特許第5684906号(P5684906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5684906親水コロイドを有するチューインガムからの親油性成分の高められた放出
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5684906
(24)【登録日】2015年1月23日
(45)【発行日】2015年3月18日
(54)【発明の名称】親水コロイドを有するチューインガムからの親油性成分の高められた放出
(51)【国際特許分類】
   A23G 4/00 20060101AFI20150226BHJP
【FI】
   A23G3/30
【請求項の数】13
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-516659(P2013-516659)
(86)(22)【出願日】2011年6月21日
(65)【公表番号】特表2013-529468(P2013-529468A)
(43)【公表日】2013年7月22日
(86)【国際出願番号】US2011041135
(87)【国際公開番号】WO2011163152
(87)【国際公開日】20111229
【審査請求日】2013年2月15日
(31)【優先権主張番号】61/358,445
(32)【優先日】2010年6月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508351303
【氏名又は名称】インターコンチネンタル グレート ブランズ エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】512326551
【氏名又は名称】クラフト フーズ デ メキシコ エス. デ アール.エル. デ シー.ヴィ.
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】グァン ジュンジエ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエリドウ タソウラ エー.
(72)【発明者】
【氏名】カンポマネス マリン フアン パブロ
(72)【発明者】
【氏名】シェッティー アディティ
(72)【発明者】
【氏名】ホアン ティンイー
【審査官】 鳥居 敬司
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−198941(JP,A)
【文献】 特開昭61−078350(JP,A)
【文献】 特表2010−504100(JP,A)
【文献】 特開昭62−215349(JP,A)
【文献】 特表2008−509665(JP,A)
【文献】 特表2008−509922(JP,A)
【文献】 特表2008−539804(JP,A)
【文献】 特開2006−274226(JP,A)
【文献】 特表2008−516622(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23G 4/00−4/20
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
WPIDS/WPIX(STN)
G−Search
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューインガム組成物であって、
重量%〜0重量%のガムベースと、
重量%〜5重量%の増量甘味剤と、
.001重量%〜.0重量%の親油性香料または親油性感覚剤と、
.01重量%〜0重量%のペクチンと
を含み、すべての重量は前記チューインガム組成物の総重量に基づき、前記ペクチンは膨潤しておらずかつ水和しておらず、前記ペクチンは、粉末形態で、かつ封入剤としてでもなく凝集剤としてでもなく、前記チューインガム組成物の中へと直接組み込まれている、
チューインガム組成物。
【請求項2】
前記親油性感覚剤は、カプサイシン、N−(4−(シアノメチル)フェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサン−カルボキシアミド、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミド、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、2−[(5−メチル−2−プロパン−2−イルシクロヘキサンカルボニル)アミノ]酢酸エチル、ジャンブーオレオレジン、メントール、メントン、グルタル酸モノメンチル、乳酸メンチル、trans−ペリトリン、スピラントール、合成スピラントール、N,2,3−トリメチル−2−プロパン−2−イルブタンアミド、バニリルアルコールn−ブチルエーテル、バニリルアルコールエチルエーテル、およびこれらの組み合わせである、請求項1に記載のチューインガム組成物。
【請求項3】
前記チューインガム組成物はN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドを含む、請求項1に記載のチューインガム。
【請求項4】
0.2重量%〜0.6重量%のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドを含む、請求項1に記載のチューインガム。
【請求項5】
0.01重量%〜3.0重量%の親油性香料または親油性感覚剤を含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項6】
.1重量%〜.0重量%の親油性香料または親油性感覚剤を含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項7】
.15重量%〜重量%のペクチンを含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項8】
.05重量%〜.7重量%のペクチンを含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項9】
前記ペクチンは、ペクチンからなる粒子、ポリマーでコーティングされたペクチンの粒子、またはポリマー中に分散されたペクチンからなる粒子の形態にある、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項10】
前記ペクチンの粒径は、ふるい分析により決定される場合、0マイクロメートル以上である、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項11】
前記ペクチンは、ガラクツロン酸を74.0%以上含み、メトキシ基を6.7%以上含む、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項12】
前記チューインガムは中心充填部チューインガムではない、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項13】
チューインガム組成物を製造する方法であって、
ガムベースを融解させて、融解したガムベースを形成することと、
増量甘味剤を前記融解したガムベースと混合し、第1の混合物を形成することと、
親油性感覚剤、親油性香料、またはこれらの組み合わせを前記第1の混合物に混ぜ込み、第2の混合物を形成することと、
.01%〜0重量%の粉末ペクチンを前記融解したガムベース、前記第1の混合物、または前記第2の混合物に混ぜ込むことと
を含み、前記ペクチンは膨潤しておらずかつ水和しておらず、前記ペクチンは封入剤でもなく凝集剤でもない、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的に、チューインガムからの親油性成分、例えば親油性香料および親油性の感覚剤化合物、の放出を高めるための親水コロイド、例えばペクチン、の組み込みに関する。
【背景技術】
【0002】
今日入手できるチューインガムは、一般に、水不溶性のガムベース、甘味料、天然香料または人工香料、および特定の香味の特徴および口当たりをもたらすように整えられた様々なさらなる成分を含有する。香料、甘味料、感覚剤(センセート)および治療薬などの活性物の意図された目的のために、それらの活性物の経口送達は、チューインガム組成物の主な目的のうちの1つである。例えば、いくつかのチューインガムは、消費者に冷感、温感、または刺激の感覚を与える感覚剤を含むことができる。使用者による消費の際に冷却感覚を与えるために、様々な生理的冷感剤がチューインガム配合物において使用されてきた。
【0003】
チューインガム産業におけるかなりの取り組みは、香料および特定の感覚剤化合物(冷感剤など)を含めた親油性成分の放出および安定化を改善することに向けられてきた。多くのこのような感覚剤は、疎水性または親油性である。これらの成分は親油性であるので、それらは、チューインガム組成物の親油性部、例えばゴム/エラストマー性のポリマー部に保持されることが多い。その結果は、親油性成分の有効性、例えば、冷却感覚剤の冷却効果など、の喪失である。
【0004】
親油性の、低水溶性の成分は、噴霧乾燥、スプレーコーティング、および他のマトリクス封入技術を使用することによる封入などの、それら親油性の、低水溶性の成分の物理的形態の改変なしに、チューインガムから放出することが非常に困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえ、親油性成分の放出を高めることができるチューインガム組成物についてのニーズがある。さらには、チューインガムの質感が消費者に受け入れられることを同時に維持しつつ、高められた感覚剤効果をもたらすためのチューインガム組成物に対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの実施形態では、チューインガム組成物は、約5%〜約90重量%のガムベースと、約5%〜約95重量%の増量甘味剤と、約0.001%〜約5.0重量%の親油性香料または親油性感覚剤と、約0.01%〜約10重量%のペクチンとを含み、このペクチンは膨潤しておらずかつ水和しておらず、このペクチンは、粉末形態で、かつ封入剤としてでもなく凝集剤としてでもなく、当該チューインガム組成物の中へと直接組み込まれている。
【0007】
別の実施形態では、チューインガム組成物を製造する方法は、ガムベースを融解させて、融解したガムベースを形成することと、増量甘味剤をこの融解したガムベースと混合し、第1の混合物を形成することと、親油性感覚剤、親油性香料、またはこれらの組み合わせを第1の混合物に混ぜ込み、第2の混合物を形成することと、約0.01%〜約10重量%の粉末ペクチンをこの融解したガムベース、第1の混合物、または第2の混合物に混ぜ込むことと、を含み、当該ペクチンは膨潤しておらずかつ水和しておらず、かつこのペクチンは、封入剤でもなく凝集剤でもない。
【0008】
上記の特徴および他の特徴は、以下の詳細な説明によって例証される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明者らは、膨潤しておらず、水和しておらずかつ粉末の形態のペクチンを、チューインガム組成物の中に直接添加することで、咀嚼の間のチューインガムからの親油性成分の放出が著しく高められるということを観察した。理論は明らかではないが、ペクチンは、咀嚼の間にチューインガム食物塊の中への唾液浸透を増大させ、チューインガムからの親油性成分のより高い割合の抽出を生じると考えられる。
【0010】
さらに、本発明者らは、膨潤しておらず、水和しておらずかつ粉末のペクチンと、親油性香料または親油性感覚剤との特定の組み合わせが、著しく高められた香味物質の放出を呈するということを観察した。ペクチンが封入剤または凝集剤として使用されるなら複合体化も起こるであろうが、膨潤しておらず、水和しておらずかつ粉末のペクチンは親油性の香料または感覚剤と複合体化されていないということを考えると、この高められた香味物質の放出は特に驚くべきことである。
【0011】
咽頭の鎮痛を与えるための喉飴においてペクチンが粘滑薬として使用されることについては、ペクチンは公知である。しかしながら、本発明者らは、少量の膨潤しておらず、水和していない粉末のペクチンとN−エチル−2,2 ジイソプロピルブタンアミドとの組み合わせを含有するチューインガムが、ペクチンを含まずにN−エチル−2,2 ジイソプロピルブタンアミドを含有するチューインガムと比べて、咽頭の後部において冷却の著しい増進を示すということを観察した。これは、驚くべきことである。なぜなら、ペクチンは咽頭の鎮痛のための喉飴で使用されるので、ペクチンは、咽頭において感覚の増進をもたらすよりはむしろ、咽頭の感覚を低下させると予測されると考えられるからである。
【0012】
さらに、本発明者らは、膨潤しておらず、水和していない粉末のペクチンの添加によって、さらに、許容できる咀嚼の質感特性が消費者に受け入れられることを維持しつつ、チューインガム組成物で必要とされるゴムの量の減少が可能になるということを観察した。この少量のゴムは、次には、チューインガムの中のゴムと親油性成分との間の相互作用の量を低減させて、噛んでいる間の、このガムマトリクスからの親油性成分の放出を改善する。
【0013】
本願明細書に記載される実施形態は、膨潤しておらず、水和しておらずかつ粉末の形態のペクチンであって、このペクチンは、乾燥粉末形態で、かつ封入剤としてでもなく凝集剤としてでもなく、当該チューインガム組成物の中へと直接組み込まれている、ペクチンに関する。
【0014】
ペクチン
ペクチンは、果実および野菜の中の構造成分に由来する多糖である。商業的な原料供給源としては、柑橘類の皮、リンゴの皮およびテンサイ(サトウダイコン)が挙げられる。ペクチンは、多くの食品での応用例に対して、粘度、質感、ゲル化(増粘剤、安定剤)およびタンパク質安定性などの複数の機能をもたらす。
【0015】
ペクチンは、1,4−結合したα−D−ガラクトシルウロン酸(galactosyluronic acid)残基を含有する一群の複雑な多糖である。3つのペクチン多糖が植物の一次細胞壁から単離され、構造的に特徴づけられている。これらはホモガラクツロナン、置換ガラクツロナン、およびラムノガラクツロナンである。ホモガラクツロナンは、下記の例に示されるもののような、α−(1−4)−結合したD−ガラクツロン酸の線状鎖である:
【化1】
【0016】
メチルエステル化度(DE)が異なる2つの基本的な種類のペクチンがある。高メチルエステル(HM)ペクチンは、50よりも高いDEを有し、低pH(3.5未満)および高固形分量(55%以上)においてゲルを形成する。ゲル化のためにカルシウムイオンは必要とはされない。低メチルエステル(LM)ペクチンは、50より低いDEを有する。ゲル化は、1〜7のpH範囲内および可溶性固形分量(0〜85%)の範囲で起こり、カルシウムなどの二価のカチオンを必要とする。関連する植物材料(例えば柑橘類の皮)の抽出液をアンモニア(これは、ペクチンを脱エステル化するために使用される)で処理することにより得られる低メチルエステル−アミド化(LMA)ペクチンと呼ばれる、第3の種類のペクチンもある。得られたペクチン分子はアミド基を含有する。
【0017】
一般に、ペクチンの最大安定性はpH 4で得られる。低pHおよび高温では、脱エステル化、およびグリコシド結合の加水分解を介する分解が起こる。HMペクチンは、高温にあるとき、ほぼ中性のpHで粘度およびゲル化特性を失う。LMペクチンは、ほぼ中性のpHおよび高温では、HMペクチンよりも安定である。しかしながら、両方の種類のペクチンは、アルカリpH値では、(室温でさえも)分解する。
【0018】
ペクチンのゲル化は、温度、ペクチンの種類、pH、糖および他の溶質、およびカルシウムイオンによって影響を受ける。
【0019】
ペクチンの分子量は、そのゲル化強度に影響を及ぼす。高分子量ペクチンは、ゲルに高破壊強さを与える。単離されるペクチンは、起源および抽出条件によって変わるが、典型的には60〜130,000g/molの分子量を有する。
【0020】
いくつかの実施形態では、本発明のチューインガムで使用されるペクチンは、ゲル状ではなく、水和されておらず、溶媒(例えば、水)によって膨潤もしていない。むしろ、本発明のチューインガムで使用されるペクチンは、乾燥粉末形態で、特に、流動性の乾燥粉末形態で使用される。さらには、この粉末ペクチンは、凝集剤として、または封入剤もしくはコーティング成分としては使用されない。特定の実施形態では、このペクチンは、10.0%以下の乾燥減量を呈する乾燥粉末形態にある。乾燥粉末形態は、生成物が、実質的なケーキング(固化)なしに注ぎ込むことができ、膨潤しておらずかつ水和していないということを意味することが意図されている。
【0021】
好適な粉末ペクチンは市販されており、例えば、CP Kelcoから入手できるGenu(登録商標) Pectin、例えばGenu(登録商標) Pectin タイプUSP−L/200(高メトキシルペクチン;ガラクツロン酸≧74.0%;メトキシ基≧6.7%;スクロース、デキストロース、またはバッファー塩などの標準化剤(standardizing agent)を含まない;粒径、0.075mm≦1.0%;乾燥減量、≦10.0%);Pacific Pectin,Inc.から入手できるペクチン;およびDaniscoから入手できる、Grindsted(登録商標) SF、SF Extra、CF、Prime、およびUSPを含めたGrindsted(登録商標) ペクチンが挙げられる。
【0022】
いくつかの実施形態では、この膨潤しておらず、水和しておらずかつ粉末のペクチンは、ペクチンについての米国薬局方(USP)モノグラフ(United States Pharmacopoeia and National Formulary: USP 31)の要求を満たす。
【0023】
別の実施形態では、当該粉末ペクチンの粒径は、ふるい分析により決定される場合、約50マイクロメートル以上、特定すれば約65マイクロメートル以上、より特定すれば約70マイクロメートル以上、さらになおより特定すれば約75マイクロメートル以上である。粒径の上限は、ふるい分析により決定される場合、約2000マイクロメートル以下、特定すれば約1000マイクロメートル以下、より特定すれば約500マイクロメートル以下、なおより特定すれば約250マイクロメートル以下であることができる。
【0024】
粉末の形態でチューインガム組成物に加えられる膨潤しておらずかつ水和していないペクチンの量は、そのチューインガム組成物の重量に基づいて、そのチューインガム組成物の約0.01〜約10重量パーセント、特定すれば約0.1〜約7重量パーセント、より特定すれば約0.15〜約4重量パーセント、なおより特定すれば約0.3〜約1重量パーセント、さらになおより特定すれば約0.4〜約0.5重量パーセントであることができる。さらなる実施形態では、粉末の形態でチューインガム組成物に加えられる膨潤しておらずかつ水和していないペクチンの量は、そのチューインガム組成物の重量に基づいて、そのチューインガム組成物の約0.01〜約1.0重量パーセント、特定すれば約0.05〜約0.7重量パーセント、より特定すれば約0.15〜約0.6重量パーセント、なおより特定すれば約0.25〜約0.5重量パーセント、さらになおより特定すれば約0.3〜約0.4重量パーセントであることができる。
【0025】
1つの実施形態では、当該ペクチンは、ペクチンからなる粒子の形態にある。1つの実施形態では、このペクチンは、ペクチンおよび任意に増量甘味料(例えばスクロースまたはデキストロース)および任意のバッファー塩からなる粒子の形態にある。別の実施形態では、このペクチンは、ポリマーでコーティングされているペクチンおよび任意に増量甘味料(例えばスクロースまたはデキストロース)および任意のバッファー塩からなる粒子の形態にある。この実施形態の範囲内では、このポリマーとしては、ポリビニルアルコールまたはポリ酢酸ビニルを挙げることができる。さらに別の実施形態では、このペクチンは、ポリマーマトリクスに分散されているペクチンおよび任意に増量甘味料(例えばスクロースまたはデキストロース)および任意のバッファー塩からなる粒子の形態にある。この実施形態の範囲内では、このポリマーとしては、ポリビニルアルコールまたはポリ酢酸ビニルを挙げることができる。
【0026】
他の実施形態では、当該ペクチンは、粉末形態にはなく、可食フィルム(ペクチンを含む可食フィルム粒子が挙げられる)の形態にある。別の実施形態では、当該ペクチンは、チューインガム成分の上にあるコーティング(親油性香料または親油性感覚剤などの親油性成分上のコーティングを除く)の形態にある。
【0027】
親油性成分
当該チューインガム組成物は、親油性成分をさらに含む。「親油性成分」は、水の中で容易に可溶化されない成分を指す。例示的な親油性成分としては、親油性の冷感剤、親油性の温感剤、親油性の刺激剤、およびこれらの組み合わせが挙げられる親油性の感覚剤;ならびに油ベースの香料などの親油性香料;ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0028】
1つの態様では、親油性成分は、1.5以上、特定すれば2.0以上、より特定すれば2.5以上、なおより特定すれば3.0以上、さらになおより特定すれば3.5以上、より特定すれば4.0以上の、オクタノールと水との間の分配係数(25℃におけるlogP(オクタノール/水))を有する親油性成分である。物質の分配係数は、実験的に求めることができるし、または市販のソフトウェアを使用して算出することができる。例示的な親油性香料および親油性の感覚剤についてのlogP値は、下表に提示されている。
【0029】
【表1】
【0030】
粉末形態の膨潤しておらずかつ水和していないペクチンを含有するチューインガムにおいて使用されるとき、親油性感覚剤の量は、当該チューインガムの重量に基づいて、約0.001〜約5.0重量パーセント、特定すれば約0.01〜約4.0重量パーセント、より特定すれば約0.10〜約3.0重量パーセント、なおより特定すれば約0.20〜約2.0重量パーセント、さらになおより特定すれば約0.50〜約1.0重量パーセントであることができる。
【0031】
粉末形態の膨潤しておらずかつ水和していないペクチンを含有するチューインガムにおいて使用されるとき、親油性香料の量は、当該チューインガムの重量に基づいて、約0.001〜約5.0重量パーセント、特定すれば約0.01〜約4.0重量パーセント、より特定すれば約0.10〜約3.0重量パーセント、なおより特定すれば約0.20〜約2.0重量パーセント、さらになおより特定すれば約0.50〜約1.0重量パーセントであることができる。
【0032】
例示的な冷感剤としては、とりわけ、メンタン;メントン;ケタール;メントンケタール;メントングリセロールケタール;置換p−メンタン;非環状カルボキシアミド;グルタル酸モノメンチル;置換シクロヘキサンアミド;置換シクロヘキサンカルボキシアミド;置換尿素およびスルホンアミド;置換メンタノール;p−メンタンのヒドロキシメチルおよびヒドロキシメチル誘導体;2−メルカプト−シクロ−デカノン;2〜6個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸;シクロヘキサンアミド;酢酸メンチル;サリチル酸メンチル;N,2,3−トリメチル−2−プロパン−2−イルブタンアミド(WS−23);N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド(WS−3);N−[[5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロヘキシル]カルボニル]グリシンのエチルエステル(WS−5、3−(p−メンタン−3−カルボキシアミド)酢酸エチル、2−[(5−メチル−2−プロパン−2−イルシクロヘキサンカルボニル)アミノ]酢酸エチル);ならびにErmanらの米国特許第7,189760号(これは、参照によりその全体を本願明細書に援用したものとする)に開示されるN−[[5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロヘキシル]カルボニル]グリシンの実質的に純粋なエチルエステル;イソプレゴール;メンチルオキシプロパンジオール;3−(l−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール;3−(l−メントキシ)−2−メチルプロパン−1,2−ジオール;p−メンタン−2,3−ジオール;p−メンタン−3,8−ジオール;6−イソプロピル−9−メチル−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−メタノール;コハク酸メンチルおよびそのアルカリ土類金属塩;N−(4−(シアノメチル)フェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサン−カルボキシアミド(Evercool(商標) 180);トリメチルシクロヘキサノール;N−エチル−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキシアミド;和種はっか油;ペパーミント油;3−(l−メントキシ)エタン−1−オール;3−(l−メントキシ)プロパン−1−オール、3−(l−メントキシ)ブタン−1−オール;l−メンチル酢酸N−エチルアミド;4−ヒドロキシペンタン酸l−メンチル;3−ヒドロキシ酪酸l−メンチル;N−2,3−トリメチル−2−(1−メチルエチル)−ブタンアミド;N,N−ジメチルメンチルスクシンアミド;置換p−メンタン;置換p−メンタン−カルボキシアミド;メンチルエステル;2−イソプロパニル−5−メチルシクロヘキサノール(久光製薬株式会社製、以下「イソプレゴール」);メントングリセロールケタール(FEMA 3807、商品名 FRESCOLAT(登録商標) タイプMGA);3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール(Takasago製、FEMA 3784);乳酸メンチル(Haarman & Reimer製、FEMA 3748、商品名 FRESCOLAT(登録商標) タイプML);WS−30;WS−14;ユーカリエキス(p−メンタン−3,8−ジオール);メントール(その天然もしくは合成の誘導体);メントールPGカーボネート;メントールEGカーボネート;メントールグリセリルエーテル;N−tertブチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド;P−メンタン−3−カルボン酸グリセロールエステル;メチル−2−イソプロピル−ビシクロ(2.2.1)、ヘプタン−2−カルボキシアミド;メントールメチルエーテル;メンチルピロリドンカルボキシレート;2,5−ジメチル−4−(1−ピロリジニル)−3(2H)−フラノン;環状α−ケトエナミン;3−メチル−2−(1−ピロリジニル)−2−シクロペンテン−1−オンおよび5−メチル−2−(1−ピロリジニル)−2−シクロペンテン−1−オンを含めたシクロペンテン類などのシクロテン誘導体;BellらのPCT特許出願(国際公開第2006/125334号パンフレット)(これは、参照によりその全体を本願明細書に援用したものとする)に開示される、次式の化合物:
【化2】
(式中、Bは、H、CH、C、OCH、OC、およびOHから選択され;Aは、式−CO−Dの部分であり、この式中、Dは、以下の部分から選択される:(i)−NR(式中、RおよびRは、独立に、HおよびC−Cの直鎖もしくは分枝鎖の脂肪族、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、芳香族脂肪族およびシクロアルキル基から選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合する窒素原子と一緒に、任意に置換された5員もしくは6員の複素環式環の一部を形成する);(ii)−NHCHCOOCHCH、−NHCHCONH、−NHCHCHOCH、−NHCHCHOH、−NHCHCH(OH)CHOHならびに(iii)以下からなる群から選択される部分:
【化3】
)が挙げられる。他の化合物としては、Hofmannらの米国特許第6,592,884(これは、参照によりその全体を本願明細書に援用したものとする)に開示されるα−ケトエナミンが挙げられる。これらおよび他の好適な冷感剤は、以下の米国特許(それらのすべては、参照によりその全体を本願明細書に援用したものとする)にさらに記載されている:米国特許第4,230,688号明細書;米国特許第4,032,661号明細書;米国特許第4,459,425号明細書;米国特許第4,178,459号明細書;米国特許第4,296,255号明細書;米国特許第4,136,163号明細書;米国特許第5,009,893号明細書;米国特許第5,266,592号明細書;米国特許第5,698,181号明細書;米国特許第6,277,385号明細書;米国特許第6,627,233号明細書;米国特許第7,030,273号明細書。さらに他の好適な冷感剤は、以下の米国特許出願公開(それらのすべては、参照によりその全体を本願明細書に援用したものとする)にさらに記載されている:米国特許出願公開第2005/0222256号明細書;米国特許出願公開第2005/0265930号明細書。
【0033】
1.5以上のlogPを有する例示的な親油性の冷感剤としては、N−(4−(シアノメチル)フェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサン−カルボキシアミド、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミド、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、2−[(5−メチル−2−プロパン−2−イルシクロヘキサンカルボニル)アミノ]酢酸エチル、メントール(その天然または合成の誘導体)、メントン、グルタル酸モノメンチル、乳酸メンチル、N,2,3−トリメチル−2−プロパン−2−イルブタンアミド、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0034】
当該チューインガム組成物の特定の実施形態では、当該親油性成分は、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドを含み、この化合物は、菓子組成物の中で消費されるとき、咽頭冷却の感覚を与えることができる。N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドの構造は、下に示されている。
【化4】
【0035】
N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドは公知の化合物であり、Rowsellらの英国特許第1,421,744号に記載されている。その参考文献では、生理的な冷却活性を呈すると特徴づけられているのは、一群の非環状カルボキシアミドのうちの1つである。特に、その群の化合物は、「皮膚に対して、および体の粘膜、特に鼻および気道の粘膜に対して生理的な冷却効果を有する」と特徴づけられている(Rowsellらの英国特許第1,421,744号明細書の1頁、12〜15行)。このRowsell特許は、各化合物の「冷却活性」が1〜5の星印の尺度で示されている表を含んでいるが、冷却活性が評価された手順は与えられておらず、かつ咽頭冷却活性という具体的な指摘もない。
【0036】
粉末形態の膨潤しておらずかつ水和していないペクチンを含有するチューインガムにおいて使用されるとき、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドの量は、そのチューインガムの重量に基づいて、約0.01〜約1重量パーセント、特定すれば約0.1〜約0.9重量パーセント、より特定すれば約0.15〜約0.8重量パーセント、なおより特定すれば約0.2〜約0.6重量パーセント、さらになおより特定すれば約0.25〜約0.3重量パーセントであることができる。
【0037】
口腔の冷却よりも咽頭の冷却を強調するために、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドは、チューインガム組成物において単独のまたは主要な生理的冷感剤として使用されてもよい。あるいは、例えば、口腔の冷却および咽頭の冷却の組み合わせが所望されるとき、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドは、他の生理的冷感剤と組み合わせて使用することができる。一般に、ガムおよび糖菓における冷感剤の使用は、異なる配合の困難さを突きつけることに留意されたい。チューインガムでは、冷感剤の放出は、ガムベースと口腔の実質的に水性の環境との間の冷感剤の分配によって影響を受ける。対照的に、糖菓、例えばハードキャンディ、からの冷感剤の放出は、ハードキャンディの表面積および溶解速度によって大きく制御される。
【0038】
N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドと他の生理的冷感剤との組み合わせが可能である。N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドとともにチューインガムで使用することができる他の生理的冷感剤としては、上でこれまでに論じられた生理的冷感剤が挙げられる。
【0039】
例示的な温感剤は、使用者に温感の感覚信号をもたらすことが知られている実に様々な化合物から選択することができる。これらの化合物は、特に口腔内で暖かみを認知する感覚を与え、香料、甘味料、およびその他の感覚受容性成分の知覚を増強することが多い。有用な温感化合物としては、高砂香料工業株式会社、日本、東京により供給されるバニリルアルコールn−ブチルエーテル(TK−1000)、バニリルアルコールn−プロピルエーテル、バニリルアルコールイソプロピルエーテル、バニリルアルコールイソブチルエーテル、バニリルアルコールn−アミノエーテル、バニリルアルコールイソアミルエーテル、バニリルアルコールn−ヘキシルエーテル、バニリルアルコールメチルエーテル、バニリルアルコールエチルエーテル、ジンゲロール、ショウガオール、パラドール、ジンゲロン、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0040】
いくつかの実施形態では、刺激剤(tingling agent)が、使用者に刺激を与える、刺痛を与えるまたは麻痺する知覚をもたらすために用いられてもよい。例示的な刺激剤としては、有効成分がスピラントールであるジャンブーオレオレジンまたはパラクレス(オランダセンニチ)(Spilanthes sp.);サンショオール−I、サンショオール−IIおよびサンショーアミドとして知られる成分を含有するサンショウエキス(Zanthoxylum peperitum);ペリラルチン;4−(l−メントキシメチル)−2−フェニル−1,3−ジオキソラン;カビシンおよびピペリンの有効成分を含有する黒コショウエキス(piper nigrum);エキナセアエキス;キタサンショウ(Northern Prickly Ash)エキス;trans−ペリトリン、および赤コショウオレオレジンが挙げられる。いくつかの実施形態では、ジャンブーまたはサンショオールなどの材料から抽出したアルキルアミドが含まれていてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、刺激剤はスピラントールである。化合物スピラントールは、不飽和アルキルアミド、特定すればN−イソブチル−2E,6Z,8E−デカトリエンアミドまたは(2E,6Z,8E)−デカ−2,6,8−トリエン酸N−イソブチルアミドの化合物名を有するイソブチルアミドである。スピラントールは、スピラントールを含有するジャンブーエキス、例えば、ジャンブーオレオレジンを加えることによりもたらされうる。ジャンブーから抽出される他のアルキルアミドが含まれる可能性があるが、スピラントールは主要なアルキルアミドであり、そして典型的には、20〜50重量パーセント、特定すれば25〜40重量パーセントの量でオレオレジンの中に存在する。ジャンブーエキスの供給源および調製の他の詳細は、米国特許第6,780,443号明細書(この特許文献の内容全体は、参照により、あらゆる目的のために本願明細書に援用したものとする)に見出すことができる。スピラントールは、Asteraceae(キク科)のAchilla(ノコギリソウ属)(ノコギリソウ)、Acmella(ヌマツルギク属)(センニチギク(spotflower))、Echinacea(エキナセア属)(ムラサキバレンギク)、およびSpilanthes(スピランテス属)(スピランテス)の植物(葉および頭花を含む)から得ることができる。化合物スピラントールは、草の根からも抽出することができる(この場合、スピラントールは、「アフィニン」と呼ばれる)。例えば、スピラントールは、1重量%もの高い濃度でヘリオプシス・ロンギペス(Heliopisis longipes)の根に存在する。
【0042】
植物源に加えて、スピラントールは、合成的に、すなわち天然物として得るのではなく、調製することができる。スピラントールは、国際公開第2009/091040号パンフレットに開示されるようにして、合成的に調製することもできる。ジャンブーオレオレジン(オランダセンニチ)または他のスピラントール含有エキスは、Robertet,Inc.(フランス、グラース(Grasse))を含めた種々の供給メーカーから市販されている。
【0043】
合成スピラントールは植物源由来よりは純粋であり、この合成スピラントールは、味覚に基づいてある程度は識別することができる。合成スピラントールは少なくとも約90%の純度を有することができる。いくつかの実施形態では、合成スピラントールは、例えば、等価な量のジャンブー中のスピラントールと比較して、刺激感覚または加熱/冷却感覚よりも比較的高い口内湿潤化をもたらすことができる。合成スピラントールは、いくつかの同等の植物エキスよりも、試食に基づくと、混じりけの少ないプロファイルおよび/または少ない刺激を与えることができる。1つの実施形態では、合成スピラントールおよびスピラントール含有植物エキスの組み合わせが使用される。例えば、20〜60ppmのスピラントールという所定の範囲内で、合成スピラントールによってもたらされるスピラントールの量は20〜80重量%で変わることができ、ジャンブーなどの植物エキスによってもたらされるスピラントールの量は80〜20重量%で変わることができる。
【0044】
使用されてもよい親油性香料としては、天然香料および人工香料などの当業者に公知の香料が挙げられる。これらの香料は、果物、ハーブ、スパイス、またはセイボリーな香味をもたらしてもよい。これらの香料は、合成の香味油および香味のある香味物質ならびに/または植物、葉、花、果実など由来の油、オレオレジンおよびエキス、ならびにこれらの組み合わせから選ばれてもよい。限定を意図しない代表的な香味油としては、スペアミント油、シナモン油、ウィンターグリーンの油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、チョウジ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ナツメグの油、オールスパイス、セージの油、メース、クヘントウの油、およびケイヒ油が挙げられる。また、有用な香料は、バニラ、および柑橘油(レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツが挙げられる)、ならびにフルーツエッセンス(リンゴ、西洋ナシ、モモ、ブドウ、イチゴ、ラズベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、アプリコットなどが挙げられる)などの人工の、天然のおよび合成のフルーツ香料である。これらの香料は、液体または固体形態で用いてよく、個々にまたは混合物として用いてもよい。よく用いられる香料として、ペパーミントなどのミント、人工バニラ、シナモン誘導体、および様々なフルーツフレーバーが挙げられ、個々にまたは混合物として用いられる。
【0045】
他の有用な香料として用いてよいものとしては、酢酸シンナミル、シンナムアルデヒド、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル、ギ酸オイゲニル、p−メチルアミソール(methylamisol)などの、アルデヒドおよびエステルが挙げられる。一般に、全米科学アカデミー(National Academy of Sciences)によるChemicals Used in Food Processing、刊行物1274、63−258頁に記載のもののような、親油性の香味物質または食品添加物のいずれも用いてよい。
【0046】
チューインガム組成物
本願明細書に開示されるチューインガム組成物は、製造されるガム、すなわちチューインガムまたは風船ガムの種類に合うように変更されてもよい。本願明細書で使用する場合、用語「風船ガム」および「チューインガム」はほとんど同義で使用され、ともに、あらゆるガム組成物を包含することが意図されている。
【0047】
このチューインガム組成物は、コーティングされていてもよいし、またはコーティングされていなくてもよく、そして厚板、棒、ペレット、ボールなどの形態にあってもよい。このチューインガム組成物の異なる形態の組成物は類似しているであろうが、成分の比に関して様々であってもよい。例えば、コーティングされたチューインガム組成物は、より低い百分率の軟化剤を含有してもよい。ペレットおよびボールは、硬いシェルを作り出すために砂糖溶液またはシュガーレス溶液のいずれかでコーティングされたチューインガムコアを有してもよい。厚板および棒は、通常、チューインガムコアよりも質感が柔らかいように配合される。ある場合には、ヒドロキシ脂肪酸塩または他の界面活性剤活性物がガムベースに軟化効果をもたらす可能性がある。
【0048】
当該チューインガム組成物は、一般に、ガムベース、増量甘味料、親油性成分(親油性感覚剤(例えば、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミド)など)、および乾燥粉末形態でかつ封入剤としてでもなく凝集剤としてでもなく当該チューインガム組成物の中へと直接組み込まれている膨潤しておらずかつ水和していないペクチンを含む。さらなる成分としては、人工甘味料または高甘味度甘味料、さらなる香料、着色剤、乳化剤、さらなる感覚剤、軟化剤、またはこれらの組み合わせを挙げてもよい。なおさらなる任意の添加剤としては、咽頭無痛化剤、歯白色剤、呼気清涼化剤、ビタミン、ミネラル、カフェイン、薬物(例えば、医薬、ハーブ類、および栄養補給剤)、口腔ケア製品、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0049】
当該チューインガム組成物で用いられるガムベースは、所望のベースの種類、所望のガムの粘稠度、最終のチューインガム製品を製造するためにこの組成物で使用される他の構成要素などの種々の要因に依存して変わる可能性がある。このガムベースは、当該技術分野で公知のいずれの水に不溶性のガムベースであってもよく、チューインガムおよび風船ガムについて利用されるガムベースを包含する。ガムベースの中の好適なポリマーの具体例としては、天然ならびに合成のエラストマーおよびゴムの両方が挙げられる。これに関しては、ガムベースとして好適なポリマーとしては、チクル、天然ゴム、クラウンガム、ニスペロ(nispero)、ロシジンハ(rosidinha)、ジェルトング(jelutong)、ペリーロ(perillo)、ニガーグッタ(niger gutta)、ツヌ(tunu)、バラタ(balata)、ガッタパーチャ、レチカプシ(lechi capsi)、ソルヴァ(sorva)、グッタカイ(gutta kay)、など、およびこれらの混合物などの植物由来のエラストマーが挙げられるが、これらに限定されない。ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレンコポリマー、ポリエチレン、これらの組み合わせ、などの合成エラストマーも有用である。好適なガムベースとしては、ポリ酢酸ビニルおよびその部分加水分解生成物、ポリビニルアルコール、およびこれらの組み合わせなどの無毒なビニルポリマーを挙げてもよい。利用されるとき、このビニルポリマーの分子量は、約2,000〜約94,000ダルトン(Da)の範囲であってもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、上記粉末ペクチンが当該チューインガム組成物において使用されるとき、ガムベース中のゴムの量は、当該ガムベースの重量に基づいて0〜約3重量パーセント、特定すれば約1〜約2重量パーセントに減らされてもよい。このようなチューインガム組成物は、親油性成分の高められた放出をもたらす。なぜなら、それらの成分の放出を阻害するために利用できるゴムの量がより少ないからである。さらには、予想外にも、上記の減らされた量のゴムを用いても、ペクチンの存在により、良好な噛んだ質感がチューインガムに与えられ、噛んでいる間の質感に十分な弾力性(bounciness)が与えられるということが見出された。
【0051】
用いられるガムベースの量は、使用されるベースの種類、所望のガムの粘稠度、および最終のチューインガム製品を製造するためにこの組成物で使用される他の構成要素などの種々の要因に依存して大きく変わることになろう。一般に、このガムベースは、最終のチューインガム組成物の約5〜約90重量パーセント、特定すれば約10〜約70重量パーセント、より特定すれば約20〜約50重量パーセント、なおより特定すれば最終のチューインガム製品の約25〜約30重量パーセントの量で存在することになろう。
【0052】
当該ガムベースは、例えばラノリン、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、グリセリルトリアセテート、グリセリルレシチン、グリセリルモノステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、アセチル化モノグリセリド、グリセリン、これらの組み合わせなどの可塑剤または軟化剤も含んでもよい。ワックス、例えば、天然および合成のワックス、硬化植物油、有機ワックス(ポリウレタンワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、微結晶性ワックス、脂肪ワックスなど)、ソルビタンモノステアレート、獣脂、ポリプロピレングリコール、これらの組み合わせ、などもガムベースに組み込むことができる。このような物質は、様々な望ましい質感および粘稠度特性を与えるためにガムベースの中に組み込まれる。これらの成分が低分子量であることから、これらの成分はガムベースの基本構造に侵入でき、これを可塑性、かつ低粘度にする。これらのさらなる物質は、一般に、ガムベースの約18重量%までの量、特定すれば約5重量%〜約18重量%の量、より特定すれば約10重量%〜約14重量%の量で用いられる。
【0053】
1つの実施形態では、当該軟化剤は、市販の米国薬局方(USP)等級などのグリセリンである。グリセリンは、甘く好ましい味のシロップ状の液体であり、甘蔗糖の約60%の甘味を有する。グリセリンは、当該ガムベースの中で種々の量で使用することができる。特定すれば、使用されるとき、グリセリンの量は、チューインガム組成物の約0〜約15重量パーセント、より特定すれば約1〜約10重量パーセント、さらにより特定すればチューインガム組成物の約4.5〜約6.0重量パーセントの量で存在してもよい。
【0054】
このガムベースは、充填剤および質感付与剤(textural agent)としての役割を果たすことができる無機質アジュバントなどの、有効量の増量剤を含むことができる。このような無機質アジュバントの例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、タルク、二酸化チタン、リン酸三カルシウム、リン酸二カルシウムなど、およびこれらの組み合わせが挙げられる。これらの充填剤またはアジュバントは、種々の量でガムベースにおいて使用することができる。特定すれば、使用されるとき、充填剤の量は、ガムベースの約0重量%〜約60重量%、より特定すればガムベースの約20重量%〜約30重量%の量で存在することができる。
【0055】
当該ガムベースの中でのペクチンと高充填剤含量との組み合わせは、チューインガムからの親油性成分の放出を高める。このペクチンは、咀嚼の際にチューインガムからの親油性成分の放出をさらに高めるために、ガムベースの重量に基づいて約10〜約60重量パーセントの充填剤、特定すれば約20〜約50重量パーセント、なおより特定すれば約30〜約40重量パーセントの充填剤を含有するガムベースと組み合わせて使用することができる。
【0056】
有効量の、着色剤、抗酸化物質、防腐剤などの様々な慣用的な成分がさらに当該ガムベースの中に含まれてもよい。例えば、二酸化チタンおよびF.D.&C.染料として公知の、食品、薬物および化粧品用途に適した他の染料が利用されてもよい。ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、およびこれらの組み合わせなどの抗酸化物質も、含まれてもよい。チューインガムの技術分野の当業者に公知の他の従来のチューインガム添加剤も、チューインガムベースにおいて使用されてもよい。
【0057】
ガムベースを含有するチューインガム組成物は、スクロースまたは非スクロース甘味剤(甘味料)などの増量甘味料、高甘味度甘味料または人工甘味料、可塑剤、軟化剤、乳化剤、ワックス、充填剤、増量剤(担体、増量剤(エクステンダー))、無機質アジュバント、香料(香味料、香味物質、着香剤ともいう)、感覚剤、着色剤(着色料ともいう)、抗酸化物質、酸味料、増粘剤、これらの組み合わせなどを含んでもよい。これらの添加物のうちのいくつかは複数の目的を果たすことができる。例えば、シュガーレスチューインガム組成物では、ソルビトールもしくは他の糖アルコール、またはそれらの組み合わせなどの甘味料は、増量剤としても機能することができる。
【0058】
増量甘味剤としては、糖甘味料、シュガーレス甘味料、または上記の甘味剤のうちの少なくとも1つの組み合わせを挙げてもよい。
【0059】
糖甘味料としては、一般に糖類が挙げられる。好適な糖甘味料としては、スクロース(砂糖)、デキストロース、マルトース、デキストリン、キシロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース(果糖)、ラクトース(乳糖)、転化糖、フラクトオリゴ糖シロップ、部分的に加水分解したデンプン、コーンシロップ固形物(高フルクトースコーンシロップなど)、およびこれらの組み合わせなど(これらに限定されない)の単糖類、二糖類および多糖類が挙げられる。
【0060】
好適なシュガーレス甘味剤としては、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール、マルチトール、水素化されたイソマルチュロース(イソマルト)、ラクチトール、エリスリトール、水素化デンプン加水分解物、ステビアおよびこれらの組み合わせなど(これらに限定されない)の糖アルコール(またはポリオール)が挙げられる。
【0061】
当該チューインガムで使用される増量甘味剤の量は、最終のチューインガム組成物の約5〜約95重量パーセント、特定すれば約25〜約85重量パーセント、より特定すれば約35〜約75重量パーセント、なおより特定すれば約45〜約60重量パーセントであることができる。
【0062】
本願明細書で使用する場合の「高甘味度甘味料」は、スクロースの甘味よりも大きい甘味を有する剤を意味する。いくつかの実施形態では、高甘味度甘味料は、重量基準で砂糖(スクロース)の少なくとも100倍の甘味、特定すれば重量基準で砂糖の少なくとも500倍の甘味を有する。1つの実施形態では、この高甘味度甘味料は、重量基準で砂糖の少なくとも1,000倍の甘味、より特定すれば重量基準で少なくとも5,000倍の甘味である。この高甘味度甘味料は、水溶性甘味料、水溶性人工甘味料、天然由来の水溶性甘味料から誘導される水溶性甘味料、ジペプチド系甘味料、およびタンパク質系甘味料を含めた広い範囲の物質から選択することができる。1以上の甘味料または上記の種類の甘味料のうちの1以上を含む組み合わせを使用することができる。特定の甘味料に限定されないが、代表的なカテゴリーおよび例としては、以下のものが挙げられる:
ジヒドロカルコン、モネリン、ステビオシド、レバウディオシド(rebaudioside)、グリチルリジン、ジヒドロフラベノール、モナチン、およびL−アミノジカルボン酸アミノアルケン酸エステルアミドで、米国特許第4,619,834号明細書に開示のものなど、ならびにこれらの組み合わせなどの水溶性甘味剤;
可溶性サッカリン塩、すなわちナトリウムまたはカルシウムのサッカリン塩、シクラメート塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのナトリウム、アンモニウムまたはカルシウム塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのカリウム塩(アセスルファム−K)などのアセスルファム塩、サッカリンの遊離酸型、およびこれらの組み合わせなどの水溶性人工甘味料;L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)、および米国特許第3,492,131号に記載の物質、L−α−アスパルチル−N−(2,2,4,4−テトラメチル−3−チエタニル)−D−アラニンアミド水和物(アリテーム)、L−アスパルチル−L−フェニルグリセリンおよびL−アスパルチル−L−2,5−ジヒドロフェニル−グリシンのメチルエステル、L−アスパルチル−2,5−ジヒドロ−L−フェニルアラニン;L−アスパルチル−L−(1−シクロヘキセン)−アラニン、ネオテーム、およびこれらの組み合わせなどのL−アスパラギン酸由来甘味料などのジペプチド系甘味料;
レバウディオシド(レバウディオシド Aなどを含む)などのステビオールグリコシドなどの(これらに限定されない)ステビオシドおよびステビア由来の化合物、羅漢果(lo han quo)およびイソ−モグロシド Vなどの羅漢果由来の化合物、普通の砂糖(ショ糖、スクロース)の塩素化誘導体、例えば、スクラロースの品名で知られている、例えばクロロデオキシスクロースまたはクロロデオキシガラクトスクロースの誘導体などといったクロロデオキシ糖誘導体などの天然由来の水溶性甘味料から誘導される水溶性甘味料;クロロデオキシスクロースおよびクロロデオキシガラクトスクロース誘導体の例としては、限定しないが、以下のものが挙げられる:1−クロロ−1’−デオキシスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−α−D−フルクトフラノシド、または4−クロロ−4−デオキシガラクトスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1−クロロ−1−デオキシ−β−D−フルクト−フラノシド、または4,1’−ジクロロ−4,1’−ジデオキシガラクトスクロース;1’,6’−ジクロロ1’,6’−ジデオキシスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド、または4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−6−クロロ−6−デオキシ−β−D−フルクトフラノシド、または4,6,6’−トリクロロ−4,6,6’−トリデオキシガラクトスクロース;6,1’,6’−トリクロロ−6,1’,6’−トリデオキシスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクト−ピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド、または4,6,1’,6’−テトラクロロ4,6,1’,6’−テトラデオキシガラクト−スクロース;4,6,1’,6’−テトラデオキシ−スクロース、およびこれらの組み合わせ;
タウマッコスダニエリ(thaumaoccous danielli)およびタリンならびにこれらの組み合わせなどのタンパク質系甘味料;ならびに
アミノ酸系甘味料。
【0063】
特定すれば、使用されるとき、高甘味度甘味料の量は、チューインガム組成物の約0〜約10重量パーセント、より特定すれば約0.01〜約5重量パーセント、さらにより特定すればチューインガム組成物の約0.5〜約2.5重量パーセントの量で存在することができる。
【0064】
当該チューインガム組成物は、上でこれまでに論じられた親油性香料に加えてさらなる香料を含んでもよい。このさらなる香料は、当該技術分野で周知の多くの異なる物理的形態で用いて、香味の初期噴出および/または香味の感覚の長期化を提供するようにしてよい。限定しないが、このような物理的形態には、遊離型、(例えば、スプレードライ型、粉末型)、ビーズ型、封入型、およびこれらの組み合わせが含まれる。
【0065】
このさらなる香料は、チューインガムの重量に基づいて、約0.05〜約5重量パーセント、特定すれば約0.2〜約4重量パーセント、およびなおより特定すれば約0.6〜約3.5重量パーセントの量でチューインガムの中で使用することができる。
【0066】
当該組成物において有用な着色剤は、所望の色を生成するのに有効な量で使用される。これらの着色剤としては色素が挙げられ、この色素は、当該ガム組成物の約6重量%までの量で組み込むことができる。1つの例示的な色素である二酸化チタンは、当該ガム組成物の約2重量%まで、特定すれば約1重量%未満までの量で組み込むことができる。この着色料としては、食品、薬物および化粧品用途に適した天然食品着色料および染料も挙げられうる。これらの着色料は、F.D.&C.染料およびレーキとして知られている。上記の使用に許容できる物質は、特に水溶性である。すべてのF.D.&C.着色料およびそれらの対応する化学構造の完全な詳説は、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、第5巻、857〜885頁に見出すことができ、この本文を本願明細書に引用して援用する。
【0067】
当該チューインガムで使用される着色剤の例示的な量は、チューインガムの重量に基づいて、0〜約2重量パーセント、特定すれば約0.01〜約1重量パーセント、なおより特定すれば約0.05〜約0.1重量パーセントであることができる。
【0068】
当該ガムベースでの使用に好適であるとして上で論じられた可塑剤、軟化剤、無機質アジュバント、ワックスおよび抗酸化物質は、このチューインガム組成物でも使用されてよい。使用されてもよい他の従来の添加剤の例としては、レシチンおよびグリセリルモノステアレートなどの乳化剤、リンゴ酸、アジピン酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、およびこれらの組み合わせなどの酸味料または食用酸、ならびに無機質アジュバントのカテゴリーでこれまでに論じられたものなどの充填剤が挙げられる。
【0069】
当該チューインガムを製造するために有用な装置は、チューインガム製造の技術分野で周知の混合加熱装置を含み、それゆえ特定の装置を選択することは当業者には明らかであろう。チューインガムを調製する際には、ガムベースを本願明細書に記載される粉末親水コロイド(例えば、膨潤しておらず、水和しておらずかつ粉末のペクチン)および最終の所望の組成物の他の成分と混合することにより、組成物が作製される。この膨潤しておらず、水和しておらずかつ粉末のペクチンは、チューインガム組成物を調製するためのプロセスの中のいずれの時点で加えられ組み込まれてもよい。他の成分は、当業者に周知のとおり、通常は、所望の組成物の性質によって定まるとおりに、当該組成物に組み込まれることになろう。
【0070】
1つの例示的な実施形態では、ガムベースは、ベースの物理的構成および化学的構成に悪影響を与えることなくベースを軟化させるのに十分高い温度に加熱される。利用される最適の温度は、使用されるガムベースの組成に応じて変わる可能性があるが、このような温度は、過度の実験をすることなく、当業者によって容易に決定される。このガムベースは、従来どおり、約60℃〜約120℃、特定すれば約80℃〜約100℃の範囲の温度で、ベースを融解した状態にするために十分な時間、溶融される。例えば、このブレンドを可塑化するために、ならびにこのベースの硬度、粘弾性および成形性を調節するために、このガムベースは、当該ガムの残りの成分、例えば可塑剤、軟化剤、増量剤、甘味料、当該粉末ペクチン、および/または充填剤、着色剤、親油性の感覚剤、親油性香料、ならびに任意のさらなる感覚剤およびさらなる香料と漸増的に混合される直前に、約30分間の時間、上記の条件下に加熱されてもよい。ガム組成物の均一な混合物が得られるまで、混合は継続される。このあと、このガム組成物混合物は、望ましいチューインガムの形状へと形成されてもよい。
【0071】
別の実施形態では、チューインガムを製造する方法は、ガムベースを融解させて、融解したガムベースを形成すること;増量甘味剤をこの融解したガムベースと混合し、第1の混合物を形成すること;人工甘味料または高甘味度甘味料、着色料、乳化剤、親油性香料、食用酸、親油性感覚剤、および軟化剤のうちの1以上を第1の混合物へと混ぜ込み、第2の混合物を形成すること;ならびに約0.01%〜約10重量%の粉末ペクチンを、この融解したガムベース、第1の混合物、または第2の混合物に混ぜ込むことを含み、当該ペクチンは膨潤しておらずかつ水和しておらず、このペクチンは、封入剤でもなく凝集剤でもない。
【0072】
さらなる実施形態では、増量甘味剤を融解したガムベースと混合する前に、乳化剤がその融解したガムベースに加えられる。
【0073】
さらに別の実施形態では、人工甘味料または高甘味度甘味料、着色料、親油性香料、食用酸、または親油性感覚剤と混合する前に、軟化剤が第1の混合物に加えられる。
【0074】
さらになお別の実施形態では、軟化剤、着色料、親油性香料、食用酸、または親油性感覚剤と混合した後に、人工甘味料または高甘味度甘味料が加えられる。
【0075】
1つの実施形態では、このチューインガムは中心充填チューインガムではない。
【0076】
いくつかの実施形態では、チューインガム物質の上に硬い外部シェルを形成するために、個々のガムピースは、従来の砂糖またはシュガーレスコーティングプロセスを使用して、水性の外側コーティング組成物でコーティングされてもよい。このようなコーティングは、当該技術分野で公知のいずれの方法によって付与されてもよく、硬質またはクランチ質であってもよい。ガム製品上に適切な均一なコーティングされ仕上げられた品質の表面を形成するために、一般に、このコーティングは、多数の薄層の物質として付与される。この硬質コーティング物質は、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、イソマルト、および他の結晶性ポリオール(本願明細書に記載されるものを含む)、ならびに任意に香料を含んでもよく、この硬質コーティング物質は、ガム物質のペレットがコーティング機構またはコーティングトンネルを通過し、その中で混転および回転されるにつれて、ガム物質のペレットの上へと噴霧される。加えて、形成された製品上の連続するコーティング層の各々を乾燥するために、状態調節された空気(conditioned air)が、このコーティングトンネルまたは機構の中へと循環または強制給気される。
【0077】
この外側コーティングは、存在する場合、コーティング自体を通してチューインガム組成物が見えなくなるように、いくつかの薄い、不透明層を含んでもよく、これらを審美的、質感的および保護目的でさらなる1以上の透明層で任意に被覆することもできる。外側コーティングはまた、少量の水およびアラビアガムを含有してもよい。この外側コーティングはさらに、ワックスでコーティングできる。この外側コーティングは、コーティング溶液の連続的な施用により、各コーティングの間で乾燥しながら従来法にて付与してよい。コーティングが乾燥するにつれ、それは通常不透明になり、普通は白色であるが、他の着色料が添加されてもよい。独特の製品特性を得るために、香料、感覚剤、またはこれらの組み合わせもコーティング組成物に加えられてよい。このコーティングは、着色された薄片または斑点をさらに含むことができる。
【0078】
種々の他のコーティング組成物および製造方法も企図され、その例としては、ソフトパンニング、二重押出または多重押出、積層、などが挙げられるが、これらに限定されない。従って、いくつかの実施形態では、コーティングは非晶性であってもよいし、または結晶性であってもよく、得られた質感は、硬くても、クランチ質でも、ザラザラしていても、柔らかくても、またはチューイーでもよい。
【実施例】
【0079】
実施例1〜30。親油性の感覚剤および粉末ペクチンを含むチューインガム配合物。
表1a、表1b、表1c、表1dおよび表1e(すべての量は重量パーセントで表示されている)に列挙される以下の成分を含有する、親油性の感覚剤および粉末ペクチンを含むチューインガム配合物を調製する。
【0080】
【表2】
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】
【表5】
【0084】
【表6】
【0085】
ガムベースが融解するまでガムベース容器の中でガムベースを90℃の温度に加熱することにより上記チューインガム配合物を調製し、約1分間、保持する。次いで、約1分間混合しながらレシチンを加える。次いで、融解したガムベースおよびレシチンのブレンドに増量甘味料を加え、約5分間混合し、このとき、温度は約45〜50℃に低下する。次いで、混合しながらグリセリンを加え、約5分間混合する。混合しながら親油性感覚剤、さらなる香料、食用酸、および着色剤を加え、この混合物を約5分間混合する。次いで、混合しながら人工甘味料を加え、約2分間混合する。混合しながら粉末ペクチンを加え、約3分間混合して、最終のチューインガム組成物を形成する。
【0086】
N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドおよび粉末ペクチンを含むチューインガム配合物の官能評価を、ミント風味付きの配合物およびフルーツ風味付きの配合物について、9群の評価者(n=4〜6/群)によって行った。結果から、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドおよび粉末ペクチンを含有するミント風味付きのチューインガム配合物は、甘すぎることなく、即座のミント香味の十分な送達をもたらし、香味は、長く続きかつミント風であると記載され、ほとんどの評価者が冷却感覚を感じ、これが、香味全体の継続期間を長くすることを助けたということが示される。結果から、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドおよび粉末ペクチンを含有するフルーツ風味付きのチューインガム配合物は、香味豊かで、フルーティーで、かつ長く続く香味をもたらすということが示される。
【0087】
本願明細書で使用する場合、移行句「comprising(含む)」(「comprises」なども同様)(「having(有する)」、「including(含む)」、「containing(含有する)」または「characterized by(特徴とする)」と同義)は、包含的すなわちオープンエンド型であり、請求項の前提部または本体部いずれでの使用に関わらず、付加的な、記載していない要素または方法の工程を除外しない。
【0088】
単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その、当該、前記(the)」は、文脈と明らかに矛盾する場合を除いて、複数の指示対象を含む。
【0089】
同じ特徴または成分に向けられたすべての範囲の端点は、独立に組み合わせ可能であり、かつ記載された端点を含む。
【0090】
語句「または、もしくは」は「および(ならびに)/もしくは(または)」を意味する。
【0091】
本願明細書全体にわたって、「1つの実施形態」、「他の実施形態」、「一実施形態」などの言及は、その実施形態に関連して記載される特定の要素(例えば、特長、構造,および/または特徴)が、本願明細書に記載される少なくとも1つの実施形態に含まれ、そしてそれは、他の実施形態で存在してもよいし、または存在しなくてもよいということを意味する。加えて、記載された要素は、種々の実施形態において、あらゆる好適な態様で組み合わせることができるということを理解されたい。
【0092】
例示的な実施形態を参照して本発明が記載されたが、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、種々の変更をなすことができ、その実施形態の要素を均等物で置き換えることができるということを理解するであろう。加えて、特定の状況または物質を適合させるために、本発明の本質的範囲から逸脱せずに、本発明の教示に対して多くの改変をなすことができる。それゆえ、本発明は、本発明を実施するために企図される最良の態様として開示された特定の実施形態に限定されないこと、および本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入るすべての実施形態を包含することになろうということが意図されている。