特許第5683721号(P5683721)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5683721形状制御パラジウムおよびパラジウム合金ナノ粒子触媒
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5683721
(24)【登録日】2015年1月23日
(45)【発行日】2015年3月11日
(54)【発明の名称】形状制御パラジウムおよびパラジウム合金ナノ粒子触媒
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/90 20060101AFI20150219BHJP
   H01M 8/10 20060101ALI20150219BHJP
   H01M 8/02 20060101ALI20150219BHJP
【FI】
   H01M4/90 M
   H01M8/10
   H01M8/02 E
   H01M4/90 B
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-550457(P2013-550457)
(86)(22)【出願日】2011年1月19日
(65)【公表番号】特表2014-506715(P2014-506715A)
(43)【公表日】2014年3月17日
(86)【国際出願番号】US2011021703
(87)【国際公開番号】WO2012099583
(87)【国際公開日】20120726
【審査請求日】2014年1月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】500477447
【氏名又は名称】ユーティーシー パワー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】シャオ,ミンフア
【審査官】 太田 一平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−089031(JP,A)
【文献】 特開2007−157645(JP,A)
【文献】 特表2009−545114(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0086831(US,A1)
【文献】 特表2007−522921(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0075139(US,A1)
【文献】 特開2003−157857(JP,A)
【文献】 特開2008−210572(JP,A)
【文献】 特開2002−042825(JP,A)
【文献】 Wenxin Niu,et al.,Seed-Mediated Growth of Nearly Monodisperse Palladiumu Nanocubes with Controllable Sizes,CRYSTAL GROWTH & DESIGN,2008年 9月25日,VOL.8,NO.12,p.4440-4444
【文献】 Francisco J. et al.,Pd Adatom Decorated (100) Preferentially Oriented Pt Nanoparticles for Formic Acid Electrooxidation,ANGEWANDTE CHEME,2010年,vol.49,p.6998-7001
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/86 − 4/98
H01M 8/00 − 8/02
H01M 8/08 − 8/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノード電極と、
カソード電極と、
カソード電極とアノード電極との間に配置された電解質と、
電解質とアノード電極およびカソード電極の一方との間に配置された立方体形状のパラジウム触媒ナノ粒子と、
を備える、燃料電池用の一体化電極アッセンブリ(UEA)であって、
パラジウム触媒ナノ粒子は、100%の{100}を有ることを特徴とする、燃料電池用の一体化電極アッセンブリ(UEA)。
【請求項2】
パラジウム触媒ナノ粒子は、パラジウムおよび遷移金属を含むことを特徴とする請求項1記載のUEA。
【請求項3】
パラジウム触媒ナノ粒子は、パラジウムと、ロジウム、イリジウム、白金、および金から成る群より選択される少なくとも1つの貴金属とを含むことを特徴とする請求項1記載のUEA。
【請求項4】
パラジウム触媒ナノ粒子は、面積で少なくとも0%の{100}面を有することを特徴とする請求項1記載のUEA。
【請求項5】
パラジウム触媒ナノ粒子は、面積で少なくとも0%の{100}面を有することを特徴とする請求項1記載のUEA。
【請求項6】
パラジウム触媒ナノ粒子は、面積で少なくとも0%の{100}面を有することを特徴とする請求項1記載のUEA。
【請求項7】
パラジウム触媒ナノ粒子は、立方八面体に比較してより大きな表面積の{100}面を有することを特徴とする請求項1記載のUEA。
【請求項8】
パラジウム触媒ナノ粒子は、ナノメートルから0ナノメートルの稜長さを有することを特徴とする請求項1記載のUEA。
【請求項9】
パラジウム触媒ナノ粒子は、ナノメートルから0ナノメートルの稜長さを有することを特徴とする請求項1記載のUEA。
【請求項10】
電解質は、ポリマー膜であることを特徴とする請求項1記載のUEA。
【請求項11】
パラジウム触媒ナノ粒子は、電解質とカソード電極との間に配置されることを特徴とする請求項1記載のUEA。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、形状制御パラジウムおよびパラジウム合金ナノ粒子触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池用の一体化電極アッセンブリは、アノード、カソード、およびアノードとカソードとの間の電解質を備える。一例では、水素ガスがアノードに供給され、空気または純酸素がカソードに供給される。しかしながら、他の種類の燃料および酸化剤が使用可能であることは認識されている。アノードでは、アノード触媒が水素分子をプロトン(H+)と電子(e-)に分裂させる。プロトンは電解質を通ってカソードに至り、一方、電子は、外部回路を通ってカソードに至り、その結果電気が生成される。カソードでは、カソード触媒が酸素分子をアノードからのプロトンおよび電子と反応させて水を生成し、この水はシステムから除去される。
【0003】
アノード触媒およびカソード触媒は一般に白金または白金合金を備える。白金は高価な貴金属である。製造費用を低減するためにカソードにおける白金充填量を低減する多くの努力がなされてきた。また、燃料電池の効率を向上させるために酸素還元カソードにおける酸素還元の反応速度を向上させる努力がなされてきた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
燃料電池用の一体化電極アッセンブリ(unitized electrode assembly)(UEA)は、アノード電極と、カソード電極と、電解質と、パラジウム触媒ナノ粒子と、を備える。電解質は、カソード電極とアノード電極との間に配置される。パラジウム触媒ナノ粒子は、電解質とアノード電極およびカソード電極の一方との間に配置される。パラジウム触媒ナノ粒子は、{100}富化構造を有する。パラジウム触媒ナノ粒子の表面領域の大部分は、UEA環境に曝されている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】触媒層を有する燃料電池繰り返し単位の斜視図。
図2図1の燃料電池繰り返し単位の触媒層の拡大図。
図3】富化{100}構造を有するパラジウムナノ粒子の透過電子顕微鏡(TEM)像。
【発明を実施するための形態】
【0006】
ここでは、燃料電池の一体化電極アッセンブリ(UEA)内で触媒として使用されるパラジウムナノ粒子を説明する。パラジウムナノ粒子は、{100}富化構造を有する。標準のまたは形状非制御パラジウムは、UEA環境で不安定であり、白金より低い酸素還元反応(oxygen reduction reaction)(ORR)活性を有する。しかしながら意外なことに、{100}富化構造を有するパラジウムナノ粒子は、炭素支持白金触媒に匹敵する活性を有することが見出された。
【0007】
燃料電池は1つまたは複数の燃料電池繰り返し単位を用いて化学エネルギーを電気エネルギーに変換する。図1は、一実施例の燃料電池繰り返し単位10の斜視図を示しており、燃料電池繰り返し単位10は、一体化電極アッセンブリ(UEA)12(アノード触媒層(catalyst layer)(CL)14、電解質16、カソード触媒層(CL)18、アノード気体拡散層(gas diffusion layer)(GDL)20、およびカソード気体拡散層(GDL)22を有する)、アノード流れ場24、およびカソード流れ場26を備える。燃料電池繰り返し単位10は、アノード流れ場24およびカソード流れ場26に隣接して冷却材流れ場を有する。冷却材流れ場は図1には示されていない。
【0008】
アノードGDL20は、アノード流れ場24に面し、カソードGDL22は、カソード流れ場26に面する。アノードCL14は、アノードGDL20と電解質16との間に配置され、カソードCL18は、カソードGDL22と電解質16との間に配置される。このアッセンブリは、既知の技術で一旦一緒に結合されると、一体化電極アッセンブリ(UEA)12として知られる。一実施例では、燃料電池繰り返し単位10は、水素燃料(すなわち水素ガス)および酸素酸化剤(すなわち酸素ガスまたは空気)を用いるプロトン交換膜型燃料電池(proton exchange membrane fuel cell)(PEMFC)である。燃料電池繰り返し単位10が代替の燃料および/または酸化剤を使用できることは認識されている。
【0009】
作動時にアノードGDL20は、アノード流れ場24を経由して水素ガス(H2)を受け取る。アノードCL14は、白金などの触媒を有しており、水素分子をプロトン(H+)と電子(e-)に分裂させる。プロトンと電子は、カソードCL18に移動するが、プロトンは電解質16を通ってカソードCL18に至り、一方、電子は、外部回路28を通り、その結果電力が生成される。空気または純酸素(O2)がカソード流れ場26を通ってカソードGDL22に供給される。カソードCL18では、酸素分子は、アノードCL14からのプロトンおよび電子と反応して水(H2O)を生成し、この水は次いで、過剰の熱と共に燃料電池10から排出される。
【0010】
電解質16は、アノードCL14とカソードCL18との間に配置される。電解質16は、プロトンおよび水を移動させるが、電子は伝導させない。アノードCL14からのプロトンおよび水は、電解質16を通ってカソードCL18に至ることができる。電解質16は、リン酸などの液体あるいはペルフルオロスルホン酸(perfluorosulfonic acid)(PFSA)含有ポリマーまたはイオノマーなどの固体膜とすることができる。PFSAポリマーは、フルオロカーボン主鎖から構成され、スルホナート基が短いフルオロカーボン側鎖に結合している。例示的なPFSAポリマーとしては、米国のE.I.DuPont社によるNafion(登録商標)が挙げられる。電解質16は、吸収電解質または非吸収電解質とすることができる。吸収電解質としては、限定される訳ではないが、硫酸およびリン酸が挙げられる。非吸収電解質としては、限定される訳ではないが、PFSAポリマーおよび過塩素酸が挙げられる。
【0011】
アノードCL14は、電解質16のアノード側に隣接する。アノードCL14は、燃料(すなわち水素)の電気化学酸化を促進する触媒を備える。アノードCL14用の例示的な触媒は、炭素支持白金原子を備える。代替として、アノードCL14は、カソードCL18について以下に説明するパラジウム触媒ナノ粒子を備えることができる。
【0012】
カソードCL18は、アノードCL14とは反対側の電解質16のカソード側に隣接する。カソードCL18は、酸化剤(すなわち酸素)の電気化学還元を促進する触媒を備える。以下にさらに説明するように、この触媒は、富化{100}構造を有するパラジウムナノ粒子を備える。
【0013】
図2は、図1のカソードCL18の拡大図であり、触媒30(パラジウム触媒ナノ粒子32および触媒支持体34を有する)およびイオノマー36を備える。カソードCL18のイオノマー36は、触媒30に接触して、全体に亘って微細に分散したパラジウム触媒ナノ粒子32を有する層を形成する。カソードCL18は、触媒支持体34、イオノマー36、およびパラジウム触媒ナノ粒子32から成るマトリックスである。このマトリックスは、それを通して電子、プロトン、水、および反応物を移動させる。
【0014】
カソードCL18の触媒30は、酸化剤の電気化学還元を促進する。図2に示すように、触媒30は、触媒支持体34によってまたは触媒支持体上に支持されるパラジウム触媒ナノ粒子32を備える。触媒支持体34は、カーボンブラック支持体などの導電性支持体である。
【0015】
パラジウム触媒ナノ粒子32は、触媒支持体34上に分散される。パラジウム触媒ナノ粒子32は、パラジウムまたはパラジウム合金から形成される。パラジウム合金は、パラジウムと少なくとも1つの遷移金属との合金とすることができる。例示的な遷移金属としては、限定される訳ではないが、チタン、クロム、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、およびジルコニウムが挙げられる。パラジウム合金はまた、パラジウムと少なくとも1つの貴金属との合金とすることができる。例示的な貴金属としては、限定される訳ではないが、ロジウム、イリジウム、白金、および金が挙げられる。パラジウム触媒ナノ粒子32は、カソードCL18内で触媒として使用されるが、パラジウム触媒ナノ粒子32の表面の大部分は、図1のUEA12およびカソードCL18の環境に曝されている。すなわちパラジウム触媒ナノ粒子32は、酸化剤の電気化学還元を促進するためにUEA環境に曝されている。
【0016】
カソードCL18内でパラジウムナノ粒子32は、酸化還元反応: O2+4H++4e-→2H2O に従って水の形成を促進する。パラジウム触媒ナノ粒子32は、プロトン、電子、および反応物に接近できるときにのみ活性である。カソードCL18内のイオノマー36は、イオン伝導体レベルで電解質16をパラジウム触媒ナノ粒子32に接続する。図2に示すように、イオノマー36は、触媒30の触媒支持体34間に足場構造を形成する。イオノマー36は、カソードCL18を通して気体を移動させるとともにカソードCL18から水を除去することができる多孔質構造を形成する。イオノマー36はまた、プロトンを電解質16からパラジウム触媒ナノ粒子32上の活性触媒サイトに移動させる。アノードCL14は、カソードCL18と同じ構造を有することができる。
【0017】
図3は、パラジウム触媒ナノ粒子32の透過電子顕微鏡(TEM)像である。パラジウム触媒ナノ粒子32は、ナノ視認尺度の大きさを有する。一実施例では、パラジウム触媒ナノ粒子32は、約2ナノメートルから約50ナノメートルの稜長さを有する。別の一実施例では、パラジウム触媒ナノ粒子32は、約3ナノメートルから約10ナノメートルの稜長さを有する。
【0018】
パラジウム触媒ナノ粒子32は、{100}富化構造を有するように形状制御される。形状非制御パラジウムナノ粒子は形状が一般に立方八面体(cubo−octahedral)である。関心のある粒子の大きさ(すなわち2ナノメートルから50ナノメートル)において、立方八面体は、多くて約10%から約15%の{100}面を有する。パラジウム触媒ナノ粒子32は、立方八面体ナノ粒子に比較してより大きな表面積の{100}面を有する。一実施例では、パラジウム触媒ナノ粒子32の表面積の少なくとも約30%が、{100}面によって占められている。別の一実施例では、パラジウム触媒ナノ粒子32の表面積の少なくとも約50%が、{100}面によって占められている。さらなる一実施例では、パラジウム触媒ナノ粒子32の表面積の少なくとも約70%が、{100}面によって占められている。
【0019】
立方体ナノ粒子は、全体で6つの面から構成され、その全ての面が、{100}面によって占められる。パラジウム触媒ナノ粒子32は、略立方体形状を有する。一実施例では、これらの表面の少なくとも約30%が{100}面によって占められる。別の一実施例では、これらの表面の少なくとも約50%が{100}面によって占められる。さらなる一実施例では、これらの表面の少なくとも約70%が{100}面によって占められる。
【0020】
パラジウムナノ粒子の活性は、ナノ粒子のファセットまたは表面に大きく依存する。標準のまたは形状非制御パラジウムナノ粒子は、UEA環境中で溶解し易い。より詳細には、形状非制御パラジウムは、通常の燃料電池の電位繰り返し条件で反応性がある。電位繰り返し中に、パラジウムは酸化され、溶解し、カソードから移動し去る。溶解パラジウムは、ORR活性を低減し、電解質を被毒させ得る。
【0021】
形状非制御パラジウムナノ粒子とは対照的に、パラジウム触媒ナノ粒子32は、{100}富化構造を有する。パラジウム触媒ナノ粒子32は、パラジウム触媒ナノ粒子32上の{100}ファセットの数が増加しているので、形状非制御パラジウムナノ粒子より活性である(すなわちより高いORR活性を有する)。上述したように、形状非制御パラジウムナノ粒子は一般に立方八面体であり、最大で約10%から約15%の{100}面を有する。一実施例では、パラジウム触媒ナノ粒子32は、形状非制御パラジウムナノ粒子のORR活性より約4倍から約6倍高いORR活性を示す。上述したように、パラジウム触媒ナノ粒子32は、パラジウム合金から形成されることができる。パラジウムを少なくとも1つの付加的な遷移金属または貴金属で合金化することで、パラジウム触媒ナノ粒子32のORR活性をさらに向上させることができる。
【0022】
パラジウム触媒ナノ粒子32の比活性は、形状非制御パラジウムナノ粒子の比活性より格段に大きく、炭素支持白金触媒の比活性に匹敵するか、それを上回る。白金は、高価な貴金属である。パラジウムは、白金より高価ではない。パラジウム触媒ナノ粒子32を用いることで、同等の活性を達成しながら、UEAの材料費が低減される。
【0023】
以下の実施例に示すように、{100}富化構造を有するパラジウム触媒ナノ粒子32は、パラジウム八面体ナノ粒子や形状非制御パラジウムナノ粒子より活性である。さらにパラジウム触媒ナノ粒子32は、炭素支持白金の活性に匹敵するか、それを上回る活性を有する。以下の実施例は、本発明の範囲に含まれる多数の修正例および変形例が当業者には明らかとなるであろうから、もっぱら例示として意図される。
【0024】
実施例
4つの電極を作成した。電極Aは、炭素支持立方体パラジウムナノ粒子を有していた。立方体パラジウムナノ粒子は、本質的に全体で6つの面を有し、各面が{100}面によって占められる、形状制御ナノ粒子であった。
【0025】
電極Bは、炭素支持八面体パラジウムナノ粒子を有していた。八面体パラジウムナノ粒子は、本質的に全体で8つの面を有し、各面が{111}面によって占められる、形状制御ナノ粒子であった。
【0026】
電極Cは、炭素支持形状非制御パラジウムナノ粒子を有していた。上述したように、一般に形状非制御パラジウムナノ粒子は、立方八面体形状を有する。電極Cの触媒は、ドイツのルートヴィヒスハーフェン(Ludwigshafen)のBASF SEから購入した。
【0027】
電極Dは、炭素支持形状非制御白金ナノ粒子を有していた。電極Dの触媒は、日本のTKKから購入した。
【0028】
各電極について0.1MのHClO4(非吸収電解質)中で回転ディスク電極(rotating disk electrode)(RDE)実験を行った。電極は、1600回転毎分(rotations per minute)(RPM)で回転させた。0.9ボルト(V)における比活性を計算し、触媒の電気化学的活性領域に関して正規化した。実験実施の結果は、以下の表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
表1に示すように、形状非制御パラジウムナノ粒子(電極C)(すなわち最大で約10%〜15%の{100}面を有する)は、形状非制御白金ナノ粒子(電極D)より小さな活性であり、八面体形状を有するパラジウムナノ粒子(電極B)(すなわち約0%の{100}面を有する)は、よりいっそう小さな活性である。立方体形状を有するパラジウムナノ粒子(電極A)(すなわち約100%の{100}面を有する)は、形状非制御白金ナノ粒子を含め、試験を行った他の触媒のいずれよりも活性である。
【0031】
電極A、B、Cを比較すると、{100}面の割合が増加することで比活性が向上することが示される。
【0032】
吸収電解質についてもRDE実験を行った。以下の表2に従って電極E、F、Gを作成した。電極Eは、電極Aと同じ触媒(炭素支持立方体パラジウムナノ粒子)を有しており、電極Fは、電極Bと同じ触媒(炭素支持八面体パラジウムナノ粒子)を有しており、電極Gは、電極Cと同じ触媒(炭素支持形状非制御パラジウム)を有していた。電極は、O2で飽和させた0.1MのH2SO4溶液中、1600RMPで回転させた。0.85Vにおける比活性を計算した。実験実施の結果は、表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】
表2に示すように、立方体パラジウム(電極E)は、八面体パラジウム(電極F)や形状非制御パラジウム(電極G)よりも活性であった。電極E(100%の{100}面)を電極F(0%の{100}面)や電極G(10%〜15%の{100}面)と比較すると、{100}面の割合が増加することで比活性が向上することが示される。さらに、表1、表2を比較すると、非吸収電解質または吸収電解質のいずれで使用しても立方体パラジウムナノ粒子が、八面体パラジウムナノ粒子や形状非制御パラジウムナノ粒子より高い活性を有することが示される。
【0035】
本発明は、好ましい実施例について説明したが、当業者は、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに形態および詳細の変更が可能であることを理解するであろう。
なお、好ましい触媒層について、以下に記載する。
好ましい触媒層は、イオノマーと、イオノマーに支持された略立方体のパラジウム触媒ナノ粒子と、を備える、燃料電池内で使用するための触媒層であって、パラジウム触媒ナノ粒子の表面領域の大部分がイオノマーとの接続に利用可能である。
触媒層は好ましくは、パラジウム触媒ナノ粒子が、立方八面体に比較してより大きな表面積の{100}面を有する。
触媒層は好ましくは、パラジウムナノ粒子の表面の少なくとも約30%が、{100}面によって占められている。
触媒層は好ましくは、パラジウムナノ粒子の表面の少なくとも約50%が、{100}面によって占められている。
触媒層は好ましくは、パラジウムナノ粒子の表面の少なくとも約70%が、{100}面によって占められている。
触媒層は好ましくは、パラジウム触媒ナノ粒子が、約2ナノメートルから約50ナノメートルの稜長さを有する。
触媒層は好ましくは、パラジウム触媒ナノ粒子が、約3ナノメートルから約10ナノメートルの稜長さを有する。
触媒層は好ましくは、パラジウム触媒ナノ粒子が、パラジウム合金から形成される。
図1
図2
図3