【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様では、本発明は、部屋内で空気流を生成するための送風機アセンブリを提供し、送風機アセンブリは、空気入口、インペラ、及び空気入口を通じて空気流を引き込むためにインペラ軸線の周りでインペラを回転させるためのモータを含む空気入口部分と、内壁、内壁の周りに延びる外壁、空気流を放出するための少なくとも1つの空気出口、及び少なくとも1つの空気出口に空気流を搬送するために内壁と外壁の間に位置付けられた内部通路を含み、内壁が、ノズルの外側からの空気が少なくとも1つの空気出口から放出された空気流によって引き込まれるボアを形成する環状ノズルと、部屋の天井で空気入口部分及びノズルを支持する支持アセンブリとを含む。
【0005】
環状ノズルから放出された空気流は、ノズルを取り囲む空気を同伴し、これは、従って、放出された空気流及び同伴された空気をユーザに供給する空気増幅器として作用する。同伴された空気は、本明細書では2次空気流と称される。2次空気流は、ノズルを取り囲む部屋空間、領域、又は外部環境から引き込まれる。放出された空気流は、同伴された2次空気流と合体してノズルから前方に放出される合体した又は全体的な空気流を形成する。2次空気流の一部分は、ノズルのボアを通じて引き込まれ、一方、2次空気流の他の部分は、外壁の外側の周り及びノズルの前を通り、ボアの下流で放出された空気流と合体する。
【0006】
内壁は、ボアの周りに延びかつそれを定めるために環状の形状であることが好ましい。内部通路は、内壁と外壁の間に配置されることが好ましく、少なくとも部分的に、内壁及び外壁によって定められることがより好ましい。ノズルは、空気流を受け入れる少なくとも1つの空気入口を含む。外壁は、空気入口を定めることが好ましい。例えば、その又は各空気入口は、外壁に形成された孔の形態とすることができる。ノズルは、内壁と外壁の間に延びる空気出口部分を含むことが好ましい。空気出口部分は、内壁と外壁の間に接続された別個の構成部品とすることができる。代替的に、空気出口部分の少なくとも一部は、内壁及び外壁のうちの一方と一体とすることができる。空気出口部分は、好ましくはノズルの端壁、より好ましくは下側端壁の少なくとも一部を形成する。空気出口部分は、好ましくは、少なくとも部分的に、空気流を放出するためのノズルの少なくとも1つの空気出口を定める。空気出口は、空気出口部分に形成することができる。代替的に、空気出口は、空気出口部分と内壁及び外壁のうちの一方との間に配置されてもよい。ノズルの空気入口は、ノズルの空気出口と実質的に直交することが好ましい。
【0007】
空気出口部分は、ボア軸線から離れる方向に空気流を放出するように構成される、好ましくは外方にテーパ付きの円錐の形状であることが好ましい。ボア軸線から離れるように延びる方向へのノズルからの空気流の放出は、放出された空気流による2次空気流の同伴の程度を増大させ、従って、送風機アセンブリによって生成される合体空気流の流量を増大することができることを本発明者は見出した。ここでは、合体空気流の流量又は最大速度の絶対値又は相対値は、ノズルの空気出口の直径の3倍の距離で記録された値を参照している。
【0008】
いかなる理論にも縛られることを望まないが、2次空気流の同伴の割合は、ノズルから放出される空気流の外側プロフィールの表面積の大きさに関連付けることができると考えられる。放出された空気流が外方にテーパ付きか又はフレア状態である時に、外側プロフィールの表面積は、比較的大きく、それによって放出される空気流及びノズルを取り囲む空気の混合が促進され、従って、合体空気流の流量が増大する。ノズルによって生成された合体空気流の流量を増大させることには、合体空気流の最大速度を低減する効果がある。これは、ノズルが、部屋又はオフィスを通る空気の流れを生成するための送風機アセンブリに使用されるのに適している。
【0009】
空気出口部分は、内壁に接続された内側部分及び外壁に接続された外側部分を含むことが好ましい。少なくとも1つの空気出口は、環状壁の内側部分と外側部分の間に位置付けることができる。内側部分の少なくとも一部は、ボア軸線から離れる方向にテーパ付けられていてもよい。ボア軸線に対する内側部分のこの部分の傾斜角は、0°と45°の間とすることができる。内側部分のこの部分は、実質的に円錐である形状を有することが好ましい。空気出口部分は、内側部分のこの部分と実質的に平行である方向に空気流を放出するように構成することができる。外側部分は、ボア軸線と実質的に直交することが好ましい。
【0010】
少なくとも1つの空気出口は、ボア軸線周りに延びることが好ましい。ノズルは、ボア軸線周りに角度的に離間させて設けられた複数の空気出口を含むことができるが、好ましい実施形態では、ノズルは、実質的に環状の空気出口を含む。
【0011】
少なくとも1つの空気出口は、ボア軸線から離れるように延びる方向に空気を放出するように成形することができる。空気出口に隣接して位置付けられた内部通路の一部分は、放出された空気流がボア軸線から離れる方向に差し向けられるように、空気出口を通る空気流を向けるように形状付けられることができる。製造を容易にするために、空気出口部分は、空気出口を通して空気流を差し向けるための空気チャンネルを含むことができる。空気チャンネルは、ボア軸線に対して傾斜していることが好ましく、ほぼ切頭円錐形の形状を有することが好ましい。空気チャンネルとボア軸線の間に内在する角度は、0°と45°の間であることが好ましい。好ましい実施形態では、この角度は、約15°である。内部通路は、ボア軸線周りに延びることが好ましく、ボア軸線を取り囲むことが好ましい。内部通路は、ボア軸線を通過する平面内で任意の望ましい断面を有することができる。好ましい実施形態では、内部通路は、ボア軸線を通過する平面内で実質的に矩形断面を有する。
【0012】
ノズルは、ノズルの内壁と外壁の中間に延びる翼弦線を含むことができる。少なくとも1つの空気出口は、ボア軸線と翼弦線の間に位置付けられることが好ましい。
【0013】
支持アセンブリは、部屋の天井に取付可能である取付ブラケットを含むことが好ましい。この取付ブラケットは、例えば、ネジを使用して天井に取付可能である板の形態とすることができる。支持アセンブリは、好ましくはインペラ軸線が取付ブラケットに対して90°未満の角度であるように、より好ましくはインペラ軸線が取付ブラケットに対して45°未満の角度であるように空気入口部分及びノズルを支持するように構成されることが好ましい。一実施形態では、支持アセンブリは、インペラ軸線が取付ブラケットと実質的に平行であるように空気入口部分及びノズルを支持するように構成される。ボア軸線は、インペラ軸線と実質的に直交することが好ましく、従って、支持アセンブリは、ボア軸線が取付ブラケットと実質的に直交するように空気入口部分及びノズルを支持するように構成することができる。空気入口部分及びノズルは、ボア軸線に沿って測定した時に実質的に同じ深さを有することが好ましい。
【0014】
これにより、取付ブラケットが取り付けられる水平天井と送風機アセンブリが実質的に平行に位置するように送風機を配置することができる。ノズルは、比較的天井の近くに位置付けることができ、ユーザ又はユーザが所持する品目がノズルと接触する危険が低減される。
【0015】
空気入口部分の入口は、1次空気流が空気入口部分の中に引き込まれる単一の孔又は複数の孔を含むことができる。空気入口は、好ましくは、インペラ軸線が空気入口を通過するように、より好ましくはインペラ軸線が空気入口部分の空気入口と実質的に直交するように配置される。
【0016】
空気入口部分のサイズを最小にするために、インペラは、軸流インペラであることが好ましい。空気入口部分は、ノズルに向けて空気流を案内するためにインペラから下流に位置付けられたディフューザを含むことが好ましい。空気入口部分は、外側ケーシングと、モータ及びインペラ周りに延びるシュラウドと、外側ケーシング内にシュラウドを取り付けるための取付構造とを好ましくは含む。ディフューザは、モータを支持するための内側環状壁と、シュラウドに接続された外側環状壁と、内壁及び外壁の間に位置付けられた複数の湾曲ベーンとを含むことが好ましい。ケーシング及びシュラウドは、実質的に円筒形であることが好ましい。
【0017】
取付構造は、外側ケーシングとシュラウドの間に位置付けられた複数のマウントと、マウントとシュラウドの間に接続された複数の弾性要素とを含むことができる。好ましくはシュラウドが外側ケーシングと実質的に同軸であるように外側ケーシングに対してシュラウドを位置決めすることに加えて、弾性要素は、送風機アセンブリの使用中に生成された振動を吸収することができる。弾性要素は、マウントとシュラウドの間で緊張状態に保持されることが好ましく、かつ各々が一端でシュラウドにかつ別の端部で支持体の1つに接続された複数の引張バネを含むことが好ましい。バネを緊張状態に維持するために、引張バネの端部を付勢して離すための手段を設けることができる。例えば、取付構成は、マウントを付勢して離すように付勢するためにマウント間に位置付けられたスペーサリングを含み、これにより、各バネの一端を他端から離すことができる。
【0018】
第2の態様では、本発明は、ケーシング内にモータを支持するための装置を提供し、装置は、モータに接続されてその周りに延びるシュラウドと、ケーシングとシュラウドの間に位置付けられた複数のマウントと、マウントとシュラウドの間に接続された複数の弾性要素とを含み、弾性要素は、マウントとシュラウドの間で緊張状態に保持される。
【0019】
空気入口部分は、好ましくは、支持アセンブリとノズルの間に位置付けることができる。空気入口部分の一端は、支持アセンブリに接続され、空気入口部分の他端は、ノズルに接続されることが好ましい。空気入口部分は、実質的に円筒形であることが好ましい。
【0020】
支持アセンブリは、空気出口の上流に配置された空気通路を含むことができる。インペラによって生成された空気流は、空気通路を通過する。支持アセンブリ及び空気入口部分の相対位置に応じて、空気通路は、空気入口部分へ又はそこから空気を搬送することができる。例えば、支持アセンブリの空気通路は、インペラとモータとを収容する空気入口部分の空気通路と実質的に同軸とすることができる。
【0021】
ノズルは、1次空気流が部屋の中に放出される方向をユーザが変更することを可能にするために支持アセンブリに対して回転可能であることが好ましい。ノズルは、回転軸周りに、かつ空気流が天井から離れる方向に差し向けられる第1の向きと空気流が天井の方向に差し向けられる第2の向きとの間で支持アセンブリに対して回転可能であることが好ましい。例えば、夏期には、ユーザは、送風機アセンブリによって生成される空気流によって送風機アセンブリの下に位置するユーザを涼しくするための比較的涼しい微風が得られるように、空気流が、送風機アセンブリが取り付けられた天井から離れる方向に部屋の中に放出されるようにノズルの向きを変えたいと思う場合がある。しかし、冬期には、ユーザは、送風機アセンブリのすぐ下で微風を生成することなく、部屋の壁の上側部分に上がった温かい空気を移動かつ循環させるために空気流が天井の方向に放出されるように180°にわたってノズルを反転させたいと思う場合がある。
【0022】
ノズルは、それが第1の向きと第2の向きの間で回転する時に反転させることができる。ノズルの回転軸は、実質的にボア軸線と直交することが好ましく、かつインペラ軸線と実質的に同一平面上であることが好ましい。
【0023】
ノズルは、空気入口部分及び支持アセンブリの両方に対して回転可能にすることができる。代替的に、空気入口部分は、空気入口部分及びノズルの両方が支持アセンブリに対して回転可能であるように支持アセンブリに接続することができる。
【0024】
支持アセンブリは、天井に送風機アセンブリを取り付けるための天井マウントと、天井マウントに接続された第1の端部を有するアームと、アームの第2の端部とノズル及び空気入口部分のうちの一方とに接続された本体とを含むことが好ましい。本体は、ノズルまたは空気入口部分に直結することができる。本体は、環状本体であることが好ましく、これは、空気出口まで空気流を搬送するための空気通路を含む。
【0025】
本体は、上昇位置と下降位置の間でノズルを移動させるためにアームに対してピボット回転可能であることが好ましい。ノズル及び空気入口部分は、従って、支持アセンブリの取付ブラケットに対してピボット回転可能にすることができる。ノズルを下降させることは、ノズルと送風機アセンブリが取り付けられた天井との間の距離を増大させ、従って、ノズルを天井と接触することなく支持アセンブリに対して回転させることができる。ノズルを下降させることは、ユーザによるその回転を容易にすることができる。
【0026】
ノズル及び空気入口部分は、インペラ軸線と実質的に直交するピボット軸の周りにピボット回転可能であることが好ましい。本体は、従って、インペラ軸線と実質的に直交するピボット軸周りにアームに対してピボット回転可能であることが好ましい。ピボット軸は、ノズルのボア軸線と実質的に直交することが好ましい。インペラ軸線は、ノズルが上昇位置にあって支持アセンブリが実質的に水平天井に接続される時に、実質的に水平であることが好ましい。
【0027】
本体は、上昇位置から下降位置までノズルを移動させるために5°から45°の範囲の角度でピボット回転可能にすることができる。ノズルの外壁の半径に応じて、本体は、上昇位置から下降位置までノズルを移動させるために10°から20°の範囲の角度でピボット回転することができる。本体は、ノズルがその上昇位置に維持されるようにアームに対して本体をロックするための解除可能なロック機構を収容することが好ましい。ロック機構は、ノズルをその下降位置に移動させることでユーザによって解除可能である。ロック機構は、ノズルがその上昇位置に維持されるようにアームに対して本体をロックするためのロック構造に向かって付勢されることが好ましい。ロック機構は、ノズルが下降位置から上昇位置に移動する時にロック構造に自動的に戻るように構成されることが好ましい。
【0028】
アームは、天井マウントに回転可能に接続されることが好ましい。アームは、回転軸周りに天井マウントに対して回転可能であることが好ましく、アームは、回転軸に対して傾斜することが好ましい。その結果、アームがその回転軸周りに回転すると、ノズル及び空気入口は、回転軸周りを周回する。それによってノズルを比較的広い環状区域内の望ましい位置に移動させることができる。アームは、ノズルと天井の間の距離を最小にするために、回転軸に対して45°から75°まで範囲の角度で傾斜することが好ましい。アームの回転軸は、本体のピボット軸と実質的に直交することが好ましい。
【0029】
本発明の第1の態様に関連して上述した特徴は、本発明の第2の態様に等しく適用可能であり、その逆も同様である。
【0030】
ここで、本発明の好ましい特徴を単に一例として図面を参照して以下に説明する。