特許第5685194号(P5685194)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5685194白花蛇舌草、ダイオウ、コウゾ抽出物を含有する美白用皮膚外用剤組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5685194
(24)【登録日】2015年1月23日
(45)【発行日】2015年3月18日
(54)【発明の名称】白花蛇舌草、ダイオウ、コウゾ抽出物を含有する美白用皮膚外用剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/97 20060101AFI20150226BHJP
   A61Q 19/02 20060101ALI20150226BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20150226BHJP
【FI】
   A61K8/97
   A61Q19/02
   A61Q19/00
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-538546(P2011-538546)
(86)(22)【出願日】2009年11月23日
(65)【公表番号】特表2012-509933(P2012-509933A)
(43)【公表日】2012年4月26日
(86)【国際出願番号】KR2009006883
(87)【国際公開番号】WO2010062087
(87)【国際公開日】20100603
【審査請求日】2012年11月1日
(31)【優先権主張番号】10-2008-0117660
(32)【優先日】2008年11月25日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506213681
【氏名又は名称】株式会社アモーレパシフィック
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】キム ウンジュ
(72)【発明者】
【氏名】ノ ホシク
(72)【発明者】
【氏名】キム スジョン
(72)【発明者】
【氏名】ムン ウンジョン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ ガヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク ヘユン
(72)【発明者】
【氏名】ハ ジョンチョル
(72)【発明者】
【氏名】キム ドッキ
(72)【発明者】
【氏名】キム ハンゴン
【審査官】 松本 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−269752(JP,A)
【文献】 特開平06−024937(JP,A)
【文献】 特開2000−281528(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2006−0121496(KR,A)
【文献】 米国特許第5766614(US,A)
【文献】 中国特許出願公開第101406547(CN,A)
【文献】 Ok-sub Lee, Eun-Joung Kim,Cosmetics & Toiletries,1995年,Vol.110,p.51-56
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/97
A61Q 1/00− 90/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
白花蛇舌草抽出物、ダイオウ抽出物及びコウゾ抽出物を有効成分として含有する、美白用皮膚外用剤組成物。
【請求項2】
記白花蛇舌草抽出物、ダイオウ抽出物及びコウゾ抽出物は、1〜4:1〜4:1〜4の重量比で含有することを特徴とする、請求項1記載の美白用皮膚外用剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、白花蛇舌草抽出物と、ダイオウ抽出物及びコウゾ抽出物のいずれか1つ以上を有効成分として含有する美白用皮膚外用剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の肌の色は、メラニン色素を作るメラノサイト(melanocyte)の活動性、血管の分布、皮膚の厚さ、及びカロチノイドやビリルビンなどの人体内外における色素含有の有無等、様々な要因によって決定される。特に、メラノサイトからチロシナーゼ(tyrosinase)などの複数の酵素が作用して生成されるメラニンという黒色色素が最も重要な要因である。メラニン色素の形成には、遺伝的要因、ホルモンの分泌、ストレス等と関連した生理的要因、及び紫外線の照射等といった環境的要因が影響を及ぼす。メラニンは、皮膚に存在して、紫外線等から身体を保護する重要な機能をするが、メラニンが過剰生成されることにより、色素の沈着及び皮膚の老化を促進し、皮膚癌の誘発にも重要な作用をするものと知られている。皮膚の色素の異常沈着の症状や紫外線露出等により発生した過度なメラニン色素の沈着を治療又は軽減させるために、以前より、アスコルビン酸(ascorbic acid)、コウジ酸(kojic acid)、アルブチン(arbutin)、ハイドロキノン(hydroquinone)、グルタチオン(glutathione)、又はこれらの誘導体、チロシナーゼ阻害活性を有する物質を化粧料や医薬品に配合して使用してきたが、これらは、不十分な美白効果、皮膚に対する安全性の問題、及び化粧料への配合時の剤型内における安定性の問題等によりその使用が制限されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】大韓民国公開特許第10−2006−0121496号
【特許文献2】大韓民国公開特許第10−1992−0021129号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、前記のような問題を解消するために研究をした結果、白花蛇舌草抽出物と、ダイオウ抽出物及びコウゾ抽出物のいずれか1つ以上を有効成分として含有する場合、肌に無害であるとともに、優れた美白効果を示すことを発見し、本発明を完成するに至った。
【0005】
したがって、本発明の目的は、美白効果に優れ、かつ、肌への副作用がない美白用皮膚外用剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、白花蛇舌草抽出物と、ダイオウ抽出物及びコウゾ抽出物のいずれか1つ以上を有効成分として含有する美白用皮膚外用剤組成物を提供する。
【0007】
本発明の一の具現例に係る美白用皮膚外用剤組成物は、白花蛇舌草抽出物とダイオウ抽出物を有効成分として含有することができる。このとき、白花蛇舌草抽出物及びダイオウ抽出物は、1〜4:1〜4の重量比で含有されていてよい。
【0008】
本発明の他の具現例に係る美白用皮膚外用剤組成物は、白花蛇舌草抽出物とコウゾ抽出物を有効成分として含有することができる。このとき、白花蛇舌草抽出物及びコウゾ抽出物は、1〜4:1〜4の重量比で含有されていてよい。
【0009】
本発明の他の具現例に係る美白用皮膚外用剤組成物は、白花蛇舌草抽出物、ダイオウ抽出物及びコウゾ抽出物を有効成分として含有することができる。このとき、白花蛇舌草抽出物、ダイオウ抽出物及びコウゾ抽出物は、1〜4:1〜4:1〜4の重量比で含有されていてよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によって提供される白花蛇舌草抽出物と、ダイオウ抽出物及びコウゾ抽出物のいずれか1つ以上を含有する美白用皮膚外用剤組成物は、白花蛇舌草、ダイオウ、コウゾの抽出物を単独で含有する場合よりも1.5〜2倍程度優れたメラニン生成の抑制及び肌の美白効果を提供し、肌に対する安全性を備える。したがって、多様な美白化粧料の原料として使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施例を示す図面を参照して実施例の詳細について説明する。しかしながら、このような発明は多様な他の形態を含むことができ、本明細書に記載の実施例に限定されるものではない。実施例は、当業者が請求の範囲を完成し、かつ、十分に伝えられるようにするため提供されるものである。本明細書における既知の細部事項及び技術は、本実施例の態様が不必要に曖昧にならないように、省略することができる。
【0012】
本明細書において使用された用語は、特定実施例を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。単数形「一つの」及び「この」は、文脈上、明らかに別異に解されない限り、複数形をも含む。また、「一つの」などの用語はその使用頻度を限定せず、言及したものが少なくとも一つ以上存在することを表す。なお、本明細書において使用された「含む」及び/または「構成される」との用語は、特性、地域、段階、整数、動作、要素、及び/または構成成分の存在を具体化するが、一つ以上の他の特性、地域、段階、整数、動作、要素、構成成分、及び/またはこれらグループの存在及び追加を不可能にするものではない。
【0013】
本明細書において使用された全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、別異に解されない限り、当業者において一般的なものと同一な意味を持つ。一般的に辞書に定義されているような用語は、関連技術及び本発明の文脈において持つ意味に相応する意味を持つものとして解すべきである。また、本明細書において明示されない限り、理想化しすぎたり、形式的に解し過ぎたりしないべきである。
【0014】
本発明は、白花蛇舌草抽出物と、ダイオウ抽出物及びコウゾ抽出物のいずれか1つ以上を有効成分として含有する美白用皮膚外用剤組成物を提供する。
【0015】
白花蛇舌草は、漢方医学だけでなく、民間療法としても広く知られて使用されてきた漢方薬剤の一つである。白花蛇舌草(Oldenlandia Diffusa Willd)は、中国南部、東南アジア、韓国・済州島の鬱蒼とした日陰の森の中で自生するアカネ科(Rubiaceae)の植物で、中国の伝統医学において、肝臓癌、肺癌、直腸癌の治療、解熱、解毒に使用されてきた。白花蛇舌草に含有される成分としては、ベツリン(Betulin)、ベツリン酸(Betulinic acid)、ウルソール酸(Ursolic acid)、オレアノール酸(Oleanolic acid)、スチグマステロール(Stigmasterol)、β−シトステロール(β−Sitosterol)、β−グリシルレチン酸(β−Glycyrretinic acid)、ペンタ−クマル酸(ρ−Coumaric acid)、グルコシド(Glucoside)、ヘントリアコンタン(Hentriacontane)等があり、抗癌活性、抗炎症作用及び抗ウイルス効果を奏すると知られている。
【0016】
しかし、このような白花蛇舌草の伝統的な効能と、本発明の肌の美白効果とは完全に区別されるものである。
【0017】
ダイオウは大黄(Rheum undulatum Linne)の根、茎を使用する。この他にも錦紋大黄(Rheum palmatum Linne)、唐古特大黄(Rheum tanguticum Maximowicz)、朝鮮大黄(Rheum coreanum Nakai)、掌葉大黄(Rheum palmarum Linne var.palmatum)、又はこれらの種間雑種(Polygonaceae)の根、茎も使用することができる。主要成分として、エモジン(Emodin)、クリソファノール(Chrysophanol)、レイン(Rhein)、アロエ−エモジン(Aloe−emodin)、グルコガリン(Glucogallin)、ラポンチシン(Rhaponticin)等を含んでおり、抗菌作用、抗ウイルス作用、免疫複合体浄化促進作用、肝細胞障害抑制作用、ウサギ血清コレステロール正常化作用、利尿作用、細菌性コラーゲン分解酵素阻害作用、アンギオテンシン(Angiotensin)変換酵素阻害作用等の薬理作用をするものと知られている。
【0018】
コウゾ属には、ヒメコウゾ(Broussonetia kazinoki Sieb)、カジノキ(Broussonetia papyrifera Vent)等があり、落葉広葉性の灌木で、韓国の大部分の地域(主に南部に多く分布)、中国、台湾、日本等に分布し、地理的に山の麓の日向側、畦等に生える。コウゾは、その靭皮繊維が製紙の原料として使用されてきており、また様々な薬効を有しており、強壮、明目作用、陰痿、水腫、益気、利尿等に効果があり、風病を除去し、血をきれいにし、視力減退等に効能があるものと知られている。
【0019】
また、コウゾは、チロシナーゼの活性を抑制する効果があり、抗酸化作用を基に、肌の美白効果が高い。しかし、単独での使用時の不安定性と製剤化の困難さによって十分な美白効果が示されない。
【0020】
本発明の具現例において、前記美白用皮膚外用剤組成物が前記白花蛇舌草抽出物及びダイオウ抽出物を有効成分として含有する場合、前記白花蛇舌草抽出物及びダイオウ抽出物は、1〜4:1〜4の重量比で含有されていてよく、前記白花蛇舌草抽出物及びコウゾ抽出物を有効成分として含有する場合、白花蛇舌草抽出物及びコウゾ抽出物は、1〜4:1〜4の重量比で含有されていてよい。また、白花蛇舌草抽出物、ダイオウ抽出物及びコウゾ抽出物のいずれも有効成分として含有している場合、前記白花蛇舌草抽出物、ダイオウ抽出物及びコウゾ抽出物は、1〜4:1〜4:1〜4の重量比で含有されていてよい。
【0021】
前記白花蛇舌草抽出物、ダイオウ抽出物、コウゾ抽出物が前記配合比から外れて含有されている場合には、優れた肌の美白効果を発揮することができない。
【0022】
本発明の美白用皮膚外用剤組成物に含有される白花蛇舌草抽出物、ダイオウ抽出物及びコウゾ抽出物それぞれの製造方法としては、公知の方法を使用すればよい。
【0023】
本発明は、前記白花蛇舌草抽出物と、ダイオウ抽出物及びコウゾ抽出物のいずれか1つ以上を有効成分として含有することにより、白花蛇舌草、ダイオウ及びコウゾの抽出物それぞれを単独で含有する場合よりも優れたメラニン生成抑制効果と肌の美白効果が提供さする。したがって、本発明の美白用皮膚外用剤組成物は、多様な化粧料の原料として使用することができる。
【0024】
本発明の美白用皮膚外用剤組成物は、肌のシミ、ソバカス、老人性色素斑等の、皮膚色素異常症の治療又は予防をするための目的で使用されるもので、その剤型の例については特に限定されない。例えば、栄養化粧水、栄養クリーム、栄養ローション、スキンローション、マッサージクリーム、パック、ファンデーション等の化粧品だけでなく、液状石鹸、固形石鹸、洗顔フォームのような人体洗浄剤等に剤形化することができる。これら各剤型は、その剤形化に必要かつ適切な各種の基材や添加物を含有することができ、これら成分の種類や量は、使用目的に応じて当業者によって容易に選定することができる。
【0025】
以下、実施例及び実験例を通じて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるわけではなく、当業者による本発明の他の適用、変形もまた可能である。
【0026】
[製造例1]白花蛇舌草抽出物の製造
乾燥した白花蛇舌草の全草1kgを精製水10Lに加えた後、沸騰するまで加熱し、10分間さらに加熱した後、水を除去し、洗浄後、別途精製水10Lを加えて再度洗浄した。残留物を風で乾かした後、70%エタノール20Lに加えてから、還流装置を接続した後、加温して24時間還流抽出した。80メッシュの篩を利用して固形分を除去した後、残った濾液を再度濾過した後、減圧濃縮器を利用して濾液中の溶媒を蒸留除去し、約50gの緑色の固形物を得た。
【0027】
[製造例2]コウゾ抽出物の製造
コウゾの茎及び根1kgをきれいな水で洗って乾燥させた後、水10Lに入れ、冷却コンデンサ付き抽出機で5時間煮込んで抽出した後、300メッシュの濾過布で濾過し、5〜15℃で5日間放置して熟成させた後、濾紙で濾過した。この抽出物を冷却コンデンサ付き蒸留装置で減圧濃縮し、約70gの固形物を得た。
【0028】
[製造例3]ダイオウ抽出物の製造
乾燥したダイオウ1kgに95%以上メタノール4Lを入れ、常温で1日放置して抽出する。前記工程を2回繰り返して抽出液を得、抽出液を濾過した後、その濾液を真空濃縮器で濃縮して乾固物400gを得た。前記乾固物400gに水1Lとエチルアセテート2Lを加え、常温で2時間攪拌した後、静置して相分離させた。相分離がされた後、境界層又はエチルアセテート層に生成された結晶化物のみを得るために、水の層を削除した後、エチルアセテートをさらに2L添加した。前記工程を2回繰り返して十分に洗浄し、濾過した後、濾過物を真空オーブンで乾燥し、ダイオウ抽出物約30gを得た。
【0029】
[実施例1]
製造例1〜3で得たそれぞれの抽出物を、白花蛇舌草:ダイオウ:コウゾ=1:1:1の重量比で混合した。
【0030】
[実施例2]
製造例1及び製造例2で得たそれぞれの抽出物を、白花蛇舌草:コウゾ=1:1の重量比で混合した。
【0031】
[実施例3]
製造例1及び製造例3で得たそれぞれの抽出物を、白花蛇舌草:ダイオウ=1:1の重量比で混合した。
【0032】
[比較例1〜3]
製造例1〜製造例3で得たそれぞれの抽出物を、単独で使用した。
【0033】
[実験例1]メラニン生成抑制効果の実験
1)実験方法
酵素チロシナーゼは、キノコ類(Mushroom)から抽出されたもので、シグマ(SIGMA)社のものを使用した。まず、基質のチロシンを蒸留水に溶解させて0.3mg/mLの溶液にし、その溶液を1.0mLずつ試験管に入れて、ここにリン酸カリウム緩衝液(0.1モル濃度、pH6.8)1.0mL及び蒸留水0.7mLを加えて、混合溶液を形成した。実施例及び比較例の各抽出物を、エタノール溶液に適当な濃度でそれぞれ含有させた0.2mLの抽出物試料液を前記混合溶液にそれぞれ入れた後、37℃恒温槽で10分間反応させた。このとき、対照群は、実施例及び比較例の各抽出物試料の代わりに溶媒のみを0.2mL入れる。この反応液に、2500ユニット/mLのチロシナーゼ溶液0.1mLずつを入れ、再び37℃恒温槽で10分間反応させた。次いで、前記反応液の入った試験管を氷水の中に入れ、急冷させて反応を中止させ、光電分光分析計で波長475nmでの吸光度を測定した。その後、実施例及び比較例の各抽出物の下式1によるチロシナーゼ阻害効果、すなわち、メラニン生成抑制率を計算し、その結果を表1に示した。
【0034】
[式1]
メラニン生成抑制率(inhibition)(%)=[(A−B)/A]×100
A:試験物質(inhibitor)を添加した培地で培養した細胞の吸光度
B:試験物質を添加していない条件で培養した細胞の吸光度
【0035】
【表1】
【0036】
表1に示したところのように、白花蛇舌草抽出物、コウゾ抽出物、ダイオウ抽出物を単独で使用する場合よりも、白花蛇舌草抽出物とダイオウ抽出物、白花蛇舌草抽出物とコウゾ抽出物、そして、白花蛇舌草抽出物、ダイオウ抽出物及びコウゾ抽出物をそれぞれともに使用したときに、メラニン生成抑制率が2倍程度増加することを確認した。
【0037】
[実験例2]人体の皮膚に対する美白効果実験
健康な12人の男性を対象に、被験者の上腕部位に、縦横各1.5cmの正方形の穴が空いた不透明テープを貼付した後、各被験者の最小紅斑量(Minimal Erythema Dose)の1.5〜2倍程度の紫外線(UVB)を照射して、肌の黒化を誘導した。
【0038】
照射後、試験物質として比較例1〜3及び実施例1〜3の各抽出物を栄養クリームの形態で製造したものを塗り、1ヶ所は何も塗らない対照群の部位を設けて、8週間の状態変化を観察した。4週、6週、8週に肌の色を色差計CR2002(日本、ミノルタ社)で測定した。塗布開始時点と終了時点における皮膚色の差(ΔL*)を下式2により計算し、これを表2に示した。美白効果は、試料塗布部位と対照部位のΔL*の比較により判定した。
【0039】
[式2]
ΔL*=塗布終了時点におけるL*値−塗布開始時のL*値
【0040】
【表2】
【0041】
表2に示したところのように、白花蛇舌草抽出物、コウゾ抽出物、ダイオウ抽出物を単独で使用する場合よりも、白花蛇舌草抽出物とダイオウ抽出物、白花蛇舌草抽出物とコウゾ抽出物、そして、白花蛇舌草抽出物、ダイオウ抽出物及びコウゾ抽出物をそれぞれともに使用したときに、人体皮膚に対する美白効果が2倍程度増加することを確認した。
【0042】
上述したところのように、白花蛇舌草、ダイオウ及びコウゾの抽出物の混合処方、白花蛇舌草及びダイオウの抽出分の混合処方、白花蛇舌草及びコウゾの抽出物の混合処方は、ダイオウ、白花蛇舌草、コウゾ抽出物を単独で処方したものよりも、1.5〜2倍程度優れたメラニン生成抑制効果及び人体美白効果を有しているので、美白化粧料の原料として使用することができる。
【0043】
[剤型例1]栄養化粧水
下記表3に記載の組成により通常的な方法で栄養化粧水を製造した。白花蛇舌草、ダイオウ及びコウゾの抽出物の代わりに、白花蛇舌草及びダイオウの抽出物や、白花蛇舌草及びコウゾの抽出物に置き換えて製造することができる。
【0044】
【表3】
【0045】
[剤型例2]栄養ローション
下記表4に記載の組成により通常的な方法で栄養ローションを製造した。白花蛇舌草、ダイオウ及びコウゾの抽出物の代わりに、白花蛇舌草及びダイオウの抽出物や、白花蛇舌草及びコウゾの抽出物に置き換えて製造することができる。
【0046】
【表4】
【0047】
[剤型例3]栄養クリーム
下記表5に記載の組成により通常的な方法で栄養クリームを製造した。白花蛇舌草、ダイオウ及びコウゾの抽出物の代わりに、白花蛇舌草及びダイオウの抽出物や、白花蛇舌草及びコウゾの抽出物に置き換えて製造することができる。
【0048】
【表5】
【0049】
[剤型例4]マッサージクリーム
下記表6に記載の組成により通常的な方法でマッサージクリームを製造した。白花蛇舌草、ダイオウ及びコウゾの抽出物の代わりに、白花蛇舌草及びダイオウの抽出物や、白花蛇舌草及びコウゾの抽出物に置き換えて製造することができる。
【0050】
【表6】
【0051】
[剤型例5]パック
下記表7に記載の組成により通常的な方法でパックを製造した。白花蛇舌草、ダイオウ及びコウゾの抽出物の代わりに、白花蛇舌草及びダイオウの抽出物や、白花蛇舌草及びコウゾの抽出物に置き換えて製造することができる。
【0052】
【表7】
【0053】
[剤型例6]皮膚外用剤(軟膏)
下記表8に記載の組成により通常的な方法で軟膏を製造した。白花蛇舌草、ダイオウ及びコウゾの抽出物の代わりに、白花蛇舌草及びダイオウの抽出物や、白花蛇舌草及びコウゾの抽出物に置き換えて製造することができる。
【0054】
【表8】
【0055】
上記実施例が図示及び説明されたが、当業者は、請求項に開示の精神及び範囲から逸脱することなく、形態及び細部事項において多様な変化を与え得るものと理解されるべきである。
【0056】
それに加えて、本発明の核心的範囲を逸脱せず、本発明の示唆に特別な状況または材料を適用することで多様な変形を行うことができる。したがって、本発明は、本発明を実施する最良の形態として開示された特定実施例に限定されるものではなく、本発明は請求の範囲に該当する全ての実施を含むものである。