【実施例】
【0020】
表1〜表4記載の各成分は以下のとおりである。
a)MGDA:
メチルグリシンジ酢酸3ナトリウム(BASF社製、Trilon M)
a)の比較品:
比較品1;クエン酸ナトリウム(磐田化学社製)
比較品2;STPP:トリポリリン酸ナトリウム(関東化学社製)
比較品3;EDTA:エチレンジアミン4酢酸ナトリウム(BASF社製 Trilon B)
比較品4;NTA:ニトリロトリ酢酸ナトリウム(BASF社製 Trilon A)
【0021】
b)MA剤:
MAコポリマー:アクリル酸/マレイン酸共重合体(BASF社製 ソカランCP7 重量平
均分子量5万)
b)の比較品:
比較品1;ポリアクリル酸(BASF社製 ソカランPA30)
比較品2;疎水変性されたポリカルボキシレート(BASF社製 ソカランCP9)
【0022】
c)リパーゼ:
リパーゼ1;ノボザイムズ社製(Lipex100T 力価 100LU/g)
リパーゼ2;ノボザイムズ社製(Lipolase100T 力価 100LU/g)
【0023】
d)ノニオン界面活性剤:
− ノニオン界面活性剤1:
式(1−3)で表されるノニオン界面活性剤(R=炭素数12〜13のアルキル基、AO=炭素数3のアルキレンオキシド、p=3、q=3;ライオン化学製 NNAEP-3030)
− ノニオン界面活性剤2:
式(1−3)で表されるノニオン界面活性剤(R=炭素数13〜15のアルキル基、AO=炭素数3のアルキレンオキシド、p=2、q=5;BASF社製 プルラファックLF403
− ノニオン界面活性剤3:
式(1−1)で表されるノニオン界面活性剤。R
1=天然アルコール由来の炭素数12及び14アルキル基(C12/C14=75/25)、AO=炭素数3のアルキレンオキシド、p=3、q=4、r=2の順にブロック付加させて得られたノニオン界面活性剤。
ノニオン界面活性剤3 の合成:
P&G社製の天然アルコールCO−1270の224.4gと、30質量%NaOH水溶液の2.0gとを耐圧型反応容器中に採取し、容器内を窒素置換した。次に温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水してから、温度を160℃まで昇温した。アルコールを攪拌しながら酸化エチレン(ガス状)102gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながらアルコールの液中に徐々に加えて反応させた。
酸化エチレンの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、さらに酸化プロピレン(ガス状)268gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながら徐々に加えて反応させた。温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、さらに酸化エチレン102gを反応させた。熟成後、未反応の酸化エチレンを留去した後、温度を100℃以下まで冷却し、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、ノニオン界面活性剤3を得た。
− ノニオン界面活性剤4:
式(1−2)で表されるノニオン界面活性剤。R
2=炭素数11及び13アルキル基、R
3=メチル基、AO=炭素数3のアルキレンオキシド、p=3、q=1、r=0となるようにランダムに付加したノニオン界面活性剤。
ノニオン界面活性剤4の合成:
化学組成が2.5MgO・Al2O3・nH2Oである水酸化アルミナ・マグネシウム(協和化学工業(株)製、商品名:キョーワード300)を、600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して得られた焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5規定の水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル280g及びミリスチン酸メチルエステル70gとを4リットルオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、昇温を行い、温度を180℃、圧力を3atmに維持しつつ、酸化エチレン211gおよび酸化プロピレン93gを導入し、撹拌しながら反応させた。さらに、反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土及び珪藻土をそれぞれ5g添加した後、触媒を濾別して、ノニオン界面活性剤4を得た。
d)の比較品:
ポリオキシエチレン(20)ラウリルエーテル(日本エマルジョン製 エマレックス720)
【0024】
任意成分:
硫酸ナトリウム(日本化学(株)製 中性無水芒硝)
水(イオン交換水)
共通成分:X
無機過酸化物:過炭酸ナトリウム(日本パーオキサイド製、商品名:PC-A 20%)
TAED:テトラアセチルエチレンジアミン(クラリアント製 ペラクティブAN 1%)
炭酸ナトリウム(旭硝子社製、粒灰 15%)
アミラーゼ(ノボザイムズ社製、デュラミル120T)1%
プロテアーゼ(ノボザイムズ社製、エバラーゼ8.0T)1%
植物抽出物(豊玉香料社製、水溶性ローズマリーエキス)0.2%
アルミン酸:アルミン酸ナトリウム(住友化学社製、NAP-120)0.1%
消泡剤(ダウ コーニング社製、2-4248S) 0.3%
香料:特開2002-146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A 0.05%
無水ケイ酸(トクヤマ社製、トクシールNP) 2%
共通成分:Y
炭酸ナトリウム(旭硝子社製、粒灰 15%)
アミラーゼ(ノボザイムズ社製、デュラミル120T)1%
プロテアーゼ(ノボザイムズ社製、エバラーゼ8.0T)1%
植物抽出物(豊玉香料社製、水溶性ローズマリーエキス)0.2%
アルミン酸:アルミン酸ナトリウム(住友化学社製、NAP-120)0.1%
消泡剤(ダウ コーニング社製、2-4248S) 0.3%
香料:特開2002-146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A 0.05%
無水ケイ酸(トクヤマ社製、トクシールNP) 2%
【0025】
評価法
〔再汚染防止能及び油洗浄力〕
牛脂/ラード/バター/サラダ油=3/3/3/1の混合油8gをのせた直径21cm陶器皿2枚と、レトルトカレー(ボンカレーゴールド21 辛口)8gをのせた直径15cm陶器皿2枚のモデル汚垢を用意した。
洗浄前に油付着、石鹸スカムの付着のないことを確認した紺色のポリプロピレン(PP)製弁当箱(縦110mm、横170mm、高さ35mm)を、モデル汚垢を付着させた陶器皿4枚と共に、自動食器洗い乾燥機「パナソニック(株)製、機種NP−40SX2」にセットし、実施例及び比較例の組成物6gを使用して標準コース洗浄を行った。
洗浄後、PP製弁当箱へのモデル汚垢及び石鹸スカムの付着の程度並びに油洗浄力を以下の基準で評価した。
【0026】
(i)モデル汚垢付着に基づく再汚染防止能の評価
洗浄後の紺色PP製弁当箱の油付着の程度を手触りで評価した。○以上を合格とした。
◎:油の残留した感触が全くない
○:油の残留した感触が極僅かに感じられる。
△:油の残留した感触が感じられる。
×:油がべっとりと残っている。
【0027】
(ii)石鹸スカム付着のなさに基づく再汚染防止能
洗浄後の紺色PP製弁当箱の石鹸スカム付着の程度を目視で評価した。○以上を合格とした。
◎:石鹸スカムの付着が全く見られない
○:石鹸スカムが極僅かに付着している
△:石鹸スカムがかなり付着している
×:石鹸スカムが全面に付着している
【0028】
(iii)油洗浄力
洗浄後の紺色PP製弁当箱の油付着の程度を手触りで評価した。○以上を合格とした。
◎:陶器皿の油汚れがすっきり落ちて、油の残留した感触もなく、PP製弁当箱の油再付着も認められず、食器洗い機庫内面(隅の部分)にも油の残留した感触がない。
○:陶器皿の油汚れがすっきり落ちて、油の残留した感触もないが、PP製弁当箱の油再付着が極僅かに認められ、食器洗い機庫内面(隅の部分)にも極僅かに油の残留した感触がある。
△:陶器皿の油汚れは落ちているように見えるが、触ってみると油の残留した感触があり、PP製弁当箱の油再付着が認められ、食器洗い機庫内面(隅の部分)にも油の残留した感触がある。
×:陶器皿の油汚れが残っており、触ってみると明らかに油の残留した感触があり、PP製弁当箱の油再付着が認められ、食器洗い機庫内面(隅の部分)にも油の残留した感触がある。
【0029】
〔耐ケーキング性及び洗浄剤基剤臭の劣化抑制〕
実施例1〜38及び比較例1〜38の組成物700gを、幅16cm×奥行き10cm×高さ9cmのポリエチレン(PE)製容器に充填し、40℃、75%RHの条件下に2ヶ月保存する。
(i)保存後の洗浄剤をスプーンですくって、すくいやすさを評価した。
◎:洗浄剤のケーキングがなく、問題なくすくえる
○:洗浄剤の表面にケーキングが認められるが、問題なくすくうことができる
△:洗浄剤のほぼ全体にケーキングが認められるが、スプーンを押し込んですくうことができる
×:洗浄剤全体にケーキングが発生し、スプーンを押し込んでもすくうことができない
【0030】
(ii) 保存後の洗浄剤基剤臭を評価した。
洗浄剤基剤臭評価基準:○以上を合格とする。
◎:基剤臭の劣化がない
○:基剤臭の劣化がやや認められる
△:基剤臭の劣化が認められる
×:著しい基剤臭の劣化が認められる
結果を表1〜表4に示す。なお、表中の数字は、組成物の全量を基準とする質量%を示す。
尚、比較例11及び30は洗浄中に泡立ちが多すぎて食器洗い機が運転停止したため、石鹸スカム付着のなさ、プラスチック食器への油再付着のなさ、油汚れ洗浄力の評価は出来なかった。
【0031】
〔実施例1〜18、比較例1〜19〕
表1〜表2の組成に従い、粒状の食器洗い機用洗浄剤6Kgを調製した。
まず、粉体成分である、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、植物抽出物、アルミン酸、消泡剤をリボンミキサー(株式会社吉田製作所製、リボンミキサー1102−1500型、巾900mm×長さ1800mm×深さ1100mm)に入れ25rpmで攪拌し、次に撹拌しながら液体成分である、(D)成分、および香料をノズルJPX020(株式会社いけうち製)で噴霧(0.4MPa)して液体−粉体混合物を調製した。液体成分の噴霧終了後、該液体−粉体混合物に無水ケイ酸を添加して25rpm、10分間混合した。次いで(A)成分、(B)成分、(C)成分、アミラーゼ、プロテアーゼ、過炭酸ナトリウム、テトラアセチルアチレンジアミンを添加して25rpm、10分間混合して粒状の食器洗い機用洗浄剤を得た。
【0032】
〔実施例19〜38、比較例20〜39〕
表3〜表4の組成に従い、粒状の食器洗い機用洗浄剤6Kgを調製した。
まず、粉体成分である、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、植物抽出物、アルミン酸、消泡剤をリボンミキサー(株式会社吉田製作所製、リボンミキサー1102−1500型、巾900mm×長さ1800mm×深さ1100mm)に入れ25rpmで攪拌し、次に撹拌しながら液体成分である、(D)成分、および香料をノズルJPX020(株式会社いけうち製)で噴霧(0.4MPa)して液体−粉体混合物を調製した。液体成分の噴霧終了後、該液体−粉体混合物に無水ケイ酸を添加して25rpm、10分間混合した。次いで(A)成分、(B)成分、(C)成分およびアミラーゼ、プロテアーゼを添加して25rpm、10分間混合して粒状の食器洗い機用洗浄剤を得た。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】