特許第5685299号(P5685299)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 5685299-人感センサ付照明器具 図000002
  • 5685299-人感センサ付照明器具 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5685299
(24)【登録日】2015年1月23日
(45)【発行日】2015年3月18日
(54)【発明の名称】人感センサ付照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20060101AFI20150226BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20150226BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20150226BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150226BHJP
【FI】
   F21S2/00 211
   F21V17/00 152
   F21V23/00 115
   F21Y101:02
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-199856(P2013-199856)
(22)【出願日】2013年9月26日
(62)【分割の表示】特願2011-13415(P2011-13415)の分割
【原出願日】2011年1月25日
(65)【公開番号】特開2014-29868(P2014-29868A)
(43)【公開日】2014年2月13日
【審査請求日】2013年10月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】奥村 明彦
【審査官】 米山 毅
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−266424(JP,A)
【文献】 特開2000−012245(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 17/00
F21V 23/00
F21Y 101/02
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具内側に配置されたLED素子、LED電源回路、を備えた人感センサ付照
明器具において、
前記人感センサ付照明器具は、半球状のグローブを有する電球の形状をなしており
前記グローブの先端表面に沿って人感センサが、配置されていることを特徴とする
人感センサ付照明器具。
【請求項2】
前記電球の先端に多面レンズを備えたことを特徴とする請求項1記載の人感センサ
付照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の人の在否を人感センサにて検知することで点灯・消灯をする手段を備えた人感センサ付照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境意識の高まりから、省電力化に優れたLEDを光源に使用したLED電球が盛んに用いられるようになってきた。特に最近は商品のバリエーションも幅広くなり、さまざまな制御機能を備えたLED電球が販売され、より環境意識を高めるためのLED電球の開発が行われている。これらのバリエーションの中には、調光制御手段を備えた照明器具(特許文献1)や、人感センサにて人の在否を検出し、点灯・消灯するように構成された照明器具や照度センサを備えて周囲照度が暗いときのみ照明負荷を点灯させる照明器具(特許文献2)も見られるようになってきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4081665号
【特許文献2】実公平1−104697
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示す照明器具においては、LEDを使用した調光手段を備えてはいるものの、2つの発光手段を利用して色の変化を楽しむための照明器具である。また特許文献2に示す照明器具においては、人感センサや照度センサを備えることについては公知技術となっているが、調光状態で消灯することや、段階的に消灯する機能は備えていないため、急に消灯された場合に、暗い中で慌ててしまい、どこかに身体をぶつける、もしくは怪我をすることがあり非常に危険であった。
【0005】
本発明は、前述した従来の問題点と鑑みなされたもので、人感センサや照度センサにて検知した信号によって照明のON/OFFを制御することで照明器具の省電力化を図ることが出来る人感センサ付照明器具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1の発明にあっては、照明器具内側に配置されたL
ED素子、LED電源回路、を備えた人感センサ付照明器具において、前記人感センサ
付照明器具は、半球状のグローブを有する電球の形状をなしておりグローブの先端表
に沿って人感センサが、配置されていることを特徴とするものである。
【0007】
また、請求項2の発明にあっては、前記電球の先端に多面レンズを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、LEDと人感センサを備えることで省エネに貢献できるとともに、センサの種類によってはコストダウンを図ることが出来、従来以上に一般家庭用としてもLED照明装置を身近に浸透させることが可能となる。また、電球の中に全ての制御手段を盛り込んだ電球の他、センサは電球の外の灯具に取り付けるなど、バリエーション豊かな人感センサ付照明器具を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の電球における実施例を示した外観図である。
図2】本発明の実施例1のタイムチャートを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態の人感センサ付照明器具1は、図1に示すような電球の形状をしており、この電球の本体2の先端に人感センサ3が設けられている。この本体2の内部には、少なくとも1個以上のLED素子、商用交流電源から直流電源を得る全波整流回路、電源回路、LED回路、センサとタイマを制御するマイコンとが備えられている。
【0011】
この人感センサ付照明器具1を灯具などに取り付けた時、検知範囲の人の存否は、人感センサ3により検出される。この場合、人感センサ3を例えば焦電形赤外線センサにすると、受光した人の熱量の変化に応じた振幅の出力電圧を発生させるものであり、センサの出力電圧に規定の閾値以上の変化が生じると人感センサ3からはパルス状の検知信号が出力されるようになっている。当該の焦電形赤外線センサは、検知内に人が存在していても動きが無く熱量に変化が生じなければ出力電圧が得られないため、人に動きが無ければ検知信号は得られない。つまり、人が部屋などに在室しているにもかかわらず、消灯するということとなり不都合である。
【0012】
そこで、本発明においては、図2に示すように、最初に検知信号の発生時点から所定の点灯保持時間Tを時限するタイマを設けると共に、その間に再度検知信号が発生した場合、点灯保持時間T1をリセットしあらためて点灯保持時間を設定し、その後、点灯保持時間が完了する時点で検知信号が発生しなければ消灯状態に保つよう設定をする。この場合、時限のトリガは一番最初の検知信号となるが、これを非検知信号が発生した時点をトリガにしても良い。これらの制御はマイコンで行う。
【0013】
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態の人感センサ付照明器具は、前述の第1の実施の形態である人感センサ付照明器具に照度センサを取り付けたものである。この人感センサ付照明器具は、移動物の熱量で人感センサの制御を行うだけでなく照度センサの制御を交えた点灯・消灯モードを制御する手段を設けても良い。この場合、周囲の明るさに応じて、所定の明るさ以上であれば、照度センサはOFFし、人感センサもOFFとなる。周囲の明るさが所定の明るさ以下であれば、照度センサはONし、これと同時に人感センサもONとなり、前述の点灯保持時間の制御が働くことになる。
【0014】
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態の人感センサ付照明器具は、前述の第1の実施の形態である人感センサ付照明器具を消灯をする際に、一気に消灯をするのではなく、段階を経て消灯を行うものである。人を検知するセンサには移動物が動かない場合は検知信号を発生させないものや、わずかな移動でも検知信号を発生させるものなどさまざまなため、前者の場合、人が在室していたとしても消灯モードに切り替わるため、急に消灯すると驚いてしまうことがある。
そこで、あらかじめ、消灯することをアナウンスし、消灯に驚かないよう、少なくとも2段階を経て消灯を行う第1消灯時間T2をマイコンによって制御する。また、段階的な消灯以外にも、調光にてゆっくりと消灯モードに入る手段でも良い。その場合、第1の実施の形態にあるように、段階消灯の間、もしくは調光消灯の間に移動物を人感センサが検知した際は、再度全消灯し、そこから点灯保持時間Tをカウントする。
【0015】
(実施の形態4)
本発明の第4の実施の形態の人感センサ付照明器具は、前述の第1の実施の形態である人感センサ付照明器具に、電球の先端やランプの下方向の面に人感センサを設け、そこから検知範囲での移動物の在否を行うものである。壁や灯具にセンサを取り付けるのではなく電球やランプに直に取り付ける構造とすることで、灯具がなくとも簡単に電球やランプを交換することでセンサ付きの照明器具の提供が出来る。しかしながら、この構造にすると使う人がタイマの設定や照度の設定が困難となる場合があるため、用途に応じ、センサやタイマを設けた灯具を用いて、電球やランプの内部にて電源供給の切り替えを行う。
【0016】
(実施の形態5)
本発明の第5の実施の形態の人感センサ付照明器具は、前述の第1の実施の形態である人感センサ付照明器具において、人感センサに限らず、赤外線、超音波、画像、音を検知するセンサを備えるものである。確実に人がいることを検知するために、熱量だけでなく、音や画像を利用することで、建具に取り付けるON/OFFスイッチを省くことが出来工事の手間も不要で効率的である。入口のドアを開ける音や近付いてきた足音を検知し、点灯モードに入り、その後は実施形態1の制御手段を用いる。また、画像で人を認識することで周囲との温度差を確実に検知できる熱線を用いることも可能であり、セキュリティの厳しい場所に当該の照明器具を用いる場合は、認証にも利用が可能である。特に昨今省エネだけでなくプライバシーや情報漏洩などの関心も高くなっているため、ICタグなど個人を特定できるもので室内への入退室管理だけでなく点灯・消灯モードを制御することが出来防犯対策としても良い。
【0017】
(実施の形態6)
本発明の第6の実施の形態の人感センサ付照明器具は、前述の第1の実施の形態である人感センサ付照明器具に太陽電池を取り付けたものである。電源と太陽電池のバッテリを切り替える電源制御回路を備え、日中、照度センサにて周囲の照度を検知しOFFしている間に、太陽電池にて蓄電し、それを夜間もしくは所定の照度以下の時に蓄電された電力を人感センサへ供給し、実施の形態1の動作をさせる。室外の太陽電池と室内の照明装置を電源コードにて接続し、そのほかの制御は実施の形態1と同様となる。
【符号の説明】
【0018】
1は人感センサ付照明器具
2は本体
3は人感センサ
図1
図2