(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
改札券読取り手段と、通過者の通過状態を検知する人間検知センサと、正券クレジット情報の管理テーブルとデータリストを備える記憶手段と、改札券が正券であるときその正券クレジット情報を前記管理テーブルに登録する登録手段と、出口側の前記人間検知センサが通過者の通過を検知したとき前記管理テーブルに記録された正券クレジット情報を消去する情報消去手段と、前記情報消去手段によって前記正券クレジット情報を消去する直前に、消去される前記正券クレジット情報に関係する情報を前記データリストに記録するデータ記録手段を備えることを特徴とする自動改札装置。
前記改札券読取り手段によって前記改札券の読取りが行われたとき、前記登録手段は前記改札券に係る正券クレジット情報を前記管理テーブルにおける空状態の登録欄の順序に従って記録し処理することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動改札装置。
正券クレジット情報の管理テーブルとデータリストとを利用し、改札券が正券であるときにその正券クレジット情報を前記管理テーブルに登録し、出口側の人間検知センサが前記改札券に対応する通過者の通過を検知したときに、前記管理テーブルに記録された正券クレジット情報を消去し、前記正券クレジット情報を消去する直前に、消去される前記正券クレジット情報に関係する情報を前記データリストに記録することを特徴とする自動改札装置の正券クレジット管理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の自動改札装置の制御装置による正券クレジット管理によれば、改札券が正券であると判定されたとき、正券クレジット情報は、記憶装置の記憶領域内にその正券クレジットが発生された順番に登録されていた。そして、利用者が改札通路を通過したことが人間検知センサによって検知されたときには、記憶された正券クレジット情報のうちもっとも古い正券クレジット情報から削除するという処理が行われていた。何らかの要因で利用者の通過を自動改札装置が検知できなかった場合、正券クレジット情報の削除ができないため、正券クレジット情報が余る現象(正券クレジット余り)が発生していた。
【0007】
従来の正券クレジット管理方式の制御では、正券クレジット余りが発生した状態で、さらに別の利用者が正券クレジット情報を記憶させ、自動改札装置を通過すると、記憶された最も古い正券クレジット情報から削除されるため、その結果、記憶装置に記憶された正券クレジット余りは、正常に通過した利用者に対応するものとなってしまい、正券クレジット余りを発生させた利用者との対応がつかなくなるという問題が生じていた。
【0008】
また、従来、上記のように正券カウンタで正券クレジット情報の記録管理を行う場合には、正券カウンタのデクリメントができず、正券カウンタ余りが発生した状態で、別の利用者が正券カウンタをインクリメントして改札通路を通過すると、正券カウンタ余りが何時から発生していたか判断することができないという問題も提起される。
【0009】
以上のように、従来の正券クレジット管理方式によれば、どの利用者(旅客)により正券クレジット余りが生じてしまったのかを特定することができなくなるという問題が提起される。
【0010】
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、正券カウンタを使用せず、正券クレジット(通行できる権利)を先入れ先出しの
構造やスタック構造を有する管理情報を用いて管理し、正券クレジット余りが生じたとき
に当該正券クレジット余りを消さずに保存し、当該正券クレジット余りを発生した利用者を正確に特定できるようにした自動改札装置およびその正券クレジット管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る自動改札装置およびその正券クレジット管理方法は、上記の目的を達成するため、次のように構成される。
【0012】
第1の自動改札装置(請求項1に対応)は、改札券読取り手段と、通過者の通過状態を検知する人間検知センサと、正券クレジット情報の管理テーブル(正券クレジット管理テーブル)とデータリストを備える記憶手段と、改札券が正券であるときその正券クレジット情報を管理テーブルに登録する登録手段と、出口側の人間検知センサが通過者の通過を検知したとき管理テーブルに記録された正券クレジット情報を消去する情報消去手段
と、情報消去手段によって正券クレジット情報を消去する直前に、消去される正券クレジット情報に関係する情報をデータリストに記録するデータ記録手段を備えることを特徴とする。
【0013】
上記の自動改札装置では、一並びの複数の登録欄を有する正券クレジット管理テーブルとデータリストとを備え、改札券読取り部によって読みとられた改札券が正券であると判定されたときに、改札券の正券クレジット情報を正券クレジット管理テーブルにおける未登録の登録欄のうち最新の登録欄に登録し、人間検知センサが通過者の通過完了
等の状態を検知したときに、正券クレジット管理テーブルにおける既登録の登録
欄に記録された正券クレジット情報を消去したため、正券クレジット余りが発生した状態で、さらに別の利用者(旅客)が正券クレジット情報を記憶させ、自動改札装置を通過すると、情報消去部によって
、登録欄に記録された
1つの正券クレジット情報から消去され
、正券クレジット管理テーブルに記録された正券クレジット余りは
消さずに保存して残されるので、正券クレジット余りを発生させた利用
者、および正券クレジット余りを発生した利用者を特定することができる。
【0015】
第
2の自動改札装置(請求項
2に対応)は、上記の構成において、好ましくは、正券クレジット情報に関係する情報は登録時刻と改札券IDとを含み、データ記録部は、人間検知センサが検知した通過者の通過時刻が、正券クレジット管理テーブルに登録されている時刻から所定の一定時間を経過しているときには、正券クレジット管理テーブルに登録された情報をデータリストに記録し、その後、情報消去部は正券クレジット管理テーブルにおける情報を消去する、ことを特徴とする。
【0016】
第
3の自動改札装置(請求項
3に対応)は、上記の構成において、好ましくは、改札券はICカードであり、改札券読取り部はICカード読取り部であることを特徴とする。
第
4の自動改札装置(請求項
4に対応)は、上記の構成において、好ましくは、改札券読取り手段によって改札券の読取りが行われたとき、登録手段は改札券に係る正券クレジット情報を管理テーブルにおける空状態の登録欄の順序に従って記録し処理することを特徴とする。
第
5の自動改札装置(請求項
5に対応)は、上記の構成において、好ましくは、管理テーブルに正券クレジット余りが生じたとき、所定時間の経過後、データリストに記録し登録欄から消去することを特徴とする。
【0017】
第1の自動改札装置の正券クレジット管理方法(請求項
6に対応)は、正券クレジット情報の管理テーブル(正券クレジット管理テーブル)とデータリストとを利用し、改札券が正券であるときにその正券クレジット情報を管理テーブルに登録し、出口側の人間検知センサが改札券に対応する通過者の通過を検知したときに、管理テーブルに記録された正券クレジット情報を消去し、
正券クレジット情報を消去する直前に、消去される正券クレジット情報に関係する情報をデータリストに記録することを特徴とする。
【0019】
第
2の自動改札装置の正券クレジット管理方法(請求項
7に対応)は、上記の方法において、好ましくは、正券クレジット情報に関係する情報は登録時刻と改札券IDとを含み、人間検知センサが検知した通過者の通過時刻が、正券クレジット管理テーブルに登録されている時刻から所定の一定時間を経過しているときには、正券クレジット管理テーブルに登録された情報をデータリストに記録し、その後、正券クレジット管理テーブルにおける情報を消去することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、次の効果を奏する。
【0021】
本発明に係る自動改札装置によれば、
改札券読取り手段と、通過者の通過状態を検知する人間検知センサと、正券クレジット情報の管理テーブル(正券クレジット管理テーブル)とデータリストを備える記憶手段と、改札券が正券であるときその正券クレジット情報を管理テーブルに登録する登録手段と、出口側の人間検知センサが通過者の通過を検知したとき管理テーブルに記録された正券クレジット情報を消去する情報消去手段を備え、管理テーブルに残った正券クレジット余りをデータリストに記録するようにしたため、正券クレジット余りが発生した
とき、この正券クレジット余りを消さずに保存し、これにより、正券クレジット余りを発生した旅客を特定することができる。
さらに本発明によれば、情報消去部によって正券クレジット情報を消去する直前に、消去される正券クレジット情報に関係する情報をデータリストに記録するデータ記録部を備えるため、消去された正券クレジット情報をデータリストによって把握することができる。
【0022】
本発明に係る自動改札装置の正券クレジット管理方法によれば、
正券クレジット情報の管理テーブル(正券クレジット管理テーブル)とデータリストとを利用し、改札券が正券であるときにその正券クレジット情報を管理テーブルに登録し、出口側の人間検知センサが改札券に対応する通過者の通過を検知したときに、管理テーブルに記録された正券クレジット情報を消去し、管理テーブルに残った正券クレジット余りをデータリストに記録するようにしたため、正券クレジット余りが発生した
とき、この正券クレジット余りを消さずに保存し、これにより、正券クレジット余りを発生した旅客を特定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係る自動改札装置の斜視図である。
図1は、自動改札装置10の本体部(改札機本体)を構成する筐体11の斜視図であり、改札通路の側から見た図である。改札通路は、筐体11と対をなす他の筐体(自動改札装置)によって形成される。図示しない他の筐体は、改札通路12を挟んで筐体11と向き合う形で並列に設けられている。自動改札装置10は、筐体11の改札通路12の通過方向の進入(入口)側に設けられた磁気券(磁気カード等)からなる改札券の投入口13と、その筐体11の上面で改札通路12の進出(出口)側に設けられた取出口14と、その取出口14の近傍に設けられた利用者に対して文字により所定の内容を案内するための旅客案内表示器15と、筐体11の側面に設けられた利用者に対して音声により案内するためのスピーカ16を備えている。
【0026】
投入口13および取出口14の間の筐体11内には、図示しないカードハンドラが設けられている。このカードハンドラは、投入口13から投入された改札券を取出口14または筐体11内に設けられた図示しない集札箱まで搬送させることができるように構成されている。そして、その搬送の途中において、投入口13に投入された磁気券からなる改札券に記録されているデータを読み取り、新たなデータを書き込み、必要に応じてパンチや印字を行い、利用者へ返却する必要のある改札券を取出口14に排出し、筐体11内に回収する必要のある改札券を集札箱へ集札できるように構成されている。
【0027】
また、自動改札装置10は、筐体11の投入口13側の上面にICカード読取り部(リーダ・ライタ)17が設けられている。ICカード読取り部17は、無線通信機能を備えた非接触型ICカードからなる改札券18との間で、利用者(旅客)のタッチ行為に基づき交信できるように構成されている。
【0028】
さらに、自動改札装置10は、センサ取付ボックス19が、筐体11の上面で、かつ、改札通路12と反対側に、その改札通路12に沿って設けられている。このセンサ取付ボックス19内には、反射型センサからなる3つの人間検知センサSE1〜SE3が改札通路12の入口側、中央部および出口側にそれぞれ内蔵されていて、改札通路12を通過する大人を検知できるように構成されている。すなわち、この反射型センサからなる人間検知センサSE1〜SE3は、改札通路12の床面から所定の高さに向けて光線を照射する発光素子と、その照射された光線が物体(利用者)に当たって反射してきた光線(反射光)を受光する受光素子とにより構成された光電センサである。
【0029】
また、自動改札装置10は、光電素子からなる透過型センサからなる人間検知センサSE10〜SE15が、一対の筐体間の改札通路12側に所定の間隔を保って設けられている。人間検知センサSE10〜SE15は、改札通路12内の利用者位置を検知することができるように構成されている。これら人間検知センサSE10〜SE15のうち、人間検知センサSE10は、改札通路12の入口側に、人間検知センサSE15は、改札通路12の出口側に、人間検知センサSE12およびSE13は、改札通路12の中央部に、人間検知センサSE11は、改札通路12の入口側と中央部との中間に、そして、人間検知センサSE14は、改札通路12の出口側と中央部との中間に設けられている。これら透過型センサからなる人間検知センサSE10〜SE15は、一方の筐体11の側面に発光素子(投光器)を有するとともに、他方の筐体の側面に受光素子(受光器)を有して構成されている。従って、上記の人間検知センサSE10〜SE15は発光素子を示している。これらの透過型センサからなる人間検知センサSE10〜SE15で検知され、かつ、上述の反射型センサからなる人間検知センサSE1〜SE3で検知されないときは、その利用者は子供(小児)の利用者と判定される。また、改札通路12の中央部に設けられた一対の人間検知センサSE12,SE13は、利用者が改札通路12の中央部に達したことを検知するとともに、検出順序により改札通路12内の利用者の移動方向を判定するために用いられている。
【0030】
さらに自動改札装置10は、改札通路12を開閉するドア20,21を備えている。これらのドア20,21のうち、ドア20は、改札通路12の出口側に設けられ、ドア21は、その入口側に設けられている。そして、これらドア20,21は、自動改札装置10を制御する後述する制御装置30により駆動されるように構成されている。なお、図示しない他方の筐体にも、筐体11のドア20,21に対応した位置にドアが設けられている。また、ドア21は、自動改札装置10が稼動を停止したときに閉じられるドアであり、さらに、自動改札装置10がノーマルオープン型のときや双方向型のときは、このドア21は、図中の矢印方向と反対方向から進入してくる利用者に対して改札通路12の出口側のドアとなる。
【0031】
図2は、制御装置30のブロック構成図である。制御装置30は、主制御部31と、記憶装置であるROM32およびRAM33と、伝送制御部34と、I/Oユニット35とを備えている。I/Oユニット35には、リーダ・ライタ17、磁気券処理部36、旅客案内表示器15、プリンタ37、ドアドライバ38、通路情報表示器39、係員案内表示器40、人間検知センサSE1〜SE3,SE10〜SE15が接続されている。
【0032】
主制御部31は、リーダ・ライタ17または磁気券処理部36からの信号と、人間検知センサSE1〜SE3,SE10〜SE15からの信号に基づいて、自動改札装置10の全体の制御を行い、旅客案内表示器15、プリンタ37、ドアドライバ38、通路案内表示器39、係員案内表示器40の制御を行う。また主制御部31は、入出場時の正券クレジット情報の管理を行う正券クレジット管理部41を備えている。ROM32は、主制御部31が行う制御で用いられるプログラム、設定などを格納する。RAM33は、主制御部31が動作する際に使用するワークエリアとして使用し、管理情報などのデータを格納する。また、RAM33は、後述の正券クレジット管理テーブルとデータリストを備えている。伝送制御部34は、上位機器との間で情報のやりとりをする。I/Oユニット35は、リーダ・ライタ17、磁気券処理部36、旅客案内表示器15、プリンタ37、ドアドライバ38、通路案内表示器15、係員案内表示器40の制御信号と、人間検知センサSE1〜SE3,SE10〜SE15からの信号とを、主制御部31との間で中継する。
【0033】
リーダ・ライタ17は、非接触ICカードからなる改札券の読み取りと書き込みの処理を行う。磁気券処理部36は、磁気券からなる改札券の読み取りと書き込みを行う。リーダ・ライタ17と磁気券処理部36を改札券読取り部と総称する。旅客案内表示器15は、主制御部31よりデータを受信し、旅客に対してカードの残額情報やエラー情報などの案内を表示する。ドアドライバ38は、主制御部31の指示に従ってドア20,21の開閉動作を行う。プリンタ37は、旅客に対し座席案内等のレシートを出力する。また、主制御部31で作成した正券クレジット余りが発生した旅客のリストを出力する。通路情報表示器39は、主制御部31よりデータを受信し旅客に対して「通行可」「通行不可」などの案内を表示する。係員案内表示器40は、主制御部31よりデータを受信し、係員向けの異常発生などの情報を表示する。人間検知センサSE1〜SE3,SE10〜SE15は、透過型や反射型の光電センサで構成され、自動改札装置10の通路12内の旅客や荷物の有無を検知する。
【0034】
図3は、制御装置31の正券クレジット管理部41のブロック構成図を示す。正券クレジット管理部41は、登録部42と、情報消去部43と、データ記録部44とを備えている。また上記のRAM33は、
図4で示す一並びの複数の登録欄(1,2,3,4)を有する正券クレジット管理テーブル45と、データリスト46とを備える。
図4は、RAM33の正券クレジット管理テーブル45の概念図である。正券クレジット管理テーブル45は登録欄枠45aを含む。当該登録欄枠45aは、
図4に示すように、例えば本実施形態では最大4つの一並びの登録欄(1〜4)を設けている。また、登録欄枠45aの各登録欄1〜4に対応して正券であることを記録する正券情報欄(例えば1)、正券クレジットが発生した時刻を記録する時刻情報欄、改札券IDを記録するID情報欄を備えている。
【0035】
登録部42は、リーダ・ライタ17や磁気券処理部36等の改札券読取り部によって読みとられた改札券が正券であると判定されたときに、改札券の正券クレジット情報を正券クレジット管理テーブル45における未登録の登録欄のうち最新の登録欄に登録する。情報消去部43は、人間検知センサSE15によって通過者の通過完了を検知したときに、正券クレジット管理テーブル45における既登録の登録欄のうち最新の登録欄に記録された正券クレジット情報を消去する。
【0036】
データ記録部44は、情報消去部43によって正券クレジット情報を消去する直前に、消去される正券クレジット情報に関係する情報をデータリスト46に記録する。
【0037】
また正券クレジット情報に関係する情報は登録時刻と改札券IDとを含む。データ記録部44は、人間検知センサSE15が検知した通過者の通過時刻が、正券クレジット管理テーブル45に登録されている時刻から所定の一定時間を経過しているときには、正券クレジット管理テーブルに登録されたその情報をデータリスト46に記録し、その後、情報消去部43は正券クレジット管理テーブル45におけるその情報を消去する。
【0038】
上記正券クレジット管理部41の各機能は、ROM32に記憶された正券クレジット管理プログラムを実行することにより実現される。
【0039】
次に、自動改札装置10における正券クレジット管理プログラムによって実行される手順(正券クレジット管理方法)を
図5、
図9〜
図10のフローチャートと
図6〜
図8を用いて説明する。すなわち正券クレジット管理部41で実行される正券クレジット管理方法を説明する。
【0040】
まず、
図5のフローチャートと
図6〜
図8の旅客(利用者)の動作状態とを参照して正券クレジット管理の手順を説明する。
【0041】
ステップS11:
図6(a)に示されるように、旅客50の所持する改札券を改札券読取り部が読み取る。そのとき、正券クレジット管理テーブル45の登録欄1〜4は空である。
図6の正券クレジット管理テーブル45では、登録欄が空であることを横バー(−)で示している。
ステップS12:
登録部42は、読みとられた改札券が正券であるか否かを判断する。
ステップS13:
登録部42は、読みとられた改札券が正券ではない場合、正券ではないときの処理、例えば、ドアを閉じる等の動作命令を送り、ドアが閉じられる。
ステップS14:
登録部42は、ステップS12で正券であると判断されたとき、正券クレジット管理テーブル45の登録欄1が空か否か判断する。
ステップS15:
登録部42は、ステップS14で登録欄1が空であると判断されたとき、登録欄1に正券情報と時刻情報とID情報を記録する(
図6(b))。
図6の正券クレジット管理テーブル45では、登録欄に正券クレジット情報が記録されていることを丸印(○)で示す。
ステップS16:
登録部42は、出口側の人間検知センサSE15によって旅客50の通過を検知したか否か判断する。もし、旅客50の通過を検知しない場合には、ステップS16を再度実行する。
ステップS17:
データ記録部44は、ステップS16で旅客50の通過を検知した場合、登録欄1に記録された正券クレジット情報、すなわち正券情報と時刻情報とID情報をデータリスト46に記録する。
ステップS18:
情報消去部43は、登録欄1の正券クレジット情報を消去する(
図6(c))。そしてその後、リターンする。
【0042】
ステップS19:
登録部42は、ステップS14で登録欄1が空ではないと判断されたとき、正券クレジット管理テーブル45の登録欄2が空か否か判断する。例えば、
図7(a)で示すように、旅客50が改札券を改札券読取り部で読み取らせ、正券クレジット管理テーブル45の登録欄1に正券クレジット情報が記録された直後に、旅客51が改札券を改札券読取り部に読み取らせた場合や、
図8(a)に示すように、正券クレジット管理テーブル45の登録欄1に正券クレジット余りが生じているときに旅客52が改札券を改札券読取り部に読み取らせる場合である。
ステップS20:
登録部42は、ステップS19で登録欄2が空であると判断されたとき、登録欄2に正券情報と時刻情報とID情報を記録する(
図7(b)、
図8(b))。
ステップS21:
登録部42は、出口側の人間検知センサSE15によって旅客の通過を検知したか否か判断する。もし、旅客の通過を検知しない場合には、ステップS21を再度実行する。
ステップS22:
データ記録部44は、ステップS21で旅客の通過を検知した場合、登録欄2に記録された正券クレジット情報、すなわち正券情報と時刻情報とID情報をデータリスト46に記録する。
ステップS23:
情報消去部43は、登録欄2の正券クレジット情報を消去する。例えば、
図7(c)で示すように、旅客50が人間検知センサSE15を通過した場合や、
図8(c)で示すように、旅客52が人間検知センサSE15を通過した場合である。また、
図7で示される場合には、図示はしていないが、旅客51が人間検知センサSE15を通過したとき、データ記録部44は、登録欄1に記録された正券クレジット情報、すなわち正券情報と時刻情報とID情報をデータリスト46に記録し、情報消去部43は、登録欄1の正券クレジット情報を消去する。
ステップS24:
データ記録部44は、登録欄1の時刻情報と人間検知センサSE15が検知した通過者の通過時刻との差が所定値以上か否か判断する。もし、その差が所定値より小さい場合、リターンする。
ステップS25:
データ記録部44は、ステップS24で時刻の差が所定値以上の場合、登録欄1の正券クレジット情報をデータリスト46に記録する(
図8(d))。また、データ記録部44は、登録欄1の正券クレジット情報をプリンタ37で出力する。
ステップS26:
登録欄1の正券クレジット情報を消去する(
図8(d))。そしてその後、リターンする。
【0043】
次に、
図9のフローチャートにより
図5のステップS19で登録欄2が空ではないと判断されたときの正券クレジット管理の手順を説明する。
ステップS31:
登録部42は、ステップS19で登録欄2が空ではないと判断されたとき、正券クレジット管理テーブル45の登録欄3が空か否か判断する。登録欄3が空ではないと判断された場合、
図10で示すステップS51を実行する。
ステップS32:
登録部42は、ステップS31で登録欄3が空であると判断されたとき、登録欄3に正券情報と時刻情報とID情報を記録する。
ステップS33:
登録部42は、出口側の人間検知センサSE15によって旅客の通過を検知したか否か判断する。登録部42は、もし、旅客の通過を検知しない場合には、ステップS33を再度実行する。
ステップS34:
データ記録部44は、ステップS33で人の通過を検知した場合、登録欄3に記録された正券クレジット情報、すなわち正券情報と時刻情報とID情報をデータリスト46に記録する。
ステップS35:
情報消去部43は、登録欄3の正券クレジット情報を消去する。
ステップS36:
データ記録部44は、登録欄1の時刻情報と人間検知センサSE15が検知した通過者の通過時刻との差が所定値以上か否か判断する。もし、その差が所定値より小さい場合、ステップS39を実行する。
ステップS37:
データ記録部44は、ステップS36で時刻の差が所定値以上の場合、登録欄1の正券クレジット情報をデータリスト46に記録する。また、データ記録部44は、登録欄1の正券クレジット情報をプリンタ37で出力する。
ステップS38:
情報消去部43は、登録欄1の正券クレジット情報を消去する。
ステップS39:
データ記録部44は、登録欄2の時刻情報と人間検知センサSE15が検知した通過者の通過時刻との差が所定値以上か否か判断する。もし、その差が所定値より小さい場合、リターンする。
ステップS40:
データ記録部44は、ステップS39で時刻の差が所定値以上の場合、登録欄2の正券クレジット情報をデータリストに記録する。また、データ記録部44は、登録欄2の正券クレジット情報をプリンタ37で出力する。
ステップS41:
情報消去部43は、登録欄2の正券クレジット情報を消去する。そしてその後、リターンする。
【0044】
次に、
図10のフローチャートにより
図9のステップS31で登録欄3が空ではないと判断されたときの正券クレジット管理の手順を説明する。
ステップS51:
登録部42は、ステップS31で登録欄3が空ではないと判断されたとき、正券クレジット管理テーブル45の登録欄4が空か否か判断する。登録欄4が空ではないと判断された場合、ドアを閉じる等の一時停止処理を行う。
ステップS52:
登録部42は、ステップS51で登録欄4が空であると判断されたとき、登録欄4に正券情報と時刻情報とID情報を記録する。
ステップS53:
登録部42は、出口側の人間検知センサSE15によって旅客の通過を検知したか否か判断する。もし、旅客の通過を検知しない場合には、ステップS53を再度実行する。
ステップS54:
データ記録部44は、ステップS53で旅客の通過を検知した場合、登録欄4に記録された正券クレジット情報、すなわち正券情報と時刻情報とID情報をデータリスト46に記録する。
ステップS55:
情報消去部43は、登録欄4の正券クレジット情報を消去する。
ステップS56:
登録部42は、登録欄1の時刻情報と人間検知センサが検知した通過者の通過時刻との差が所定値以上か否か判断する。もし、その差が所定値より小さい場合、ステップS59を実行する。
ステップS57:
データ記録部44は、ステップS56で時刻の差が所定値以上の場合、登録欄1の正券クレジット情報をデータリストに記録する。また、データ記録部44は、登録欄1の正券クレジット情報をプリンタ37で出力する。
ステップS58:
情報消去部43は、登録欄1の正券クレジット情報を消去する。
ステップS59:
登録部42は、登録欄2の時刻情報と人間検知センサが検知した通過者の通過時刻との差が所定値以上か否か判断する。もし、その差が所定値より小さい場合、ステップS62を実行する。
ステップS60:
データ記録部44は、ステップS59で時刻の差が所定値以上の場合、登録欄2の正券クレジット情報をデータリスト46に記録する。また、データ記録部44は、登録欄2の正券クレジット情報をプリンタ37で出力する。
ステップS61:
情報消去部43は、登録欄2の正券クレジット情報を消去する。
ステップS62:
登録部42は、登録欄3の時刻情報と人間検知センサが検知した通過者の通過時刻との差が所定値以上か否か判断する。もし、その差が所定値より小さい場合、リターンする。
ステップS63:
データ記録部44は、ステップS62で時刻の差が所定値以上の場合、登録欄3の正券クレジット情報をデータリスト46に記録する。また、データ記録部44は、登録欄3の正券クレジット情報をプリンタ37で出力する。
ステップS64:
情報消去部43は、登録欄3の正券クレジット情報を消去する。そしてその後、リターンする。
【0045】
以上のように、本実施形態に係る自動改札装置10の正券クレジット管理方法では、正券クレジット余りが発生した状態で、さらに別の旅客が正券クレジット情報を記憶させ、自動改札装置10を通過すると、情報消去部43によって、最新の登録欄に記録された正券クレジット情報から消去されるため、その結果、正券クレジット管理テーブルに記録された正券クレジット余りは、正券クレジット余りを発生させた旅客のものであり、それによって、正券クレジット余りを発生した旅客を特定することができる。
【0046】
また本実施形態に係る自動改札装置10の正券クレジット管理方法によれば、情報消去部43によって正券クレジット情報を消去する直前に、消去される正券クレジット情報に関係する情報をデータリスト46に記録するデータ記録部44を備えるため、消去された正券クレジット情報をデータリスト46によって把握することができる。
【0047】
さらに、正券クレジット情報に関係する情報は登録時刻と改札券IDとを含み、データ記録手段は、人間検知センサSE15が検知した通過者の通過時刻が、正券クレジット管理テーブル45に登録されている時刻から所定の一定時間を経過しているときには、正券クレジット管理テーブル45に登録された情報をデータリスト46に記録し、また、その情報をプリンタ37で出力し、その後、情報消去部43は正券クレジット管理テーブル45における情報を消去するため、正券クレジット余りが発生したことを特定でき、正券クレジット余りを発生した旅客とその前後の旅客を特定することができる。
例えば、前述したごとく、図8の(a)等に示すように正券クレジット管理テーブル45の登録欄1に生じた正券クレジット余りは、図8の(d)に示される通り、最終的にはデータリスト46に記録され(段落0042の「ステップS25」の説明)、さらにプリンタ37で出力される(段落0042の「ステップS26」の説明)。すなわち、正券クレジット管理テーブル45に残った正券クレジット余りに関する正券クレジット情報は消さずに保存される。この保存された正券クレジット余りに関する情報が、正券クレジット余りを発生した旅客とその前後の旅客の特定に貢献する。
【0048】
なお、本実施形態では、正券クレジット管理テーブルは、登録欄が4個あるもので説明したが、4個に限らず、他の登録欄の個数の場合でも同様な方法で正券クレジット管理を行うことができる。
【0049】
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎず、また数値および各構成の組成(材質)等については例示にすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。