特許第5684377号(P5684377)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5684377ケーブル接続システムおよびケーブルをケーブル接続システムに接続する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5684377
(24)【登録日】2015年1月23日
(45)【発行日】2015年3月11日
(54)【発明の名称】ケーブル接続システムおよびケーブルをケーブル接続システムに接続する方法
(51)【国際特許分類】
   H02G 15/076 20060101AFI20150219BHJP
   H02G 15/08 20060101ALI20150219BHJP
【FI】
   H02G15/076
   H02G15/08 B
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-513657(P2013-513657)
(86)(22)【出願日】2011年6月6日
(65)【公表番号】特表2013-531454(P2013-531454A)
(43)【公表日】2013年8月1日
(86)【国際出願番号】EP2011059315
(87)【国際公開番号】WO2011154367
(87)【国際公開日】20111215
【審査請求日】2012年12月26日
(31)【優先権主張番号】102010017265.0
(32)【優先日】2010年6月7日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504019733
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】アンドレーゼン、イェンス
(72)【発明者】
【氏名】ゲリュリス、イェンス
【審査官】 南 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−166653(JP,A)
【文献】 実開平03−126374(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 15/076
H02G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内手段(14)と、少なくとも1つの接続要素(22)および少なくとも1つの絶縁変位コネクタ(24)を含む接続部(28)上にねじ込まれるようになされたキャップナット(12)と、を備えるケーブル接続システム(10)、特にケーブル接続プラグにおいて、前記案内手段(14)は、少なくとも1本の電線を含むケーブルの端部領域を受容しかつ固締するためのケーブル受容部(16)と、前記電線を少なくとも1つの電線案内構造(36)によって案内するための電線案内部(18)と、を備え、前記案内手段(14)を部分的に覆う前記キャップナット(12)が前記接続部(28)上にねじ込まれたときに、前記ケーブルの前記端部領域は前記ケーブル受容部(16)内に固締され、前記案内手段(14)内で案内された前記電線の電線絶縁体が前記絶縁変位コネクタ(24)によって切り開かれ、
前記案内手段(14)は、少なくとも1つのばね要素(44)を用いて前記ケーブルのシールドを前記ケーブルの前記端部領域で受容しかつ前記ケーブルの前記シールドと電気的に接触するための、前記ケーブル受容部(16)と前記電線案内部(18)の間の接続領域(32)内に配置されたシールド接続部(34)を備え、前記シールド接続部(34)は、前記案内手段(14)により受容される少なくとも1つの導体要素(52)を備え、また前記ケーブル接続システム(10)が組み立てられたときに、前記導体要素(52)は、電線案内構造(36)を通って延び、前記導体要素(52)の絶縁体は、前記電線案内構造(36)に関連する絶縁変位コネクタ(24)によって切り開かれること、
を特徴とする、ケーブル接続システム。
【請求項2】
前記シールド接続部(34)は、前記ケーブル接続システム(10)のシールド手段に電気的に接続される、および/または、接続可能である、請求項1に記載のケーブル接続システム。
【請求項3】
前記シールド手段は、前記キャップナット(12)と前記接続部(28)の接続体(26)とで形成されるか、または、少なくとも部分的に形成される、請求項に記載のケーブル接続システム。
【請求項4】
前記シールド接続部(34)は、環状基部(42)と前記基部(42)から漏斗形状の対称軸線の方へ斜めに延びるばね要素(44)とを備える漏斗状のキャッチ手段(40)として形成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のケーブル接続システム。
【請求項5】
前記キャッチ手段(40)の前記基部(42)における開口(48)の直径が、前記キャッチ手段(40)の反対端部(46)における開口(50)の直径より大きい、請求項に記載のケーブル接続システム。
【請求項6】
前記ばね要素(44)は、前記基部(42)の反対側の前記ばね要素(44)の端部(46)に、外方に角度をつけた端部領域を備える、請求項またはに記載のケーブル接続システム。
【請求項7】
前記ケーブル受容部(16)、前記電線案内部(18)および前記シールド接続部(34)はキャッチ機構によって互いに接続される、請求項1からのいずれか一項に記載のケーブル接続システム。
【請求項8】
前記ケーブル接続システムは前記接続部(28)を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のケーブル接続システム。
【請求項9】
シールドおよび少なくとも1本の電線を備えるケーブルを請求項1から8のいずれか一項に記載のケーブル接続システムに接続する方法であって、
前記ケーブルの前記端部領域内の前記シールドを前記ケーブルのケーブル絶縁体の上にかぶせるステップと、
前記電線を前記ケーブル受容部から前記シールド接続部の中に前記ケーブル絶縁体のストップまで挿入するステップと、
前記電線を前記案内構造内に置くステップと、
前記案内手段を部分的に覆う前記キャップナットをねじ込むことによって前記案内手段および前記接続要素を組み立てるステップであって、前記ケーブルの前記端部領域は前記ケーブル受容部内に固締され、前記少なくとも1本の電線の前記電線絶縁体は前記接続要素の関連する絶縁変位コネクタによって切り開かれ、前記電線の導体が接触させられる、ステップと、を含み
前記シールド接続部が備える前記案内手段により受容される前記導体要素もまた、前記案内手段および前記接続要素を組み立てた後で、案内構造内に置かれ、前記導体要素の絶縁体もまた、関連する絶縁変位コネクタによって切り開かれる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、案内手段と、少なくとも1つの接続要素および少なくとも1つの絶縁変位コネクタを含む接続部上にねじ込まれるようになされたキャップナットと、を備えるケーブル接続システム、特にケーブル接続プラグに関し、案内手段は、少なくとも1本の電線を含むケーブルの端部領域を受容しかつ固締するためのケーブル受容部と、電線を少なくとも1つの電線案内構造によって案内するための電線案内部と、を備え、案内手段を部分的に覆うキャップナットが接続部上にねじ込まれたときに、ケーブルの端部領域はケーブル受容部内に固締され、案内手段内で案内された電線の電線絶縁体は絶縁変位コネクタによって切り開かれる。本発明はさらに、ケーブルをケーブル接続システムに接続する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許第19951455(C1)号明細書より、ケーブルの電線が個々の電線の電線絶縁体を除去する必要なしに器具接続部材またはケーブル接続部材の接続要素に簡単な方法で接続され得るようにするケーブル接続システムが知られている。この目的のために、ケーブル接続システムは、案内手段と、少なくとも1つの絶縁変位コネクタを含む器具接続部材またはケーブル接続部材上にねじ込まれるようになされたキャップナットと、を備える。案内手段自体は、ケーブルの端部領域を受容しかつ固締するためのケーブル受容部と、電線案内構造によって対応する電線を案内するための電線案内部と、を備える。案内手段を部分的に覆うキャップナットが器具接続部材またはケーブル接続部材上にねじ込まれたときに、ケーブルの端部領域はケーブル受容部材内に固締され、案内手段内で案内された電線の電線絶縁体は器具接続部材またはケーブル接続部材の絶縁変位コネクタによって切り開かれる。
【0003】
一方、この種のケーブルはデータ伝送の応用分野でも使用され、この応用分野でのケーブルはシールドケーブルとして形成される。
【0004】
シールドを備えるシールドケーブル用プラグコネクタおよびプラグコネクタのシールドをケーブルのシールドに接続するためのシールド接続部として形成されたケーブル接続システムも知られている。独国実用新案第202008004892(U1)号明細書は、前述したようなケーブル接続システムにおいてケーブル接続システムの導電性キャップナットおよび接続部を用いて導電性のシールドケーブルのシールドを接続するためにも使用され得るシールド接続要素を示している。この目的のために、前記シールド接続要素は、ケーブルの露出したシールドが外方に案内されるようにする、底部および角度をつけたカラーを含む平鍋様形状を有していて、キャップナットが対応する接続部の雄ねじ上にねじ込まれたときに、シールドを有するカラーが導電性キャップナットおよび接続部と電気的に接触するようにする。シールドの遮蔽効果を伝達させる場合、このシールド接続要素には、キャップナットが上にねじ込まれる接続部が導電性材料で作られる必要がある。さらに、対応するプラグコネクタは、このプラグコネクタの構成要素の周囲およびこのシールド接続要素(シールド伝達要素)の取扱いに関して比較的複雑である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、シールドケーブルの容易な接続を可能にするようなケーブル接続システムおよびケーブルをかかるケーブル接続システムに接続するための対応する方法を提供することであり、ケーブル接続システムの構成的構造は比較的簡単である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、本発明により独立請求項の特徴によって達成される。本発明の好ましい諸実施形態は従属請求項に明記されている。
【0007】
本発明によるケーブル接続システムでは、案内手段は、少なくとも1つのばね要素を用いてケーブルのシールドをケーブルの端部領域で弾性的に受容しかつケーブルのシールドと電気的に接触するための、ケーブル受容部と電線案内部の間の接続領域内に配置されたシールド接続部を備えるものとする。キャップナットがねじ込まれたときに、ケーブルのプラグイン端部領域はケーブル受容部内にプラグイン位置で固定される。したがって、シールド接続部は、ケーブルのシールドの固定を確保する必要はないが、単に恒久的かつ確実な電気的接触を提供しなければならないだけである。ケーブル受容部は、この受容部にはめ込まれたシーリングとともに、特にケーブル接続システムの張力緩和および密封部分として形成され、したがってケーブル受容固締部を形成する。
【0008】
有利には、ケーブル受容部および電線案内部は互い接続され、組み合わせて本質的に中空円筒の全体形状を有するものとする。本明細書において、シールド接続部は全体形状の内側に配置される。特に、ケーブル受容部および電線案内部は一体に接続される。
【0009】
本発明の好ましい一実施形態によれば、シールド接続部は、ケーブル接続システムのシールド手段に電気的に接続されるかまたは電気的に接続可能であるものとする。したがって、シールド接続部は、ケーブル接続システムの内部でケーブル接続システムのシールド手段に電気的に接続されるかまたは電気的に接続可能である。したがって、ケーブルとケーブル接続システムの間にギャップレスシールドを確保するためには、プラグインケーブルのシールドのシールド接続部への単純なフォースフィットおよび/またはフォームフィットによる接続(force−fit and/or form−fit connection)で十分である。
【0010】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、シールド接続部は、環状基部とこの基部から漏斗形状の対称軸線の方へ斜めに延びるばね要素とを備える漏斗状のキャッチ手段として形成されるものとする。このキャッチ手段は、ケーブルの端部領域をケーブル受容部内へプラグインする方向と同じ方向に向けられ、キャッチ手段の漏斗状の先細りになった形状はプラグイン方向に延びる。したがって、環状基部はケーブル受容部と向かい合い、キャッチ手段の反対側の端部にある開口は電線案内部と向かい合う。本明細書において、ばね要素は、個々のばね要素間に隙間を残すことができるように、互いに同一平面上にはない。
【0011】
具体的には、キャッチ手段の基部における開口の直径は、キャッチ手段の反対端部における開口の直径より大きい。基部の開口の直径はケーブルの直径より大きいこと、および、反対端部の開口の直径はケーブルの直径より小さいことが特に好ましい。
【0012】
これらの比率によれば、シールドを備えるケーブルの端部領域がキャッチ手段に容易に螺入され得るとともに、シールドが実際にキャッチ手段の中に捕捉され得ることが確実になる。具体的には、基部の開口の直径はケーブルの直径より少なくとも20%大きく、ケーブルの直径もキャッチ手段の反対端部の開口より少なくとも20%大きいものとする。
【0013】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、ばね要素はそれぞれ、基部の反対側のばね要素の端部に、外方に角度をつけた端部領域を備えるものとする。この角度をつけた端部領域は、ばね要素が最大限に広げられたときに、中空円筒の全体形状の内面に支持される。この端部領域の長さと残りのばね要素に対する対応する角度とにより、開口の最大直径が基部の反対側に画定される。
【0014】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、シールド接続部は(特に、シールド接続部をシールド手段に接続するために)少なくとも1つの導体要素を備えるものとする。シールド接続部が環状基部および斜めに延びるばね要素を備えるキャッチ手段として構成される場合、導体要素は特に、ばね要素のうちの1つおよび/または基部に配置される。
【0015】
詳細には、ケーブル接続システムが組み立てられたときに、導体要素は電線案内構造または電線案内構造のうちの1つを通って延び、電線案内構造に関連する絶縁変位コネクタと接触するものとする。したがって、導体要素はケーブルの電線のうちの1本のように処理され、接続部の関連する接続要素に電気的に接続することができる。
【0016】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、ケーブル受容部、電線案内部およびシールド接続部はキャッチ機構によって互いに接続されるものとする。あるいは、案内手段のこれらの構成要素は別の方法で互いに接続することもできる。
【0017】
好ましくは、シールド手段は、キャップナットと接続部の接続体とで形成されるか、または少なくとも部分的に形成されるものとする。この目的のために、キャップナットおよび接続体は金属で作られることが好ましい。
【0018】
本発明の別の実施形態によれば、最後にケーブル接続システムは接続部も備えるものとする。接続部は、好ましくは電線案内構造の数に対応する数の絶縁変位コネクタを備え、関連する絶縁変位コネクタに電気的に接続される少なくとも1つの接続要素をさらに備える。この接続要素は、例えば、プラグまたはソケット要素とすることができるが、線の導体要素とすることもできる。
【0019】
本発明はさらに、シールドおよび少なくとも1本の電線を備えるケーブルを上述のケーブル接続システムに接続する方法にも関し、この方法は、(a)ケーブルの端部領域内のシールドをケーブルのケーブル絶縁体にかぶせるステップと、(b)電線をケーブル受容部からシールド接続部の中にケーブル絶縁体のストップまで挿入するステップと、(c)電線を案内構造内に置くステップと、(d)案内手段を部分的に覆うキャップナットをねじ込むことによって案内手段および接続要素を組み立てるステップであって、ケーブルの端部領域がケーブル受容部内に固締され、少なくとも1本の電線の電線絶縁体が接続要素の関連する絶縁変位コネクタによって切り開かれ、電線の導体が接触させられる、ステップと、を含む。
【0020】
本発明の方法では、特に、シールド接続部の導体要素もまた、案内手段および接続要素を組み立てた後で、案内構造内に置かれ、関連する絶縁変位コネクタと接触するものとする。
【0021】
以下では、本発明について、好ましい諸実施形態に基づいて添付図面に関して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の好ましい一実施形態による、案内手段、キャップナットおよび接続部を備えるケーブル接続システムの斜視分解図である。
図2】本発明の好ましい一実施形態による、図1の案内手段およびこの案内手段の中に配置されたシールド接続部の斜視断面図である。
図3図2の完全なシールド接続部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1に、ケーブル接続プラグとして形成されたケーブル接続システム10の分解図を示す。ケーブル接続システム10は主として、キャップナット12と、ケーブル受容部16および電線案内部18を備える案内手段14と、案内手段14のケーブル受容部16内に置かれるようになされた環状シーリング20と、接続されるべきケーブル(図示せず)および案内手段14の方に向いている側で絶縁変位コネクタ24にそれぞれ接続されている4つの接続要素22と、接続体26内に配置される接続要素22および絶縁変位コネクタ24と共に接続部28を形成する接続体26と、を含む。接続体26は、キャップナット12の図示されていない雌ねじに対応する雄ねじ30を備える。本質的に中空円筒の案内手段14の内側の接続領域32内には、ケーブルの端部領域を受容しかつケーブルの前記端部領域内でケーブルのシールドと電気的に接触するための、図2および図3に示されているシールド接続部34が設けられる。電線案内部18は、案内手段14および接続部28が組み立てられる前に電線の電線端部を案内しかつ整列させるための4つの電線案内構造36を備える。
【0024】
図2に案内手段14の断面図を示す。案内手段14は、上述したように、長手方向(長手方向軸線38)に対して、ケーブル受容部16とケーブル受容部16から接続領域32を通って延びる電線案内部18とで構成される。本明細書において、案内手段14は本質的に長手方向に、すなわち長手方向軸線38に沿って中空円筒として形成される。この中空円筒の内部には、漏斗状のキャッチ手段40として形成されたシールド接続部34がケーブル受容部16と電線案内部18の間の接続領域32内に配置される。漏斗状のキャッチ手段40は、1つの環状基部42と、前記基部42から案内手段14の長手方向軸線38と一致する漏斗形状の対称軸線の方へ斜めに延びる4つのばね要素44と、で構成されるが、断面図のため、3つのばね要素しか見ることができない。本明細書において、図示されている特定の実施形態におけるばね要素44は環状基部42に溶接された弾性ラグである。ばね要素44はそれぞれ、基部42の反対側のばね要素44の端部46に外方に角度をつけた端部領域を備える。
【0025】
したがって、キャッチ手段40の2つの開口48、50が形成される。基部の開口48の直径はケーブル接続システム10に関連するケーブル(図示せず)の直径より大きく、反対端部46に形成された開口50の直径はケーブルの直径より小さい。シールド接続部34は導体要素52をさらに備える。この導体要素52は、キャッチ手段40として形成されたシールド接続部34のばね要素44のうちの1つに取り付けられ、前記ばね要素44の延長部として延びる。
【0026】
ケーブル受容部16は図1に示されているシーリング20はフィン54の内側に円周方向に配置された複数のフィン54を備える。当接することができる。フィン54は、キャップナット12の内側にいわゆるPGグランドとして設けられたベベルと協働し、したがって、キャップナット12が接続部28上にねじ込まれると、フィン54はシーリング20に押し付けられ、それによってケーブルの端部領域に対するシーリングが与えられる。同時に、この構造はケーブルの張力緩和として働く。
【0027】
さらに、案内手段14の電線案内部18の中には、接続されるべき電線の数および接続部28の接続要素22の数に対応する数の電線案内構造36が外側に設けられる。電線案内構造36は凹所56として形成される。これらの凹所56はそれぞれ、ケーブルの対応する電線およびシールド接続部34の導体要素52に対する一種のキャッチ構造および位置決め構造である。
【0028】
図3に、環状基部42、ばね要素44および導体要素52を備えるキャッチ手段40として形成された完全なシールド接続部34を示す。
【0029】
したがって、電線案内部18の以下の機能が達成される。すなわち、ケーブルの端部領域がケーブル受容部16内に挿入されると、ケーブルの電線は、漏斗状のキャッチ手段40として形成されたシールド接続部34を通って延び、案内手段14の電線案内部18に入る。そこで、電線およびオプションとしてシールド接続部34の導体要素52もまた、半径方向外向きに曲げられ、凹所56として形成された案内構造36内に置かれる。本明細書において、凹所56は、電線端部および導体要素52の端部に対する保持ロックとして働く。
【0030】
この構成では、電線端部および導体要素52の端部がそれぞれ、図1に示されている接続部28の絶縁変位コネクタ24と交差するため、電線絶縁体および導体要素52の絶縁体はそれぞれ、それが該当する場合、キャップナット12が接続部28上にねじ込まれ、続いて絶縁変位コネクタ24がそれぞれ電線の導体および導体要素52と接触したときに、切り込みを入れられる。
【0031】
さらに、キャッチ手段40として形成されているシールド接続部34の以下の機能が次のように実現される。個々のばね要素44の間の隙間を用いて、ケーブルの個々の電線は難なくキャッチ手段40を通って延びることができる。しかし、ケーブル絶縁体の上にかぶせられシールドメッシュとして形成されたケーブルのシールドは、基部42の反対側の端部46にある第2の開口50の直径がケーブルの絶縁体を含むケーブルの直径より小さいので、キャッチ手段40を通って延びることができない。したがって、ケーブルおよびケーブル絶縁体がケーブル受容部16からシールド接続部34の中に挿入され得る限度となるストップが設けられる。ばね要素44のばね効果と、このように形成された案内ベベルとにより、ケーブルのシールドとこれらのばね要素44との間にフォースフィットおよび/またはフォームフィットが提供される。仮にケーブルの端部領域がケーブル受容部16内にシーリング20によって固締されると、ケーブルのシールドとシールド接続部34との間の恒久的電気接続部が作り出される。この電気接続部は、導体要素52および対応する絶縁変位コネクタ24を通じて、前記絶縁変位コネクタと電気的に接触している接続要素22に電気的に接続することができる。別法としてまたは追加として、他の経路に対して接続を実現することもできる。
【0032】
シールドを備えるケーブルをケーブル接続システム10に接続するために、以下の5つのステップが行われる。すなわち、
(i)ケーブルの端部領域内のケーブル絶縁体の末端部を除去するステップと、
(ii)ケーブルの端部領域内のシールドをケーブルの残りのケーブル絶縁体の上にかぶせるステップと、
(iii)ケーブルの端部領域をケーブル受容部からシールド接続部の中に残りのケーブル絶縁体のストップまで挿入するステップと、
(iv)ケーブルの電線を電線案内部18の対応する案内構造36内に置くステップと、
(v)案内手段14を部分的に覆うキャップナット12をねじ込むことにより案内手段14および接続部28を組み立てるステップであって、ケーブルの端部領域がケーブル受容部16内にシーリング20によって固締され、ケーブルの電線の電線絶縁体が接続部28の関連する絶縁変位コネクタ24によって切り開かれ、電線のそれぞれの導体が接触させられる、ステップと、
が行われる。
【0033】
同じことが、特に、電線案内構造36のうちの1つの中に置かれる導体要素52にも当てはまる。
【0034】
下記の利点が実現される。すなわち、
金属キャップナット12、金属案内手段14および金属接続部28から形成されたケーブル接続システム10の金属ケーシングもまた、ほとんどの厳しい産業用途に適している。本明細書において、高級鋼に至るまでの金属ダイカストで作られた諸実施形態が検討される。
【0035】
キャップナット12および接続部28に金属ねじを使用することにより、ケーブル受容部16内の配線およびケーブルシーリングのための高い軸力を加えることができる。
【0036】
案内手段14の一体構造と一体のケーブル案内部および電線受容部とが実用的取扱いを確実にする。特に現場における組立てで構成部品が紛失されることはない。
【0037】
シールド線の準備は、実際に特に容易かつ安全に管理することができ、特別な精度を必要としない。
【符号の説明】
【0038】
10 ケーブル接続システム
12 キャップナット
14 案内手段
16 ケーブル受容部
18 電線案内部
20 シーリング
22 接続要素
24 絶縁変位コネクタ
26 接続体
28 接続部
30 雄ねじ
32 接続領域
34 シールド接続部
36 電線案内構造
38 長手方向軸線
40 キャッチ手段
42 基部
44 ばね要素
46 端部
48 開口
50 開口
52 導体要素
54 フィン
56 凹所
図1
図2
図3