(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図を参照して本発明を適用した遊技機の実施の形態を説明する。
(構成)
図1は、本発明に係るパチンコ機1の構成を示す概略図である。
本実施形態では、本発明に係る遊技機を、
図1に示すように、演出図柄表示装置104で複数の図柄を変動表示するパチンコ機1に適用している。
【0012】
(遊技盤面の構成)
まず、パチンコ機1における遊技盤面102の構成を説明する。
図1は、パチンコ機における遊技盤面の正面部、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
図1に示すように、遊技盤面102のほぼ中央部には、機械式のリールによって演出画像を表示することが可能な演出図柄表示装置104が設けられている。演出図柄表示装置104は、周面に複数の図柄が描画された円筒状のリールをモータで回転させることによって図柄を変動表示させる(
図5参照)。
【0013】
演出図柄表示装置104は、3つのリール350A(左リール)、350B(中リール)、350C(右リール)における図柄を視認可能とする表示窓314を有し、表示窓314には、それぞれにおいて演出図柄Z1(
図5参照)を独立して表示することが可能な3つの領域R1、R2、R3が形成されている。これら3つの領域R1、R2、R3は、3つのリール350A、350B、350Cと対応している。
【0014】
第1から第3の領域R1、R2、R3のそれぞれでは、リール350A、350B、350Cに描かれた演出図柄Z1の変動表示及び停止表示が行われる。ここで、演出図柄Z1は、数字を含んで構成される。本実施形態では、演出図柄Z1は、数字及び図柄から構成されている。そして、演出図柄Z1の変動表示とは、第1から第3の領域R1、R2、R3のそれぞれにおいて、複数種類の演出図柄Z1をスクロールさせた状態で表示することをいう。また、演出図柄Z1の停止表示とは、第1から第3の領域R1、R2、R3のそれぞれにおいて、演出図柄Z1を停止させた状態で表示することをいう。
【0015】
そして、演出図柄表示装置104では、第1から第3の領域R1、R2、R3で停止表示される演出図柄Z1の組み合わせによって、当たり抽選の結果を通知する。
演出図柄表示装置104の下方には、遊技球を左右方向及び前後方向に転動させることが可能なステージ108が設けられている。また、演出図柄表示装置104の左側には、流入した遊技球をステージ108に放出させるワープ入口112が設けられている。ステージ108は、前面側が開放しており、放出された遊技球を転動させた後、遊技盤面102に放出する。また、ステージ108の左右方向の中央部の奥側には、遊技球導出路108aが設けられている。そして、遊技球導出路108aに流入した遊技球は、遊技盤面102における、後述する第一始動入賞口111aの真上に導出される。
【0016】
演出図柄表示装置104の左側には、普通図柄始動ゲート122が設けられている。普通図柄始動ゲート122は、遊技球が通過すると、パチンコ機1内部の始動ゲートスイッチ(図示せず)の検出信号により遊技球の入賞を検知し、普通図柄による抽選の契機を与える。また、普通図柄始動ゲート122の下方には、遊技球を常時入賞可能とする2つの一般入賞口124、125が設けられている。
【0017】
演出図柄表示装置104の下方には、始動入賞装置111が設けられている。始動入賞装置111は、第一始動入賞口111a、及び第一始動入賞口111aの下側に設けられた第二始動入賞口111bを有している。第一始動入賞口111aは、常時、遊技球が入賞可能となるように上向きに開口した入賞口(いわゆるヘソ)である。第二始動入賞口111bは、入賞確率を変更することが可能な電動役物(いわゆる電動チューリップ)である。第二始動入賞口111bは、通常時は、遊技球が入賞することができないように閉止状態であるが、普通図柄表示装置106の表示が特定の態様となったときに、所定パターンで開放状態となって遊技球を入賞可能とする。
【0018】
第一始動入賞口111aは、遊技球が入賞すると、パチンコ機1内部の第一始動入賞口スイッチ131a(
図6参照)の検出信号により遊技球の入賞を検知し、演出図柄表示装置104における演出図柄Z1の変動表示開始の契機及び特別図柄表示装置107aにおける特別図柄の変動表示開始の契機を与える。また、第二始動入賞口111bは、遊技球が入賞すると、パチンコ機1内部の第二始動入賞口スイッチ131b(
図6参照)の検出信号により遊技球の入賞を検知し、演出図柄表示装置104における演出図柄Z1の変動表示開始の契機及び特別図柄表示装置107bにおける特別図柄の変動表示開始の契機を与える。特別図柄及び演出図柄Z1の変動表示は、所定の変動時間経過後に停止し、当たり抽選の結果の通知や演出が行われる。
【0019】
始動入賞装置111の右側には、2つの特別図柄表示装置107a、107bが設けられている。各特別図柄表示装置107a、107bは、例えば、液晶ディスプレイ又はCRTディスプレイ等の可変表示装置、7セグメントLED、ドットマトリクスLED等によって構成される。各特別図柄表示装置107a、107bは、数字や図柄等からなる特別図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、各特別図柄表示装置107a、107bは、停止表示された特別図柄によって、当たり抽選の結果を通知する。この際、特別図柄表示装置107aは、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞を契機として行われた当たり抽選の結果を通知する。また、特別図柄表示装置107bは、第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を契機として行われた当たり抽選の結果を通知する。ここで、各特別図柄表示装置107a、107bにおいて停止表示された特別図柄が特定の図柄となって生起する遊技状態を「特賞状態(当たり)」という。特賞状態とは、遊技者へ多数の賞球を払い出す等の所定の遊技価値を付与する有利な遊技状態をいう。また、各特別図柄表示装置107a、107bにおける特別図柄の表示と、演出図柄表示装置104における演出図柄Z1の表示とは、互いに対応付けられている。
【0020】
特別図柄表示装置107a、107bの右側には、普通図柄表示装置106が設けられている。普通図柄表示装置106は、例えば、液晶ディスプレイ又はCRTディスプレイ等の可変表示装置、7セグメントLED、ドットマトリクスLED等によって構成される。普通図柄表示装置106は、数字や図柄等からなる普通図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、普通図柄表示装置106は、停止表示された普通図柄によって、普通図柄による抽選の結果を通知する。
【0021】
特別図柄表示装置107a、107bの上側には、特別図柄始動情報記憶数表示装置109a、109b及び普通図柄始動情報記憶数表示装置103が設けられている。特別図柄始動情報記憶数表示装置109a、109b及び普通図柄始動情報記憶数表示装置103は、それぞれ、例えば、LED等によって構成されている。
特別図柄始動情報記憶数表示装置109a、109bは、後述する特別図柄の始動情報が主制御基板210のRAM240における特別図柄用の始動情報記憶領域に記憶されることに連動して点灯し、連続して特別図柄及び演出図柄Z1の変動表示を行うことが可能な回数(以下、始動情報記憶数(いわゆる、保留玉数)という)を表示する。ここで、パチンコ機1では、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞を契機とする始動情報記憶数及び第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を契機とする始動情報記憶数を、それぞれ個別に表示する。すなわち、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞を契機とする始動情報記憶数を特別図柄始動情報記憶数表示装置109aに表示するとともに、第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を契機とする始動情報記憶数を特別図柄始動情報記憶数表示装置109bに表示する。
【0022】
普通図柄始動情報記憶数表示装置103は、普通図柄の始動情報が主制御基板210のRAM240における普通図柄用の始動情報記憶領域に記憶されることに連動して点灯し、連続して普通図柄の変動表示を行うことが可能な回数を表示する。
始動入賞装置111の下方には、大入賞口115が設けられている。大入賞口115は、通常時は閉止状態であるが、特賞状態が生起されたときに、所定パターンで開放状態となることによって遊技球を入賞可能とする。すなわち、大入賞口115は、特別図柄表示装置107a、107bに停止表示された特別図柄が特定の図柄となり特賞状態が生起された際に、大入賞口115の前面に設置された開閉部材115aを開くことにより開放動作を行う。
【0023】
大入賞口115の開放動作は、所定の時間(例えば、30秒)経過するか、所定数(例えば10個等)の遊技球が入賞するまで(1ラウンド)継続する。また、大入賞口115の開放動作は、特賞状態の種類に応じて設定されたラウンド数だけ繰り返し行われる。そして、大入賞口115に遊技球が入賞すると、パチンコ機1内部の大入賞口スイッチ132(
図6参照)の検出信号により入賞した遊技球数が検出され、入賞した遊技球数に応じて賞球を払い出す。
【0024】
そして、大入賞口115の下方であって遊技盤面102の最下方には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収するためのアウト口110が設けられている。
なお、遊技盤面102においては、各入賞口に遊技球を導くように複数の釘(図示せず)が配置されている。
また、以下、特賞状態(当たり)の終了後に当たり抽選の当選確率が低確率(通常確率)となる遊技状態を「低確率状態」といい、特賞状態の終了後に当たり抽選の当選確率が低確率状態と比較して高確率(例えば、通常確率の10倍)となる遊技状態を「確率変動状態」という。また、特別図柄及び演出図柄Z1の変動時間が短縮する遊技状態を「時短状態」という。時短状態では、普通図柄の抽選確率が通常時の抽選確率と比較して高確率(例えば、10倍)になるとともに、第二始動入賞口111bの開放時間が通常時の開放時間と比較して延長される。
【0025】
(演出図柄表示装置104のリール構造)
次に、演出図柄表示装置104が備える機械式リールの具体的構造について説明する。
図2は演出図柄表示装置104が備える機械式リール104aの構造を示す図である。
図2に示すように、機械式リール104aは、3セットのリールユニット10A、10B、10Cが軸線方向に配列された構造とされている。
各リールユニット10A、10B、10Cには、リール本体12とリールテープ14とで構成されたリール350A、350B、350Cが設けられており、このリール350A、350B、350Cの一部(各リールにおいて3図柄分)が表示窓314(
図1参照)から露見されるようになっている。
【0026】
以下、リールユニット10A、10B、10Cは同一構造であるため、その内の1つのリールユニット10A(以下、単に「リールユニット10」という)を例にとり構造を説明する。
図3は、リールユニット10の構造を示す図である。
また、
図4は、リールテープ14が巻き付けられる過程のリールユニット10を示す斜視図である。
【0027】
図3及び
図4に示すように、リールユニット10は、主要部が薄型円形のベースブラケット16を備えており、その中心部には、リールモータ18が取り付けられている。リールモータ18は、副制御基板150の表示制御部151によって駆動制御される。また、リールモータ18は、例えばロータに備えられた遮光板の通過をフォトインタラプタで検出する方式等による原点検出機能を備えており、ロータが原点位置を通過したことを検出可能である。リールモータ18によって検出される原点位置は表示制御部151に入力され、表示制御部151は、この原点位置と、入力したステップ数とによって、リール350A、350B、350Cの現在の回転位置を検出可能である。
【0028】
リールモータ18の回転軸には、リール本体12を構成する軸芯20が取り付けられている。軸芯20は円筒形状で、その周面からは、半径方向に90°ピッチで4本のラジアルフレーム22が取り付けられている。なお、軸芯20とラジアルフレーム22とは樹脂一体成形であってもよい。
ラジアルフレーム22の先端部には、一対のリングフレーム24の内の一方(一方のリングフレーム24)が取り付けられている。
【0029】
一対のリングフレーム24の他方(他方のリングフレーム24)は、前記ベースブラケット16に近接して設けられ、かつ前記一方のリングフレーム24と同軸上とされている。この一対のリングフレーム24は、複数のラダーフレーム26によって連結されている。この一対のリングフレーム24と複数のラダーフレーム26、並びに前記軸芯20により、円筒形状輪郭の骨組みである前記リール本体12が構成される。また、上記構成によって、前記軸芯20及びリールモータ18は、このリール本体12の内方空間側に位置することになる。
なお、前記ラダーフレーム26は、一対のリングフレーム24の周方向に沿って、均一のピッチで配設されており、その間隔は、リールテープ14に付与された図柄ピッチに比例している。
【0030】
ここで、リールモータ18の駆動力で軸芯20が回転すると、リール本体12が回転する。
前記複数のラダーフレーム26の内の1つには、リール本体12の軸線方向と平行なスリット孔28が設けられている。このスリット孔28には、リールテープ14の端部が挿入されるようになっている(
図4参照)。
リールテープ14は、帯状のシート体であり、その長手方向に亘って、複数(ここでは12個)の図柄が均等ピッチで付与されている。
【0031】
図5は、リールテープ14の構成例を示す図である。
図5においては、リール350A、350B、350Cに設置されるリールテープ14をそれぞれ「左」、「中」、「右」のリールテープとして示している。
図5に示すように、リールテープ14には、図柄番号0〜11に対応する複数の図柄「1」〜「7」、「チェリー」あるいはそれ以外の「はずれ図柄」(これらを総称して「演出図柄Z1」と称する。)が描画されている。
【0032】
また、
図5に示す例では、リール350A、350B、350Cに設置される各リールテープ14の図柄の配置は、それぞれ異なるものとされている。
図6及び
図7は、パチンコ機の内部構成を示すブロック図である。
図6に示すように、パチンコ機1は、第一始動入賞口スイッチ131a、第二始動入賞口スイッチ131b、大入賞口スイッチ132及び各種入賞口スイッチ133を備える。
【0033】
第一始動入賞口スイッチ131aは、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御基板210に出力する。第二始動入賞口スイッチ131bは、第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御基板210に出力する。大入賞口スイッチ132は、大入賞口115への遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御基板210に出力する。各種入賞口スイッチ133は、普通図柄始動ゲート122への遊技球の通過等を検出し、検出信号を主制御基板210に出力する。
【0034】
また、パチンコ機1は、主制御基板210、副制御基板150、第1ドライバ基板160、第2ドライバ基板170、中継基板180、左リール中継基板190、左リールモータ191、左リールモータ位置検出センサ192、左リール電飾基板193、中リール中継基板194、中リールモータ195、中リールモータ位置検出センサ196、中リール電飾基板197、右リール中継基板198、右リールモータ199、右リールモータ位置検出センサ200、及び右リール電飾基板201を備える。
【0035】
不正行為防止等のため、主制御基板210及び副制御基板150は、それぞれ別々の基板に実装される。また、主制御基板210から副制御基板150への一方向にのみデータの送信が可能となっている。
主制御基板210は、主として、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞の検出及び第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞の検出に応じて、各種の乱数を発生(抽出)させる。そして、主制御基板210は、発生させた各種乱数に基づいて、制御コマンドの送信及び遊技全体の制御を行う。また、主制御基板210は、特別図柄表示装置107a、107b、普通図柄表示装置106、特別図柄始動情報記憶数表示装置109a、109b、普通図柄始動情報記憶数表示装置103、賞球払出制御装置156、大入賞口ソレノイド157及び電動チューリップ(図示せず)を直接制御(ポート出力制御)する。
【0036】
主制御基板210は、CPU220、ROM230、RAM240、入力ポート250、及び出力ポート255を備える。
入力ポート250は、第一始動入賞口スイッチ131a、第二始動入賞口スイッチ131b、大入賞口スイッチ132及び各種入賞口スイッチ133のそれぞれから出力された検出信号をCPU220に出力する。
【0037】
出力ポート255は、副制御基板150、特別図柄表示装置107a、107b、普通図柄表示装置106、特別図柄始動情報記憶数表示装置109a、109b、普通図柄始動情報記憶数表示装置103、賞球払出制御装置156及び大入賞口ソレノイド157のそれぞれに制御コマンドや制御信号を出力する。また、出力ポート255は、パチンコ機1の出玉情報や異常信号をホールコンピュータ500に出力する。これにより、ホールコンピュータ500においてパチンコ機1の遊技状況等を遠隔監視する。
ROM230には、主制御基板210で実行されるパチンコ機1を制御するためのプログラム、遊技制御用のデータ等が記憶されている。遊技制御用のデータには、副制御基板150を制御するための各種制御コマンド等が含まれる。ここで、各種制御コマンドとしては、図柄指定コマンド、変動パターンコマンド、始動情報記憶数コマンド等がある。
【0038】
RAM240は、主制御基板210に対する入出力データ、演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタを始めとする各種カウンタ、抽選結果や遊技状態を管理するフラグ等を一時的に記憶する。また、RAM240は、特別図柄用の始動情報記憶領域及び普通図柄用の始動情報記憶領域を有する。ここで、特別図柄用の始動情報記憶領域には、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞を契機として取得される始動情報(以下、第一始動情報とする)を記憶する領域(以下、第一始動情報記憶領域とする)及び第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を契機として取得される始動情報(以下、第二始動情報とする)を記憶する領域(以下、第二始動情報記憶領域とする)が設けられている。ここで、始動情報とは、始動入賞口111a、111bへの遊技球の入賞を契機として取得された各種乱数値等の情報(例えば、当たり決定乱数、当たり種別決定乱数、停止図柄決定乱数、リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数等)をいう。これにより、特別図柄用の始動情報記憶領域では、第一始動情報及び第二始動情報が、それぞれ個別に記憶される。
【0039】
図8は、第一始動情報記憶領域及び第二始動情報記憶領域を説明するための図である。
第一始動情報記憶領域及び第二始動情報記憶領域は、それぞれ、始動情報を所定上限数(所定数)まで記憶する。本実施形態では、
図8に示すように、第一始動情報記憶領域は、1番目から4番目までの4つの記憶部(A1からA4)を有しており、それぞれの記憶部に第一始動情報を記憶することにより、4つの第一始動情報を記憶する。また、第二始動情報記憶領域は、1番目から4番目までの4つの記憶部(B1からB4)を有しており、それぞれの記憶部に第二始動情報を記憶することにより、4つの第二始動情報を記憶する。ここで、主制御基板210は、第一始動情報記憶領域及び第二始動情報記憶領域のそれぞれに記憶されている始動情報について、1番目の記憶部に記憶されている始動情報から順に当たり判定を行って消化する。
【0040】
また、普通図柄の始動情報記憶領域には、普通図柄始動ゲート122への遊技球の通過を契機として取得された乱数等の情報が所定上限数(本実施形態では、4つ)まで記憶される。
また、RAM240は、副制御基板150等に出力すべき制御コマンドを一時的に記憶しておくためのコマンド記憶領域を有する。そして、パチンコ機1では、RAM240にバックアップ電源を備えており、停電等による電源遮断が発生した場合、停電から復帰した際に、RAM240のコマンド記憶領域に記憶されている出力すべき制御コマンドを出力することにより、遊技状態を電源遮断前の状態に復帰させる。
【0041】
また、主制御基板210には、電源供給を行うための電源回路212が接続されている。
副制御基板150は、主制御基板210と同様に、CPU、ROM、RAM、入力ポート及び出力ポートを備える。
副制御基板150のROMには、演出を制御するためのプログラム、各種データ等が記憶されている。副制御基板150のRAMには、主制御基板210から入力された制御コマンド、演算処理を行うためのデータ等が一時的に記憶される。副制御基板150のCPUは、ROMに記憶されたプログラムにしたがって処理を実行することにより、表示制御部151による演出図柄表示装置104の制御、ランプ制御部152による後述する第1電飾基板162及び第2電飾基板172の制御、及び可動役物制御部153による後述するモータ163及びソレノイド173の制御を行う。
【0042】
副制御基板150は、演出図柄表示装置104における表示を制御する表示制御部151、第1電飾基板162及び第2電飾基板172によるLED(不図示)の点灯、点滅等を制御するランプ制御部152、並びにモータ163及びソレノイド173を制御する可動役物制御部153を備える。副制御基板150は、主制御基板210から受信した制御コマンドにしたがって副制御基板150内で送信される内部コマンドを生成し、該内部コマンドを送信することによって、表示制御部151、ランプ制御部152及び可動役物制御部153のそれぞれを制御する。
【0043】
特に、副制御基板150は、主制御基板210から受信した制御コマンドにしたがって、表示制御コマンドを生成する。そして、副制御基板150は、生成した表示制御コマンドを表示制御部151に送信することにより、表示制御部151を制御する。
ランプ制御部152は、副制御基板150から入力される内部コマンドに応じて、実行すべきランプ演出を決定し、決定したランプ演出に対応する制御データをROMから読み出し、読み出した制御データに基づき第1電飾基板162及び第2電飾基板172によるランプの点灯、点滅、消灯等を行う。具体的には、ランプ制御部152は、ランプ演出を制御するためのプログラムを実行することにより、ランプの点灯パターンを表す後述するドライバ用IC161、171の制御信号を第1ドライバ基板160及び中継基板180に出力し、内部コマンドに応じたランプの点灯、点滅、消灯等の制御を行う。
【0044】
可動役物制御部153は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入力ポート及び出力ポートを備える。
可動役物制御部153のROMには、可動役物(不図示)に遊技状態を演出する動作を行わせる可動役物演出を制御するためのプログラム、モータ163及びソレノイド173を制御するための各種データ(例えば励磁パターンのデータ)等が記憶されている。可動役物制御部153のRAMには、CPUに対する入出力データや演算処理のためのデータが一時的に記憶され、ワークエリアやバッファメモリとして機能する。
【0045】
可動役物制御部153のCPUは、副制御基板150から入力された内部コマンドに応じて、ROMに記憶されたプログラムを実行し、該内部コマンドに応じたモータ163及びソレノイド173の制御を行う。具体的には、可動役物制御部153のCPUは、可動役物演出を制御するためのプログラムを実行することにより、モータ163の励磁パターン及びソレノイド173の動作を表すドライバ用IC161、171の制御信号の制御信号を第1ドライバ基板160に出力し、内部コマンドに応じた可動役物の制御を行う。
【0046】
表示制御部151は、CPU、ROM、RAM、入力ポート及び出力ポートを備える。
表示制御部151のROMには、表示演出を制御するためのプログラム、左リールモータ191、中リールモータ195、右リールモータ199、左リール電飾基板193、中リール電飾基板197、右リール電飾基板201を制御するための各種データ(例えば励磁パターンのデータ)等が記憶されている。左リールモータ191とは、リール350Aのリールモータ18である。中リールモータ195とは、リール350Bのリールモータ18である。右リールモータ199とは、リール350Cのリールモータ18である。表示制御部151のRAMには、CPUに対する入出力データや演算処理のためのデータが一時的に記憶され、ワークエリアやバッファメモリとして機能する。
【0047】
表示制御部151のCPUは、副制御基板150から入力された表示制御コマンドに応じて、ROMに記憶されたプログラムを実行し、該表示制御コマンドに応じた左リールモータ191、中リールモータ195、右リールモータ199の制御を行う。具体的には、表示制御部151のCPUは、表示演出を制御するためのプログラムを実行することにより、左リールモータ191、中リールモータ195、右リールモータ199の励磁パターンを表す後述するドライバ用IC181の制御信号を中継基板180に出力し、表示制御コマンドに応じたリール350A、350B、350Cの制御を行う。また、左リール電飾基板193、中リール電飾基板197、右リール電飾基板201によるランプの点灯パターンを表すドライバ用IC161、171の制御信号を第1ドライバ基板160に出力し、内部コマンドに応じたランプの点灯、点滅、消灯等の制御を行う。
【0048】
(特別図柄及び演出図柄の停止表示の態様)
次に、特別図柄表示装置107a、107bにおける特別図柄の停止表示の態様及び演出図柄表示装置104における演出図柄Z1の停止表示の態様を説明する。
図9は、特別図柄の停止図柄の態様を示す図である。
パチンコ機1においては、
図9に示すように、当たり(特賞状態)の種別として、「通常大当たり」、「確変1大当たり」、「確変2大当たり」、「確変3大当たり」及び「小当たり」の5つが規定されている。
【0049】
通常大当たりとなったときは、特別図柄表示装置107a、107bにおいて特別図柄を遊技状態を時短状態にすることに対応した時短図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1を遊技状態を時短状態にすることに対応した時短図柄で停止表示させるように制御する。演出図柄表示装置104において演出図柄Z1を時短図柄で停止表示する場合、例えば、演出図柄表示装置104の第1から第3の領域R1、R2、R3において、「222」、「444」等の偶数の同一の数字が揃う組み合わせで第一の演出図柄Z1を停止表示させる。また、通常大当たりとなったときは、当たり時における大入賞口115の最高開放回数、すなわちラウンドの最高継続回数が15回となり、当たり後の100回の抽選において時短作動状態となる。さらに、通常大当たりとなったときは、当たり終了後の遊技状態が低確率状態に設定される。
【0050】
確変1大当たりとなったときは、特別図柄表示装置107a、107bにおいて特別図柄を確変1図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1を確変1図柄で停止表示させるように制御する。演出図柄表示装置104において演出図柄Z1を確変1図柄で停止表示する場合、例えば、演出図柄表示装置104の第1から第3の領域R1、R2、R3において、「111」、「333」、「555」といった奇数の同一の数字が揃う組み合わせで第一の演出図柄Z1を停止表示させる。また、確変1大当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が15回となり、当たり後において時短作動状態となる。さらに、確変1大当たりとなったときは、当たり終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
【0051】
確変2大当たりとなったときは、特別図柄表示装置107a、107bにおいて特別図柄を確変2図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1を確変2図柄で停止表示させるように制御する。また、確変2大当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が2回となり、当たり後において時短作動状態となる。さらに、確変2大当たりとなったときは、当たり終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
【0052】
確変3大当たりとなったときは、特別図柄表示装置107a、107bにおいて特別図柄を確変3図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1を確変3図柄で停止表示させるように制御する。また、確変3大当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が2回となる。また、確変3大当たりとなったときは、当たり時(当たり発生を通知する図柄変動パターンが開始された時点)に時短未作動状態である場合は、当たり後において時短未作動状態となり、当たり時に時短作動状態である場合は、当たり後において時短作動状態を継続させる(時短継続制御)ように制御する。さらに、確変3大当たりとなったときは、当たり終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
【0053】
確変2大当たり、確変3大当たりは、1ラウンドの期間(大入賞口115の開放時間)が通常大当たりと比較して短く(数ms程度)、ラウンドの最高継続回数も2回しかないので、遊技者に対しては、当たりとならずに確率変動状態に突然移行したかのような意外性を与えることができる。
小当たりとなったときは、特別図柄表示装置107a、107bにおいて特別図柄を小当たり図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1を小当たり図柄で停止表示させるように制御する。演出図柄表示装置104において停止表示される確変3図柄及び小当たり図柄は、1又は複数の特定の図柄の組み合わせからなり、両者を区別することができないようになっている。また、小当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が2回となり、小当たり後において時短機能の作動、未作動が変化しないように制御する。さらに、小当たりとなったときは、小当たり終了後の遊技状態が、小当たり前の遊技状態と同じ遊技状態に設定される。
【0054】
なお、当たりの種別は、上記種別に限られるものではなく、上記以外の別の種別を備える構成としても構わない。また、上記当たりの種別を全て備える必要はなく、その遊技機の特性に応じて、各当たりの種別を個々に組み合わせて構成することができる。
さらに、第一始動情報に基づいて生起され得る当たりの種別及び第二始動情報に基づいて生起され得る当たりの種別が互いに異なる構成とすることによって、より変化に富んだ遊技が提供され、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
【0055】
次に、主制御基板210から副制御基板150に出力される制御コマンドの構造及び内容を説明する。
図10は、制御コマンドのデータ構造を示す図である。
制御コマンドは、
図10に示すように、制御コマンドの分類を識別するための識別子で1バイト長のディジタルデータであるモード(MODE)、及び実行される制御コマンドの内容(機能)を示す1バイト長のディジタルデータであるイベント(EVENT)からなる。
【0056】
図11は、制御コマンドの入出力タイミングを示すタイミングチャートである。
主制御基板210では、
図11に示すように、コマンド変化時に自身が生成するストローブ信号(DUSTB)の1つ目の立ち上がりを契機として、モード(MODE)データが出力され、次いでストローブ信号(DUSTB)の2つ目の立ち上がりを契機として、イベント(EVENT)データが出力される。これに対応して、副制御基板150では、CPUにより、ストローブ信号(DUSTB)の入力に応じて割込を発生させ、割込処理によって演出制御コマンドが副制御基板150のRAMに格納される。
【0057】
図12は、主制御基板210から副制御基板150に出力される演出制御コマンドの内容を示す図である。
図12に示すように、演出制御コマンドとしては、図柄指定コマンド、変動パターンコマンド、始動情報記憶数コマンド、演出開始コマンド、状態指定コマンド等がある。
図柄指定コマンドは、演出図柄表示装置104において停止表示される演出図柄Z1の組み合わせを指定するコマンドである。具体的には、図柄指定コマンドは、演出図柄表示装置104において停止表示させる演出図柄Z1として、はずれ演出図柄、時短図柄、確変1図柄、確変2図柄、確変3図柄及び小当たり図柄のいずれかを指定する。図柄指定コマンドは、演出図柄Z1の変動開始時に出力される。ここで、演出図柄Z1の変動開始時は、特別図柄の変動開始時とほぼ一致している。
【0058】
変動パターンコマンドは、演出図柄表示装置104において表示する変動パターンとして、n(n=1〜104)種類の変動パターンのうちいずれかを指定するためのコマンドである。変動パターンコマンドは、図柄指定コマンドとともに、演出図柄Z1の変動開始時に出力される。
なお、変動パターンコマンドと図柄指定コマンドとは、どちらが先に出力される構成としても構わない。ただし、副制御基板150では、図柄指定コマンドの受信を契機として演出に関わる様々な抽選を実行することが好ましい。したがって、図柄指定コマンドが、変動パターンコマンドより先に出力される構成とすることが望ましい。これにより、副制御基板150において、変動パターンの選択決定等の制御を行う前に演出に関わる抽選を実行することができ、制御負担を大幅に軽減することができる。
【0059】
始動情報記憶数コマンドは、正確な始動情報記憶数情報を主制御基板210以外の制御装置(副制御基板150等)に通知するためのコマンドである。ここで、始動情報記憶数コマンドは、第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数のそれぞれを区別して通知する。すなわち、主制御基板210は、RAM240の第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドを副制御基板150に出力する。また、主制御基板210は、RAM240の第二始動情報記憶領域に記憶されている第二始動情報の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドを副制御基板150に出力する。始動情報記憶数コマンドは、主制御基板210による第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数それぞれの更新時に出力される。すなわち、始動情報記憶数コマンドは、第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数それぞれについて、増加又は減少があったときに出力される。
【0060】
演出開始コマンドは、m(m=1〜95)種類の15R当たり(通常大当たり、確変1大当たり)の演出開始、確変2大当たりの演出開始、確変3大当たりの演出開始及び小当たりの演出開始をそれぞれ指定するためのコマンドである。演出開始コマンドは、当たり開始時に出力される。
状態指定コマンドは、時短の終了及び開始をそれぞれ指定するためのコマンドである。状態指定コマンドは、時短の終了時及び時短の開始時のそれぞれに出力される。
【0061】
次に、主制御基板210で実行される遊技制御処理を説明する。
CPU220は、マイクロプロセッシングユニット等からなり、所定の動作クロック(例えば、4[ms])で1サイクルを実行可能な遊技制御プログラムに基づいて動作し、ROM230の所定領域に格納されている遊技制御プログラムを起動させ、
図13のフローチャートに示す遊技制御処理を実行する。
【0062】
まず、主制御基板210が実行する遊技制御処理を説明する。
図13は、遊技制御処理を示すフローチャートである。
遊技制御処理は、CPU220において実行されると、
図13に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、遊技者の利益に直接影響する出玉の決定等に関わる各種乱数を更新する当たり決定乱数等更新処理を実行する。ここで、出玉の決定等に直接関わる各種乱数としては、当たりを生起させるか否かの当たり抽選に用いる乱数(以下、当たり決定乱数という)、当たり種別決定乱数、停止図柄決定乱数等がある。なお、当たり決定乱数等更新処理では、当たり決定乱数が一巡するたびに初期値を変化させることにより、当たり決定乱数値を容易に予測することができないようにしている。
【0063】
次いで、ステップS102に移行して、演出に関わる演出制御用乱数(例えば、リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数等)を更新する演出制御用乱数更新処理を実行し、ステップS104に移行する。
ステップS104では、入力ポート250を介して、各スイッチ131a、131b、132、133からの信号を入力する入力処理を実行し、ステップS106に移行する。入力処理では、第一始動入賞口スイッチ131aからの検出信号及び第二始動入賞口スイッチ131bからの検出信号を入力する。
【0064】
ステップS106では、第1始動情報及び第2始動情報の記憶を更新する入賞スイッチ入力処理を実行し、ステップS108に移行する。
ステップS108では、当たりの判定を行うとともに演出図柄Z1の変動パターンを決定する変動設定処理を実行し、ステップS110に移行する。
ステップS110では、大入賞口115を所定パターンで開放させる電動役物作動処理を実行し、ステップS112に移行する。
【0065】
ステップS112では、賞球払出制御装置156に対して払出し動作を行わせるための制御コマンドをRAM240の所定領域に格納する賞球払出管理処理を実行し、ステップS114に移行する。
ステップS114では、遊技制御に関する外部情報信号をホールコンピュータ500に出力する外部情報出力処理を実行し、ステップS116に移行する。
ステップS116では、パチンコ機1の検査に必要な遊技機検査信号を出力する遊技機検査信号出力処理を実行する。なお、場合によっては、ステップS116の処理は省略することもできる。
【0066】
次いで、ステップS118に移行して、出力ポート255を介して、RAM240に格納した制御コマンドを出力するポート出力処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ポート出力処理では、演出制御コマンドが、副制御基板150に対して出力される。この際、副制御基板150に対しては、まず、ストローブ信号を出力し、モード及びイベントからなる制御コマンドを出力する。また、ポート出力処理では、特別図柄表示装置107a、107b、普通図柄表示装置106、大入賞口ソレノイド157、特別図柄始動情報記憶数表示装置109a、109b、普通図柄始動情報記憶数表示装置103等へも主制御基板210からの制御情報が出力される。
【0067】
次に、副制御基板150で実行される処理を説明する。
副制御基板150のCPUは、所定の動作クロック(例えば、2[ms])で1サイクルを実行可能な制御プログラムに基づいて動作し、ROM230の所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、
図14のフローチャートに示す演出制御処理を繰り返し実行する。
図14は、副制御基板150が実行する演出制御処理を示すフローチャートである。
演出制御処理は、副制御基板150のCPUにおいて実行されると、
図14に示すように、まず、ステップS600に移行する。
ステップS600では、副制御基板150は、始動情報記憶数コマンドを受信する始動情報記憶数コマンド受信処理を実行し、ステップS602に移行する。
【0068】
始動情報記憶数コマンド受信処理では、副制御基板150は、主制御基板210から始動情報記憶数コマンドを受信し、受信した始動情報記憶数コマンドが示す始動情報記憶数をRAMの所定領域に記憶する。この際、副制御基板150は、主制御基板210から始動情報記憶数コマンドを受信するごとに、RAMの所定領域に記憶されている始動情報記憶数を更新する。ここで、副制御基板150は、RAMの所定領域において、第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数を、それぞれ個別に記憶する。
【0069】
また、副制御基板150は、受信した始動情報記憶数コマンドに対応する表示制御コマンド(以下、始動情報記憶数表示コマンドとする)を生成し、生成した始動情報記憶数表示コマンドを表示制御部151に送信する。
そして、表示制御部151は、始動情報記憶数表示コマンドを受信すると、該始動情報記憶数表示コマンドが示す始動情報記憶数を、演出図柄表示装置104の記憶数表示用LED(不図示)において表示させる。ここで、表示制御部151は、演出図柄表示装置104において、第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数を、それぞれ個別に表示する。表示制御部151は、演出図柄表示装置104において表示される第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数のそれぞれを、新たな始動情報記憶数表示コマンドを受信するまで維持する。
【0070】
ステップS602では、副制御基板150は、変動パターンコマンドを受信する変動パターンコマンド受信処理を実行し、ステップS604に移行する。
変動パターンコマンド受信処理では、副制御基板150は、主制御基板210から変動パターンコマンドを受信する。そして、副制御基板150は、受信した変動パターンコマンドに対応する表示制御コマンド(以下、変動パターン表示コマンドとする)を生成し、生成した変動パターン表示コマンドを表示制御部151に送信する。
このとき、本実施形態においては、副制御基板150が演出図柄Z1の変動パターンを決定し、その変動パターンを示す表示制御コマンドを生成する。
【0071】
そして、表示制御部151は、変動パターン表示コマンドを受信すると、演出図柄表示装置104において変動パターン表示コマンドで指定されている変動パターンによる演出図柄Z1の変動表示を開始させる。
ステップS604では、副制御基板150は、図柄指定コマンドを受信する図柄指定コマンド受信処理を実行し、ステップS606に移行する。
図柄指定コマンド受信処理では、副制御基板150は、主制御基板210から図柄指定コマンドを受信する。そして、副制御基板150は、受信した図柄指定コマンドに対応する表示制御コマンド(以下、停止図柄表示コマンドとする)を生成し、生成した停止図柄表示コマンドを表示制御部151に送信する。
【0072】
表示制御部151は、既に変動表示を開始した変動パターンによる変動を終了した後、ステップS604で受信した停止図柄表示コマンドで指定されている組み合わせで、演出図柄Z1を停止表示させる。この際、変動パターン毎に変動時間は一定となっているが、同期調整ステップで図柄の送り枚数を調整し、停止予定タイミングで停止図柄表示コマンドによって指定されている組み合わせで停止表示させる。
【0073】
ステップS606では、副制御基板150は、演出開始コマンドを受信する演出開始コマンド受信処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
演出開始コマンド受信処理では、副制御基板150は、主制御基板210から演出開始コマンドを受信して、受信した演出開始コマンドに応じて当たり演出を実行する。
図15は、シリアル伝送方式を説明するための説明図である。
【0074】
副制御基板150の表示制御部151から中継基板180への信号の伝送方式はパラレル伝送方式とする。パラレル伝送方式とは、複数本の信号線(つまり、複数の物理的な伝送路)158(第1通信手段)を介してデータを一度に複数ビット伝送する方式である。伝送されるデータは、ドライバ用IC181の制御信号を量子化したデータである。すなわち、左リールモータ191、中リールモータ195、及び右リールモータ199を動作させる制御信号を生成するドライバ用IC181の制御信号は、副制御基板150から中継基板180に直接つながるリールモータ制御の専用線によってパラレル方式で一方向(つまり、副制御基板150から中継基板180に向かう方向)に送信される。
【0075】
また、副制御基板150の表示制御部151、ランプ制御部152及び可動役物制御部153から第1ドライバ基板160への信号の伝送方式はシリアル伝送方式とする。シリアル伝送方式とは、1本の信号線(つまり、1つの物理的な通信路)159(第2通信手段)を介して複数のデータを1ビットずつ順番に伝送する方式である。例えば、
図15に示すように、第1信号、第2信号、第3信号を伝送する場合には、まず、第1信号、第2信号、第3信号を1ビットずつ順次送信する。第3信号の送信を終えると、再度、第1信号、第2信号、第3信号を1ビットずつ順次送信する。以降同様に、第3信号の送信を終えるたびに、第1信号、第2信号、第3信号を1ビットずつ順次送信する。伝送されるデータは、ドライバ用IC161、171の制御信号を量子化したデータである。すなわち、左リールモータ191、中リールモータ195及び右リールモータ199以外の電気部品を動作させる制御信号を生成するドライバ用IC161、171の制御信号は、副制御基板150から第1ドライバ基板160に直接つながる共用線によってシリアル方式で送信される。
【0076】
このように、本実施形態では、演出図柄表示装置104の電気部品のうち、左リールモータ191、中リールモータ195、及び右リールモータ199以外の電気部品のドライバ用IC161、171の制御信号をシリアル伝送方式で伝送するようにした。すなわち、ノイズの影響を受けても支障が少ない電飾基板等のドライバ用IC161の制御信号の通信をシリアル信号で行うようにした。それゆえ、例えば、パラレル伝送方式を採用する場合に比べ、回路数及び信号線数を低減できる。そのため、パチンコ機1の制御部をより小型化することができ、製造コストをより低減することができる。
【0077】
ちなみに、すべての制御信号の伝送にパラレル伝送方式を採用する方法では、回路数及び信号線の数が増大する。それゆえ、制御部が大型化する可能性がある。
また、本実施形態では、左リールモータ191、中リールモータ195、及び右リールモータ199を動作させるドライバ用IC181の制御信号(つまり、励磁パターンのデータを表す信号)をパラレル伝送方式で伝送するようにした。すなわち、ノイズの影響を受けて変動すると大当たり抽選の判定結果が誤って通知される可能性があるリール350A、350B、350Cの制御信号の通信をパラレル信号で行うようにした。それゆえ、シリアル伝送方式を採用する方法と異なり、左リールモータ191、中リールモータ195、及び右リールモータ199の制御信号にノイズが混入しても、制御信号の変動を比較的短時間で解消でき、混入したノイズによるリールの誤動作を抑制できる。
【0078】
図16は、比較例となる制御信号を説明するための説明図である。
ちなみに、左リールモータ191、中リールモータ195、及び右リールモータ199のドライバ用IC181の制御信号の伝送にシリアル伝送方式を採用する方法では、シリアル伝送方式によって1本の信号線159に流れる信号(つまり、シリアル信号)にシリパラ変換を行うことになる。シリパラ変換とは、シリアル信号を複数のパラレル信号に変換する信号変換である。複数のパラレル信号のそれぞれは、元の複数のデータそれぞれに対応する信号となる。例えば、
図16に示すように、シリアル信号で第1信号、第2信号、第3信号の伝送が行われている場合には、まず、第1信号、第2信号、第3信号を1ビットずつ順次受信し、受信した第1信号、第2信号、第3信号をラッチし、ラッチした信号を第1信号、第2信号、第3信号それぞれのパラレル信号として継続して出力する。第3信号の受信を終えると、再度、第1信号、第2信号、第3信号を1ビットずつ順次受信し、受信した第1信号、第2信号、第3信号をラッチし、ラッチした信号を第1信号、第2信号、第3信号それぞれのパラレル信号として継続して出力する。以降同様に、第3信号の送信を終えるたびに、第1信号、第2信号、第3信号を1ビットずつ順次受信し、受信した第1信号、第2信号、第3信号をラッチし、ラッチした信号を第1信号、第2信号、第3信号それぞれのパラレル信号として継続して出力する。そのため、ラッチした制御信号がノイズで変動していた場合、あるいはラッチした制御信号がラッチ後にノイズで変動した場合には、新しい制御信号がラッチされるまでの間は変動した制御信号が継続して出力されることになる。その結果、シリパラ変換後のパラレル信号にノイズの影響が比較的長い時間現れ、パチンコ機1が異常な挙動をする可能性がある。
【0079】
特に、左リールモータ191、中リールモータ195、及び右リールモータ199の制御信号がノイズで変動した場合には、左リールモータ191、中リールモータ195、及び右リールモータ199が異常な挙動をすることで、大当たり抽選の判定結果が誤って通知される可能性がある。その結果、遊技者に違和感を与える可能性がある。遊技者にとっては当たり外れが通知される演出図柄を表示したリールの動きには非常に注目が集まるために、リールに対する不自然な動作や誤動作等は遊技店との間でトラブルのもとになることもあるので、ノイズの影響を最小限にとどめることが必要とされる。それゆえ、本実施形態では、左リールモータ191、中リールモータ195、及び右リールモータ199を動作させるドライバ用IC181の制御信号の伝送にパラレル伝送方式を採用する。
【0080】
また、副制御基板150は、第1ドライバ基板160から送信される信号を1本の信号線(つまり、1つの物理的な通信路)159(第2通信手段)を介して受信する。第1ドライバ基板160から副制御基板150への信号の伝送方式はシリアル伝送方式とする。すなわち、副制御基板150と第1ドライバ基板160とは双方向に信号の送信が可能なシリアル伝送方式となっている。伝送されるデータは、位置検出センサ164による検出結果、左リールモータ位置検出センサ192による検出結果、中リールモータ位置検出センサ196による検出結果、及び右リールモータ位置検出センサ200による検出結果を含む。なお、不正防止を目的とした近接センサや電波センサが設けられる場合には、そのセンサの検出結果の信号も送信されるものである。
【0081】
第1ドライバ基板160は、副制御基板150から送信されるシリアル信号にシリパラ変換を行う。これにより、パラレル信号として、ドライバ用IC161の制御信号を生成する。また、第1ドライバ基板160は、ドライバ用IC161を備える。ドライバ用IC161は、第1ドライバ基板160が生成したパラレル信号(つまり、ドライバ用IC161の制御信号)に従って、第1電飾基板162の制御信号、モータ163の制御信号、左リール電飾基板193の制御信号、中リール電飾基板197の制御信号、及び右リール電飾基板201の制御信号を生成する。また、第1ドライバ基板160は、ドライバ用IC161が生成した左リール電飾基板193の制御信号、中リール電飾基板197の制御信号、及び右リール電飾基板201の制御信号を複数本の信号線165(第2通信手段)を介して中継基板180に送信する。同時に、第1ドライバ基板160は、第1電飾基板162の制御信号を当該第1電飾基板162に送信し、モータ163の制御信号を当該モータ163に送信する。さらに、第1ドライバ基板160は、副制御基板150から送信されるシリアル信号をそのままシリアル信号として第2ドライバ基板170に送信する。なお、第2ドライバ基板170に関しては、制御のための入出力ポートの数が第1ドライバ基板160だけで十分であれば、省略することも可能である。
【0082】
また、第1ドライバ基板160は、中継基板180から送信される信号を複数本の信号線(つまり、複数の物理的な通信路)165を介して受信する。中継基板180から第1ドライバ基板160への信号の伝送方式はパラレル伝送方式とする。すなわち、第1ドライバ基板160と中継基板180とは双方向に信号の送信が可能なパラレル伝送方式となっている。伝送されるデータは、左リールモータ位置検出センサ192による検出結果、中リールモータ位置検出センサ196による検出結果、及び右リールモータ位置検出センサ200による検出結果を含む。
【0083】
さらに、第1ドライバ基板160は、位置検出センサ164から送信されるパラレル信号、及び中継基板180から送信されるパラレル信号にパラシリ変換を行う。パラシリ変換とは複数のパラレル信号を1つのシリアル信号に変換する信号変換である。続いて、第1ドライバ基板160は、変換したシリアル信号を1本の信号線159(つまり、1つの物理的な通信路)を介して副制御基板150に送信する。なお、1本の信号線159としているのは、副制御基板150を汎用的に使用させるため、副制御基板150と第1ドライバ基板160との間に入出力ポート(コネクタ)を一つ固定的に配置して共通化させているためであって、汎用性を持たせる必要がなければ、入出力ポート(コネクタ)を複数備えるものであってもよい。また、第1ドライバ基板160は、副制御基板150と異なり、制御コマンドを解析して動作するものではないため、制御コマンドを解析するためのCPUを備えない。
【0084】
第1電飾基板162は、第1ドライバ基板160から送信される制御信号に従って、遊技盤面102に配されたLED(不図示)の点灯・消灯を制御する。
モータ163は、第1ドライバ基板160から送信される制御信号に従って、遊技盤面102に配された可動役物(不図示)の構成部品の動作を制御する。モータ163としては、パルス電力に同期して動作するステッピングモータを採用する。
位置検出センサ164は、パチンコ機1の遊技盤面102に配された可動役物の構成部品の動作を検出し、検出結果を表すパラレル信号を第1ドライバ基板160に送信する。
【0085】
第2ドライバ基板170は、第1ドライバ基板160から送信されるシリアル信号にシリパラ変換を行う。これにより、パラレル信号として、ドライバ用IC171の制御信号を生成する。また、第2ドライバ基板170は、ドライバ用IC171を備える。ドライバ用IC171は、第2ドライバ基板170が生成したパラレル信号(つまり、ドライバ用IC171の制御信号)に従って、第2電飾基板172の制御信号、及びソレノイド173の制御信号を生成する。また、第2ドライバ基板170は、ドライバ用IC171が生成した第2電飾基板172の制御信号を当該第2電飾基板172に送信し、ソレノイド173の制御信号を当該ソレノイド173に送信する。
【0086】
第2電飾基板172は、第2ドライバ基板170から送信される制御信号に従って、第1電飾基板162によって制御されるLEDとは異なるLEDであって、遊技盤面102に配されたLED(不図示)の点灯・消灯を制御する。
ソレノイド173は、第2ドライバ基板170から送信される制御信号に従って、モータ163によって制御される可動役物の構成部品とは異なる可動役物であって、遊技盤面102に配された可動役物(不図示)の構成部品の動作を制御する。
【0087】
中継基板180は、ドライバ用IC181を備える。ドライバ用IC181は、副制御基板150から送信されるパラレル信号(つまり、ドライバ用IC181の制御信号)に従って、左リールパラレル信号、中リールパラレル信号、及び右リールパラレル信号を生成する。左リールパラレル信号とは、左リールモータ191の制御信号である。また、中リールパラレル信号とは、中リールモータ195の制御信号である。さらに、右リールパラレル信号とは、右リールモータ199の制御信号である。なお、各リールモータ191、195、199の制御信号には、各リールモータ191、195、199に対して、モータ動作(運転・停止)、動作時間、励磁方法、モータ回転方向(正転・逆転)、モータ回転速度(ppm)等のモータ制御データに関する情報を含むものである。また、中継基板180は、ドライバ用IC181が生成した左リールパラレル信号を複数本の信号線183を介して左リール中継基板190に送信し、中リールパラレル信号を複数本の信号線185を介して中リール中継基板194に送信し、右リールパラレル信号を複数本の信号線187を介して右リール中継基板198に送信する。また、中継基板180は、第1ドライバ基板160から送信される左リール電飾基板193の制御信号を複数本の信号線183を介して当該左リール中継基板190に送信し、中リール電飾基板197の制御信号を複数本の信号線185を介して当該中リール中継基板194に送信し、右リール電飾基板201の制御信号を複数本の信号線187を介して当該右リール中継基板198に送信する。中継基板180から左リール電飾基板193、中リール電飾基板197及び右リール電飾基板201への信号の伝送方式はパラレル伝送方式とする。
【0088】
さらに、中継基板180は、左リール中継基板190、中リール中継基板194、右リール中継基板198から送信される信号を複数本の信号線184、186、188を介して受信する。左リール中継基板190、中リール中継基板194、右リール中継基板198から中継基板180への信号の伝送方式はパラレル伝送方式とする。伝送されるデータは、左リールモータ位置検出センサ192による検出結果、中リールモータ位置検出センサ196による検出結果、及び右リールモータ位置検出センサ200による検出結果を含む。また、中継基板180は、左リール中継基板190から送信される信号、中リール中継基板194から送信される信号、及び右リール中継基板198から送信される信号のそれぞれを複数の信号線165を介して第1ドライバ基板160に送信する。
【0089】
左リール中継基板190は、中継基板180から送信される左リールパラレル信号を左リールモータ191に送信し、中継基板180から送信される左リール電飾基板193の制御信号を当該左リール電飾基板193に送信する。また、左リール中継基板190は、左リールモータ位置検出センサ192から送信される信号を中継基板180に送信する。
左リールモータ191は、左リール中継基板190から送信される左リールパラレル信号に従って、リール350Aを回転させた後に停止させ、停止時に表示窓314の領域R1に、大当たり状態を生起するか否かの抽選結果を通知する図柄をリール350Aに表示させる。左リールモータ191としては、ステッピングモータを採用する。
【0090】
左リール電飾基板193は、左リール中継基板190から送信される左リール電飾基板193の制御信号に従ってリール350Aに配置されたLEDの点灯・消灯を制御する。
左リールモータ位置検出センサ192は、左リールモータ191の回転角度を検出し、検出結果を表すパラレル信号を左リール中継基板190に送信する。
中リール中継基板194は、中継基板180から送信される中リールパラレル信号を中リールモータ195に送信し、中継基板180から送信される中リール電飾基板197の制御信号を当該中リール電飾基板197に送信する。また、中リール中継基板194は、中リールモータ位置検出センサ196から送信される信号を中継基板180に送信する。
【0091】
中リールモータ195は、中リール中継基板194から送信される中リールパラレル信号に従って、リール350Bを回転させた後に停止させ、停止時に表示窓314の領域R2に、大当たり状態を生起するか否かの抽選結果を通知する図柄をリール350Bに表示させる。中リールモータ195としては、ステッピングモータを採用する。
中リール電飾基板197は、中リール中継基板194から送信される中リール電飾基板197の制御信号に従ってリール350Bに配置されたLEDの点灯・消灯を制御する。
【0092】
中リールモータ位置検出センサ196は、中リールモータ195の回転角度を検出し、検出結果を表すパラレル信号を中リール中継基板194に送信する。
右リール中継基板198は、中継基板180から送信される右リールパラレル信号を右リールモータ199に送信し、中継基板180から送信される右リール電飾基板201の制御信号を当該右リール電飾基板201に送信する。また、右リール中継基板198は、右リールモータ位置検出センサ200から送信される信号を中継基板180に送信する。
【0093】
なお、左リール中継基板190、中リール中継基板194、及び右リール中継基板198は、第1ドライバ基板160、第2ドライバ基板170、及び中継基板180と異なり、ドライバ用ICを備えない。それゆえ、左リール中継基板190、中リール中継基板194、及び右リール中継基板198を小型化することができる。その結果、演出図柄表示装置104を小型化することができ、製造コストを低減することができる。
【0094】
右リールモータ199は、右リール中継基板198から送信される右リールパラレル信号に従って、リール350Cを回転させた後に停止させ、停止時に表示窓314の領域R3に、大当たり状態を生起するか否かの抽選結果を通知する図柄をリール350Cに表示させる。右リールモータ199としては、ステッピングモータを採用する。
右リール電飾基板201は、右リール中継基板198から送信される右リール電飾基板201の制御信号に従ってリール350Cに配置されたLEDの点灯・消灯を制御する。
右リールモータ位置検出センサ200は、右リールモータ199の回転角度を検出し、検出結果を表すパラレル信号を右リール中継基板198に送信する。
第3電飾基板182は、中継基板180から送信される制御信号に従って、遊技盤面102に配されたLED(不図示)の点灯・消灯を制御する。
【0095】
(動作)
次に、本実施形態のパチンコ機1の動作について説明する。
まず、遊技球が始動口111a、111bに入球すると、主制御基板210が、大当り状態を生起させるか否かの判定(抽選)を行う。続いて、主制御基板210が、判定結果に応じた制御コマンド(例えば、変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンド)を副制御基板150に送信する。続いて、副制御基板150が、送信された制御コマンドを解析し、解析結果に基づき、制御コマンドに応じた演出(例えば、抽選に当選したことを通知する演出、抽選に外れたことを通知する演出)の実行を指示するドライバ用IC181の制御信号を中継基板180に送信する。また、副制御基板150が、ドライバ用IC161、171の制御信号を第1ドライバ基板160に送信する。副制御基板150から中継基板180への信号の伝送にはパラレル伝送方式が採用される。また、副制御基板150から第1ドライバ基板160への信号の伝送にはシリアル伝送方式が採用される。
【0096】
このように、本実施形態では、ドライバ用IC181の制御信号の伝送にパラレル伝送方式を採用した。それゆえ、ドライバ用IC181(つまり、左リールモータ191、中リールモータ195、及び右リールモータ199の制御信号を生成するドライバ)の制御信号にノイズが混入しても、混入したノイズによるリールの誤動作を抑制できる。
また、本実施形態では、ドライバ用IC161(つまり、左リール電飾基板193、中リール電飾基板197及び右リール電飾基板201の制御信号を生成するドライバ)の制御信号の伝送にシリアル伝送方式を採用した。それゆえ、例えば、パラレル伝送方式を採用する場合に比べ、パチンコ機1の制御部の回路数及び信号線数を低減できる。そのため、制御部をより小型化することができ、製造コストをより低減することができる。
【0097】
副制御基板150がドライバ用IC181の制御信号を送信すると、中継基板180のドライバ用IC181が、送信された制御信号に従って左リールパラレル信号、中リールパラレル信号及び右リールパラレル信号を生成する。続いて、中継基板180が、生成した左リールパラレル信号を左リール中継基板190に送信し、中リールパラレル信号を中リール中継基板194に送信し、右リールパラレル信号を右リール中継基板198に送信する。続いて、左リール中継基板190が、送信された左リールパラレル信号を左リールモータ191に送信する。続いて、左リールモータ191が、送信された左リールパラレル信号に従って、リール350Aを回転させた後に停止させ、大当たり状態を生起するか否かの抽選結果を通知する図柄を表示窓314の領域R1に表示させる。
【0098】
さらに、中継基板180が中リールパラレル信号を送信すると、中リール中継基板194が、送信された中リールパラレル信号を中リールモータ195に送信する。続いて、中リールモータ195が、送信された中リールパラレル信号に従って、リール350Bを回転させた後に停止させ、大当たり状態を生起するか否かの抽選結果を通知する図柄を表示窓314の領域R2に表示させる。また、中継基板180が右リールパラレル信号を送信すると、右リール中継基板198が、送信された右リールパラレル信号を右リールモータ199に送信する。続いて、右リールモータ199が、送信された右リールパラレル信号に従って、リール350Cを回転させた後に停止させ、大当たり状態を生起するか否かの抽選結果を通知する図柄を表示窓314の領域R3に表示させる。
【0099】
一方、副制御基板150がドライバ用IC161、171の制御信号を送信すると、第1ドライバ基板160が、送信された制御信号にシリパラ変換を行う。続いて、第1ドライバ基板160のドライバ用IC161が、シリパラ変換によって生成されたドライバ用IC161の制御信号に従って第1電飾基板162の制御信号、モータ163の制御信号、左リール電飾基板193の制御信号、中リール電飾基板197の制御信号、及び右リール電飾基板201の制御信号を生成する。続いて、第1ドライバ基板160が、ドライバ用IC161が生成した左リール電飾基板193の制御信号、中リール電飾基板197の制御信号及び右リール電飾基板201の制御信号を中継基板180に送信する。
【0100】
第1ドライバ基板160が左リール電飾基板193の制御信号、中リール電飾基板197の制御信号及び右リール電飾基板201の制御信号を送信すると、中継基板180が、送信された制御信号のうち、左リール電飾基板193の制御信号を左リール中継基板190に送信し、中リール電飾基板197の制御信号を中リール中継基板194に送信し、右リール電飾基板201の制御信号を右リール中継基板198に送信する。
中継基板180が左リール電飾基板193の制御信号を送信すると、左リール中継基板190が、送信された制御信号を左リール電飾基板193に送信する。続いて、左リール電飾基板193が、送信された左リール電飾基板193の制御信号に従って、リール350Aに配置されたLEDの点灯・消灯を制御する。
【0101】
また、中継基板180が中リール電飾基板197の制御信号を送信すると、中リール中継基板194が、送信された制御信号を中リール電飾基板197に送信する。続いて、中リール電飾基板197が、送信された中リール電飾基板197の制御信号に従って、リール350Bに配置されたLEDの点灯・消灯を制御する。
また、中継基板180が右リール電飾基板201の制御信号を送信すると、右リール中継基板198が、送信された制御信号を右リール電飾基板201に送信する。続いて、右リール電飾基板201が、送信された右リール電飾基板201の制御信号に従ってリール350Cに配置されたLEDの点灯・消灯を制御する。
【0102】
このように、本実施形態では、ドライバ用IC161、171を、演出図柄表示装置104と別体とした。それゆえ、左リールモータ191、左リール電飾基板193、中リールモータ195、中リール電飾基板197、右リールモータ199、及び右リール電飾基板201を動作させる回路を演出図柄表示装置104に設けずに済む。そのため、演出図柄表示装置104の回路数を低減でき、演出図柄表示装置104をより小型化できる。
【0103】
また、本実施形態では、副制御基板150から中継基板180へは、一方向にのみ信号の送信が可能とし、副制御基板150と第1ドライバ基板160との間、及び第1ドライバ基板160と中継基板180との間は、双方向に信号の送信が可能とした。それゆえ、第1ドライバ基板160を介して中継基板180から副制御基板150に信号を送信することができる。
【0104】
なお、本実施形態では、
図1のパチンコ機1が遊技機を構成する。以下同様に、
図6、
図7の主制御基板210が主制御部を構成する。また、
図6、
図7の副制御基板150が副制御部を構成する。さらに、
図7のドライバ用IC161が第2駆動手段を構成する。また、
図7のドライバ用IC181が第1駆動手段を構成する。さらに、
図7の左リール中継基板190がリール中継基板を構成する。また、
図7の中リール中継基板194がリール中継基板を構成する。さらに、
図7の右リール中継基板198がリール中継基板を構成する。また、
図1の第一始動入賞口111a及び第二始動入賞口111bが始動口を構成する。