(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記音声解析手段は、通話中の相手の音声をフーリエ変換して周波数パワースペクルを抽出し、抽出した音声成分より音の大きさ、周波数、速度、ピッチ、フォルマントのうちのいずれか一つ以上の情報の所定時間における変化を基に前記ストレス度合を判定し、対応する成分の変化が予め設定された所定の変化量及び変化回数を超えた時にストレスを検知したと判定することを特徴とする請求項1に記載の電話装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したようなキーワードや声紋などのデータベースと照合する構成では、装置やシステムに大規模な記憶容量が必要になるだけではなく、広範囲且つ大量の犯罪履歴を基にした外部サーバによるデータベースが必要という問題点がある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、大きなデータベースを必要とせずに比較的簡単な構成で電話詐欺を抑制することができる自動応答及び音声解析機能を有する電話装置及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の電話装置は、電話回線との呼接続制御を行う回線接続制御手段と、少なくとも音声情報をデジタルデータとして保存する記憶手段と、前記記憶手段に保存された音声データをアナログ変換して再生出力する音声再生手段と、通話中の音声をデジタルデータに変換して前記記憶手段に保存する音声録音手段と、通話中の音声より音の大きさ、周波数、速度、ピッチ、フォルマントのうちのいずれか一つ以上の情報を抽出して所定の記憶パターンと比較することで通話者のストレス度合を判定する音声解析手段と、ユーザ操作に基づき前記各手段を機能させてその結果を出力する入出力手段と、前記各手段の連携と制御を司る制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の電話装置において、前記音声解析手段は、通話中の相手の音声をフーリエ変換して周波数パワースペクトルを抽出し、抽出した音声成分より音の大きさ、周波数、速度、ピッチ、フォルマントのうちのいずれか一つ以上の情報の所定時間における変化を基に前記ストレス度合を判定し、対応する成分の変化が予め設定された所定の変化量及び変化回数を超えた時にストレスを検知したと判定するようにしても良い。
前記制御手段は、前記音声解析手段がストレスを検知した場合、前記回線接続制御手段により予め登録された電話番号に発呼して三者通話を行わせることが好ましい。
本発明の電話装置は、前記音声解析手段がストレスを検知した場合、通信ネットワークを介して予め登録されたメールアドレス宛てに該ストレスを検知したことを電子メールで通知するメール送信手段を更に備えることが好ましい。
また、本発明の電話装置は、前記記憶手段に保存された音声データを外部接続されるメモリカードに記録するための外部入出力手段を更に備えることが好ましい。
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明の電話装置の制御方法は、自動応答及び音声解析機能を有する電話装置における制御方法であって、無鳴動で着信して相手先の電話番号が予め登録された電話番号であるか否かを判断する段階と、未登録の電話番号の場合に相手先に録音可否の返答を促す音声メッセージを送出する段階と、録音承諾の返答を検知した場合、呼び出し音を鳴らして通話を開始させると共に通話中の音声情報をデジタルデータとして保存する段階と、通話中の音声より音の大きさ、周波数、速度、ピッチ、フォルマントのうちのいずれか一つ以上の情報を抽出して所定の記憶パターンと比較することで相手先のストレス度合を判定してストレスを検知する段階と、ストレスを検知した場合、予め登録されたメールアドレス宛てに該ストレスを検知したことを電子メールで通知すると共に予め登録された電話番号に発呼して三者通話を行わせる段階と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、未登録の電話番号を拒否し、相手先に録音する旨の音声メッセージを自動送信し、通話中の相手先音声よりストレスを検知した場合に、登録先にメール送信することや三者通話により第三者を会話に参加させることができるため、従来のような大きな参照用データベースを必要とせずに比較的簡単な構成で電話詐欺を抑制することができるようになる。また、本発明の電話装置は、市販の電話機と電話回線との間に電話機接続装置(システムBOX)として挿入する構成により実現できるので、導入しやすい利点がある。更に、アプリケーションプログラムとして携帯電話やCTIサーバに組み込むこともできるので、様々な形態で実現することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の電話装置を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態による電話装置の概略構成図である。
【0014】
図1を参照すると、本実施形態の電話装置1は、制御手段11、記憶手段12、音声録音手段13、音声再生手段14、音声解析手段15、入出力手段16、外部入出力手段17、回線接続制御手段21、メール送信手段31を備える。
【0015】
制御手段11は、メインのCPU(中央演算処理装置)を含み、各手段や他のデバイス等と連携して電話装置1として機能するように全体に亘る処理と制御を司る役割をする。
【0016】
記憶手段12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、Flashメモリ、或いはSSD(Solid State Drive)等で構成され、各手段を機能させるためのプログラムの保存、通話中の音声データの記録、着信相手に送出する音声メッセージの保存等を行い、制御手段によりこれらの情報が読み込まれて、各手段で利用される。
【0017】
音声録音手段13は、A/Dコンバータ(図示せず)により通話中の音声をデジタルデータに変換し、ADPCM、MP3、WMA、AAC、ATRAC等にデータ圧縮処理して記憶手段12に保存する。
【0018】
音声再生手段14は、記憶手段12に保存された圧縮音声デジタルデータを復号し、D/Aコンバータ(図示せず)によりアナログ情報に変換して音声を再生出力する。通話中に記憶手段12に記録された音声データの再生、予め記憶手段12に登録された通話先への自動応答メッセージや使用者への音声メッセージの再生を行う。
【0019】
音声解析手段15は、感情に起伏があった、声色が変わったり話者が変わったりした、突然大声で恫喝した等、詐欺行為特有の話者の音声の種々の変化(本発明ではこれをストレス度合と称する)を解析するもので、通話中の相手先の音声情報より音の大きさ、周波数、速度、ピッチ、フォルマント等の音声の特定情報を利用してそれぞれの特徴パターンを抽出し、予め記憶手段12に登録された所定の記憶パターンと比較することで通話者のストレス度合を判定する。ストレス度合はそれぞれの音声の抽出情報について所定時間における変化を基に判断する。
【0020】
音声解析手法には様々なものが知られているが、本実施形態では、音の大きさと音声認識により会話速度を判断すると共に、フーリエ変換(FFT)により周波数のパワースペクトルを求めて音声の周波数成分、ピッチ成分、及びフォルマントを抽出する。これらの処理には、音声データの音の全体の大きさを所定の振幅に揃えるノーマライズ処理や、フーリエ変換した音声データをフィルタリングした後に再び逆フーリエ変換(IFFT)して時間軸の音声波形を取り出すケプストラム分析も含まれる。抽出された音声の各情報について、それぞれ所定時間における対応する成分の変化が予め設定された所定の変化量及び変化回数を超えたことを検出し、それぞれの情報毎に設定された検出回数を基に総合的にストレスを検知したと判定する。これらの情報は更に所定の周波数帯域成分に対して行うこともある。なお、音の大きさ、周波数、速度、ピッチ、フォルマント等の各成分の抽出手法の詳細については公知の手法を用いることができるためここではその説明を省略する。
【0021】
入出力手段16は、電話装置1を利用する際のオフフック、オンフック、0〜9、*、#等のダイヤルプッシュボタン、マイクロフォン、スピーカ等の送受話器、表示用のLED、LCD(液晶ディスプレイ)等を含み、ダイヤリング、電話番号の登録、音声メッセージの録音・再生、各種入出力操作、操作等に応じたメッセージ表示、警告表示等のために用いられる。
【0022】
外部入出力手段17は、記憶手段12に保存された音声データを外部接続されるメモリカードに記録するために用いられ、メモリカードスロットやUSBインタフェースを有する。なお、電話装置1を構成するその他のハードウエア等の詳細及びその説明は省略する。
【0023】
回線接続制御手段21は、PSTN(公衆交換電話網)等の電話回線2に接続された電話装置1の呼接続制御を担い、送受話器を通してユーザと相手先とが会話できるようにする。着信時には、通話を開始する前に、音声再生手段14を介して記憶手段12に登録された通話可否を確認する自動応答メッセージを相手先に送出するように制御手段11によって制御される。
【0024】
また、回線接続制御手段21は、音声解析手段15がストレスを検知した場合、三者通話が可能なように制御手段11によって制御される。三者通話は予め電話回線2を所有する通信会社に登録しておき利用の際にダイヤル操作で通知することにより通信会社側で設定されるか、或いは独立通信回線を2本用意して電話装置1に擬似的な交換機能を備えることで実現できる。
【0025】
メール送信手段31は、音声解析手段15がストレスを検知した場合、電話回線2とは別に用意された通信ネットワーク3を介し、記憶手段12に予め登録されたメールアドレス宛てにストレスを検知した旨を電子メールで通知する。通信ネットワーク3はADSLモデムを利用することで電話回線と共用することができる。
【0026】
また、上記音声録音手段13、音声再生手段14、音声解析手段15等の各手段は、制御手段11が記憶手段12のROM、Flashメモリ、或いはSSDに記録されたプログラムを実行し、A/DコンバータやD/Aコンバータ或いはDSPやASIC(図示せず)等のデバイス等と連携することで機能させることができる。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態による電話装置の制御方法を示す処理フロー図である。
【0028】
図2を参照すると、本実施形態の電話装置1の制御方法において、制御手段11は、先ず回線接続制御手段21を介して着信を検知すると(ステップS101)、無鳴動のまま相手先の電話番号が記憶手段12に登録済みの電話番号であるか否かを照合し(ステップS102)、予め登録されて許可された電話番号であった場合は電話機の呼び出し音を鳴らしてユーザのオフフック操作により通常会話に移行させ(ステップS104)、会話終了後にユーザのオンフック操作により受話器が置かれて通常終了する(ステップS105)。
【0029】
ステップS103で、着信した相手先の電話番号が、非通知、公衆電話、又は記憶手段12に未登録の電話番号であった場合、制御手段11は、予め記憶手段12に登録してある通話中の音声を録音しても良いか否かを問う音声メッセージを自動応答機能により音声再生手段14を介して相手先に送出し、相手先からのダイヤルトーンによる返答を待つ(ステップS016)。
【0030】
録音非承諾のダイヤルトーンを受信するか又は所定時間経過までに応答がない場合、制御手段11は、相手先に音声再生手段14を介して記憶手段12に登録してある拒否メッセージを送出し(ステップS108)、回線接続制御手段21を介して通信回線を切断し、通話させずに強制終了する(ステップS110)。このとき、記憶手段12の拒否リストに登録し(ステップS109)、電話番号が通知された場合は電話番号と共に非通知や公衆電話の場合はその旨と着信日時を記録し、外部入出力手段17を介してメモリカード等に取り出せるようにしても良い。
【0031】
ステップS107で、録音承諾のダイヤルトーンを受信した場合、制御手段11は、音声再生手段14を介して記憶手段12に登録してある録音を開始する旨の音声メッセージを相手先に送出し(ステップS111)、電話機の呼び出し音を鳴らしてユーザのオフフック操作により相手先との通話を開始させ、記憶手段12に音声録音手段13を介して通話中の音声会話を録音すると共に、音声解析手段15により相手先の通話音声を解析してストレス度合を判定する(ステップS112)。制御手段11は、通話中の相手先の音声より抽出された各情報について、それぞれ所定時間における対応する成分の変化が予め設定された所定の変化量及び変化回数を超えた検出回数を基にストレスを検出したか否かを判断し(ステップS113)、通話中にストレスを検知しなかった場合は、会話終了後にユーザのオンフック操作により受話器が置かれて通常終了する(ステップS114)。相手先に送出するステップS108の拒否メッセージや、ステップS111の録音を開始する旨の音声メッセージは省略しても良い。或いは、ステップS111の相手先への音声メッセージに代えて、後述するように会話開始前にユーザに注意喚起の音声メッセージをアナウンスするようにしても良い。
【0032】
ステップS113で、通話中に相手先の音声にストレスを検知した場合、制御手段11は、メール送信手段31により記憶手段12に予め登録されたメールアドレス宛てに通信ネットワーク3を介してストレスを検知した旨を電子メールで通知し、会話終了後にユーザのオンフック操作により受話器が置かれて終了する(ステップS117)。また、通話中に相手先の音声にストレスを検知した場合、回線接続制御手段21を介して電話回線2を所有する通信会社に三者通話を行う旨のダイヤルトーンを送出すると共に予め記憶手段12に登録しておいた電話番号に発呼して第三者の会話への参加を促すようにしても良い。(ステップS115)。
【0033】
また、会話終了時、制御手段11は、相手先の電話番号と共に着信日時を記憶手段12の拒否リストに登録し(ステップS116)、外部入出力手段17を介してメモリカード等に取り出せるようにしても良い。
【0034】
図3は、本発明の一実施形態による電話機接続装置の概略構成図であり、
図4は、
図3に示す電話機接続装置の説明図である。
【0035】
図3及び
図4は、市販の電話機5と通信回線2との間にシステムBOXとして電話機接続装置4を設けて電話装置を構成したものであり、電話機5が外付けになることに伴う多少の機能の相違はあるものの電話装置としてみた全体の構成は上述した電話装置1と略同じ構成であることから電話機接続装置4における重複説明は省略する。
【0036】
図3及び
図4を参照すると、本実施形態の電話機接続装置4には、PSTN等の通信回線と、一般に市販された電話機5が外部インタフェース42に接続される。電話機5が接続される外部インタフェース42は複数用意しても良い。本装置の導入時には、先ず家族や友人・知人の電話番号を記憶手段12に登録しておく。
【0037】
電話機接続装置4は、通信回線2を介して着信があると、電話機5に鳴動信号を送らず無鳴動のまま記憶手段12に登録された電話番号を照合し、未登録の場合は、音声再生手段14を介して「あなたの電話番号は登録されていません、電話をご希望される場合はピー音の後にプッシュボタンの1番を押して下さい。但しその会話は録音保存されると同時に、音声データが生成され本システムに登録されます、それでもよろしければ1番を押して下さい。それではどうぞ。」というアナウンスとその後に「ピー音」を相手先に送出する。着信があった場合の無鳴動区間や無鳴動着信するか否かの設定は電話機接続装置4に設けられたディップスイッチ(図示せず)や電話機5のプッシュボタン操作により変更できるようにしても良い。また、未登録の電話番号であっても市外局番や収容局の局番が同一である等の同一区域内等については、オプションとして音声メッセージを送出せずに通常操作による着信を許可する設定をそれぞれの区域毎に行うことができるようにしても良い。このような機能は上述の電話装置1にも適用可能である。
【0038】
電話機接続装置4は、相手先からの1番のプッシュボタン操作によるトーン信号を受信すると、本装置に接続された電話機5に鳴動信号を送出して呼び出し音を鳴らし、ユーザがオフフック操作により電話機5の受話器を取ると、「この相手先は登録番号ではありません。会話内容に注意して会話してください。通話中にもし怪しいと思った場合は1番を押して下さい。それではどうぞ。」というアナウンスを流して通話を開始すると共に音声録音手段13を介して通話中の音声を録音する。通話中は、相手先の音声を音声解析手段15によりストレス度合いを監視する。オンフック操作により通話を終了すると、予め記憶手段12に登録しておいた携帯電話等の非常時連絡先へ1コール発信して未登録の電話を受けたことを通知する。この1コール発信は通知するかしないかをユーザが選択できるオプションとしても良い。
【0039】
電話機接続装置4は、通話中に音声解析手段15でストレスを検知するとモニタランプ43が点灯又は点滅して警告し、ストレスを検知するか電話機5の1番のプッシュボタン又は電話機接続装置4の外部スイッチ44が押下されると、予め記憶手段12に登録しておいたメールアドレス宛てに通信ネットワーク3を介して電子メールでその旨を通知する。同時に三者通話を設定し、予め記憶手段12に登録された非常時連絡先へ発呼して三者通話により会話に参加させる。これにより犯罪抑止を図ることができる。三者通話はオプションとしても良い。
【0040】
電話機接続装置4は、通話終了後、予め設定された期間期日を基に未登録者の録音データを保存しておき、問題がない場合の録音データは1〜3ケ月(設定可)を目途に消去する。通話中にストレスを検知するか電話機5のボタン又は外部スイッチ44が押下された場合等、問題があった場合の録音データは外部入出力手段17を介してメモリスロット45に挿入されたメモリカードに保存できるので、警察等へ提出することもできる。問題があった場合の録音データはユーザが簡単に消去できないようにすることが望ましい。
【0041】
電話機接続装置4は、ストレスを検知するか電話機5の1番のプッシュボタン又は電話機接続装置4の外部スイッチ44が押下されると、記憶手段12の拒否リストに録音データと関連付けられて登録され、再度、同じ電話番号からのアポイントがあった場合は、拒否リストを参照することで、警告用のモニタランプ43の点滅頻度を変化させるか或いはレベルメータ、7セグLED、LCD等を用いて警告度合がわかるようにしても良い。
【0042】
本発明の電話装置で機能する各手段は、携帯電話やPC等のコンピュータシステムにアプリケーションプログラムを実装してソフトウエア処理により実現することが可能なため、市販の電話機と電話回線との間に電話機接続装置(システムBOX)として挿入する構成の他にも、携帯電話やCTIサーバに組み込むこともでき、様々な形態で実現することが可能になる。
【0043】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明したが、本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。