【文献】
佐藤 祐一 他,RFIDを用いた成長型戦略型カードゲームの開発,第72回(平成22年)全国大会講演論文集(4) インタフェース コンピュータと人間社会,2010年 3月 8日, p.4−873〜4−874
【文献】
瀬戸原 弘通 他,拡張現実感におけるインタラクションツール Interaction Tools in Augmented Reality,電子情報通信学会技術研究報告 ,日本,社団法人電子情報通信学会 ,2004年 9月29日,第103巻第351号,p.1−4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
タグ識別情報が書き込まれた情報記憶媒体が1つの面に配置され、該面に所定の識別画像が表示された情報提供媒体と、撮影表示装置と、通信端末と、サーバとを有する情報処理システムにおける情報処理方法であって、
前記撮影表示装置が、前記情報提供媒体の前記情報記憶媒体が配置された面の少なくとも一部を撮影する処理と、
前記通信端末が、前記撮影表示装置が撮影した第1の画像の中で、前記識別画像を識別する処理と、
前記通信端末が、前記第1の画像の中の前記識別画像の相対位置に基づいて空間座標系を生成する処理と、
前記通信端末が、前記生成した前記空間座標系上の座標範囲を前記サーバへ送信する処理と、
前記サーバが、前記通信端末から送信されてきた座標範囲に応じた第2の画像と該第2の画像を表示するための表示座標とを前記通信端末へ送信する処理と、
前記通信端末が、前記サーバから送信されてきた前記第2の画像を前記撮影表示装置の前記表示座標に基づいた位置に表示させる処理と、
前記通信端末が、前記情報記憶媒体から前記タグ識別情報を読み取る処理と、
前記通信端末が、前記読み取ったタグ識別情報を前記サーバへ送信する処理と、
前記サーバが、前記通信端末から送信されてきた前記タグ識別情報に基づいた所定の処理とを行う情報処理方法。
タグ識別情報が書き込まれた情報記憶媒体が1つの面に配置され、該面に所定の識別画像が表示された情報提供媒体と、撮影表示装置と、通信端末と、サーバとを有する情報処理システムにおける情報処理方法であって、
前記撮影表示装置が、前記情報提供媒体の前記情報記憶媒体が配置された面の少なくとも一部を撮影する処理と、
前記通信端末が、前記撮影表示装置が撮影した第1の画像を取得する処理と、
前記通信端末が、前記取得した第1の画像を前記サーバへ送信する処理と、
前記サーバが、前記通信端末から送信されてきた前記第1の画像に応じた第2の画像と該第2の画像を表示するための表示座標とを前記通信端末へ送信する処理と、
前記通信端末が、前記サーバから送信されてきた前記第2の画像を前記撮影表示装置の前記表示座標に基づいた位置に表示させる処理と、
前記通信端末が、前記情報記憶媒体から前記タグ識別情報を読み取る処理と、
前記通信端末が、前記読み取ったタグ識別情報を前記サーバへ送信する処理と、
前記サーバが、前記通信端末から送信されてきた前記タグ識別情報に基づいた所定の処理とを行う情報処理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術においては、広告媒体には常に同じ画像が示されており、柔軟な情報提供を行うことができないという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、上述した課題を解決する情報処理システム、撮影表示装置、通信端末、サーバ
、情報処理方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理システムは、
タグ識別情報が書き込まれた情報記憶媒体が1つの面に配置され、該面に所定の識別画像が表示された情報提供媒体と、
前記情報提供媒体の前記情報記憶媒体が配置された面の少なくとも一部を撮影する撮影表示装置と、
前記撮影表示装置が撮影した第1の画像の中で、前記識別画像を識別し、該第1の画像の中の該識別画像の相対位置に基づいて空間座標系を生成し、該生成した前記空間座標系上の座標範囲を送信する通信端末と、
前記通信端末から送信されてきた座標範囲に応じた第2の画像と該第2の画像を表示するための表示座標とを前記通信端末へ送信するサーバとを有し、
前記通信端末は、前記サーバから送信されてきた前記第2の画像を前記撮影表示装置の前記表示座標に基づいた位置に表示させ、前記情報記憶媒体から前記タグ識別情報を読み取り、該読み取ったタグ識別情報を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、前記通信端末から送信されてきた前記タグ識別情報に基づいて、所定の処理を行う。
【0007】
また、タグ識別情報が書き込まれた情報記憶媒体が1つの面に配置され、該面に所定の識別画像が表示された情報提供媒体と、
前記情報提供媒体の前記情報記憶媒体が配置された面の少なくとも一部を撮影する撮影表示装置と、
前記撮影表示装置が撮影した第1の画像を取得し、該取得した第1の画像を送信する通信端末と、
前記通信端末から送信されてきた前記第1の画像に応じた第2の画像と該第2の画像を表示するための表示座標とを前記通信端末へ送信するサーバとを有し、
前記通信端末は、前記サーバから送信されてきた前記第2の画像を前記撮影表示装置の前記表示座標に基づいた位置に表示させ、前記情報記憶媒体から前記タグ識別情報を読み取り、該読み取ったタグ識別情報を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、前記通信端末から送信されてきた前記タグ識別情報に基づいて、所定の処理を行う。
【0008】
また、本発明の撮影表示装置は、
撮影部と、
前記撮影部が撮影した第1の画像を通信端末へ送信する通信部と、
前記通信端末から送信されてきた第2の画像を表示する表示部とを有する。
【0009】
また、本発明の通信端末は、
当該通信端末と接続された撮影表示装置が撮影した第1の画像を取得する取得部と、
前記取得部が取得した第1の画像の中で、所定の識別画像を識別し、該第1の画像の中の該識別画像の相対位置に基づいて空間座標系を生成する空間座標系生成部と、
前記空間座標系生成部が生成した空間座標系上の座標範囲を、当該通信端末と接続されたサーバへ送信する通信部と、
前記サーバから第2の画像と表示座標とが送信されてきた場合、該第2の画像を前記撮影表示装置の該表示座標に基づいた位置に表示させる表示制御部と、
外部に設けられた情報記憶媒体からタグ識別情報を読み取る情報読み取り部とを有し、
前記通信部は、前記情報読み取り部が読み取ったタグ識別情報を前記サーバへ送信する。
【0010】
また、本発明のサーバは、
タグ識別情報と座標とを対応付けて記憶し、前記タグ識別情報と商品またはサービス、処理機能を示す対象識別情報とを対応付けて記憶し、前記対象識別情報と対象画像とを対応付けて記憶するデータベースと、
前記データベースを用いて、当該サーバと接続された通信端末から送信されてきた座標範囲に基づいて、前記タグ識別情報を検索し、該検索したタグ識別情報に基づいて、前記対象識別情報を検索し、該検索した対象識別情報に基づいて、前記対象画像を検索する検索部と、
前記検索部が検索した対象画像と該対象画像を表示するための表示座標とを前記通信端末へ送信する通信部と、
前記通信端末から送信されてきたタグ識別情報に基づいて、所定の処理を行う制御部とを有する。
【0011】
また、当該サーバと接続された通信端末から送信されてきた第1の画像の中で、所定の識別画像を識別し、該第1の画像の中の該識別画像の相対位置に基づいて、前記第1の画像内で空間座標系を生成する空間座標系生成部と、
前記空間座標系生成部が生成した空間座標系に応じた第2の画像と表示座標とを前記通信端末へ送信する通信部と、
前記通信端末から送信されてきたタグ識別情報に基づいて、所定の処理を行う制御部とを有する。
【0013】
また、本発明の情報処理方法は、
タグ識別情報が書き込まれた情報記憶媒体が1つの面に配置され、該面に所定の識別画像が表示された情報提供媒体と、撮影表示装置と、通信端末と、サーバとを有する情報処理システムにおける情報処理方法であって、
前記撮影表示装置が、前記情報提供媒体の前記情報記憶媒体が配置された面の少なくとも一部を撮影する処理と、
前記通信端末が、前記撮影表示装置が撮影した第1の画像の中で、前記識別画像を識別する処理と、
前記通信端末が、前記第1の画像の中の前記識別画像の相対位置に基づいて空間座標系を生成する処理と、
前記通信端末が、前記生成した前記空間座標系上の座標範囲を前記サーバへ送信する処理と、
前記サーバが、前記通信端末から送信されてきた座標範囲に応じた第2の画像と該第2の画像を表示するための表示座標とを前記通信端末へ送信する処理と、
前記通信端末が、前記サーバから送信されてきた前記第2の画像を前記撮影表示装置の前記表示座標に基づいた位置に表示させる処理と、
前記通信端末が、前記情報記憶媒体から前記タグ識別情報を読み取る処理と、
前記通信端末が、前記読み取ったタグ識別情報を前記サーバへ送信する処理と、
前記サーバが、前記通信端末から送信されてきた前記タグ識別情報に基づいた所定の処理とを行う。
【0014】
また、タグ識別情報が書き込まれた情報記憶媒体が1つの面に配置され、該面に所定の識別画像が表示された情報提供媒体と、撮影表示装置と、通信端末と、サーバとを有する情報処理システムにおける情報処理方法であって、
前記撮影表示装置が、前記情報提供媒体の前記情報記憶媒体が配置された面の少なくとも一部を撮影する処理と、
前記通信端末が、前記撮影表示装置が撮影した第1の画像を取得する処理と、
前記通信端末が、前記取得した第1の画像を前記サーバへ送信する処理と、
前記サーバが、前記通信端末から送信されてきた前記第1の画像に応じた第2の画像と該第2の画像を表示するための表示座標とを前記通信端末へ送信する処理と、
前記通信端末が、前記サーバから送信されてきた前記第2の画像を前記撮影表示装置の前記表示座標に基づいた位置に表示させる処理と、
前記通信端末が、前記情報記憶媒体から前記タグ識別情報を読み取る処理と、
前記通信端末が、前記読み取ったタグ識別情報を前記サーバへ送信する処理と、
前記サーバが、前記通信端末から送信されてきた前記タグ識別情報に基づいた所定の処理とを行う。
【0015】
また、本発明のプログラムは、
通信端末に実行させるためのプログラムであって、
当該通信端末と接続された撮影表示装置から第1の画像を取得する手順と、
前記取得した第1の画像の中で、所定の識別画像を識別する手順と、
前記第1の画像の中の該識別画像の相対位置に基づいて空間座標系を生成する手順と、
前記生成した空間座標系上の座標範囲を、当該通信端末と接続されたサーバへ送信する手順と、
前記サーバから第2の画像と表示座標とが送信されてきた場合、該第2の画像を前記撮影表示装置の該表示座標に基づいた位置に表示させる手順と、
外部に設けられた情報記憶媒体からタグ識別情報を読み取る手順と、
前記読み取ったタグ識別情報を前記サーバへ送信する手順とを実行させる。
【0016】
また、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
当該コンピュータと接続された通信端末から送信されてきた座標範囲に基づいて、タグ識別情報を、前記タグ識別情報と座標とを対応付けて記憶するタグ位置データベースから検索する手順と、
前記検索したタグ識別情報に基づいて、商品識別情報を、前記タグ識別情報と前記商品識別情報とを対応付けて記憶する対応商品データベースから検索する手順と、
前記検索した商品識別情報に基づいて、商品画像を、前記商品識別情報と商品情報と前記商品画像とを対応付けて記憶する商品情報データベースから検索する手順と、
前記検索した商品画像と該商品画像を表示するための表示座標とを前記通信端末へ送信する手順と、
前記通信端末から送信されてきたタグ識別情報に基づいて、所定の処理を行う手順とを実行させる。
【0017】
また、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
当該コンピュータと接続された通信端末から送信されてきた第1の画像の中で、所定の識別画像を識別する手順と、
前記第1の画像の中の前記識別した識別画像の該識別画像の相対位置に基づいて、前記第1の画像内で空間座標系を生成する手順と、
前記生成した空間座標系に応じた第2の画像と該第2の画像を表示するための表示座標とを前記通信端末へ送信する手順と、
前記通信端末から送信されてきたタグ識別情報に基づいて、所定の処理を行う手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明においては、柔軟な情報提供を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の情報処理システムの第1の実施の形態を示す図である。
【0021】
本形態における情報処理システムには
図1に示すように、タグアレイボード100と、カメラ付きメガネ200と、通信端末300と、無線基地局400と、商品管理サーバ500と、購入管理サーバ600とが設けられている。また、無線基地局400と、商品管理サーバ500と、購入管理サーバ600とは、通信ネットワーク700を介して互いに接続されている。
【0022】
タグアレイボード100は、タグ識別情報が書き込まれた情報記憶媒体が1つの面に所定の配列で配置され、その面には、所定の識別画像が表示された情報提供媒体である。なお、タグアレイボード100は、板状の媒体であっても良いし、紙状の媒体であっても良く、また、その材質は特に規定しない。
【0023】
図2は、
図1に示したタグアレイボード100の外観の一例を示す図である。
【0024】
図1に示したタグアレイボード100は
図2に示すように、複数の識別画像であるマーカー101が表示されており、また、タグ識別情報が書き込まれた情報記憶媒体であるIC(Integrated Circuit)タグ102が配置されている。
図2では、マーカー101が6つ、ICタグ102が6つである場合を例に挙げて示しているが、それらの数は限定しない。このマーカー101は、あらかじめ決められた形状をしており、通信端末300または商品管理サーバ500にて空間座標系を生成するために識別可能なものである。また、ICタグ102それぞれには、それぞれを互いに識別可能なタグ識別情報があらかじめ書き込まれている。また、ICタグ102は、RFID(Radio Frequency IDentification)等の技術を用いて、近距離無線通信が可能なタグである。
【0025】
また、カメラ付きメガネ200は、タグアレイボード100のICタグ102が配置された面の少なくとも一部を撮影する撮影表示装置である。また、カメラ付きメガネ200は、通信端末300の制御で、指定された座標が示す位置に画像等の情報を表示する。このカメラ付きメガネ200は、透過型のディスプレイを用いて、実際に見ている実風景と表示された情報とを重ね合わせた状態で見ることができる光学シースルー方式であってもよい。また、カメラ付きメガネ200は、現実の視界を遮断し、実風景を撮影した画像(第1の画像)を表示し、第1の画像と通信端末300の制御で表示する情報(第2の画像)とを重ね合わせて表示するものであっても良い。
【0026】
図3は、
図1に示したカメラ付きメガネ200の内部構成の一例を示す図である。
【0027】
図1に示したカメラ付きメガネ200には
図3に示すように、撮影部201と、通信部202と、表示部203とが設けられている。
【0028】
撮影部201は、被写体であるタグアレイボード100を撮影するカメラである。
【0029】
通信部202は、撮影部201が撮影した第1の画像を通信端末300へ送信する。
【0030】
表示部203は、通信端末300から送信されてきた第2の画像を、通信端末300からの指示(表示位置等)に基づいて表示する。
【0031】
通信端末300は、カメラ付きメガネ200が撮影した第1の画像の中で、マーカー101を識別し、第1の画像の中のマーカー101の相対位置に基づいて空間座標系を生成する。また、通信端末300は、生成した空間座標系を無線基地局400および通信ネットワーク700を介して商品管理サーバ500へ送信する。また、通信端末300は、商品管理サーバ500から送信されてきた第2の画像をカメラ付きメガネ200の表示座標に基づいた位置に表示させる。また、通信端末300はタグリーダー機能を有し、タグアレイボード100に配置されたICタグ102からタグ識別情報を読み取る。また、通信端末300は、読み取ったタグ識別情報を無線基地局400および通信ネットワーク700を介して商品管理サーバ500へ送信する。
【0032】
図4は、
図1に示した通信端末300の内部構成の一例を示す図である。
【0033】
図1に示した通信端末300には
図4に示すように、取得部301と、空間座標系生成部302と、座標範囲確定部303と、通信部304と、表示制御部305と、情報読み取り部306とが設けられている。
【0034】
取得部301は、カメラ付きメガネ200が撮影した第1の画像を取得する。この取得方法は、例えば、取得部301とカメラ付きメガネ200の通信部202との間で、Bluetooth(登録商標)や無線LAN(Local Area Network)などの無線通信や有線通信を用いて取得するものであっても良いし、特に規定しない。また、取得部301は、取得した第1の画像を空間座標系生成部302へ出力する。
【0035】
空間座標系生成部302は、取得部301から出力されてきた第1の画像の中で、所定の識別画像であるマーカー101を識別する。また、空間座標系生成部302は、第1の画像の中のマーカー101の相対位置に基づいて、仮想空間でのタグアレイボード100の座標系である空間座標系を生成する。
【0036】
図5は、
図4に示した空間座標系生成部302が生成した空間座標系の一例を示す図である。
【0037】
図5に示すように、空間座標系生成部302は、6つのマーカー101を識別し、識別した6つのマーカー101の位置や形状、互いの間の距離や相対位置(角度を含む)に基づいて、x座標軸およびy座標軸を決定し、それぞれの座標軸から空間座標系を生成する。なお、空間座標系生成部302は、6つのマーカー101が空間座標系を生成するための識別画像であることをあらかじめ認識している。
【0038】
また、空間座標系生成部302は、生成した空間座標系と撮影画像(第1の画像)の座標の対応関係を求めて、対応関係を表す変換式を座標範囲確定部303へ出力する。
【0039】
座標範囲確定部303は、空間座標系生成部302から出力されてきた変換式を用いて、撮影画像(第1の画像)に含まれる空間座標系の座標範囲を確定する。つまり、タグアレイボード100全体で生成できる空間座標系のうち、カメラ付きメガネ200が撮影した第1の画像の範囲を確定する。これは、カメラ付きメガネ200がタグアレイボード100の一部を撮影した場合に、撮影した第1の画像の中のマーカー101に基づいて、タグアレイボード100のどの部分を撮影したかを判別するものである。また、座標範囲確定部303は、第1の画像に含まれる空間座標系の座標範囲を通信部304へ出力する。
【0040】
通信部304は、座標範囲確定部303から出力されてきた第1の画像に含まれる空間座標系の座標範囲、つまり、撮影されている仮想空間でのタグアレイボード100の座標範囲を無線基地局400および通信ネットワーク700を介して商品管理サーバ500へ送信する。また、通信部304は、商品管理サーバ500から送信されてきた第2の画像と表示座標とを受信し、受信した第2の画像と表示座標とを表示制御部305へ出力する。また、通信部304は、情報読み取り部306から出力されてきたタグ識別情報を無線基地局400および通信ネットワーク700を介して商品管理サーバ500へ送信する。なお、通信部304が上述した座標範囲を送信する際、通信端末300に付与された通信端末識別情報をこれらとともに送信するものであっても良い。
【0041】
表示制御部305は、通信部304から出力されてきた第2の画像をカメラ付きメガネ200の表示座標(通信部304から出力されてきたもの)に基づいた位置に表示させる。
【0042】
情報読み取り部306は、外部に設けられた情報記憶媒体であるICタグ102からタグ識別情報を読み取るリーダーである。また、情報読み取り部306は、読み取ったタグ識別情報を通信部304へ出力する。
【0043】
無線基地局400は、一般的な無線基地局であり、通信端末300との間で無線通信を行い、通信ネットワーク700との間で有線または無線通信を行う。
【0044】
商品管理サーバ500は、通信端末300から送信されてきた座標範囲に応じた第2の画像を検索し、検索した第2の画像とその第2の画像を表示するための表示座標とを通信端末300へ送信するサーバである。このとき、商品管理サーバ500は、通信端末300から座標範囲とともに、通信端末識別情報が送信されてきた場合、その座標範囲と通信端末識別情報とに応じた第2の画像を検索するものであっても良い。また、商品管理サーバ500は、検索の時刻に応じて、第2の画像を検索するものであっても良い。また、商品管理サーバ500は、通信端末300から送信されてきたタグ識別情報に基づいて、所定の処理を行う。
【0045】
図6は、
図1に示した商品管理サーバ500の内部構成の一例を示す図である。
【0046】
図1に示した商品管理サーバ500には
図6に示すように、タグ位置データベース501と、対応商品データベース502と、商品情報データベース503と、検索部504と、通信部505と、制御部506とが設けられている。
【0047】
タグ位置データベース501は、タグ識別情報と空間座標系での位置座標とを対応付けて記憶する。
【0048】
図7は、
図6に示したタグ位置データベース501に記憶されている対応付けの一例を示す図である。
【0049】
図6に示したタグ位置データベース501は
図7に示すように、タグ識別情報であるタグIDとx座標とy座標とが対応付けられて記憶されている。例えば、
図7に示すように、タグID「T0001」とx座標「x1」とy座標「y1」とが対応付けて記憶されている。これは、タグアレイボード100上の(x1,y1)の座標が示す位置には「T0001」のタグIDが書き込まれたICタグ102が配置されていることを示している。また、タグID「T0002」とx座標「x2」とy座標「y2」とが対応付けて記憶されている。これは、タグアレイボード100上の(x2,y2)の座標が示す位置には「T0002」のタグIDが書き込まれたICタグ102が配置されていることを示している。また、タグID「T0003」とx座標「x3」とy座標「y3」とが対応付けて記憶されている。これは、タグアレイボード100上の(x3,y3)の座標が示す位置には「T0003」のタグIDが書き込まれたICタグ102が配置されていることを示している。
【0050】
対応商品データベース502は、タグ識別情報と商品識別情報とを対応付けて記憶する。
【0051】
図8は、
図6に示した対応商品データベース502に記憶されている対応付けの一例を示す図である。
【0052】
図6に示した対応商品データベース502には
図8に示すように、タグ識別情報であるタグIDと商品識別情報である商品IDとが対応付けられて記憶されている。例えば、
図8に示すように、タグID「T0001」と商品ID「S0001」とが対応付けて記憶されている。これは、タグIDが「T0001」であるICタグ102が配置されている位置に表示する商品画像の商品IDが「S0001」であることを示している。また、タグID「T0002」と商品ID「S0002」とが対応付けて記憶されている。これは、タグIDが「T0002」であるICタグ102が配置されている位置に表示する商品画像の商品IDが「S0002」であることを示している。また、タグID「T0003」と商品ID「S0003」とが対応付けて記憶されている。これは、タグIDが「T0003」であるICタグ102が配置されている位置に表示する商品画像の商品IDが「S0003」であることを示している。
【0053】
商品情報データベース503は、商品識別情報と商品情報と商品画像とを対応付けて記憶する。
【0054】
図9は、
図6に示した商品情報データベース503に記憶されている対応付けの一例を示す図である。
【0055】
図6に示した商品情報データベース503には
図9に示すように、商品IDと商品を示す商品情報(例えば、商品名)とその商品の画像である商品画像とが対応付けられて記憶されている。例えば、
図9に示すように、商品ID「S0001」と商品情報「椅子」とその椅子の画像とが対応付けて記憶されている。これは、商品IDが「S0001」である商品は「椅子」であり、その椅子を示すために表示する画像は
図9に示す商品画像であることを示している。また、商品ID「S0002」と商品情報「電卓」とその電卓の画像とが対応付けて記憶されている。これは、商品IDが「S0002」である商品は「電卓」であり、その電卓を示すために表示する画像は
図9に示す商品画像であることを示している。また、商品ID「S0003」と商品情報「時計」とその時計の画像とが対応付けて記憶されている。これは、商品IDが「S0003」である商品は「時計」であり、その時計を示すために表示する画像は
図9に示す商品画像であることを示している。
【0056】
検索部504は、通信端末300から送信されてきた空間座標系の座標範囲に含まれる座標に基づいて、タグ識別情報であるタグIDをタグ位置データベース501から検索する。また、検索部504は、検索したタグIDに基づいて、商品識別情報である商品IDを対応商品データベース502から検索する。また、検索部504は、検索した商品IDに基づいて、商品画像を商品情報データベース503から検索する。また、検索部504は、検索した商品画像を通信部505へ出力する。このとき、検索部504は、この検索に用いた座標を表示座標として通信部505へ出力する。
【0057】
また、検索部504は、通信端末300から送信されてきたタグIDに基づいて、商品IDを対応商品データベース502から検索し、検索した商品IDを通信部505へ出力する。
【0058】
通信部505は、通信ネットワーク700とのインタフェース機能を具備し、検索部504から出力されてきて商品画像と表示座標とを通信端末300へ送信する。また、通信部505は、検索部504から出力されてきた商品IDを通信端末300へ送信する。
【0059】
制御部506は、商品管理サーバ500を制御する。制御部506は、検索部504の検索結果に基づいて、所定の処理(例えば、商品購入処理や、そのためのサーバ(
図1に示した形態においては、購入管理サーバ600)へ必要な情報の送信処理等)を行う。
【0060】
なお、タグ位置データベース501、対応商品データベース502および商品情報データベース503には、通信端末300(利用者)ごとに別個の対応付け情報が記憶されているものであっても良い。つまり、上述したそれぞれの対応付けに通信端末識別情報も対応付けて記憶しておき、通信端末300から通信端末識別情報が送信されてきた場合、当該通信端末識別情報も用いて、それぞれの情報を検索部504が検索するものであっても良い。これにより、利用者ごとに異なる商品等の表示が可能となる。また、タグ位置データベース501、対応商品データベース502および商品情報データベース503には、日時や時間帯、曜日、季節等(以下、時期等と称する)ごとに別個の対応付け情報が記憶されているものであっても良い。つまり、上述したそれぞれの対応付けに時期等の情報も対応付けて記憶しておき、検索する時期等も用いて、それぞれの情報を検索部504が検索するものであっても良い。これにより、時期等ごとに異なる商品等の表示が可能となる。
【0061】
以下に、
図1に示した第1の実施の形態における情報処理方法について説明する。
【0062】
図10は、
図1に示した第1の実施の形態における情報処理方法を説明するためのシーケンス図である。
【0063】
まず、通信端末300にて所定のアプリケーションを起動し、カメラ付きメガネ200の撮影部201がタグアレイボード100の撮影を開始すると(ステップS1)、撮影部201が撮影している画像(第1の画像)を通信部202が無線通信等を用いて通信端末300へ送信する(ステップS2)。
【0064】
すると、送信されてきた第1の画像を、通信端末300の取得部301が取得する。続いて、空間座標系生成部302が、第1の画像の中でマーカー101を識別し、第1の画像の中でのマーカー101の相対位置に基づいて、空間座標系を生成する。
【0065】
以下に、具体的な数値を例に挙げて、空間座標系の生成方法について説明する。
【0066】
例えば、空間座標系である仮想空間でのタグアレイボード100の仮想空間の座標を(xp、yp)とすると、
図7では、ICタグと仮想空間でのタグアレイボードの座標上でのタグの位置座標との対応を示している。また、
図5では、ICタグ102の1つがxp=210、yp=124の位置に配置されている。
【0067】
また、仮想空間でのタグアレイボード100の大きさを300×200とする。また、
撮影部201は、CCD(Charge Coupled Device)などの解像度に応じて、撮影画像(第1の画像)の座標(xq、yq)を持つ。例えば、撮影画像(第1の画像)の大きさを600×400とする。また、表示部203(表示画像)は、液晶などの解像度に応じて、表示部の座標(xr、yr)を持つ。例えば、表示画像の大きさを600×400とする。なお、撮影画像(第1の画像)の大きさと表示画像の大きさとは、同じとは限らない。
【0068】
これらの仮想空間の座標、撮影画像(第1の画像)の座標、表示部の座標の対応付け(例えば、互いの変換式)は通信端末300の記憶部(不図示)に記憶する。ここで、撮影画像(第1の画像)の座標と仮想空間の座標との対応付けは、画像を撮影する毎に行う。また、撮影画像(第1の画像)の座標と表示部の座標との対応付け(例えば、変換式)はあらかじめ記憶しておく。上述した光学シースルー方式のカメラ付きメガネ200を用いる場合、現実の風景とその風景を撮影した撮影画像(第1の画像)が重なり合うような関係なるように大きさの対応付けを行う。なお、大きさだけでなく、回転やX,Y方向のオフセットや台形補正などを含めても良い。ここでは、撮影画像(第1の画像)の座標(xq,yq)と仮想空間の座標(xp,yp)の変換式をxp=a×xq+b、yp=c×yq+d(a,b,c,dは画像を撮影する毎に求める変数)で表す場合について説明する。
【0069】
空間座標系生成部302は、パターンマッチング等により撮影画像(第1の画像)中に含まれるマーカー101の位置や形状を認識する。撮影画像(第1の画像)として、
図11が得られた場合を例に説明する。原点(xp=0,yp=0)を表すマーカー101aが(xq=10,yq=10)、(xp=300、yp=0)でありxpの最大値を意味するマーカー101bが(xq=310,yq=10)、(xp=0、yp=200)でありypの最大値を意味するマーカー101cが(xq=10,yq=210)に有ると認識する。各マーカー101の持つ意味はあらかじめマーカー101画像形状と対応付けておいてもよいし、マーカー101の画像形状にデコード可能なパターンを設けるようにしてもよい。このとき、変換式における変数a,b,c,dは連立方程式によりa=1、b=−10,c=1,d=−10と算出される。すなわちこの場合、撮影画像(第1の画像)の座標(xq,yq)と仮想空間の座標(xp,yp)との関係はxp=xq−10、yp=yq−10(あるいは、xq=xp+10、yq=yp+10)という変換式で表される(例1)。
【0070】
また、他の例として、撮影画像(第1の画像)として、
図12が得られた場合を説明する。原点(xp=0,yp=0)を表すマーカー101aが(xq=20,yq=40)、(xp=150、yp=0)を意味するマーカー101dが(xq=320,yq=40)、(xp=0、yp=200)でありypの最大値を意味するマーカー101cが(xq=20,yq=290)に有ると認識する。このとき、変換式における変数a,b,c,dは連立方程式によりa=0.5、b=−10,c=0.8,d=−32と算出される。すなわちこの場合、撮影画像(第1の画像)の座標(xq,yq)と仮想空間の座標(xp,yp)との関係はxp=0.5xq−10、yp=0.8yq−32という変換式で表される(例2)。
【0071】
次に、空間座標系生成部302は座標範囲確定部303に変換式を送信し、座標範囲確定部303が、撮影画像(第1の画像)の座標範囲を確定する(ステップS3)。
【0072】
具体的には、座標範囲確定部303は、変換式および撮影画像(第1の画像)の座標範囲およびタグアレイボード100の座標範囲に基づいて、撮影画像(第1の画像)中のタグアレイボード100の範囲(タグアレイボード100のどの部分がどれだけ撮影されたか)を認識し、仮想空間でのタグアレイボード100の座標での範囲に変換する。上述した例1の場合、タグアレイボード100全体が撮影されていると認識できるため、座標範囲確定部303は、xp=0〜300、yp=0〜200が撮影されていると変換する。また、上述した例2の場合、タグアレイボード100はxp方向にはxq=600に対応する場所まで映っていないため、xp=0〜290(=0.5×600−10)、yp=0〜200が撮影されていると変換する。
【0073】
その後、通信部304が、確定した範囲の空間座標系、つまり、撮影されている仮想空間での座標範囲を無線基地局400および通信ネットワーク700を介して商品管理サーバ500へ送信する(ステップS4)。
【0074】
通信端末300から送信されてきた座標範囲を商品管理サーバ500の通信部505が受信すると、検索部504が、その座標範囲に含まれる座標に基づいて、その範囲に含まれるタグIDをタグ位置データベース501から検索する。そして、検索部504が、検索したタグIDに基づいて、商品IDを対応商品データベース502から検索する。そして、検索部504が、検索した商品IDに基づいて、商品画像を商品情報データベース503から検索する(ステップS5)。
【0075】
商品画像を検索した後、検索した商品画像と、上述した検索に用いた座標(表示座標)とを通信部505が通信ネットワーク700および無線基地局400を介して通信端末300へ送信する(ステップS6)。
【0076】
商品管理サーバ500から送信されてきた商品画像および表示座標を通信端末300の通信部304が受信すると、受信した商品画像をカメラ付きメガネ200の表示部203に表示する制御を表示制御部305が行う(ステップS7)。なお、このとき、同じ表示座標であっても撮影画像(第1の画像)の座標(xq,yq)と仮想空間の座標(xp,yp)との関係や撮影画像(第1の画像)の座標(xq,yq)と表示部の座標(xr、yr)の関係が異なれば、カメラ付きメガネ200の表示部203上における表示位置は異なる。そのため、表示制御部305は、受信した商品の仮想空間での表示座標を、撮影画像(第1の画像)の座標(xq,yq)と仮想空間の座標(xp,yp)との関係や撮影画像(第1の画像)の座標(xq,yq)と表示部の座標(xr、yr)の関係に応じて表示座標に変換し、表示画像を表示部203に表示する制御を行う。例えば、表示制御部305は、表示座標としてxp=210、yp=124を受信すると、上述した例1の変換式により、xq=210+10=220、yq=124+10=134を算出する。撮影画像(第1の画像)の座標(xq,yq)と表示部の座標(xr、yr)の関係がxr=xq、yr=yqであるとすると、次にxq=220,yq=134を表示画像上の座標での位置、600×400の中のxr=220、yr=134へ変換してから、表示の制御を行う。なお、空間座標系生成部302が、撮影画像(第1の画像)からマーカー101を識別する時点で、撮影画像(第1の画像)を表示画像の大きさへ変換してから表示画像中のタグアレイボード100の位置や大きさを認識して処理をするものであっても良い。
【0077】
この変換後の位置は、カメラ付きメガネ200をかけている利用者が見ている画像上で、タグアレイボード100のICタグ102が配置されている位置となる。この制御により、カメラ付きメガネ200の表示部203は、表示制御部305によって指定された位置に商品画像を表示する(ステップS8)。
【0078】
図13は、カメラ付きメガネ200をかけている利用者が見ている商品画像の一例を示す図である。
【0079】
図13に示すように、椅子、電卓、財布、時計、野菜および魚の商品画像が表示部203の指定された位置に表示され、それぞれの商品画像がタグアレイボード100と重ね合わせた画像として見える。このとき、各商品画像は、カメラ付きメガネ200をかけている利用者が見ている画像上、タグアレイボード100のICタグ102が配置されている位置に表示される。
【0080】
また、上述したように、通信端末識別情報を用いることで、利用者ごとに異なる画像を表示させることができる。例えば、別の利用者の通信端末識別情報には、全て食べ物の商品を対応付けてもよい。
【0081】
なお、ステップS8の処理が行われた後、さらにステップS2にて、撮影部201が撮影している画像を通信端末300へ送信する処理が行われる。つまり、画像撮影から画像表示までの処理が、所定の時間間隔で繰り返し行われる。
【0082】
また、この画像表示が行われた後、利用者が、自身が見える画像にしたがって、所望の商品画像が表示されているタグアレイボード100上の位置に通信端末300を近づけることで、その位置に配置されているICタグ102に書き込まれたタグIDを通信端末300の情報読み取り部306が読み取る(ステップS9)。すると、読み取られたタグIDは、通信部304から無線基地局400および通信ネットワーク700を介して商品管理サーバ500へ送信される(ステップS10)。
【0083】
図14は、利用者が見える画像にしたがって、所望の商品画像が表示されているタグアレイボード100上の位置に通信端末300を近づけたときの当該利用者が見える画面の一例を示す図である。
【0084】
図14に示すように、利用者が見える画像にしたがって、所望の商品画像が表示されているタグアレイボード100上の位置(
図14の場合、時計が表示されている位置)に通信端末300を近づけると、通信端末300の情報読み取り部306がその位置に配置されているICタグ102に書き込まれたタグIDを読み取る。
【0085】
通信端末300から送信されたタグIDを商品管理サーバ500の通信部505が受信すると、検索部504が、そのタグIDに基づいて、商品IDを対応商品データベース502から検索する(ステップS11)。検索された商品IDは、通信部505から通信ネットワーク700および無線基地局400を介して通信端末300へ送信される(ステップS12)。ここで、検索された商品IDを用いて、対応する商品情報データベース503に記憶された商品情報(商品名称だけでなく、値段やサイズなどの商品説明情報を加えても良い)を含む購入操作画面を送信しても良い。そして、商品管理サーバ500から送信された商品IDを受信した通信端末300にて、利用者によってこの商品IDの商品ついての購入操作が行われると、当該商品IDが通信部304から無線基地局400および通信ネットワーク700を介して購入管理サーバ600へ送信される(ステップS13)。
【0086】
商品IDを受信した購入管理サーバ600は、当該商品IDの商品について購入処理を行い(ステップS14)、処理が完了した後、購入処理が完了した旨を示す購入処理完了通知を通信ネットワーク700および無線基地局400を介して通信端末300へ送信する(ステップS15)。その後、この通知を受信した通信端末300は、当該通知を表示する。
【0087】
上述した例では、タグアレイボード100上のICタグ102が配置されている位置と、商品画像を表示させる(カメラ付きメガネ200をかけている利用者に商品画像が見える)位置とが、同じ位置である場合を例に挙げて説明したが、これらが互いに異なる位置であるものであっても良い。
【0088】
図15は、タグアレイボード100上のICタグ102が配置されている位置と、商品画像を表示させる(カメラ付きメガネ200をかけている利用者に商品画像が見える)位置とが、互いに異なる場合のICタグ102の配置の一例を示す図である。また、
図16は、
図15に示すようにICタグが配置された場合に、商品画像を表示したときのカメラ付きメガネ200をかけている利用者から見える画像の一例を示す図である。
【0089】
図15に示すように、タグアレイボード100の下方にICタグ102が並べて配置されており、それぞれの位置に数字が表示されている。また、その上方に数字が表示されている位置には、ICタグ102は配置されていない。このとき、商品管理サーバ500のタグ位置データベース501にてタグIDと対応付けられた座標は、ICタグ102が配置されている座標ではなく、タグIDと対応する商品画像を表示する位置の座標となる。これにより、商品画像を表示させると、
図16に示すように、商品画像は、ICタグ102が配置されている位置ではなく、ICタグ102が配置されている位置に表示されている数字と同じ数字が表示されている上方の位置に表示される。
【0090】
以上、空間座標系生成部302が生成する座標系が2次元の座標系である場合を例に挙げて説明したが、3次元の座標系であっても良い。3次元にすることで、タグアレイボード100を斜めから撮影した場合であっても、自然に表示できるため、真正面から撮影する必要性がなくなる。また、表示する商品画像も、2次元画像でなく、3次元オブジェクト画像を用いても良い。空間座標系生成部302が生成する座標系が3次元である場合について、その座標系について以下に説明する。
【0091】
図17は、
図4に示した空間座標系生成部302が生成する座標系が3次元である場合の、撮影画像(第1の画像)の座標(xq,yq)と空間座標系である仮想空間の座標(xp,yp,zp)との変換の一例を示す図である。
【0092】
図17に示すように、撮影画像(第1の画像)の座標(xq,yq)と3次元座標系である仮想空間の座標(xp,yp,zp)との関係は(式1)および(式2)に示すような関係となる。
【0093】
xq=f(xp,yp,zp)・・・(式1)
yq=f(xp,yp,zp)・・・(式2)
ここで、fおよびgは、マーカー101を画像認識することにより生成される変換関数であり、時間とともに変化可能なものである。これにより、ICタグ102が配置された仮想空間の座標における位置を撮影画像(第1の画像)の座標および表示座標に対応付けることができる。
【0094】
また、2次元の座標系である場合と同様に、識別したマーカー101の位置や形状、互いの間の距離や相対位置(角度を含む)に基づいて、x座標軸、y座標軸およびz座標軸を決定し、それぞれの座標軸から3次元のAR表示空間座標系を生成するものであっても良い。
【0095】
図18は、マーカー101の互いの間の距離や相対位置(角度を含む)に基づいて仮想空間の座標を生成する一例を示す図である。
【0096】
図18に示すように、互いに隣接するマーカー101の距離や相対位置(角度を含む)に基づいて、x座標軸、y座標軸およびz座標軸を生成するものであっても良い。ここでは、zp座標軸は、xp座標軸とyp座標軸の互いの角度と長さ(単位座標)とに基づいて生成される。
【0097】
図19は、マーカー101の形状に基づいて仮想空間の座標を生成する一例を示す図である。
【0098】
図19に示すように、座標軸の原点を表す特別なマーカーを設定しておき、そのマーカーの1つの辺の長さや2つの辺を挟む角度および他の補完用マーカーの相対位置に基づいて、xp座標軸およびyp座標軸を生成し、xp座標軸とyp座標軸の互いの角度と長さ(単位座標)とに基づいて、zp座標軸を生成するものであっても良い。
【0099】
また、商品画像の特徴量を抽出して、その物体認識を行い、あらかじめ決めておいた情報に基づいて仮想空間の座標を生成するものであっても良い。
【0100】
図20は、商品画像に基づいて、仮想空間の座標を生成する一例を示す図である。
【0101】
図20に示すように、チョコレートの商品画像に対して特徴量抽出を行い、物体を認識し、その形状を認識する。そして、認識した形状である向き(角度)や長さ等と所定の情報とに基づいて、仮想空間の座標を生成するものであっても良い。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、カメラ付きメガネ200で撮影した画像から空間座標系を生成する主体が通信端末300である場合を例に挙げて説明したが、この処理を商品管理サーバが行うものであっても良い。
【0102】
図21は、本発明の情報処理システムの第2の実施の形態を示す図である。
【0103】
本形態における情報処理システムには
図21に示すように、タグアレイボード100と、カメラ付きメガネ200と、通信端末310と、無線基地局400と、商品管理サーバ510と、購入管理サーバ600とが設けられている。また、無線基地局400と、商品管理サーバ510と、購入管理サーバ600とは、通信ネットワーク700を介して互いに接続されている。ここで、各構成要素に付与した符号が、
図1に示した第1の実施の形態におけるものと同じであるものは、その機能も同じであるため、ここでは説明しない。
【0104】
通信端末310は、カメラ付きメガネ200が撮影した第1の画像を取得し、その取得した第1の画像を無線基地局400および通信ネットワーク700を介して商品管理サーバ510へ送信する。また、通信端末310は、商品管理サーバ510から送信されてきた第2の画像をカメラ付きメガネ200の表示座標に基づいた位置に表示させる。また、通信端末310はタグリーダー機能を有し、タグアレイボード100に配置されたICタグ102からタグ識別情報を読み取る。また、通信端末310は、読み取ったタグ識別情報を無線基地局400および通信ネットワーク700を介して商品管理サーバ510へ送信する。
【0105】
図22は、
図21に示した通信端末310の内部構成の一例を示す図である。
【0106】
図21に示した通信端末310には
図22に示すように、取得部301と、通信部304と、表示制御部305と、情報読み取り部306とが設けられている。
図21に示すように、通信端末310には、
図4に示した空間座標系生成部302および座標範囲確定部303が設けられていない。つまり、取得部301がカメラ付きメガネ200から取得した第1の画像は、そのまま通信部304から無線基地局400および通信ネットワーク700を介して商品管理サーバ510へ送信される。他の機能については、
図4に示したものと同じである。
【0107】
商品管理サーバ510は、通信端末310から送信されてきた第1の画像に応じた第2の画像と、その第2の画像を表示するための表示座標とを通信端末310へ送信するサーバである。このとき、商品管理サーバ510は、通信端末310から第1の画像とともに、通信端末識別情報が送信されてきた場合、第1の画像と通信端末識別情報とに応じた第2の画像を検索するものであっても良い。また、商品管理サーバ510は、通信端末310から送信されてきたタグ識別情報に基づいて、所定の処理を行う。
【0108】
図23は、
図21に示した商品管理サーバ510の内部構成の一例を示す図である。
【0109】
図21に示した商品管理サーバ510には
図23に示すように、タグ位置データベース501と、対応商品データベース502と、商品情報データベース503と、検索部504と、通信部505と、制御部506と、空間座標系生成部511と、座標範囲確定部512とが設けられている。
図23に示すように、商品管理サーバ510には、
図6に示した商品管理サーバ500に設けられた構成要素に、空間座標系生成部511と、座標範囲確定部512とが追加されている。他の機能については、
図6に示したものと同じである。
【0110】
空間座標系生成部511は、通信端末310から送信されてきた第1の画像の中で、所定の識別画像であるマーカー101を識別する。また、空間座標系生成部511は、第1の画像の中のマーカー101の相対位置に基づいて、仮想空間でのタグアレイボード100の座標系である空間座標系を生成する。この空間座標系の生成方法は、
図4に示した空間座標系生成部302における生成方法と同じで良い。また、空間座標系生成部511は、生成した空間座標系を座標範囲確定部512へ出力する。
【0111】
座標範囲確定部512は、空間座標系生成部511から出力されてきた空間座標系の座標範囲を確定する。つまり、タグアレイボード100全体で生成できる空間座標系のうち、通信端末310から送信されてきた(カメラ付きメガネ200が撮影した)第1の画像の範囲を確定する。この座標範囲の確定方法は、
図4に示した座標範囲確定部303における確定方法と同じで良い。また、座標範囲確定部512は、空間座標系と座標範囲とを検索部504へ出力する。
【0112】
以下に、
図21に示した第2の実施の形態における情報処理方法について説明する。
【0113】
図24は、
図21に示した第2の実施の形態における情報処理方法を説明するためのシーケンス図である。
【0114】
まず、通信端末310にて所定のアプリケーションを起動し、カメラ付きメガネ200の撮影部201がタグアレイボード100の撮影を開始すると(ステップS21)、撮影部201が撮影している画像(第1の画像)を通信部202が無線通信等を用いて通信端末310へ送信する(ステップS22)。
【0115】
すると、送信されてきた第1の画像を、通信端末310の取得部301が取得する。続いて、通信部304が、第1の画像を無線基地局400および通信ネットワーク700を介して商品管理サーバ510へ送信する(ステップS23)。
【0116】
通信端末310から送信されてきた第1の画像を商品管理サーバ510の通信部505が受信すると、空間座標系生成部511が、第1の画像の中でマーカー101を識別し、第1の画像の中でのマーカー101の相対位置に基づいて、空間座標系を生成する。また、座標範囲確定部512が、第1の画像の座標範囲を確定する(ステップS24)。
【0117】
すると、検索部504が、空間座標系の座標範囲に含まれる座標に基づいて、タグIDをタグ位置データベース501から検索する。そして、検索部504が、検索したタグIDに基づいて、商品IDを対応商品データベース502から検索する。そして、検索部504が、検索した商品IDに基づいて、商品画像を商品情報データベース503から検索する(ステップS25)。
【0118】
また、上述した検索に用いた座標(表示座標)を、確定した座標範囲に基づいて、カメラ付きメガネ200にて表示する画面上の表示座標へ変換する。この変換処理の主体は、検索部504であっても良いし、座標範囲確定部512であっても良いし、通信部505であっても良い。この変換の理由は、第1の実施の形態において通信端末300が座標を変換したときの理由と同じである。
【0119】
商品画像を検索した後、検索した商品画像と、変換した表示座標とを通信部505が通信ネットワーク700および無線基地局400を介して通信端末310へ送信する(ステップS26)。
【0120】
商品管理サーバ510から送信されてきた商品画像および表示座標を通信端末310の通信部304が受信すると、受信した商品画像をカメラ付きメガネ200の表示座標上に表示する制御を表示制御部305が行う(ステップS27)。この制御により、カメラ付きメガネ200の表示部203は、表示制御部305によって指定された位置に商品画像を表示する(ステップS28)。
【0121】
なお、ステップS28の処理が行われた後、さらにステップS22にて、撮影部201が撮影している画像を通信端末310へ送信する処理が行われる。つまり、画像撮影から画像表示までの処理が、所定の時間間隔で繰り返し行われる。
【0122】
また、第1の実施の形態と同様に、通信端末識別情報を用いることで、利用者ごとに異なる画像を表示させることができる。
【0123】
この表示が行われた後、利用者が、自身が見える画像にしたがって、所望の商品画像が表示されているタグアレイボード100上の位置に通信端末310を近づけることで、その位置に配置されているICタグ102に書き込まれたタグIDを通信端末310の情報読み取り部306が読み取る(ステップS29)。すると、読み取られたタグIDは、通信部304から無線基地局400および通信ネットワーク700を介して商品管理サーバ510へ送信される(ステップS30)。
【0124】
通信端末310から送信されたタグIDを商品管理サーバ510の通信部505が受信すると、検索部504が、そのタグIDに基づいて、商品IDを対応商品データベース502から検索する(ステップS31)。検索された商品IDは、通信部505から通信ネットワーク700および無線基地局400を介して通信端末310へ送信される(ステップS32)。そして、商品管理サーバ510から送信された商品IDを受信した通信端末310にて、利用者によってこの商品IDの商品ついての購入操作が行われると、当該商品IDが通信部304から無線基地局400および通信ネットワーク700を介して購入管理サーバ600へ送信される(ステップS33)。
【0125】
商品IDを受信した購入管理サーバ600は、当該商品IDの商品について購入処理を行い(ステップS34)、処理が完了した後、購入処理が完了した旨を示す購入処理完了通知を通信ネットワーク700および無線基地局400を介して通信端末310へ送信する(ステップS35)。その後、この通知を受信した通信端末310は、当該通知を表示する。
【0126】
なお、第2の実施の形態における表示や座標、データベースの構造については、第1の実施の形態において説明したものと同様である。また、これらのデータベースは、物理的に別個のものであっても良いし、1つまたは所定の組み合わせで構成されるものであっても良い。つまり、これらのデータベースにおいて、タグ識別情報と座標とが対応付けられ、タグ識別情報と商品またはサービス、処理機能を示す対象識別情報とが対応付けられ、対象識別情報と対象画像(例えば、
図9に示した商品画像等)とが対応付けられているものであれば、そのデータベースの構成が1つであっても複数からなるものであっても構わない。
【0127】
なお、上述したような、利用者ごとに異なる画像を表示ということだけでなく、対応付けや表示するのは、商品だけでなく、サービスや処理機能であっても構わない。その1つの例を以下に説明する。
【0128】
図25は、メガネ会議の会議室を予約した利用者がカメラ付きメガネ200をかけてタグアレイボード100を見たときに見える画像の一例である。また、
図26は、メガネ会議の会議室を予約した利用者以外の利用者がカメラ付きメガネ200をかけてタグアレイボード100を見たときに見える画像の一例である。
【0129】
商品管理サーバ500に、通信端末識別情報があらかじめ登録(記憶)されている利用者が使用する通信端末300を用いた場合と、それ以外の利用者が使用する通信端末300を用いた場合とで、互いに異なる画像を表示することで、それらの利用者に応じて、カメラ付きメガネ200をかけて見える画像が異なってくる。また、利用者に応じてタグIDに異なる処理を対応づけることで、利用者に応じてタグID読み取りを行った時に異なる処理を行うことができる。
図25に示すように、メガネ会議の会議室を予約した利用者が、カメラ付きメガネ200をかけて自分所有の通信端末300を用いて画像を表示させた場合、「入室」または「キャンセル」を選択するための表示がされるが、
図26に示すように、メガネ会議の会議室を予約した利用者以外の利用者が、カメラ付きメガネ200をかけて自分所有の通信端末300を用いて画像を表示させた場合、「入室」または「キャンセル」を選択するための表示はされない。このような表示を行い、メガネ会議の会議室を予約した利用者がタグIDの読み取りを行った場合のみに「入室」または「キャンセル」の処理を実行するようにすることで、メガネ会議の会議室を予約した利用者だけが、「入室」または「キャンセル」を選択することが可能となる。
【0130】
このように、通信端末識別情報が商品管理サーバ500に登録されているか否かに応じて異なる画像を表示させたり、通信端末識別情報に応じた対応付けが商品管理サーバ500に登録されることで、当該通信端末識別情報が付与された通信端末の利用者ごとに異なる画像を表示させたりすることができる。
【0131】
また、上述した通信端末識別情報は、通信端末毎に固有の識別情報でなく、利用者毎に割り当てられている利用者毎に固有の利用者識別情報であっても良い。
【0132】
また、タグアレイボードごとに、表示する画像を異なるものとしても良い。この場合、タグアレイボードを識別するためのタグアレイボード識別情報に対応付けて記憶や処理を行う。このとき、タグアレイボード識別情報は、マーカーに含まれている。
【0133】
上述した構成および処理により、電源が不要な情報提供媒体を用いて、例えば、時期等や利用者に応じたような、柔軟な情報提供を行うことができる。
【0134】
上述した通信端末300,310および商品管理サーバ500,510それぞれに設けられた各構成要素が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)を通信端末300,310および商品管理サーバ500,510それぞれにて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを通信端末300,310および商品管理サーバ500,510それぞれに読み込ませ、実行するものであっても良い。通信端末300,310および商品管理サーバ500,510それぞれにて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、通信端末300,310および商品管理サーバ500,510それぞれに内蔵されたROM、RAM等のメモリやHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、通信端末300,310および商品管理サーバ500,510それぞれに設けられたCPU(不図示)にて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。