(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記関連付けられた垂直方向相対静止体は、垂直方向において相対的に静止した中立浮力ピストンを備え、前記圧縮機シリンダは、前記浮揚体とともに垂直方向に沿って移動するように取り付けられており、前記圧縮機ピストンは、前記垂直方向において相対的に静止した中立浮力ピストンに取り付けられる請求項1に記載の波エネルギ発電システム。
前記圧縮機シリンダは、水の表面上における垂直方向に沿った波の運動に応じて垂直方向に沿って移動するように浮揚体に取り付けられており、前記圧縮機ピストンは、それに関連付けられ、かつ垂直方向において相対的に静止した中立浮力ピストンに取り付けられる請求項4に記載の波エネルギ発電システム。
前記関連付けられた垂直方向相対静止体は、陸上又は汀線土台を有し、前記圧縮機シリンダは、前記陸上又は汀線土台に取り付けられ、前記圧縮機ピストンは、水域の表面の垂直方向に沿った運動に応じて移動する前記浮揚体に取り付けられる請求項1に記載の波エネルギ発電システム。
前記浮揚体は、水の表面の往復動に応じて加圧される閉鎖加圧空気柱上に配設され、前記波エネルギ発電システムは、前記閉鎖加圧空気柱に連通した空気処理装置であって、前記閉鎖加圧空気柱内の空気の質量を増減させて、潮汐の変化に伴う前記浮揚体の基準線位置を調節するように構成された前記空気処理装置をさらに備える請求項7に記載の波エネルギ発電システム。
前記浮揚体は、水の表面の往復動に応じて加圧される閉鎖加圧空気柱上に配設され、前記波エネルギ発電システムは、前記閉鎖加圧空気柱に連通した空気処理装置であって、前記閉鎖加圧空気柱内の空気の質量を調節して、潮汐の変化に伴う前記浮揚体の基準線位置を調節するように構成された前記空気処理装置をさらに備える請求項14に記載の波エネルギ発電システム。
水の表面上における垂直方向に沿った波の運動に応じて移動する浮揚体及びそれに関連付けられ、かつ垂直方向において相対的に静止した中立浮力ピストンと、作動用の圧縮機と、圧力調整機と、衝撃空気タービン及び発電機の組合体とを備える波エネルギ発電システムであって、
前記圧縮機は、
前記浮揚体とともに垂直方向に沿って移動するように取り付けられた圧縮機シリンダと、
前記相対的に静止した中立浮力ピストンに取り付けられた圧縮機ピストンと、
対向する空気圧縮チャンバ内の空気を交互に圧縮するように、前記圧縮機シリンダに対する前記圧縮機ピストンの、摩擦を伴わない往復動を可能にするために、前記圧縮機ピストン、及び該圧縮機ピストンに対向する前記圧縮機シリンダの壁の間に延在する一対の転動型ダイアフラムとを備え、
前記圧力調整機は、
前記対向する空気圧縮チャンバの各々から圧縮空気を交互に受け取るように、前記圧縮機シリンダに連通する調整機チャンバを画定する圧力調整機タンクと、
前記圧力調整機タンク内に配設され、かつ、前記調整機チャンバ内に受け入れられた圧縮空気に圧力を印加するように取り付けられた浮揚ピストンと、
一定の圧力における圧縮空気の連続的な流れを出力するために、前記調整機チャンバ内の圧縮空気に対して前記浮揚ピストンによって印加される圧力を制御するために前記浮揚ピストンに接続された圧力コントローラ、及び前記浮揚ピストンの垂直方向に沿った振動を制限するために前記浮揚ピストンに接続された液圧式減衰システムと、
前記圧力調整機タンクに対する前記浮揚ピストンの、摩擦を伴わない往復動を可能にするために、前記浮揚ピストン、及び該浮揚ピストンに対向する前記圧力調整機タンクの壁の間に延在する一対の転動型ダイアフラムとを備え、
前記衝撃空気タービン及び発電機の組合体は、前記圧力調整機からの前記圧縮空気の流れの出力を受け取って前記衝撃空気タービンを回転させて、発電するための前記発電機を駆動するように、前記圧力調整機に連通して配設される波エネルギ発電システム。
前記圧縮機ピストンと、該圧縮機ピストンに対向する前記圧縮機シリンダの壁との間に延在する前記一対の転動型ダイアフラムは、閉鎖圧縮機領域を画定し、前記波エネルギ発電システムは、前記閉鎖圧縮機領域に連通した真空ポンプをさらに備える請求項2又は20に記載の波エネルギ発電システム。
前記浮揚ピストンと、該浮揚ピストンに対向する前記調整機タンクの壁との間に延在する前記一対の転動型ダイアフラムは、閉鎖調整機領域を画定し、前記波エネルギ発電システムは、前記閉鎖調整機領域に連通した真空ポンプをさらに備える請求項2又は20に記載の波エネルギ発電システム。
前記液圧式減衰システムは、前記浮揚ピストンに連結された複動ピストンを備え、前記複動ピストンは、前記調整機チャンバ内での前記浮揚ピストンの垂直方向に沿った速度に応じて、前記複動ピストンの各側に対する液圧流体の流量を制御して、前記浮揚ピストンの垂直方向に沿った振動を制限する請求項1又は20に記載の波エネルギ発電システム。
前記圧縮機ピストンは、中央ロッド上において前記圧縮機シリンダに取り付けられ、前記中央ロッドは、前記圧縮機ピストンと前記圧縮機シリンダとの間の相対的な回転を防止するために、前記圧縮機ピストンの一方側において、対応する正方形アパチャ内に係合する正方形断面部分を備える請求項1又は20に記載の波エネルギ発電システム。
前記浮揚ピストンは、中央ロッド上において前記調整機タンクに取り付けられ、前記中央ロッドは、前記浮揚ピストンと前記調整機タンクとの間の相対的な回転を防止するために、前記浮揚ピストンの少なくとも一方側において、対応する正方形アパチャ内に係合する正方形断面部分を備える請求項1又は20に記載の波エネルギ発電システム。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の波エネルギ発電システムの概略図である。
【
図2】
図1の発電システムの空気圧縮機の概略的な側面図であり、ピストンが、シリンダに対して垂直方向に沿って移動するように中央ロッドに取り付けられており、かつ、ピストン及びシリンダは、減圧された転動型ダイアフラムにより、ともに封止されていることを示す図である。
【
図3】
図2の空気圧縮機の側部断面図であり、圧縮機シリンダに対するピストンの回転運動を防止するための正方形のシャフトと正方形のオリフィスとの相互係合状態を示す図である。
【
図3A】
図2の空気圧縮機の断面を示す平面図であり、圧縮機シリンダに対するピストンの回転運動を防止するための正方形のシャフトと正方形のオリフィスとの相互係合状態を示す図である。
【
図4】圧縮機の容積内においてピストンとシリンダとの間に延在する上部転動型ダイアフラムの内側リムをピストンに取り付けるための代替的なクランプ構成の側部断面図である。
【
図5】圧縮機の容積内においてピストンとシリンダとの間に延在する上部転動型ダイアフラムの内側リムをピストンに取り付けるための代替的なクランプ構成の側部断面図である。
【
図6】圧縮機の容積内においてピストンとシリンダとの間に延在する上部転動型ダイアフラムの外側リムをシリンダに取り付けるためのクランプ構成の側部断面図である。
【
図7】上部及び下部転動型ダイアフラムによって画定されたピストンとシリンダとの間の領域を減圧するためのシリンダ壁を貫通した負圧吸入口の側部断面図である。
【
図8】転動型ダイアフラムの上部または外側リム、及び下部または内側リムの半径寸法の計算例を示す図である。
【
図9】
図1の発電システムの圧力調整機の側部断面図であり、調整機タンクに対する浮揚ピストンの回転運動を防止するための正方形のシャフトと正方形のオリフィスとの相互係合状態を示す図である。
【
図9A】
図1の発電システムの圧力調整機の断面を示す平面図であり、調整機タンクに対する浮揚ピストンの回転運動を防止するための正方形のシャフトと正方形のオリフィスとの相互係合状態を示す図である。
【
図9B】タンク壁を貫通した負圧吸入口の側部断面図である。
【
図10】本開示の別の波エネルギ発電システムの汀線設備の概略的な側部断面図である。
【
図11】
図10の波エネルギ発電システムの汀線設置の複数の要素の拡張可能な構成の概略的な平面図である。
【
図12】代替的な液体封止構成及び潮汐調節メカニズムを装備した
図10の波エネルギ発電システムの汀線設備における別の実施例の空気圧縮機の概略的な側面図である。
【
図12B】
図12の空気圧縮機の圧縮機上部チャンバ要素の平面図である。
【
図12C】
図12の空気圧縮機の圧縮機上部チャンバ要素の底面図である。
【
図12D】
図12の空気圧縮機の圧縮機中間ピストン要素の平面図である。
【
図12E】
図12の空気圧縮機の圧縮機中間ピストン要素の底面図である。
【
図12F】
図12の空気圧縮機の圧縮機基部チャンバ要素の平面図である。
【
図12G】
図12の空気圧縮機の圧縮機基部チャンバ要素の底面図である。
【
図13】浮揚タンクの形態における代替的な潮汐調節メカニズムを装備した
図10の波エネルギ発電システムの汀線設備における更に別の実施例の空気圧縮機の概略的な側面図である。
【
図14】空気圧力によって上昇及び降下する中立浮力ピストンの形態における代替的な潮汐調節メカニズムを装備し、かつ、
図12及び
図12Aの代替的な液体封止構成を用いる
図10の波エネルギ発電システムの汀線設備における別の実施例の空気圧縮機アセンブリの概略的な側面図である。
【
図14A】別の代替的な液体封止構成を用いる
図14の波エネルギ発電システムの汀線設備における一実施例の空気圧縮機アセンブリの概略的な側部断面図である。
【
図15】
図14の波エネルギ発電システムの汀線設備における別の実施例の概略的な側面図である。
【
図15A】
図15の代表的な空気圧縮機及び潮汐調節メカニズムアセンブリのための計算例を示す。
【
図15B】
図15の代表的な空気圧縮機及び潮汐調節メカニズムアセンブリのための計算例を示す。
【
図15C】
図15の代表的な空気圧縮機及び潮汐調節メカニズムアセンブリのための計算例を示す。
【
図15D】
図15の代表的な空気圧縮機及び潮汐調節メカニズムアセンブリのための計算例を示す。
【
図15E】
図15の代表的な空気圧縮機及び潮汐調節メカニズムアセンブリのための計算例を示す。
【
図15F】
図15の代表的な空気圧縮機及び潮汐調節メカニズムアセンブリのための計算例を示す。
【
図15G】
図15の代表的な空気圧縮機及び潮汐調節メカニズムアセンブリのための計算例を示す。
【
図15H】
図15の代表的な空気圧縮機及び潮汐調節メカニズムアセンブリのための計算例を示す。
【
図16】圧縮機シリンダからの空気の流れおよび圧縮シリンダへの空気の流れのための導管を有する
図1の発電システムの空気圧縮機の別の実施例の側部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
様々な図面における類似の参照符号は、類似の要素を示す。
図1以下を参照すると、本開示の波エネルギ発電システム10は、海底Sに係留され、かつ例えば、約15フィート(4.57メートル)の直径Dを有する大型の浮揚ブイ12を具備する。円筒形の壁14が、ブイ12の下方に延在して、ブイ12に密着したチャンバ16を画定している。このチャンバ壁は、中立浮力ピストン20の上方及び下方に複数の開放式水流オリフィス18を画定しており、中立浮力ピストンは、垂直方向において相対的に静止した位置において狭いプラグオリフィス22の領域内に配置されている。
【0012】
浮揚ブイ12の上部本体部分24は、チャンバ26を画定しており、このチャンバの内部には、波エネルギを変換して発電するシステム10の部品が配設されており、該部品には、空気圧縮機28、圧力調整機30、閉鎖空気リザーバ32、衝撃空気タービン及び発電機の組合体34が含まれている。
【0013】
簡潔には、海洋表面の波Wの運動は、中立浮力ピストン20が垂直方向において相対的に静止した状態に維持されている状況で、浮揚ブイ12を上昇及び下降させる。空気圧縮機28は、閉鎖タンク即ちシリンダ36を具備しており、この閉鎖タンク即ちシリンダは、チャンバ26内において浮揚ブイ12に固定して取り付けられており、この閉鎖タンク即ちシリンダも、海洋の波の運動に応じて、浮揚ブイの移動とともに、上昇及び下降する。シリンダ36は、圧縮機チャンバ38を画定しており、この圧縮機チャンバの内部には、圧縮機ピストン40が配設されている。圧縮機ピストンは、中央ロッド42に取り付けられており、この中央ロッドは、その下端部において、垂直方向において相対的に静止した状態に(即ち、浮揚ブイ及び圧縮機シリンダの上昇及び下降する波の運動とは相反した状態に)維持される中立浮力ピストン20に連結されている。
【0014】
図2、
図3、及び
図3Aを参照すると、中央ロッド42は、気密状態を提供するように、その上端部43において、シリンダ36の上部の閉鎖管44内に受け入れられている。ロッド端部43及び管44は、いずれも、断面が正方形であってよく、これにより、シリンダ36に対するピストン40の回転が防止される。中央ロッド42の下端45は、シリンダ36の底部において管46を通って延在している。この下部管46は、開口しているが、水密及び気密の状態が提供される。一実施例においては、本システムが、例えば、穏やかな状態にあるなど休止状態にある際には、圧縮機ピストン40は、例えば、4フィート6インチ(1.37m)の垂直方向に沿った高さH
Pを有するとともに、圧縮機シリンダ36の上端及び下端から、それぞれ、例えば、4フィート(1.22m)の垂直方向に沿った間隙H
Cを有し、圧縮機チャンバは、例えば、12フィート6インチ(3.81m)の高さH
Tを有している。悪天候等の際のシリンダ36の上端及び下端との圧縮機ピストン40の望ましくない衝突を防止するために、液圧緩衝装置(図示せず)が設けられても良い。
【0015】
圧縮機シリンダチャンバ38に対する圧縮機ピストン40の移動、即ち、圧縮機チャンバ内における圧縮機ピストンの垂直方向に沿った往復動は、圧縮機シリンダ36のチャンバ38の上部チャンバ部分38A及び下部チャンバ部分38B内に収容されている空気の体積を交互に圧縮する。圧縮されたチャンバ部分内の空気は、圧縮空気導管48を介し、(例えば、+3インチ(+7.6cm)WC(約+747Pa)のクラッキング圧力を有する)逆止弁50又は51を通じて、圧力調整機タンク60の下部チャンバ56内に供給される。同時に、閉鎖空気リザーバ32の可撓性の空気袋124からの空気と、衝撃空気タービン及び発電機の組合体34の衝撃空気タービン62から空気ポンプ58によってポンプ供給される使用済みの空気との少なくとも一方が、空気吸入導管52を介し、(この場合にも、例えば、+3インチ(+7.6cm)WC(約+747Pa)のクラッキング圧力を有する)逆止弁53又は54を通じて、圧縮機シリンダ36の対向するチャンバ部分内に供給される。
【0016】
図2及び
図4〜
図6を参照すると、それぞれ、例えば、0.035インチ(0.9mm)の厚さのウレタンから製造された可撓性の上部及び下部転動型ダイアフラム64、66が、圧縮機ピストン40と圧縮機シリンダ36の壁37との間に延在するように取り付けられている。例えば、
図4及び
図5を参照すると、第1の実施例においては、可撓性の転動型ダイアフラム64の内側すなわち下部リム78は、ピストン40の上部壁表面に画定された切欠き80内に係合し、かつ、ボルト84(その1つが図示されている)によってクランプリング82と共に固定されている。
図5に示される別の実施例においては、可撓性の転動型ダイアフラム64の内側すなわち下部リム78は、ボルト90(この場合にも、その1つが図示されている)によってピストンの表面に固定されたクランプリング86、88の間に係合している。
図6においては、可撓性の転動型ダイアフラム64の外側すなわち上部リム79は、圧縮機シリンダ36の壁に固定されたアクセスプレート140によって画定された凹部内において、ボルト138(この場合にも、その1つが図示されている)によって固定されたクランプリング134、136の間に係合している。
図2を再度参照すると、これらのクランプリング、他のクランプリング、又は適切に設計され、かつ適切に作用する類似の要素92を利用して、それぞれ、圧縮機ピストン40及び圧縮機シリンダ36との封止された係合状態において、可撓性の上部及び下部転動型ダイアフラム64、66の内側または下部リム78及び外側または上部リム79を固定可能である。可撓性の転動型ダイアフラムの外側または上部リムは、例えば、
図2に示される場所以外の場所において圧縮機シリンダに固定されても良い。
【0017】
このようにして、可撓性の転動型ダイアフラム64、66は、圧力を損失することなく、シリンダ36内において効率的で、ほとんど摩擦を伴わないピストン40の往復動を可能にする。封止領域68が、シリンダ36の壁37及び壁37に対向するピストン40の表面の間において可撓性のダイアフラムによって画定され、封止領域68は、導管72を通じ、かつ次に、負圧ポート74(
図7)及び圧縮機シリンダ36の壁37の負圧分散プレート76(
図3)を通じて作用する真空ポンプ70によって−6インチ(−15.2cm)WC(約−1495Pa)に維持され、封止領域68は、吸入行程における転動型ダイアフラムの潰れを防止するように作用する。この事実は、例えば、海が穏やかである際にシステムの空気圧力が大気条件まで降下した際などにも、封止形状を維持する。可撓性の転動型ダイアフラム64、66を使用することにより、厳密な寸法公差に従って表面を機械加工する必要性もなくなる。例えば、圧縮機28(並びに、圧力調整機30)の表面及び公差は、類似した寸法の地上貯蔵タンクを製造する際に一般に生産されるものでよく、かつ、圧縮機シリンダ36とピストン40の対向する表面との間に、例えば、2インチ(5.1cm)の負圧空間の間隙C(
図4)が維持され得る。
図8において、転動型ダイアフラムの内側(又は、下部)リム78及び外側(又は、上部)リム79の半径寸法の計算例が示されている。
【0018】
次に、
図1、
図9、及び
図9Aを参照すると、調整機タンク60内において垂直ロッド98上に浮揚ピストン即ちルーフピストン94が取り付けられており、圧縮機28からの圧縮空気は、圧力調整機タンク60の下部チャンバ56内において、浮揚ピストン即ちルーフピストン94によって加圧状態に維持される。ピストン94は、ロッドに対して固定状態で取り付けられており、これにより、ピストン94とロッド98との間の任意の隙間を通って下部チャンバから圧縮空気が漏洩することが防止される。垂直ロッドは、上部及び下部の軸受支持部及び滑り軸受96により、調整機タンクに対して支持されている。調整機タンクの下部チャンバ内の圧力レベルは、可変容積の水バラストタンク100内の水の量、即ち、重量の調節によって制御され、水は、水の導管104及びホース106(このホースは、浮揚ピストン94の垂直方向に沿った移動に対応するように、コイル状になった状態において示されている)を通じて水ポンプ102によって、ピストン94に供給されるか、ピストン94から除去され、これにより、比較的一定の圧力下において圧縮空気の連続的な流れが出力されるように促進される。
【0019】
浮揚ピストンは、浮揚ブイ12が波の運動に起因して前後に揺動することに伴うバラストタンク100内における水のスロッシングを抑制するように、内部にバッフル(図示せず)を備えている。この構成は、不均一な下向きの力が浮揚ピストン94の滑り軸受支持部96の性能に悪影響を与えないようにするために有用である。圧縮機28と同様に、例えば、上端などの垂直ロッド98の一端と、調整機タンク(
図9B)の上部に画定された対応する受け入れアパチャ99との断面は、いずれも、正方形であり、これにより、調整機タンク60に対する浮揚ピストン94の回転が防止される。
【0020】
浮揚ピストン94の望ましくない垂直方向に沿った振動を制限すると共に、比較的一定の圧力における圧縮空気の連続的な流れの出力を維持する液圧減衰システム105は、複動ピストン107を含む。複動ピストンは、浮揚ピストンと連結されており、浮揚ピストンの垂直方向に沿った速度に応じて、複動ピストン107の各側に対する液圧流体の流量を制御する。この構成も、比較的一定の圧力において圧縮空気の連続した流れが出力されるように促進する。
【0021】
図9、
図9A、
図9Bを参照すると、空気圧縮機28と同様に、可撓性の転動型ダイアフラム108、110により、浮揚ピストン94と、浮揚ピストン94に対向する圧力調整機タンク60の壁との間に、有効かつ効率的な封止が維持され、転動型ダイアフラム108、110は、圧力を損失することなく、調整機タンク60内におけるピストン94の効率的で、ほとんど摩擦を伴わない往復動を可能にする。シリンダ60の壁と、該壁に対向するピストン94の表面との間において、可撓性のダイアフラム108、110によって画定された封止領域112は、真空ポンプ70により−6インチ(−15.2cm)WC(約−1495Pa)に維持され、真空ポンプ70は、導管72を通じて作用すると共に、その後に、負圧ポート114(
図9B)及び調整機タンク60の壁の負圧分散プレート116(
図9)を通じて作用する。負圧状態における動作は、ピストンの移動の際の転動型ダイアフラム封止部の潰れを防止するように作用し、かつ、例えば、海が穏やかである際などのシステムの空気圧力が大気条件まで降下した際などにも、封止形状を維持する。前述のように、可撓性の転動型ダイアフラム108、110を使用することにより、表面及び公差が、類似した寸法の地上貯蔵タンクの製造の際に通常生産されるものでよいことから、厳密な寸法公差に従って表面を機械加工する必要もなくなる。
【0022】
圧力調整機タンク60の上部チャンバ118は、導管119により、閉鎖空気リザーバ32の可撓性の空気袋124を有する閉鎖空気系領域132に接続されている。この構成により、チャンバ118に流出入する空気の流れは、タンクの上部チャンバにおいて周辺圧力を維持しつつ、調整機タンク60内における浮揚ピストン94の垂直方向に沿った移動に適応可能である。
【0023】
圧縮機28からの圧縮空気の出力は、圧縮機ピストン40が波の運動に伴って方向を反転させるたびにゼロになるが、圧力調整機30は、圧力調整機タンク60の下部チャンバ56から一定圧力の圧縮空気の連続的な流れを供給して、衝撃空気タービン及び発電機の組合体34の衝撃空気タービン62を回転駆動し、それによって、適切な海底ケーブル(図示せず)で陸上の電力網に供給される電気を生成するための発電機120を駆動する。好適な実施例においては、衝撃空気タービン62は、速度制御のための膨張可能な環状スロットル(トロイドスロットル)を装備可能であり、結合された発電機120は、可変負荷制御を備えていても良い。
【0024】
導管122との連通状態にある空気ポンプ58は、可撓性の空気袋124から使用済みの空気を抽出するか、又は、周辺空気を閉鎖系の空気リザーバ32の空気袋に供給して望ましいシステム圧力を維持する。閉鎖系内の空気の合計容積は、比較的一定に維持されるが、空気の合計質量は、通常、衝撃タービンを駆動するために選択される動作圧力に応じて変動する。動作圧力は、+6インチ(+15.2cm)WC(約+1495Pa)から+20インチ(+50.8cm)WC(約+4982Pa)との間において変動すると推測される。システムが起動して、+6インチ(+15.2cm)WC(約+1495Pa)の圧力が選択され、かつ、圧力調整機30によって制御される際に、外部の空気をシステムに供給することにより、+6インチ(+15.2cm)WC(約+1495Pa)まで圧縮される空気の量が補充されなければならない。+6インチ(+15.2cm)WC(約+1495Pa)における100立方フィート(2.83立方メートル)の空気ごとに対して、空気ポンプ58は、大気圧下における1.5立方フィート(4.2×10
−2立方メートル)の空気を流入させて、衝撃タービン62の排出側において大気圧を維持しなければならない。更なる+4インチ(+10.2cm)WC(約+996Pa)の増大が選択されるごとに、1.0立方フィート(2.8×10
−2立方メートル)の空気をシステム内にポンプ供給することが必要となる。逆に、システムは、気圧が降下した際には、内部圧力を大気圧に等しく維持するように、システムから空気を引き出さなければならない。気圧の上昇は、大気圧との間に望ましい±1インチ(2.5cm)WC(約±249Pa)の差分を維持するために更なる空気のポンプ供給の必要性を通知することになる。可撓性の空気袋124は、閉鎖空気系内において使用される空気の一時的な貯蔵のための膨張可能なリザーバを提供している。この結果、例えば、乾燥又は潤滑などの処理が施された空気などの閉鎖された容積の空気を保存可能であり、かつ、反復サイクルにおいて使用可能である。一方、可撓性の空気袋124の閉鎖空気系領域132の容積の変化に応じて、周辺空気オリフィス及びフィルタ128を通じて流出入する、空気袋124の外部の空気リザーバタンク126の周辺空気領域130内の空気は、大気から引き込み可能であり、かつ、前処理することなく使用可能である。
【0025】
再度、
図1以降を参照すると、本開示の波エネルギ発電システム10は、前述のように、海底に係留された大きな浮揚ブイ12内に取り付けられる。円筒形の壁14が、ブイの下方に延在し、ブイに密着したチャンバ16を画定している。
【0026】
浮揚ブイのチャンバ24は、圧縮機28内の空気を+28インチ(+71.1cm)WC(約+6975Pa)まで圧縮するための力を提供するように、好ましくは、例えば、約6インチ(15.2cm)の変位Xを伴って海洋の表面O上に休止している。海洋表面の波Wの運動は、浮揚ブイ12を上昇及び降下させる。チャンバ26内において浮揚ブイに取り付けられた空気圧縮機シリンダ36も、海洋の波の運動に応じて、浮揚ブイの移動とともに上昇及び降下するが、圧縮機シリンダチャンバ38内に位置し、かつ、中立浮力ピストン20に接続された中央ロッド42に取り付けられた圧縮機ピストン40は、垂直方向において相対的に静止した状態に維持される。
【0027】
従って、圧縮機ピストン40に対する圧縮機シリンダチャンバ38の移動、即ち、圧縮機チャンバ内の圧縮機ピストンの垂直方向に沿った往復動は、圧縮機シリンダの上部チャンバ38A及び下部チャンバ38B内に収容されている空気の容積を交互に圧縮する。圧縮されたチャンバ内の空気は、圧縮空気導管48を介して、逆止弁50又は51を通じて、圧力調整機タンク60の下部チャンバ内に供給される。同時に、可撓性の空気袋124内の閉鎖空気リザーバ132からの空気及び衝撃空気タービン62から排出される連続した空気との流れが、導管52を介して、逆止弁53又は54を通じて、圧縮機シリンダの対向するチャンバ内に供給される。−6インチ(−15.2cm)WC(約−1495Pa)に維持された閉鎖領域68を画定する圧縮機ピストン40と圧縮機シリンダ36の壁との間に取り付けられた可撓性の転動型ダイアフラム64、66は、圧力を損失することなく、シリンダ内におけるピストンの効率的で、ほとんど摩擦を伴わない往復動を可能にする。圧縮機シリンダ即ちタンク36の壁と、壁に対向するピストン40の表面との間に可撓性のダイアフラム64、66によって画定された領域を負圧の状態に維持することは、吸入行程における封止の潰れを防止するように作用し、かつ、例えば、海が穏やかである際などのシステムの空気圧力が大気条件まで降下した際にも、封止形状を維持する。可撓性の転動型ダイアフラムを使用することにより、厳密な寸法公差に従って表面を機械加工する必要もなくなる。例えば、表面及び公差は、同様の寸法の地上貯蔵タンクの製造の際に通常生産されるものでよい。
【0028】
圧力調整機タンク60において、垂直ロッド98が滑り軸受支持部96によって調整機タンク60内に取り付けられており、圧縮機28からの圧縮空気は、垂直ロッド98上の浮揚ピストン即ちルーフピストン94により、下部チャンバ部分56において加圧状態に維持される。調整機タンク60の下部チャンバ部分56内の圧力レベルは、水バラストの量、即ち、重量の調節によって制御され、水バラストは、導管104と、浮揚ピストン94の垂直方向に沿った移動に対応するようにコイル状になったホース106とを通じて水ポンプ102の動作によって、ピストン94内の可変容積の水バラストタンク100に供給されるか、又は水バラストタンク100から除去される。浮揚ピストン94は、浮揚ブイが波の運動に起因して前後に揺動するのに伴うバラストタンク内の水のスロッシングを抑制するように、内部にバッフルを備えている。この構成は、不均一な下向きの力が浮揚ピストンの滑り軸受支持部96に悪影響を与えないようにするために有用である。圧縮機と同様に、可撓性の転動型ダイアフラム108、110により、浮揚ピストン94とタンク60の壁との間には、有効かつ効率的な封止が維持されており、浮揚ピストン94と圧力調整機タンク60との間に取り付けられた可撓性の転動型ダイアフラムの間に画定された領域112は、導管72、負圧ポート74、及び負圧分散プレート76を通じて作用する真空ポンプ70により、−6インチ(−15.2cm)WC(約−1495Pa)に維持されている。この負圧状態は、圧力を損失することなく、かつ、厳密な寸法公差に従って表面を機械加工する必要なく、効率的で、ほとんど摩擦を伴わないタンク内におけるピストンの往復動を可能にする。圧力調整機タンク60の上部チャンバ部分118は、導管119によって可撓性の空気袋124の閉鎖空気系領域132に接続されており、この結果、調整機タンクの上部チャンバ118において周辺圧力を維持しつつ、調整機タンク60内における浮揚ピストン94の垂直方向に沿った移動に対応するようにチャンバに流出入する(処理済みの)空気の流れが許容される。
【0029】
圧縮機28からの圧縮空気の出力は、圧縮機ピストン40が波の運動に伴って移動方向を反転させるたびにゼロになるが、圧力調整機30は、圧力調整機タンク60の下部チャンバ56から一定圧力の圧縮空気の連続的な流れを供給する。この圧縮空気の連続的な流れは、速度を制御するための膨張可能なトロイドスロットルを有する衝撃空気タービン62を駆動し、衝撃空気タービン62は、適切な海底ケーブル(図示せず)によって陸上の電力網に供給される電気を生成する可変負荷制御を有する発電機120に対して結合されている。
【0030】
別の実施例においては、本開示の波エネルギ発電システムは、
図10及び
図11に示されているように、閉鎖型汀線設備の形態を有しており、以下、これについて説明する。
具体的には、汀線設備200の空気圧縮機228が、例えば、花崗岩からなる岸部などの岸部204内に掘削された垂直シリンダの上方に配置されている。第1通路すなわち下部水平接続通路206(
図13に更に明確に示されている)が、干潮における海面S
Lの下方の高度において岸部内に掘削されており、かつ、第2通路すなわち上部水平接続通路208が、満潮における海面S
Hの上方の高度において岸部内に掘削されている。下部通路206により、海水SWは、垂直シリンダ202内に流出入可能であり、これにより、岸部に対する波Wの運動に応じて、垂直シリンダ内における水の高度S
Iが上昇及び降下する。上部通路208は、内部の海水表面が垂直方向に沿って上下動することに伴って、シリンダ202に流出入する空気Aの自由な移動を可能としている。
【0031】
垂直シリンダ202の概ね上方に配置されている空気圧縮機228は、岸部の上部に取り付けられると共に、圧縮チャンバ238を画定する固定式の圧縮機タンク構造236を備えている。圧縮機ピストン240が、チャンバ238内に配設され、かつ、中央ロッド242に取り付けられており、この中央ロッドは、垂直シリンダ202内の浮揚体229に連結されている。浮揚体229は、海水の波高の上昇に伴って変位する垂直シリンダ202内の水の深さが増大することにより、圧縮機ピストン240に対して力を付与する。この力は、海水の波高の降下に伴って変位する垂直シリンダ202内の水の深さが減少することにより、圧縮機ピストン240を降下させるように反転する。
【0032】
(例えば、
図2を参照して)前述したように、圧縮機228は、垂直方向に沿って移動する圧縮機ピストン240と、固定式の圧縮機タンク228との間に可撓性の転動型ダイアフラム封止部264、266を用いることにより、浮揚体229の位置に対する潮汐の影響に適応する。前述のように、可撓性のダイアフラム264、266の間に画定されている封止領域268は、好ましくは、チャンバ238内におけるピストン240の上向き及び下向きの圧縮行程において転動型ダイアフラムを制御するように、−6インチ(−15.2cm)WC(約−1495Pa)に維持されている。
【0033】
前述のように、具体的には、
図1及び
図2を参照して述べたように、この場合にも、本開示の波エネルギ発電システムの閉鎖型汀線設備201の動作の際には、清浄な乾燥空気が、閉鎖導管及び逆止弁系252、254(
図11)を介して、吸入行程中のチャンバ238の上部及び下部部分の各内部に供給される。次いで、この清浄な乾燥空気は、圧縮行程において圧縮され、かつ、閉鎖導管及び逆止弁系248、250(
図11)を介して、一定圧力の貯蔵タンク260(
図11)内に供給される。圧縮機ピストン240のそれぞれの行程は、圧縮行程において、圧縮チャンバ部分内に、例えば、約+24インチ(+61.0cm)WC(約+5978Pa)の圧縮力すなわち圧力P
Cを生成し(ピストン240は、矢印Fによって示されるように、下向きの圧縮行程において図示されているが、これは一例に過ぎない)、かつ、吸入行程において、圧縮チャンバ部分内に、例えば、約−3インチ(−7.6cm)WC(約−747Pa)の吸入力すなわち負圧V
Cを生成する。説明されるシステムの一実施例においては、ピストン240は、空気柱の高さの約6パーセントに等しい垂直距離にわたって移動し、+24インチ(+61.0cm)WC(約+5978Pa)の圧力を生成する(ここで、1気圧は、約+406.8インチ(+1033.2cm)WC(約+1013hPa)に等しい)。
【0034】
図10を再度参照すると、圧縮機228のタンク236は、シリンダ236に対するピストン240の垂直方向に沿った上下動を可能にするように、ピストンの上方及び下方の両方において、十分な高さの間隙をピストン240に提供するように寸法が定められる必要がある。浮揚体229が一定の浮力を有するように構築されているシステム201の実施例の場合には、ピストン240は、満潮及び干潮の間の差と最大予測波高との和に等しい高さH
Pを有し、ピストンの上方及び下方の各々における付加的な間隙の高さH
Cは、満潮及び干潮の間の差の半分と最大波高の半分との和に等しい。従って、圧縮チャンバの全体の高さH
Tは、満潮及び干潮の間の差の二倍と最大波高の二倍との和である。
【0035】
また、
図11を参照すると、多数の波エネルギ発電システム201から構成されたシステム200は、岸部204に沿って設置可能であり、それぞれの波エネルギ発電システムは、海水の流出入のために下部水平管206(
図13)に、かつ、空気Aの吸排気のために上部水平管208(
図10)に接続された垂直の掘削シリンダ202(
図10)上に位置している。各システム201は、海洋の波Wの運動に伴って上昇及び降下するフロート駆動型の圧縮機228を備えており、圧縮機228は、複数の一定圧力の貯蔵タンク260を介して、又は適切な単一の非常に大型の圧力調整機及び貯蔵タンク(破線によって示されている261)を介して、衝撃タービン262を駆動するように圧縮空気を供給して、発電機220を駆動する。閉鎖空気系は、圧縮機228を圧力調整機230に接続する(逆止弁250を有する)導管248、調整機を衝撃空気タービン及び発電機の組合体234に接続する導管系221、及び清浄な乾燥空気を回帰させるように衝撃空気タービン262をフロート駆動型の圧縮機228に接続する(逆止弁254を有する)導管252を含む。
【0036】
図12及び
図12Aを参照すると、本開示の波エネルギ発電システムの別の閉鎖型汀線設備301において、例えば、前述の(
図10の)転動型ダイアフラムの代わりに用いられる液体溝封止構成304が示されている。この実施例においては、空気圧縮機328は、基部部分350と、上部部分360と、中間ピストン部分370と、から構成されている。基部部分350は、円形開放型基部円筒要素352から構成されており、この円形開放型基部円筒要素は、下部圧縮チャンバ部分356を画定する直立した円筒形の内側壁354、及び内側円筒壁354との間に円形の液体封止溝390を画定する直立した円筒形の外側壁358を有する。上部部分360は、上部圧縮チャンバ部分366を画定し、かつ下向きに延びる円筒壁364を有する反転した円形開放型基部円筒要素362を備えている。中間ピストン部分370は、ピストン体372を画定する円形閉鎖型中央円筒要素、ピストン体の対向する壁376との間に液体封止溝392を画定する直立した円筒壁374、及び下向きに延びる外側の円筒形の外側壁378を備えている。
【0037】
また、
図12B〜
図12Fを参照すると、下向きに延びるピストン部分370の円筒壁378が、基部部分350によって画定された液体溝390内に収容された封止液306によって封止された係合状態において、液体溝390内に受け入れられるように、基部部分350及び中間ピストン部分370は、相互に寸法が定められ、かつ構築されており、従って、ピストン体372は、下向きの圧縮行程において、圧縮チャンバ部分356内の空気を圧縮するように移動する。又、下向きに延びる上部部分360の円筒壁364が、ピストン部分350によって画定された液体溝392内に収容された封止液306によって封止された係合状態において、液体溝392内に受け入れられるように、上部部分360および中間ピストン部分370も、相互に寸法が定められ、かつ構築されており、従って、ピストン体372は、上向きの圧縮行程において、圧縮チャンバ部分366内において空気を圧縮するように移動する。前述のように、基部部分350、上部部分360、及びピストン部分370の少なくとも2つの間において、垂直方向に沿って相対的な往復動を実現可能である(例えば、ピストン部分が基部及び上部部分に対して移動する状態において、基部部分及び上部部分を相対的に固定可能であり、或いは、上部部分及び基部部分がピストン部分に対して移動する状態において、ピストン部分を固定可能であり、或いは、相対的な移動の他の組合せが実装可能である)。
【0038】
図1及び
図2を参照して説明したように、上部および下部圧縮チャンバの一方における圧縮行程においては、圧縮された空気が、介在する導管248及び逆止弁250を通じて圧力調整機タンク内に流入する一方、空気が、吸入力により、導管252及び逆止弁254を通じて、上部および下部圧縮チャンバの他方内に引き込まれる。この構成は、一対の円形液体溝390、392内の封止液306によって提供される封止部304を利用しており、この一対の円形液体溝内には、圧縮機ピストン要素372の垂直方向に沿った相対的な移動によって生成される正又は負の圧力から周辺圧力を分離する遮断部を提供するように、円形の開放型円筒壁364、378が中央に配置されている。
【0039】
液体封止型の圧縮機328と駆動浮揚体329との間の垂直距離は、潮汐による海面高度の変化が、圧縮機ピストン372の垂直方向に沿った全行程を越えて、円形液体溝390、392の必要な深さに対して、半径方向に沿って影響を及ぼさないように、例えば、潮汐補償調節メカニズム310により、調節可能である。例えば、圧縮機ピストン372のそれぞれの行程は、圧縮行程において圧縮チャンバ部分において、例えば、約+20インチ(+50.8cm)WC(約+4982Pa)の圧縮力すなわち圧力P
Cを生成し(ピストン372は、矢印Gで示されるような下向きの圧縮行程において示されているが、これは一例に過ぎない)、かつ、吸入行程において圧縮チャンバ部分において、例えば、約−3インチ(−7.6cm)WC(約−747Pa)の吸入力すなわち負圧V
Cを生成する。この結果、吸入行程においては、例えば、3インチ(7.6cm)の最小液体封止高さL
Sが必要とされ、かつ、圧縮行程においては、例えば、20インチ(50.8cm)の最小液体封止高さL
Cが必要とされる。これらの最小液体封止高さは、水系の封止液及び約1.0の比重を有する他の封止液に対して適用されることができ、その他の比重の封止液に対しては、調節することができる。例えば、水銀(これについては、可能な代替的な封止液として後述する)は、13.6の比重を有しており、吸入行程における約0.2インチ(5.1mm)という調節後の最小液体封止高さL
Sと、(圧縮行程における)約1.5インチ(3.8cm)という調節後の最小液体封止高さL
Cとを必要としている。
【0040】
封止液306は、封止を実現するために必要とされる差分液体高さを低減するべく、例えば、いずれも、真水又は海水と比較した場合に、相対的に低い蒸気圧及び高い固有の密度と、不凍性とを有するように選択される。好適な代替的封止液の例は水銀であるが、その他の適切な封止液を利用することも可能である。
【0041】
以上、本開示のいくつかの実施例について説明したが、本開示の精神及び範囲を逸脱することなく、様々な変更例が実施可能である。
例えば、
図10の実施例に示されている閉鎖型浮揚体システムにおいて、圧縮機タンク236は、潮汐の高さ(例えば、満潮と干潮との間)及び波高(例えば、波の山と波の谷との間)の両方の大きな変化に対応するために、垂直方向に沿って大きな寸法を有する必要がある。この問題は、例えば
図12に示されているように、或いは、
図14を参照して後述するように、潮汐調節メカニズム301によって対処可能である。
【0042】
また、
図13を参照すると、代替的な実施例において、浮揚体の中立浮揚高度N(又は、例えば、プラス又はマイナス12インチ(30.5cm)の浮揚レンジN
R)を確立するために、浮揚体229’に水バラストを追加又は除去し、これにより、基準の高度又は水の平均の高度の潮汐によるシフトを調節可能である。これにより、ピストンの高さ及び間隙の高さから、(
図10を参照して前述した)圧縮機に必要とされる垂直方向に沿った寸法のうち潮汐に起因する成分の半分を除去可能である。結果として、本開示の波エネルギ発電システムの閉鎖型汀線設備201は、
図1以下を参照して前述した浮揚ブイシステム10により類似する。
【0043】
図10及び
図13において、下部接続通路206を通じた海水の潮汐による流れによって上部接続通路208を通じた空気の流れAが生成され、この空気の流れA(吸気及び排気の両方)が更なるエネルギ源として利用されることも可能である。
【0044】
更に
図13を参照すると、例えば、
図10において利用されているように、圧縮機228も、ピストン240と圧縮機タンク236との間の可撓性の転動型ダイアフラム封止部を有するように示されているが、例えば、
図12及び
図12A〜
図12Gを参照して前述したように、液体封止システムを閉鎖型汀線設備に利用することも可能である。
【0045】
例えば、次に、
図14を参照すると、本開示の波エネルギ発電システムの閉鎖型汀線設備401の別の代替的な実施例においては、
図12以下を参照して前述したように、圧縮機304は、相対的に大きな往復ピストン即ちリフトピストン402によって駆動されており、このピストンは、圧縮空気によって駆動されている。ピストン402は、岸部408内に掘削された垂直シリンダ406の上方に配置された閉鎖型ピストンシリンダ404内に配設されている。リフトピストンシリンダの下部チャンバ418との連通状態にある汀線波サージチャンバ412の上方の閉鎖空気柱410内の空気は、波が水平接続通路414を通じて岸辺へ移動することに伴って、高度が上昇する液体によって圧縮される。前述のように、接続通路414により、海水SWは、岸部に対する波Wの運動に応じて、垂直シリンダ406に流出入し、これにより、垂直シリンダ内の水の高度S
Iを上昇及び降下させる。圧縮機304は、
図10を参照して前述した転動型ダイアフラムの代わりに、例えば、
図12以下を参照して前述した液体封止構成を備えても良い。図面に示されている実施例においては、以下に説明するように、ピストン402も、液体封止構成を備えている。
【0046】
更に
図14を参照すると、第1シリンダ416は、空気柱410との連通状態にある下部チャンバ418を画定している。第2反転シリンダ420は、第1シリンダ416の上方に延在しており、かつ、周辺逃しポート424を通じて周辺大気との連通状態にある上部チャンバ422を画定している。反転ピストンシリンダ426が、第1シリンダ416の上方、かつ、第2反転シリンダ420内において、延在しており、ピストンシリンダ404の下部及び上部チャンバ418、422の間の漏洩を防止するように、第1及び第2シリンダ416、420の間に画定された液体溝封止部430内の液体428により、封止が形成されている。反転ピストンシリンダ426は、圧縮機304のピストン372に装着された中央ロッド342を受け入れるアパチャ432(例えば、円筒形又は正方形)を画定しており、中央ロッド342の周りのスリーブ434は、ピストンの上部チャンバ422と圧縮機304の下部圧縮チャンバ部分356との間の空気の漏洩を防止するように、中央アパチャの封止液体436内に延在する圧縮ピストン372に装着されている。波及び潮汐の運動に起因した通路414を通じた水の流れの上昇及び降下に応じて、閉鎖空気柱410は、空気圧力によってリフトピストン402を上昇及び降下させ、これにより、中央ピストンロッド342によってリフトピストン402の往復動に対して堅牢に連結されている圧縮機ピストン372を上昇及び降下させる。
【0047】
送風機438及び逃し弁440を備える空気処理装置439は、潮汐の高さの変化と調和して閉鎖空気柱410及び下部往復ピストンチャンバ418内の空気の質量を必要に応じて増減させてピストン402の基準線すなわち平均位置を調節するように、導管系442を介して閉鎖空気柱410との連通状態にある。例えば、
図15を参照すると、潮汐が高くなっている際には、水の平均の高度即ち高さW
Mが垂直シリンダ406内において(波の運動と独立して)上昇することに伴って、空気が、逃し弁440を通じてチャンバ410から放出され、これにより、空気の質量が低減し、かつ、堅牢に連結された圧縮機ピストン372及びシャフト342と中立浮力往復ピストン402の合計重量が比較的一定に維持されると仮定すれば、中立浮力ピストン402が主に波サージチャンバ412内の波の運動に起因した水の高度のサージ及び降下のみに応じて反応する(即ち、上昇及び降下して圧縮機の上部チャンバ内における空気、及び次いで下部チャンバ内における空気を交互に圧縮する)状態において、中立浮力ピストン402の平均位置は、比較的一定に維持される。同様に、潮汐が低くなっている場合にも、中立浮力ピストン402が主に波サージチャンバ412内の波の運動に起因した水の高度のサージ及び降下のみに応じて反応する(即ち、上昇及び降下して圧縮機の上部チャンバにおける空気、及び次いで下部チャンバにおける空気を交互に圧縮する)状態において、送風機438が、空気を閉鎖空気柱410内に導入し、これにより、空気の質量を増大させ、かつ、圧縮機304の高さに対して比較的一定の高さに維持される垂直柱406内の水の平均の高度即ち高さW
Mに対して中立浮力ピストン402を上昇させる。
【0048】
往復動する圧縮空気駆動型のピストン構成は、閉鎖空気柱410内の空気の量(質量)を調節してサージチャンバ412内の水面の高度の中心位置又は平均高さW
Mの上方に圧縮機304の平均休止状態中心位置を確立することにより、
図13を参照して前述した浮揚体構成に置き換えられる。
【0049】
図14Aを参照すると、例えば、前述の(
図10の)転動型ダイアフラムの代わりに使用される(例えば、
図14に示されている閉鎖型汀線設備401などの)本開示の波エネルギ発電システムの閉鎖型汀線設備の空気圧縮機328’用の液体溝封止構成304’の別の実施例が示されている。この実施例においては、空気圧縮機328’(断面図において示されている)は、内側基部部分350’及び外側上部部分360’を具備する固定式の円筒形圧縮機本体349’内において垂直方向に沿って往復動するように配設された中間ピストン部分370’から構成されている。内側基部部分350’は、下向きに延びる円筒形の内側壁352’を有する反転円形開放型基部円筒要素である。上部部分360’は、下向きに延びる円筒壁362’を有する反転円形開放型基部円筒要素である。下向きに延び、かつ対向する本体349’の円筒壁352’、362’は、水平壁367’によって基部において接合されており、下向きに延びる円筒壁352’、362’は、基部の水平壁367’と共に、円形の液体封止溝390’を画定している。中間ピストン部分370’は、下向きに延びる円筒形の外側壁378’を有するピストン体372’を画定する反転円形開放型中央円筒要素から構成されている。内側基部部分350’と中間ピストン部分370’は、共に、下部圧縮チャンバ部分356’を画定している。外側上部部分360’と中間ピストン部分370’は、共に、上部圧縮チャンバ部分366’を画定している。
【0050】
圧縮機本体349’の内側基部部分350’及び外側上部部分360’は、下向きに延びる中間ピストン370’の円筒壁378’が、圧縮機本体349’によって画定された液体溝390’内に収容された封止液306’によって封止された係合状態において、液体溝390’内に受け入れられるように、往復動する中間ピストン体372’に対して相互に寸法が定められ、かつ構築されている。中間ピストン体372’及び中央シャフト342’は、固定式の円筒形の圧縮機本体349’内で、下部圧縮チャンバ部分356’内の空気を圧縮するための下向きの圧縮行程(矢印D)と、圧縮チャンバ部分366’内の空気を圧縮するための上向きの圧縮行程(矢印U)との間において往復動する。例えば、
図1及び
図2を参照して前述したように、上部および下部圧縮チャンバ366’、356’の一方内における圧縮行程においては、圧縮された空気が、介在する導管248’及び逆止弁250’を通じて圧力調整機タンク(図示されてはいない)に流入する一方、空気が、吸入力により、導管252’及び逆止弁254’を通じて、上部および下部圧縮チャンバの他方内に引き込まれる。この構成は、円形の液体溝390’内の封止液306’によって提供される封止を利用しており、円形の液体溝の内部には、圧縮機ピストン要素372’の垂直方向に沿った相対的な移動によって生成される正又は負の圧力から周辺圧力を分離する遮断部を提供するように、ピストンの円形開放型円筒壁378’が中央に配置されている。
【0051】
圧縮機628’の一実施例においては、圧縮機シリンダは、例えば、約194インチ(16フィート2インチ:4.93m)の有効高さH
Tを有しており、これにより、ピストンが、例えば、約80インチ(2.03m)の全移動高さH
Fを有する状態において、圧縮機シリンダに対して、圧縮機ピストン372’の垂直方向に沿った上下動のために、例えば、約40インチ(1.02m)の間隙高さH
Cを提供している(すべての寸法は、一例に過ぎない)。圧縮機ピストン372’のそれぞれの行程は、圧縮行程において圧縮チャンバ部分内に、例えば、約+14インチ(+35.6cm)WC(約+3487Pa)の圧縮力すなわち圧力P
Cを生成し、かつ、吸入行程において圧縮チャンバ部分内に、例えば、約−3インチ(−7.6cm)WC(約−747Pa)の吸入力すなわち負圧V
Cを生成する。この結果、例えば、吸入行程においては、3インチ(7.6cm)の最小液体封止高さL
Sが必要とされ、かつ、圧縮行程においては、例えば、14インチ(35.6cm)の最小液体封止高さL
Cが必要とされる(前述のように、これらの最小液体封止高さは、水系の封止液又は約1.0の比重を有したその他の封止液に対して適用され、かつ、その他の比重の封止液については、調節することができる)。
【0052】
次に、
図15及び
図15A〜
図15Hを参照すると、
図15は、
図14の波エネルギ発電システムの汀線設備の代表的な実施例の概略的な側面図であり、かつ、
図15A〜
図15Hは、この代表的な空気圧縮機及び潮汐調節メカニズムアセンブリの要素の寸法を定めるための計算例を示している。
【0053】
図15の代表的なシステムにおいて、圧縮機304は、878ポンド(398kg)の重量(
図15Aにおいて計算されている)、例えば、20インチ(50.8cm)WC(約4982Pa)の出力圧力を有している。又、この圧縮機は、2.00mの直径と、約3.14m
2の面積とを有し、かつ、圧縮機ピストンは、2.0mの行程を有するとともに、各波に対して12.28m
3の最大容積を有する。中立浮力リフトピストン402は、2432ポンド(1103kg)の重量を有している(
図15Cにおいて算出されている)。又、リフトピストンは、2.83mの直径、及び約6.28m
2の面積を有し、圧縮機ピストンは、2.0mの行程を有する。垂直シリンダ406のサージチャンバ412は、2.83mの直径、及び約6.28m
2の面積を有し、6.6インチ(16.8cm)WC(約1644Pa)の中立圧力、21.0インチ(53.3cm)WC(約5231Pa)の上向き圧力、及び4.5インチ(11.4cm)WC(約1121Pa)の下向き圧力を有する。
【0054】
図15Aは、例えば、液体封止トラム又は転動型ダイアフラムによる封止のための1メートルの深さを有する側部シリンダを含み、かつ、0.200インチ(5.1mm)の壁の厚さを仮定した圧縮機ピストンの重量の計算例を示している。この図に示されている計算例においては、圧縮機ピストンの合計重量は、878ポンド(398kg)である。
【0055】
図15Bは、ピストンの重量(W
T)を持ち上げ、かつ空気を+20インチ(+50.8cm)WC(約+4982Pa)まで圧縮し、かつ、−3インチ(−7.6cm)WC(約−747Pa)において吸入側で空気を引き込むために必要な力の計算例を示している。この図に示されている計算例においては、ピストンの重量を持ち上げると共に空気を+20インチ(+50.8cm)WC(約+4982Pa)まで圧縮し、かつ、−3インチ(−7.6cm)WC(約−747Pa)において吸入側で空気を引き込むために必要な力は、4883ポンド(2215kg)である。
【0056】
図15Cは、0.200インチ(5.1mm)の壁の厚さと、約18フィート(5.49m)の長さと6インチ(15.2cm)の外径及び4インチ(10.2cm)の内径の中央シャフトの重量とを仮定した2.83m(111.5インチ)の外径のリフトピストンの重量の計算例を示している。この図に示されている計算例においては、中立浮力リフトピストンと中央シャフトの合計重量は、2432ポンド(1103kg)である。
【0057】
図15Dは、上向き圧縮行程に必要な力の計算例を示している。この図に示されている計算例においては、上向き圧縮行程に必要な力は、7315ポンド(3318kg)である。
【0058】
図15Eは、上向き圧縮行程に必要とされる圧力(単位:WC)の計算例を示している。この図に示されている計算例においては、上向き圧縮行程に必要とされる圧力は、21.0インチ(53.3cm)WC(約5231Pa)である。
【0059】
図15Fは、下向き圧縮行程に必要とされる力の計算例を示している。この図に示されている計算例においては、下向き圧縮行程に必要とされる力は、1573ポンド(714kg)である。
【0060】
図15Gは、下向き圧縮行程に必要とされる圧力(単位:WC)の計算例を示している。この図に示されている計算例においては、下向き圧縮行程に必要とされる圧力は、4.51インチ(11.5cm)WC(約1123Pa)である。
【0061】
図15Hは、閉鎖空気柱内の中立圧力(単位:WC)の計算例を示している。この図に示されている計算例においては、閉鎖空気柱内の中立圧力は、10.1インチ(25.7cm)WC(約2516Pa)である。
【0062】
最後に、
図16を参照すると、圧縮機28’の別の実施例においては、圧縮機ピストン40’は、例えば、2.4mの直径すなわち幅W
Pを有し、圧縮機シリンダ36’は、例えば、2.5mの内部直径すなわち幅W
Cを有し、かつ、ピストンは、例えば、1.20mの垂直方向に沿った高さH
Pを有する一方、圧縮機シリンダは、例えば3.20mの有効高さH
Tを有し、これにより、圧縮機シリンダに対して、圧縮機ピストンが垂直方向に沿って上下動するために、例えば、1.00mの間隙高さH
Cを提供している。
【0063】
本開示の理解を容易にするために、上述の波エネルギ発電システム10は、単一の圧縮機、調整機、空気リザーバ、及び衝撃空気タービンおよび発電機の組合体によって説明したが、本開示によれば、浮揚ブイの1つ又は複数の組において、又は1つの汀線設備において、その他の数のシステム及びシステム部品の少なくとも一方を組み合わせることも可能である。
【0064】
従って、その他の実施例も特許請求の範囲に含まれる。