(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5685684
(24)【登録日】2015年1月30日
(45)【発行日】2015年3月18日
(54)【発明の名称】ペレタイジング装置およびこの種のペレタイジング装置用のカッタおよび/または研磨ヘッド
(51)【国際特許分類】
B29B 9/06 20060101AFI20150226BHJP
【FI】
B29B9/06
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2010-530288(P2010-530288)
(86)(22)【出願日】2008年8月11日
(65)【公表番号】特表2011-500377(P2011-500377A)
(43)【公表日】2011年1月6日
(86)【国際出願番号】EP2008006609
(87)【国際公開番号】WO2009052882
(87)【国際公開日】20090430
【審査請求日】2011年8月1日
(31)【優先権主張番号】202007014853.4
(32)【優先日】2007年10月24日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514223924
【氏名又は名称】ガラ インダストリーズ アイエヌシー.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】エロー,ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルテル,ジュルゲン
【審査官】
粟野 正明
(56)【参考文献】
【文献】
特公昭49−001467(JP,B1)
【文献】
特公昭47−027952(JP,B1)
【文献】
特開平04−171167(JP,A)
【文献】
特公昭43−020765(JP,B1)
【文献】
特開平06−328439(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 9/00−9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペレタイザ用のカッタおよび/または研磨ヘッドであって、工具キャリヤ回転軸(4)のまわりに回転的に駆動されることができる工具キャリヤ(3)と、ペレタイザダイプレート(12)から出てくるプラスチック溶融物を切断および/またはノックオフするためのおよび/または前記ペレタイザダイプレート(12)を研磨するための、少なくとも一つの工具(6)と、を備え、
前記工具(6)が、前記工具キャリヤ回転軸(4)から間隔を置いて配置される回転軸(9)を中心に回転可能に、前記工具キャリヤ(3)上に取り付けられ、
前記工具(6)の前記回転軸(9)が、前記工具キャリヤ回転軸(4)と平行に延伸し、前記工具(6)が、前記ペレタイザダイプレート(12)を圧迫するための、前記回転軸(9)に垂直に延伸する、平面からなる端面(14)を含み、前記端面(14)が、研磨被覆(21)および/または研磨構造物を備えるように適応され、および、前記工具(6)が自由に自己回転する方法で回転駆動装置がない前記工具キャリヤ(3)上に回転可能に支えられる、ことを特徴とするカッタおよび/または研磨ヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載のカッタおよび/または研磨ヘッドであって、前記工具キャリヤ(3)が、前記工具キャリヤ回転軸(4)から前記工具(6)の前記回転軸(9)の距離を調整するための調整装置(18)を含む、ことを特徴とするカッタおよび/または研磨ヘッド。
【請求項3】
請求項2に記載のカッタおよび/または研磨ヘッドであって、前記調整装置(18)が旋回アーム(19)を含み、それが一方では前記工具キャリヤ(3)の本体に枢着され、および他方では前記回転軸(9)と共に前記工具(6)を具備する、ことを特徴とするカッタおよび/または研磨ヘッド。
【請求項4】
請求項3に記載のカッタおよび/または研磨ヘッドであって、固着手段(20)が、前記工具キャリヤ(3)の前記本体に対して前記旋回アーム(19)を少なくとも2つの異なる旋回位置に固定するために設けられる、ことを特徴とするカッタおよび/または研磨ヘッド。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のカッタおよび/または研磨ヘッドであって、前記工具(6)が前記回転軸(9)に対して対称に形成される、ことを特徴とするカッタおよび/または研磨ヘッド。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のカッタおよび/または研磨ヘッドであって、前記工具(6)が、円形断面を備えた回転対称の加工ヘッド(7)を含む、ことを特徴とするカッタおよび/または研磨ヘッド。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載のカッタおよび/または研磨ヘッドであって、前記工具(6)が、円形形状と異なる断面を備えた加工ヘッド(7)を含み、前記加工ヘッド(7)が、複数の周辺セグメントに分けられる、ことを特徴とするカッタおよび/または研磨ヘッド。
【請求項8】
請求項1〜5に記載のカッタおよび/または研磨ヘッドであって、前記工具(6)が、加工ヘッド(7)を含み、前記加工ヘッド(7)が、複数の円弧状周辺セグメントを備えた開花および/または花形状の外形を有する、ことを特徴とするカッタおよび/または研磨ヘッド。
【請求項9】
請求項7に記載のカッタおよび/または研磨ヘッドであって、前記加工ヘッド(7)が、曲線の遷移部を備えた多角形の周辺外形を有する、ことを特徴とするカッタおよび/または研磨ヘッド。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載のカッタおよび/または研磨ヘッドであって、前記工具(6)が、切断および/またはノックオフ縁部を構成する周辺フランク(15)を含み、前記切断および/またはノックオフ縁部が、前記回転軸(9)のまわりに延伸するように形成される、ことを特徴とするカッタおよび/または研磨ヘッド。
【請求項11】
請求項10に記載のカッタおよび/または研磨ヘッドであって、前記切断および/またはノックオフ縁部が、前記回転軸(9)に対して回転対称に形成される、ことを特徴とするカッタおよび/または研磨ヘッド。
【請求項12】
請求項10または11に記載のカッタおよび/または研磨ヘッドであって、前記工具(6)の前記周辺フランク(15)が、前記回転軸(9)を含む長手方向断面で見て、前記端面(14)に対して垂直に延びている、ことを特徴とするカッタおよび/または研磨ヘッド。
【請求項13】
請求項10〜12のいずれかに記載のカッタおよび/または研磨ヘッドであって、前記周辺フランク(15)が、前記回転軸(9)に垂直な端面に対して110°と30°との間のフランク角(16)を含む、ことを特徴とするカッタおよび/または研磨ヘッド。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載のカッタおよび/または研磨ヘッドであって、複数の工具(6)が、前記工具キャリア回転軸(4)のまわりの周辺方向に互いに間隔を置いて設けられる、ことを特徴とするカッタおよび/または研磨ヘッド。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載のカッタおよび/または研磨ヘッド(2)を備える、ペレタイザ、および前記カッタおよび/または研磨ヘッド(2)の前記少なくとも一つの工具(6)の循環の経路の近傍に配置される少なくとも一つの溶融物通路(11)を備えたペレタイザダイプレート(12)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは水中ペレタイザの形の、ペレタイザに関する。特に、本発明は、工具キャリヤ回転軸のまわりに回転的に駆動されることができる工具キャリヤ、および工具キャリヤに取り付けられて、工具キャリヤ回転軸から間隔を置いて配置され、ペレタイザダイプレートから出てくるプラスチック溶融物をノックオフするためのおよび/または前記ペレタイザダイプレートを研磨するための、少なくとも一つの切断および/または研磨工具を備えたこの種のペレタイザ用のカッタおよび/または研磨ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば水中ペレタイザの形のペレタイザは通常、プラスチック溶融物がそれを通してストランドの形に圧縮される複数の内孔またはチャンネルを備えたペレタイザダイプレートを有する。出口側で、プラスチック溶融物の出てくるストランドは回転カッタヘッドによってノックオフされるかまたは切り離されて、プラスチックペレットが得られるようにし、水中ペレタイザの場合にそれは、切断ヘッドのまわりに流れるプロセス流体によって運び去られる。
【0003】
プラスチックペレットのおよびペレタイズプロセスの品質は、たとえばその出口側のダイプレートの形状および表面精度に、および、ダイプレートの出口側とそれの上を通過する切断またはノックオフ工具との間の正確な幾何学的相互作用に依存する。摩耗がたとえばダイプレート出口側の不規則さに結びつく場合、プラスチック材料がダイプレート出口側でよごれ始める可能性があり、それによって、ペレットをきちんと切断するかまたはノックオフすることが、損なわれる。したがって、ペレタイザのダイプレートを時々表面研磨し、およびカッタヘッドの代わりに、後者(ダイプレート)を表面研磨するためにダイプレートの出口側に対して圧接される端面研磨被覆を備えた研磨ヘッドを使用することがすでに提案された。しかしながら、ここで制約が達成されるべき表面精度および精細度に置かれ、および特に通常の一軸回転研磨運動に起因して環状隆起部が、ダイプレート表面に切断される可能性がある。
【0004】
ダイプレートの摩耗に加えて、切断工具の摩耗もペレタイズプロセスを損なう可能性がある。通常、切断プレートが、所望の角度で切断プレートホルダ内に取り付けられることができる切断工具として使われ、それで、出てくる溶融物をノックオフするために、それらが指定された角度位置でダイプレートの上を通過することができる。ターンオーバープレートを使用することが、ここで公知である、すなわち、前記切断プレートが切断プレートホルダ内にひっくり返されることができ、それらが過度の摩耗のために廃棄されなければならなくなるまで、いわば通常矩形の切断プレートの両側が使われることができるようにする。切断プレートの安定性はしかしながらここで限定され、および、切断面を変えるときに、ダイプレートの研磨出口側に対する形状の差が時には得られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この課題は、本発明によって解決されるべきである。従来技術の欠点を回避して、有利な方法で後者(改良されたカッタおよび/または研磨ヘッド)を開発する、改良されたペレタイジング装置およびペレタイザ用の改良されたカッタおよび/または研磨ヘッドを作製することが本発明の根底にある目的である。特に、ペレタイザのダイプレートの出口側を研磨し、かつダイプレートから出てくるプラスチック溶融物を切断するかまたはノックオフする、ことを両方とも等しく可能にし、かつ作業工具のより有利な摩耗性状を備えた改善されたサービス寿命を持つ、改良された工具ヘッドが作り出されなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従って、この目的は請求項1に記載の切断および/または研磨ヘッドおよび請求項21に従うペレタイザによって解決される。本発明の好適な態様は、従属請求項の内容である。
【0007】
したがって、工具キャリヤに少なくとも一つの切断および/または研磨工具を指定された位置に強固にではなく取り付け、しかし、工具キャリヤに対して追加の自由度または運動の追加の軸をそれに与え、切断および/または研磨工具が、工具キャリヤに対して動くことができるようにすることが提案される。本発明に従って、切断および/または研磨工具は工具キャリヤ回転軸から間隔を置いて配置される回転軸のまわりに工具キャリヤに回転可能に取り付けられる。これは、切断および/または研磨工具の運動の第2の構成成分を与える。一方では、切断および/または研磨工具はその工具キャリヤ回転軸のまわりに工具キャリヤと共に回転し、および、他方、切断および/または研磨工具は工具キャリヤに対してそれ自体の回転軸のまわりに回転することができる。
工具キャリヤは、切断および/または研磨工具のためのピボット軸受を有し、それを用いて切断および/または研磨工具がそれ自体のまわりに回転することができる。
【0008】
切断および/または研磨工具の運動の追加構成成分によって、前記切断および/または研磨工具の摩耗は、それ自体一方ではより一様になることができ、異なる部分が回転位置に従い摩耗されるにつれて、それは、時が経てば一様な摩耗になる。他方、特に研磨プロセスにおいて、研磨および/または切断工具が研磨のために使われるときに、運動の重畳された構成成分が工具キャリヤ回転軸のまわりの環状隆起部の形成を防ぐことができる。ダイプレートの出口側で、より大きな形状精度の非常により微細な表面が達成される。さらに、それ自体のまわりの研磨および/または切断工具の回転運動が、また、ノックオフされたペレットのより良い除去のために活用されることができ、およびプラスチック溶融物の次のストランドを切断するかまたはノックオフするために、工具の新しい部分が、いわば、利用できる。
【0009】
少なくとも一つの切断および/または研磨工具の回転軸が、有利には工具キャリヤ回転軸と実質的に平行して延伸する。回転軸はおそらくまた、工具キャリヤ回転軸に対してわずかに傾いていることがありえ、それはおそらく切断および/または研磨工具の回転運動を生成するために有利であることができる。しかしながら、好まれることは、工具キャリヤ回転軸に対する切断および/または研磨工具の回転軸の平行配置である。
【0010】
本発明の一展開に従って、切断および/または研磨工具の回転軸が工具キャリヤ上に方向的に安定に整列配置される。代わりとして、切断および/または研磨工具の回転軸がまた、切断および/または研磨工具の自己調整を達成するかまたは軽微な調整誤差を補正するために、限られた程度に傾斜を変えることができるように配置されるかまたは取り付けられることができる。切断および/または研磨工具は、いわば、それが工具キャリヤに対してわずかに傾くことができるように自己調節することができる。単純な、安定な取付を達成するために、しかしながら、上記の通りの工具キャリヤ上の回転軸の方向的に安定な取付が、好まれる。
【0011】
本発明の有利な一展開に従って、切断および/または研磨工具が、回転駆動装置がないまたは自由に自己回転する工具キャリヤ上に取り付けられる。カッタおよび/または研磨ヘッドの操作において、切断および/または研磨工具は回転可能なままであり、特にダイプレートに対する切断および/または研磨工具の異なる部分の異なる周速度によって、ダイプレートとの切断および/または研磨工具の協同によって所望の回転運動が得られる。切断および/または研磨工具が工具キャリヤの回転の結果として、円形経路上で工具キャリヤ回転軸のまわりを通過するときに、半径方向により外側に位置する切断および/または研磨工具の部分がより内側に位置する部分より大きな周速度を有する。この差は、それ自体の回転軸のまわりに動作中に切断および/または研磨工具の回転に至る。切断および/または研磨工具のこの種の駆動装置のない取付および自己回転構成に対する代わりとして、工具キャリヤの回転運動から切断および/または研磨工具の対応する回転運動を引き出す、たとえば中間の伝達装置の形の、工具キャリヤに対して切断および/または研磨工具の強制駆動のための駆動装置が、設けられるであろう。このように、より高い相対速度が工具とダイプレート表面との間で達成されることができる。しかしながら、好まれることは、回転速度の特定の不規則さが正確に研磨されたダイプレート表面に対する利点を与えることができるので、切断および/または研磨工具の上記の駆動装置がなくて自己回転する構成である。
【0012】
本発明の一展開に従って、切断および/または研磨工具の回転軸が工具キャリヤ回転軸から固定した距離で配置され、前記距離が、有利には切断および/または研磨工具が、少なくとも一つの関連出口孔または出口ダクトの近傍でペレタイザダイプレートの上を通過するように選択される。
【0013】
本発明の別の一実施態様に従って、切断および/または研磨工具の回転軸の距離に対する調整装置がしかしながらまた、設けられることができ、その結果、工具キャリヤ回転軸からの切断および/または研磨工具の回転軸の距離が調整可能である。結果として、カッタまたは研磨ヘッドが異なるペレタイザダイプレートに対して使われることができる。たとえば、より大きい穴中心距離を有するペレタイザダイプレートを使用するときに、切断および/または研磨工具は単に工具キャリヤ上の外側へさらに移動するだけ、すなわち工具キャリヤ回転軸からさらに離れて移動し、その結果、それはペレタイザダイプレートの対応する幾何学形状に適応される。
【0014】
原則として、切断および/または研磨工具の回転軸の距離に対する調整装置は、異なって形成されることができる。たとえば、工具キャリヤは、工具キャリヤ回転軸からの距離を調整するために、切断および/または研磨工具が動かされることができる例えば長円孔案内面の形の、スロット付き長手方向案内面を含むことができる。本発明の好適な一展開に従って、調整装置がさらに旋回アームを含むことができ、それは一方では工具キャリヤの本体に回転可能に取り付けられ、他方切断および/または研磨工具およびその回転軸を具備する。旋回アームが外側にさらに旋回させられるときに、工具キャリヤ回転軸からその上に取り付けられる切断および/または研磨工具の距離は増大している。他方、前記距離は内側に前記旋回アームを旋回させることによって減少されることができる。
【0015】
有利には、固定装置が調整装置に関連づけられ、それを用いて工具キャリヤ回転軸からの工具回転軸の少なくとも2つの異なる距離が固定されることができる。固定装置はたとえばポジティブロック装置および/またはたとえば型締ねじボルトの形式の型締装置を含むことができる。
【0016】
原則として、この少なくとも一つの回転可能に取り付けられた切断および/または研磨工具は異なる幾何学形状および配置を有することができる。本発明の一展開に従って、切断および/または研磨工具がペレタイザダイプレートを圧迫するための実質的に平面端面を有することができ、平面端面は、切断および/または研磨工具の加工ヘッドの断面全体にわたって延在する必要はない。たとえば、単に前記環状面だけがダイプレートを圧迫するように、切断および/または研磨工具の加工ヘッドがまた、端面の中央に環状端面および凹状みぞを有することができ、有利には、少なくとも前記環状端面は平らに形成されて、工具の回転軸に垂直の平面内に延在する。
【0017】
ペレタイザダイプレートを表面研磨するために、前記切断および/または研磨工具の端面が研磨被覆および/または研磨構造物を備えることができる。たとえば、研磨被覆は切断および/または研磨工具の端面上にダイヤモンド粒カーペットの形で施着されることができる。代わりとしてまたは加えて、切断および/または研磨工具の端面はまた、たとえば、ダイプレート上の材料の機械加工、研磨除去を提供する、対応する切断または研磨縁部を有するフィッシュスケールの形で、加工ヘッドの材料内に組み込まれる微細構造を備えることができる。代わりとしてまたは加えて、研磨液または乳剤含有砥粒がまた、できる限り加工ヘッドの端面上に研磨被覆なしでさらに研磨効果を達成するために、ダイプレート上へ、または、ダイプレートと研磨ヘッドとの間に塗布されることができる。
【0018】
プラスチック溶融物のストランドをノックオフするための切断工具としてだけ、選択的にまた、動作させることが可能であるために、前記研磨被覆は工具加工ヘッドの端面と着脱自在に接続可能であり、たとえば、砥石車の方法で裏板パッド上へ固定可能であることができる。代わりとしてまたは加えて、切断および/または研磨工具は工具キャリヤ上に着脱自在にかつ取り替え可能に取り付けられることができ、研磨被覆を備えた研磨工具および研磨被覆のない切断工具が、工具キャリヤ上に選択的に取り付けられることができるようにする。異なるタイプの工具の交換性とは独立に、工具キャリヤ上の切断および/または研磨工具の置き換え可能性は、切断または研磨ヘッド全体が、摩耗の場合に置換されなければならないことを回避するために有利である。
【0019】
ペレタイズされるべきプラスチック溶融物に従い、切断および/または研磨工具の異なる構成および幾何学形状が有利であることができる。特に、所望の方法でプラスチック溶融物の出てくるストランドをペレタイズするために、異なって形成される切断またはノックオフ縁部が使われることができる。本発明の有利な一実施態様は、切断および/または研磨工具が、その回転軸に対して対称に形成され、および/または前記回転軸のまわりに回転によって一致するように作られることができるセグメントを有し、いわば、何の連続的回転対称性もないが、しかし、所定の角度量のまわりの回転の際に対称性があるようにする、ことにあることができる。工具はピッチを有し、セグメントに分けられることができ、それは対応するピッチ角だけそれを回転させることによって一致するようにされることができる。
【0020】
特に、切断および/または研磨工具は本発明の好適な一展開に従って円形断面を備えた回転対称の加工ヘッドを有することができ、その結果、切断および/または研磨工具は、完全に均一に回転して摩耗することができる。いわばペレタイジング中にプラスチックストランドをノックオフするかまたは切り離すために、それは360°Cをこえて一様な加工端部を有する。
【0021】
代わりとして、しかしながら、加工ヘッドはまた、上記したように、特にピッチ対称に全く同じに形成されたセグメントを備えた周辺外形の形状の、円形形状とは異なる断面を有することができる。複数の一致する周辺セグメントを設けるときに、異なる加工ヘッド幾何学形状が原則として選択されることができる。たとえば、加工ヘッドは複数の円弧状周辺セグメントに分けられる概ね開花および/または花形状の外形を有することができる。代わりとしてまたは加えて、切断および/または研磨工具の加工ヘッドはまた多角形部分間に好ましくは丸い遷移部を備えた多角形に輪郭を描かれた外形を有することができる。例えば、セグメント間に丸い遷移部を備えた実質的に多角形の、たとえば六角形のまたは八角形の加工ヘッドが、設けられることができる。
【0022】
ダイプレートの溶融物ダクトから出てくるプラスチックストランドがきちんとペレタイズされることを達成するために、切断および/または研磨工具は本発明の一展開に従う切断および/またはノックオフ縁部を構成する周辺フランクを有する。前記切断および/またはノックオフ縁部は、有利には回転軸のまわりに延伸し、および特に加工ヘッドの円形断面によって、それは360°にわたって延伸する切断またはノックオフ縁部を画定する、環状のフランクを形成することができる。代わりとして、前記切断および/またはノックオフ縁部のセグメント構成が設けられることができ、それは、たとえば丸い遷移部を備えた上述の開花形状または横切る形状で、ピッチ角に関して有利には一致し、たとえば、60°の6倍にわたって延伸する、切断および/またはノックオフ縁部セグメントが設けられるようにする。
【0023】
切断されるべきプラスチック溶融物に従い、周辺フランクのまたはそれによって形成される切断および/またはノックオフ縁部の異なる傾斜角は、有利であることができる。本発明の一展開に従って、周辺フランクが、回転軸に垂直な加工ヘッドの端面に対して110°から30°までの範囲内のフランク角を含み、および本発明の好適な一展開に従って、前記フランク角が、90°から45°までの、特に約90°から75°までの範囲に位置することができる。
【0024】
工具の回転軸を含む長手方向断面で見て、周辺フランクが異なる形状を有する、たとえば、凸形状、または、さらに、凹形状に形成されることができる。その構成に従い、フランクのこの種の湾曲した形状は溶融物ストランドまたはより衝撃的ノックオフのより鋭い分離を遂行することができる。本発明の好適な一展開に従って、しかしながら、工具の回転軸を含む長手方向断面で見て周辺フランクが直線のフランクを有し、それが垂直な端面に対して上述したフランク角で傾いていることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明は続いて、好適な実施態様および関連図面を参照して詳細に説明され、そこにおいて、
【0026】
【
図1】本発明の有利な一実施態様に従うペレタイザダイプレート上の水中ペレタイザの切断および研磨ヘッドの模式的な、遠近法の描写を示す。
【
図2】
図1の水中ペレタイザの切断および研磨ヘッドの概略図を示し、切断および研磨ヘッドが平面図で、側面図で、および斜視図で、部分
図A、BおよびCで示される。
【
図3】本発明の別の一実施態様に従う
図1のペレタイザの切断および研磨ヘッドの概略図を示し、切断および研磨工具の切断およびノックオフフランクが75°のフランク角を有し、切断および研磨ヘッドが平面図で、側面図で、および斜視図で、
図A、B、Cで示される。
【
図4】本発明の別の一実施態様に従う
図1のペレタイザの切断および研磨ヘッドの概略図を示し、切断および研磨工具の切断およびノックオフフランクが90°のフランク角を有し、切断および研磨ヘッドが平面図で、側面図で、および斜視図で、
図A、B、Cで示される。
【
図5】上記の図の切断および研磨ヘッドの回転可能に取り付けられた切断および研磨工具の模式的な側面図を示し、
図A、B、CおよびDは、異なる工具幾何学形状を示す、
【
図6】上記の図の切断および研磨ヘッドの切断および研磨工具の端面平面図を示し、異なる
図AないしEは、切断および研磨工具の加工ヘッドのさまざまな可能な周辺外形を示す、および、
【
図7】本発明の更なる有利な一実施態様における水中ペレタイザの切断および研磨ヘッドの斜視図を示し、それに従って、工具キャリヤが工具キャリヤ回転軸からの切断および研磨工具の回転軸の距離を調整するための旋回アームの形の、調整装置を含む。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1内に例示される実施態様において、部分的にだけ示されたペレタイジング装置1が、実質的にプレートのような、環形状の工具キャリヤ3を備える、切断および研磨ヘッド2を含む。前記工具キャリヤ3は、例示されない駆動軸によって工具キャリヤ回転軸4のまわりに回転的に駆動されることができる。例示の実施態様1において、工具キャリヤ3は中央の、ハブのような凹部5を備え、それを用いて、工具キャリヤ3が前記駆動軸上にまたはその上に設けられる切断および研磨ヘッド軸受け上に取り付けられることができる。
【0028】
図1ないし4に示すように、工具キャリヤ3は、工具キャリヤ3の端面に配置されて、前記工具キャリヤ3の本体を越えて軸方向に突き出る、その工具キャリヤ回転軸4から間隔を置いて配置される複数の切断および研磨工具6を具備する。有利には、2個と10個の間の、好ましくは2個と6個の間の切断および研磨工具6が、設けられる。例示の実施態様において、この種の切断および研磨工具6の4個が、有利には工具キャリヤ3に取り付けられる。切断および研磨工具6は、異なって形成されることができる。有利には、しかしながら、全く同じに形成された切断および研磨工具が工具キャリヤ3に取り付けられる。
【0029】
図1ないし4内に例示される実施態様に従って、切断および研磨工具6は回転対称の、おおよそプレート形状の加工ヘッド7を備え、
図1ないし4に示す例示の実施態様においてそれは円形断面を有する。前記切断および研磨工具6は、各々工具キャリヤ3上に回転可能に取り付けられる。このために設けられるピボット軸受8が有利には各々、中心工具キャリヤ回転軸と実質的に平行して延伸する、回転軸9を有する。ピボット軸受8は、有利には工具キャリヤ3の本体内に凹部を作られるかまたは一体化される。
【0030】
図5に示すように、切断および研磨工具6は軸受ピンの形または別の適切な形状の軸受部材を有することができる、加工ヘッド7に成形される軸受部分10を含むことができ、一般に、切断および/または研磨工具6はそれによって一般におおよそキノコのような構成を得る。
【0031】
前記切断および研磨工具6は、ピボット軸受8を用いて工具キャリヤ3上で自由に回転可能である。それらが、駆動装置がない工具キャリヤ3に取り付けられるとはいえ、それらはそれにもかかわらず動作中に回転運動を実行する。
図1に示すように、それらがおおよそペレタイザダイプレート12の溶融物通路11上にまたはその出口上に位置するようになるように、切断および研磨工具6は工具キャリヤ回転軸4から間隔を置いて配置される。
図1で示す例示の実施態様において、ペレタイザダイプレート12内の溶融物通路11は穴円上に配置されるかまたは環状部分内に配置され、それはペレタイザダイプレート12の残りの本体に対してわずかに突き出て、ペレタイザダイプレート12の平坦な端面を形成する、
図1参照。
【0032】
切断および研磨工具6の実質的に平坦な端面は、ペレタイザダイプレート12の前記リング部分13上に設置される。その工具キャリヤ回転軸4のまわりに工具キャリヤ3と共に回転する時、それらは、それらの回転軸9のまわりに前記切断および研磨工具6の自己回転を遂行する異なる部分で異なる周速度を受ける。前記切断および研磨工具6は、したがって、2つの重畳された回転運動、すなわち、一方では工具キャリヤ回転軸4のまわりの回転運動、および他方、回転軸9のまわりの重畳された自己回旋、を実行する。
【0033】
図5内により明らかに示すように、切断および研磨工具6の加工ヘッド7は、
図5C内に示されるようにできる限り環形状であることができる、平坦な端面14を有する。前記端面14は環状の周辺フランク15によって囲まれ、それは溶融物通路11から出てくるプラスチック溶融物のストランドを切り離すかまたは分離するための切断またはノックオフ縁部を形成する。原則として、加工ヘッド7は、また、
図5B、5Cおよび5Dに加えて
図4に示されるように、実質的に円筒状の外形を有することができる。この場合、前記周辺フランク15は、回転軸9に垂直な、それぞれの加工ヘッド7の端面平面に対して90°未満の角度で傾いている、
図4B参照。
【0034】
代わりとして、加工ヘッド7はまた、円錐形であることができ、その結果、その周辺フランク15は前記端面平面に対して鋭角未満で傾いている。
図2は約45°のフランク角を有する円錐形に形成された加工ヘッド7を示し、一方、
図3の実施態様は約75°のフランク角を有する円錐加工ヘッドを示す。前記フランク角16が小さくなればなるほど、溶融物ストランドは、より鋭く切断され、一方、より垂直な周辺フランクによって、それらは衝撃的にノックオフされる。
【0035】
回転軸9の方向に測定される、切断および研磨工具6の加工ヘッド7の高さはペレタイズされるべき異なるプラスチック溶融物に適応されることができて、変化することができる。本発明の好適な一展開に従って、加工ヘッド7の高さ17、
図5D参照、は加工ヘッド7の直径より小さく、高さ17は、特に加工ヘッド7の直径の半分未満で、特に直径の3分の1未満である。たとえば、高さ17が加工ヘッド7の直径の約10分の1から3分の1までの範囲内にあることができる。
【0036】
切断および研磨工具6の加工ヘッド7の直径は、同様に異なるペレタイジング条件に、および、特にペレタイザダイプレート12の幾何学形状に適応されることができる。有利な一実施態様に従って、加工ヘッド直径は、中心工具キャリヤ回転軸4からの回転軸9の距離の、約10%から150%、好ましくは約30%から100%、特に約50%から75%であることができる。原則として、切断および研磨工具6の回転軸9は、特にペレタイザダイプレート12が複数の溶融物通路円を含む時、中心工具キャリヤ回転軸4から異なる距離で配置されることができる。例示の実施態様に従って、しかしながら、切断および研磨工具6は有利には中心工具キャリヤ回転軸4から同じ距離で全て配置されることができる。
【0037】
図7は、本発明の別の有利な実施態様を示し、それに従って工具キャリヤ3が中心工具キャリヤ回転軸4から切断および研磨工具6の回転軸9の距離に対して調整可能である。例示の実施態様において、対応する調整装置18が旋回アーム19を備え、その一端が工具キャリヤ3の本体に、すなわち中心工具キャリヤ回転軸4に平行に延伸する旋回軸のまわりに、回転可能に取り付けられる。それらの他の突出端上に、前記旋回アーム19がそれらの回転軸9および関連ピボット軸受8と共に切断および研磨工具6を具備する。旋回アーム19が外側にさらに旋回させられるときに、工具キャリヤ回転軸4からの切断および研磨工具6の距離は増大し、および、他方、この距離は内側に旋回アーム19を旋回させることによって減少させられることができる。切断および研磨工具6は、おそらく、異なる距離がまた、異なる切断および研磨工具6に対して調整されることができるように、たとえば、あらゆる第2の切断および研磨工具6があらゆる第3の切断および研磨工具より外側で動いているように、有利には個別に調整されることができる。調整装置18は、それぞれ所望の位置を固定するための固定手段を備える。例示の実施態様において、締付けボルトがそれぞれの旋回位置で旋回アーム19を締付けるための固定手段20として設けられる。
【0038】
図6に示すように、加工ヘッド7は異なる断面、たとえば本発明の有利な一展開に従って円形断面を有することができる、
図6A参照。代わりとして、開花または花形状の周辺外形が指定されることができる、
図6Bおよび6E参照。更なる変形例として、好ましくは丸い遷移部を備えた多角形の周辺外形が可能である、
図6Cおよび6
D参照。
【符号の説明】
【0039】
1 ペレタイジング装置
2 切断および研磨ヘッド
3 工具キャリヤ
4 工具キャリヤ回転軸
5 凹部
6 切断および研磨工具
7 加工ヘッド
8 ピボット軸受
9 回転軸
10 軸受部分
11 溶融物通路
12 ペレタイザダイプレート
13 リング部分
14 端面
15 周辺フランク
16 フランク角
17 高さ
18 調整装置
19 旋回アーム
20 固定手段