特許第5685404号(P5685404)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5685404
(24)【登録日】2015年1月23日
(45)【発行日】2015年3月18日
(54)【発明の名称】足場用シート
(51)【国際特許分類】
   E04G 5/00 20060101AFI20150226BHJP
   E04G 21/32 20060101ALI20150226BHJP
   E04G 21/24 20060101ALI20150226BHJP
【FI】
   E04G5/00 301E
   E04G21/32 B
   E04G21/24 A
【請求項の数】3
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2010-196784(P2010-196784)
(22)【出願日】2010年9月2日
(65)【公開番号】特開2012-52373(P2012-52373A)
(43)【公開日】2012年3月15日
【審査請求日】2012年11月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 敏明
【審査官】 瓦井 秀憲
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3123454(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3150867(JP,U)
【文献】 特開2004−081075(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3050091(JP,U)
【文献】 特開2004−346645(JP,A)
【文献】 特開2009−041246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 5/00
E04G 21/24
E04G 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
足場に張られる足場用シートであって、
当該足場用シートには、周縁から内側に向けて延びる切り込みが設けられ、
切り込みには、当該切り込みを閉じることが可能なスライドファスナが設けられており、
前記スライドファスナは、切り込みを通して当該足場用シートの表裏を貫いて延びる貫通部材の両側の切り込みを閉じることができる、
足場用シート。
【請求項2】
足場に張られる足場用シートであって、
当該足場用シートには、周縁から内側に向けて延びる切り込みが設けられ、
切り込みには、当該切り込みを閉じることが可能なスライドファスナが設けられており、
スライドファスナは、間においてファスナエレメントの噛み合いが解除される二つのスライダを有する頭合わせ型ファスナである、
足場用シート。
【請求項3】
請求項2に記載の足場用シートであって、当該足場用シートの周縁側のスライダは、開き型スライダである、足場用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事現場等で用いられる足場に張られ、足場を覆う足場用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
建物の建設、建物の外壁改修工事等においては、仮設の足場を組み立てて高所の作業を行う。この足場には、建材や工具が足場の外に落下することを防止するためのシートが足場の、建物と反対側の側面全体に張られている。下記特許文献1には足場用シートの例が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−155852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存の建物の外壁工事の際、当該建物に引き込まれる電力線等の既設の構造物が、足場用シートを張る際に妨げになる場合がある。このような既存構造物を避けるように足場用シートを張ると、既存構造物の周辺にシートが張られていない開放部分ができるという問題があった。
【0005】
本発明は、既存構造物の周囲に開放部分ができないようにする足場用シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の足場用シートには、当該シートの周縁から内側に向けて延びる切り込みが設けられ、この切り込みには、当該切り込みを閉じることが可能なスライドファスナが設けられている。電力線等の既存構造物がこの切り込みを通って、当該足場用シートの表裏を貫くようにし、スライドファスナにより、この既存構造物の両側の切り込みを閉じる。
【発明の効果】
【0007】
既存構造物の両側の切り込みをファスナで閉じるようにしたことにより、既存構造物周囲の足場用シートの開放部分をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の足場用シートの全体構成を示す図である。
図2】切り込み周囲の詳細な構成を示す図である。
図3】切り込みに電力線を通し、切り込みを閉じ合わせた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を、図面に従って説明する。図1は、本実施形態の足場用シート10の全体構成を示す図である。足場用シート10は、網目を有する網地12と、網地12の周縁に網地12より強度の高い枠材14が接着、縫製等の手段により固着されている。枠材14には、足場用シートの周縁に沿ってはとめ16が配列されている。はとめ16にロープや針金を通し、足場の棒材にこれを結びことにより、足場に当該足場用シート10が張られる。
【0010】
足場用シート10は長方形の外形を有し、長方形の少なくとも1辺に切り込み18を有している。特に、切り込み18は、長方形の長辺に設けられることができる。また、辺の中点に設けることも、また中点ではない、他の位置に設けることもできる。切り込み18には、スライドファスナ20が設けられている。
【0011】
図2は、足場用シート10の切り込み18周囲の詳細な構成を示す図である。図2において、スライドファスナ20は、完全に開いた状態で示されている。スライドファスナ20は、切り込みに両側の辺縁にそれぞれ設けられたファスナエレメント22,24と、2個のスライダ26,28を有する。ファスナエレメント22,24は、よく知られているように、細かい突起が配列されたものであり、対向するエレメントの突起が互いに噛み合って切り込みを閉じ合わせる。図2においては、簡略のために、この配列された突起を省略して表している。
【0012】
スライドファスナ20は、頭合わせ型のファスナであり、二つのスライダ26,28を有する。切り込み18の開放口側(足場シートの周縁側)のスライダ26は、開き型スライダであり、ファスナエレメント22,24の端において一方のファスナエレメント22から外れて、切り込み18を開くことを可能としている。もう一つのスライダ28は、ファスナエレメント22,24の端において、両側のエレメントから外れない、止めタイプのスライダである。頭合わせ型のファスナは、二つのスライダ26,28の間において、ファスナエレメント22,24の噛み合いが解除される。一方で、図1に示すように、二つのスライダ26,28が当接しているときには、ファスナ全体が閉じ合わされている。
【0013】
図3は、電力の引込み配線(以下、電力線と記す。)30が、足場用シートを貫通するときの状態を示す図である。足場用シートは、その辺縁に設けられたはとめ16を用いて、足場に結び付けられるため、足場の棒材と位置関係が固定される。電力線30が既設の場合、足場用シートを電力線30が干渉し、足場用シートを張ることができず、開放した部分が生じる。足場用シートの、このような開放した部分は、ここから建材や工具などが、足場の外に落下する可能性があり、好ましくない。そこで、足場用シート10の切り込み18に電力線30を通し、二つのスライダ26,28を電力線30の近傍までスライドさせ、電力線30を挟むようにする(図3参照)。これにより、電力線30は足場用シート10の表裏を貫いて延び、電力線30の両側のファスナエレメント22,24は閉じ合わせられ、足場用シートの開放部分がない状態となる。
【0014】
また、スライドファスナに替えて、面ファスナ等を用いて、電力線の両側の切り込みを閉じ合わせるようにすることもできる。
【符号の説明】
【0015】
10 足場用シート、18 切り込み、20 スライドファスナ、22,24 ファスナエレメント、26,28 スライダ、30 電力線(貫通部材)。
図1
図2
図3