(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の選択肢の中から1つの選択肢を選択可能に構成されたリストボックスを表示画面に複数表示させる表示制御手段であって、前記複数のリストボックスは、前記リストボックスのそれぞれにおいて選択状態にある選択肢を変化させるために入力を受け付ける方向と略直交する方向に並べて配置されている、表示制御手段と、
前記表示画面における前記複数のリストボックスを包含する領域において入力された点の位置と、前記点を始点とした移動を指し示す指示方向と、に基づいて、前記複数のリストボックスのうちのいずれのリストボックスの選択肢を変化させるか、と前記リストボックスにおける選択肢の変化の方向と、の両方を決定する処理制御手段と、
を備えるデータ入力システム。
前記処理制御手段は、選択肢を変化させるために入力を受け付ける方向のうちの一方の方向であって前記第1の方向と略直交する第3の方向及び選択肢を変化させるために入力を受け付ける方向のうちの他方の方向であって前記第3の方向とは逆の方向である第4の方向を中心に含む略180度にわたるそれぞれの角度範囲をリストボックスの数に分割し、分割された各角度範囲と各リストボックスとをそれぞれの並び順に従って対応付け、前記指示方向が含まれる角度範囲に対応付けられたリストボックスを、選択肢を変化させるリストボックスとして決定する、請求項2に記載のデータ入力システム。
前記処理制御手段は、前記始点の入力に引き続く押下操作の継続時間に基づき、複数のリストボックスのうちのいずれのリストボックスの選択肢を変化させるか、を決定する、
請求項1に記載のデータ入力システム。
前記処理制御手段は、前記継続時間が長いほど、前記始点を包含して表示されているリストボックスからの距離がより遠い位置に配されたリストボックスを、選択肢を変化させるリストボックスとして決定する、
請求項6に記載のデータ入力システム。
前記処理制御手段は、前記始点及び前記始点の入力の後に入力された1以上の点に基づき前記指示方向を認識し、前記始点から前記指示方向の認識に用いられた点のうち最後に入力された点までの長さ、又は、前記始点が入力された時から前記指示方向の認識に用いられた点のうち最後に入力された点が入力された時までの時間に基づき、前記リストボックスの選択肢の変化量を決定する、
請求項1〜7のいずれか一項に記載のデータ入力システム。
複数の選択肢の中から1つの選択肢を選択可能に構成されたリストボックスを表示画面に複数表示させる表示制御手段であって、前記複数のリストボックスは、前記リストボックスのそれぞれにおいて選択状態にある選択肢を変化させるために入力を受け付ける方向と直交する方向に並べて配置されている、表示制御手段と、
前記表示画面における前記複数のリストボックスを包含する領域において入力された任意の点の位置と、前記点を始点とした移動を指し示す指示方向と、に基づいて、前記複数のリストボックスのうちのいずれのリストボックスの選択肢を変化させるか、と前記リストボックスにおける選択肢の変化の方向と、の両方を決定する処理制御手段と、
を備えるデータ入力装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術におけるリストボックスでは、入力のためのポインタを所定位置に合わせなければ、選択候補を表示させたり、選択肢を選択したりすることができなかった。このような事情は、タッチパネルに対するタッチ操作を入力インターフェースとする場合において同様であった。このように、所定位置にポインタを合わせる操作にかかる手間は煩雑であった。
【0005】
そこで本発明は、リストボックスにより構成されるユーザインターフェースにおいて、選択肢を選択するための操作の手間を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一形態に係るデータ入力システムは、複数の選択肢の中から1つの選択肢を選択可能に構成されたリストボックスを表示画面に複数表示させる表示制御手段であって、複数のリストボックスは、リストボックスのそれぞれにおいて選択状態にある選択肢を変化させるために入力を受け付ける方向と略直交する方向に並べて配置されている、表示制御手段と、表示画面における複数のリストボックスを包含する領域において入力された点の位置と、点を始点とした移動を指し示す指示方向と、に基づいて、複数のリストボックスのうちのいずれのリストボックスの選択肢を変化させるか、とリストボックスにおける選択肢の変化の方向と、の両方を決定する処理制御手段と、を備える。
【0007】
本発明の一形態に係るデータ入力方法は、データ入力システムにおけるデータ入力方法であって、複数の選択肢の中から1つの選択肢を選択可能に構成されたリストボックスを表示画面に複数表示させる表示制御手段であって、複数のリストボックスは、リストボックスのそれぞれにおいて選択状態にある選択肢を変化させるために入力を受け付ける方向と直交する方向に並べて配置されている、表示制御ステップと、表示画面における複数のリストボックスを包含する領域において入力された任意の点の位置と、点を始点とした移動を指し示す指示方向と、に基づいて、複数のリストボックスのうちのいずれのリストボックスの選択肢を変化させるか、とリストボックスにおける選択肢の変化の方向と、の両方を決定する処理制御ステップと、を有する。
【0008】
本発明の一形態に係るデータ入力プログラムは、コンピュータをデータ入力システムとして機能させるためのデータ入力プログラムであって、コンピュータに、複数の選択肢の中から1つの選択肢を選択可能に構成されたリストボックスを表示画面に複数表示させる表示制御手段であって、複数のリストボックスは、リストボックスのそれぞれにおいて選択状態にある選択肢を変化させるために入力を受け付ける方向と直交する方向に並べて配置されている、表示制御機能と、表示画面における複数のリストボックスを包含する領域において入力された任意の点の位置と、点を始点とした移動を指し示す指示方向と、に基づいて、複数のリストボックスのうちのいずれのリストボックスの選択肢を変化させるか、とリストボックスにおける選択肢の変化の方向と、の両方を決定する処理制御機能と、を実現させる。
【0009】
本発明の一形態に係るデータ入力装置は、複数の選択肢の中から1つの選択肢を選択可能に構成されたリストボックスを表示画面に複数表示させる表示制御手段であって、複数のリストボックスは、リストボックスのそれぞれにおいて選択状態にある選択肢を変化させるために入力を受け付ける方向と直交する方向に並べて配置されている、表示制御手段と、表示画面における複数のリストボックスを包含する領域において入力された任意の点の位置と、点を始点とした移動を指し示す指示方向と、に基づいて、複数のリストボックスのうちのいずれのリストボックスの選択肢を変化させるか、とリストボックスにおける選択肢の変化の方向と、の両方を決定する処理制御手段と、を備える。
【0010】
上記の形態によれば、表示画面における複数のリストボックスを包含する領域において入力された点の位置と、その点を始点とした移動を指し示す指示方向とに基づいて、複数のリストボックスのうちのいずれのリストボックスの選択肢を変化させるか、とリストボックスにおける選択肢の変化の方向と、の両方が決定されるので、複数のリストボックスが表示された領域のうちのいずれかの位置を始点位置として操作することにより、いずれのリストボックスに表示された選択肢を変化させることが可能となる。従って、複数のリストボックスのうちの一のリストボックスに表示された選択肢を変化させるために当該リストボックスに対応付けられた所定位置に操作位置を合わせるような手間が軽減される。
【0011】
さらに別の形態に係るデータ入力システムでは、複数のリストボックスは、表示画面における第1の方向に沿って並べられており、処理制御手段は、始点を包含して表示されているリストボックスからみて第1の方向及び第1の方向とは逆の方向である第2の方向のそれぞれに配されたリストボックスの数に基づき、選択肢を変化させるリストボックスと指示方向の角度範囲との対応関係を決定してもよい。
【0012】
上記形態によれば、指示方向に配されたリストボックスの選択肢が変化されるように、指示方向の角度範囲と各リストボックスとの対応付けを決定できる。従って、指示方向に存在するリストボックスの選択肢が変化するので、直感的なユーザインターフェースが提供される。
【0013】
さらに別の形態に係るデータ入力システムでは、処理制御手段は、選択肢を変化させるために入力を受け付ける方向のうちの一方の方向であって第1の方向と略直交する第3の方向及び選択肢を変化させるために入力を受け付ける方向のうちの他方の方向であって第3の方向とは逆の方向である第4の方向を中心に含む略180度にわたるそれぞれの角度範囲をリストボックスの数に分割し、分割された各角度範囲と各リストボックスとをそれぞれの並び順に従って対応付け、指示方向が含まれる角度範囲に対応付けられたリストボックスを、選択肢を変化させるリストボックスとして決定することとしてもよい。
【0014】
上記形態によれば、指示方向に配されたリストボックスの選択肢が変化するように、指示方向の角度範囲に各リストボックスが対応付けられるように設定される。従って、指示方向に存在するリストボックスの選択肢が変化するので、直感的なユーザインターフェースが提供される。
【0015】
さらに別の形態に係るデータ入力システムでは、処理制御手段は、指示方向が第3の方向に沿う場合には、始点を包含して表示されているリストボックスの選択肢を、複数の選択肢の連なりにおける一方の順番に従って変化させ、指示方向が第4の方向に沿う場合には、始点を包含して表示されているリストボックスの選択肢を、複数の選択肢の連なりにおける他方の順番に従って変化させることとしてもよい。
【0016】
上記形態によれば、表示画面における横方向に複数のリストボックスが配列されている場合に、上方向及び下方向のいずれかの方向に指示方向が向かうように操作が行われると、始点を包含して表示されているリストボックスの選択肢が複数の選択肢の連なりにおける一方又は他方の順番に従ってに変更される。従って、タッチ操作をした位置に表示されているリストボックスを直感的に操作できる。
【0017】
さらに別の形態に係るデータ入力システムでは、処理制御手段は、指示方向が第3の方向より第1の方向に傾いた方向に沿う場合には、始点を包含して表示されているリストボックスからみて第1の方向に配されたいずれかのリストボックスの選択肢を、複数の選択肢の連なりにおける一方の順番に従って変化させ、指示方向が第4の方向より第1の方向に傾いた方向に沿う場合には、始点を包含して表示されているリストボックスからみて第1の方向に配されたいずれかのリストボックスの選択肢を、複数の選択肢の連なりにおける他方の順番に従って変化させ、指示方向が第3の方向より第2の方向に傾いた方向に沿う場合には、始点を包含して表示されているリストボックスからみて第2の方向に配されたいずれかのリストボックスの選択肢を、複数の選択肢の連なりにおける一方の順番に従って変化させ、指示方向が第4の方向より第2の方向に傾いた方向に沿う場合には、始点を包含して表示されているリストボックスからみて第2の方向に配されたいずれかのリストボックスの選択肢を、複数の選択肢の連なりにおける他方の順番に従って変化させることとしてもよい。
【0018】
上記形態によれば、表示画面における横方向に複数のリストボックスが配列されている場合に、略上方向及び略下方向のいずれかの方向から左右いずれかの方向に傾いた方向に指示方向が向かうように操作が行われると、指示方向が傾けられた方向に配されたリストボックスの選択肢が変化される。従って、タッチ操作をした位置に表示されているリストボックスの両側に配されたリストボックスを直感的に操作できる。
【0019】
さらに別の形態に係るデータ入力システムでは、処理制御手段は、始点の入力に引き続く押下操作の継続時間に基づき、複数のリストボックスのうちのいずれのリストボックスの選択肢を変化させるか、を決定することとしてもよい。
【0020】
上記形態によれば、タッチ操作に引き続く押下操作の継続時間を変えることにより、操作対象のリストボックスを変更できるので、指示方向の微妙な変更によらず所望のリストボックスを操作できる。従って、誤操作の低減を図りながら直感的なユーザインターフェースが提供される。
【0021】
さらに別の形態に係るデータ入力システムでは、処理制御手段は、継続時間が長いほど、始点を包含して表示されているリストボックスからの距離がより遠い位置に配されたリストボックスを、選択肢を変化させるリストボックスとして決定することとしてもよい。
【0022】
上記形態によれば、押下操作の継続時間が長いほど、タッチ操作をした位置に表示されているリストボックスから遠い位置に配されたリストボックスが選択肢を変更させる対象となるので、操作対象のリストボックスを直感的な指定が可能となる。
【0023】
さらに別の形態に係るデータ入力システムでは、処理制御手段は、継続時間の増加に従って、選択肢を変化させるリストボックスを配列順に従って循環的に変更することとしてもよい。
【0024】
上記形態によれば、押下操作の継続時間に応じて選択肢を変化させるリストボックスが配列順に従って循環的に変更される。これにより、選択肢の変更の対象とするリストボックスを容易に指定できる。
【0025】
さらに別の形態に係るデータ入力システムでは、処理制御手段は、始点及び始点の入力の後に入力された1以上の点に基づき指示方向を認識し、始点から指示方向の認識に用いられた点のうち最後に入力された点までの長さ、又は、始点が入力された時から指示方向の認識に用いられた点のうち最後に入力された点が入力された時までの時間に基づき、リストボックスの選択肢の変化量を決定することとしてもよい。
【0026】
上記形態によれば、始点位置における入力及びそれに引き続く指示方向を示すための入力操作の調整といった、ユーザにとって制御容易な操作により、リストボックスにおける選択肢の変化量を調節できる。従って、直感的なユーザインターフェースが実現される。
【発明の効果】
【0027】
本発明の一側面によれば、リストボックスにより構成されるユーザインターフェースにおいて、選択肢を選択するための操作の手間を軽減することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0030】
図1は、本実施形態に係るデータ入力装置1の機能的構成を示すブロック図である。データ入力装置1は、データ入力システムを構成する装置の一例であって、例えば、タッチパネル20を備える端末である。タッチパネル20は、表示手段21及び入力手段22を含む。表示手段21は、画像を表示画面に表示する。入力手段22は、表示画面に対する物理的接触を検知し、表示画面における物理的接触が検知された位置を示す位置情報を出力できる。
【0031】
本実施形態のデータ入力装置1は、タッチパネルを備えた端末の例により説明される。
図1に示すように、データ入力装置1は、機能的には、表示制御部11(表示制御手段)、取得部12(処理制御手段)、認識部13(処理制御手段)及び制御部14(処理制御手段)を備える。
【0032】
図2は、データ入力装置1のハードウェア構成図である。データ入力装置1は、物理的には、
図2に示すように、CPU101、RAM及びROMといったメモリにより構成される主記憶装置102、ハードディスク等で構成される補助記憶装置103、ネットワークカード等で構成される通信制御装置104、入力デバイスであるキーボード、マウス等の入力装置105、ディスプレイ等の出力装置106などを含むコンピュータシステムとして構成されている。
【0033】
図1に示した各機能は、
図2に示すCPU101、主記憶装置102等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェア(データ入力プログラム)を読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信制御装置104、入力装置105、出力装置106を動作させるとともに、主記憶装置102や補助記憶装置103におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶装置102や補助記憶装置103内に格納される。
【0034】
表示制御部11は、複数のリストボックスを表示手段21における表示画面に表示させる。リストボックスは、複数の選択肢の中から1つの選択肢を選択可能に構成されたグラフィカルユーザインターフェースの一種である。本実施形態では、複数のリストボックスは、リストボックスのそれぞれにおいて選択状態にある選択肢を変化させるために入力を受け付ける方向と略直交する方向に並べて配置されている。リストボックスでは、所定の方向に入力操作することにより、選択状態にある選択肢が、複数の選択肢の連なりに沿って順に変化する。
【0035】
複数のリストボックスにより構成される入力インターフェースの例として、例えば、日付をユーザに入力させるために、3つのリストボックスを表示画面において横方向に配列し、年、月及び日を各リストボックスにおいて選択可能に構成したものが挙げられる。各リストボックスでは、年、月及び日のそれぞれを示す値を、ユーザの操作により値の連なりに従って順に変化させることが可能である。
【0036】
その他、時刻を設定するための入力インターフェースとして、2つのリストボックスを横に配列して、時、分を各リストボックスにおいて選択可能に構成したもの、住居表示を入力するための入力インターフェースとして、都道府県、市、町等をそれぞれ選択可能に構成した複数のリストボックスを横に配列したもの等が例として挙げられる。
【0037】
ここで、
図3を参照して、従来のリストボックスを説明する。
図3に示す例は、時刻を入力するためのインターフェースであって、時を選択するためのリストボックスL
01及び分を選択するためのリストボックスL
02が配列されている。このような従来の例では、時の選択肢を変化させ、所望の時を表示及び選択するためには、リストボックスL
01に設定された操作領域R
01に位置合わせをしてタッチ及びスワイプ等の操作を行わなければならない。また、分の選択肢を変更し、所望の分を表示及び選択するためには、リストボックスL
02に設定された操作領域R
02に位置合わせをしてタッチ及びスワイプ等の操作を行わなければならない。このように、所定の操作領域に操作する位置を位置合わせする手間は煩雑であった。
【0038】
再び
図1を参照して、データ入力装置1の機能部を説明する。取得部12は、表示画面に対する入力操作の位置を示す位置情報を取得する部分である。具体的には、入力手段22によりタッチパネル20の表示画面に対する入力操作にかかる物理的接触が検知された位置を示す位置情報を出力されるので、取得部12は、入力手段22から出力された位置情報を取得する。
【0039】
認識部13は、取得部12により取得された位置情報に基づき、複数のリストボックスを包含する領域において入力された点の位置を始点として認識し、引き続く入力操作に基づき、始点からの移動を示す指示方向を認識する。認識部13は、例えば、始点位置の入力に引き続く連続的な入力操作に基づく位置情報群で示される入力軌跡を取得し、取得した入力軌跡に基づき指示方向を認識することができる。また、認識部13は、始点位置の入力の後に入力された点の位置を取得し、始点位置から後に入力された点に至る方向を指示方向として認識してもよい。
【0040】
図4を参照して、認識部13による認識処理を説明する。
図4に示す例では、時刻を入力するためのインターフェースとして、時を選択するためのリストボックスL
11及び分を選択するためのリストボックスL
12が配列されている。本実施形態のデータ入力装置1では、複数のリストボックスに対する選択肢の選択操作が可能な領域として、各リストボックスが表示されたリストボックス表示領域を含む操作領域が設定される。
図4に示す例では、リストボックスL
11及びリストボックスL
12が表示されたリストボックス表示領域を含む操作領域R
1が設定される。
【0041】
この操作領域R
1におけるユーザによるタッチ操作が行われると、認識部13は、タッチ操作の位置を始点位置P
1として認識する。そして、ユーザによりタッチ操作に引き続いてスワイプ操作のような連続的な入力操作が行われると、認識部13は、連続的な入力操作に基づく位置情報群で示される入力軌跡を取得し、入力軌跡に基づく指示方向T
1を認識する。
【0042】
再び
図1を参照して、データ入力装置1の機能部を説明する。制御部14は、認識部13により認識された始点の位置と指示方向とに基づいて、複数のリストボックスのうちのいずれのリストボックスの選択肢を変化させるか、とリストボックスにおける選択肢の変化の方向と、の両方を決定する。そして、制御部14は、選択された選択肢を当該リストボックスにおいて選択状態にある選択肢として表示させる。
【0043】
図5を参照して、制御部14における、選択肢の変化、表示及び選択の処理を説明する。
図5(a)に示す例では、時刻を入力するためのインターフェースとして、時を選択するためのリストボックスL
21及び分を選択するためのリストボックスL
22が表示画面における第1の方向d
1に沿って配列されている。第1の方向d
1は、例えば、表示画面における右方向である。また、
図5において、第1の方向d
1とは逆の方向を第2の方向d
2とし、第1の方向d
1と略直交する方向を第3の方向d
3とし、第3の方向d
3とは逆の方向を第4の方向d
4とする。第2の方向d
2は、例えば、表示画面における左方向である。第3の方向d
3は、例えば、表示画面における上方向である。第4の方向d
4は、例えば、表示画面における下方向である。
【0044】
リストボックスL
21及びリストボックスL
22を包含する操作領域R
2においてユーザによるタッチ操作が行われ、認識部13により始点位置P
2が認識されると、制御部14は、始点位置P
2を包含して表示されているリストボックスL
21からみて第1の方向d
1及び第2の方向d
2のそれぞれに配されたリストボックスの数に基づき、選択肢を変化させるリストボックスと指示方向の角度範囲との対応関係を決定する。
【0045】
図5(a)では、リストボックスL
21からみて第1の方向d
1に1つのリストボックスが配されており、リストボックスL
21からみて第2の方向d
2にはリストボックスが配されていないので、制御部14は、
図5(b)に示すように、始点位置P
2の認識に引き続き認識された指示方向の角度範囲F
21を、リストボックスL
21における時の選択肢の値を増加させる方向への変更に対応付ける。また、制御部14は、指示方向の角度範囲F
22を、リストボックスL
22における分の選択肢の値を増加させる方向への変更に対応付け、指示方向の角度範囲F
23を、リストボックスL
21における時の選択肢の値を減少させる方向への変更に対応付け、指示方向の角度範囲F
24を、リストボックスL
22における分の選択肢の値を減少させる方向への変更に対応付ける。なお、角度範囲F
21は太線で示されるように第3の方向d
3を含み、角度範囲F
22は第3の方向d
3を含まない。また、角度範囲F
23は太線で示されるように第4の方向d
4を含み、角度範囲F
24は第4の方向d
4を含まない。
【0046】
即ち、制御部14は、第3の方向及び第4の方向を中心に含む略180度にわたるそれぞれの角度範囲をリストボックスの数に分割し、分割された各角度範囲と各リストボックスとをそれぞれの並び順に従って対応付け、指示方向が含まれる角度範囲に対応付けられたリストボックスを、選択肢を変化させるリストボックスとして決定する。
【0047】
具体的には、制御部14は、第3の方向を中心に含む略180度にわたる角度範囲をリストボックスの数である2つに分割し、分割された各角度範囲F
21,F
22を並び順に従ってリストボックスL
21,L
22にそれぞれ対応付ける。指示方向が角度範囲F
21に含まれる場合には、リストボックスL
21の選択肢を、値を増加させる方向に変更させ、指示方向が角度範囲F
22に含まれる場合には、リストボックスL
22の選択肢を、値を増加させる方向に変更させる。
【0048】
また、制御部14は、第4の方向を中心に含む略180度にわたる角度範囲をリストボックスの数である2つに分割し、分割された各角度範囲F
23,F
24を並び順に従ってリストボックスL
21,L
22にそれぞれ対応付ける。指示方向が角度範囲F
23に含まれる場合には、リストボックスL
21の選択肢を、値を減少させる方向へ変更させ、指示方向が角度範囲F
24に含まれる場合には、リストボックスL
22の選択肢を、値を減少させる方向へ変更させる。
【0049】
図5(a)に示すように、認識部13により、第3の方向d
3に沿う指示方向T
21が認識された場合には、制御部14は、始点位置P
2を包含して表示されているリストボックスL
21の選択肢を値が増加する方向に変化させる。一方、認識部13により、第4の方向d
4に沿う指示方向が認識された場合には、制御部14は、始点位置P
2を包含して表示されているリストボックスL
21の選択肢を値が減少する方向に変化させる。
【0050】
また、認識部13により、第3の方向d
3より第1の方向d
1に傾いた方向に沿う指示方向T
22が認識された場合には、制御部14は、始点位置P
2を包含して表示されているリストボックスL
21からみて第1の方向d
1に配されたリストボックスL
22の選択肢を値が増加する方向に変化させる。一方、第4の方向d
4より第1の方向d
1に傾いた方向に沿う入力軌跡が認識された場合には、制御部14は、始点位置P
2を包含して表示されているリストボックスL
21からみて第1の方向d
1に配されたリストボックスL
22の選択肢を値が減少する方向に変化させる。
【0051】
選択肢を変化させるリストボックスの決定について、さらに説明する。
図5に示す例では、リストボックスは第1の方向d
1に沿って並べられている。ここで、第1の方向d
1にX軸をとり、第3の方向にY軸をとると、リストボックスは、X軸方向にそって並べられていることとなるので、選択肢を変化させるリストボックスは、始点位置のX座標及び指示方向を示すベクトルのX座標の変化に基づいて決定されることとなる。なお、リストボックスがY軸方向に沿って並べられている場合には、選択肢を変化させるリストボックスは、始点位置のY座標及び指示方向を示すベクトルのY座標の変化に基づいて決定されることとなる。このような、リストボックスの配列方向と、選択肢を変化させるリストボックスの決定に用いられる始点位置及び指示方向の座標との関係は、以降に説明する例において同様である。
【0052】
また、制御部14は、始点及び始点の入力の後に入力された1以上の点に基づき指示方向を認識し、始点から指示方向の認識に用いられた点のうち最後に入力された点までの長さ、又は、始点が入力された時から指示方向の認識に用いられた点のうち最後に入力された点が入力された時までの時間に基づき、リストボックスの選択肢の変化量を決定する。具体的には、始点の入力に引き続く入力軌跡に基づき指示方向を認識する場合には、制御部14は、入力軌跡の長さが長いほど、又は入力位置の移動速度が速いほど、選択肢の変化量を大きくする。また、始点位置の入力の後に入力された点の位置を取得し、始点位置から後に入力された点に至る方向を指示方向として認識する場合には、制御部14は、指示方向の認識に用いた2点間の距離が長いほど、又は2点の入力時が近いほど、選択肢の変化量を大きくする。
図5に示す例では、制御部14は、指示方向T
21の認識に用いられた入力軌跡の長さ又はその入力軌跡が入力された際の入力位置の移動速度に基づき、リストボックスL
21の選択肢の値が増加する方向への変更量を決定する。また、制御部14は、指示方向T
22の認識に用いられた入力軌跡の長さ又その入力軌跡が入力された際の入力位置の移動速度に基づき、リストボックスL
22の選択肢の値が増加する方向への変更量を決定する。
【0053】
次に、
図6を参照して、制御部14における、選択肢の変更、表示及び選択の処理を説明する。
図6(a)に示す例では、日付を入力するためのインターフェースとして、年を選択するためのリストボックスL
31、月を選択するためのリストボックスL
32及び日を選択するためのリストボックスL
33が表示画面における第1の方向d
1に沿って配列されている。第1の方向d
1は、例えば、表示画面における右方向である。また、
図6において、第1の方向d
1とは逆の方向を第2の方向d
2とし、第1の方向d
1と略直交する方向を第3の方向d
3とし、第3の方向d
3とは逆の方向を第4の方向d
4とする。第2の方向d
2は、例えば、表示画面における左方向である。第3の方向d
3は、例えば、表示画面における上方向である。第4の方向d
4は、例えば、表示画面における下方向である。
【0054】
リストボックスL
31、リストボックスL
32及びリストボックスL
33を包含する操作領域R
3においてユーザによるタッチ操作が行われ、認識部13により始点位置P
3が認識されると、制御部14は、始点位置P
3を包含して表示されているリストボックスL
31からみて第1の方向d
1及び第2の方向d
2のそれぞれに配されたリストボックスの数に基づき、選択肢が変更されるリストボックスと指示方向の角度範囲との対応関係を決定する。
【0055】
図6(a)では、リストボックスL
31からみて第1の方向d
1に2つのリストボックスが配されており、リストボックスL
31からみて第2の方向d
2にはリストボックスが配されていないので、制御部14は、
図6(b)に示すように、始点位置P
3の認識に引き続く指示方向の角度範囲F
31を、リストボックスL
31における年の選択肢の値を増加させる方向への変化に対応付ける。また、制御部14は、指示方向の角度範囲F
32を、リストボックスL
32における月の選択肢の値を増加させる方向への変化に対応付け、指示方向の角度範囲F
33を、リストボックスL
33における日の選択肢の値を増加させる方向への変化に対応付け、指示方向の角度範囲F
34を、リストボックスL
31における年の選択肢の値を減少させる方向への変化に対応付け、指示方向の角度範囲F
35を、リストボックスL
32における月の選択肢の値を減少させる方向への変化に対応付け、指示方向の角度範囲F
36を、リストボックスL
33における日の選択肢の値を減少させる方向への変化に対応付ける。なお、角度範囲F
31は太線で示されるように第3の方向d
3を含み、角度範囲F
32は第3の方向d
3を含まない。また、角度範囲F
34は太線で示されるように第4の方向d
4を含み、角度範囲F
35は第4の方向d
4を含まない。
【0056】
さらに具体的には、制御部14は、第3の方向を中心に含む略180度にわたる角度範囲をリストボックスの数である3つに分割し、分割された各角度範囲F
31,F
32,F
33を並び順に従ってリストボックスL
31,L
32,L
33にそれぞれ対応付ける。
【0057】
始点位置P
3をリストボックス表示領域に含み最も左側に配されたリストボックスL
31には、第2の方向d
2から第3の方向d
3に至り且つ第3の方向d
3を含む略90度の角度範囲F
31が対応付けられる。リストボックスL
31の右隣に配されたリストボックスL
32には、第3の方向d
3から第1の方向d
1に向かって略45度の角度範囲F
32が対応付けられる。リストボックスL
32の右隣に配されたリストボックスL
33には、角度範囲F
32の第1の方向d
1側の境界から第1の方向d
1に至る略45度の角度範囲F
33が対応付けられる。このように、各リストボックスと指示方向の角度範囲とが対応付けられることにより、指示方向と選択肢の変更操作がされるリストボックスとが直感的に関連付けられる。
【0058】
指示方向が角度範囲F
31に含まれる場合には、リストボックスL
31の選択肢を値を増加させる方向に変化させ、指示方向が角度範囲F
32に含まれる場合には、リストボックスL
32の選択肢を値を増加させる方向に変化させ、指示方向が角度範囲F
33に含まれる場合には、リストボックスL
33の選択肢を、値を増加させる方向に変化させる。
【0059】
また、制御部14は、第4の方向を中心に含む略180度にわたる角度範囲をリストボックスの数である3つに分割し、分割された各角度範囲F
34,F
35,F
36を並び順に従ってリストボックスL
31,L
32,L
33にそれぞれ対応付ける。
【0060】
始点位置P
3をリストボックス表示領域に含み最も左側に配されたリストボックスL
31には、第2の方向d
2から第4の方向d
4に至り且つ第4の方向d
4を含む略90度の角度範囲F
34が対応付けられる。リストボックスL
31の右隣に配されたリストボックスL
32には、第4の方向d
4から第1の方向d
1に向かって略45度の角度範囲F
35が対応付けられる。リストボックスL
32の右隣に配されたリストボックスL
33には、角度範囲F
35の第1の方向d
1側の境界から第1の方向d
1に至る略45度の角度範囲F
36が対応付けられる。このように、各リストボックスと指示方向の角度範囲とが対応付けられることにより、指示方向と選択肢の変更操作がされるリストボックスとが直感的に関連付けられる。
【0061】
指示方向が角度範囲F
34に含まれる場合には、リストボックスL
31の選択肢を値を減少させる方向に変化させ、指示方向が角度範囲F
35に含まれる場合には、リストボックスL
32の選択肢を値を減少させる方向に変化させ、指示方向が角度範囲F
36に含まれる場合には、リストボックスL
33の選択肢を、値を減少させる方向に変化させる。
【0062】
図6(a)に示すように、認識部13により、第3の方向d
3に沿う指示方向T
31が認識された場合には、制御部14は、始点位置P
3を包含して表示されているリストボックスL
31の選択肢を値を増加させる方向に変化させる。一方、認識部13により、第4の方向d
4に沿う指示方向が認識された場合には、制御部14は、始点位置P
3をを包含して表示されているリストボックスL
31の選択肢を値を減少させる方向に変化させる。
【0063】
また、認識部13により、第3の方向d
3より第1の方向d
1に傾いた方向に沿う指示方向T
32又はT
33が認識された場合には、制御部14は、始点位置P
3を包含して表示されているリストボックスL
31からみて第1の方向d
1に配されたリストボックスL
32又はL
33の選択肢を値が増加する方向に変化させる。指示方向T
32の方向が角度範囲F
32に含まれるので、指示方向T
32が認識された場合には、制御部14は、リストボックスL
32の選択肢を値が増加する方向に変化させる。指示方向T
33の方向が角度範囲F
33に含まれるので、指示方向T
33が認識された場合には、制御部14は、リストボックスL
33の選択肢を値を増加させる方向に変化させる。一方、認識部13により、第4の方向d
4より第1の方向d
1に傾いた方向に沿う入力軌跡が認識された場合には、制御部14は、始点位置P
3を包含して表示されているリストボックスL
31からみて第1の方向d
1に配されたリストボックスL
32又はL
33の選択肢を値を減少させる方向に変化させる。認識された指示方向が角度範囲F
35に含まれる場合には、制御部14は、リストボックスL
32の選択肢を値を減少させる方向に変化させる。認識された入力軌跡が角度範囲F
36に含まれる場合には、制御部14は、リストボックスL
33の選択肢を値を減少させる方向に変化させる。
【0064】
また、制御部14は、指示方向T
31の認識に用いられた入力軌跡の長さ又は入力軌跡が入力された際の入力位置の移動速度に基づき、リストボックスL
31の選択肢の値が増加する方向への変化量を決定する。また、制御部14は、指示方向T
32の認識に用いられた入力軌跡の長さ又は入力軌跡が入力された際の入力位置の移動速度に基づき、リストボックスL
32の選択肢の値が増加する方向への変化量を決定する。また、制御部14は、指示方向T
33の認識に用いられた入力軌跡の長さ又は入力軌跡が入力された際の入力位置の移動速度に基づき、リストボックスL
33の選択肢の値が増加する方向への変化量を決定する。
【0065】
次に、
図7を参照して、制御部14における、選択肢の変更、表示及び選択の処理を説明する。
図7(a)に示す例では、日付を入力するためのインターフェースとして、年を選択するためのリストボックスL
41、月を選択するためのリストボックスL
42及び日を選択するためのリストボックスL
43が表示画面における第1の方向d
1に沿って配列されている。第1の方向d
1は、例えば、表示画面における右方向である。また、
図7において、第1の方向d
1とは逆の方向を第2の方向d
2とし、第1の方向d
1と略直交する方向を第3の方向d
3とし、第3の方向d
3とは逆の方向を第4の方向d
4とする。第2の方向d
2は、例えば、表示画面における左方向である。第3の方向d
3は、例えば、表示画面における上方向である。第4の方向d
4は、例えば、表示画面における下方向である。
【0066】
リストボックスL
41、リストボックスL
42及びリストボックスL
43を包含する操作領域R
4においてユーザによるタッチ操作が行われ、認識部13により始点位置P
4が認識されると、制御部14は、始点位置P
4を包含して表示されているリストボックスL
42からみて第1の方向d
1及び第2の方向d
2のそれぞれに配されたリストボックスの数に基づき、選択肢が変更されるリストボックスと指示方向の角度範囲との対応関係を決定する。
【0067】
図7(a)では、リストボックスL
42からみて第1の方向d
1に1つのリストボックスが配されており、リストボックスL
42からみて第2の方向d
2には1つのリストボックスが配されているので、制御部14は、
図7(b)に示すように、始点位置P
4の認識に引き続く指示方向の角度範囲F
44を、リストボックスL
41における年の選択肢の値を増加させる方向への変化に対応付ける。また、制御部14は、指示方向の角度範囲F
45を、リストボックスL
42における月の選択肢の値を増加させる方向への変化に対応付け、指示方向の角度範囲F
46を、リストボックスL
43における日の選択肢の値を増加させる方向への変化に対応付け、指示方向の角度範囲F
41を、リストボックスL
41における年の選択肢の値を減少させる方向への変化に対応付け、指示方向の角度範囲F
42を、リストボックスL
42における月の選択肢の値を減少させる方向への変化に対応付け、指示方向の角度範囲F
43を、リストボックスL
43における日の選択肢の値を減少させる方向への変化に対応付ける。
【0068】
さらに具体的には、制御部14は、第3の方向を中心に含む略180度にわたる角度範囲をリストボックスの数である3つに分割し、分割された各角度範囲F
44,F
45,F
46を並び順に従ってリストボックスL
41,L
42,L
43にそれぞれ対応付ける。
【0069】
始点位置P
4をリストボックス表示領域に含み3つのリストボックスのうち中央に配されたリストボックスL
42には、第3の方向d
3を中心に含む略60度の角度範囲F
45が対応付けられる。リストボックスL
42の左隣に配されたリストボックスL
41には、角度範囲F
45の第2の方向d
2側の境界から第2の方向d
2に至る略60度の角度範囲F
44が対応付けられる。リストボックスL
42の右隣に配されたリストボックスL
43には、角度範囲F
45の第1の方向d
1側の境界から第1の方向d
1に至る略60度の角度範囲F
46が対応付けられる。このように、各リストボックスと指示方向の角度範囲とが対応付けられることにより、指示方向と選択肢の変更操作がされるリストボックスとが直感的に関連付けられる。
【0070】
指示方向が角度範囲F
44に含まれる場合には、リストボックスL
41の選択肢を値を増加させる方向に変化させ、指示方向が角度範囲F
45に含まれる場合には、リストボックスL
42の選択肢を値を増加させる方向に変化させ、指示方向が角度範囲F
46に含まれる場合には、リストボックスL
43の選択肢を、値を増加させる方向に変化させる。
【0071】
また、制御部14は、第4の方向を中心に含む略180度にわたる角度範囲をリストボックスの数である3つに分割し、分割された各角度範囲F
41,F
42,F
43を並び順に従ってリストボックスL
41,L
42,L
43にそれぞれ対応付ける。
【0072】
始点位置P
4をリストボックス表示領域に含み3つのリストボックスのうち中央に配されたリストボックスL
42には、第4の方向d
4を中心に含む略60度の角度範囲F
42が対応付けられる。リストボックスL
42の左隣に配されたリストボックスL
41には、角度範囲F
42の第2の方向d
2側の境界から第2の方向d
2に至る略60度の角度範囲F
41が対応付けられる。リストボックスL
42の右隣に配されたリストボックスL
43には、角度範囲F
42の第1の方向d
1側の境界から第1の方向d
1に至る略60度の角度範囲F
43が対応付けられる。このように、各リストボックスと指示方向の角度範囲とが対応付けられることにより、指示方向と選択肢の変更操作がされるリストボックスとが直感的に関連付けられる。
【0073】
指示方向が角度範囲F
41に含まれる場合には、リストボックスL
41の選択肢を値を減少させる方向に変化させ、指示方向が角度範囲F
42に含まれる場合には、リストボックスL
42の選択肢を値を減少させる方向に変化させ、指示方向が角度範囲F
43に含まれる場合には、リストボックスL
43の選択肢を、値を減少させる方向に変化させる。
【0074】
図7(a)に示すように、認識部13により、第4の方向d
4に沿う指示方向T
42が認識された場合には、制御部14は、始点位置P
4を包含して表示されているリストボックスL
42の選択肢を値を減少させる方向に変化させる。一方、認識部13により、第3の方向d
3に沿う指示方向が認識された場合には、制御部14は、始点位置P
4を包含して表示されているリストボックスL
42の選択肢を値を増加させる方向に変化させる。
【0075】
認識部13により、第3の方向d
3より第1の方向d
1に傾いた方向に沿い且つその方向が角度範囲F
46に含まれる指示方向が認識された場合には、制御部14は、始点位置P
4を包含して表示されているリストボックスL
42からみて第1の方向d
1に配されたリストボックスL
43の選択肢を値を増加させる方向に変化させる。また、第3の方向d
3より第2の方向d
2に傾いた方向に沿い且つその方向が角度範囲F
44に含まれる指示方向が認識された場合には、制御部14は、始点位置P
4を包含して表示されているリストボックスL
42からみて第2の方向d
2に配されたリストボックスL
41の選択肢を値を増加させる方向に変化させる。
【0076】
一方、認識部13により、第4の方向d
4より第1の方向d
1に傾いた方向に沿い且つその方向が角度範囲F
43に含まれる指示方向T
43が認識された場合には、制御部14は、始点位置P
4を包含して表示されているリストボックスL
42からみて第1の方向d
1に配されたリストボックスL
43の選択肢を値を減少させる方向に変化させる。また、認識部13により、第4の方向d
4より第2の方向d
2に傾いた方向に沿い且つその方向が角度範囲F
41に含まれる指示方向T
41が認識された場合には、制御部14は、始点位置P4を包含して表示されているリストボックスL
42からみて第2の方向d
2に配されたリストボックスL
41の選択肢を値を減少させる方向に変化させる。
【0077】
また、制御部14は、指示方向T
41の認識に用いられた入力軌跡の長さ又は入力軌跡が入力された際の入力位置の移動速度に基づき、リストボックスL
41の選択肢の値が減少する方向への変化量を決定する。また、制御部14は、指示方向T
42の認識に用いられた入力軌跡の長さ又は入力軌跡が入力された際の入力位置の移動速度に基づき、リストボックスL
42の選択肢の値が減少する方向への変化量を決定する。また、制御部14は、指示方向T
43の認識に用いられた入力軌跡の長さ又は入力軌跡が入力された際の入力位置の移動速度に基づき、リストボックスL
43の選択肢の値が減少する方向への変化量を決定する。
【0078】
次に、
図8を参照して、制御部14における、選択肢の変更、表示及び選択の処理を説明する。
図8(a)に示す例では、日付を入力するためのインターフェースとして、年を選択するためのリストボックスL
51、月を選択するためのリストボックスL
52及び日を選択するためのリストボックスL
53が表示画面における第1の方向d
1に沿って配列されている。第1の方向d
1は、例えば、表示画面における右方向である。また、
図8において、第1の方向d
1とは逆の方向を第2の方向d
2とし、第1の方向d
1と略直交する方向を第3の方向d
3とし、第3の方向d
3とは逆の方向を第4の方向d
4とする。第2の方向d
2は、例えば、表示画面における左方向である。第3の方向d
3は、例えば、表示画面における上方向である。第4の方向d
4は、例えば、表示画面における下方向である。
【0079】
リストボックスL
51、リストボックスL
52及びリストボックスL
53を包含する操作領域R
5においてユーザによるタッチ操作が行われ、認識部13により始点位置P
5が認識されると、制御部14は、始点位置P
5を包含して表示されているリストボックスL
51からみて第1の方向d
1及び第2の方向d
2のそれぞれに配されたリストボックスの数に基づき、選択肢が変更されるリストボックスと指示方向の角度範囲との対応関係を決定する。
【0080】
図8(a)では、リストボックスL
51からみて第1の方向d
1に2つのリストボックスが配されており、リストボックスL
51からみて第2の方向d
2にはリストボックスが配されていないので、制御部14は、
図8(b)に示すように、始点位置P
5をリストボックス表示領域に含み最も左側に配されたリストボックスL
51には、第3の方向を中心に含む略180度にわたる角度範囲のうち、第2の方向d
2から第3の方向d
3に至り且つ第3の方向d
3を含む略90度の角度範囲F
51が対応付けられる。また、制御部14は、リストボックスL
51の右側に配されたリストボックスL
52,L
53には、第3の方向を中心に含む略180度にわたる角度範囲のうち、第3の方向d
3から第1の方向d
1に至る略90度の角度範囲F
52が対応付けられる。
【0081】
1つの角度範囲に複数のリストボックスを対応付けた場合に、制御部14は、ユーザによる始点位置に対するタッチ操作に引き続く押下操作の継続時間に基づいて、複数のリストボックスのうちのいずれのリストボックスの選択肢を変更させるかを決定することができる。この場合には、認識部13は、ユーザによる始点位置に対するタッチ操作に引き続く押下操作の継続時間を認識できる。
【0082】
制御部14は、例えば、押下操作の継続時間が長いほど、始点を包含して表示されているリストボックスからの距離がより遠い位置に配されたリストボックスを、選択肢を変更させるリストボックスとして決定してもよい。
【0083】
具体的には、始点位置P
5における押下操作の継続時間が所定時間より短いいわゆる短押しである場合には、制御部14は、始点位置P
5を包含して表示されているリストボックスL
51からの距離がより短いリストボックスL
52を、選択肢を変更させるリストボックスとして決定する。一方、始点位置P
5における押下操作の継続時間が所定時間より長いいわゆる長押しである場合には、制御部14は、始点位置P
5を包含して表示されているリストボックスL
51からの距離がより遠いリストボックスL
53を、選択肢を変更させるリストボックスとして決定する。
【0084】
即ち、ユーザが始点位置P
5を短押しした後に指示方向T
52により示されるスワイプ操作を行った場合には、制御部14は、リストボックスL
52を、選択肢を変更させるリストボックスとして決定し、指示方向T
52を示す入力軌跡の長さ又はその入力軌跡が入力された際の入力位置の移動速度に応じて、リストボックスL
52に示される月の表示を値を増加させる方向に変化させる。一方、ユーザが始点位置P
5を長押しした後に指示方向T
52により示されるスワイプ操作を行った場合には、制御部14は、リストボックスL
53を、選択肢を変更させるリストボックスとして決定し、指示方向T
53を示す入力軌跡の長さ又はその入力軌跡が入力された際の入力位置の移動速度に応じて、リストボックスL
53に示される日の表示を値を増加させる方向に変化させる。
【0085】
なお、以上の
図8を参照して説明した例では、始点位置における押下操作の継続時間が長いほど、始点を包含して表示されているリストボックスからの距離がより遠い位置に配されたリストボックスを、選択肢を変更させるリストボックスとして決定することとしているが、制御部14は、始点位置における押下操作の継続時間の増加に従って、選択肢を変更させるリストボックスを配列順に従って循環的に変更することとしてもよい。具体的には、制御部14は、始点位置P
5に対する押下操作の継続時間が所定時間経過するごとに、選択肢を変更させるリストボックスの、リストボックスL
52からリストボックスL
53への変更及びリストボックスL
53からリストボックスL
52への変更を繰り返し行うこととしてもよい。
【0086】
続いて、
図9を参照して、本実施形態のデータ入力装置1の動作について説明する。
図9は、データ入力装置1において実施されるデータ入力方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0087】
まず、表示制御部11は、複数のリストボックスを表示手段21における表示画面に、リストボックスのそれぞれにおいて選択状態にある選択肢を変化させるために入力を受け付ける方向と略直交する方向に並べて配列して表示させる(S1)。次に、取得部12は、タッチパネルに対する表示画面に対する入力操作の位置を示す位置情報を取得する(S2)。
【0088】
続いて、認識部13は、取得部12により取得された位置情報に基づき、各リストボックスを包含する操作領域におけるタッチ操作の位置を始点位置として認識する(S3)。次に、認識部13は、始点位置におけるタッチ操作に引き続く入力操作に基づき指示方向を認識する(S4)。
【0089】
そして、制御部14は、認識部13により認識された始点位置を基準とする指示方向に基づいて、複数のリストボックスのうちのいずれのリストボックスの選択肢を変化させるかを決定すると共に、選択肢の変化の方向を決定する(S5)。さらに、制御部14は、指示方向の認識に用いられた入力軌跡の長さ又は入力軌跡が入力された際の入力位置の移動速度に基づき、リストボックスの選択肢の変化量を決定する(S6)。そして、制御部14は、選択された選択肢を当該リストボックスにおいて表示させる。
【0090】
次に、
図10を参照して、コンピュータをデータ入力装置1として機能させるためのデータ入力プログラムを説明する。データ入力プログラム1Pは、メインモジュール10P、表示制御モジュール11P、取得モジュール12P、認識モジュール13P及び制御モジュール14Pを備える。
【0091】
メインモジュールP10は、データ入力処理を統括的に制御する部分である。表示制御モジュール11P、取得モジュール12P、認識モジュール13P及び制御モジュール14Pを実行することにより実現される機能はそれぞれ、
図1に示されるデータ入力装置1の表示制御部11、取得部12、認識部13及び制御部14の機能と同様である。
【0092】
データ入力プログラム1Pは、例えば、CD−ROMやDVD−ROM等の記憶媒体1Dまたは半導体メモリによって提供される。また、データ入力プログラム1Pは、搬送波に重畳されたコンピュータデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0093】
なお、以上説明したデータ入力システムの実施形態では、
図1に示すように、データ入力装置1として一の端末装置に各機能が構成されることとしているが、各機能が端末装置及びサーバに分散して構成されることとしてもよい。その場合には、例えば、表示手段21及び入力手段22を含むタッチパネル20を備える端末装置と、表示制御部11、取得部12、認識部13及び制御部14を備えるサーバとにより本発明のデータ入力システムが構成されることとしてもよい。かかる場合において、取得部12は、入力軌跡を構成する位置情報群をユーザによる入力に伴い取得することとしてもよい。
【0094】
以上説明した本実施形態のデータ入力装置1、データ入力方法、データ入力プログラム1P及びデータ入力システムによれば、表示画面における複数のリストボックスを包含する領域において入力された点の位置と、その点を始点とした移動を指し示す指示方向とに基づいて、複数のリストボックスのうちのいずれのリストボックスの選択肢を変化させるか、とリストボックスにおける選択肢の変化の方向と、の両方が決定されるので、複数のリストボックスが表示された領域のうちのいずれかの位置を始点位置として操作することにより、いずれのリストボックスに表示された選択肢を変化させることが可能となる。従って、複数のリストボックスのうちの一のリストボックスに表示された選択肢を変化させるために当該リストボックスに対応付けられた所定位置に操作位置を合わせるような手間が軽減される。
【0095】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
データ入力システムは、複数の選択肢の中から1つの選択肢を選択可能に構成されたリストボックスを表示画面に複数表示させる表示制御手段であって、複数のリストボックスは、リストボックスのそれぞれにおいて選択状態にある選択肢を変化させるために入力を受け付ける方向と直交する方向に並べて配置されている、表示制御部と、表示画面における複数のリストボックスを包含する領域において入力された任意の点の位置と、点を始点とした移動を指し示す指示方向と、に基づいて、リストボックスのうちのいずれのリストボックスの選択肢を変化させるか、とリストボックスにおける選択肢の変化の方向と、の両方を決定する制御部と、を備える。