特許第5686569号(P5686569)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5686569
(24)【登録日】2015年1月30日
(45)【発行日】2015年3月18日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/79 20110101AFI20150226BHJP
   H01R 12/89 20110101ALI20150226BHJP
【FI】
   H01R12/79
   H01R12/89
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2010-242500(P2010-242500)
(22)【出願日】2010年10月28日
(65)【公開番号】特開2012-94444(P2012-94444A)
(43)【公開日】2012年5月17日
【審査請求日】2013年6月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】390012977
【氏名又は名称】イリソ電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001863
【氏名又は名称】特許業務法人アテンダ国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100069981
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 精孝
(74)【代理人】
【識別番号】100087860
【弁理士】
【氏名又は名称】長内 行雄
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100166224
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 成夫
(72)【発明者】
【氏名】吉開 靖芳
(72)【発明者】
【氏名】高根 徹
【審査官】 武山 敦史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−189175(JP,A)
【文献】 実開昭63−141583(JP,U)
【文献】 特開2005−203307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/79
H01R 12/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続対象物が挿入されるコネクタ本体と、コネクタ本体に挿入された接続対象物と接触する複数の端子と、コネクタ本体に上下方向に移動自在に設けられた押圧部材とを備え、押圧部材を所定の上方位置まで移動させると、接続対象物がコネクタ本体に挿入可能となり、接続対象物がコネクタ本体に挿入された状態で押圧部材を下方に移動させると、押圧部材の押圧によって接続対象物がコネクタ本体に保持されるようにしたコネクタにおいて、
前記コネクタ本体に、所定の上下位置よりも上方の幅W1 が下方の幅W2 よりも小さくなる溝状のガイド部を設けるとともに、
押圧部材にガイド部に上下方向に移動自在に係合する係合部を設け、
係合部には、ガイド部の側面に圧接する圧接部と、圧接部の下方に位置する突部とを設けるとともに、
係合部を、圧接部を含む係合部の幅W3 がガイド部の前記上方の幅W1 よりも大きく、突部を含む係合部の幅W4 がガイド部の前記上方の幅W1 とほぼ等しくなるように形成し、
押圧部材の圧接部及び突部がガイド部の前記上下位置よりも上方に移動すると、圧接部がガイド部の側面に摺動しながら圧接し、圧接部を中心とする押圧部材の前後方向の揺動が突部によって規制され、
押圧部材の圧接部及び突部がガイド部の前記上下位置よりも下方に移動すると、圧接部とガイド部との圧接が解除されるように構成した
ことを特徴とするコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプリント基板に実装され、フレキシブルプリント回路(FPC)やフレキシブルフラットケーブル(FFC)等を接続するためのコネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のコネクタとしては、FPCまたはFFC等のフレキシブル回路が上方から挿入されるコネクタ本体と、コネクタ本体に挿入されたフレキシブル回路と接触する複数の端子と、コネクタ本体に上下方向に移動自在に設けられた押圧部材とを備え、押圧部材を所定の上方位置まで移動させると、フレキシブル回路がコネクタ本体に挿入可能となり、フレキシブル回路がコネクタ本体に挿入された状態で押圧部材を下方に移動させると、押圧部材の押圧によってフレキシブル回路をコネクタ本体に保持するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−147311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記コネクタでは、基板に実装された後、フレキシブル回路を接続するために押圧部材を上方に移動させておく必要がある。しかしながら、フレキシブル回路がコネクタ本体に挿入されていない状態では押圧部材が不安定であるため、押圧部材を予め上方に移動させておいても、運搬時や実装時に自重や振動によって下方に移動したり、或いは前後または左右に傾いてしまう。また、前記コネクタを基板に実装する際には、押圧部材の上面を吸着パッドで吸着してコネクタを基板に載置しているが、押圧部材は上方に移動させた状態では不安定であるため、吸着パッドを用いた実装が困難になる。このため、従来では、押圧部材を下方に移動させた状態で基板に実装しているが、この場合は基板実装後のコネクタにフレキシブル回路を接続する際に押圧部材を上方に引き上げる作業が必要となり、フレキシブル回路の接続工程が煩雑になるという問題点があった。
【0005】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、押圧部材を上方に移動させた状態で確実に保持することのできるコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前記目的を達成するために、接続対象物が挿入されるコネクタ本体と、コネクタ本体に挿入された接続対象物と接触する複数の端子と、コネクタ本体に上下方向に移動自在に設けられた押圧部材とを備え、押圧部材を所定の上方位置まで移動させると、接続対象物がコネクタ本体に挿入可能となり、接続対象物がコネクタ本体に挿入された状態で押圧部材を下方に移動させると、押圧部材の押圧によって接続対象物がコネクタ本体に保持されるようにしたコネクタにおいて、前記コネクタ本体に、所定の上下位置よりも上方の幅W1 が下方の幅W2 よりも小さくなる溝状のガイド部を設けるとともに、押圧部材にはガイド部に上下方向に移動自在に係合する係合部を設け、係合部には、ガイド部の側面に圧接する圧接部と、圧接部の下方に位置する突部とを設けるとともに、係合部を、圧接部を含む係合部の幅W3 がガイド部の前記上方の幅W1 よりも大きく、突部を含む係合部の幅W4 がガイド部の前記上方の幅W1 とほぼ等しくなるように形成し、押圧部材の圧接部及び突部がガイド部の前記上下位置よりも上方に移動すると、圧接部がガイド部の側面に摺動しながら圧接し、圧接部を中心とする押圧部材の前後方向の揺動が突部によって規制され、押圧部材の圧接部及び突部がガイド部の前記上下位置よりも下方に移動すると、圧接部とガイド部との圧接が解除されるように構成している。
【0007】
これにより、押圧部材を前記上方位置に移動させると、コネクタ本体及び押圧部材が互いに上下方向に摺動しながら圧接し、押圧部材が前記上方位置に保持されることから、押圧部材が自重や振動により下方に移動することがない。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、押圧部材が自重や振動で下方に移動することがないので、押圧部材を上方位置に確実に保持することができる。これにより、押圧部材を吸着パッドで安定して吸着することができるので、押圧部材を接続対象物が挿入可能な上方位置に移動した状態で基板に実装することができる。従って、基板実装後に押圧部材を引き上げる作業を必要とせず、接続対象物の接続時における作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態を示すコネクタの斜視図
図2】コネクタの側面図
図3】コネクタの部分側面図
図4】押圧部材を上方に移動した状態を示すコネクタの側面断面図
図5】フレキシブル回路を接続した状態を示すコネクタの側面断面図
図6】押圧部材を上方に移動した状態を示すコネクタの側面図
図7】押圧部材を上方に移動した状態を示すコネクタの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1乃至図7は本発明の一実施形態を示すもので、プリント基板に実装されて接続対象物と接続されるコネクタを示すものである。
【0011】
このコネクタは、接続対象物としてのフレキシブル回路1が挿入されるコネクタ本体10と、コネクタ本体10に挿入されたフレキシブル回路1と接触する複数の端子20と、コネクタ本体10に上下方向に移動自在に設けられた押圧部材30と、コネクタ本体10を基板2に固定するための幅方向一対の固定部材40とを備えている。
【0012】
フレキシブル回路1は、いわゆるフレキシブルフラットケーブル(FFC)またはフレキシブルプリント回路(FPC)からなり、その先端側には各端子20と導通する導電部(図示せず)が設けられている。
【0013】
コネクタ本体10は合成樹脂の成形品からなり、その上面はフレキシブル回路1を挿入可能に開口している。コネクタ本体10は、前面部11、背面部12、底面部13及び側面部14を有し、前面部11の下部側には各端子20を挿通する複数の縦長の端子孔11aが互いに幅方向に間隔をおいて設けられている。コネクタ本体10の背面側には固定部材40を固定するための固定部15が設けられ、固定部15は背面部12との間に固定部材40を保持可能な間隔を有している。また、各側面部14には押圧部材30が上下方向に移動自在に係合するガイド部16が設けられ、ガイド部16は上下方向に延びる溝状に形成されている。この場合、ガイド部16は、所定の上下位置Pよりも上方の幅W1 が下方の幅W2 よりも小さくなるように形成されている。
【0014】
各端子20は導電性の金属からなり、コネクタ本体10内にそれぞれ前方から端子孔11aに圧入することにより、端子孔11aの下端側に保持されている。端子20は、前後方向に弾性変形可能な弾性片部21と、端子孔11aに固定される固定片部22と、基板2に接続される接続部23とからなり、弾性片部21はコネクタ本体10内の背面部12に沿って上下方向に延びるように形成されている。弾性片部21の上端側にはフレキシブル回路1の導電部に接触する接触部21aが設けられ、接触部21aは前面部11の下部に向かって前方に山形に突出している。固定片部22は弾性片部21の下端から前方に向かって延びるように形成され、端子孔11aの下端側に圧入されている。接続部23は固定片部22の前端から端子孔11aの外部に延出するように形成され、固定片部22よりも位置が低くなるようにL字状に屈曲している。
【0015】
押圧部材30は合成樹脂の成形品からなり、コネクタ本体10の上方に配置されている。押圧部材30は、コネクタ本体10の上面の前端側を覆う上面部31と、コネクタ本体10内のフレキシブル回路1を押圧する押圧部32と、コネクタ本体10のガイド部15に係合する幅方向一対の係合部33とからなる。上面部31は平面状に形成され、その前端には操作部31aが前方に向かって延設されている。押圧部32は上面部31の下面からコネクタ本体10内に向かって下方に延出しており、コネクタ本体10内の前面部11に前後方向に接触するようになっている。係合部33はガイド部16内に沿って上下方向に延びるように形成され、その幅方向(コネクタ本体10の前後方向)の両側には、ガイド部16の内側面に摺動自在に圧接する幅方向一対の圧接部33aが設けられている。各圧接部33aは、上下方向両端側が傾斜面をなすように形成され、その頂部(上下方向中央側)は平坦状に形成されている。この場合、係合部33は、図3に示すように各圧接部33aの頂部を含む幅W3 がガイド部16の上方の幅W1 よりも大きく、下方の幅W2 よりも小さくなるように形成されている。また、係合部33の幅方向両側には、ガイド部16の内側面に向かって突出する幅方向一対の突部33bが設けられている。各突部33bは圧接部33aの下方に設けられ、圧接部33aと同様、上下方向両端側が傾斜面をなすように形成され、その頂部(上下方向中央側)は平坦状に形成されている。この場合、係合部33は、各突部33bの頂部を含む幅W4 がガイド部16の上方の幅W1 とほぼ等しくなるように形成されている。押圧部材30は、所定の上方位置まで引き上げると、係合部33に設けたストッパ(図示せず)がガイド部16に設けた係止部(図示せず)に係止し、上方への移動が規制されるようになっている。また、押圧部材30は、所定の下方位置まで押し下げると、押圧部材30の上面部31の下面がコネクタ本体10の前面部11の上端に当接し、下方への移動が規制されるようになっている。この場合、押圧部材30の各圧接部33a及び各突部33bは、押圧部材30を前記上方位置まで移動させると、ガイド部16の位置Pよりも上方に位置し、押圧部材30を前記下方位置まで移動させると、ガイド部16の位置Pよりも下方に位置するように設けられている。
【0016】
各固定部材40は、折り曲げ加工された金属板からなり、コネクタ本体10の背面側に互いに幅方向に間隔をおいて配置されている。固定部材40は、コネクタ本体10に固定される第1の固定片部41と、基板2に固定される第2の固定片部42と、フレキシブル回路1に圧接する弾性片部43とからなる。第1の固定片部41は上下方向に延びるように形成され、コネクタ本体10の固定部15と背面部12との間に圧入されている。第2の固定片部42は第1の固定片部41の下端側に設けられ、コネクタ本体10の下端側から外部に延出している。弾性片部43は第1の固定片部41の上端に設けられ、背面部12の上方からコネクタ本体10内の下方に向かって逆U字状に屈曲している。また、弾性片部43の下端側は前面部11の上部に向かって山形に突出している。
【0017】
以上のように構成されたコネクタは、各端子20の接続部23及び各固定部材40の第2の固定片部42を基板2に半田付けすることにより、基板2に実装される。また、図4に示すように押圧部材30を所定の上方位置まで移動するとともに、図5に示すようにコネクタ本体10に上方からフレキシブル回路1を挿入し、押圧部材30を所定の下方位置まで移動することにより、フレキシブル回路1がコネクタに接続される。その際、各端子20の弾性片部21がフレキシブル回路1との接触により弾性変形し、弾性片部21の接触部21aがフレキシブル回路1の導電部(図示せず)に圧接する。更に、押圧部材30を下方に移動すると、押圧部材30の押圧部32がコネクタ本体10の前面部11に接触しながらフレキシブル回路1を各固定部材40の弾性片部43側に押圧し、弾性片部43との圧接によりフレキシブル回路1がコネクタ本体10に保持される。
【0018】
また、前記コネクタにおいては、図6及び図7に示すように押圧部材30を所定の上方位置まで引き上げると、押圧部材30の各圧接部33a及び各突部33bがガイド部16の上下位置Pよりも上方に移動する。その際、各圧接部33aを含む係合部33の幅W3 はガイド部16の上方の幅W1 よりも大きいので、各圧接部33aがガイド部16の両側面に摺動しながら圧接し、各圧接部33aによって押圧部材30が前記上方位置で保持される。更に、各突部33bを含む係合部33の幅W4 はガイド部16の上方の幅W1 とほぼ等しいので、圧接部33aを中心とする押圧部材30の前後方向の揺動が各突部33bによって規制される。また、図2に示すように押圧部材30を所定の下方位置まで移動させると、押圧部材30の各圧接部33a及び各突部33bがガイド部16の上下位置Pよりも下方に移動する。その際、各圧接部33aを含む係合部33の幅W3 と、各突部33bを含む係合部33の幅W4 は、ガイド部16の下方の幅W2 よりも小さいので、各圧接部33aとガイド部16の圧接が解除される。
【0019】
このように、本実施形態のコネクタによれば、押圧部材30をコネクタ本体10に上下方向に摺動自在に圧接させることにより、押圧部材30を所定の上方位置で保持するようにしたので、押圧部材30が自重や振動で下方に移動することがなく、押圧部材30を上方位置に確実に保持することができる。これにより、押圧部材30を吸着パッドで安定して吸着することができるので、押圧部材30をフレキシブル回路1が挿入可能な上方位置に移動した状態で基板2に実装することができる。従って、基板実装後に押圧部材30を引き上げる作業を必要とせず、フレキシブル回路1の接続時における作業性の向上を図ることができる。
【0020】
この場合、コネクタ本体10に上下方向に延びるガイド部16を設けるとともに、押圧部材30にガイド部16に上下方向に移動自在に係合する係合部33を設け、係合部33に設けた圧接部33aをガイド部16に圧接させるようにしたので、簡単な構造により確実に押圧部材30を上方位置に保持することができる。
【0021】
また、押圧部材30が所定の上下位置Pよりも下方に移動すると、押圧部材30の圧接部33aとガイド部16との圧接が解除されるようにしたので、押圧部材30を下方位置に移動した際、押圧部材30がフレキシブル回路1の押圧方向への移動を圧接部33aによって規制されることがなく、押圧部材30によってフレキシブル回路1を確実に押圧することができる。
【0022】
尚、前記実施形態では、圧接部33a及び突部33bを係合部33の幅方向両側にそれぞれ設けたものを示したが、幅方向一方のみに設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0023】
1…フレキシブル回路、10…コネクタ本体、16…ガイド部、17…突出部、20…端子、30…押圧部材、33…係合部、33a…圧接部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7