(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5683876
(24)【登録日】2015年1月23日
(45)【発行日】2015年3月11日
(54)【発明の名称】ステアバイワイヤー装置
(51)【国際特許分類】
B62D 5/04 20060101AFI20150219BHJP
B62D 7/12 20060101ALI20150219BHJP
B62D 7/06 20060101ALI20150219BHJP
【FI】
B62D5/04
B62D7/12
B62D7/06
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-192623(P2010-192623)
(22)【出願日】2010年8月30日
(65)【公開番号】特開2011-116348(P2011-116348A)
(43)【公開日】2011年6月16日
【審査請求日】2013年5月14日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0119407
(32)【優先日】2009年12月3日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄 盛 郁
(72)【発明者】
【氏名】韓 ミン 宇
(72)【発明者】
【氏名】李 彦 求
【審査官】
田々井 正吾
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−326459(JP,A)
【文献】
特開2003−170849(JP,A)
【文献】
特開昭61−065916(JP,A)
【文献】
特公昭43−010802(JP,B1)
【文献】
特開平05−164137(JP,A)
【文献】
特開2007−076577(JP,A)
【文献】
特開2005−199849(JP,A)
【文献】
特開平10−310068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 5/04
B62D 7/06
B62D 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の旋回走行時、車輪を左側または右側に回転させて操向操作を行うようにするステアバイワイヤー装置であって、
一端が前記車輪のナックルにボールジョイントを通して連結されるタイロッドと、
車体のサブフレームに回転可能に装着され、前記タイロッドの他端部に連結され、回転力方向を第1方向から第2方向に変換して前記タイロッドを移動させ、前記車輪の操向角を調節するカップリングユニットと、
車両ECUの制御信号によって前記カップリングユニットに正方向または逆方向の回転力を提供するために前記サブフレームに装着されるモータユニットと、を含み、
前記カップリングユニットは、前記サブフレーム上にベアリング手段を通して回転可能に装着され、前記モータユニットから駆動ベルトにより回転力が伝達される第1方向回転軸と、前記第1方向回転軸と垂直に配置されて前記サブフレームにベアリング手段を通して装着され、前記タイロッドの他端部に連結される第2方向回転軸と、前記第1方向回転軸と前記第2方向回転軸を相互連結する複数個のカプラーと、からなり、
前記第1方向回転軸は、円筒形状を有し、一面に複数個の第1挿入ホールが形成され、前記第2方向回転軸は、前記各第1挿入ホールに対向する一面に複数個の第2挿入ホールが形成され、
前記各カプラーは、一端が前記各第1挿入ホールにそれぞれスライド移動および回転可能に挿入され、他端は前記各第2挿入ホールにそれぞれスライド移動および回転可能に挿入され、
前記各カプラーは、その形状が「L字型」形状からなり、各一端部が前記各第1挿入ホールに互いに異なる深さをもって挿入され、各他端部は前記各第1挿入ホールに挿入された各一端部と同様に前記各第2挿入ホールに互いに異なる深さをもって挿入され、
前記第2方向回転軸は、前記タイロッドとボールスクリューを介して連結されることを特徴とするステアバイワイヤー装置。
【請求項2】
前記各第1挿入ホールは、前記第1方向回転軸の一面に円周方向に沿って離隔して形成されることを特徴とする請求項1に記載のステアバイワイヤー装置。
【請求項3】
前記各第2挿入ホールは、前記各第1挿入ホールに対応する前記第2方向回転軸の一面に円周方向に沿って離隔して形成されることを特徴とする請求項1に記載のステアバイワイヤー装置。
【請求項4】
前記各カプラーは、
前記第1方向回転軸の回転方向に位置が移動する各第1挿入ホールによって一端部が位置移動しつつスライド移動する連携作動が行われ、
他端部は前記各第2挿入ホールでスライド移動しつつ前記各第2挿入ホールを円周方向に位置移動させることによって、前記第2方向回転軸に前記第1方向回転軸の回転力を伝達することを特徴とする請求項1に記載のステアバイワイヤー装置。
【請求項5】
前記モータユニットは、
前記サブフレームに固定装着される駆動モータと、
前記駆動モータの回転軸に装着される駆動プーリと、
前記第1方向回転軸の他端部に装着される従動プーリと、
前記駆動プーリと前記従動プーリを相互連結する駆動ベルトと、
からなることを特徴とする請求項1に記載のステアバイワイヤー装置。
【請求項6】
前記駆動モータは、前記車両ECUの制御信号によって回転数および回転方向の調節が可能なモータからなることを特徴とする請求項5に記載のステアバイワイヤー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアバイワイヤー装置に係り、より詳しくは、モータ駆動による縦方向回転運動を横方向回転運動に変換させて操向角を調節するようにするステアバイワイヤー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に操向装置とは、車の進行方向を意図した通り進行するように調整する装置であって、自動車の進行方向を運転者がステアリングホイール(Steering wheel)を回転して自由に変更する装置であり、運転者にとっては最も重要な情報源であると共に制御手段となる。
このような操向装置は運転者が操向ホィールの角度を変化させて車輪に動力を伝達する器具で構成されている。
【0003】
最近は操向ホィールと前輪操向装置との間で前輪を操向するシステムとして、ステアバイワイヤー(Steer by Wire、SBW)装置を適用している(特許文献1、2参照)。
このようなステアバイワイヤー装置は、運転者が操向のために直接操作するステアリングホイールと、ステアリングホイールの一側に設置されてステアリングホイールの回転による反力トルクを提供する反力モータと、タイロッドに連結されて操向操作を行うアクチュエータと、ステアリングホイールの回転によるトルク変化および操舵角、そして車速を検出するセンシング手段およびセンシング手段から印加される電気信号によってアクチュエータおよび反力モータを作動させるECUなどで構成される。
【0004】
図5には、一般的なステアバイワイヤー装置の一例として、一点P1がピボット(Pivot)されたL型レバー1をアクチュエータ(図示せず)で操作してタイロッド3の動作を実現するメカニズムを示した。
このようなメカニズムの作動原理は、L型レバー1の一側にアクチュエータで往復運動を入力したとき、ピボットを中心としてL型レバー1が回転し、タイロッドインナーポイント(T1;tie−rod inner point)の左右方向運動を作って車輪Wの操向を作動するようになるものである。
【0005】
しかし、このような従来のメカニズムでは、既存のラックアンドピニオンメカニズム(rack and pinion mechanism)とは異なり、タイロッドインナーポイント(T1;tie−rod inner point)が左右方向の動作を行う以外に、前後方向の動作が必然的に伴って、ジオメトリー特性に差が発生するという問題点がある。
【0006】
また、車輪の操向時、アクチュエータの作動のみに頼ってL型レバー1とタイロッド3を駆動させることから、アクチュエータの要求性能が高まって費用が増加すること、及び車輪を通して外部から入力される外力がアクチュエータに伝達されて負荷および使用電流量が増加するという問題点も有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−199849号公報
【特許文献2】特開平10−310068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、モータ容量およびサイズを最適化させ、ジオメトリー特性に差が発生することを防止するステアバイワイヤー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明のステアバイワイヤー装置は、車両の旋回走行時、車輪を左側または右側に回転させて操向操作を行うようにするステアバイワイヤー装置であって、一端が車輪のナックルにボールジョイントを通して連結されるタイロッドと、車体のサブフレームに回転可能に装着され、タイロッドの他端部に連結され、回転力方向を第1方向から第2方向に変換してタイロッドを移動させ、車輪の操向角を調節するカップリングユニットと、車両ECUの制御信号によってカップリングユニットに正方向または逆方向の回転力を提供するためにサブフレームに装着されるモータユニットとを含むことを特徴とする。
【0010】
カップリングユニットは、サブフレーム上にベアリング手段を通して回転可能に装着され、モータユニットから回転力が伝達される第1方向回転軸と、第1方向回転軸と垂直に配置されてサブフレームにベアリング手段を通して装着され、タイロッドの他端部に連結される第2方向回転軸と、第1方向回転軸と第2方向回転軸を相互連結する複数個のカプラーとからなることを特徴とする。
【0011】
第1方向回転軸は、円筒形状を有し、一面に複数個の第1挿入ホールが形成され、第2方向回転軸は、各第1挿入ホールに対向する一面に複数個の第2挿入ホールが形成されることを特徴とする。
各第1挿入ホールは、第1方向回転軸の一面に円周方向に沿って離隔して形成されることを特徴とする。
各第2挿入ホールは、各第1挿入ホールに対応する第2方向回転軸の一面に円周方向に沿って離隔して形成されることを特徴とする。
各カプラーは、一端が各第1挿入ホールにそれぞれスライド移動および回転可能に挿入され、他端は各第2挿入ホールにそれぞれスライド移動および回転可能に挿入されることを特徴とする。
【0012】
各カプラーは、その形状が「L字型」形状からなり、各一端部が各第1挿入ホールに互いに異なる深さをもって挿入され、各他端部は各第1挿入ホールに挿入された各一端部と同様に各第2挿入ホールに互いに異なる深さをもって挿入されることを特徴とする。
各カプラーは、第1方向回転軸の回転方向に位置が移動する各第1挿入ホールによって一端部が位置移動しつつスライド移動する連携作動が行われ、他端部は各第2挿入ホールでスライド移動しつつ各第2挿入ホールを円周方向に位置移動させることによって、第2方向回転軸に第1方向回転軸の回転力を伝達することを特徴とする。
第2方向回転軸は、タイロッドとボールスクリューを通して連結されることを特徴とする。
【0013】
モータユニットは、サブフレームに固定装着される駆動モータと、駆動モータの回転軸に装着される駆動プーリと、第1方向回転軸の他端部に装着される従動プーリと、駆動プーリと従動プーリを相互連結する駆動ベルトとからなることを特徴とする。
駆動モータは、車両ECUの制御信号によって回転数および回転方向の調節が可能なモータからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、モータ駆動による縦方向回転運動を横方向回転運動に変換させるカップリングユニットを通して操向角を調節することによって、モータ容量およびサイズを最適化させ、ジオメトリー特性に差が発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施例によるステアバイワイヤー装置の斜視図である。
【
図4】(a)本発明の実施例によるステアバイワイヤー装置の左旋回時の作動状態図である。(b)本発明の実施例によるステアバイワイヤー装置の右旋回時の作動状態図である。
【
図5】従来技術の問題点を説明するためにステアバイワイヤー装置のタイロッド動作カニズムを示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例によるステアバイワイヤー装置の斜視図であり、
図2は、
図1の部分拡大図であって、本発明の実施例によるステアバイワイヤー装置の拡大斜視図である。
図3は、
図2の正面図であり、車体の後方から見た図を示した。
【0017】
本発明の実施例によるステアバイワイヤー装置100は、モータ駆動による縦方向回転運動を横方向回転運動に変換させるカップリングユニット200を通して操向角を調節することによって、モータ容量およびサイズを最適化させ、ジオメトリー特性に差が発生することを防止する。
このために、本発明の実施例によるステアバイワイヤー装置100は、車両の旋回走行時、車輪を左側または右側に回転させて操向操作を行うようにするもので、タイロッド110、カップリングユニット200、およびモータユニット300からなる。
図1に示すとおり、まず、タイロッド110は一端が車輪Wのナックル101にボールジョイント103を通して連結される。
【0018】
本実施例で、カップリングユニット200は、車体のサブフレーム105に回転可能に装着されてタイロッド110の他端部に連結され、回転力方向を縦から横に変換してタイロッド110を移動させることによって、車輪Wの操向角を調節する。
ここで、カップリングユニット200は、
図2と
図3に示すとおり、縦方向回転軸210(
第1方向回転軸に相当)、横方向回転軸220(
第2方向回転軸に相当)、およびカプラー230から構成される。以下でこれを各構成別により詳しく説明する。
【0019】
本実施例で、縦方向回転軸210は、サブフレーム105上にベアリング手段120を通して回転可能に装着され、モータユニット300から回転力が伝達される。
横方向回転軸220は、縦方向回転軸210と垂直に配置されてサブフレーム105にベアリング手段120を通して装着され、タイロッド110の他端部に連結される。
円筒形状を有する横方向回転軸220の一平面には、タイロッド110がボールスクリュー111を介して連結される。
ここで、縦方向回転軸210は、円筒形状を有し、その一面に複数個の第1挿入ホール211が形成される。横方向回転軸220は、タイロッド110が連結された面に対向する一面には各第1挿入ホール211に対向する複数個の第2挿入ホール221が形成される。
このような各第1挿入ホール211は、縦方向回転軸210の一面に円周方向に沿って離隔して形成され、各第2挿入ホール221は、各第1挿入ホール211に対応する横方向回転軸220の一面に円周方向に沿って離隔して形成される。
【0020】
本実施例で、各第1、第2挿入ホール211、221は、縦方向回転軸210と横方向回転軸220のそれぞれの軸方向に沿って互いに90°角度を持ってそれぞれ4つが形成されることが好ましい。
一方、ベアリング手段120は、サブフレーム105上に装着される装着ブロック121とベアリング123からなる。
そして、カプラー230は、複数個が構成されて縦方向回転軸210と横方向回転軸220を相互連結する。
ここで、各カプラー230は、一端が各第1挿入ホール211にそれぞれスライド移動および回転可能に挿入され、他端は各第2挿入ホール221にそれぞれスライド移動および回転可能に挿入される。
このような各カプラー230は、その形状が「L字型」形状からなり、各一端部が各第1挿入ホール211に互いに異なる深さをもって挿入される。そして、各他端部は各第1挿入ホール211に挿入された各一端部と同様に各第2挿入ホール221に互いに異なる深さをもって挿入される。
【0021】
本実施例で、各カプラー230は、縦方向回転軸210の回転方向に位置が移動する各第1挿入ホール211によって一端部が位置移動しつつスライド移動する連携作動が行なわれる。
これによって、各カプラー230の他端部は、各第2挿入ホール221でスライド移動しつつ各第2挿入ホール221を円周方向に位置移動させることによって、横方向回転軸220に縦方向回転軸210の回転力を伝達する。
そして、モータユニット300は、車両ECU107の制御信号によってカップリングユニット200に正方向または逆方向の回転力を提供するためにサブフレーム105に装着される。
【0022】
このようなモータユニット300は、駆動モータ310、駆動プーリ320、従動プーリ330、および駆動ベルト340からなる。
まず、駆動モータ310は、サブフレーム105に固定装着される。
ここで、駆動モータ310は、車両ECU107の制御信号によって回転数および回転方向の調節が可能なモータからなることが好ましい。
本実施例で、駆動プーリ320は、駆動モータ310の回転軸311に装着され、従動プーリ330は、縦方向回転軸210の他端部に装着される。
そして、駆動ベルト340は、駆動プーリ320と従動プーリ330を相互連結する。
つまり、モータユニット300は、車両ECU107の制御信号によって駆動モータ310が作動して駆動プーリ320を回転させると、駆動プーリ320の回転力が駆動ベルト340を通して従動プーリ330に伝達されて縦方向回転軸210を回転させる。
【0023】
以下、上記のように構成される本発明の実施例によるステアバイワイヤー装置の作動および作用を詳しく説明する。
図4は、本発明の実施例によるステアバイワイヤー装置の段階別作動状態図である。
まず、車両が左側に旋回する場合、
図4(a)のように、車両ECU107の制御信号によって駆動モータ310は図示上部から見て反時計回りに回転する。
そうすると、駆動プーリ320は駆動モータ310の回転力を駆動ベルト340を通して従動プーリ330に伝達して縦方向回転軸210を図示上部から見て反時計回りに回転させる。
【0024】
ここで、縦方向回転軸210が反時計回りに回転すると、各第1挿入ホール211が反時計回りに回転し、各カプラー230は一端部が各第1挿入ホール211によって回転方向に位置移動しつつ、各第1挿入ホール211でスライド移動する連携作動が行なわれる。
これと同時に、各カプラー230の他端部は、各第2挿入ホール221を図示右側から見て反時計回りに位置移動させつつ、各第2挿入ホール221でスライド移動する連携作動が行なわれる。
このような連携作動を通して横方向回転軸220は縦方向回転軸210の回転方向と同一な反時計回りに回転する。
この時、タイロッド110は、ボールスクリュー111によって横方向回転軸220から車輪Wの外側に移動して、全体の長さが増加して車輪Wを左側に旋回させる。
【0025】
反対に、車両が右側に旋回する場合、
図4(b)のように、車両ECU107の制御信号によって駆動モータ310は図示上部から見て時計回りに回転する。
そうすると、駆動プーリ320は駆動モータ310の回転力を駆動ベルト340を通して従動プーリ330に伝達して縦方向回転軸210を図示上部から見て時計回りに回転させる。
ここで、縦方向回転軸210が時計回りに回転すると、各第1挿入ホール211が時計回りに回転し、各カプラー230は一端部が各第1挿入ホール211によって回転方向に位置移動しつつ、各第1挿入ホール211でスライド移動する連携作動が行なわれる。
これと同時に、各カプラー230の他端部は、各第2挿入ホール221を図示右側から見て時計回りに位置移動させつつ、各第2挿入ホール221でスライド移動する連携作動が行なわれる。
【0026】
このような連携作動を通して横方向回転軸220は縦方向回転軸210の回転方向と同一な時計回りに回転し、タイロッド110はボールスクリュー111によって横方向回転軸220から車輪Wの内側に移動して、全体の長さが縮小されて車輪Wを右側に旋回させる。
つまり、カップリングユニット200は、縦方向回転軸210と横方向回転軸220の間で各カプラー230の一端部と他端部が回転方向に位置移動しつつスライド移動する連携作動によって、縦方向回転軸210の回転力を横方向回転軸220に伝達する。
【0027】
このような作動によって、タイロッド110はモータユニット300の回転力が伝達されて横方向回転軸220から延出されたり挿入されたりしてその全体の長さが変化することになり、これによって車輪Wの操向角を変化させる。
したがって、上記のように構成される本発明の実施例によるステアバイワイヤー装置100を適用することにより、モータ駆動による横方向回転運動を縦方向回転運動に変換させるカップリングユニット200を通して操向角を調節することができる。モータ容量およびサイズを最適化させることにより、ジオメトリー特性に差が発生することを防止することができる。
また、従来に比べて簡単な構造を有し、モータの回転力を利用して操向角を調節することができるため、費用を節減させ、外力による負荷を駆動ベルトを通して相殺させることにより、モータに負荷がかかることを防止することができる。
【0028】
以上、本発明に関する好ましい実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の属する技術的範囲を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0029】
P1:ピボット
T1:タイロッドインナーポイント
W:車輪
1:L型レバー
3:タイロッド
100:ステアバイワイヤー装置
101:ナックル
103:ボールジョイント
105:サブフレーム
107:ECU
110:タイロッド
111:ボールスクリュー
120:ベアリング手段
121:装着ブロック
123:ベアリング
200:カップリングユニット
210:縦方向回転軸
211:第1挿入ホール
220:横方向回転軸
221:第2挿入ホール
230:カプラー
300:モータユニット
310:駆動モータ
311:回転軸
320:駆動プーリ
330:従動プーリ
340:駆動ベルト