(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0021】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態につき説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による遠隔操作システム1、および遠隔操作システム1により遠隔操作される被操作装置等を示している。
図1において、本発明の第1の実施形態による遠隔操作システム1は、例えばエアコンディショナ11、照明器12、テレビジョン装置13等の被操作装置としての電気機器を、端末装置2により遠隔操作することを可能にし、かつ遠隔操作の結果を端末装置2により確認することを可能にするシステムである。
【0022】
遠隔操作システム1は、端末装置2、ネットワークリモートコントローラ3、コンセントタップ4、5、6、および情報処理装置7を備えている。例えば、ネットワークリモートコントローラ3、コンセントタップ4、5、6、および情報処理装置7は、エアコンディショナ11、照明器12およびテレビジョン装置13と共に、屋内に設けられている。端末装置2はユーザが屋外に持ち出すことができる。また、コンセントタップ4には、エアコンディショナ11の電源ケーブル11Aが接続され、コンセントタップ5には、照明器12の電源ケーブル12Aが接続され、コンセントタップ6には、テレビジョン装置13の電源ケーブル13Aが接続されている。なお、電源ケーブル11A、12A、13Aは電源ラインの具体例である。
【0023】
(端末装置)
図2は端末装置2の構成を示している。端末装置2は、電気機器を遠隔操作するための操作入力を行う入力装置として、かつ遠隔操作された電気機器の動作を示す情報を出力する出力装置として機能する装置であり、携帯可能なほどに小さく軽い通信装置であることが望ましい。例えば、端末装置2は、スマートホン、携帯電話、ノートブックタイプのパーソナルコンピュータ、タブレット等である。もっとも、端末装置2は、必ずしも小さく、軽く、または携帯可能である必要はなく、デスクトップタイプのパーソナルコンピュータでもよい。
【0024】
図2に示すように、端末装置2は、パネル部21、マイク22、スピーカ23、通信部24、記憶部25およびCPU(中央処理装置)26を備えている。パネル部21は、電気機器を遠隔操作するための操作入力を行うタッチパネルとしての機能を有すると共に、遠隔操作された電気機器の動作を示す情報を表示するディスプレイとしての機能を有する。マイク22は、主に通話のためにユーザの声を入力する装置であり、スピーカ23は、着信音、通知音、通話相手の声等の音声を出力する装置である。通信部24は、通話およびデータ通信を無線で行う通信回路であり、記憶部25は情報を記憶する例えばフラッシュメモリ等の記憶装置である。CPU26は、パネル部21、マイク22、スピーカ23、通信部24および記憶部25を制御する回路である。
【0025】
端末装置2は、例えば移動体通信網、インターネット等の通信網8を介して、ネットワークリモートコントローラ3および情報処理装置7との間で通信を行うことができる(
図1参照)。端末装置2は、後述するように、ユーザの操作入力に応じた操作指令をネットワークリモートコントローラ3へ送信する。ユーザは、端末装置2に対して操作入力をするに当たり、複数の電気機器、すなわち本実施形態においてはエアコンディショナ11、照明器12およびテレビジョン装置13のうちのいずれか1つを選択することができ、かつ選択した電気機器が有する複数の操作項目の中から1つの操作項目を選択することができる。
【0026】
各電気機器には当該電気機器を特定するための機種コードが割り当てられており、各電気機器が有する操作項目には、当該操作項目を特定するための操作コードが割り当てられている。これら機種コードおよび操作コードは記憶部25に記憶されている。端末装置2は、ユーザーが選択した電気機器の機種コード、およびユーザが選択した操作項目の操作コードを含む操作指令を生成し、生成した操作指令をネットワークリモートコントローラ3へ送信する。
【0027】
(ネットワークリモートコントローラ)
図3はネットワークリモートコントローラ3の構成を示している。ネットワークリモートコントローラ3は、端末装置2から送信される操作指令に従って電気機器へ、無線の操作信号としての赤外線信号を送信することにより電気機器を操作する装置である。なお、ネットワークリモートコントローラ3は、受信装置および無線操作装置の具体例である。
【0028】
図3に示すように、ネットワークリモートコントローラ3は、操作指令受信部31、赤外線送信部32、赤外線読取部33、記憶部34およびCPU35を備えている。ネットワークリモートコントローラ3のこれらの構成要素は、例えば箱状の筐体に収容されている。例えば、ネットワークリモートコントローラ3は、通常、屋内にあるテーブル上または床面上に置かれる。なお、ネットワークリモートコントローラ3は、上記構成要素31〜35を有する専用のハードウェアとして構成してもよいし、上記構成要素31〜35の機能を具現化するためのコンピュータプログラムをインストールしたパーソナルコンピュータ等により構成してもよい。
【0029】
操作指令受信部31は、インターネット等の通信網8を介して端末装置2から送信される操作指令を受信する通信回路である。操作指令受信部31はルータ9を介して通信網8に接続されている(
図1参照)。赤外線送信部32は、電気機器を操作するための赤外線信号を外部に送信する回路である。赤外線送信部32は、例えば高出力で広角の赤外線LEDを有しており、赤外線信号を広範囲に送信することができる。赤外線読取部33は、電気機器を操作するための赤外線信号コードを記憶部34に記憶させるために、電気機器の専用リモートコントローラ(例えば電気機器と共に販売される電気機器に付属のリモートコントローラ)から送信される赤外線信号を読み取る回路である。赤外線読取部33は赤外線受光素子を有している。記憶部34は、例えばフラッシュメモリ等の記憶装置である。CPU35は、操作指令受信部31、赤外線送信部32、赤外線読取部33および記憶部34を制御する回路である。
【0030】
記憶部34には、複数の赤外線信号コードが記憶されている。例えば本実施形態においては、記憶部34には、(a)エアコンディショナ11の稼働開始、稼働停止、設定温度の変更、風量の変更、冷房・暖房の切換等をそれぞれ行うための複数の赤外線信号コード、(b)照明器12の点灯開始、点灯停止(消灯)、明るさの変更等をそれぞれ行うための複数の赤外線信号コード、および(c)テレビジョン装置13における映像・音声の出力開始、出力停止、音量の変更等をそれぞれ行うための複数の赤外線信号コードが記憶されている。これらの赤外線信号コードの記憶は、各電気機器の専用リモートコントローラから各赤外線信号を送信し、送信された各赤外線信号を赤外線読取部33の赤外線受光素子により受信させ、受信した各赤外線信号に含まれる赤外線信号コードを記憶部34に書き込むことにより行うことができる。記憶部34に記憶する赤外線信号コードを増やすことにより、ネットワークリモートコントローラ3により操作可能な電気機器の種類、または各電気機器の操作項目を増やすことができる。
【0031】
また、各赤外線信号コードには、1つの電気機器を特定する情報と1つの操作項目を特定する情報とが含まれている。また、記憶部34には、上述した機種コードおよび操作コードが記憶されている。記憶部34において、機種コードおよび操作コードと、これらに対応する赤外線信号コードとの間には関連づけが形成されている。
【0032】
また、後述するように、各コンセントタップ4、5、6にはタップIDが割り当てられている。記憶部34には、各コンセントタップ4、5、6のタップIDが記憶されている。記憶部34において、各コンセントタップ4、5、6のタップIDと、当該コンセントタップに電源ケーブルが接続された電気機器の機種コードとの間には関連づけが形成されている。
【0033】
ネットワークリモートコントローラ3は、端末装置2から受信した操作指令に従って、記憶部34に記憶された複数の赤外線信号コードの中から1つの赤外線信号コードを選択すると共に、記憶部34に記憶された複数のタップIDの中から1つのタップIDを選択し、選択した赤外線信号コードおよびタップIDを含む赤外線信号を生成し、生成した赤外線信号を外部へ送信する。上述したように赤外線信号の送信範囲は広範囲であるため、ネットワークリモートコントローラ3から送信された赤外線信号は、エアコンディショナ11、照明器12およびテレビジョン装置13のすべてに到達する。さらに、ネットワークリモートコントローラ3から送信された赤外線信号は、コンセントタップ4、5、6のすべてに到達する。
【0034】
本実施形態におけるネットワークリモートコントローラ3は、エアコンディショナ11の稼働開始、稼働停止、設定温度の変更、風量の変更、冷房・暖房の切換等、照明器12の点灯開始、点灯停止(消灯)、明るさの変更等、およびテレビジョン装置13における映像・音声の出力開始、出力停止、音量の変更等を操作することができる。
【0035】
(コンセントタップ)
図4ないし
図6はコンセントタップ4、5、6の構成を示している。各コンセントタップ4、5、6は、電気機器に電力を供給すると共に、赤外線信号がネットワークリモートコントローラ3から送信されたことを認識し、これに応じて電気機器の動作を検出する装置である。各コンセントタップ4、5、6は、例えば部屋の壁や天井に設けられたコンセントに接続ケーブル(図示せず)を介して接続されている。なお、各コンセントタップ4、5、6は電源接続装置の具体例である。
【0036】
各コンセントタップ4、5、6は、電力供給ユニットおよび動作検出ユニットを備えている。各コンセントタップ4、5、6の電力供給ユニットは、電気機器の電源ケーブルの先端に設けられた差込プラグを差し込むプラグ受け部を有する。プラグ受け部に電気機器の差込プラグを差し込むことにより、屋内配線から電気機器へ電力を供給することが可能になる。
【0037】
また、コンセントタップ4の動作検出ユニットは、
図4に示すように、操作信号受信手段としての赤外線受信部51、電流検出手段としての電流センサ52、温度検出手段としての温度センサ53、湿度検出手段としての湿度センサ54、検出結果送信部55、記憶部56、および制御部57を備えている。
【0038】
赤外線受信部51は、ネットワークリモートコントローラ3から送信される赤外線信号を受信する回路である。赤外線受信部51は赤外線受光素子を有している。電流センサ52は、コンセントタップ4に電源ケーブルが接続された電気機器、すなわち本実施形態においてはエアコンディショナ11へ供給される電流を検出する回路である。例えば、電流センサ52はコンセントタップ4の筐体内に設けられている。温度センサ53は、エアコンディショナ11近傍の温度(例えばエアコンディショナ11が設けられた室内の温度)を検出する回路である。例えば、温度センサ53はコンセントタップ4の筐体表面近傍に取り付けられている。湿度センサ54は、エアコンディショナ11近傍の湿度(例えばエアコンディショナ11が設けられた室内の湿度)を検出する回路である。例えば、湿度センサ54はコンセントタップ4の筐体表面近傍に取り付けられている。
【0039】
コンセントタップ4の検出結果送信部55は、後述するように、電流センサ52、温度センサ53、湿度センサ54および制御部57により検出された電流変化、温度変化および湿度変化を示す検出結果信号を情報処理装置7へ送信する回路である。検出結果送信部55と情報処理装置7とは例えば無線LAN(ローカルエリアネットワーク)を介して接続されている。なお、検出結果送信部55と情報処理装置7との間の通信手段は、無線LANに限らず、有線LANでもよいし、電力線通信(PLC)でもよい。
【0040】
記憶部56は例えばフラッシュメモリ等の記憶装置である。コンセントタップ4の記憶部56には、コンセントタップ4のタップIDが記憶されている。例えば、このタップIDはコンセントタップ4に固有の番号である。制御部57は例えばCPU等の演算処理回路であり、赤外線受信部51、電流センサ52、温度センサ53、湿度センサ54、検出結果送信部55および記憶部56を制御する。
【0041】
コンセントタップ4の動作検出ユニットは、後に詳しく述べるように、ネットワークリモートコントローラ3から送信された赤外線信号を受信し、受信した赤外線信号に含まれるタップIDがコンセントタップ4のタップIDと一致した場合に、エアコンディショナ11に供給される電流(以下、これを「エアコン電源電流」という。)の変化、エアコンディショナ11の近傍の温度変化、および、エアコンディショナ11の近傍の湿度変化をそれぞれ検出し、これら検出した電流変化、温度変化および湿度変化を示す検出結果信号を情報処理装置7へ送信する。この検出結果信号には、コンセントタップ4のタップID、電流変化の有無を示す電流変化情報、温度変化の有無を示す温度変化情報、および湿度変化の有無を示す湿度変化情報が含まれる。
【0042】
一方、コンセントタップ5の動作検出ユニットの構成は、
図5に示すように、温度センサ53および湿度センサ54の代わりに、照度検出手段としての照度センサ58を有している点を除き、コンセントタップ4の構成とほぼ同じである。照度センサ58は、コンセントタップ5に電源ケーブルが接続された電気機器、すなわち本実施形態においては照明器12の近傍の照度(例えば照明器12が設けられた室内の照度)を検出する回路である。例えば、照度センサ58はコンセントタップ5の筐体表面に取り付けられている。また、コンセントタップ5の検出結果送信部55は、後述するように、電流センサ52および照度センサ58により検出された電流変化および照度変化を示す検出結果信号を情報処理装置7へ送信する。また、コンセントタップ5の記憶部56には、コンセントタップ5のタップIDが記憶されている。
【0043】
コンセントタップ5の動作検出ユニットは、後に詳しく述べるように、ネットワークリモートコントローラ3から送信された赤外線信号を受信し、受信した赤外線信号に含まれるタップIDがコンセントタップ5のタップIDと一致した場合に、照明器12に供給される電流(以下、これを「照明電源電流」という。)の変化、および照明器12の近傍の照度変化をそれぞれ検出し、これら検出した電流変化および照度変化を示す検出結果信号を情報処理装置7へ送信する。この検出結果信号には、コンセントタップ5のタップID、電流変化の有無を示す電流変化情報、および照度変化の有無を示す照度変化情報が含まれる。
【0044】
他方、コンセントタップ6の動作検出ユニットの構成は、
図6に示すように、温度センサ53および湿度センサ54の代わりに、音量検出手段としての音量センサ59を有している点を除き、コンセントタップ4の構成とほぼ同じである。音量センサ59は、コンセントタップ6に電源ケーブルが接続された電気機器、すなわち本実施形態においてはテレビジョン装置13から出力される音声の音量を検出する回路である。例えば、音量センサ59はコンセントタップ6の筐体表面側に取り付けられている。また、コンセントタップ6の検出結果送信部55は、後述するように、電流センサ52および音量センサ59により検出された電流変化および音量変化を示す検出結果信号を情報処理装置7へ送信する。また、コンセントタップ6の記憶部56には、コンセントタップ6のタップIDが記憶されている。
【0045】
コンセントタップ6の動作検出ユニットは、後に詳述するように、ネットワークリモートコントローラ3から送信された赤外線信号を受信し、受信した赤外線信号に含まれるタップIDがコンセントタップ6のタップIDと一致した場合に、テレビジョン装置13に供給される電流(以下、これを「テレビ電源電流」という。)の変化、およびテレビジョン装置13から出力される音声の音量変化をそれぞれ検出し、これら電流変化および音量変化を示す検出結果信号を情報処理装置7へ送信する。この検出結果信号には、コンセントタップ6のタップID、電流変化の有無を示す電流変化情報、および音量変化の有無を示す音量変化情報が含まれる。
【0046】
(情報処理装置)
図7は情報処理装置7の構成を示している。情報処理装置7は、各コンセントタップ4、5、6から送信された検出結果信号に基づき、電気機器の動作を判断すると共に、その判断結果を端末装置2へ送信する装置である。なお、情報処理装置7は送信装置の具体例である。
【0047】
図7に示すように、情報処理装置7は、検出結果受信部41、判断結果送信部42、記憶部43、およびCPU44を備えている。情報処理装置7は、上記構成要素41〜44を筐体に収容した専用のハードウェアとして構成してもよいし、上記構成要素41〜44の機能を具現化するためのコンピュータプログラムをインストールしたパーソナルコンピュータ等により構成してもよい。
【0048】
検出結果受信部41は、各コンセントタップ4、5、6から送信された検出結果信号を受信する回路である。検出結果受信部41と各コンセントタップ4、5、6とはそれぞれ例えば無線LAN(または有線LAN、あるいは電力線通信)を介して接続されている。
【0049】
記憶部43は例えばフラッシュメモリ等の記憶装置である。記憶部43には、複数のタップIDと複数の機種コードが記憶されている。記憶部43において、各タップIDと、当該タップIDが割り当てられたコンセントタップに接続された電気機器の機種コードとの間には関連づけが形成されている。
【0050】
CPU44は、検出結果受信部41、判断結果送信部42および記憶部43を制御する回路である。また、CPU44は、後述するように、検出結果受信部41により受信された検出結果信号に基づいて、電気機器の動作を判断し、この判断結果を示す判断結果信号を生成する。
【0051】
判断結果送信部42は、CPU44が生成した判断結果信号を、通信網8を介して端末装置2に送信する回路である。判断結果送信部42は、ルータ9を介して通信網8に接続されている(
図1参照)。
【0052】
情報処理装置7は、後述するように、コンセントタップ4、5、6のいずれかから送信された検出結果信号を受信し、受信した検出結果信号からタップID、電流変化情報等を読み取る。そして、情報処理装置7は、読み取ったタップIDが割り当てられたコンセントタップに接続された電気機器を特定し、当該特定した電気機器について、ネットワークリモートコントローラ3から赤外線信号が送信された後の動作を判断し、その判断結果を示す判断結果信号を端末装置2に送信する。この判断結果信号には、特定された電気機器の機種コード、およびネットワークリモートコントローラ3から赤外線信号が送信された後の当該電気機器の動作を示す動作情報が含まれる。
【0053】
(遠隔操作システムの動作)
図8および
図9は遠隔操作システム1の動作を示している。
図8において、ユーザは、端末装置2に対し、電気機器を遠隔操作するための操作入力を行う。具体的には、ユーザは、端末装置2を操作し、遠隔操作したい電気機器を選択し、選択した電気機器について遠隔操作したい操作項目を選択する。
図10(1)の画面91は、端末装置2のパネル部21に形成された電気機器選択画面の一例を示し、
図10(2)の画面92は、端末装置2のパネル部21に形成された操作項目選択画面の一例を示す。そして、端末装置2のCPU26は、ユーザによる操作入力を受け取り、受け取った操作入力に対応する操作指令を生成する(ステップS1)。具体的には、端末装置2のCPU26は、ユーザにより選択された電気機器の機種コードと、ユーザにより選択された操作項目の操作コードとを含む操作指令を生成する。続いて、端末装置2の通信部24は、生成された操作指令をネットワークリモートコントローラ3へ送信する(ステップS2)。
【0054】
続いて、ネットワークリモートコントローラ3の操作指令受信部31が、端末装置2から送信された操作指令を受信する(ステップS3)。続いて、ネットワークリモートコントローラ3のCPU35が、受信した操作指令に含まれる機種コードおよび操作コードを読み取る。続いて、CPU35は、読み取った機種コードおよび操作コードに関連づけられた赤外線信号コードを、記憶部34に記憶された複数の赤外線信号コードの中から選択する。続いて、CPU35は、読み取った機種コードに関連づけられたタップIDを、記憶部34に記憶された複数のタップIDの中から選択する。続いて、CPU35は、選択した赤外線信号コードおよび選択したタップIDを含む赤外線信号を生成する(ステップS4)。続いて、ネットワークリモートコントローラ3の赤外線送信部32は、生成した赤外線信号を送信する(ステップS5)。送信された赤外線信号は、エアコンディショナ11、照明器12、テレビジョン装置13、コンセントタップ4、5、6にそれぞれ到達する。
【0055】
各電気機器(エアコンディショナ11、照明器12、テレビジョン装置13)は、ネットワークリモートコントローラ3から送信された赤外線信号を受信し(ステップS6)、受信した赤外線信号に含まれる赤外線信号コードに基づいて、自己が操作対象であるか否かを判断する(ステップS7)。そして、操作対象である電気機器は、受信した赤外線信号に含まれる赤外線信号コードに基づいて操作項目を特定し、特定した操作項目に対応する動作(例えば稼働開始、稼働停止、点灯開始、点灯停止、映像・音声の出力開始、出力停止等)を行う(ステップS8)。
【0056】
また、ステップS5において、ネットワークリモートコントローラ3から赤外線信号が送信されたとき、コンセントタップ4の赤外線受信部51もこれを受信する(ステップS9)。続いて、コンセントタップ4の制御部57は、受信された赤外線信号に含まれるタップIDが自己のタップIDと一致するか否かを判断し(ステップS10)、一致する場合には、所定の待機時間待機する(ステップS11)。
【0057】
この待機時間は、ステップS5でネットワークリモートコントローラ3から送信された赤外線信号を受信してエアコンディショナ11が稼働を開始し、稼働を終了し、または設定温度の変更を行ったことにより、エアコン電源電流(エアコンディショナ11に供給される電流)が十分に変化し、エアコンディショナ11の近傍の温度または湿度が十分に変化するのにかかる時間である。この待機時間は例えば30秒である。この待機時間中、電流センサ52、温度センサ53および湿度センサ54による電流、温度および湿度の検出はいずれも行われない。
【0058】
上記待機時間が経過した後、コンセントタップ4において、電流センサ52が、エアコン電源電流を検出し、温度センサ53がエアコンディショナ11の近傍の温度を検出し、湿度センサ54が、エアコンディショナ11の近傍の湿度を検出する(ステップS12)。
【0059】
続いて、コンセントタップ4の制御部57が、ステップS5でネットワークリモートコントローラ3から赤外線信号が送信された後に、エアコン電源電流が変化したか否か、エアコンディショナ11の近傍の温度が変化したか否か、およびエアコンディショナ11の近傍の湿度が変化したか否かを判断する(ステップS13)。これらの判断は例えば次のように行われる。
【0060】
すなわち、コンセントタップ4において、制御部57の制御のもと、電流センサ52は、エアコン電源電流を所定の周期(例えば3分)で検出し、記憶部56は、電流センサ52により少なくとも最後に検出されたエアコン電源電流値を記憶する。このエアコン電源電流の周期的な検出および記憶は、遠隔操作システム1の稼働中、常時行われてる。また、電流センサ52は、赤外線受信部51がエアコンディショナ11を操作するための赤外線信号を受信したときには、上記所定の周期が到来したか否かに拘わらず、その時点から上記所定の待機時間待機した後、エアコン電源電流を検出する。続いて、制御部57は、赤外線信号の受信後に検出されたエアコン電源電流値と、この時点において記憶部56に記憶されているエアコン電源電流値とを比較し、この比較結果に基づき、エアコン電源電流値が変化したか否かを判断する。
【0061】
また、コンセントタップ4において、制御部57の制御のもと、温度センサ53は、所定の周期でエアコンディショナ11近傍の温度を検出し、記憶部56は、温度センサ53により少なくとも最後に検出された温度値を記憶する。この温度の周期的な検出および記憶は、遠隔操作システム1の稼働中、常時行われてる。また、温度センサ53は、赤外線受信部51がエアコンディショナ11を操作するための赤外線信号を受信したときには、上記所定の周期が到来したか否かに拘わらず、その時点から上記所定の待機時間待機した後に、エアコンディショナ11近傍の温度を検出する。続いて、制御部57は、赤外線信号の受信後に検出された温度値と、この時点において記憶部56に記憶されている温度値とを比較し、この比較結果に基づき、温度値が変化したか否かを判断する。
【0062】
また、コンセントタップ4において、湿度センサ54も温度センサ53と同様に動作する。そして、制御部57は、赤外線信号の受信後に湿度センサ54により検出された湿度値と、この時点において記憶部56に記憶されている湿度値とを比較し、この比較結果に基づき、湿度値が変化したか否かを判断する。
【0063】
続いて、コンセントタップ4の制御部57は、ステップS5で赤外線信号が送信された後にエアコン電源電流値が変化したか否かを示す電流変化情報(例えば1ビットの数値)と、ステップS5で赤外線信号が送信された後にエアコンディショナ11の近傍の温度が変化したか否かを示す温度変化情報(例えば1ビットの数値)と、ステップS5で赤外線信号が送信された後にエアコンディショナ11の近傍の湿度が変化したか否かを示す湿度変化情報(例えば1ビットの数値)とを生成し、これら電流変化情報、温度変化情報および湿度変化情報と、コンセントタップ4のタップIDとを含む検出結果信号を生成する(ステップS14)。
【0064】
続いて、コンセントタップ4の検出結果送信部55が、生成された検出結果信号を情報処理装置7へ送信する(ステップS15)。
【0065】
一方、ステップS5において、ネットワークリモートコントローラ3から赤外線信号が送信されたとき、コンセントタップ5の赤外線受信部51もこれを受信する(ステップS16)。続いて、コンセントタップ5の制御部57は、受信された赤外線信号に含まれるタップIDが自己のタップIDと一致するか否かを判断し(ステップS17)、一致する場合には、所定の待機時間待機する(ステップS18)。
【0066】
この待機時間は、ステップS5でネットワークリモートコントローラ3から送信された赤外線信号を受信して照明器12が点灯し、消灯し、または明るさの変更を行ったことにより、照明電源電流(照明器12に供給される電流)が十分に変化し、照明器12の近傍の照度が変化するのにかかる時間である。この待機時間は例えば5秒である。この待機時間中、電流センサ52および照度センサ58による電流および照度の検出はいずれも行われない。
【0067】
上記待機時間が経過した後、コンセントタップ5において、電流センサ52が、照明電源電流を検出し、照度センサ58が照明器12の近傍の照度を検出する(ステップS19)。
【0068】
続いて、コンセントタップ5の制御部57が、ステップS5でネットワークリモートコントローラ3から赤外線信号が送信された後に、照明電源電流が変化したか否か、および照明器12の近傍の照度が変化したか否かを判断する(ステップS20)。これらの判断方法は、コンセントタップ4におけるエアコン電源電流、温度、湿度の判断方法と同じである。
【0069】
すなわち、コンセントタップ5の制御部57は、赤外線信号の受信後に電流センサ52により検出された照度電源電流値と、この時点においてコンセントタップ5の記憶部56に記憶されている照度電源電流値とを比較し、この比較結果に基づき、照度電源電流値が変化したか否かを判断する。
【0070】
また、コンセントタップ5の制御部57は、赤外線信号の受信後に照度センサ58により検出された照度値と、この時点においてコンセントタップ5の記憶部56に記憶されている照度値とを比較し、この比較結果に基づき、照度値が変化したか否かを判断する。
【0071】
続いて、コンセントタップ5の制御部57は、ステップS5で赤外線信号が送信された後に照明電源電流値が変化したか否かを示す電流変化情報(例えば1ビットの数値)と、ステップS5で赤外線信号が送信された後に照明器12の近傍の照度が変化したか否かを示す照度変化情報(例えば1ビットの数値)とを生成し、これら電流変化情報および照度変化情報と、コンセントタップ5のタップIDとを含む検出結果信号を生成する(ステップS21)。
【0072】
続いて、コンセントタップ5の検出結果送信部55が、生成された検出結果信号を情報処理装置7へ送信する(ステップS22)。
【0073】
他方、ステップS5において、ネットワークリモートコントローラ3から赤外線信号が送信されたとき、コンセントタップ6の赤外線受信部51もこれを受信する(ステップS23)。続いて、コンセントタップ6の制御部57は、受信された赤外線信号に含まれるタップIDが自己のタップIDと一致するか否かを判断し(ステップS24)、一致する場合には、所定の待機時間待機する(ステップS25)。
【0074】
この待機時間は、テレビジョン装置13において、ステップS5でネットワークリモートコントローラ3から送信された赤外線信号を受信して映像・音声の出力を開始し、映像・音声の出力を停止し、または音量の変更を行ったことにより、テレビ電源電流(テレビジョン装置13に供給される電流)が十分に変化し、テレビジョン装置13から出力される音声の音量が変化するのにかかる時間である。この待機時間は例えば5秒である。この待機時間中、電流センサ52および音量センサ59による電流および音量の検出はいずれも行われない。
【0075】
上記待機時間が経過した後、コンセントタップ6において、電流センサ52が、テレビ電源電流を検出し、音量センサ59がテレビジョン装置13から出力される音声の音量を検出する(ステップS26)。
【0076】
続いて、コンセントタップ6の制御部57が、ステップS5でネットワークリモートコントローラ3から赤外線信号が送信された後に、テレビ電源電流が変化したか否か、およびテレビジョン装置13から出力される音声の音量が変化したか否かを判断する(ステップS27)。これらの判断方法は、コンセントタップ4におけるエアコン電源電流、温度、湿度の判断方法と同じである。
【0077】
すなわち、コンセントタップ6の制御部57は、赤外線信号の受信後に電流センサ52により検出されたテレビ電源電流値と、この時点においてコンセントタップ6の記憶部56に記憶されているテレビ電源電流値とを比較し、この比較結果に基づき、ステップS5で赤外線信号が送信された後にテレビ電源電流値が変化したか否かを判断する。
【0078】
また、コンセントタップ6の制御部57は、赤外線信号の受信後に音量センサ59により検出された音量値と、この時点においてコンセントタップ6の記憶部56に記憶されている音量値とを比較し、この比較結果に基づき、ステップS5で赤外線信号が送信された後に音量値が変化したか否かを判断する。
【0079】
続いて、コンセントタップ6の制御部57は、ステップS5で赤外線信号が送信された後にテレビ電源電流値が変化したか否かを示す電流変化情報(例えば1ビットの数値)と、ステップS5で赤外線信号が送信された後にテレビジョン装置13から出力される音声の音量が変化したか否かを示す音量変化情報(例えば1ビットの数値)とを生成し、これら電流変化情報および音量変化情報と、コンセントタップ6のタップIDとを含む検出結果信号を生成する(ステップS28)。
【0080】
続いて、コンセントタップ6の検出結果送信部55が、生成された検出結果信号を情報処理装置7へ送信する(ステップS29)。
【0081】
続いて、
図9に示すように、情報処理装置7の検出結果受信部41が、コンセントタップ4、5、6のいずれかから送信された検出結果信号を受信する(ステップS30)。
【0082】
続いて、情報処理装置7のCPU44は、ネットワークリモートコントローラ3から赤外線信号が送信された後の電気機器の動作を、受信した検出結果信号に基づいて判断する(ステップS31)。この判断方法は例えば次の通りである。
【0083】
情報処理装置7において、コンセントタップ4から送信された検出結果信号を検出結果受信部41が受信した場合、CPU44は、受信した検出結果信号に含まれるタップIDに基づき、当該検出結果信号がコンセントタップ4から送信されたものであることを認識する。続いて、CPU44は、受信した検出結果信号から電流変化情報、温度変化情報および湿度変化情報を読み取り、読み取った電流変化情報、温度変化情報および湿度変化情報に基づいて、エアコン電源電流値の変化の有無、エアコンディショナ11近傍の温度変化の有無、およびエアコンディショナ11近傍の湿度変化の有無を認識する。そして、CPU44は、これらの認識結果に基づいて、ネットワークリモートコントローラ3から赤外線信号が送信された後のエアコンディショナ11の動作を例えば次のように判断する。すなわち、エアコン電源電流が変化した場合であって、かつ温度と湿度とのうちの一方または双方が変化した場合には、ネットワークリモートコントローラ3から赤外線信号が送信された後に、エアコンディショナ11が稼働を開始し、稼働を停止し、または設定温度の変更を行ったと判断する。それ以外の場合には、ネットワークリモートコントローラ3から赤外線信号が送信された後に、エアコンディショナ11は稼働開始も稼働停止も設定温度の変更も行わなかったと判断する。
【0084】
一方、情報処理装置7において、コンセントタップ5から送信された検出結果信号を検出結果受信部41が受信した場合、情報処理装置7のCPU44は、受信した検出結果信号に含まれるタップIDに基づき、当該検出結果信号がコンセントタップ5から送信されたものであることを認識する。続いて、CPU44は、受信した検出結果信号から電流変化情報および照度変化情報を読み取り、読み取った電流変化情報および照度変化情報に基づいて、照明電源電流値の変化の有無、および照明器12近傍の照度変化の有無を認識する。そして、CPU44は、これらの認識結果に基づいて、ネットワークリモートコントローラ3から赤外線信号が送信された後の照明器12の動作を例えば次のように判断する。すなわち、照明電源電流が変化し、かつ照度が変化した場合には、ネットワークリモートコントローラ3から赤外線信号が送信された後に、照明器12が点灯を開始し、点灯を停止(消灯)し、または明るさの変更を行ったと判断する。それ以外の場合には、ネットワークリモートコントローラ3から赤外線信号が送信された後に、照明器12は点灯開始も点灯停止(消灯)も明るさの変更も行わなかったと判断する。
【0085】
他方、コンセントタップ6から送信された検出結果信号を検出結果受信部41が受信した場合、情報処理装置7のCPU44は、受信した検出結果信号に含まれるタップIDに基づき、当該検出結果信号がコンセントタップ6から送信されたものであることを認識する。続いて、CPU44は、受信した検出結果信号から電流変化情報および音量変化情報を読み取り、読み取った電流変化情報および音量変化情報に基づいて、テレビ電源電流値の変化の有無、およびテレビジョン装置13から出力された音声の音量変化の有無を認識する。そして、CPU44は、これらの認識結果に基づいて、ネットワークリモートコントローラ3から赤外線信号が送信された後のテレビジョン装置13の動作を例えば次のように判断する。すなわち、テレビ電源電流が変化し、かつ音量が変化した場合には、ネットワークリモートコントローラ3から赤外線信号が送信された後に、テレビジョン装置13において映像・音声の出力が開始され、映像・音声の出力が停止し、音量の変更が行われたと判断する。それ以外の場合には、ネットワークリモートコントローラ3から赤外線信号が送信された後に、テレビジョン装置13において映像・音声の出力開始も、映像・音声の出力停止も、音量の変更も行われなかったと判断する。
【0086】
続いて、情報処理装置7のCPU44は、ステップS30で受信した検出結果信号に含まれるタップIDに関連づけられた機種コードと、ネットワークリモートコントローラ3から赤外線信号が送信された後の電気機器の動作を示す動作情報とを含む判断結果信号を生成する(ステップS32)。
【0087】
続いて、情報処理装置7の判断結果送信部42が、生成された判断結果信号を端末装置2へ送信する(ステップS33)。
【0088】
続いて、端末装置2の通信部24が、情報処理装置7から送信された判断結果信号を受信する(ステップS34)。続いて、端末装置2のCPU26は、受信した判断結果信号に含まれる機種コードおよび動作情報により、操作対象となった電気機器、および当該電気機器の動作を認識し、操作対象となった電気機器およびその動作を示す情報をパネル部21(電気機器動作表示画面)に表示する(ステップS35)。
図10(3)の画面93は、端末装置2のパネル部21に形成された電気機器動作表示画面の一例を示している。
【0089】
以上説明した通り、本発明の第1の実施形態による遠隔操作システム1によれば、ユーザは、端末装置2を用いて電気機器の遠隔操作するための操作入力をした後、端末装置2のパネル部21(電気機器動作表示画面)を見ることにより、電気機器の動作を直ちに確認することができる。これにより、ユーザは、遠隔操作の結果を直ちに知ることができる。例えば、ユーザは、屋外から端末装置2を操作して屋内にあるエアコンディショナ11、照明器12またはテレビジョン装置13を遠隔操作した場合、この遠隔操作により、エアコンディショナ11が確かに稼働を開始したか、照明器12が確かに点灯したか、あるいはテレビジョン装置13における映像および音声の出力が確かに開始されたか等をその場で直ちに知ることができる。このように、ユーザは、端末装置2による電気機器の操作が成功したか否か、あるいは自己が行った操作により電気機器が自己の意図した通りに動作したか否かを直ちに知ることができるので、十分な安心感や満足感を得ることができる。
【0090】
また、コンセントタップ4、5、6によれば、赤外線信号が送信された後の電気機器の動作を検出することができ、コンセントタップ4、5、6を適用することにより、赤外線信号が送信された後の電気機器の動作をユーザに直ちに確認させることができるといった上記作用効果を奏する遠隔操作システム1を実現することができる。
【0091】
(第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態につき説明する。本発明の第2の実施形態による遠隔操作システムの特徴は、赤外線受信部を、コンセントタップではなく、情報処理装置に設けた点にある。
【0092】
図11ないし
図13は、本発明の第2の実施形態におけるコンセントタップの構成を示している。また、
図14は、本発明の第2の実施形態における情報処理装置の構成を示している。
図11ないし
図13に示すコンセントタップ71、72、73において、
図4ないし
図6に示すコンセントタップ4、5、6と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。また、
図14に示す情報処理装置74において、
図7に示す情報処理装置7と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0093】
図11ないし
図13に示すコンセントタップ71、72、73はそれぞれ、
図4ないし
図6に示すコンセントタップ4、5、6と異なり、赤外線受信部51を有しておらず、その代わりに、検出指令受信手段としての検出指令受信部75を有している。コンセントタップ71、72、73のその余の構成は、コンセントタップ4、5、6と同じである。
【0094】
検出指令受信部75は、情報処理装置74から送信される検出指令を受信する回路である。検出指令受信部75と情報処理装置74とは例えば無線LANを介して接続されている。なお、検出指令受信部75と情報処理装置74との間の通信手段は、無線LANに限らず、有線LANでもよいし、電力線通信でもよい。
【0095】
図14に示す情報処理装置74は、
図7に示す情報処理装置7の構成要素に加え、操作信号受信手段としての赤外線受信部76、および検出指令送信手段としての検出指令送信部77を備えている。赤外線受信部76は、ネットワークリモートコントローラ3から送信される赤外線信号を受信する回路である。赤外線受信部76は赤外線受光素子を有している。検出指令送信部77は、各コンセントタップ71、72、73に検出指令を送信する回路である。検出指令送信部77と各コンセントタップ71、72、73とは例えば無線LAN(または有線LAN、あるいは電力線通信等)を介して接続されている。
【0096】
検出指令は、コンセントタップ71、72、73のうちのいずれか1つのコンセントタップにおける検出開始を指示する指令である。検出指令には例えば予め決められた指令コードが含まれている。コンセントタップ71が自己のタップIDが含まれた検出指令を受信した場合には、エアコン電源電流、温度および湿度の検出を開始する。コンセントタップ72が自己のタップIDが含まれた検出指令を受信した場合には、照度電源電流および照度の検出を開始する。コンセントタップ73が自己のタップIDが含まれた検出指令を受信した場合には、テレビ電源電流および音量の検出を開始する。
【0097】
図15および
図9は、本発明の第2の実施形態による遠隔操作システムの動作を示している。本発明の第2の実施形態による遠隔操作システムの動作は、
図8に示す本発明の第1の実施形態による遠隔操作システムの動作と比較し、ステップS41〜S45が異なる。以下、ステップS41〜S45を中心に説明する。
【0098】
図15中のステップS5において、ネットワークリモートコントローラ3は、端末装置2から送信された操作指令に対応する赤外線信号を送信する。この赤外線信号は、エアコンディショナ11、照明器12、テレビジョン装置13および情報処理装置74にそれぞれ到達する。
【0099】
情報処理装置74の赤外線受信部76は、この赤外線信号を受信する(ステップS41)。続いて、情報処理装置74のCPU44は、受信した赤外線信号に含まれるタップIDを読み取る。続いて、情報処理装置74の検出指令送信部77は、コンセントタップ71、72、73のうち、受信した赤外線信号から読み取ったタップIDが示すコンセントタップに検出指令を送信する(ステップS42)。
【0100】
情報処理装置74から送信された検出指令をコンセントタップ71の検出指令受信部75が受信した場合には(ステップS43:YES)、コンセントタップ71は、
図15中のステップS11ないしS15の処理を行う。
【0101】
情報処理装置74から送信された検出指令をコンセントタップ72の検出指令受信部75が受信した場合には(ステップS44:YES)、コンセントタップ72は、
図15中のステップS18ないしS22の処理を行う。
【0102】
情報処理装置74から送信された検出指令をコンセントタップ73の検出指令受信部75が受信した場合には(ステップS45:YES)、コンセントタップ73は、
図15中のステップS25ないしS29の処理を行う。
【0103】
これ以降の処理は、
図9に示す本発明の第1の実施形態による遠隔操作システム1における処理と同じである。
【0104】
このように、本発明の第2の実施形態による遠隔操作システムによっても、本発明の第1の実施形態による遠隔操作システム1とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本発明の第2の実施形態による遠隔操作システムによれば、赤外線受信部をコンセントタップにそれぞれ設けるのではなく、情報処理装置74に設けるので、いずれかのコンセントタップが赤外線信号の届きにくい場所に置かれている場合であっても、情報処理装置74を赤外線信号の届く場所に置けば、遠隔操作システムを支障なく動作させることができる。
【0105】
なお、上述した第1の実施形態による遠隔操作システム1における情報処理装置7の構成要素をネットワークリモートコントローラ3に組み込み、情報処理装置7とネットワークリモートコントローラ3とを一体化してもよい。同様に、上述した第2の実施形態による遠隔操作システムにおける情報処理装置74の構成要素をネットワークリモートコントローラ3に組み込み、情報処理装置74とネットワークリモートコントローラ3とを一体化してもよい。情報処理装置74の構成要素が組み込まれたネットワークリモートコントローラ3において、操作指令受信部31により受信した操作指令から直接的に検出指令を生成することができるようにすれば、赤外線受信部76を設ける必要がなくなる。
【0106】
また、上述した各実施形態では、コンセントタップ4、5、6(71、72、73)では、それぞれの電流センサ52の検出結果等に基づいてエアコン電源電流、照明電源電流、テレビジョン電源電流が変化したか否かを判断する場合を例にあげたが、本発明はこれに限らない。コンセントタップ4、5、6(71、72、73)において、それぞれの電流センサ52の検出結果等に基づいてエアコン電源電流、照明電源電流、テレビジョン電源電流が増加したか、減少したか、変化しなかったかを判断してもよく、さらには、増加・減少の程度を判断してもよい。この場合、コンセントタップ4、5、6(71、72、73)は、エアコン電源電流、照明電源電流、テレビジョン電源電流の増加、減少、不変、増加の程度、減少の程度を示した電流変化情報を生成し、このような電流変化情報を含んだ検出結果信号を情報処理装置7(74)に送信する。これにより、情報処理装置7(74)では、検出結果信号に基づき、赤外線信号送信後の電気機器の動作をきめ細かく判断することができ、このようなきめ細かい判断結果を反映した動作情報を端末装置2に送信することにより、電気機器の動作についての詳細な情報をユーザに提供することができる。
【0107】
また、上述した各実施形態では、赤外線信号の送信に応じて電気機器が動作した場合(遠隔操作が成功した場合)でも、赤外線信号が送信されたにも拘わらず電気機器が動作しなかった場合(遠隔操作が失敗した場合)でも、情報処理装置7(74)から端末装置2へ電気機器の動作(動作をしなかった場合を含む)を示す動作情報を含む判断結果信号を送信する場合を例にあげたが(
図9中のステップS33)、本発明はこれに限らない。情報処理装置7(74)における判断の結果、赤外線信号が送信されたにも拘わらず電気機器が動作しなかった場合に限り、遠隔操作失敗を示す予め設定された情報を含む判断結果信号を端末装置2へ送信してもよい。この場合、ユーザは、遠隔操作が失敗したときに限り、その旨が通知されるので、確認作業の頻度が減り、確認作業を効率よく行うことができる。
【0108】
また、上述した各実施形態において、コンセントタップ4、5、6(71、72、73)に設けるセンサの個数または種類は適宜変更することができる。例えば、各コンセントタップ4、5、6(71、72、73)に設けるセンサを電流センサ52のみとしてもよいし、コンセントタップ4(71)に設けるセンサを電流センサ52および温度センサ53のみにしてもよいし、コンセントタップ5(72)に設けるセンサを照度センサ58のみとしてもよい。もっとも、上述した各実施形態で述べたような3個または2個のセンサを各コンセントタップ4、5、6(71、72、73)に設けることにより、エアコンディショナ11、照明器12、テレビジョン装置13といった性質が互いに異なる複数の電気機器のそれぞれにつき、赤外線信号が送信された後の動作を高精度に判断することができる。また、コンセントタップ4、5、6(71、72、73)のいずれかのコンセントタップまたはこれらすべてのコンセントタップに、電気機器の動作を検出するための他のセンサをさらに追加してもよい。
【0109】
また、上述した各実施形態では、電源接続装置としてコンセントタップ4、5、6(71、72、73)を例にあげたが、本発明はこれに限らない。電源接続装置はテーブルタップ、マルチタップまたはコンセントでもよい。また、現在、LANケーブルやUSBケーブル等のデータ線を介して電気機器に電力を供給する技術の開発が進められているが、このような技術を採用する場合には、電源接続装置はハブでもよい。
【0110】
また、上述した各実施形態では、ネットワークリモートコントローラ3が送信する無線の操作信号として赤外線信号を例にあげたが、本発明はこれに限らない。当該操作信号は、赤外線の有する波長以外の波長を有する電磁波でもよく、または超音波でもよい。もっとも、現在、赤外線信号の受信による遠隔操作機能を有する多くの電気機器が普及しているので、上記操作信号を赤外線信号とすることにより、本発明の遠隔操作システムを既存の電気機器に広く適用することが可能になる。
【0111】
また、上述した各実施形態では、被操作装置としての電気機器として、エアコンディショナ11、照明器12、テレビジョン装置13を例にあげたが、本発明は、炊飯器、洗濯機、加湿器等の他の電気機器に対しても適用することができる。
【0112】
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う遠隔操作システムおよび電源接続装置もまた本発明の技術思想に含まれる。