特許第5684759号(P5684759)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5684759-控え壁構造 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5684759
(24)【登録日】2015年1月23日
(45)【発行日】2015年3月18日
(54)【発明の名称】控え壁構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20150226BHJP
【FI】
   E04B2/74 561A
【請求項の数】3
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2012-181296(P2012-181296)
(22)【出願日】2012年8月20日
(65)【公開番号】特開2014-37736(P2014-37736A)
(43)【公開日】2014年2月27日
【審査請求日】2012年12月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100698
【氏名又は名称】アイカ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】神田 憲二
(72)【発明者】
【氏名】松永 大輔
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−000368(JP,A)
【文献】 特開2005−226313(JP,A)
【文献】 特開2012−136870(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/74
E06B 3/46
A47B 96/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面に溝8が形成された縦部材4と、側面に溝8が形成された上下の横部材5,6と、L字型金具7と、ダボ3と、横桟2と、からなる控え壁構造であって、前記縦部材4にはダボ3が前記縦部材4の中央より幾分偏心されて突出し、前記横桟2にはダボ係止溝1が形成され、前記横桟2は前記縦部材4間に、ダボ係止溝1を水平方向にして横架され、前記L字型金具7は前記溝8に埋設固定されてなることを特徴とする控え壁構造。
【請求項2】
前記縦部材4と前記横部材5,6の溝8の巾は同一であることを特徴とする請求項1記載の控え壁構造。
【請求項3】
前記ダボは木製ダボであることを特徴とする請求項1記載の控え壁構造
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は控え壁、より詳しくは引き戸の控え壁ユニット及び控え壁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでより引き戸が納められる側には、縦枠、横枠、横桟などの芯材と表面材とから構成される控え壁が備えられており、この控え壁には、横桟を左右の縦枠の間に架け渡して仮固定した後に、表面材が横桟の位置にビス、ネジなどで固定される。
【特許文献1】特開2005−133317号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の控え壁においては、横桟はダボ係止溝を下にしてダボに仮固定されているため、片側から表面材を固定しようとしても、横桟の仮固定が不安定でダボを中心にクルリと回転して落ちることがあり、控え壁を製作するのに手間がかかっていた。
【0004】
また、施工現場で縦枠、横枠、横桟などの芯材の切削加工、ダボ係止溝の切削加工や、これらの芯材の組み付けなど、施工時間を要していた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はかかる状況に鑑み検討されたもので、側面に溝8が形成された縦部材4と、側面に溝8が形成された上下の横部材5,6と、L字型金具7と、ダボ3と、横桟2と、からなる控え壁構造であって、前記縦部材4にはダボ3が前記縦部材4の中央より幾分偏心されて突出し、前記横桟2にはダボ係止溝1が形成され、前記横桟2は前記縦部材4間に、ダボ係止溝1を水平方向にして横架され、前記L字型金具7は前記溝8に埋設固定されてなることを特徴とする控え壁構造、また、前記縦部材4と前記横部材5,6の溝8の巾は同一であることを特徴とする控え壁構造前記ダボは木製ダボであることを特徴とする控え壁構造である。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、ダボ係止溝1が形成された横桟2を、ダボ係止溝1を水平方向にして縦部材間に、ダボ係止溝1を形成していない側から表面材9を横桟2に横架するため、表面材9を横桟2に固定する際に横桟2が回転して落ちることがない。
【0007】
また、ダボ3が前記縦部材4の中央より幾分偏心されて突出しているため横桟2を取り付ける間違いが起こらない。
【0008】
更に、横桟2は加工時の応力緩和や環境湿度変化で溝幅サイズが広がることを抑制しダボと安定して係止し、クルリと回転するのを防ぐ形状である。この横桟2を引っ掛けるダボ係止溝1は深さが浅いためダボ係止溝1が押し広げられることがなく、切り欠き溝の深さが浅いことで、表面材9をビス固定する際にも横桟2が割れにくく、表面材9としっかりと締結できる。図4の従来の例ではダボ係止溝1aが深いため前述の理由により押し広げられやすい。
【0009】
更にまた、回転しにくい横桟でユニット化されているので施工時間のみならず、控え壁を製作するための時間を大幅に削減できる。以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は控え壁の分解斜視図、図2は控え壁ユニット15の要部分解斜視図、図3は横桟2の斜視図である。
【0011】
控え壁は上横部材5、下横部材6、縦部材4、横桟2、ダボ3、L字型金具7、表面材9から構成される。表面材9にはプラスターボードが用いられているが特に限定はない。
【0012】
ダボ3は木製ダボ、金属ダボを問わないが、木製ダボを使用することで、表面材を固定するときに初めて垂直が出るようにしている。これは控え壁の芯材が真直ぐはないことがあり、木製ダボは弾性がありこれを現場にあわせて矯正できる。
【0013】
上横部材5の上側、下横部材6の下側、縦部材4の外側には、L字型金具7が埋設固定されやすく、L字型金具7の巾、厚みと同程度の巾、深さを有する溝8が設けられている。これにより各部材の組み付ける時間を短縮できるとともに。壁厚方向に生じる施工精度のブレを小さくとどめることができる。
【0014】
L字型金具7を固定する位置を上横部材5、下横部材6、縦部材4の外側にすることにより、各部材より構成される四方組み芯材が太鼓状に膨らむ事を抑制することができる。
【0015】
縦部材4にはダボ孔が縦部材4の巾方向の中央より幾分偏心された位置に穿設されてダボ3が突出しており、係止溝1が水平方向に設けられた横桟2が引っ掛かるようになっている。ダボ3は前記縦部材4の巾方向の中央より幾分偏心されて突出しているため横桟2を取り付ける間違いが起こらない。係止溝1を水平方向に設け、ダボ係止溝1を形成していない側から表面材を横桟2に固定することにより、横桟2が回転して落下することがない。また、横桟2は各部材より構成される四方組み芯材が鼓状になるのを突っ張って芯材が変形するのを防ぐことができる。
【0016】
上横部材5、下横部材6、縦部材4には溝8、横桟2には係止溝1が長さ方向に連続して設けられているため任意の位置で切断しても形状に変わりはなく、施工現場の状況に応じ所望の寸法にカットして用いることができる。
【0017】
更に、上横部材5、下横部材6、縦部材4の溝8の巾を同一にすることにより、縦、横どちらでも使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】控え壁の斜視図。
図2】控え壁ユニットの分解斜視図。
図3】横桟の斜視図。
図4】従来の横桟の斜視図。
【符号の説明】
【0019】
1 係止溝
1a係止溝
2 横桟
2a横桟
3 ダボ
4 縦部材
5 上横部材
6 下横部材
7 L字型金具
8 溝
9 表面材
15 控え壁ユニット
図1
図2
図3
図4