【実施例】
【0030】
実施例1:AZP乾燥条件の評価
2−ホスファ−L−アスコルビン酸三ナトリウム塩(AZP)、(>98%(HPLC),Fluka,ロット番号:1322473 52607420)について以下の乾燥条件を試験した:90℃/24時間真空下、160℃/30分間乾燥窒素ブランケット下、及び200℃/30分間乾燥窒素ブランケット下。試験した時間は、評価時間、配合時間、並びにサンプル回収及び冷却時間を含む。
【0031】
6つのバイアル瓶を160℃の真空オーブンで30分間予め乾燥させ、乾燥窒素ガスでパージされたグローブボックスに移した。AZP粉末を、グローブボックス内の各バイアル瓶(表1を参照)に計量した。次いで、AZP粉末のバイアル瓶を、表に示すような加熱条件に供した。
【表1】
【0032】
乾燥AZP粉末のバイアル瓶をパラフィルムで密封し、評価まで乾燥窒素ブランケット下で保存した。重量喪失%は、両方の加熱条件の累積であった。RT/N
2下のサンプルは、窒素ボックス内で保存した。加熱条件の過程における色の変化についてサンプルを評価した。色の変化は、AZPの分解の指標である。30分間以下加熱されたサンプルは、AZP粉末の元の白色が保持されていた。90℃/24時間処理で加熱されたサンプルは、非常に僅かに黄色を示したため、低温でさえも長時間加熱すると、AZPが一部分解されることが観察された。2回加熱処理を受けたサンプルは、僅かに黄色に変化した。200℃に加熱されたサンプル番号6は、最も濃い黄色を有していた。高温における更なる乾燥は重量減少を引き起こさなかったため、90℃/真空/24時間で乾燥が完了したと思われた。より高温で短時間でも、重量喪失に対して同じ乾燥効果を得ることができる。対照サンプルの重量変化が最低であることは、取扱プロセスが合理的であることを示した。それ故、160℃及び30分間が、乾燥及び加工条件の上限として選択された。
【0033】
最終的な乾燥プロセスは、以下の通りである:乾燥窒素ブランケット下でオーブンを160℃に予熱する;0.237L(8OZ)のバイアル瓶及びその蓋を160℃で30分間加熱することにより乾燥させ、乾燥窒素でパージされたグローブボックスに移し、計量する;グローブボックス内で、AZPをバイアル瓶に計量する;AZPのバイアル瓶を30分間オーブン内に入れる;約15分時点で1回バイアル瓶を振盪させる;AZPのバイアル瓶に蓋をし、予め乾燥させた蓋を用いてオーブン内で密封する;蓋をしたAZPのバイアル瓶をオーブン内から取り出し、計量する。AZPの重量及び重量喪失パーセントを算出した。加工の準備ができるまで、AZPのバイアル瓶を乾燥窒素雰囲気下で保存した。
【0034】
実施例2:溶媒流延フィルム処方の比較及び評価
乾燥窒素ブランケット下のグローブボックス内で、実施例1に記載のように160℃/30分間で予め乾燥させたAZP32ミリグラムの量を20mLの瓶に計量した。シリンジを用いて9.0mLのCH
2Cl
2を直ちに瓶に添加し、瓶に蓋をした。グローブボックスからAZP溶液を取り出し、10分間超音波処理した。この溶液をグローブボックスに戻し、次いで0.6グラムの40/60 PCL/PLAポリマー(ロット番号D99069,Birmingham Polymer,Inc.)をAZP溶液に添加し、再度蓋をした。混合物をグローブボックスから取り出し、ポリマーが完全に溶解するまで室温で振盪させた。VirTic凍結乾燥機(モデル:AdVantage,MFR:VirTic)の棚を6℃に予冷することにより、溶媒流延フィルムを調製した。AZP/ポリマー溶液を5cm×5cmのテフロンコーティングされた金属型に注ぎ、次いで直ちに予冷した棚に移した。窒素ブランケットを用いて蒸発を緩徐に進行させて、水の凝結を防いだ。溶媒を除去した後、約150マイクロメートル〜200マイクロメートルの厚さを有するフィルムを回収し、次のプロセス又は/及び特性評価のために真空下で保存した。
【0035】
皮膚生検穿孔器を用いて溶媒流延フィルムから8mmのディスクを打ち抜いた。次いで、ディスクをHPLCバイアル瓶に移した。2mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(pH=7.4)を、各バイアル瓶に添加した。バイアル瓶を、37℃及び100rpmで加熱し、振盪している水浴内でインキュベートした。各時点で、放出媒体を除去し、2mLの新たなPBSに交換した。放出媒体中のAZPを、HPLCを用いて測定した。PDA検出器を備えるモデル2695 HPLCシステム(Waters,Milford,MA,USA)により、Geminiカラム(Phenomenex,Torrance,CA,USA)を用いてHPLCを実施した。238nmにおける紫外線吸収を測定した。5mMのKH2PO4、6mMのH3PO4、12mMの硫酸水素テトラブチルアンモニウム、10%のメタノールを含有する定組成移動相(pH2.5)を用いた。流速は、1mL/分であった。10mLの体積測定用フラスコ内で5mgのAZPを水に溶解させ、十分混合することにより、AZP標準原液を調製した。使用前に、原液を1:10及び1:100に希釈した。放出プロファイルを
図1に示す。
【0036】
先行技術の溶媒流延を用いるアスコルビン酸リン酸塩制御放出系製剤では、不十分な成果しか得られなかった。
図1に示すように、先行技術の溶媒流延により調製された40/60(モル/モル)PCL/PLAフィルム中のアスコルビン酸リン酸塩は、組成物中のAZPの総量の最高40重量%という高い割合のバーストを示した。不所望に高い割合のバーストは、AZPの親水性、及び溶媒蒸発によりフィルム中に生じる多孔性に起因する。
【0037】
実施例3:200℃の加工温度におけるAZP/(25/75PCL/PGA)フィルムの調製及び評価
AZP/ポリマー組成物を以下のように調製した:乾燥窒素でパージされたグローブボックス内にて、30.4グラムの25/75PCL/PGAポリマー(ロット番号UAZC020,Ethicon)及び0.63グラムの実施例1に記載のように160℃/30分間予め乾燥させたAZPを容器に計量し、一緒に乾燥混合することにより2重量%のAZP/ポリマー組成物を調製した。一方、30mLのBrabenderミキサ(モデル:R.E.E.6/2,C.W.Brabender Instruments,Hackensack,NJ)を200℃に予熱した。乾燥窒素ブランケットを維持した。ミキサを30rpmの速度に設定した。AZP/ポリマー混合物を速やかにグローブボックスからミキサに移し、閉めた。物質を約10分間混合させた。混合を停止し、AZPポリマー組成物を回収した。制御放出組成物への更なる加工の準備が整うまで、真空下で組成物を保存した。
【0038】
フィルムを以下のように調製した:圧縮成形装置(Carver Laboratory Press,モデル:2696)の圧盤を205℃に予熱した。約3.5グラムの組成物を圧盤上に置き、5分間加熱した。約2分間圧力を印加した(約88.96kN(20,000lbs))。加熱を停止し、圧盤及びフィルムを水で冷却しながら室温まで冷却し、加圧を続けた。フィルムは、約150マイクロメートル〜200マイクロメートルの厚さを有し、無傷であったが、色は分解を示す茶色であった。
【0039】
AZPの回収率を、HPLCアッセイを用いて決定した。121mgのフィルムを、50mLの体積測定用フラスコに移した。10mLのHFIPをフラスコに添加し、撹拌した。サンプルが完全に溶解した後、DI水を滴下して、フラスコの印まで充填した。HPLC分析前に、0.2マイクロメートルのシリンジフィルタを通して溶液を濾過した。PDA検出器を備えるモデル2695 HPLCシステム(Waters,Milford,MA,USA)により、Geminiカラム(Phenomenex,Torrance,CA,USA)を用いてHPLCを実施した。238nmにおける紫外線吸収を測定した。5mMのKH2PO4、6mMのH3PO4、12mMの硫酸水素テトラブチルアンモニウム、10%のメタノールを含有する定組成移動相(pH2.5)を用いた。流速は、1mL/分であった。10mLの体積測定用フラスコ内で5mgのAZPを水に溶解させ、十分混合することにより、AZP標準原液を調製した。使用前に、原液を1:10及び1:100に希釈した。AZPの回収率は、1%未満であった。
【0040】
アスコルビン酸リン酸塩の融解温度は、260℃である。260℃未満の温度で熱処理することができる任意のポリマーを、溶融ブレンドプロセスを用いて制御放出組成物の組成物のために用いることができると想定できる。驚くべきことに、発明者らは、乾燥AZPと、吸収性ポリマーとの組み合わせを200℃で熱処理すると、AZPがほぼ完全に分解されることを見出した。対照的に、以下の実施例4及び5に示すように、約160℃以下の加工温度で調製されたフィルムは、フィルムからのAZP回収率が劇的に増加することが示された。
【0041】
実施例4:160℃の加工温度で調製されたAZP/(40/60PCL/PLA)フィルムの調製及び評価
AZP/ポリマー組成物を以下のように調製した:乾燥窒素でパージされたグローブボックス内にて、30.4グラムの40/60PCL/PLAポリマー(ロット番号UAZC020,Ethicon,Inc,Somerville,NJ)及び0.63グラムの実施例1に記載のように160℃/30分間予め乾燥させたAZPを容器に計量し、一緒に乾燥混合することにより2重量%のAZP/ポリマー組成物を調製した。AZP/ポリマーを乾燥窒素ブランケット下で混合した。30mLのBrabenderミキサ(モデル:R.E.E.6/2,C.W.Brabender Instruments Hackensack,NJ)を160℃に予熱した。乾燥窒素ブランケットを維持した。ミキサを30rpmの速度に設定した。AZP/ポリマー混合物をミキサに速やかに添加し、閉じた。物質を約10分間混合させた。混合を停止し、AZPポリマー組成物を回収した。望ましい制御放出組成物への更なる加工の準備が整うまで、真空下で組成物を保存した。このプロセスを繰り返して、5wt%及び10wt%のAZP/ポリマー組成物を調製した。
【0042】
以下のように2wt%、5wt%、及び10wt%のAZPポリマー組成物を用いてフィルムを調製した:圧縮成形装置(Carver Laboratory Press,モデル:2696,Wabash,IN)の圧盤を160℃に予熱した。約3.5グラムの組成物を圧盤上に置き、5分間加熱した。約2分間圧力を印加した(約88.96kN(20,000lbs))。加熱を停止し、圧盤及びフィルムを、水冷を用いて圧力下で室温まで冷却した。150マイクロメートル〜200マイクロメートルの厚さを有するフィルムを回収し、試験の準備が整うまで乾燥窒素下で保存した。
【0043】
1片のフィルムを横断面でトリミングし、顕微鏡スタッド上に実装し、EMS 550スパッタコーター(Electron Microscopy Sciences,Hatfield,PA)を用いて金の薄層でコーティングした。SEM解析は、JEOL JSM−5900LV SEM(JEOL(日本、東京))を用いて行った。各サンプルに関して、表面及び断面積を調べた。SEM画像は、AZP粒子がフィルムに埋め込まれており、均一に分布していることを示した。
図2の代表的なSEM写真を参照。
【0044】
AZPの回収率を、HPLCアッセイを用いて決定した。AZPの回収率を、HPLCアッセイを用いて決定した。27mgのサンプルを、50mLの体積測定用フラスコに移した。10mLのジオキサンをフラスコに添加し、30〜50℃に穏やかに加熱しながら撹拌した。サンプルが完全に溶解した後、DI水を50mL滴下して、フラスコの印まで充填した。HPLC分析前に、0.2マイクロメートルのシリンジフィルタを通して溶液を濾過した。PDA検出器を備えるモデル2695 HPLCシステム(Waters,Milford,MA,USA)により、Geminiカラム(Phenomenex,Torrance,CA,USA)を用いてHPLCを実施した。238nmにおける紫外線吸収を測定した。5mMのKH2PO4、6mMのH3PO4、12mMの硫酸水素テトラブチルアンモニウム、10%のメタノールを含有する定組成移動相(pH2.5)を用いた。流速は、1mL/分であった。10mLの体積測定用フラスコ内で5mgのAZPを水に溶解させ、十分混合することにより、AZP標準原液を調製した。使用前に、原液を1:10及び1:100に希釈した。フィルムと同様の方法で処理された乾燥AZPを対照として用いた。10wt%のAZPをロードしたフィルムからのAZPの回収率は、約84重量%であった。5wt%のAZPをロードしたフィルムからのAZP回収率を、同じ方法を用いて測定した。回収率は78%であった。
【0045】
AZP/ポリマーフィルムからのAZPの放出を、以下の方法により測定した:皮膚生検穿孔器を用いてフィルムから10mmのディスクを打ち抜いた。次いで、ディスクをHPLCバイアル瓶に移した。1.5mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(pH=7.4)を、各バイアル瓶に添加した。バイアル瓶を、37℃及び100rpmで加熱し、振盪している水浴内でインキュベートした。各時点で、放出媒体を除去し、2mLの新たなPBSに交換した。放出媒体中のAZPを、HPLCを用いて測定した。PDA検出器を備えるモデル2695 HPLCシステム(Waters,Milford,MA,USA)により、Geminiカラム(Phenomenex,Torrance,CA,USA)を用いてHPLCを実施した。238nmにおける紫外線吸収を測定した。5mMのKH2PO4、6mMのH3PO4、12mMの硫酸水素テトラブチルアンモニウム、10%のメタノールを含有する定組成移動相(pH2.5)を用いた。流速は、1mL/分であった。10mLの体積測定用フラスコ内で5mgのAZPを水に溶解させ、十分混合することにより、AZP標準原液を調製した。使用前に、原液を1:10及び1:100に希釈した。放出プロファイルを
図3に示す。
【0046】
実施例5:130℃の加工温度におけるAZP/(35/65PCL/PGA)フィルムの調製
AZP/ポリマー組成物を以下のように調製した:乾燥窒素でパージされたグローブボックス内にて、30.4グラムの35/65PCL/PGAポリマー(ロット番号UAZC020,Ethicon)及び0.63グラムの実施例1に記載のように160℃/30分間予め乾燥させたAZPを容器に計量し、一緒に乾燥混合することにより2重量%のAZP/ポリマー組成物を調製した。一方、30mLのBrabenderミキサ(モデル:R.E.E.6/2,C.W.Brabender Instruments)を130℃に予熱した。乾燥窒素ブランケットを維持した。ミキサを30rpmの速度に設定した。AZP/ポリマー混合物を速やかにグローブボックスからミキサに移し、閉めた。物質を約10分間混合させた。混合を停止し、AZPポリマー組成物を回収した。制御放出組成物への更なる加工の準備が整うまで、真空下で組成物を保存した。このプロセスを繰り返して、5wt%及び10wt%のAZP/ポリマー組成物を調製した。
【0047】
以下のように2wt%、5wt%、及び10wt%のAZP/ポリマー組成物を用いてフィルムを調製した:圧縮成形装置(Carver Laboratory Press,モデル:2696 Wabash,IN)の圧盤を130℃に予熱した。約3.5グラムの組成物を圧盤上に置き、5分間加熱した。約2分間圧力を印加した(約88.96kN(20,000lbs))。加熱を停止し、圧盤及びフィルムを、水冷を用いて圧力下で室温まで冷却した。150〜200マイクロメートルの厚さを有するフィルムを回収し、試験の準備が整うまで乾燥窒素条件下で保存した。
【0048】
AZPの回収率を、HPLCアッセイを用いて決定した。50mgのフィルムを、50mLの体積測定用フラスコに移した。10mLのジオキサンをフラスコに添加し、30〜50℃に穏やかに加熱しながら撹拌した。サンプルが完全に溶解した後、DI水を滴下して、フラスコの印まで充填した。HPLC分析前に、0.2マイクロメートルのシリンジフィルタを通して溶液を濾過した。PDA検出器を備えるモデル2695 HPLCシステム(Waters,Milford,MA,USA)により、Geminiカラム(Phenomenex,Torrance,CA,USA)を用いてHPLCを実施した。238nmにおける紫外線吸収を測定した。5mMのKH2PO4、6mMのH3PO4、12mMの硫酸水素テトラブチルアンモニウム、10%のメタノールを含有する定組成移動相(pH2.5)を用いた。流速は、1mL/分であった。10mLの体積測定用フラスコ内で5mgのAZPを水に溶解させ、十分混合することにより、AZP標準原液を調製した。使用前に、原液を1:10及び1:100に希釈した。フィルムと同様の方法で処理された乾燥AZPを対照として用いた。5wt%のAZPをロードしたフィルムからのAZP回収率は、約92%であった。AZP/ポリマーフィルムからのAZPの放出を、以下の方法により測定した:皮膚生検穿孔器を用いてフィルムから10mmのディスクを打ち抜いた。次いで、ディスクをHPLCバイアル瓶に移した。1.5mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(pH=7.4)を、各バイアル瓶に添加した。バイアル瓶を、37℃及び100rpmで加熱し、振盪している水浴内でインキュベートした。各時点で、放出媒体を除去し、2mLの新たなPBSに交換した。放出媒体中のAZPを、HPLCを用いて測定した。PDA検出器を備えるモデル2695 HPLCシステム(Waters,Milford,MA,USA)により、Geminiカラム(Phenomenex,Torrance,CA,USA)を用いてHPLCを実施した。238nmにおける紫外線吸収を測定した。5mMのKH2PO4、6mMのH3PO4、12mMの硫酸水素テトラブチルアンモニウム、10%のメタノールを含有する定組成移動相(pH2.5)を用いた。流速は、1mL/分であった。10mLの体積測定用フラスコ内で5mgのAZPを水に溶解させ、十分混合することにより、AZP標準原液を調製した。使用前に、原液を1:10及び1:100に希釈した。放出プロファイルを
図4に示す。
【0049】
本発明のAZP組成物の製造方法、及びこの方法により製造される新規組成物は、多くの利点を有する。この利点としては、20wt%未満という低い割合のバースト放出後、持続放出するというAZPのより望ましい放出プロファイルが挙げられる。持続放出は、1週間以上の期間にわたる。1つの実施形態では、持続放出は、約3週間以上である。別の利点は、種々の幾何学的形状の装置の作製に対する好適性、並びに溶媒流延法よりも優れた機械的特性、並びに加工に安全に用いることができる溶媒中の可溶性及び不溶性材料を含む広い材料選択の利用可能性である。
【0050】
本発明はその詳細な実施形態に関して図示及び説明が行われたが、当業者には、当該形態及び詳細におけるさまざまな変更は、本請求発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されるであろう。
【0051】
〔実施の態様〕
(1) アスコルビン酸リン酸塩の制御放出組成物を作製する方法であって、
約160℃以下の温度で約30分間アスコルビン酸リン酸塩を乾燥させる工程と、
約160℃以下の温度で、前記乾燥させたアスコルビン酸リン酸塩を吸収性脂肪族ポリエステルポリマーと溶融ブレンドして、アスコルビン酸リン酸塩及びポリマー組成物を形成する工程と、を含む、方法。
(2) 約160℃以下の温度で、前記アスコルビン酸及びポリマー組成物を所望の形態に加工する更なる工程を含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記組成物が、前記組成物の約0.5重量%〜約20重量%の量のアスコルビン酸を含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記組成物が、前記組成物の約2重量%〜約10重量%の量のアスコルビン酸を含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記吸収性脂肪族ポリエステルポリマーが、ラクチド、グリコリド、イプシロン−カプロラクトン、ジオキサノン、及びトリメチレンカーボネートからなる群から選択されるモノマーから調製されるホモポリマー又はコポリマーである、実施態様1に記載の方法。
(6) 前記吸収性脂肪族ポリエステルポリマーが、イプシロン−カプロラクトン及びグリコリドから調製されるコポリマーである、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記組成物が、繊維、ロッド、ねじ、止め金、縫合糸アンカー、フィルム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される医療機器に形成される、実施態様2に記載の方法。
(8) 前記吸収性ポリマー及び前記アスコルビン酸リン酸塩が、約5分間〜約30分間溶融ブレンドされる、実施態様1に記載のプロセス。
(9) 前記組成物と、少なくとも1つの生物活性剤とを組み合わせる工程を更に含む、実施態様1に記載のプロセス。
(10) 前記組成物を生存組織と組み合わせる工程を更に含む、実施態様1に記載のプロセス。
【0052】
(11) 前記組成物を細胞と組み合わせる工程を更に含む、実施態様1に記載のプロセス。
(12) 制御放出組成物であって、
160℃以下の温度で約30分間アスコルビン酸リン酸塩を乾燥させる工程と、
約160℃以下の温度で、前記乾燥させたアスコルビン酸リン酸塩と吸収性脂肪族ポリエステルポリマーとを溶融ブレンドして、アスコルビン酸リン酸塩及びポリマー組成物を形成する工程と、を含む、方法により製造されるアスコルビン酸リン酸塩の制御放出組成物を含む、制御放出組成物。
(13) 前記プロセスが、約160℃以下の温度で前記アスコルビン酸及びポリマー組成物を所望の形態に加工する更なる工程を含む、実施態様12に記載の組成物。
(14) 前記組成物が、約0.5重量%〜約20重量%の量のアスコルビン酸リン酸塩を含む、実施態様12に記載の組成物。
(15) 前記組成物が、約2重量%〜約10重量%の量のアスコルビン酸リン酸塩を含む、実施態様12に記載の組成物。
(16) 前記吸収性脂肪族ポリエステルポリマーが、ラクチド、グリコリド、イプシロン−カプロラクトン、ジオキサノン、及びトリメチレンカーボネートからなる群より選択されるモノマーから調製されるホモポリマー又はコポリマーである、実施態様12に記載の組成物。
(17) 前記吸収性脂肪族ポリエステルポリマーが、イプシロン−カプロラクトン及びグリコリドから調製されるコポリマーである、実施態様12に記載の組成物。
(18) 前記組成物が、繊維、ロッド、ねじ、止め金、縫合糸アンカー、フィルム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される医療機器に形成される、実施態様13に記載の組成物。
(19) 前記吸収性ポリマー及び前記アスコルビン酸リン酸塩が、約5分間〜約30分間溶融ブレンドされる、実施態様12に記載の組成物。
(20) 前記組成物が少なくとも1つの生物活性剤を更に含む、実施態様12に記載の組成物。
【0053】
(21) 前記組成物が生存組織を更に含む、実施態様12に記載の組成物。
(22) 前記組成物が細胞を更に含む、実施態様12に記載の組成物。
(23) 20重量%以下のバースト放出後、制御放出されるアスコルビン酸リン酸塩及び吸収性脂肪族ポリエステルポリマーを含む制御放出組成物。
(24) 医療機器であって、
160℃以下の温度で約30分間アスコルビン酸リン酸塩を乾燥させる工程と、
約160℃以下の温度で、前記乾燥させたアスコルビン酸リン酸塩を吸収性脂肪族ポリエステルポリマーと溶融ブレンドして、アスコルビン酸リン酸塩及びポリマー組成物を形成する工程と、を含む、方法により製造されるアスコルビン酸リン酸塩の制御放出組成物、を含む、医療機器。