(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、一実施の形態における画像再生装置5を適用したデジタルカメラ1の構成を示すブロック図である。デジタルカメラ1は、画像再生装置5と、撮像部15と、記録部22とを備える。本実施の形態におけるデジタルカメラ1は、画像の再生時に、地図上に画像を重畳させて表示する地図表示モードを設定することができる。この地図表示モードには、撮影位置にサムネイル画像を配置する通常の表示モードと、部分画像を配置する部分画像モードの2つのモードがある。
【0011】
画像再生装置5は、制御部11と、プログラム/データ記憶部12と、操作部13と、GPS部14と、SDRAM16と、画像処理部17と、表示ドライバー部18と、表示部19と、圧縮伸長部20と、再生部21と、画像記憶部23と、通信部24と、バス25とを備える。
【0012】
制御部(CPU)11は、プログラム/データ記憶部12に記憶された制御プログラムに従って動作し、カメラの全体制御を行う。制御部11内には、表示制御部111、被写体認識部112、被写体設定部113、部分画像抽出部114、および、地図画像作成部115が設けられている。表示制御部111、被写体認識部112、被写体設定部113、部分画像抽出部114、および、地図画像作成部115は、制御プログラムにより実行される処理の一部であるため、制御部11に含まれる機能部として説明する。
【0013】
表示制御部111は、後述する表示部19に静止画および動画を含む再生画像を表示する際の表示制御を行う。
【0014】
被写体認識部112は、撮影画像中の被写体の種類を認識する処理を行う。被写体認識部112は、プログラム/データ記憶部12に予め格納されている被写体データベースの被写体データと比較することによって、画像中の被写体の種類を認識する。被写体データベースの被写体データには、花、男性、女性、子供、山、川、犬、猫、熊、ワイン、ラーメン等の外観データが含まれる。
【0015】
被写体認識部112によって認識される画像中の被写体は、1種類とは限らない。例えば、画像中に花と女性が写っていれば、花と女性の2種類の被写体が認識される。ユーザは、操作部13の操作によって、被写体認識部112で認識された被写体の種類を変更したり、被写体認識部112によって認識されなかった被写体の種類を追加することができる。
【0016】
被写体認識部112によって認識された被写体の種類、および、ユーザによって追加・変更された被写体の種類は、タグ情報として画像データに付随させて記録する。また、認識された被写体の形状データもタグ情報として記録する。タグ情報には、撮影日時、撮影位置、撮影時の天気の情報等も含まれる。なお、被写体の種類を認識してタグ情報として記録するタイミングは撮影時であるが、撮影後でもよい。
【0017】
被写体設定部113は、デジタルカメラ1が地図表示モードに設定されており、かつ、後述する部分画像モードに設定されている場合に、部分画像を作成するために必要なテーマ(被写体の種類)を設定する。このため、被写体設定部113は、テーマリストを作成して、表示部19に表示させる。テーマリストは、部分画像を作成する際に必要となる被写体の種類をユーザに選択させるためのリストであり、画像記憶部23に記録されている複数の画像の被写体の種類に基づいて作成する。例えば、記録されている画像数の多い被写体の種類の上位5つをリストアップして、テーマリストを作成する。また、予め用意された5つの代表的な被写体の種類(例えば、人、犬、子供、風景、建物)でテーマリストを作成してもよい。
【0018】
ユーザは、操作部13の操作によって、表示部19に表示されるテーマリストのテーマの中から、部分画像のテーマを選択する。被写体設定部113は、ユーザによって選択されたテーマを、部分画像のテーマとして設定する。
【0019】
部分画像抽出部114は、被写体設定部113で設定されたテーマの被写体を有する画像を画像記憶部23から読み出し、読み出した画像から、そのテーマの被写体部分を部分画像として抽出する。具体的には、画像データに付随するタグ情報を参照することによって、設定されたテーマの被写体を有する画像データを読み出し、読み出した画像データのタグ情報に含まれる被写体の形状データに基づいて、部分画像を抽出する。
【0020】
なお、画像データに、被写体の種類を示すタグ情報が付随していない場合には、画像認識処理によって、設定されたテーマの被写体を有する画像を検索すればよい。
【0021】
地図画像作成部115は、部分画像抽出部114によって抽出された部分画像を地図上の撮影位置に重畳させた地図画像を作成する。具体的には、地図画像作成部115は、部分画像モードの設定時には、プログラム/データ記憶部12から、画像の撮影位置が属する範囲の地図データを読み出し、読み出した地図の撮影位置に対応する位置に、部分画像抽出部114によって抽出された部分画像を重畳させて、地図画像を作成する。一方、部分画像モードに設定されていない場合(通常の表示モード)には、プログラム/データ記憶部12から、画像の撮影位置が属する範囲の地図データを読み出し、読み出した地図の撮影位置に対応する位置に、画像を縮小したサムネイル画像を重畳させた地図画像を作成する。
【0022】
制御部11には、プログラム/データ記憶部12、操作部13、GPS部14、および、バス25が接続されている。プログラム/データ記憶部12には、前述したように。制御部11において実行するプログラムが記憶されており、地図データを含む各種データも記憶されている。地図データには、東京都の地図、関東エリアの地図、日本の地図、アメリカの地図、オーストラリアの地図など、様々な場所の地図が含まれている。
【0023】
操作部13は、ユーザがカメラに指示を与えるための各種操作部材およびタッチパネルを有する。各種操作部材には、例えば、電源釦、レリーズ釦、OK釦、十字釦、再生釦、テレワイド釦等が含まれる。
【0024】
GPS部14は、GPS衛星からの電波を受信することによって、デジタルカメラ1の現在地を検出する。
【0025】
バス25には、制御部11の他に、撮像部15、SDRAM16、画像処理部17、表示ドライバー部18、圧縮伸長部20、再生部21、記録部22、および、通信部24が接続されている。
【0026】
撮像部15は、被写体像を結像させるための撮影レンズ、被写体像を画像データに変換するための撮像素子、および、これらの処理回路、撮影レンズの光路中に介挿された絞りおよびシャッタ等を含む。撮像部15によって生成された静止画像や連続画像の画像データはバス25に出力される。
【0027】
SDRAM16は、電気的に書き換え可能な揮発性の一時記憶メモリであり、撮像部15から出力される静止画像や連続画像の画像データの一時記憶に用いられる。
【0028】
画像処理部17は、デジタル画像データのデジタル的増幅(デジタルゲイン調整処理)、ホワイトバランス、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、ライブビュー表示用画像生成、動画画像生成、インデックス画像(縮小画像)生成等の各種画像処理を行う。
【0029】
圧縮伸長部20は、SDRAM16に一時記憶された静止画像や連続画像の画像データをJPEGやTIFF等の圧縮方式により圧縮し、また表示等のために伸長するための回路である。なお、画像圧縮は、JPEG、TIFF、MPEGに限らず、他の圧縮方式も適用できる。
【0030】
表示ドライバー部18は、表示部19と接続されており、表示部19に画像を表示させる。表示部19は、カメラ本体の背面等に配置された液晶モニタや有機EL等のディスプレイである。
【0031】
再生部21は、画像記憶部23に記憶されている画像の再生を行う。特に、再生部21は、画像記憶部23から、表示部19に表示するための画像データを読み出す。読み出された画像データは、圧縮伸長部20において伸長され、伸長された画像データに基づいて、表示部19に画像が再生表示される。
【0032】
記録部22は、圧縮伸長部20で圧縮された画像データを画像記憶部23に記録させる。画像記憶部23は、再生部21および記録部22に接続されており、カメラ本体に内蔵、または装填可能な画像データの記録媒体である。
【0033】
通信部24は、インターネットなどのネットワーク28を介して、画像を撮影した場所における撮影時の天気情報を取得する。
【0034】
図2は、画像データに付随させて記録するタグ情報の一例を示す図である。上述したように、タグ情報には、撮影日時、撮影時の天気、撮影位置、被写体の種類の情報が少なくとも含まれる。
図2に示すように、被写体の種類は、該当する種類に1が付されている。例えば、画像番号19の画像データには、撮影日時が2010年4月28日の午前10時、撮影時の天気は晴れ、撮影位置がメルボルン、被写体の種類はワインというタグ情報が付随している。なお、タグ情報が撮影日時、撮影時の天気、撮影位置、被写体の種類に限定されることはない。
【0035】
図3は、デジタルカメラ1が地図表示モードに設定され、かつ、部分画像モードに設定されていない場合(通常の表示モード)の地図画像30の一例を示す図である。
図3に示す地図画像30では、オーストラリアを示す地
図31に、複数のサムネイル画像32が重畳されている。なお、
図3では、各サムネイル画像32を区別するために、画像番号を付して表示している。
【0036】
図4は、デジタルカメラ1が地図表示モードに設定され、かつ、部分画像モードに設定されている場合に、地図画像47の作成方法を説明するための図である。ここでは、部分画像のテーマとして、「花」が設定されたものとして説明する。
【0037】
図4(A)は、人物の顔41および花42が写った画像40を示す図である。
図4(B)は、人物44および犬45とともに、花46が写った画像43を示す図である。なお、
図4(A)および
図4(B)では、画像の左上に画像番号31、47をそれぞれ表示している。
【0038】
部分画像抽出部114は、画像40から花42を部分画像として抽出するとともに、画像43から花46を部分画像として抽出する。地図画像作成部115は、表示対象の画像の撮影場所を全て含む地図データをプログラム/データ記憶部12から読み出し、読み出した地図データに、部分画像抽出部114によって抽出された部分画像を重畳させて、地図画像を作成する。部分画像を重畳させる位置は、その画像が撮影された場所とする。
【0039】
図4(C)は、地図画像作成部115によって作成された地図画像47の一例を示す図である。オーストラリアを示す地
図48に、
図4(A)の花42の部分画像や、
図4(B)の花46の部分画像が重畳されている。花42、46等の部分画像は、
図2のタグ情報例で示す表のNo31、No47等を元の画像とするような画像である。
【0040】
図5は、部分画像のテーマとして動物が設定された場合の地図画像50の一例を示す図である。
図5に示す地図画像50では、北海道を示す地
図51に、様々な動物の部分画像52〜55が、それぞれの画像を撮影した場所に重畳されている。部分画像52〜55は、
図2のタグ情報例で示す表のNo101、No121,No142等を元の画像とするような画像である。
【0041】
部分画像の元の画像を撮影した場所が、表示する地図上の所定範囲内に所定数以上存在する場合、地図画像作成部115は、その部分画像を集合させた集合画像を作成して、地図に重畳させる。集合画像を作成する条件となる所定範囲および所定数は、地図画像を表示する際の視認性を考慮して、適切な値を予め設定しておく。
【0042】
例えば、部分画像が花の場合には、地図上の所定範囲内に所定数以上存在する花を集合させた花束の集合画像を作成して、地図に重畳させる。
図6は、オーストラリアを示す地
図61に、花束の集合画像62、63を重畳させた地図画像60の一例を示す図である。集合画像を作成して重畳表示させることにより、複数の部分画像が密集して表示されることによる視認性の悪さを防ぐことができる。
【0043】
地図画像が表示部19に表示されている状態で、ユーザは、操作部13の操作によって、表示部19に表示されるカーソルを動かすことにより、地図上の部分画像を選択することができる。カーソルによって部分画像が選択されると、地図画像作成部115は、選択された部分画像の元の画像の撮影時刻および撮影時の天気に応じて、地図の背景表示を変更する。
【0044】
例えば、撮影時刻が夜の場合には、地図の背景を黒色にし、撮影時の天気が雨の場合には、雨が降っているような背景表示とする。
図7(A)は、カーソル71によって、部分画像74が選択された場合に、背景表示を変更した地図画像75の一例を示す図である。部分画像74の元の画像の撮影時刻は夜であり、かつ、撮影時の天気は雨とする。この場合、地図画像75の地
図72の背景73は、黒色であり、かつ、雨が降っているような表示となっている。
【0045】
図7(B)は、カーソル76によって、部分画像77が選択された場合に、背景表示を変更した地図画像80の一例を示す図である。部分画像77の元の画像の撮影時刻は昼間であり、かつ、撮影時の天気は晴天とする。この場合、地図画像80の地
図78の背景79は、昼間の晴天を表す明るい色(例えば、水色)で表示される。
【0046】
同様に、サムネイル画像を重畳させた地図画像においても、地図上のいずれかのサムネイル画像が選択された場合に、選択されたサムネイル画像の撮影時刻および撮影時の天気に応じて、地図の背景表示を変更する処理を行う。
【0047】
なお、撮影時刻および撮影時の天気の両方ではなく、撮影時刻に応じて地図の背景表示を変更するようにしてもよいし、撮影時の天気に応じて地図の背景表示を変更するようにしてもよい。
【0048】
これまでは、地図に重畳させる部分画像として元の画像から抽出した画像を原則そのまま使用する例を示したが、抽出した画像をさらに加工して部分画像とする例を以下に示す。これは、撮影された被写体そのものよりも、撮影された被写体の種類が明確に表示されることをユーザが希望するような場合である。テーマとして、特定の物品、例えば以下で示すワインが選択されたような場合である。
【0049】
本実施の形態におけるデジタルカメラ1では、部分画像のテーマとしてワインが設定された場合に、単に画像からワインの部分を抽出して部分画像とするのではなく、ワインのラベルを抽出して新たにワインの部分画像を作成する。ワインの部分画像の作成方法について、
図8を用いて説明する。
【0050】
図8(A)および
図8(E)は、ワインを被写体として撮影された画像の例である。部分画像抽出部114は、画像認識処理によって、撮影された画像からワインのラベル部分を抽出する(
図8(B)、
図8(F))。抽出したラベル部分は、斜めに傾いていたり、歪んでいる場合があるため、これらの傾きや歪みを補正する(
図8(C)、
図8(G))。
【0051】
プログラム/データ記憶部12には、様々なワインのラベルに応じた様々な瓶の画像データが格納されている。部分画像抽出部114は、抽出したワインのラベルに応じた瓶の画像データをプログラム/データ記憶部12から読み出す。抽出したワインのラベルに応じた瓶の画像データがプログラム/データ記憶部12に存在しない場合には、デフォルトの瓶の画像データをプログラム/データ記憶部12から読み出す。そして、傾きや歪みを補正したラベル部分の画像を、読み出した瓶の画像と合成することによって、ワインの部分画像を作成する(
図8(D)、
図8(H))。
【0052】
地図画像作成部115は、部分画像抽出部114で作成されたワインの部分画像を地図画像に重畳させて、地図画像を作成する(
図8(I))。
【0053】
図9は、デジタルカメラ1が撮影モードに設定されている場合の処理の流れを示すフローチャートである。ステップS11では、レリーズボタンの押圧操作に応じて、撮影処理を行う。
【0054】
ステップS12〜ステップS16の処理は、被写体認識部112によって行われる。 ステップS12では、被写体の種類を認識する処理を行うか否かを判定する。ユーザは、被写体の種類を認識させる処理をデジタルカメラ1に行わせるか否かを事前に設定しておくことができる。設定に基づいて、被写体の種類を認識する処理を行うと判定するとステップS13に進み、被写体の種類を認識する処理を行わないと判定すると、ステップS16に進む。
【0055】
ステップS13では、ステップS11の撮影処理によって得られた画像データに対して、被写体の種類を認識する処理を行う。
【0056】
ステップS14では、被写体の種類が認識できたか否かを判定する。被写体の種類を少なくとも1つ認識することができたと判定するとステップS15に進み、被写体の種類を1つも認識することができなかったと判定すると、ステップS16に進む。
【0057】
ステップS15では、ステップS13で認識した被写体の種類の情報を、タグ情報に追加する。
【0058】
ステップS16において、記録部22は、撮影日時、撮影した位置、撮影時の天気の情報をタグ情報に追加して、タグ情報を付随させた画像データを画像記憶部23に記録させる。
【0059】
図10は、デジタルカメラ1が再生モードに設定されている場合の処理の流れを示すフローチャートである。再生モードとは、画像を再生するためのモードである。
【0060】
ステップS21では、デジタルカメラ1が地図表示モードに設定されているか否かを判定する。デジタルカメラ1が地図表示モードに設定されていないと判定すると、ステップS22に進む。ステップS22では、通常の画像再生処理、すなわち、再生対象の画像データを画像記憶部23から読み出して表示部19に表示させる処理を行う。
【0061】
一方、ステップS21において、デジタルカメラ1が地図表示モードに設定されていると判定すると、ステップS23に進む。ステップS23では、デジタルカメラ1が部分画像モードに設定されているか否かを判定する。デジタルカメラ1が部分画像モードに設定されていないと判定すると、ステップS31に進む。
【0062】
ステップS31〜ステップS33の処理(通常の表示モード)は、地図画像作成部115によって行われる。ステップS31では、表示対象の画像の範囲を設定する。ユーザは、表示対象の画像の範囲を指定することができる。例えば、画像番号を指定することによって、表示対象の画像の範囲を指定する。また、撮影場所、撮影日時などを指定することによって、表示対象の画像の範囲を指定するようにしてもよい。地図画像作成部115は、ユーザによる指定に基づいて、表示対象の画像の範囲を設定する。ユーザによる指定がない場合には、画像記憶部23に記録されている全ての画像を、表示対象の画像に設定する。
【0063】
ステップS32では、ステップS31で設定された表示対象の画像の撮影位置に応じた地図データをプログラム/データ記憶部12から読み出す。具体的には、表示対象の画像の撮影位置を全て含み、かつ、大きさが最も小さい地図のデータを読み出す。例えば、プログラム/データ記憶部12に北海道と日本の地図データが記録されている場合であって、表示対象の画像の撮影位置が札幌市、旭川市、函館市、釧路市の場合には、日本よりも大きさの小さい北海道の地図データを読み出す。
【0064】
ステップS33では、表示対象の画像のサムネイル画像を、ステップS32で読み出した地図データの各画像の撮影位置上にそれぞれ重畳させて、地図画像を作成する。
【0065】
一方、ステップS23において、デジタルカメラ1が部分画像モードに設定されていると判定するとステップS24に進む。ステップS24では、部分画像を用いた地図画像の作成処理を行う。この処理の詳細について、
図11に示すフローチャートを用いて説明する。
【0066】
図11は、部分画像を用いた地図画像の作成処理の詳細な内容を示すフローチャートである。ステップS41およびステップS42の処理は、被写体設定部113によって行われる。
【0067】
ステップS41では、テーマリストを作成し、表示部19に表示させる。
【0068】
ステップS42では、テーマリストのテーマの中から、部分画像のテーマがユーザによって指定されたか否かを判定する。部分画像のテーマが指定されていないと判定するとステップS42で待機し、指定されたと判定すると、ステップS43に進む。部分画像のテーマが指定されると、被写体設定部113は、ユーザによって指定されたテーマを部分画像のテーマとして設定する。
【0069】
ステップS43からステップS46、および、ステップS51からステップS53までの処理は、部分画像抽出部114によって行われる。ステップS43では、被写体設定部113によって設定されたテーマの被写体が存在する画像を、各画像データに付されたタグ情報を利用して、画像記憶部23から読み出す。
【0070】
ステップS44では、被写体設定部113によって設定されたテーマがワインであるか否かを判定する。被写体の種類が明確に表示されることが望まれるテーマとして、ここではワインを例示する。設定されたテーマがワインではないと判定するとステップS45に進み、ワインであると判定するとステップS51に進む。
【0071】
ステップS45では、ステップS43で読み出した画像から、設定されたテーマの被写体部分を部分画像として抽出する。
【0072】
一方、ステップS51では、ステップS43で読み出した画像から、ワインのラベル部分を抽出する。
【0073】
ステップS52では、ステップS51で抽出したラベル部分が正面を向くように、傾きや歪みを補正する。
【0074】
ステップS53では、抽出したワインのラベルに応じた瓶の画像データをプログラム/データ記憶部12から読み出し、読み出した瓶の画像と、傾きや歪みを補正したラベル部分の画像とを合成することによって、ワインの部分画像を作成する。上述したように、ワインのラベルに応じた瓶の画像データがプログラム/データ記憶部12に存在しない場合には、デフォルトの瓶の画像データをプログラム/データ記憶部12から読み出して用いる。瓶の画像は、ネットワーク28を通じて入手するようにしてもよい。
【0075】
ステップS46では、ステップS45で抽出した部分画像、または、ステップS53で作成した部分画像をSDRAM16に一時的に記憶させる。
【0076】
ステップS47からステップS49、および、ステップS54からステップS55までの処理は、地図画像作成部115によって行われる。ステップS47では、ステップS43で読み出した画像の撮影位置に応じた地図データをプログラム/データ記憶部12から読み出す。すなわち、読み出した画像の撮影位置を全て含み、かつ、大きさが最も小さい地図のデータを読み出す。
【0077】
ステップS48では、部分画像の撮影場所が密集しているか否か、すなわち、部分画像の撮影場所が地図上の所定範囲内に所定数以上存在するか否かを判定する。部分画像の撮影場所が地図上の所定範囲内に所定数以上存在すると判定するとステップS54に進み、存在しないと判定するとステップS49に進む。
【0078】
ステップS49では、ステップS46で一時的に記憶させた部分画像をSDRAM16から読み出し、読み出した部分画像を、ステップS47で読み出した地図データに重畳させて地図画像を作成する。地図画像を作成すると、
図10に示すフローチャートの処理に戻る。
【0079】
一方、ステップS54では、被写体設定部113によって設定されたテーマが花であるか否かを判定する。設定されたテーマが花であると判定するとステップS55に進み、花ではないと判定すると、
図10に示すフローチャートの処理に戻る。
【0080】
ステップS55では、撮影場所が地図上の所定範囲内に所定数以上存在する花の部分画像を集合させた花束の集合画像を作成し、作成した花束の集合画像を、ステップS47で読み出した地図データに重畳させて地図画像を作成する。地図画像を作成すると、
図10に示すフローチャートの処理に戻る。
【0081】
図10に示すフローチャートに戻って説明を続ける。ステップS25では、ステップS24で作成した地図画像、または、ステップS33で作成した地図画像を表示部19に表示させる。
【0082】
ステップS26からステップS28までの処理は、地図画像作成部115によって行われる。ステップS26では、地図上のいずれかの画像が選択されたか否かを判定する。ステップS24で作成された地図画像が表示されている場合には、地図上のいずれかの部分画像が選択されたか否かを判定し、ステップS33で作成された地図画像が表示されている場合には、地図上のいずれかのサムネイル画像が選択されたか否かを判定する。カーソルによって、地図上のいずれかの画像が選択されたと判定するとステップS27に進み、地図上の画像は選択されていないと判定すると、ステップS29に進む。
【0083】
ステップS27では、カーソルによって選択された画像に付随して記録されているタグ情報から、画像の撮影日時および撮影時の天気の情報を読み出す。
【0084】
ステップS28では、ステップS27で読み出した撮影日時および撮影時の天気に基づいて、地図の背景表示を変更する(
図7参照)。
【0085】
ステップS29では、再生モードを終了する操作が行われたか否かを判定する。例えば、ユーザによって、電源オフ操作や、撮影操作が行われると、再生モードを終了する操作が行われたと判定して、フローチャートの処理を終了する。一方、再生モードを終了する操作が行われていないと判定すると、ステップS30に進む。
【0086】
ステップS30では、表示部19の表示条件を変更する操作が行われたか否かを判定する。表示条件を変更する操作とは、例えば、地図表示モードの設定を解除する操作や、部分画像モードの設定をオン/オフする操作、地図上に重畳させる部分画像のテーマを変更する操作等である。表示部19の表示条件を変更する操作が行われたと判定するとステップS21に戻り、そのような操作は行われていないと判定すると、ステップS25に戻る。
【0087】
以上、一実施の形態における画像再生装置によれば、地図に重畳表示させる被写体の種類を設定し、画像から、設定した被写体に相当する部分を部分画像として抽出する。そして、抽出した部分画像を地図上の撮影位置に重畳させた地図画像を作成し、作成した地図画像を表示する。これにより、特定の被写体を重畳させた印象深い地図画像をユーザに提供することができる。また、サムネイル画像を重畳させた地図画像では、サムネイル画像のサイズが小さいため、個々の画像を視認しにくいという問題が生じるが、一実施の形態における画像再生装置によれば、部分画像を抽出して地図上に重畳させるので、個々の画像のサイズが小さくならず、視認性のよい地図画像を作成することができる。
【0088】
また、地図画像上でいずれかの部分画像が指定された場合に、指定された部分画像の元の画像が撮影された日時および撮影時の天気のうちの少なくとも一方の情報に基づいて、地図の背景の表示を変更するので、背景の表示によって、撮影時の雰囲気を表現することができる。
【0089】
特に、一実施の形態における画像再生装置では、画像中の被写体の種類を認識し、認識した被写体の種類に関する情報を画像データとともに記録しておき、画像データとともに記録されている複数の被写体の種類に基づいて、複数の被写体の種類をリストアップしたテーマリストを作成する。そして、作成したテーマリストの中で指示されたテーマに応じて、地図に表示させる被写体の種類を設定する。画像中の被写体の種類を認識して記録しておき、記録した被写体の種類を利用して部分画像を抽出するので、短時間で適確な地図画像を作成することができる。
【0090】
また、地図上の所定範囲内に所定数以上の部分画像が存在することになる場合に、当該所定範囲内に所定数以上存在する部分画像を集合させた集合画像を作成し、作成した集合画像を地図上に重畳させた地図画像を作成する。これにより、部分画像が密集して見にくくなるのを防いで、視認性のよい地図画像を提供することができる。
【0091】
なお、上述した一実施の形態の説明では、画像再生装置が行う処理としてハードウェアによる処理を前提としていたが、このような構成に限定される必要はない。例えば、コンピュータにより、ソフトウェア処理を行う構成とすることも可能である。この場合、コンピュータは、CPU、RAM等の主記憶装置、上記処理の全て或いは一部を実現させるためのプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備えている。ここでは、このプログラムを画像再生プログラムと呼ぶ。そして、CPUが上記記憶媒体に記憶されている画像再生プログラムを読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、上述の画像再生装置と同様の処理を実現させる。
【0092】
ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、この画像再生プログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該画像再生プログラムを実行するようにしても良い。
【0093】
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0094】
上述した一実施の形態では、画像再生装置を搭載したカメラをデジタルカメラとして説明したが、画像再生機能を有するカメラであれば、ビデオカメラやムービーカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器等の電子機器でもよい。
【0095】
上述した一実施の形態では、地図上に重畳させる部分画像の被写体の種類を1種類としたが、2種類以上の被写体の部分画像を重畳させるようにしてもよい。
【0096】
また、天気情報はインターネット等のネットワーク28を介して入手するものとして説明したが、カメラに天気情報入力メニューを備えて、撮影時あるいは撮影後にユーザが入力できるようにしてもよい。
【0097】
図11に示すフローチャートでは、集合画像を作成するのは、部分画像のテーマが花の場合としたが、花以外のテーマ(例えば、食べ物、服)が設定された場合に、集合画像を作成するようにしてもよい。
【0098】
また、被写体の種類が明確に表示されることが望まれるテーマの代表として、上記実施形態では、ワインを説明したが、他の物品(お菓子、アクセサリ)であってもよい。逆に、テーマとしてワインが選択された場合でも、上述したようなラベルの補正等は行わずに、抽出した画像をそのまま地図に重畳させて表示するようにしてもよい。テーマリストで補正処理の対象とするか否かの選択ができるようにしてもよい。
【0099】
被写体認識部112は、プログラム/データ記憶部12に予め格納されている被写体データベースの被写体データと比較することによって、画像中の被写体の種類を認識するものとした。しかし、被写体データベースをプログラム/データ記憶部12に格納しておかず、通信部24により、ネットワーク28を介して取得するようにしてもよい。