(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
アクチュエータによって直接又は間接的に揺動中心回りにディスク面に平行なシーク方向へ揺動される支持部と、基端部が前記支持部に支持され且つ磁気ヘッドスライダを前記ディスク面に向けて押し付ける押し付け荷重を発生する荷重曲げ部と、基端側が前記荷重曲げ部を介して前記支持部に支持され且つ先端側に設けられたディンプルを介して前記押し付け荷重を前記磁気ヘッドスライダに伝達するロードビーム部と、前記磁気ヘッドスライダを支持した状態で前記ロードビーム部及び前記支持部に固着されたフレクシャ部とを備えた磁気ヘッドサスペンションであって、
前記ロードビーム部は前記ディスク面と略平行に配置される平板状の本体部を有し、
前記フレクシャ部は前記ディスク面と略平行に配置される平板状のフレクシャ基板を有し、
前記フレクシャ基板は前記本体部におけるディスク対向面に接合されるロードビーム部接合領域を有し、前記ロードビーム部接合領域及び前記本体部は複数のロードビーム部側溶接点においてスポット溶接されることで固着されており、
前記複数のロードビーム部側溶接点は、前記支持部の先端側エッジ及び前記ディンプル間のサスペンション長手方向距離をLとした場合に、前記支持部の先端側エッジから0.4×L以上で且つ0.6×L以下の中央領域においてサスペンション長手方向中心線を挟んで対称に配置された左右一対のメイン溶接点と、前記一対のメイン溶接点よりサスペンション長手方向基端側において前記中心線を挟んで対称に配置された左右一対のロードビーム部基端側溶接点とを含み、
前記一対のメイン溶接点におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板又は前記本体部の一方の側から行われ、前記一対のロードビーム部基端側溶接点におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板又は前記本体部の他方の側から行われていることを特徴とする磁気ヘッドサスペンション。
前記複数のロードビーム部側溶接点は、前記中心線上に配置され且つ前記一対のメイン溶接点におけるスポット溶接と同一側からスポット溶接が行われる中央溶接点を含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ヘッドサスペンション。
アクチュエータによって直接又は間接的に揺動中心回りにディスク面に平行なシーク方向へ揺動される支持部と、基端部が前記支持部に支持され且つ磁気ヘッドスライダを前記ディスク面に向けて押し付ける押し付け荷重を発生する荷重曲げ部と、基端側が前記荷重曲げ部を介して前記支持部に支持され且つ先端側に設けられたディンプルを介して前記押し付け荷重を前記磁気ヘッドスライダに伝達するロードビーム部と、前記磁気ヘッドスライダを支持した状態で前記ロードビーム部及び前記支持部に固着されたフレクシャ部とを備えた磁気ヘッドサスペンションであって、
前記ロードビーム部は前記ディスク面と略平行に配置される平板状の本体部を有し、
前記フレクシャ部は前記ディスク面と略平行に配置される平板状のフレクシャ基板を有し、
前記フレクシャ基板は前記本体部におけるディスク対向面に接合されるロードビーム部接合領域を有し、前記ロードビーム部接合領域及び前記本体部は複数のロードビーム部側溶接点においてスポット溶接されることで固着されており、
前記複数のロードビーム部側溶接点は、前記支持部の先端側エッジ及び前記ディンプル間のサスペンション長手方向距離をLとした場合に、前記支持部の先端側エッジから0.4×L以上で且つ0.6×L以下の中央領域においてサスペンション長手方向中心線上に配置された中央溶接点と、前記中央溶接点よりサスペンション長手方向先端側において前記中心線を挟んで対称に配置された左右一対の先端側溶接点と、前記中央溶接点よりサスペンション長手方向基端側において前記中心線を挟んで対称に配置された左右一対の基端側溶接点とを含み、
前記一対の先端側溶接点及び前記一対の基端側溶接点は、前記中央溶接点を挟んでサスペンション長手方向に関し対称配置されており、
前記中央溶接点、前記一対の先端側溶接点及び前記一対の基端側溶接点におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板又は前記本体部の同一側から行われていることを特徴とする磁気ヘッドサスペンション。
前記複数のロードビーム部側溶接点は、前記一対の基端側溶接点よりサスペンション長手方向基端側において前記中心線を挟んで対称に配置された左右一対のロードビーム部基端側溶接点を含み、
前記中央溶接点、前記一対の先端側溶接点及び前記一対の基端側溶接点におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板又は前記本体部の一方の側から行われ、前記一対のロードビーム部基端側溶接点におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板又は前記本体部の他方の側から行われていることを特徴とする請求項5に記載の磁気ヘッドサスペンション。
前記複数のロードビーム部側溶接点は、前記一対の基端側溶接点よりサスペンション長手方向基端側において前記中心線を挟んで対称に配置された左右一対のロードビーム部基端側溶接点を含み、
前記中央溶接点、前記一対の先端側溶接点、前記一対の基端側溶接点及び前記一対のロードビーム部基端側溶接点におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板又は前記本体部の同一側から行われていることを特徴とする請求項5に記載の磁気ヘッドサスペンション。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、コスト高騰を可及的に防止しつつ、質量増加を招くこと無く剛性を向上させ得る磁気ヘッドサスペンションの提供を、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記目的を達成する為に、アクチュエータによって直接又は間接的に揺動中心回りにディスク面に平行なシーク方向へ揺動される支持部と、基端部が前記支持部に支持され且つ磁気ヘッドスライダを前記ディスク面に向けて押し付ける押し付け荷重を発生する荷重曲げ部と、基端側が前記荷重曲げ部を介して前記支持部に支持され且つ先端側に設けられたディンプルを介して前記押し付け荷重を前記磁気ヘッドスライダに伝達するロードビーム部と、前記磁気ヘッドスライダを支持した状態で前記ロードビーム部及び前記支持部に固着されたフレクシャ部とを備えた磁気ヘッドサスペンションであって、前記ロードビーム部は前記ディスク面と略平行に配置される平板状の本体部を有し、前記フレクシャ部は前記ディスク面と略平行に配置される平板状のフレクシャ基板を有し、前記フレクシャ基板は前記本体部におけるディスク対向面に接合されるロードビーム部接合領域を有し、前記ロードビーム部接合領域及び前記本体部は複数のロードビーム部側溶接点においてスポット溶接されることで固着されており、前記複数のロードビーム部側溶接点は、前記支持部の先端側エッジ及び前記ディンプル間のサスペンション長手方向距離をLとした場合に、前記支持部の先端側エッジから0.4×L以上で且つ0.6×L以下の中央領域においてサスペンション長手方向中心線を挟んで対称に配置された左右一対のメイン溶接点
と、前記一対のメイン溶接点よりサスペンション長手方向基端側において前記中心線を挟んで対称に配置された左右一対のロードビーム部基端側溶接点とを含
み、前記一対のメイン溶接点におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板又は前記本体部の一方の側から行われ、前記一対のロードビーム部基端側溶接点におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板又は前記本体部の他方の側から行われている磁気ヘッドサスペンションを提供する。
【0011】
例えば、前記一対のメイン溶接点におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板の側から行われる。
【0012】
好ましくは、前記複数のロードビーム部側溶接点は、前記中心線上に配置され且つ前記一対のメイン溶接点におけるスポット溶接と同一側からスポット溶接が行われる中央溶接点を含み得る。
例えば、前記中央溶接点は、前記一対のメイン溶接点とサスペンション長手方向同一位置に配置される。
【0013】
又、本発明は、前記目的を達成する為に、アクチュエータによって直接又は間接的に揺動中心回りにディスク面に平行なシーク方向へ揺動される支持部と、基端部が前記支持部に支持され且つ磁気ヘッドスライダを前記ディスク面に向けて押し付ける押し付け荷重を発生する荷重曲げ部と、基端側が前記荷重曲げ部を介して前記支持部に支持され且つ先端側に設けられたディンプルを介して前記押し付け荷重を前記磁気ヘッドスライダに伝達するロードビーム部と、前記磁気ヘッドスライダを支持した状態で前記ロードビーム部及び前記支持部に固着されたフレクシャ部とを備えた磁気ヘッドサスペンションであって、前記ロードビーム部は前記ディスク面と略平行に配置される平板状の本体部を有し、前記フレクシャ部は前記ディスク面と略平行に配置される平板状のフレクシャ基板を有し、前記フレクシャ基板は前記本体部におけるディスク対向面に接合されるロードビーム部接合領域を有し、前記ロードビーム部接合領域及び前記本体部は複数のロードビーム部側溶接点においてスポット溶接されることで固着されており、前記複数のロードビーム部側溶接点は、前記支持部の先端側エッジ及び前記ディンプル間のサスペンション長手方向距離をLとした場合に、前記支持部の先端側エッジから0.4×L以上で且つ0.6×L以下の中央領域においてサスペンション長手方向中心線上に配置された中央溶接点と、前記中央溶接点よりサスペンション長手方向先端側において前記中心線を挟んで対称に配置された左右一対の先端側溶接点と、前記中央溶接点よりサスペンション長手方向基端側において前記中心線を挟んで対称に配置された左右一対の基端側溶接点とを含み、前記一対の先端側溶接点及び前記一対の基端側溶接点は、前記中央溶接点を挟んでサスペンション長手方向に関し対称配置され、前記中央溶接点、前記一対の先端側溶接点及び前記一対の基端側溶接点におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板又は前記本体部の同一側から行われている磁気ヘッドサスペンションを提供する。
【0014】
好ましくは、前記複数のロードビーム部側溶接点は、前記一対の基端側溶接点よりサスペンション長手方向基端側において前記中心線を挟んで対称に配置された左右一対のロードビーム部基端側溶接点を含み得る。
【0015】
第1の態様においては、前記中央溶接点、前記一対の先端側溶接点及び前記一対の基端側溶接点におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板又は前記本体部の一方の側から行われ、前記一対のロードビーム部基端側溶接点におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板又は前記本体部の他方の側から行われる。
【0016】
第2の態様においては、前記中央溶接点、前記一対の先端側溶接点、前記一対の基端側溶接点及び前記一対のロードビーム部基端側溶接点におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板又は前記本体部の同一側から行われる。
【0017】
前記種々の構成において、前記荷重曲げ部は、サスペンション幅方向に離間配置され且つ板面が前記ディスク面に対して略平行とされた左右一対の板バネを有し、前記フレクシャ基板は、前記支持部におけるディスク対向面に接合された状態で複数の支持部側溶接点におけるスポット溶接によって前記支持部に固着される支持部接合領域と、前記一対の板バネの間の間隙内において前記ロードビーム部接合領域及び前記支持部接合領域を連結する非接合領域とを含むものとされ得る。
【0018】
この場合には、好ましくは、前記一対のロードビーム部基端側溶接点は、前記ロードビーム部接合領域のうち前記非接合領域に隣接するように配置され、前記複数の支持部側溶接点は、前記支持部接合領域のうち前記非接合領域に隣接する部分を前記支持部に溶接する左右一対の支持部先端側溶接点を含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一態様に係る磁気ヘッドサスペンションにおいては、フレクシャ基板のロードビーム部接合領域とロードビーム部の平板状本体部とをスポット溶接する複数のロードビーム部側溶接点が、支持部の先端側エッジ及びディンプル間のサスペンション長手方向距離をLとした場合に、前記支持部の先端側エッジから0.4×L以上で且つ0.6×L以下の中央領域においてサスペンション長手方向中心線を挟んで対称に配置された左右一対のメイン溶接点
と、前記一対のメイン溶接点よりサスペンション長手方向基端側において前記中心線を挟んで対称に配置された左右一対のロードビーム部基端側溶接点とを含
み、前記一対のメイン溶接点におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板又は前記本体部の一方の側から行われ、前記一対のロードビーム部基端側溶接点におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板又は前記本体部の他方の側から行われている。
【0020】
斯かる構成によれば、実質的に製造工程を追加すること無く、前記ロードビーム部及び前記フレクシャ基板の接合体をディスク面とは直交する方向へ凸状に撓ませることができる。
従って、コスト高騰を可及的に防止しつつ、質量増加を招くこと無く剛性を向上させることができる。
【0021】
特に
、曲げ一次モードの振動に対する共振周波数及び捩れ一次モードの振動に対する共振周波数を効果的に上昇させることができ、ボイスコイルモータ等のアクチュエータによって磁気ヘッドスライダを目的トラック上へ位置させる際に、曲げ一次モード及び捩れ一次モードの共振が生じることを有効に防止することができる。
【0022】
又、本発明の他態様に係る磁気ヘッドサスペンションにおいては、フレクシャ基板のロードビーム部接合領域とロードビーム部の平板状本体部とをスポット溶接する複数のロードビーム部側溶接点が、支持部の先端側エッジ及びディンプル間のサスペンション長手方向距離をLとした場合に、支持部の先端側エッジから0.4×L以上で且つ0.6×L以下の中央領域においてサスペンション長手方向中心線上に配置された中央溶接点と、前記中央溶接点よりサスペンション長手方向先端側において前記中心線を挟んで対称に配置された左右一対の先端側溶接点と、前記中央溶接点よりサスペンション長手方向基端側において前記中心線を挟んで対称に配置された左右一対の基端側溶接点とを含み、前記一対の先端側溶接点及び前記一対の基端側溶接点は、前記中央溶接点を挟んでサスペンション長手方向に関し対称配置され、前記中央溶接点、前記一対の先端側溶接点及び前記一対の基端側溶接点におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板又は前記本体部の同一側から行われている。
【0023】
斯かる構成においても、実質的に製造工程を追加すること無く、前記ロードビーム部及び前記フレクシャ基板の接合体をディスク面とは直交する方向へ凸状に撓ませることができる。
従って、コスト高騰を可及的に防止しつつ、質量増加を招くこと無く剛性を向上させることができる。
【0024】
前記他形態に係る磁気ヘッドサスペンションにおいても、前記中央領域において前記接合体が大きく撓むことになる。
従って、曲げ一次モードの振動に対する共振周波数及び捩れ一次モードの振動に対する共振周波数を効果的に上昇させることができ、ボイスコイルモータ等のアクチュエータによって磁気ヘッドスライダを目的トラック上へ位置させる際に、曲げ一次モード及び捩れ一次モードの共振が生じることを有効に防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
実施の形態1
以下、本発明に係る磁気ヘッドサスペンションの好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1及び
図2に、それぞれ、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション1Aの上面図(ディスク面とは反対側から視た平面図)及び下面図(前記ディスク面から視た底面図)を示す。
【0027】
前記磁気ヘッドサスペンション1Aは、
図1及び
図2に示すように、ボイスコイルモータ等のアクチュエータ(図示せず)によって直接又は間接的に揺動中心回りにディスク面に平行なシーク方向へ揺動される支持部10と、磁気ヘッドスライダ50を前記ディスク面に向けて押し付ける為の押し付け荷重を発生し得るように基端部が前記支持部10に連結された荷重曲げ部20と、前記荷重曲げ部20を介して前記支持部10に支持され且つ前記荷重を前記磁気ヘッドスライダ50に伝達するロードビーム部30と、前記磁気ヘッドスライダ50を支持した状態で前記ロードビーム部30及び前記支持部10に支持されるフレクシャ部40とを備えている。
【0028】
前記支持部10は、前記アクチュエータに直接又は間接的に連結された状態で前記荷重曲げ部20を介して前記ロードビーム部30を支持する部材であり、比較的高剛性を有するものとされる。
【0029】
本実施の形態においては、
図1及び
図2に示すように、前記支持部10は、前記アクチュエータに連結されるキャリッジアーム(図示せず)の先端にかしめ加工によって接合されるボス部15を備えたベースプレートとされている。
前記支持部10は、例えば、厚さ0.1mm〜0.8mmのステンレス板によって好適に形成される。
当然ながら、前記支持部10として、基端部が前記アクチュエータの揺動中心に連結されるアームを採用することも可能である。
【0030】
前記ロードビーム部30は、前述の通り、前記荷重曲げ部20によって発生される荷重を前記磁気ヘッドスライダ50に伝達する為の部材であり、従って、所定の剛性が要求される。
【0031】
前記ロードビーム部30は、前記ディスク面と略平行に配置され且つ前記フレクシャ部40が接合される平板状の本体部31を有している。
本実施の形態においては、剛性を向上させる為に、
図1〜
図3に示すように、前記ロードビーム部30は、さらに、前記本体部31のサスペンション幅方向両端部からディスク面とは反対側に延びる左右一対のフランジ部32を有している。
前記ロードビーム部30は、例えば、厚さ0.02mm〜0.1mmのステンレス板によって好適に形成される。
【0032】
図1及び
図2に示すように、前記本体部31には、先端側に、所謂ディンプル33と呼ばれる突起が形成されている。
前記ディンプル33は、ディスク面に近接する方向に、例えば、0.05mm〜0.1mm程度突出されている。このディンプル33は、前記フレクシャ部40における下記ヘッド搭載領域415の上面(前記磁気ヘッドスライダを支持する支持面とは反対側の裏面)に接触して、このディンプル33を介して前記荷重が前記フレクシャ部40の前記ヘッド搭載領域415に伝達されるようになっている。
【0033】
本実施の形態においては、
図1及び
図2に示すように、前記ロードビーム部30は、さらに、前記本体部31の先端からサスペンション長手方向先端側へ延びるリフトタブ34を一体的に有している。前記リフトタブ34は、前記磁気ヘッドスライダ50がディスク面の径方向外方へ位置するように前記磁気ヘッドサスペンション1Aが前記アクチュエータによって揺動された際に、磁気ディスク装置に備えられたランプと係合して前記磁気ヘッドスライダ50を前記ディスク面と直交するz方向に沿って前記ディスク面から離間させる為の部材である。
【0034】
本実施の形態においては、
図1及び
図2に示すように、前記ロードビーム部30の前記本体部31のサスペンション幅方向両端部は、サスペンション長手方向基端側から先端側へ行くに従ってサスペンション長手方向中心線CLに近接するように略直線状に傾斜されている。
【0035】
斯かる構成によれば、前記ロードビーム部30の先端側における前記中心線CL回りの慣性モーメントを低減でき、捩れモード及びSWAYモードの共振周波数を上昇させることができる。
【0036】
前記荷重曲げ部20は、自己の弾性変形に応じて前記押し付け荷重を発生する限り、種々の形態を取り得る。
本実施の形態においては、
図1及び
図2に示すように、前記荷重曲げ部20は、サスペンション幅方向に離間配置され且つ板面が前記ディスク面に対して略平行とされた左右一対の板バネ21を有している。
【0037】
前記一対の板バネ21は、
図1及び
図2に示すように、先端側が前記ディスク面に近接するように曲げ線BLにおいて曲げられている。
前記曲げ線BLのサスペンション長手方向位置及び/又は前記曲げ線BLでの曲げ角度を調整することによって、前記押し付け荷重を所定値に設定することができる。
【0038】
即ち、前記磁気ヘッドサスペンション1Aがハードディスク装置に組み込まれる前の状態において、前記一対の板バネ21は前記曲げ線BLにおいて先端側がディスク面に近接する方向へ曲げられる。
そして、前記磁気ヘッドサスペンション1Aが前記ハードディスク装置に組み込まれる際には、前記磁気ヘッドスライダ50が前記ハードディスク装置における前記ディスク面上に位置するように前記曲げ線BLでの曲げが曲げ戻されて前記一対の板バネ21が弾性変形される。
【0039】
さらに、前記ハードディスク装置が作動状態となって前記ディスク面が回転されると、前記磁気ヘッドスライダ50が前記ディスク面の回転に伴う空気圧を受けて前記ディスク面から離間する方向へ浮上し、この磁気ヘッドスライダ50の浮上動作に応じて前記曲げ線BLでの曲げがさらに曲げ戻されるように前記一対の板バネ21が弾性変形する。
【0040】
即ち、前記磁気ヘッドサスペンション1Aを前記ハードディスク装置へ組み込む際の前記板バネ21の弾性変形及び前記ディスク面の回転に伴う前記磁気ヘッドスライダ50の浮上動作による前記板バネ21の弾性変形によって前記板バネ21は保有弾性を有する状態となり、この保有弾性が前記押し付け荷重として作用する。
【0041】
前記板バネ21は、例えば、厚さ0.02mm〜0.1mmのステンレス板によって好適に形成される。
【0042】
なお、本実施の形態においては、
図1及び
図2に示すように、前記一対の板バネ21は、前記ロードビーム部30と一体形成されている。
即ち、本実施の形態に係る前記磁気ヘッドサスペンション1Aは、前記ロードビーム部30及び前記一対の板バネ20を一体的に形成するロードビーム部/板バネ形成体300を有している。
【0043】
図2に示すように、前記形成体300は、前記ロードビーム部30と、前記ロードビーム部30における前記本体部31のサスペンション幅方向両側から基端側へ延びる前記一対の板バネ21と、前記一対の板バネ21から基端側へそれぞれ延びる一対の支持部接合領域310とを一体的に有している。
【0044】
前記形成体300は、
図2に示すように、前記一対の支持部接合領域310が前記支持部10におけるディスク対向面の先端側に当接された状態で複数の溶接点80におけるスポット溶接によって、前記支持部10に連結されている。
好ましくは、前記スポット溶接は、前記形成体300の側から行うことができ、これにより、溶接作業の容易化を図ることができる。
【0045】
前記フレクシャ部40は、前記ディスク面と略平行に配置される平板状のフレクシャ基板410であって、前記ヘッド搭載領域415を有し且つ前記ロードビーム部30及び前記支持部10にスポット溶接によって固着されるフレクシャ基板410を有している。
【0046】
詳しくは、
図2に示すように、前記フレクシャ基板410は、前記本体部31のディスク対向面に接合された状態で複数のロードビーム部側溶接点60におけるスポット溶接によって前記本体部31に固着されるロードビーム部接合領域411と、前記支持部10のディスク対向面に接合された状態で複数の支持部側溶接点70におけるスポット溶接によって前記支持部10に固着される支持部接合領域412と、前記ロードビーム部接合領域411及び前記支持部接合領域412の間に延びる非接合領域413と、前記ロードビーム部接合領域411のサスペンション幅方向両側からサスペンション長手方向先端側へ延びる一対の支持片414と、前記一対の支持片414によって支持された前記ヘッド搭載領域415とを有している。
【0047】
前記ヘッド搭載領域415は、
図4に示すように、前記ディスク面と対向する下面において前記磁気ヘッドスライダ50を支持している。
前述の通り、前記ヘッド搭載領域415の上面には前記ディンプル33が接触しており、従って、前記ヘッド搭載領域415は前記ディンプル33を支点としてロール方向及びピッチ方向に柔軟に揺動し得るようになっている。
【0048】
前記フレクシャ基板410は、前記ヘッド搭載領域415がロール方向及びピッチ方向に揺動し得るように、前記ロードビーム部30よりも低剛性とされる。
前記フレクシャ基板410は、例えば、厚さ0.01mm〜0.025mm程度のステンレス等の金属材料によって好適に形成される。
【0049】
本実施の形態においては、前記フレクシャ部40には、
図2に示すように、前記磁気ヘッドスライダ50を外部部材に電気的に接続する為の配線構造体420が一体的に備えられている。
【0050】
詳しくは、前記配線構造体420は、前記フレクシャ基板410における前記ディスク面と対向する下面に積層される絶縁層と前記絶縁層における前記ディスク面と対向する面に積層される信号配線とを含み得る。
好ましくは、前記配線構造体は、前記信号配線を囲繞する絶縁性のカバー層を有し得る。
【0051】
ここで、前記フレクシャ基板410を前記本体部31及び前記支持部10にスポット溶接する前記複数の溶接点60、70について説明する。
【0052】
図2に示すように、前記複数のロードビーム側溶接点60は、前記支持部10の先端側エッジ(前記支持部10と前記一対の板バネ21との境界)及び前記ディンプル33間のサスペンション長手方向距離をLとした場合に、前記支持部10の先端側エッジから0.4×L以上で且つ0.6×L以下の中央領域において前記サスペンション長手方向中心線CLを挟んで対称に配置された左右一対のメイン溶接点61を含んでいる。
【0053】
ところで、第1及び第2の2枚の平板状部材を重合させた状態で複数の溶接点において一方の平板状部材(第1平板部材)の側からスポット溶接を行うと、前記複数の溶接点を結ぶ方向に沿って前記第1及び第2平板状部材が縮むが、この縮みの程度は、前記スポット溶接を行う側の前記第1平板部材の方が前記第2平板部材よりも大きくなる。
【0054】
本実施の形態においては、
図2に示すように、前記一対のメイン溶接点61におけるスポット溶接は、前記フレクシャ基板410の側から行われている。
この場合には、前記一対のメイン溶接点61を結ぶサスペンション幅方向に沿った方向に関し、前記フレクシャ基板410(前記ロードビーム部接合領域411)の方が前記本体部31よりも大きく縮むことになる。
【0055】
その結果、前記ロードビーム部30及び前記フレクシャ基板410の接合体は、前記ディスク面とは反対側に凸状に撓むことになる。
図3に、
図2におけるIII-III線に沿った断面図であって、前記一対のメイン溶接点61を通る切断面に沿った断面図を示す。
【0056】
このように、前記一対のメイン溶接点61におけるスポット溶接によって前記フレクシャ基板410及び前記本体部31を固着することによって、
図3に示すように、前記ロードビーム部30及び前記フレクシャ基板410の接合体を撓ませることができ、これにより、質量増加を招くこと無く、前記磁気ヘッドサスペンション1Aの剛性を高めることができる。従って、前記磁気ヘッドサスペンション1Aの共振周波数を高めることができる。
なお、本実施の形態においては、前記一対のメイン溶接点61におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板410の側から行われている。この場合には、前述の通り、前記ロードビーム部30及び前記フレクシャ基板410の接合体は前記ディスク面とは反対側に凸状に撓む。
【0057】
又、本実施の形態においては、前述の通り、前記一対のメイン溶接点61は、サスペンション長手方向に関する前記ロードビーム部30の前記中央領域に配置されている。
斯かる構成によれば、前記ロードビーム部30を前記中央領域において大きく撓ませることができ、前記中央部分の剛性を効果的に高めることができる。
従って、曲げ一次モードの振動に対する共振周波数及び捩れ一次モードの振動に対する共振周波数を効果的に高めることができる。
【0058】
即ち、曲げ一次モードの振動とは、前記支持部10の先端側エッジ(前記支持部10と前記荷重曲げ部20との境界)と前記ディンプル33とを支点(即ち、前記ディスク面に直交するz方向に関し変位ゼロ)とした状態で前記ロードビーム部30がz方向に曲げ動作する振動であり、前記2つの支点間のサスペンション長手方向中央部分の振幅が最も大きくなる。
【0059】
又、捩れ一次モードの振動とは、前記支持部10の前記先端側エッジにおける幅方向中央付近と前記ディンプル33とを結ぶ仮想線回りに前記ロードビーム部30が捩れ動作する振動であり、前記支持部10の先端側エッジと前記ディンプル33との間のサスペンション長手方向中央部分の振幅が最も大きくなる。
【0060】
従って、前記一対のメイン溶接点61を前記支持部10の先端側エッジから0.4×L以上で且つ0.6×L以下の前記中央領域に配置させることにより、曲げ一次モードの共振周波数及び捩れ一次モードの共振周波数の双方を効果的に向上させることができる。
【0061】
図2に示すように、本実施の形態においては、前記ロードビーム部接合領域411及び前記本体部31は、さらに、前記一対のメイン溶接点61よりサスペンション長手方向基端側において前記中心線CLを挟んで対称に配置された左右一対のロードビーム部基端側溶接点69におけるスポット溶接によっても互いに固着されている。
【0062】
斯かる構成によれば、前記一対のメイン溶接点61よりサスペンション長手方向基端側においても、前記ロードビーム部30及び前記フレクシャ基板410の接合体を撓ませることができる。
【0063】
なお、本実施の形態においては、
図2に示すように、前記一対のロードビーム部基端側溶接点69におけるスポット溶接は、前記一対のメイン溶接点61におけるスポット溶接と同一側から行われている。
即ち、前述の通り、前記一対のメイン溶接点61におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板410の側から行われており、従って、前記一対のロードビーム部基端側溶接点69におけるスポット溶接も前記フレクシャ基板410の側から行われている。
【0064】
前述の通り、本実施の形態においては、前記荷重曲げ部20はサスペンション幅方向に離間配置された前記一対の板バネ21によって形成されている。
この場合、好ましくは、
図1及び
図2に示すように、前記ロードビーム部接合領域411及び前記支持部接合領域412の間に延びる前記非接合領域413は、前記一対の板バネ21間の間隙に配置される。
斯かる構成によれば、前記非接合領域413によって前記一対の板バネ21の弾性変形動作が阻害されることを有効に防止でき、前記押し付け荷重が変動することを防ぐことができる。
【0065】
より好ましくは、
図2に示すように、前記一対のロードビーム部基端側溶接点を、前記ロードビーム部接合領域のうち前記非接合領域に隣接するように配置させ、且つ、前記支持部接合領域412のうち前記非接合領域413に隣接する部分と前記支持部10とを左右一対の溶接点においてスポット溶接することができる。
【0066】
斯かる構成によれば、前記一対の板バネ21が弾性変形動作した際に、前記ロードビーム部接合領域411と前記本体部31との間、並びに、前記支持部接合領域412と前記支持部10との間に隙間が生じることを有効に防止でき、これにより、前記非接合領域413が主となる振動(前記非接合領域413の「ばたつき」)を有効に抑えることができる。
【0067】
好ましくは、さらに、前記中心線CL上に配置された中央溶接点62において、前記一対のメイン溶接点61と同一側から前記ロードビーム部接合領域411及び前記本体部31をスポット溶接することができる。
即ち、前記複数のロードビーム部側溶接点60が、さらに、前記中心線CL上に配置され且つ前記一対のメイン溶接点61におけるスポット溶接と同一側からスポット溶接が行われる前記中央溶接点62を含むものとされ得る。
【0068】
図4〜
図6に、それぞれ、本実施の形態の第1〜第3変形例に係る磁気ヘッドサスペンション1B、1C、1Dの下面図を示す。
【0069】
図4に示すように、前記第1変形例1Bにおいては、前記中央溶接点62は、前記一対のメイン溶接点61とサスペンション長手方向同一位置に配置されている。
【0070】
斯かる構成によれば、前記一致のメイン溶接点61及び前記中央溶接点62を通る仮想線に沿った前記ロードビーム部接合領域411の縮み量を前記本体部31の縮み量よりもより大きくすることができ、前記ロードビーム部30及び前記フレクシャ基板410の接合体をより大きく撓ませることができる。
【0071】
図5に示すように、前記第2変形例1Cにおいては、前記中央溶接点62は、前記一対のメイン溶接点61とはサスペンション長手方向に関し変位配置される。
【0072】
この場合には、前記一対のメイン溶接点61の溶接強度が前記中央溶接点62の溶接強度よりも大とすることができる。
図中、溶接点を示す○印の大きさによって、溶接点の溶接強度を表している。
斯かる構成においても、前記ロードビーム部30及び前記フレクシャ基板410の接合体をより大きく撓ませることができる。
【0073】
なお、
図5に示す例においては、前記中央溶接点62は、サスペンション長手方向に関し、前記一対のメイン溶接点61と前記一対のロードビーム部基端側溶接点69との間の中央に配置されている。
【0074】
斯かる構成によれば、前記ロードビーム部30及び前記フレクシャ基板410の接合体をより大きく撓ませつつ、前記ロードビーム部30及び前記フレクシャ基板410の密着度を向上させることができる。
【0075】
図6に示すように、前記第3変形例1Dにおいては、前記中央溶接点62は、前記一対のメイン溶接点61からサスペンション長手方向先端側及び基端側へそれぞれ変位された先端側中央溶接点62a及び基端側中央溶接点62bを含んでいる。
前記先端側中央溶接点62a及び前記基端側中央溶接点62bは、前記一対のメイン溶接点61を結ぶ仮想線を基準にして対称配置される。
【0076】
斯かる構成によれば、前記ロードビーム部30及び前記フレクシャ基板410の接合体をより大きく撓ませつつ、前記ロードビーム部30及び前記フレクシャ基板410の密着度を向上させることができる。
【0077】
より好ましくは、前記基端側中央溶接点62bは、サスペンション長手方向に関し、前記一対のメイン溶接点61と前記一対のロードビーム部基端側溶接点69との間の中央に配置される。
【0078】
なお、本実施の形態においては、溶接作業の容易化を考慮して、前記一対のメイン溶接点61におけるスポット溶接を前記フレクシャ基板410の側から行っているが、これに代えて、前記一対のメイン溶接点61におけるスポット溶接を前記本体部31の側から行うことも可能である。
この場合には、前記ロードビーム部30及び前記フレクシャ基板410の接合体は前記ディスク面に向かって凸状に撓む。
【0079】
実施の形態2
以下、本発明に係る磁気ヘッドサスペンションの他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図7に、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション2の下面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態1における同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0080】
前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンション1A及び前記第1〜第3変形例1B〜1Dにおいては、前記中央領域内に前記一対のメイン溶接点61が設けられている。
これに対し、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション2においては、前記中央領域に中央溶接点65が設けられている。
【0081】
即ち、本実施の形態においては、
図7に示すように、前記複数のロードビーム部側溶接点60は、前記支持部10の先端側エッジから0.4×L以上で且つ0.6×L以下の前記中央領域においてサスペンション長手方向中心線CL上に配置された前記中央溶接点65を含んでいる。
【0082】
本実施の形態においては、前記複数のロードビーム部側溶接点60は、さらに、前記中央溶接点65よりサスペンション長手方向先端側において前記中心線CLを挟んで対称に配置された左右一対の先端側溶接点66と、前記中央溶接点65よりサスペンション長手方向基端側において前記中心線CLを挟んで対称に配置された左右一対の基端側溶接点67を含んでいる。
前記一対の先端側溶接点66及び前記一対の基端側溶接点67は、前記中央溶接点65を挟んでサスペンション長手方向に関し対称配置されている。
【0083】
前記中央溶接点65、前記一対の先端側溶接点66及び前記一対の基端側溶接点67におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板410又は前記本体部31の同一側から行われる。
【0084】
本実施の形態においても、実質的に製造工程を増加させること無く且つ質量増加を招くこと無く、前記磁気ヘッドサスペンション2の剛性を高めることができ、これにより、前記磁気ヘッドサスペンション2の共振周波数、特に、曲げ一次モード及び捩れ一次モードの共振周波数を高めることができる。
【0085】
本実施の形態においては、
図7に示すように、前記溶接点65、66、67におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板410の側から行われているが、これに代えて、前記溶接点65、66、67におけるスポット溶接を前記本体部31の側から行うことも可能である。
【0086】
又、
図7に示すように、本実施の形態においても、前記ロードビーム部接合領域411及び前記本体部31は、前記一対のロードビーム部基端側溶接点69におけるスポット溶接によっても互いに固着されている。
本実施の形態においては、前記一対のロードビーム部基端側溶接点69は、前記一対の基端側溶接点67よりもサスペンション長手方向基端側に配置される。
【0087】
なお、本実施の形態においては、
図7に示すように、前記一対のロードビーム部基端側溶接点69におけるスポット溶接は、前記中央溶接点65、前記一対の先端側溶接点66及び前記一対の基端側溶接点67におけるスポット溶接と同一側から行われている。
即ち、前述の通り、前記溶接点65、66、67におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板410の側から行われており、従って、前記一対のロードビーム部基端側溶接点69におけるスポット溶接も前記フレクシャ基板410の側から行われている。
【0088】
実施の形態3
以下、本発明に係る磁気ヘッドサスペンションのさらに他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図8及び
図9に、それぞれ、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション3の上面図及び下面図を示す。
又、
図10(a)及び(b)に、それぞれ、
図8におけるXa-Xa線及びXb-Xb線に沿った断面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態1及び2における同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0089】
本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンションは、前記一対のメイン溶接点におけるスポット溶接の方向と前記一対のロードビーム部基端側溶接点におけるスポット溶接の方向とが異なる点において、前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンションと相違している。
【0090】
即ち、前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンションにおいては、
図2に示すように、前記一対のメイン溶接点61におけるスポット溶接及び前記一対のロードビーム部基端側溶接点69におけるスポット溶接の双方共に前記フレクシャ基板410の側から行われている。
【0091】
これに対し、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンションにおいては、
図8及び
図9に示すように、前記一対のメイン溶接点におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板410又は前記本体部31の一方の側から行われ、前記一対のロードビーム部基端側溶接点69におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板410又は前記本体部31の他方の側から行われている。
【0092】
本実施の形態においては、具体的には、
図9に示すように、前記一対のメイン溶接点におけるスポット溶接は前記フレクシャ基板410の側から行われており、前記一対のロードビーム部基端側溶接点69におけるスポット溶接は前記本体部31の側から行われている。
【0093】
斯かる構成においては、前記ロードビーム部30及び前記フレクシャ基板410の接合体は、前記一対のロードビーム部基端側溶接点69を結ぶ断面においては前記ディスク面に向かって凸状に撓み(
図10(a)参照)、前記一対のメイン溶接点61を結ぶ断面においては前記ディスク面とは反対側に凸状に撓む(
図10(b)参照)。
【0094】
斯かる構成の本実施の形態においても、実質的に製造工程を増加させること無く且つ質量増加を招くこと無く、前記磁気ヘッドサスペンション2の剛性を高めることができ、これにより、前記磁気ヘッドサスペンション2の共振周波数、特に、曲げ一次モード及び捩れ一次モードの共振周波数を高めることができる。
【0095】
なお、本実施の形態においては、前記一対のメイン溶接点61におけるスポット溶接を前記本体部31の側から行い且つ前記一対のロードビーム部基端側溶接点69におけるスポット溶接を前記フレクシャ基板410の側から行うことで、前記一対のメイン溶接点61におけるスポット溶接の方向と前記一対のロードビーム部基端側溶接点69におけるスポット溶接の方向とを異ならせることも可能である。
【0096】
又、本実施の形態においては、スポット溶接の方向を異ならせるという技術的思想を実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンションに適用した場合を例に説明したが、前記技術的思想を実施の形態2に係る磁気ヘッドサスペンションに適用することも可能である。
【0097】
即ち、前記中央溶接点65、前記一対の先端側溶接点66及び前記一対の基端側溶接点67(以下、長手方向中央近傍の溶接点という)におけるスポット溶接を前記フレクシャ基板410又は前記本体部31の一方の側から行い、前記一対のロードビーム部基端側溶接点69におけるスポット溶接を前記フレクシャ基板410又は前記本体部31の他方の側から行うことができる。
【0098】
具体的には、前記長手方向中央近傍の溶接点におけるスポット溶接を前記フレクシャ基板410の側から行い且つ前記一対のロードビーム部基端側溶接点69におけるスポット溶接を前記本体部31の側から行うことができる。
【0099】
若しくは、前記長手方向中央近傍の溶接点におけるスポット溶接を前記本体部31の側から行い且つ前記一対のロードビーム部基端側溶接点69におけるスポット溶接を前記フレクシャ基板410の側から行うことができる。