを結ぶ第二中心線の中央に交差する第一中心線上に大開口12a,12bが位置する。
また、この大開口12a,12b間の距離と小開口12a,12b間の距離は等しい距離に設定されている。即ち、大開口12a,12bを結ぶ第一中心線と小開口13a,13bを結ぶ第二中心線の交点から大開口12a,12b、小開口13a,13までの距離は等しく、大開口12a,12bと小開口13a,13は上下左右対称に配置されている。
なお、大開口12a,12bは、ビス11の頭部11aは通らないが、ビス11のネジ部11bが通る径寸法に設定されている。また、小開口13a,13bは、ビス11のネジ部11bを締め付けてゆくことのできる径寸法に設定されている。
【0016】
一方、フレーム9の右端の縦材9aにも、上下に3個所にそれぞれ大開口12a,12bと小開口12a,12bが形成されている。
縦材9aには、フィラー取付部材10の大開口12a,12bの位置には小開口13a,13bが形成されているとともに、フィラー取付部材10の小開口13a,13bの位置には大開口12a,12bが形成されている。
即ち、縦材9aには、略水平な第三中心線上に左右に間隔をおいて2個の小開口13a,13bが形成されており、この2個の小開口13a,13bを結ぶ第三中心線の中央に交差する第四中心線上には、上下方向に間隔をおいて大開口12a,12bが貫通形成されている。即ち、大開口12a,12bを結ぶ第四中心線の中央に交差する第三中心線上に小開口13a,13bが位置する。
また、この大開口12a,12b間の距離と小開口13a,13b間の距離は等しい距離に設定されている。即ち、大開口12a,12bを結ぶ第四中心線と小開口13a,13bを結ぶ第三中心線の交点から大開口12a,12b、小開口13a,13までの距離は等しく、大開口12a,12bと小開口13a,13は上下左右対称に配置される。
なお、縦材9aの大開口12a,12bを結ぶ第四中心線と小開口13a,13bを結ぶ第三中心線の交点から縦材9aの大開口12a,12b、小開口13a,13までの距離は、フィラー取付部材10の大開口12a,12bを結ぶ第一中心線と小開口13a,13bを結ぶ第二中心線の交点からフィラー取付部材10の大開口12a,12b、小開口13a,13までの距離と等しく設定されている。
そのため、フィラー取付部材10側の大開口12a,12bと縦材9a側の小開口13a,13bを整合させることができ、フィラー取付部材10側の小開口13a,13bに対し縦材9a側の大開口12a,12bを整合させることができる。
【0017】
フレーム9の外側から縦材9aにフィラー取付部材10を取り付けるためには、先ず、フィラー取付部材10を縦材9aの外側に当接させる。そして、フィラー取付部材10の大開口12a,12bと縦材9a側の小開口13a,13bを整合させて、ビス11のネジ部11bをフィラー取付部材10の大開口12a,12b内にそれぞれ通して、外側からビス11の頭部11aを回し、ビス11を締め付けてフィラー取付部材10を縦材9aに取り付け固定することができる。
即ち、外側からフィラー取付部材10をビス11で取り付ける際には、フィラー取付部材10の横方向の大開口12a,12bと縦材9a側の横方向の小開口13a,13bが整合されて、外側からビス11が締め付けられるものである。
通常は、このように外側からフィラー取付部材10を取り付け固定してからフレーム9を所定位置に設置する。
本発明においては、フィラー取付部材10を縦材9aに取り付ける前にフレーム9を所定位置に設置した場合でも、フレーム9の内側からビス11をフィラー取付部材10に締め付けて、フィラー取付部材10を内側から後付けすることができるものである。
【0018】
縦材9aにフィラー取付部材10をフレーム9の内側から取り付けるためには、先ず、フィラー取付部材10を縦材9aの外側に当接させる。そして、フィラー取付部材10の小開口13a,13bと縦材9a側の大開口12a,12bを整合させて、縦材9aの内側に形成されている大径孔14内から、ビス11のネジ部11bを縦材9aに形成されている縦方向の大開口12a,12b内にそれぞれ通し、ビスのネジ部11bをフィラー取付部材10側の縦方向の小開口13a,13b内にそれぞれ締め付けてゆく。このように、内側からビス11を締め付けてフィラー取付部材10を縦材9aに取り付け固定することができる。
即ち、フレーム9の内側からビス11を締め付ける場合には、フレームの縦材9a側の縦方向の大開口12a,12bとフィラー取付部材10側の縦方向の小開口13a,13bが整合されて、内側からビス11が締め付けられるものである。
【0019】
なお、
図11のような大開口と小開口の配置パターンでは、大開口12a,12b間の間隔と小開口13a,13b間の間隔は同じで、大開口12a,12bを結ぶ線と小開口13a,13bを結ぶ線の交点から大開口12a,12b、小開口13a,13までの距離は等しく上下左右対称に配置されて、4つの開口が一致するため、内側からビス11を締め付けた場合でも、外側からビス11を締め付けた場合でも、フィラー取付部材10を同じ位置に取り付け可能で、強度は同じであり、強固にフィラー取付部材10を縦材9aに固定できるものとなる。
【0020】
なお、
図12および
図13に示すものは、大開口と小開口の配置パターンの変更例である。
図12の場合には、フィラー取付部材10の短片10bに、略水平な中心線上に左右に間隔をおいて2個の大開口12a,12bが貫通形成され、その下方の平行な中心線上に、大開口12a,12bの間隔と同間隔で、左右に間隔をおいて、大開口12a,12bを通る縦線上に位置するように2個の小開口13a,13bが貫通形成されたものである。
この
図12のフィラー取付部材10を用いる場合は、フレーム9の縦材9a側には、フィラー取付部材10の2つの大開口12a,12bと縦材9aの2つの小開口13a,13bを整合させたときに、フィラー取付部材10の小開口13a,13bと縦材9aの大開口12a,12bも整合するように開口が形成される。これにより、4つの開口が一致するため、内側からビス11を締め付けた場合でも、外側からビス11を締め付けた場合でも、フィラー取付部材10を同じ位置に取り付けできるものとなる。
【0021】
更に
図13の変更例では、縦方向に一列に同間隔で上方から大開口12a,小開口13a,小開口13b,大開口12bの順でそれぞれ貫通形成させたものである。
このようなフィラー取付部材10を用いる場合は、フレーム9の縦材9a側には、フィラー取付部材10の2つの大開口12a,12bと縦材9aの2つの小開口13a,13bを整合させたときに、フィラー取付部材10の小開口13a,13bと縦材9aの大開口12a,12bも整合するように開口が形成される。これにより、4つの開口が一致するため、内側からビス11を締め付けた場合でも、外側からビス11を締め付けた場合でも、フィラー取付部材10を同じ位置に取り付けできるものとなる。
【実施例2】
【0022】
次に、側板取付部材16および幅木取付部材17をフレーム9の縦材9aに取り付ける場合を説明する。
側板取付部材16は側板18をフレーム9に取り付けるための取付部材となり、幅木取付部材17はフレーム9に幅木6を取り付ける取付部材となる。
図14は、フレーム9と側板取付部材16と幅木取付部材17との分解斜視図を示す。
この側板取付部材16は
図15に拡大して示し、また、幅木取付部材17は
図16に拡大して示す。
なお、
図17は、
図14の要部拡大図を示しており、
図18は、
図17をフレーム側から見た要部拡大図である。
【0023】
側板取付部材16には、大径の大径孔16aと、タッピンネジを締め付けるネジ孔16b,16bが形成されており、大径孔16aと反対側の面には、
図11で示したフィラー取付部材10の短片10bと同様のパターンの大開口12a,12bおよび小開口13a,13bが貫通形成されている。
同様に、幅木取付部材17の大径孔17aの反対側の面にも、
図11で示したフィラー取付部材10の短片10bと同様のパターンの大開口12a,12bと小開口13a,13bが貫通形成されている。
【0024】
一方、
図17,
図18に示すように、フレーム9の縦材9aには、側板取付部材16の2つの大開口12a,12bと縦材9aの2つの小開口13a,13bを整合させたときに、側板取付部材16の小開口13a,13bと縦材9aの大開口12a,12bも整合するように開口が形成される。
従って、側板取付部材16を縦材9aに外側から取り付ける場合、即ち、ビス11を外側から締め付ける場合には、
図17に示すように、ビス11,11を側板取付部材16の大径孔16a内を通して、側板取付部材16の大開口12a,12bにそれぞれ通す。
ビス11のネジ部11bをフレーム9の縦材9a側の小開口13a,13bにそれぞれネジを切りながら締め付けてゆき、外側からビス11を締め付けて側板取付部材16を縦材9aに取り付けることができる。
【0025】
逆に、
図18のように、側板取付部材16を縦材9aに内側から取り付ける場合、即ち、内側からビス11を締め付ける場合には、縦材9aの大径孔14内にビス11,11を入れて、ビス11のネジ部11bを縦材9aの縦方向の大開口12a,12bに通し、ビスのネジ部11bを側板取付部材16の小開口13a,13bにそれぞれ締め付けてゆき、内側からビス11を締め付けて縦材9aに側板取付部材16を取り付けることができる。
幅木取付部材17においても同様に、
図11で示したフィラー取付部材10の短片10bと同様のパターンの大開口12a,12bと小開口13a,13bが貫通形成されており、ビス11を外側からでも内側からでも締め付けて幅木取付部材17を取り付けることができるものである。
【0026】
このようにして側板取付部材16,16,16をフレーム9に取り付け固定した後に、
図19に示すように、床面1a上に施工治具19を置き、この上に側板18を立てて仮置きする。
この状態で、
図20に示すように、フレーム9の内側からタッピンネジ11を側板取付部材16のネジ孔16b,16bにそれぞれ通して、タッピンネジ11を側板18に締め付け、側板18を側板取付部材16に強固に固定することができるものである。
なお、施工治具19は、側板18を取り付けた後に取り除かれる。
また、幅木取付部材17をフレーム9に取り付けた後、幅木6が、フレーム9下側の横材の前面および幅木取付部材17に両面テープによって取り付けられるものである。