(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5685188
(24)【登録日】2015年1月23日
(45)【発行日】2015年3月18日
(54)【発明の名称】透析器械に使用されるべき使い捨て容器のためのコネクタ
(51)【国際特許分類】
A61M 1/14 20060101AFI20150226BHJP
【FI】
A61M1/14 593
【請求項の数】14
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-522405(P2011-522405)
(86)(22)【出願日】2009年8月4日
(65)【公表番号】特表2011-530357(P2011-530357A)
(43)【公表日】2011年12月22日
(86)【国際出願番号】EP2009005621
(87)【国際公開番号】WO2010017906
(87)【国際公開日】20100218
【審査請求日】2012年8月3日
(31)【優先権主張番号】P080103526
(32)【優先日】2008年8月13日
(33)【優先権主張国】AR
(73)【特許権者】
【識別番号】597075904
【氏名又は名称】フレゼニウス メディカル ケア ドイッチェランド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157185
【弁理士】
【氏名又は名称】吉野 亮平
(72)【発明者】
【氏名】ラメラ フアン ミゲル アンヘル
(72)【発明者】
【氏名】ファラセ レオナルド フランコ
【審査官】
寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−275299(JP,A)
【文献】
特開平11−348537(JP,A)
【文献】
特表2006−518620(JP,A)
【文献】
特表2005−514283(JP,A)
【文献】
特開昭61−115849(JP,A)
【文献】
特開平10−028730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁を備えた交換可能な容器のためのコネクタであって、前記容器は、前記壁のうちの1つに設けられている開口部を備えた部材を有し、前記容器は、透析器械に用いられるようになっており、前記コネクタは、少なくともコネクタ本体を有し、前記コネクタ本体の内側部を横切って入口管及び出口管が設けられ、前記入口管及び前記出口管は、前記コネクタ内に設けられた中央本体を前記開口部付きの前記部材に接合することにより前記コネクタを前記容器に取り付けると、前記中央本体から前記コネクタの外側部に向かって延び、前記入口管及び前記出口管は、別々に、2つの側方に間隔を置いて設けられた孔に至るよう延び、前記孔は、前記透析器械への取り付けを可能にするために取り外し可能に結合でき、
前記外側部は、キャップを有し、前記キャップは、前記キャップが前記コネクタの前記外側部の縁部に平行に又はこれに沿って延びる前記管の各々の一部分を露出させるよう当初開いており、前記キャップは、可撓性又はヒンジ式の或いは脆弱なリンク装置によって、前記キャップが前記管の前記当初露出された部分を覆うまで前記キャップが前記リンク装置に沿って折り畳み可能であるような仕方で前記コネクタ本体に結合され、
前記キャップは、前記キャップが前記管内に嵌まり込んで前記管を密封することができるよう前記管の開放長さに一致する突起を備えた内側部を有する扁平な部材である、コネクタ。
【請求項2】
前記コネクタ本体、前記キャップ、及び前記リンク装置は、合成材料の一体品の状態に成形されている、請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記リンク装置は、前記キャップの同一の縁部を前記コネクタ本体の対応の前記縁部に取り付ける2つの互いに間隔を置いた可撓性ストリップから成る、請求項1又は2記載のコネクタ。
【請求項4】
前記キャップは、細長い形状のものであり、前記リンク装置は、前記キャップの長い方の縁部に取り付けられる、請求項1〜3のうちいずれか一に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記中央本体と前記キャップは、合成材料で作られた別々の部材として成形されている、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記2つの取り外し可能に取り付け可能な孔は、剥離手段によって密封されている、請求項1〜5のうちいずれか一に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記開口部を備えた前記部材及び前記中央本体は、環状の形をしている、請求項1〜6のうちいずれか一に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記中央本体は、前記開口部を備えた前記部材とスナップ嵌合するよう環状のリブを有する、請求項1〜7のうちいずれか一に記載のコネクタ。
【請求項9】
請求項1〜8のうちいずれか一に記載のコネクタによって密閉される、交換可能な使い捨て容器。
【請求項10】
前記容器は、透析溶液を作るために使用可能な粉末状又は顆粒状コンパウンドを収容している、請求項9記載の交換可能な使い捨て容器。
【請求項11】
請求項1〜8のうちいずれか一に記載のコネクタを製造する方法であって、前記コネクタの内側部から前記コネクタの外側部まで内部を横切って延びる入口管及び出口管を備えたコネクタ本体を成形するステップを有し、前記入口管及び出口管は、別々に、前記コネクタの前記外側部の縁部に平行に又はこれに沿って延びて2つの取り外し可能に取り付け可能な孔に至っている、方法において、前記コネクタ本体には、成形により、
a)前記外側部に設けられていて、両方の前記管の開放部分を露出させる開口部と、
b)前記開口部に合致すると共に可撓性又はヒンジ式の或いは脆弱なリンク装置によって前記コネクタ本体に取り付けられるキャップとを設け、前記キャップは、前記キャップが前記管の前記露出部分を覆うまで前記リンク装置に沿って折り畳み可能であるようになっている、方法。
【請求項12】
前記キャップは、別個の部材として成形される、請求項11記載のコネクタの製造方法。
【請求項13】
前記2つの孔は、剥離シートによって密封される、請求項11又は12記載のコネクタの製造方法。
【請求項14】
透析溶液を調製するための透析器械に取り付けられるべき粉末状、顆粒状、又はこれらに類似した物質を収容した交換可能な器具を製造する方法であって、前記方法は、
a)2つの部材を有する器具を用意するステップを有し、前記部材のうちの一方は、開口部を有する部材を備えた容器であり、他方の部材は、請求項1〜8のうちいずれか一に記載のコネクタであり、
b)前記開口部を通って固形物を前記容器に導入することにより前記容器を充填するステップを有し、
c)前記コネクタを前記容器の前記部材の前記開口部内に嵌め込んで前記コネクタと前記部材が密封嵌合関係をなすようにするステップを有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
血液透析器械は、透析処理下において患者の血液を浄化するために一種類又は数種類の塩濃縮物水溶液、例えば炭酸水素ナトリウム溶液を利用しており、かくして、一種の人工腎臓として働く。この濃縮物を血液透析器械により使い捨ての交換可能な容器内に入れて提供される粉末状又は顆粒状の塩化合物から得ることができ、かかる容器は、バッグ型式のものである場合がある。標準プロセスでは、水は、血液透析器械により提供されて、例えば粉末状炭酸水素ナトリウムを溶解させ、使用可能な溶液は、別個の管を通って容器から同時に取り出される。
【0002】
本発明は、容器内に配置され、容器を透析器械に取り付けるのに役立ち、水入口及び溶液出口によって形成されたコネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
欧州特許出願公開第1,344,550号明細書は、同一の目的にかなうコネクタを記載しており、このコネクタは、3本の管を備えた一体品で作られている。主要な管は、部材をその外側部と内側部との間で完全に横切る中央ボアであり(部材は、このようにして構成される。というのは、この部材は、コネクタをかかる容器の対応の開口部内にいったん配置すると、管状容器内に位置するからである)、この中央ボアは、容器に可溶性固体粉末状又は顆粒状塩を充填するために用いられ、かくして、この中央ボアは、直径が大きい。他の2本の管は、それぞれ、水の流入及び溶液の流出のために設計され、これら管は各々、コネクタの内側部から外側部の付近まで中央管に平行な長さを有し、この外側部の付近から、管は、外方に広がってそれぞれの側部ウイングに沿い又は外側部の縁部に沿って平行な方向に延びて、透析器械にプラグ接続されるよう構成された円筒形部分に至っている。かかる欧州特許出願公開明細書の
図4及び
図5は、上述の透析器械モデルの取り付けコンソールの全体的特徴を示しており、側部管は、2つ以上の曲り部を形成する経路を辿った状態で示され、従って、金型設計目的に関し、部材がプラスチックで作られている場合、開放側部管を成形により外側部に設けることができるようになっている。
【0004】
予備充填作業は、典型的には、容器製造プロセスそれ自体の間に実施され、予備充填作業に続いて密封作業を実施する場合があり、かかる密封作業では、柔軟性シートをコネクタの外側部に溶接して上述の欧州特許出願公開第1,344,550号明細書の
図2で理解できるように、中央管の口を覆ってその内容物が失われることと容器内でのそれが汚染されることの両方を回避する。これら手技は、滅菌領域内で実施される。同一のシートは又、かかる欧州特許出願公開明細書の
図1に示されているように成形により開口部が設けられた側部管を覆う。
【0005】
アルゼンチン国特許出願公開第37,133号明細書は、上述の血液透析器械に用いられるダブルコンポーネントバッグ用の連結キャップに関する。かかるアルゼンチン国特許出願公開第37,133号明細書の
図3、
図4及び
図5は、2つの密封且つ嵌合状態の部材の組立体で作られた2本の入口及び出口管を備えたコネクタを示している。一方の部材の形状は、環状であり、これは、各管の内側部が別個のコンパートメントと流体連通するように交換可能なバッグ内に導入される。第2の中央の部材は、バッグに大径中央管を通って粉末状製品をあらかじめ充填した直後まで環状部材内には配置されない。中央部材は、これを環状部材内にいったんスナップ嵌めすると、中央管を密封するディスクを備え、かくして、透析器械が水を流入させて製品を溶解させる弁として開くと、バッグを透析器械に取り付けるコネクタが形成され、透析器械は、結果として得られた溶液を管を経て取り出す。
【0006】
最後に、アルゼンチン国特許出願公開第35,471号明細書の
図2及び
図3は、組み立てを可能にするためのリブを備えた2部品成形コネクタを示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1,344,550号明細書
【特許文献2】アルゼンチン国特許出願公開第37,133号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、アルゼンチン国特許出願公開第35,471号明細書に記載されているような形式の交換可能な容器に用いられる新規なコネクタを開発することにある。
【0009】
本発明の別の目的は、上述の米国特許明細書に記載されているように行われる溶接シート又はフィルムによってコネクタの外側部に対する開口部密封手順をなくすことにある。別の目的は、1コンパートメント又は2コンパートメント型使い捨て容器に有効な新規な密封システムを備えたコネクタ構造体を提供することにある。
【0010】
本発明が解決しようとするもう1つの課題は、コネクタウイングの外側部の周りに管によって形成された開放チャネル又は溝の密封を安全且つ費用効果の良い仕方で達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの課題は、請求項1記載のコネクタ、請求項11記載の交換可能な使い捨て容器、請求項14記載のコネクタの製造方法及び請求項16記載の交換可能な器具の製造方法によって解決される。本発明の変形例は、従属形式の請求項の記載内容である。
【0012】
以下の説明から明らかになる上記利点、目的及び解決策及び他の利点、目的及び解決策は、一実施形態では、柔軟性又はヒンジ式の或いは脆弱なリンク装置によってコネクタ本体それ自体に取り付けられているキャップを備えたコネクタを構成することにより達成される。別の作業では、キャップを外側部に沿って折り畳み、密封的に閉鎖して管の側部ウイングの管開口部を閉鎖する。
【0013】
好ましい実施形態では、コネクタは、バッグ開口部内に配置された部材、好ましくは環状部材を有し、この部材は、アルゼンチン国特許出願公開第35,471号明細書に開示されているように構成され、固体製品予備充填作業は、この部材を介して実施され、コネクタは、上記段落に記載されているコネクタの本質的な特徴を備えたノズルを構成する中央部材を更に有する。
【0014】
アルゼンチン国特許出願公開第35,471号及び欧州特許出願公開第1,344,550(A1)号を参照により引用し、これらの開示内容全体を本明細書の一部とする。
【0015】
本発明の内容及び本発明を実施することができる仕方に関する容易な理解を得るため、本明細書に添付された例示の図面を参照して本発明の好ましい実施形態についての詳細な説明が以下に与えられており、添付の図面は、例示であって、本発明を限定するものではなく、本発明の構成要素は、当業者であれば、本発明の原理から逸脱することなく、種々の均等例から選択される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の好ましい実施形態としてのコネクタを備えたシングルコンパートメント使い捨て透析バッグの分解組立斜視図である。
【
図2】
図1に示されているコネクタの上斜視図であり、押し潰し可能なキャップが溶剤入口ポート及び溶液出口ポートを露出させるよう当初開かれている状態を示す図である。
【
図3】
図2に類似した斜視図であるが、押し潰し可能なキャップが閉じられた状態でコネクタが示され、部品としてのコネクタの外側部に連続した延長部の全てに設けられた入口ポート及び出口ポートが密封された状態を示す図である。
【
図4】成形されたままの
図1に示されているコネクタの前方下から見た斜視図である。
【
図5】
図4に示されているコネクタを後方下から見た斜視図である。
【
図6】
図2に示されているコネクタの下から見た斜視図であり、その連結ポートが今や密封されている状態を示す図である。
【
図7】
図6に示されたコネクタの後から見た斜視図である。
【
図8】
図6及び
図7に示されているようにコネクタに密封的に取り付けられた部材の図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1を参照すると、まず最初に、2つのシート(板)状壁(以下、「壁シート」という場合がある)で作られた細長いシングルコンパートメント型バッグ11が示されており、壁シートのうちの一方には開口部13が設けられており、更に、コネクタ15が例示目的で非取り付け状態で示されている。コネクタ部材15をバッグ内に配置するため、補助部材17(この実施形態では、この部材は、環状の形のものである)が開口部13のリムのところに位置決めされており、この環状部材は、その喉部又は開口部13内にコネクタ本体15を、中心を合わせた状態で受け入れることができ、かくして、密封嵌め状態が作られている。
【0018】
図2に示されているように、部材15は、中央本体19を有し、この中央本体は、環状部材17の開口部13内にしっかりと保持可能な環状リブ21及び2つのウイング状側方延長部23を有し、これら延長部内において、管又は導管25がそれぞれ、水を注入したり溶液を取り出したりするために延びている。これら導管25は、ウイング端部23に設けられた対応の孔27から延びており、これら孔は、透析器械(図示せず)への取り付け及び連結を可能にするよう構成され、一端が部材の外側部又は後側部31で開口したチャネル29を形成する幾分可能な長さを有し、次に、コネクタの内側部33に至っており、溶液出口管は、吸引管35の取り付けのための末端部を有し、吸引管の終縁部は、フィルタ37で終わっており、従って、使用の際、フィルタ37は、開口部13の反対側の端部のところでバッグ11の底部のところに位置するようになっている。同様に、水を注入する入口管は、端部が中央本体19内に直接位置したフィルタ要素を有するのが良い。このフィルタ要素は、種々の製造技術により製造可能である。一実施形態では、入口管のオリフィスは、中央本体に溶接され又は接着された不織溶接シートで覆われている。入口オリフィスは又、容器内に向かっていて、出口管と比較して断面が大きな小径末端部を有するのが良い。
【0019】
煩雑になるのを避ける目的で、上述の本発明の従来の観点に関する詳細は省かれている。というのは、かかる詳細は、上述の特許文献で知られているからである。環状部材とバッグ11を構成するシート材料との間の永続的な結合部並びにこれへの中央部材又は実際のノズル15のスナップ嵌合は、上述のアルゼンチン国特許出願公開第35,471号明細書に示されている特性と同一の特性を有するのが良い。
【0020】
本発明の一観点によれば、コネクタ部材15には成形により2つの連結可撓性ストリップ41によりキャップ31が取り付けられている。かかるキャップ39は、管の開放部分29と嵌合する内部突起43と共にコネクタ15のウイング23の上述の後側部31と同一の横方向に細長い形態を有している。かくして、容易に理解されるように、キャップ39は、コネクタ15の外側部31上に折り重ねられ、かくして、ストリップ41が折り曲げられ、それによりストリップがウイング23の端部に取り付けられ、突起43が開放チャネル29を密封するのに十分な程開放チャネル29内にスナップ嵌合し、超音波又はレーザ溶接により密封が保証される。
【0021】
図示の例では、ウイング23は、取り付け孔の中央点と連結部27との間の78.0mm長さに対応するよう87.3mmのスパンを有している。開放チャネル29の幅は4.1mmであり、キャップ39の厚さは、キャップ39の内側部に設けられている突起43とちょうど同様、1.0mmである。キャップをコネクタの本体15に取り付けるストリップ41は、長さが3.0mm、幅が2.0mm、厚さが0.8mmである。
【0022】
図4は、コネクタ15のチャネル29が通じる孔27を示し、
図5は、コネクタを補剛するのに役立つ補強構造体45を示している。上述したようにキャップ39が既に溶接されているコネクタの中央部材15及び環状部材17を備えたバッグ11がいったん作られると、粉末状製品をバッグ11内に詰め込む。次に、まず最初に、溶液出口の延長部としての役目を果たす吸引管35を導入してフィルタ37がバッグ11の底部に達するようにすることにより実際のコネクタの部材15を環状部材17上に配置する。両方の孔27を
図8に示されているようなポリエステル被覆シート47(これは、剥離ホットメルトによって結合される)によって
図6及び
図7に示されているように密封し、すると、溶解されるべき物質を収容した充填且つ密封状態の器具は、ユースポイント、即ち病院、臨床センター又は透析センターにいつでも輸送できる状態にある。環状部材17は、2つの目的又は機能、即ち、溶解されるべき固形物のための入口ポートとしての機能と完成状態のプラグの特性を備えたコネクタ15の中央部材に設けられる密封取り付け及び保持部材としての機能を実行することが理解される。
【0023】
使用時に、剥離シート47を孔27から持ち上げた後、器具を素早く透析器械に取り付け、そして、透析器械の取り付けコンソールにプラグ接続し、その後、透析器械は、固形物を溶解するために管25のうちの一方を経て純水又は蒸留水をポンプ送りする。かかる固形物は、水との接触後、固形分を含む溶液を生じ、この溶液は、篩37を通過することができ、従って、この溶液を管35によって吸込み、そして出口管21を通って透析器械の中に運搬することができ、それにより、血液透析の場合に解毒されて体外循環によって戻されるべき患者から採った血液の浄化処理を行う。器具バッグ内の製品が少なくなると、連結孔27を外し、器具を処分し又は交換して新品の器具による新たな処理を行う。
【0024】
種々の改造例及び追加例が本発明の精神及び範囲と一致する限り、かかる改造例及び追加例を本明細書において開示した実施形態に導入することができるということは明らかであろう。例えば、本発明を血液透析器械に適した交換可能な器具に関して説明したが、提供された解決策は、結局のところ、解決すべき類似の課題をもつ他の医療用途、例えば、腹膜透析器械に利用できることは明らかなはずである。また、開示した実施形態は、バッグを用いているが、本発明の技術的思想は、容器の壁の可撓性とは独立して、容器一般に利用できることは明らかなはずである。