(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したように、行政機関は、特定の住民にターゲットを絞った形で行政情報を提供することはできないので、行政情報の充実を図り、その整備や細分化等を進めたとしても、それをストレートに住民サービスの向上に繋げることができない。
【0007】
また、住民は、自分に特定の行政情報が必要になったときに、直ぐに行政機関のサイトにアクセスし、ホームページの掲載情報の中から自分に必要な情報を見つけ出して閲覧することはできるが、逆に、行政側から、特定の住民に伝達したい行政情報があったとしても、その住民に直ぐに伝達することはできず、情報提供の即時性が低い。
【0008】
さらに、HEMS(ヘムス)は、節電やCO
2の削減に役立つものの、その用途が電気・ガス等の見える化や一部電化製品の制御に限られているので、利用者がそれ程高い有用性を感じない場合も多いことから、普及が芳しくない。
【0009】
本発明の目的は、配信ターゲットを絞った形での行政情報の提供、行政情報の提供の即時性の向上、およびHEMS(ヘムス)の普及促進を図ることができる行政情報配信サーバおよびプログラムを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、各世帯に通信回線を介して行政情報を配信するコンピュータにより構成された行政情報配信サーバであって、行政情報を、時間に関する属性を含む行政情報の属性と関連付けて記憶する行政情報記憶手段と、各世帯の電力利用状況の時間的推移を含む電力利用情報を、世帯識別情報と関連付けて記憶する電力利用情報記憶手段と、この電力利用情報記憶手段に記憶された電力利用情報を分析し、行政情報の属性に対応する各世帯の特徴データを抽出または分類する処理を実行する分析手段と、この分析手段による分析で得られた各世帯の特徴データを、世帯識別情報と関連付けて記憶する世帯情報記憶手段と、行政情報記憶手段に記憶された行政情報の属性と世帯情報記憶手段に記憶された各世帯の特徴データとを比較し、行政情報の属性に対応する特徴データを有する世帯を、行政情報の配信対象世帯として抽出する処理を実行する対象世帯抽出手段と、この対象世帯抽出手段により抽出された世帯に対し、当該世帯が配信対象世帯となる行政情報を、通信回線を介して配信する処理を実行する配信手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
ここで、「行政情報の属性に対応する各世帯の特徴データ」とは、1対1の対応である必要はなく、多対1、1対多、多対多でもよく、要するに、ある任意の1つの行政情報の属性を決めると、それに対応する1つまたは複数の特徴データが定まり、逆に、ある任意の1つの特徴データを決めると、それに対応する1つまたは複数の行政情報の属性が定まる対応関係であればよい。従って、行政情報の属性から特徴データへ、特徴データから行政情報の属性へ、という双方向について、対応関係が定まっていればよい。
【0012】
また、「行政情報」は、行政機関が関与する可能性のある全ての情報であり、届出や証明等の各種手続の他、医療、福祉、健康、安全、暮らし、生活、税、保険、年金、文化、スポーツ、ゴミ等に関する情報である。行政機関が直接的または間接的に関与する情報であればよく、行政機関自らの業務や行為に関する情報のみならず、例えば、行政機関による地域住民への広範な広報活動に伴う提供情報等も含まれ、より具体的には、例えば、地域で開催される健康作りのためのイベント情報、ジョギングコースの案内情報、近隣商店街のセール情報等も含まれる。
【0013】
さらに、「世帯」とは、一般的には、実際に同一の住居で起居し、生計を同じくする者の集団であり、本発明でも同様でよく、同一の住居において電力を利用する可能性のある者の集団(1人でもよい。)ということになる。
【0014】
このような本発明においては、行政情報の属性と、各世帯の電力利用情報を分析して得られた特徴データとを比較し、行政情報の属性に対応する特徴データを有する世帯を、その行政情報の配信対象世帯として抽出し、当該世帯への行政情報の配信を行う。このため、特定の住民にターゲットを絞った形で行政情報を提供することが可能となるので、行政情報の充実を図り、その整備や細分化等を進めることにより、住民サービスを向上させることが可能となる。
【0015】
また、行政機関の側から、特定の住民に伝達したい行政情報がある場合には、その特定の住民に向けてその行政情報を伝達することが可能となるので、住民が気付かずにその行政情報を取得・閲覧できない、あるいは取得・閲覧が遅れるといった事態の発生を回避することが可能となり、情報提供の即時性が高まる。
【0016】
さらに、各世帯の電力利用情報を利用して住民への行政情報の配信を行うので、HEMS(ヘムス)の導入効果として、節電やCO
2の削減といった本来的効果に加え、自分にとって有用な行政情報を適切なタイミングで得られるという効果が生じるため、HEMS(ヘムス)の普及促進も図られ、これらにより前記目的が達成される。
【0017】
また、前述した行政情報配信サーバにおいて、行政情報記憶手段には、行政情報の属性として、居住エリア、世帯構成、嗜好性のうちの少なくとも1つが記憶され、各世帯の世帯主またはその他の構成員が操作する端末装置から、世帯識別情報および/または世帯識別情報に対応するログインIDとともに、通信回線を介して送信されてくる居住エリア、世帯構成、嗜好性のうちの少なくとも1つを含むプロファイル情報を受信し、受信したプロファイル情報を、受信した世帯識別情報または受信したログインIDに対応する世帯識別情報と関連付けて世帯情報記憶手段に記憶させる処理を実行するプロファイル情報受付手段を備え、対象世帯抽出手段は、行政情報記憶手段に記憶された行政情報の属性に含まれる居住エリア、世帯構成、嗜好性のうちの少なくとも1つと世帯情報記憶手段に記憶された各世帯のプロファイル情報とを比較し、配信対象世帯の抽出時の絞り込み処理を実行する構成とされていることが望ましい。
【0018】
このように各世帯から居住エリア、世帯構成、嗜好性のうちの少なくとも1つを含むプロファイル情報の入力を受け付けるとともに、それに対応させて行政情報についても、その属性として、居住エリア、世帯構成、嗜好性のうちの少なくとも1つを持たせるようにした場合には、行政情報の配信ターゲットの絞り込みを、より一層適切に行うことが可能となり、各世帯は、自分達にとって、より有用な行政情報を、より適切なタイミングで得られるようになる。
【0019】
さらに、前述した行政情報配信サーバにおいて、各世帯に設置されたゲートウェイサーバから、通信回線を介して各世帯の電力利用情報を収集し、収集した電力利用情報を、ゲートウェイサーバ識別情報および/またはゲートウェイサーバ識別情報に対応する世帯識別情報と関連付けて記憶する処理を実行する複数の電力利用情報収集サーバと接続され、これらの複数の電力利用情報収集サーバから、各世帯の電力利用情報を、ゲートウェイサーバ識別情報および/または世帯識別情報とともに、通信回線を介して取得し、それぞれの電力利用情報収集サーバの独自のフォーマットの状態で取得した電力利用情報について、フォーマットを変換して共通のフォーマットに統一した状態で、受信したゲートウェイサーバ識別情報に対応する世帯識別情報または受信した世帯識別情報と関連付けて電力利用情報記憶手段に記憶させる処理を実行する集約手段を備えていることが望ましい。
【0020】
このように複数の電力利用情報収集サーバで収集した各世帯の電力利用情報を集約する集約手段を備えた構成とした場合には、HEMS(ヘムス)を取り扱う複数の企業や団体による収集データを利用し、行政情報の配信を行うことが可能となるので、より多くの世帯に対し、付加価値の高い情報を提供することが可能となる。
【0021】
また、前述した行政情報配信サーバにおいて、行政情報記憶手段には、行政情報と、時間に関する属性を含む行政情報の属性と、行政情報によって示されるイベントの開催日時とが、行政情報IDと関連付けて記憶され、各世帯の世帯主またはその他の構成員が操作する端末装置から、世帯識別情報および/または世帯識別情報に対応するログインIDとともに、通信回線を介して送信されてくる当該世帯が参加または関与したイベントに係る行政情報についての行政情報IDを受信し、行政情報記憶手段から、受信した行政情報IDに関連付けられている開催日時を取得し、取得した開催日時の該当日における当該世帯の電力利用情報を、電力利用情報記憶手段から取得し、取得した開催日時の該当日における当該世帯の電力利用情報を、通信回線を介して端末装置へ送信する処理を実行するか、または、この電力利用情報の送信処理に加え、若しくはこの電力利用情報の送信処理に代えて、端末装置から受信した行政情報IDに関連付けられて行政情報記憶手段に記憶されている行政情報の属性のうちの時間に関する属性を取得し、取得した行政情報の属性に対応する過去の日々における当該世帯の電力利用状況の平均を、電力利用情報記憶手段に記憶された当該世帯の電力利用情報を用いて作成し、開催日時の該当日における当該世帯の電力利用状況と、行政情報の属性に対応する過去の日々における当該世帯の電力利用状況の平均とを比較し、それらの差分の電力量を算出することにより、節電効果を具体的数値データとして求め、求めた節電効果を示す具体的数値データを、通信回線を介して端末装置へ送信する処理を実行する節電効果確認手段を備えていることが望ましい。
【0022】
このように節電効果確認手段を備えた構成とした場合には、各世帯の世帯主またはその他の構成員は、参照・閲覧した行政情報によって示されたイベントに実際に参加または関与したときには、それによる節電効果を容易に確認することが可能となるので、HEMS(ヘムス)の普及促進を、より一層図ることが可能となる。
【0023】
そして、本発明のプログラムは、以上に述べた行政情報配信サーバとして、コンピュータを機能させるためのものである。
【0024】
なお、上記のプログラムまたはその一部は、例えば、光磁気ディスク(MO)、コンパクトディスク(CD)を利用した読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)を利用した読出し専用メモリ(DVD−ROM)、DVDを利用したランダム・アクセス・メモリ(DVD−RAM)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去および書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等の記録媒体に記録して保存や流通等させることが可能であるとともに、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等の有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにはこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送することが可能であり、また、搬送波に載せて搬送することも可能である。さらに、上記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。
【発明の効果】
【0025】
以上に述べたように本発明によれば、行政情報の属性と、各世帯の電力利用情報を分析して得られた特徴データとを比較し、行政情報の属性に対応する特徴データを有する世帯を、その行政情報の配信対象世帯として抽出し、当該世帯への行政情報の配信を行うので、配信ターゲットを絞った形での行政情報の提供、行政情報の提供の即時性の向上、およびHEMS(ヘムス)の普及促進を図ることができるという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1には、本実施形態の行政情報配信システム10の全体構成が示されている。
図2には、各記憶手段41(41A,41B,41C,…),61,62,63の構成が示され、
図3には、行政情報配信システム10による行政情報の配信処理の流れがフローチャートで示されている。また、
図4には、各世帯の電力利用情報から得られる特徴データと、行政情報の属性との関係を説明するための具体例が示されている。
【0028】
図1において、行政情報配信システム10は、各世帯X,Y,Z,…の住宅20(20A,20B,20C,…)から通信回線であるネットワーク1を介して送信されてくる各世帯X,Y,Z,…の電力利用情報を収集する各社(A社,B社,C社,…)の電力利用情報収集サーバ40(40A,40B,40C,…)と、これらの電力利用情報収集サーバ40とネットワーク1を介して接続されて各世帯X,Y,Z,…に対して行政情報の配信を行う行政情報配信サーバ50とを備えて構成されている。
【0029】
ここで、ネットワーク1は、インターネット、若しくはインターネットを中心としてこれにイントラネット、エクストラネット、LAN、MAN、WAN等を組み合わせた有線ネットワーク、およびインターネットやインターネットを中心とする有線ネットワークへの接続環境を形成するキャリア網(キャリア(携帯電話会社等の通信事業者)が管理するパケット通信網等)や公衆無線LAN等の無線通信網により構成されている。
【0030】
各世帯X,Y,Z,…の住宅20(20A,20B,20C,…)内には、ゲートウェイサーバ21(21A,21B,21C,…)がそれぞれ設置されている他、各種の家電機器や、ネットワーク1に接続可能な各種の端末装置が設置されているが、本発明を説明するうえでは、各世帯の住宅20内は、いずれの世帯も略同様な構成であるため、世帯Xの住宅20Aで代表させて説明を行うものとする。
【0031】
住宅20内には、例えば、分電盤22、およびエアコン23、冷蔵庫24、洗濯機25、テレビ26等の各種の家電機器が設置されるとともに、それらで使用された電力を検出するためのセンサ27,28,29,30,31が設けられている。これらのセンサ27〜31で検出された電力利用情報は、センサ識別情報とともにゲートウェイサーバ21へ無線または有線で送信され、ゲートウェイサーバ21から、Wi−Fiルータ(無線LAN対応ルータ)32およびインターネット接続ルータ33を経由し、ネットワーク1を介して電力利用情報収集サーバ40へ送信されるようになっている。なお、ゲートウェイサーバ21からネットワーク1への接続は、上記に限定されるものではなく、有線、無線を問わない。
【0032】
また、住宅20内には、ネットワーク1に接続可能な端末装置として機能するパーソナル・コンピュータ34、携帯電話機35、タブレット端末36等が設けられている。これらの端末装置34,35,36は、
図1では、Wi−Fiルータ32に無線接続されるようになっているが、有線接続としてもよく、また、外出先に持ち出してネットワーク1に接続することもできる。さらに、テレビ26は、センサ31により個別の使用電力の検出対象になっているが、ネットワーク1に接続する端末装置としても機能する。なお、以上に述べた住宅20内における家電機器や端末装置等の具体的な構成は、一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
【0033】
電力利用情報収集サーバ40(40A,40B,40C,…)は、コンピュータにより構成され、各世帯X,Y,Z,…の住宅20(20A,20B,20C,…)に設置されたゲートウェイサーバ21(21A,21B,21C,…)からネットワーク1を介して送信されてくる各世帯X,Y,Z,…の電力利用情報(使用された電力の時刻暦等)を、ゲートウェイサーバ識別情報とともに受信し、受信した電力利用情報を、ゲートウェイサーバ識別情報および世帯識別情報(例えば、世帯主の名前)と関連付けて収集データ記憶手段41(41A,41B,41C,…:
図2参照)に記憶するものである。なお、収集データ記憶手段41は、例えば、ハードディスク等である。
【0034】
例えば、A社の電力利用情報収集サーバ40Aは、A社用のゲートウェイサーバ21Aが設置された住宅20Aに居住している各世帯の電力利用情報を収集し、B社の電力利用情報収集サーバ40Bは、B社用のゲートウェイサーバ21Bが設置された住宅20Bに居住している各世帯の電力利用情報を収集し、C社の電力利用情報収集サーバ40Cは、C社用のゲートウェイサーバ21Cが設置された住宅20Cに居住している各世帯の電力利用情報を収集するようになっている。その他の会社(企業や団体)も同様である。
【0035】
世帯識別情報は、例えば、世帯主(契約者)の名前、住所、電話番号、電子メールアドレス、世帯識別用ID、またはこれらの組合せ等であり、世帯主と各社(電力利用情報収集サーバ40の管理者)との契約時に、あるいはその後に、世帯主から各社に提供され、ゲートウェイサーバ識別情報に関連付けられて電力利用情報収集サーバ40に記憶されている。世帯主から各社への提供は、契約書類等の紙媒体により行ったものでもよく、端末装置34〜36,26からネットワーク1を介して電力利用情報収集サーバ40(電力利用情報収集サーバ40の管理者のサイト)にアクセスし、入力されたものでもよい。なお、世帯識別用IDについては、世帯主が自ら選択・採用したものでもよく、各社が世帯主に付与したものでもよく、後者の場合には、紙媒体への記載による付与でも、ネットワーク1を介した付与でもよい。また、ゲートウェイサーバ21が、Webサーバを兼ねている場合等には、世帯主の名前等の世帯識別情報は、端末装置34〜36,26からゲートウェイサーバ21に入力され、ゲートウェイサーバ21からネットワーク1を介して電力利用情報収集サーバ40へ送信されてもよい。
【0036】
行政情報配信サーバ50は、1台または複数台のコンピュータにより構成され、集約手段51と、分析手段52と、プロファイル情報受付手段53と、対象世帯抽出手段54と、配信手段55と、節電効果確認手段56と、電力利用情報記憶手段61と、世帯情報記憶手段62と、行政情報記憶手段63とを含んで構成されている。
【0037】
集約手段51は、複数の電力利用情報収集サーバ40から、各世帯の電力利用情報(
図4に示すような使用した電力の時刻暦のデータ等)を、ゲートウェイサーバ識別情報および/または世帯識別情報(例えば、世帯主の名前)とともに、ネットワーク1を介して取得し、それぞれの電力利用情報収集サーバ40の独自のフォーマットの状態で取得した電力利用情報について、フォーマットを変換して共通のフォーマットに統一した状態で、ゲートウェイサーバ識別情報および世帯識別情報(例えば、世帯主の名前)と関連付けて電力利用情報記憶手段61(
図2参照)に記憶させる処理(アグリゲーション処理)を実行するものである。
【0038】
ここで、ゲートウェイサーバ識別情報と世帯識別情報(例えば、世帯主の名前)との対応関係は、予め各社(各社の電力利用情報収集サーバ40)から行政情報配信サーバ50へ伝達(データ送信または記録媒体による伝達)され、行政情報配信サーバ50に記憶されているので、電力利用情報収集サーバ40から行政情報配信サーバ50への電力利用情報の送信時には、ゲートウェイサーバ識別情報と世帯識別情報(例えば、世帯主の名前)とのうちのいずれか一方を付するだけでもよい。
【0039】
分析手段52は、電力利用情報記憶手段61(
図2参照)に記憶された電力利用情報(使用した電力の時刻暦のデータ)を分析し、行政情報の属性(時間に関する属性)に対応する各世帯の特徴データ(時刻暦から導くことができる特徴データ)を抽出または分類し、分析で得られた各世帯の特徴データを、世帯識別情報(例えば、世帯主の名前)と関連付けて世帯情報記憶手段62(
図2参照)に記憶させる処理を実行するものである。
【0040】
より具体的には、分析手段52による分析処理を行うにあたり、例えば、1日のうちの時間帯については、朝の時間帯(例えば、5:00〜9:00)、昼の時間帯(例えば、11:00〜14:00)、午前中の時間帯(例えば、9:00〜12:00)、日中午後の時間帯(例えば、12:00〜18:00)、夕方の時間帯(例えば、16:00〜18:00)、夜間の時間帯(例えば、19:00〜23:00)、深夜の時間帯(23:00〜翌2:00)等の時間区画(時間が重複していてもよい。)を設定し、曜日については、土日、月水金、火木土、日曜日、月曜日、火曜日等の時間区画(曜日が重複していてもよい。)を設定し、日にちについては、第1週目、第2週目、1日、2日、3日等の時間区画(日にちが重複していてもよい。)を設定し、月については、1月、2月、3月等の時間区画を設定し、季節については、春(3〜5月)、夏(6〜8月)、秋(9〜11月)、冬(12〜2月)等の時間区画を設定し、あるいはこれらの時間区画を組み合せた時間区画(例えば、日曜日の日中午後の時間帯、月曜日の朝の時間帯等)を設定する。これらの時間区画の設定情報は、分析手段52を実現するプログラム内に記述しておいもよく、外部のテーブル(時間区画記憶手段)に記憶させておき、それを分析手段52により読み込むようにしてもよい。
【0041】
そして、分析手段52は、電力利用情報(使用した電力の時刻暦のデータ)を用いて、上記のように設定された各時間区画についての電力使用量の大小を判断する処理を実行する。この判断に使用する電力利用情報は、判断対象の時間区画を含む日々における電力利用状況の平均であり、例えば、判断対象の時間区画が「日曜日の日中午後」であれば、毎週日曜日を平均した1日における電力利用状況のデータであり、この平均化処理も、分析手段52により行われる。ここで、電力使用量の大小の判断は、例えば、消費電力の基準値[kW]を設定し、判断対象の時間区画において、使用電力の値[kW]が基準値[kW]を上回る時間(基準値以上として、基準値と一致するときを含めてもよい。)が、一定割合(例えば60%)以上若しくは超過の場合に、電力使用量が大きい(つまり、その時間区画は在宅が多い)と判断する等である。例えば、判断対象の時間区画(例えば、日曜日の日中午後)が6時間であり、そのうち使用電力の値[kW]が基準値[kW]を上回る時間が4時間であれば、66.7%の時間について基準値を上回っていることになるので、電力使用量が大きい(つまり、その時間区画は在宅が多い)と判断することができる。この際、基準値[kW]は、契約アンペア値や契約電力等から定めてもよく(この場合、契約アンペア値や契約電力等を、電力利用情報記憶手段61または世帯情報記憶手段62に記憶させておけばよい。)、統計値等から一律に定めてもよく、あるいは、当該世帯の全時間帯トータルの平均値の何倍かの値(例えば、1.5倍の値)等としてもよい。
【0042】
また、分析手段52は、使用した電力量[kWh]を考慮して、電力使用量の大小の判断を行ってもよい。例えば、判断対象の時間区画における消費電力(使用した電力)を積分して当該時間区画における消費電力量(使用した電力量)を算出する。これは、
図4に示す電力利用状況のグラフの下側の面積(当該時間区画の部分の面積)を求めることに相当する。そして、分析手段52は、算出した当該時間区画にける消費電力量(使用した電力量)が、上述した基準値[kW]と判断対象の時間区画の長さ(例えば、6時間)とを乗じて得られる電力量[kWh]以上であるか、またはそれを超える場合に、電力使用量が大きい(つまり、その時間区画は在宅が多い)と判断する等である。
【0043】
さらに、特徴データを得るための上記の時間区画(時間的に仕切られた区画)は、行政情報の属性(時間に関する属性)に対応するように設定されるが、特徴データを得るための上記の時間区画と、行政情報の属性を示すための時間区画は、必ずしも、1対1で対応している必要はなく、多対1でも、1対多でも、多対多でもよい。例えば、行政情報が、毎週日曜日に終日開催されているイベントに関する情報であり、行政情報の属性が「日曜日」であったとすると、特徴データとしては、「日曜日は在宅が多い」だけが対応するのではなく、「日曜日の日中午後は在宅が多い」、「日曜日の午前中は在宅が多い」等も対応することになる(1対多の場合)。また、特徴データが「日曜日は在宅が多い」であったとすると、行政情報の属性は、「日曜日」だけが対応するのではなく、「日曜日の日中午後」、「日曜日の午前中」等も対応することになる(多対1の場合)。そして、このような1対多の場合および多対1の場合の双方に関与している行政情報の属性または特徴データがあれば、多対多の場合になっているといえる。これらの行政情報の属性と特徴データとの対応関係は、対象世帯抽出手段54を実現するプログラム内に記述しておいてもよく、あるいは外部のテーブル(属性・特徴データ対応関係記憶手段)に記憶させておき、対象世帯抽出手段54により読み込むようにしてもよい。
【0044】
プロファイル情報受付手段53は、各世帯の世帯主またはその他の構成員が操作する端末装置34〜36,26から、ログインID・パスワード(またはこれらに加えて世帯識別情報(例えば、世帯主の名前))とともに、ネットワーク1を介して送信されてくる居住エリア、世帯構成、嗜好性等のプロファイル情報を受信し、受信したプロファイル情報を、受信したログインIDに対応する世帯識別情報(例えば、世帯主の名前)または受信した世帯識別情報と関連付けて世帯情報記憶手段62(
図2参照)に記憶させる処理を実行するものである。なお、このプロファイル情報の登録は、ログインID・パスワードによる認証を経て行われる。
【0045】
ここで、ログインID・パスワードは、行政機関のサイト(行政情報配信サーバ50)にアクセスするためのものであり(本実施形態では、一例として、ポータルサイトからのアクセス用のログインID・パスワードである。)、最初のアクセス時等に、行政機関から付与(行政情報配信サーバ50により自動付与)されたものであり、アクセス希望者は、この際に、世帯識別情報(例えば、世帯主の名前)を入力するので、プロファイル情報受付手段53によるプロファイル情報の受付時には、ログインID・パスワードと世帯識別情報(例えば、世帯主の名前)との対応関係は、行政情報配信サーバ50の世帯情報記憶手段62(
図2参照)に既に記憶されている。
【0046】
また、プロファイル情報受付手段53は、紙媒体により各世帯のプロファイル情報の取得が行われた場合には、行政機関の担当者またはその入力代行者が、端末装置(不図示)を操作して入力し、ネットワーク1または専用線(不図示)を介して送信されてくる各世帯のプロファイル情報(一旦、複数世帯のプロファイル情報を記録媒体に集積し、それらがまとめて送信されてくる場合を含む。)を受信し、受信したプロファイル情報を、世帯識別情報(例えば、世帯主の名前)と関連付けて世帯情報記憶手段62(
図2参照)に記憶させる処理を実行してもよい。さらには、プロファイル情報受付手段53は、各世帯の世帯主またはその他の構成員により入力されてネットワーク1を介して送信されてくるプロファイル情報の受信・登録の処理と、紙媒体により取得されて行政機関の担当者またはその入力代行者により入力されてネットワーク1または専用線(不図示)を介して送信されてくるプロファイル情報の受信・登録の処理とを併用してもよい。
【0047】
対象世帯抽出手段54は、行政情報記憶手段63(
図2参照)に記憶された行政情報の属性(時間帯や曜日等の時間に関する属性、居住エリア、世帯構成、嗜好性等)と、世帯情報記憶手段62(
図2参照)に記憶された各世帯の特徴データ(時刻暦から導くことができる特徴データ)およびプロファイル情報(居住エリア、世帯構成、嗜好性等)とを比較し、行政情報の属性に対応する特徴データを有する世帯を、当該行政情報の配信対象世帯として抽出し、当該行政情報を識別するための行政情報ID(配信行政情報ID)を、抽出した世帯についての世帯識別情報(例えば、世帯主の名前)と関連付けて世帯情報記憶手段62(
図2参照)に記憶させる処理を実行するものである。
【0048】
なお、対象世帯抽出手段54は、本願の請求項に係る発明においては、最低限、行政情報の属性のうちの時間に関する属性と、特徴データとが対応するか否かを判断すればよく、時間に関する属性以外の行政情報の属性や、プロファイル情報は、記憶(入力)されていないこともあるので、それらが記憶(入力)されていない場合には、それらを考慮せずに、配信対象世帯に該当するか否かを判断すればよい。また、対象世帯抽出手段54は、時間に関する属性以外の行政情報の属性や、プロファイル情報が記憶(入力)されている場合には、居住エリア、世帯構成、嗜好性等が一致するか否かも含めて配信対象世帯の抽出処理を実行する。従って、行政情報の属性のうちの時間に関する属性と、特徴データとが対応していても、居住エリア、世帯構成、嗜好性等が一致しない場合には、配信対象世帯としないという絞り込み処理を行うことができる。但し、時間に関する属性以外の行政情報の属性と、プロファイル情報との一致については、例えば、複数項目が記憶(入力)されていた場合、それらの複数項目の全てが一致している場合にのみ配信対象世帯としてもよいが、これに限らず、少なくとも1つの項目が一致している場合には配信対象世帯としてもよく、2以上の項目が一致している場合には配信対象世帯としてもよく、あるいは、一致する項目はあるが、一致しない項目も所定個数以上(例えば2以上)ある場合には、配信対象世帯としないようにしてもよく、一致する項目の数よりも、一致しない項目の数のほうが多い場合には、配信対象世帯としない等としてもよい。さらには、行政情報によっては、行政情報の属性のうちの時間に関する属性と、特徴データとが対応するか否かの判断が不必要なものや、不適なものがあり、また、世帯によっては、電力利用情報の分析から何らの特徴データも得られず、あるいはHEMS(ヘムス)を未導入の世帯もあり、結果的に、行政情報の属性のうちの時間に関する属性と、特徴データとが対応するか否かの判断を行うことができない場合もあるので、居住エリア、世帯構成、嗜好性等の一致だけで配信対象世帯に該当するか否かの判断が行われることがあってもよく、要するに、本願の請求項に係る発明においては、少なくとも一部の行政情報、あるいは少なくとも一部の世帯について、行政情報の属性のうちの時間に関する属性と、特徴データとが対応するか否かの判断が行われるようになっていればよい。
【0049】
配信手段55は、各世帯の世帯主またはその他の構成員が操作する端末装置34〜36,26から、ログインID・パスワードとともに、ネットワーク1を介して送信されてくる行政情報の閲覧要求信号を受信し、ログインID・パスワードを用いて認証処理を行い、認証された場合に、世帯情報記憶手段62(
図2参照)から、ログインIDに対応する配信行政情報IDを取得し、取得した配信行政情報IDを用いて、行政情報記憶手段63(
図2参照)から、当該世帯向けの行政情報を取得し、取得した行政情報の表示用データを、ネットワーク1を介して閲覧要求が行われた端末装置34〜36,26へ送信する処理を実行するものである。
【0050】
節電効果確認手段56は、ログインID・パスワードによるログイン後に、各世帯の世帯主またはその他の構成員が操作する端末装置34〜36,26に、配信手段55により行政機関側から当該世帯に対して過去に積極的に配信した行政情報の選択画面の表示用データを、ネットワーク1を介して送信するとともに、端末装置34〜36,26からネットワーク1を介して送信されてくる節電効果確認要求信号(当該世帯が参加または関与した行政情報についての行政情報IDを含む。)を受信し、行政情報記憶手段63(
図2参照)から、受信した行政情報IDに関連付けられている開催日時を取得し、取得した開催日時の該当日(ある特定の1日)における当該世帯の電力利用情報を、電力利用情報記憶手段61(
図2参照)から取得し、取得した電力利用情報(その日における電力利用状況を示すグラフ情報)を、ネットワーク1を介して端末装置34〜36,26へ送信する処理を実行するものである。なお、過去に積極的に配信した行政情報についての配信行政情報IDは、配信有効期限の経過後も、世帯情報記憶手段62(
図2参照)に暫く記憶されているので、上記のような後日(イベント等の終了後)における節電効果確認対象の行政情報の選択画面の作成・送信が可能となるとともに、例えば、行政情報記憶手段63(
図2参照)に記憶された行政情報について配信有効期限の経過後に削除処理または無効化処理が行われたときに、世帯情報記憶手段62(
図2参照)からも、対応する配信行政情報IDが消去されるようにする、あるいは配信有効期限から一定期間経過した行政情報については、節電効果確認対象の行政情報の選択画面に表示しないようにする等により、過剰な数の行政情報(つまり、当該世帯に対し、かなり過去に配信した行政情報までも)が、節電効果確認対象の行政情報の選択画面に表示されないようにすることが可能となる。
【0051】
また、節電効果確認手段56は、端末装置34〜36,26から受信した行政情報IDに関連付けられて行政情報記憶手段63(
図2参照)に記憶されている行政情報の属性(時間に関する属性)を取得し、取得した行政情報の属性(例えば、「日曜日の日中午後に開催される」)に対応する過去の日々における電力利用状況の平均(例えば、過去の日曜日平均)を、電力利用情報記憶手段61(
図2参照)に記憶された当該世帯の電力利用情報を用いて作成し、開催日時の該当日(ある特定の1日)における電力利用状況と、行政情報の属性(例えば、「日曜日の日中午後に開催される」)に対応する過去の日々における電力利用状況の平均(例えば、過去の日曜日平均)とを比較し、その差分の電力量[kWh]を算出することにより、節電効果を具体的数値データ(X.XX[kWh]、XX.X[円])として求め、求めた節電効果を示す具体的数値データを、ネットワーク1を介して端末装置34〜36,26へ送信する処理を実行してもよい。
【0052】
なお、上記において、開催日時の該当日(ある特定の1日)における電力利用状況と、行政情報の属性(例えば、「日曜日の日中午後に開催される」)に対応する過去の日々における電力利用状況の平均(例えば、過去の日曜日平均)との差分の電力量[kWh]の算出は、1日の電力使用の履歴データの全体の差分としてもよく、あるいは、行政情報の属性(時間に関する属性)についての時間区画または特徴データを得る際の時間区画だけについての差分としてもよい。後者の場合には、
図4の例では、
図4の上側のグラフにおいて点線で囲んだ時間区画内の面積と、
図4の下側のグラフにおいて点線で囲んだ時間区画内の面積との差分の算出となる。
【0053】
電力利用情報記憶手段61は、
図2に示すように、ゲートウェイサーバ識別情報、世帯識別情報(例えば、世帯主の名前)、電力利用情報(統一された共通のフォーマット)等を対応させて記憶するものである。なお、電力利用情報は、
図4に示すように、使用した電力の時刻暦のデータであり、使用設備(センサ)毎に、時間(時刻)と各時点の使用電力とを対応させたデータと、全ての使用設備(センサ)のトータルで、時間(時刻)と各時点の使用電力とを対応させたデータとが含まれる。各世帯の特徴データの抽出または分類には、全ての使用設備(センサ)のトータルのデータを用いてもよく、個々の使用設備(センサ)のデータを用いてもよい。
【0054】
世帯情報記憶手段62は、
図2に示すように、ゲートウェイサーバ識別情報、世帯識別情報(例えば、世帯主の名前)、特徴データ、ログインID、パスワード、プロファイル情報(居住エリア、世帯構成、嗜好性等)、配信行政情報ID(1つに限らず、複数のIDでもよい。)等を対応させて記憶するものである。なお、本実施形態では、世帯情報記憶手段62は、1つの記憶手段として記載されているが、例えば、ゲートウェイサーバ識別情報や世帯識別情報(例えば、世帯主の名前)等により関連付ける(紐付ける)ようにすれば、複数の記憶手段で構成してもよい。
【0055】
行政情報記憶手段63は、
図2に示すように、行政情報ID、行政情報、行政情報についての時間に関する属性(時間帯や曜日等)、それ以外の属性(配信対象世帯についての居住エリア、世帯構成、嗜好性等)、開催日時、配信有効期限等を対応させて記憶するものである。なお、時間に関する属性(時間帯や曜日等)と、開催日時とは異なり、例えば、時間に関する属性は、「日曜日の日中午後に開催される」等であるのに対し、開催日時は、「2013年9月1日(日曜日)13:00〜15:00、および2013年9月8日(日曜日)13:00〜15:00」等のように具体的に特定された日時である。
【0056】
以上において、行政情報配信サーバ50の各手段51〜56は、行政情報配信サーバ50を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
【0057】
また、行政情報配信サーバ50の各記憶手段61〜63は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−RW、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
【0058】
さらに、行政情報配信サーバ50は、1台のコンピュータあるいは1つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータあるいは複数のCPUで分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
【0059】
このような本実施形態においては、以下のようにして行政情報配信システム10により、特定の世帯にターゲットを絞った行政情報の配信処理が行われる。
【0060】
図3において、先ず、行政機関の担当者は、自己の端末装置(不図示)を操作し、ネットワーク1を介して行政情報配信サーバ50にアクセスし、行政情報およびその属性等の登録を行う(ステップS1)。
【0061】
具体的には、行政機関の担当者は、自己の端末装置(不図示)において、行政情報、その属性(イベント等が開催される時間帯や曜日等の時間に関する属性、配信対象世帯についての居住エリア、世帯構成、嗜好性等)、開催日時、配信有効期限等を入力し、入力した行政情報等を、ネットワーク1を介して行政情報配信サーバ50へ送信する。行政情報配信サーバ50では、行政機関の担当者の端末装置(不図示)からネットワーク1を介して送信されてくる行政情報等を受信し、受信した行政情報等を、行政情報IDと関連付けて行政情報記憶手段63(
図2参照)に記憶させる。
【0062】
例えば、
図4に示すように、行政情報として、「スマイルウォーキング 参加者募集 20XX年XX月XX日(日)13:00 対象:市内在住・在勤・在学の方」等の文字データを入力する。また、行政情報についての時間に関する属性として、「日曜日の日中午後に開催される」という属性を端末装置(不図示)の画面上で選択すると、その選択された属性を示す識別情報(記号、番号等)が、端末装置(不図示)からネットワーク1を介して行政情報配信サーバ50へ送信され、行政情報記憶手段63(
図2参照)に記憶される。なお、行政情報についての時間に関する属性は、1つの行政情報に対し、複数個を選択してもよい。また、開催日時=「20XX年XX月XX日(日)13:00」、配信有効期限=「20XX年XX月XX日」等も入力し、ネットワーク1を介して行政情報配信サーバ50へ送信し、行政情報記憶手段63(
図2参照)に記憶させる。
【0063】
また、例えば、行政情報として、「夫婦向け ウォーキングの案内 20XX年XX月XX日(日)13:00 K公園集合」等の文字データを入力した場合には、時間に関する属性以外の行政情報の属性として、例えば、居住エリア=「K公園の近隣地区」、世帯構成=「夫婦世帯」、嗜好性=「日頃の運動不足の解消」等を、端末装置(不図示)の画面上で選択すると、その選択された属性を示す識別情報(記号、番号等)が、端末装置(不図示)からネットワーク1を介して行政情報配信サーバ50へ送信され、行政情報記憶手段63(
図2参照)に記憶される。
【0064】
このような行政情報およびその属性等の登録処理は、登録すべき新しい行政情報が発生する都度に行われるが、説明の便宜上、ステップS1に記載しているものである。
【0065】
続いて、各世帯の世帯主またはその他の構成員(世帯主の代理)は、自己の端末装置34〜36,26を操作し、ログインID・パスワード(またはこれらに加えて世帯識別情報(例えば、世帯主の名前))を入力し、ネットワーク1を介して行政情報配信サーバ50へ送信する(ステップS2)。行政情報配信サーバ50では、プロファイル情報受付手段53により、ログインID・パスワードによる認証処理を行った後、プロファイル情報の入力画面の表示用データを、ネットワーク1を介して端末装置34〜36,26へ送信する。すると、端末装置34〜36,26の画面上には、プロファイル情報の入力画面が表示されるので、各世帯の世帯主またはその他の構成員は、この入力画面で、居住エリア、世帯構成、嗜好性等のプロファイル情報を入力し、入力したプロファイル情報を、ネットワーク1を介して行政情報配信サーバ50へ送信する(ステップS2)。行政情報配信サーバ50では、プロファイル情報受付手段53により、ネットワーク1を介して送信されてくるプロファイル情報を受信し、受信したプロファイル情報を、受信したログインIDに対応する世帯識別情報(例えば、世帯主の名前)または受信した世帯識別情報と関連付けて世帯情報記憶手段62(
図2参照)に記憶させる(ステップS3)。
【0066】
この際、居住エリア、世帯構成、嗜好性等のプロファイル情報の入力は、主として、端末装置34〜36,26の画面上に表示された入力画面での選択操作により行われる。例えば、居住エリアについては、自分の居住エリア(例えば、「〜市〜町」等)を選択し、世帯構成については、「夫婦世帯」等を選択し、さらには、男性50歳、女性48歳等の年齢構成を入力または選択し、嗜好性については、「日頃の運動不足を解消したい」等を選択する。そして、これらの選択されたプロファイル情報を示す識別情報(番号、記号等)が、ネットワーク1を介して行政情報配信サーバ50へ送信され、世帯情報記憶手段62(
図2参照)に記憶される。なお、このプロファイル情報の入力は、各世帯がアンケートに答える形で行われるので、世帯によっては、未入力の場合もある。また、このプロファイル情報の入力は、各世帯が行いたいときに行われ、さらには、入力後の閲覧や更新も可能であるが、説明の便宜上、ステップS2,S3に記載しているものである。
【0067】
それから、住宅20内に設置された各センサ27〜31で検出された電力利用情報が、例えば、所定の時間間隔(例えば30分間隔等)で、センサ識別情報とともにゲートウェイサーバ21へ無線または有線で送信される。さらに、ゲートウェイサーバ21に蓄積された各センサ27〜31で検出した電力利用情報が、例えば、所定の時間間隔(例えば毎晩等)で、Wi−Fiルータ(無線LAN対応ルータ)32およびインターネット接続ルータ33を経由し、ネットワーク1を介して電力利用情報収集サーバ40へ送信される(ステップS4)。ゲートウェイサーバ21から電力利用情報収集サーバ40への送信データは、例えば、ゲートウェイサーバ識別情報、並びに、何組かのセンサ識別情報およびそのセンサで検出した電力利用情報となる。なお、ゲートウェイサーバ21からネットワーク1への接続は、上記に限定されるものではなく、有線、無線を問わない。
【0068】
電力利用情報収集サーバ40では、ゲートウェイサーバ21からネットワーク1を介して送信されてくる各世帯X,Y,Z,…の電力利用情報(使用された電力の時刻暦等)を、ゲートウェイサーバ識別情報とともに受信し、受信した電力利用情報を、ゲートウェイサーバ識別情報および世帯識別情報(例えば、世帯主の名前)と関連付けて収集データ記憶手段41(
図2参照)に記憶させる(ステップS5)。
【0069】
続いて、集約手段51がアグリゲーション処理を行うタイミングで、複数の電力利用情報収集サーバ40から、各世帯の電力利用情報(
図4に示すような使用した電力の時刻暦のデータ等)が、ゲートウェイサーバ識別情報および/または世帯識別情報(例えば、世帯主の名前)とともに、ネットワーク1を介して行政情報配信サーバ50へ送信される(ステップS6)。行政情報配信サーバ50では、集約手段51により、複数の電力利用情報収集サーバ40からネットワーク1を介して送信されてくる各世帯の電力利用情報を、ゲートウェイサーバ識別情報および/または世帯識別情報(例えば、世帯主の名前)とともに受信した後、それぞれの電力利用情報収集サーバ40の独自のフォーマットの状態で取得した電力利用情報について、フォーマットを変換して共通のフォーマットに統一した状態で、ゲートウェイサーバ識別情報および世帯識別情報(例えば、世帯主の名前)と関連付けて電力利用情報記憶手段61(
図2参照)に記憶させる(ステップS7)。
【0070】
このアグリゲーション処理は、所定の時間間隔(例えば毎晩等)で繰り返し行われるものであるが、説明の便宜上、ステップS6,S7に記載しているものである。
【0071】
その後、分析手段52により、電力利用情報記憶手段61(
図2参照)に記憶された電力利用情報(使用した電力の時刻暦のデータ)を分析し、行政情報の属性(時間に関する属性)に対応する各世帯の特徴データ(時刻暦から導くことができる特徴データ)を抽出または分類し、分析で得られた各世帯の特徴データを、世帯識別情報(例えば、世帯主の名前)と関連付けて世帯情報記憶手段62(
図2参照)に記憶させる(ステップS8)。この分析処理も、所定の時間間隔(例えば毎晩等)で繰り返し行われるものであるが、説明の便宜上、ステップS8に記載しているものである。
【0072】
ステップS8での分析手段52による分析処理の詳細は、前述した通りである。例えば、
図4に示すように「日曜日の日中午後の時間帯」という時間区画を判断対象としたり、あるいは「日曜日の午前中の時間帯」や「日曜日の夕方の時間帯」や「日曜日」等の時間区画を判断対象として特徴データを抽出するのであれば、分析手段52により、過去における全て(複数)の日曜日の電力利用情報(使用した電力の時刻暦のデータ)を用いて、1日における電力利用状況(日曜日平均)を作成する。そして、分析手段52により、作成した1日における電力利用状況(日曜日平均)のうちの判断対象の時間区画(例えば、日曜日の日中午後の時間帯)における電力使用量(これも、日曜日平均ということになる。)について、大小の判断を行い、当該時間区画について在宅が多いか否かを判断する。なお、本実施形態では、事前に設定された全ての時間区画について、特徴データの抽出処理を実行するので、電力使用量が小さい(その時間区画は不在が多い)と判断される時間区画も多数発生し得ることになる。
【0073】
それから、対象世帯抽出手段54により、行政情報記憶手段63(
図2参照)に記憶された行政情報の属性(時間帯や曜日等の時間に関する属性、居住エリア、世帯構成、嗜好性等)と、世帯情報記憶手段62(
図2参照)に記憶された各世帯の特徴データ(時刻暦から導くことができる特徴データ)およびプロファイル情報(居住エリア、世帯構成、嗜好性等)とを比較し、行政情報の属性に対応する特徴データを有する世帯を、当該行政情報の配信対象世帯として抽出し、当該行政情報を識別するための行政情報ID(配信行政情報ID)を、抽出した世帯についての世帯識別情報(例えば、世帯主の名前)と関連付けて世帯情報記憶手段62(
図2参照)に記憶させる(ステップS9)。この配信対象世帯の抽出処理も、所定の時間間隔(例えば毎晩等)で繰り返し行われるものであるが、説明の便宜上、ステップS9に記載しているものである。
【0074】
ステップS9での対象世帯抽出手段54による配信対象世帯の抽出処理の詳細は、前述した通りである。例えば、
図4に示すように、「スマイルウォーキング 参加者募集 20XX年XX月XX日(日)13:00 対象:市内在住・在勤・在学の方」という行政情報が、行政情報記憶手段63(
図2参照)に記憶され、その行政情報についての時間に関する属性として、「日曜日の日中午後に開催される」という属性が、行政情報記憶手段63(
図2参照)に記憶されていたとする。そして、行政情報の属性と特徴データとの対応関係として、「日曜日の日中午後に開催される」という行政情報の属性と、「日曜日の日中午後は在宅が多い」という特徴データとが対応するように、対象世帯抽出手段54を実現するプログラム内に記述されるか、または対象世帯抽出手段54により読み込まれる外部のテーブル(属性・特徴データ対応関係記憶手段)に記憶されていたとすれば、
図4に示すような1日における電力利用状況(日曜日平均)となっている世帯Xが、配信対象世帯として抽出され、「スマイルウォーキング 参加者募集 20XX年XX月XX日(日)13:00 対象:市内在住・在勤・在学の方」という行政情報についての配信行政情報IDが、世帯Xについての世帯識別情報(例えば、世帯主の名前)と関連付けて世帯情報記憶手段62(
図2参照)に記憶される。
【0075】
続いて、各世帯の世帯主またはその他の構成員は、自己の端末装置34〜36,26を操作し、ログインID・パスワードを入力し、入力したログインID・パスワードとともに行政情報の閲覧要求信号を、ネットワーク1を介して行政情報配信サーバ50へ送信する(ステップS10)。行政情報配信サーバ50では、配信手段55により、行政情報の閲覧要求信号(ログインID・パスワードを含む。)を受信し、ログインID・パスワードによる認証処理を行った後、世帯情報記憶手段62(
図2参照)から、ログインIDに対応する配信行政情報IDを取得し、取得した配信行政情報IDを用いて、行政情報記憶手段63(
図2参照)から、当該世帯向けの行政情報を取得し、取得した行政情報の表示用データを、ネットワーク1を介して閲覧要求が行われた端末装置34〜36,26へ送信する(ステップS11)。すると、端末装置34〜36,26の画面上には、当該世帯向けの行政情報が表示されるので、当該世帯の世帯主またはその他の構成員は、それを参照・閲覧し、その行政情報によって示されたイベント等に参加または関与するか否かを判断する。
【0076】
その後、各世帯の世帯主またはその他の構成員は、参照・閲覧した行政情報によって示されたイベント等に実際に参加または関与した場合には、それによる節電効果を確認すべく、自己の端末装置34〜36,26を操作し、ログインID・パスワードを入力し、入力したログインID・パスワードとともに節電効果確認対象の選択画面の表示要求信号を、ネットワーク1を介して行政情報配信サーバ50へ送信する(ステップS12)。行政情報配信サーバ50では、節電効果確認手段56により、節電効果確認対象の選択画面の表示要求信号(ログインID・パスワードを含む。)を受信し、ログインID・パスワードによる認証処理を行った後、配信手段55により行政機関側から当該世帯に対して過去に積極的に配信した行政情報の選択画面の表示用データを、ネットワーク1を介して端末装置34〜36,26へ送信する。すると、端末装置34〜36,26の画面上には、過去に積極的に配信した行政情報の選択画面が表示されるので、各世帯の世帯主またはその他の構成員は、節電効果を確認したい行政情報(イベント等)を選択し、選択した行政情報(イベント等)についての行政情報IDを含む節電効果確認要求信号を、ネットワーク1を介して行政情報配信サーバ50へ送信する。
【0077】
行政情報配信サーバ50では、節電効果確認手段56により、ネットワーク1を介して送信されてくる節電効果確認要求信号(当該世帯が参加または関与した行政情報についての行政情報IDを含む。)を受信し、行政情報記憶手段63(
図2参照)から、受信した行政情報IDに関連付けられている開催日時を取得し、取得した開催日時の該当日(ある特定の1日)における当該世帯の電力利用情報を、電力利用情報記憶手段61(
図2参照)から取得し、取得した電力利用情報(その日における電力利用状況を示すグラフ情報)を、ネットワーク1を介して端末装置34〜36,26へ送信する(ステップS13)。
【0078】
また、電力利用状況を示すグラフ情報の送信に加え、節電効果確認手段56により、端末装置34〜36,26から受信した行政情報IDに関連付けられて行政情報記憶手段63(
図2参照)に記憶されている行政情報の属性(時間に関する属性)を取得し、取得した行政情報の属性(例えば、「日曜日の日中午後に開催される」)に対応する過去の日々における電力利用状況の平均(例えば、過去の日曜日平均)を、電力利用情報記憶手段61(
図2参照)に記憶された当該世帯の電力利用情報を用いて作成し、開催日時の該当日(ある特定の1日)における電力利用状況と、行政情報の属性(例えば、「日曜日の日中午後に開催される」)に対応する過去の日々における電力利用状況の平均(例えば、過去の日曜日平均)とを比較し、その差分の電力量[kWh]を算出することにより、節電効果を具体的数値データ(X.XX[kWh]、XX.X[円])として求め、求めた節電効果を示す具体的数値データを、ネットワーク1を介して端末装置34〜36,26へ送信する(ステップS13)。すると、端末装置34〜36,26の画面上には、節電効果を示す具体的数値データが表示されるので、当該世帯の世帯主またはその他の構成員は、節電効果を数値で確認することができる。
【0079】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、行政情報配信サーバ50は、行政情報の属性と、各世帯の電力利用情報を分析して得られた特徴データとを比較し、行政情報の属性に対応する特徴データを有する世帯を、その行政情報の配信対象世帯として抽出し、当該世帯への行政情報の配信を行うことができる。このため、特定の住民にターゲットを絞った形で行政情報を提供することができるので、行政情報の充実を図り、その整備や細分化等を進めることにより、住民サービスを向上させることができる。
【0080】
例えば、電力利用情報から休日の昼間に在宅していることが多いと判断される住民向けに、休日の昼間に開催されるイベントの案内をプッシュ配信し、節電行動を促すことができる。
【0081】
また、地域振興策として、近隣商店街のセール情報を、電力利用情報から在宅していると判断される家庭に配信し、購買意欲を喚起することもできる。
【0082】
また、行政機関の側から、特定の住民に伝達したい行政情報がある場合には、その特定の住民に向けてその行政情報を伝達することができるので、住民が気付かずにその行政情報を取得・閲覧できない、あるいは取得・閲覧が遅れるといった事態の発生を回避することができ、情報提供の即時性を高めることができる。
【0083】
さらに、各世帯の電力利用情報を利用して住民への行政情報の配信を行うので、HEMS(ヘムス)の導入効果として、節電やCO
2の削減といった本来的効果に加え、自分にとって有用な行政情報を適切なタイミングで得られるという効果が生じるため、HEMS(ヘムス)の普及促進を図ることもできる。
【0084】
そして、ネットワーク1を介しての行政情報の配信であるため、回覧板等に比べ、リアルタイムでの情報配信を実現することができる。また、HEMS(ヘムス)の設備を利用するので、住民に新たな設備の購入負担をかけることがないため、本システムの導入を円滑に進めることができる。
【0085】
また、行政情報配信サーバ50は、プロファイル情報受付手段53を備えているので、対象世帯抽出手段54は、行政情報記憶手段63(
図2参照)に記憶された行政情報の属性に含まれる居住エリア、世帯構成、嗜好性等と、世帯情報記憶手段62(
図2参照)に記憶された各世帯のプロファイル情報(居住エリア、世帯構成、嗜好性等)とを比較し、配信対象世帯の抽出時の絞り込み処理を実行することができる。このため、行政情報の配信ターゲットの絞り込みを、より一層適切に行うことができ、各世帯は、自分達にとって、より有用な行政情報を、より適切なタイミングで得ることができる。
【0086】
さらに、行政情報配信サーバ50は、集約手段51を備えているので、複数の電力利用情報収集サーバ40で収集した各世帯の電力利用情報を集約することができる。このため、HEMS(ヘムス)を取り扱う複数の企業や団体による収集データを利用し、行政情報の配信を行うことができるので、より多くの世帯に対し、付加価値の高い情報を提供することができる。
【0087】
そして、行政情報配信サーバ50は、節電効果確認手段56を備えているので、各世帯の世帯主またはその他の構成員は、参照・閲覧した行政情報によって示されたイベント等に実際に参加または関与した場合には、それによる節電効果を容易に確認することができる。このため、HEMS(ヘムス)の普及促進を、より一層図ることができる。
【0088】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
【0089】
例えば、前記実施形態では、分析手段52での分析による特徴データの抽出または分類の処理は、予め設定された全ての時間区画について行われるので、行政情報記憶手段63(
図2参照)に登録される行政情報およびその属性等とは無関係に行われるようになっていたが、行政情報およびその属性等の登録が行われた後に、その属性に対応する時間区画について、分析手段52による分析処理を行って、特徴データを抽出または分類するようにしてもよい。
【0090】
また、前記実施形態での記載は省略されているが、前記実施形態の行政情報配信サーバ50は、民生委員や児童委員による電力利用情報を利用した高齢者や子供の見守りを実現するための機能を備えていてもよい。例えば、分析手段52により、各世帯の電力利用情報を用いて、長時間連続して電力の利用がないことを検出した場合、あるいは普段とは異なる電力利用動向を検出した場合に、行政機関の担当者(健康福祉部の担当者等)に対し、例えば、電子メール(携帯メールであることが望ましい。)等でその旨を通知する処理を実行するようにしてもよい。このような通知を行う構成とすれば、通知を受けた行政機関の担当者は、簡易な確認で済む場合(1)や、民生委員や児童委員と連絡が付かない場合(2)には、HEMS(ヘムス)を活用した確認処理(例えば、テレビ26への確認メッセージの送信処理等)を行うことができる。一方、上記の(1),(2)以外の場合には、民生委員や児童委員に携帯電話等で連絡し、電話掛け・訪問等による従来の方法による確認作業を促すことができる。このような仕組みを構築することで、高齢者等の見守りに係る業務の効率化に寄与することができ、副次的に、必要コストを削減することも可能となる。なお、このような仕組みを構築する場合には、システムによるリアルタイムの監視の効果を上げるため、少なくとも長時間連続して電力の利用がないことの検出、あるいは普段とは異なる電力利用動向の検出については、分析手段52による分析処理の時間間隔を短く設定することが望ましい。
【0091】
さらに、前記実施形態では、行政情報配信サーバ50の集約手段51が、各世帯の電力利用情報(
図4に示すような使用した電力の時刻暦のデータ等)を、各社の電力利用情報収集サーバ40の独自のフォーマットの状態でネットワーク1を介して取得し、フォーマットを変換して共通のフォーマットに統一する処理を行っていたが、このフォーマット変換処理は、行政情報配信サーバ50側ではなく、各社の電力利用情報収集サーバ40側で実行してもよく、その場合には、集約手段51は、各社の電力利用情報収集サーバ40からフォーマット変換済みの各世帯の電力利用情報を受信し、それらを電力利用情報記憶手段61(
図2参照)に記憶させる構成とすればよい。
【課題】配信ターゲットを絞った形での行政情報の提供、行政情報の提供の即時性の向上、およびHEMS(ヘムス)の普及促進を図ることができる行政情報配信サーバを提供する。
【解決手段】行政情報およびその属性(時間に関する属性)を行政情報記憶手段63に記憶させるとともに、各世帯の電力利用情報を分析して得られた特徴データを世帯情報記憶手段62に記憶させ、対象世帯抽出手段54により、行政情報の属性と特徴データとを比較し、行政情報の属性に対応する特徴データを有する世帯を、その行政情報の配信対象世帯として抽出し、配信手段55により、当該世帯に対し、当該世帯向けの行政情報の配信を行う。