(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態1)
以下、
図1〜
図9を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
この実施形態は、端末装置として携帯電話機に適用した場合を例示したもので、
図1は、この携帯電話機が利用可能な通信ネットワークシステムを示したブロック図である。
携帯電話機1は、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)などが備えられている。携帯電話機1は、最寄りの基地局2A、交換機2Bから無線通信網(移動体通信網)2に接続されると、この無線通信網2を介して他の携帯電話機1との間で通話可能状態となる。また、携帯電話機1は、無線通信網2を介してインターネット3に接続されると、インターネット3、無線通信網2を介してWebサイトをアクセスして閲覧可能となり、また、Webサイトから音楽、映画などのコンテンツをダウンロード可能となる。
【0016】
図2は、携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図である。
中央制御部11は、二次電池を備えた電池部12からの電力供給によって動作し、記憶部13内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機1の全体動作を制御する中央演算処理装置、メモリなどを有している。記憶部13には、プログラム記憶部M1、各種情報一時記憶部M2などが設けられている。このプログラム記憶部M1は、
図4〜
図7に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されていると共に、それに必要な各種の情報が記憶されている。各種情報一時記憶部M2は、画面情報、フラグ情報、タイマ情報など、携帯電話機1が動作するために必要な各種の情報を一時的に記憶するワーク領域である。
【0017】
無線通信部14は、無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能などの動作時に、最寄りの基地局2Aとの間でデータの送受信を行うもので、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、音声信号処理部15を介して通信用スピーカSPから音声出力させ、また、通信用マイクMCからの入力音声データを音声信号処理部15から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのち、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナから発信出力させる。
【0018】
表示部16は、高精細液晶あるいは有機ELなどを使用し、例えば、文字情報、待受画像、データアイコン、機能アイコンなど、各種の情報を表示させるもので、その表示パネルの表面に、指、器具などの物体の接触を検出する接触操作部(透明な接触センサ)17を積層配設することによってタッチスクリーン(タッチ画面)TDを構成している。なお、表示部16の全面をタッチ画面TDとする場合に限らず、その一部分をタッチ画面TDとしてもよい。
【0019】
接触操作部17は、表示部16に対する接触操作(タッチ操作)が行われた際に、表示部16への接触をタッチ操作として検出し、その検出結果を中央制御部11に与える。なお、接触操作部17は、接触の他に操作器具や指の押し込み(押圧)も検出可能となっている。中央制御部11は、接触操作部17からの操作信号に基づいてタッチ操作や押圧操作の有無を検出したり、その操作位置(タッチ領域)を検出したりする。そして、中央制御部11は、表示部16にメニュー項目などの複数のアイコン(オブジェクト)が表示されている状態において、その中から1以上のオブジェクトが選択状態になるようにするために、表示部16上で行われる第1操作(タッチ操作)を検出すると、この第1操作の操作位置(タッチ領域)とオブジェクトの表示位置(オブジェクト表示領域)に基づいて選択状態になる候補のオブジェクト(選択候補のオブジェクト)を特定するようにしている。
【0020】
表示部16に表示されている複数のオブジェクトの中から1以上の選択候補のオブジェクトを特定すると、この選択候補のオブジェクトは、指で掴むことができるような表示態様に変更される。例えば、矩形のオブジェクトの角部が捲られたような形状に変形される。この状態において、表示部16上で行われる第2操作(タッチ操作)を検出すると、中央制御部11は、第1操作のタッチ領域と第2操作のタッチ領域に基づいて選択候補のオブジェクトを選択状態にする。なお、上述した第1操作は、選択候補のオブジェクトを特定するための操作であり、第2操作はその選択候補のオブジェクトを選択状態にするための操作である。
【0021】
キー操作部18は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを入力するもので、中央制御部11は、入力操作信号に応じた処理を実行する。RTC(リアルタイムクロックモジュール)19は、時計部を構成するもので、中央制御部11は、RTC19から現在日時を取得する。報知部20は、サウンドスピーカ21、LED(発光ダイオード)22、振動モータ23を備え、着信時に駆動されて着信報知を行うほか、アラーム報知時などでも駆動される。
【0022】
図3は、携帯電話機1の外観図である。
携帯電話機1は、その機器本体(装置本体)を構成する複数の筐体の連結状態に応じて複数のスタイルに変更可能な2軸ヒンジタイプで、操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとは、折り畳み開閉自在及び回動自在にヒンジ部1Cを介して連結されている。ヒンジ部1Cには操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとを折り畳み開閉するための開閉用ヒンジ軸が設けられているほか、この開閉用ヒンジ軸と略直交して、一方の筐体を他方の筐体に対して回動するための回動用ヒンジ軸とが設けられている。
【0023】
このような2軸ヒンジタイプの携帯電話機1は、操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとが、どのように連結されているかに応じて携帯電話機1の形態を複数のスタイル(クローズスタイル、オープンスタイル、反オープンスタイル、ビュースタイル)に変更可能なもので、
図3(a)は、操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとの折り畳みを開いた状態のオープンスタイルを示している。なお、操作部筐体1Aの内面には、キー操作部18が配置され、また、表示部筐体1Bの内面には、タッチ画面TDが配置されている。なお、操作部筐体1Aの内面側には、通信用マイクMCが配置され、表示部筐体1Bの内面には、通信用スピーカSPが配置されている。
図3(b)は、オープンスタイルにおいて表示部筐体1Bを180度反転させてから折り畳んだ状態のビュースタイルを示し、オープンスタイルで内側となっていたタッチ画面TDは、ビュースタイルでは外側に向くようになる。
【0024】
次に、この第1実施形態における携帯電話機1の動作概念を
図4〜
図7に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0025】
図4は、携帯電話機1の全体動作の概要を示したフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、電源を投入する電源オン操作が行われると(ステップA1でYES)、電源供給を開始させて所定のメモリなどを初期化する電源オン処理を実行したのち、所定の待受画像を読み出して表示させたり、基地局2Aとの間で通信を行って位置登録をしたりする待受処理を行ったのち(ステップA2)、操作部20をアクセスして操作有無をチェックし、オブジェクト表示操作の有無を調べる(ステップA3)。ここで、“オブジェクト表示操作”とはオブジェクトを表示させるための操作で、例えば、データを削除するための任意のデータアイコン表示操作、アドレス帳のデータアイコン表示操作、機能アイコン(メニュー)表示操作などであり、このオブジェクト表示操作が行われると、それに応答して、後で詳述するオブジェクト制御処理の実行に移る(ステップA4)。
【0026】
また、着信を検出すると(ステップA5でYES)、通話可能状態とすると共に、通話履歴を記憶したり、通話に関する情報を表示したりする通話処理を実行したのち(ステップA6)、上述のステップA3に戻る。また、電源オフ操作が行われたときには(ステップA7でYES)、電源オフ処理を実行して(ステップA8)、このフローの終了となるが、その他の操作が行われたときには(ステップA9でYES)、その操作に応じた処理として、例えば、通話発信処理、メール発信処理などを実行する(ステップA10)。
【0027】
図5は、上述のオブジェクト制御処理(
図4のステップA4)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、オブジェクト表示処理を実行し、オブジェクトをタッチ画面TDに表示させる。例えば、オブジェクトとして、
図8(a)に示すようにデータを削除するための任意のデータアイコンを表示させたり、
図8(b)に示すようにアドレス帳のデータを並べ替えるためのデータアイコンを表示させたり、
図8(c)に示すように機能を並べ替えるためのアイコン(メニュー)を表示させりする(ステップB1)。
【0028】
なお、
図8(a)において、「a」〜「k」のアイコンのうち、選択状態になったアイコンを「ゴミ箱」の位置まで移動させると、そのアイコンのデータは削除される。なお、複数のアイコンを選択状態にすれば、その各アイコンのデータを一括して削除することもできる。また、
図8(b)において、選択状態になったアドレス帳のデータアイコンを移動させると、このデータアイコンは移動先のデータアイコンと入れ替わる。また、
図8(c)において、選択状態になった機能アイコンを移動させると、この機能アイコンは移動先の機能アイコンと入れ替わる。このようにタッチ画面TDに表示されている複数のオブジェクトの中から1以上のオブジェクトを選択状態にするための選択処理を実行したのち(ステップB2)、この選択状態になったオブジェクトを他の位置まで移動する移動処理に移る(ステップB3)。
【0029】
次に、
図6のフローチャートを参照して上述の選択処理(
図5のステップB2)を詳述する。以下、この選択処理を
図9の表示例に基づいて具体的に説明するものとする。なお、
図9は、アイコン(オブジェクト)を拡大した状態を示した表示例で、このオブジェクトを2本の指(例えば、親指と人差し指)で掴むようなタッチ操作で当該オブジェクトの表示形態が遷移する様子を例示した図である。
先ず、中央制御部11は、接触操作部17からの操作信号に基づいてタッチ画面TDへのタッチ操作の有無を調べながら操作待ち状態となる(ステップC1)。いま、タッチ画面TD上で行われるタッチ操作を検出すると(ステップC1でYES)、このタッチ操作を第1操作としてその操作位置(タッチ領域)を検出したのち(ステップC2)、各オブジェクトの表示位置(オブジェクト表示領域)を検出する(ステップC3)。
【0030】
そして、検出したタッチ領域とオブジェクト表示領域に基づいて選択候補のオブジェクトを特定する(ステップC4)。例えば、タッチ領域と表示領域が重なるオブジェクトを選択候補として特定したり、タッチ領域から所定距離内に表示されているオブジェクトを選択候補として特定したりする。そして、タッチ領域とオブジェクト表示領域に基づいてオブジェクトの一部の表示態様を、特定されたことを示す表示態様(指で掴むことができるような表示態様)に変更する(ステップC5)。
【0031】
例えば、
図9(a)に示すように矩形の「1」のオブジェクトが表示されている状態において、第1操作として親指で「1」のオブジェクト上がタッチされたものとすると、
図9(b)に示すように、「1」のオブジェクトの枠線を太くするほか、タッチ領域の近傍の角部として、親指の近くの角部(右下角部)が捲れたような形状となるようにその部分を変形、言い換えれば、その部分を指で掴むことができるような表示態様(視覚的に摘みたくなるような表示態様)に変更することによって、選択候補として特定されたオブジェクトであることを明示する。なお、指のタッチ領域が、例えば、オブジェクトの左上の位置であれば、オブジェクトの左上角部が捲れたような表示態様に変更される。
【0032】
この状態において、オブジェクトの右下角部を2本指(親指と人差し指)で掴むように、親指をタッチしたまま人差し指をタッチすると、中央制御部11は、この人差し指によるタッチ操作を表示部16上で行われる第2操作として検出すると共に(ステップC6)、そのタッチ領域を検出する(ステップC7)。そして、第1操作のタッチ領域(親指のタッチ領域)と第2操作のタッチ領域(人差し指のタッチ領域)とを比較し、両方のタッチ領域は近いかを調べ(ステップC8)、両方が距離的に離れていれば(ステップC8でNO)、タッチ操作のやり直しを可能とするために上述のステップC6に戻る。
【0033】
また、
図9(c)に示すように両方のタッチ領域が距離的に近ければ(ステップC8でYES)、その選択候補のオブジェクトを選択状態にすると共に(ステップC9)、選択状態になったことを明示するためにそのオブジェクトの全体又は一部の表示色を変えたり、点滅したりして当該オブジェクトを識別表示させる(ステップC10)。そして、選択状態になったオブジェクトに対応する選択フラグ(図示せず)をオンする(ステップC11)。なお、この選択フラグは、選択状態になったオブジェクトであることを示すためのフラグで、選択可能なオブジェクトの数が2以上であれば、2以上のオブジェクトが選択状態になってそれらの選択フラグがオンされる。
【0034】
なお、
図9(d)〜(f)は、他の表示例を示したもので、上述した
図9(a)〜(c)では、タッチ領域がオブジェクト表示領域に重なる場合を例示し、かつ、タッチ領域の近くの角部を変形する場合を例示したが、
図9(d)〜(f)では、タッチ領域がオブジェクト表示領域に重ならなくても、オブジェクトから所定の距離内(例えば、オブジェクトのサイズに相当する距離内)にあればよく、また、変形する角部もタッチ領域の近くの角部に限らず、所定の角部とした場合を例示している。すなわち、
図9(d)に示すように「1」のオブジェクトが表示されている状態において、
図9(e)に示すように、第1操作として親指でオブジェクトの外側をタッチすると、このオブジェクトの枠線が太くなるほか、指で掴むことができるような表示態様として、所定の角部(図示の例では、右下角部)が捲れたような表示態様に変形される(ステップC1〜C5)。
【0035】
この状態において、
図9(f)に示すように、第2操作として人指し指でオブジェクトの外側をタッチすると、第1操作のタッチ領域(親指のタッチ領域)と第2操作のタッチ領域(人差し指のタッチ領域)とを比較し、両方のタッチ領域は近いかを調べるが(ステップC8)、いま、
図9(f)のように両方のタッチ領域が距離的に近ければ、そのオブジェクトを選択状態にすると共に(ステップC9)、選択状態になったことを明示するためにそのオブジェクトの全体又は一部の表示色を変えたり、点滅したりして当該オブジェクトを識別表示させる(ステップC10)。このようにタッチ領域がオブジェクトの外側であってもオブジェクトから所定の距離内にあればよいので、小型の表示部16のようにオブジェクト自身が小さく表示されていても、オブジェクトを掴む操作はしやすくなる。
【0036】
次に、
図7のフローチャートを参照して上述の移動処理(
図5のステップB3)を詳述する。
先ず、中央制御部11は、上述の選択処理によって選択状態になったオブジェクト(選択フラグがオンになっているオブジェクト)に対して移動操作が行われたかを調べる(ステップD1)。ここで、移動操作とは、第1操作及び又は第2操作の移動を意味している。つまり、上述した選択処理において最初のタッチ操作(第1操作)と2番目のタッチ操作(第2操作)の両方を移動する場合でもよいし、どちらか一方のタッチ操作を移動する場合であってもよいことを意味している。いま、
図9(c)に示す状態においてユーザが親指と人差し指の両方を移動したり、どちらか一方の指を移動したりすると(ステップD1でYES)、中央制御部11は、この移動操作に応じて移動先の新たなタッチ領域を検出すると共に(ステップD2)、選択状態となっているオブジェクトをその新たなタッチ領域まで移動させる(ステップD3)。なお、移動操作が第1操作及び第2操作の移動であれば、それらの中間点を新たなタッチ領域として検出し、この中間点に選択状態になっているオブジェクトを移動させるようにしてもよい。
【0037】
このような移動処理(
図5のステップB3)が終わると、タッチ操作が解除されたかを検出し、それが解除されるまで待ち状態となる(ステップB4)。いま、タッチ操作が解除されると、選択状態になっているオブジェクトの表示形態を元の状態である通常表示に戻したのち(ステップB5)、そのオブジェクトの選択フラグをオフする(ステップB6)。すなわち、オブジェクトが選択状態になったのち、第1操作及び第2操作が解除された場合には、このオブジェクトの選択状態を解除する。その後、各機能に応じた処理を実行する(ステップB7)。例えば、データを削除するために、データアイコンがゴミ箱の上に移動されたときには、アイコンの表示を消してデータを削除する処理を実行し、並べ替えるためにアドレス帳データアイコンや機能アイコンが他の位置まで移動されたときには、移動先にあるアイコンと入れ替えたりする処理を実行する。
【0038】
以上のように、この第1実施形態においては、第1操作(例えば、親指タッチ)に応じてオブジェクトを特定し、第2操作(例えば、人差し指タッチ)に応じてそのオブジェクトを選択状態になるようにしたので、ユーザは、あたかも第1操作で物に触り、続いて第2操作で物を掴むという現実の感覚に近い直感的な操作で、オブジェクトを容易に選択状態にすることができ、ユーザの意図に応じて適切にオブジェクトを選択状態にすることが可能となる。
【0039】
特定したオブジェクトの表示態様を変更するようにしたので、ユーザはオブジェクトの表示態様を確認しながら所望のオブジェクトを選択状態にすることができる。
【0040】
オブジェクトの一部分を変更する場合に、第1操作の操作位置に近い部分の表示態様を変更するようにしたので、ユーザに第1操作の操作位置の近傍で第2操作を行えばよいということを連想させることができる。
【0041】
オブジェクトを掴むことができるような表示態様に変更するようにしたので、ユーザは、物を掴むという現実の感覚に近い直感的な操作で、オブジェクトを容易に選択状態にすることができる。
【0042】
複数のオブジェクトが表示されている場合には、第1操作の操作位置と複数のオブジェクトの表示位置とに応じて選択候補のオブジェクトを特定するようにしたので、ユーザは容易に複数のオブジェクトの中から所望のオブジェクトを選択状態にすることができる。例えば、第1操作の操作位置と重なる表示位置のオブジェクトを選択候補として特定するようにすれば、ユーザは所望のオブジェクトの表示位置で第1の操作を行うだけで容易にオブジェクトを選択状態にすることができる。また、例えば、第1操作の操作位置に最も近い表示位置のオブジェクトを選択候補として特定するようにすれば、ユーザは所望するオブジェクトの表示位置の近傍で第1の操作を行うだけで容易にそのオブジェクトを選択状態にすることができる。
【0043】
また、選択状態になったオブジェクトを第1操作及び又は第2操作の操作位置の移動に応じて移動するようにしたので、ユーザは、掴んだ物を移動させるという現実の感覚に近い直感的な操作で、オブジェクトを容易に移動させることができる。
【0044】
オブジェクトが選択状態になったのち、第1操作及び第2操作が解除された場合に、オブジェクトの選択状態を解除するようにしたので、ユーザは、掴んだ物を離すという現実の感覚に近い直感的な操作で、オブジェクトの選択状態を容易に解除することができる。
【0045】
第1操作及び第2操作を、表示部16に対する接触操作(タッチ操作)としたので、ユーザは、操作対象のオブジェクトの表示位置やその近傍で接触操作を行うだけで、選択候補のオブジェクトの特定やオブジェクトの選択を容易に行うことができる。
【0046】
(実施形態2)。
以下、この発明の第2実施形態について
図10〜
図12を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態の選択処理では、選択候補のオブジェクトを特定するための第1操作としてタッチ操作を示したが、第2実施形態の選択処理では、タッチ操作後の押圧操作(タッチだけでなく押し込む操作)を選択候補のオブジェクトを特定するための第1操作としたものである。また、第1実施形態の移動処理では、タッチ操作が移動された場合に選択状態となっているオブジェクトを移動するようにしたが、第2実施形態の移動処理では、第1操作及び第2操作が解除されたのち、再度のタッチ操作を検出した場合に、その操作位置に基づいて、選択状態になっているオブジェクトを移動するようにしたものである。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0047】
図10は、第2実施形態における選択処理(
図5のステップB2)を詳述するためのフローチャートである。以下、この選択処理を
図12の表示例に基づいて具体的に説明するものとする。なお、
図12は、アイコン(オブジェクト)を拡大した状態を示した表示例で、このオブジェクトを親指と人差し指で掴むようにタッチ操作することで当該オブジェクトの表示形態が遷移する様子を例示した図である。
先ず、中央制御部11は、タッチ操作の有無を調べながら操作待ち状態となる(ステップE1)。いま、表示部16上で行われる第1操作(タッチ操作)を検出すると(ステップE1でYES)、そのタッチ領域を検出したのち(ステップE2)、各オブジェクトの表示位置(オブジェクト表示領域)を検出する(ステップE3)。
【0048】
そして、検出したタッチ領域とオブジェクト表示領域に基づいて、押し込み操作の対象になるオブジェクトを特定する(ステップE4)。例えば、タッチ領域と表示領域が重なるオブジェクトを特定したり、タッチ領域から所定距離内に表示されているオブジェクトを特定したりする。そして、オブジェクトの表示態様を、例えば、オブジェクトの枠線を太くするなど、押し込み操作の対象となったことを明示する表示態様に変更する(ステップE5)。例えば、
図12(a)に示すように矩形の「1」のオブジェクトが表示されている状態において、第1操作として「1」のオブジェクトの上を親指でタッチしたものとすると、
図12(b)に示すように、「1」のオブジェクトの枠線が太くなる。
【0049】
このように第1操作としてオブジェクトの上を親指でタッチしている状態において、タッチしながら指の押し込む押圧操作が行われると(ステップE6でYES)、この押圧操作の対象となったオブジェクトを選択候補のオブジェクトとして特定する(ステップE7)。例えば、タッチ領域と表示領域が重なるオブジェクトを選択候補として特定したり、タッチ領域から所定距離内に表示されているオブジェクトを選択候補として特定したりする。そして、タッチ領域とオブジェクト表示領域に基づいて、オブジェクトの表示態様を変更する(ステップE8)。例えば、
図12(c)に示すように、タッチ領域の近傍の角部(右下角部)が捲れたような形状となるようにその部分を変形(指で掴むことができるような表示態様に変更)して、選択候補として特定されたことを明示する。
【0050】
この状態において、例えば、その右下角部を親指と人差し指で掴むように、親指をタッチしたまま人差し指をタッチすると、中央制御部11は、この人差し指によるタッチ操作を表示部16上で行われる第2操作として検出して(ステップE9)、そのタッチ領域を検出する(ステップE10)。そして、第1操作のタッチ領域(親指のタッチ領域)と第2操作のタッチ領域(人差し指のタッチ領域)とは距離的に近いかを調べ(ステップE11)、両方のタッチ領域が離れていれば、タッチ操作のやり直しを可能とするために上述のステップE9に戻る。
【0051】
また、
図12(d)に示すように両方のタッチ領域が近ければ(ステップE11でYES)、その選択候補のオブジェクトを選択状態にして(ステップE12)、選択状態になったことを明示するためにそのオブジェクトの全体又は一部の表示色を変えたり、点滅したりして当該オブジェクトを識別表示させる(ステップE13)。そして、この識別表示されたオブジェクトに対応する選択フラグ(図示せず)をオンする(ステップE14)。
【0052】
なお、
図10の選択処理では、タッチ操作後の押圧操作を選択候補のオブジェクトを特定するための第1操作とした場合を示したが、選択候補のオブジェクトを選択状態にするための第2操作であってもよく、タッチ操作後の押圧操作を第1操作及び第2操作としてもよい。
【0053】
図11は、第2実施形態における移動処理(
図5のステップB3)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、上述した第1操作及び第2操作(親指と人差し指によるタッチ操作)が解除されたことを検出したのち(ステップF1でYES)、再度のタッチ操作(第1操作及び又は第2操作)を検出すると(ステップF2でYES)、そのタッチ領域を検出したのち(ステップF3)、選択状態になっているオブジェクト(選択フラグがオンになっているオブジェクト)を当該タッチ領域まで移動する(ステップF4)。
【0054】
以上のように、この第2実施形態においては、第1操作及び第2操作の少なくともいずれか一方を、表示手段に対する押圧操作としたので、ユーザは、操作対象のオブジェクトの表示位置やその近傍で押圧操作を行うだけで、選択候補のオブジェクトの特定やオブジェクトの選択を容易に行うことができる。また、物を掴むという現実の感覚に近い直感的な操作で、オブジェクトを操作することができる。
【0055】
また、オブジェクトが選択状態になったのち、第1操作及び第2操作が解除され、再度の行われた第1操作及び又は第2操作の操作位置に応じて、選択状態になったオブジェクトを移動するようにしたので、ユーザは、物を掴んで持ち上げ移動先に下ろすという現実の感覚に近い直感的な操作で、オブジェクトを容易に移動させることができる。また、ユーザは誤って第1操作や第2操作を解除してもオブジェクトを移動させることができる。
【0056】
(実施形態3)。
以下、この発明の第3実施形態について
図13〜
図15を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態の選択処理では、第1操作、第2操作の操作位置(タッチ領域)が近いときに、選択候補のオブジェクトを選択状態にするようにしたが、第3実施形態では、第1操作、第2操作のタッチ領域及び操作タイミングが近いときに、選択候補のオブジェクトを選択状態にするようにしたものである。また、第1実施形態の移動処理では、タッチ操作が移動された際に、選択状態となっているオブジェクトを移動するようにしたが、第3実施形態の移動処理では、第1操作、第2操作のタッチ領域及び操作タイミングが近いときに、選択状態となっているオブジェクトを移動するようにしたものである。ここで、第1実施形態から第3実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第3実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0057】
図13は、第3実施形態における選択処理(
図5のステップB2)を詳述するためのフローチャートである。以下、この選択処理を
図15の表示例に基づいて具体的に説明するものとする。なお、
図15は、アイコン(オブジェクト)を拡大した状態を示した表示例で、このオブジェクトを親指と人差し指で掴むようにタッチ操作することによって当該オブジェクトの表示形態が遷移する様子を例示した図である。
先ず、中央制御部11は、タッチ画面TDへのタッチ操作の有無を調べながら操作待ち状態となる(ステップG1)。
【0058】
いま、例えば、
図15(a)に示すように矩形の「1」のオブジェクトが表示されている状態において、第1操作として、例えば、親指によるタッチ操作を検出すると(ステップG1でYES)、そのタッチ領域を検出すると共に(ステップG2)、その操作タイミングを検出する(ステップG3)。同様に、第2操作(例えば、人差し指によるタッチ操作)を検出すると(ステップG4でYES)、そのタッチ領域を検出すると共に(ステップG5)、その操作タイミングを検出する(ステップG6)。なお、操作タイミングとしては、それぞれのタッチ操作の時刻を検出してもよいし、最初のタッチ操作を検出したときにタイマを起動し、次のタッチ操作までの時間を計測してもよい(以下、同様)。
【0059】
そして、第1操作、第2操作のタッチ領域は距離的に近いかを調べ(ステップG7)、距離的に離れていれば、タッチ操作のやり直しを可能とするために上述のステップG1に戻るが、
図15(b)に示すように、「1」のオブジェクトの左外側を親指でタッチし、その右外側を人差し指で略同時にタッチした場合のように、両方のタッチ領域が距離的に近ければ(ステップG7でYES)、両方の操作タイミングは近いか(第1操作及び第2操作の操作タイミングの差が所定時間以内か)、例えば、両方の操作タイミングの差が1秒以内であるかを調べる(ステップG8)。
【0060】
いま、時間的に近くなければ(ステップG8でNO)、タッチ操作のやり直しを可能とするために上述のステップG1に戻るが、例えば、
図15(b)に示すように、親指と人差し指で略同時にタッチした場合のように、両方の操作タイミングが時間的に近ければ(ステップG8でYES)、タッチ領域とオブジェクト表示領域に基づいて選択候補のオブジェクトを特定する(ステップG9)。例えば、タッチ領域と表示領域が重なるオブジェクトを選択候補として特定したり、タッチ領域から所定距離内に表示されているオブジェクトを選択候補として特定したりする。
【0061】
そして、タッチ領域とオブジェクト表示領域に基づいて、オブジェクトの表示態様を、特定されたことを示す表示態様に変更する(ステップG10)。例えば、
図15(b)に示すように、オブジェクトの枠線を太くするほかに、タッチ領域の近傍の角部(右下角部)が捲れたような形状となるようにその部分を変形して、選択候補として特定したことを明示する。そして、この選択候補のオブジェクトを選択状態にすると共に(ステップG11)、選択状態になったことを明示するためにそのオブジェクトの全体又は一部の表示色を変えたり、点滅したりして当該オブジェクトを識別表示させる(ステップG12)。そして、この識別表示されたオブジェクトに対応する選択フラグ(図示せず)をオンする(ステップG13)。
【0062】
図14は、第3実施形態における移動処理(
図5のステップB3)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、上述した第1操作及び第2操作(親指と人差し指によるタッチ操作)が解除されたことを検出したのち(ステップH1でYES)、再度のタッチ操作を検出すると(ステップH2でYES)、このタッチ操作を第1操作としてそのタッチ領域を検出すると共に(ステップH3)、その操作タイミングを検出する(ステップH4)。同様に、第2操作としのタッチ操作を検出すると(ステップH5でYES)、そのタッチ領域を検出すると共に(ステップH6)、その操作タイミングを検出する(ステップH7)。
【0063】
そして、第1操作、第2操作のタッチ領域は距離的に近いかを調べ(ステップH8)、距離的に離れていれば、タッチ操作のやり直しを可能とするために上述のステップH2に戻るが、両方のタッチ領域が距離的に近い場合には(ステップH8でYES)、両方の操作タイミングは時間的に近いか、例えば、両方の操作タイミングの時間差が1秒以内であるかを調べる(ステップH9)。いま、時間的に近くなければ、タッチ操作のやり直しを可能とするために上述のステップH2に戻るが、両方の操作タイミングが時間的に近ければ(ステップH9でYES)、選択状態になっているオブジェクト(選択フラグがオンになっているオブジェクト)を移動する(ステップH10)。この場合、移動先となる新たなタッチ領域は、第1操作のタッチ領域と第2操作のタッチ領域の中間点又はその一方の操作のタッチ領域であってもよい。
【0064】
以上のように、この第3実施形態においては、第1操作及び第2操作の操作タイミングに応じてオブジェクトを選択状態にするか否かを制御するようにしたので、ユーザは所定の操作タイミングで行われる第1操作及び第2操作という2つの操作でオブジェクトを選択状態にすることができ、誤操作でオブジェクトを選択状態にすることを防止することができる。また、あたかも第1操作と第2操作で物を掴むという現実の感覚に近い直感的な操作で、オブジェクトを容易に選択状態にすることができる。
【0065】
第1操作及び第2操作の操作タイミングの差が所定時間以内の場合に、オブジェクトを選択状態にするようにしたので、ユーザは、第1操作と第2操作で物を掴むという現実の感覚に近い直感的な操作で、オブジェクトを容易に選択状態にすることができる。
【0066】
また、選択状態になったオブジェクトの表示態様を変更するようにしたので、ユーザはオブジェクトが選択状態になったことを確認することができる。
【0067】
選択状態になったオブジェクトを第1操作及び又は第2操作の操作位置の移動に応じて移動するようにしたので、ユーザは、掴んだ物を移動させるという現実の感覚に近い直感的な操作で、オブジェクトを容易に移動させることができる。
【0068】
オブジェクトが選択状態になったのち、第1操作及び第2操作が解除され、再度の行われた第1操作及び又は第2操作の操作位置に応じて、選択状態になったオブジェクトを移動するようにしたので、ユーザは、物を掴んで持ち上げ移動先に下ろすという現実の感覚に近い直感的な操作で、オブジェクトを容易に移動させることができる。また、ユーザは誤って第1操作や第2操作を解除してもオブジェクトを移動させることができる。
【0069】
なお、上述した各実施形態においては、複数オブジェクト表示として、データを削除するための任意のデータアイコン表示、アドレス帳データアイコン表示、機能アイコン(メニュー)表示を表示例としたが、任意のアイコン表示であってもよい。また、オブジェクトの表示位置やサイズは、実施形態で示したものに限らず、例えば、不規則な位置に表示されたオブジェクト、又はサイズや形状が異なるオブジェクトなど、任意のオブジェクトであってもよい。
【0070】
上述した各実施形態においては、タッチ操作の操作位置やオブジェクトの表示位置として、タッチ領域や表示領域を利用したが、その領域の中心などの操作点、表示点を利用するようにしてもよい。
【0071】
また、上述した各実施形態においては、第1操作及び第2操作を表示手段に対する接触操作(タッチ操作)としたが、表示手段上で行われる非接触操作としてもよい。また、第1操作、第2操作のいずれか一方を接触操作とし、他方を非接触操作としてもよい。例えば、静電容量などで近距離に存在する物体の動きを検出する非接触センサを配設しておけば、ユーザは、操作対象のオブジェクトの表示位置やその近傍で非接触操作を行うだけで、選択候補のオブジェクトの特定やオブジェクトの選択を容易に行うことができる。
【0072】
また、選択処理と移動処理の組み合わせは上述した各実施形態の組み合わせに限らない。例えば、第1実施形態の選択処理と第2実施形態の移動処理の組み合わせ、第3実施形態の選択処理と第1実施形態の移動処理の組み合わせのように、任意の組み合わせでよい。
【0073】
また、上述した各実施形態においては、オブジェクトを2次元で表示されているものとしたが、立体表示が可能な表示部で3次元表示されているオブジェクトでもよい。
その他、端末装置としては、携帯電話機に限らず、パーソナルコンピュータ、PDA、デジタルカメラ、音楽プレイヤーなど、任意の端末装置であってもよい。